JP2019065231A - 導電性接着剤、硬化物、電子部品および電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを備えた異方導電性の接続構造体を形成することができ、かつ、低温で導電接続可能な導電性接着剤、該導電性接着剤の硬化物、該導電性接着剤を用いて電気的に接続した部材を含む電子部品および該電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】熱圧着することによって部材同士を異方導電接着する、導電粒子およびパーオキサイドを含む導電性接着剤であって、前記導電粒子の配合割合が固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、下記式(1)で表される前記導電粒子の粒度分布のスパン値が3.0以下であり、前記パーオキサイドの1時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とする導電性接着剤等である。スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・・(1)(式(1)中、D50は0.1〜20μmである。)【選択図】なし
Description
本発明は導電性接着剤、硬化物、電子部品および電子部品の製造方法に関する。
近年のエレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に伴い、電子部品の電気的接続、例えば配線板と電子素子との電気的接続や配線板間の電気的接続に用いる技術として、導電性接着剤の開発・改良が進められている(例えば特許文献1、2)。このような導電性接着剤は、電気的に接続したい部材間に塗布し、加熱圧着することによって、軽量かつ省スペースで電気的接続を可能とする。
具体的には、導電性接着剤自体は絶縁性であるが、加熱圧着により、導電性接着剤に含有される導電粒子が電極間に挟まり押し付けられることで導電する経路が形成される。その結果、部材間の電気的な接続が可能となる。一方、加熱圧着後も電極間に挟まれずに圧力がかからなかった領域は、導電粒子が分散したままであるため、絶縁性が維持される。これによって、いわゆる異方導電性の接続構造体となる。
上記のような導電性接着剤を用いて形成した異方導電性の接続構造体は、圧力がかからなかった領域には絶縁性が維持されているものの、その領域には導電粒子が存在するため、優れた耐電圧性を付与することが必要である。
また一方で、このような接続構造体は、導電性接着剤に含まれる導電粒子が電極間に挟まり押し付けられることで導電する経路が形成され、安定的に電気的接続を可能にできること、すなわち、優れた導電接続信頼性が必要である。
しかしながら、最近の電子機器の精密化、薄膜化に伴い、狭ピッチの微細な電極における耐電圧性と導電接続信頼性の両立は困難であった。
また一方で、このような接続構造体は、導電性接着剤に含まれる導電粒子が電極間に挟まり押し付けられることで導電する経路が形成され、安定的に電気的接続を可能にできること、すなわち、優れた導電接続信頼性が必要である。
しかしながら、最近の電子機器の精密化、薄膜化に伴い、狭ピッチの微細な電極における耐電圧性と導電接続信頼性の両立は困難であった。
また最近では、基材として耐熱温度が低いポリカーボネートやPETなどを用いたり、基材上に耐熱温度が低いセンサー等の電子部品を電気的に接続して搭載することが行われている。
しかしながら、上記従来技術に係る導電接着剤では、耐熱温度が低い基材や電子部品を低温かつ迅速な熱圧着によって電気的に接続して接着することが困難であった。
しかしながら、上記従来技術に係る導電接着剤では、耐熱温度が低い基材や電子部品を低温かつ迅速な熱圧着によって電気的に接続して接着することが困難であった。
そこで本発明の目的は、優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを備えた異方導電性の接続構造体を形成することができ、かつ、低温で導電接続可能な導電性接着剤、該導電性接着剤の硬化物、該導電性接着剤を用いて電気的に接続した部材を含む電子部品および該電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記に鑑み鋭意検討した結果、粒度分布のスパン値が特定の範囲にある導電粒子を特定の配合割合で配合し、かつ10時間半減期温度が50℃以下であるパーオキサイドを配合することによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の導電性接着剤は、熱圧着することによって部材同士を異方導電接着する、導電粒子およびパーオキサイドを含む導電性接着剤であって、前記導電粒子の配合割合が固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、下記式(1)で表される前記導電粒子の粒度分布のスパン値が3.0以下であり、前記パーオキサイドの10時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とするものである。
スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・・(1)
(式(1)中、D50は0.1〜20μmである。)
スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・・(1)
(式(1)中、D50は0.1〜20μmである。)
本発明の導電性接着剤は、前記パーオキサイドが、カーボネート骨格を有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、前記導電粒子が、低融点はんだ粒子であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、エチレン性不飽和基含有化合物と有機バインダーを含む有機成分を、さらに含有することが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、前記有機成分(溶剤を含む場合は溶剤を除く)中のエチレン性不飽和結合当量が260〜1000であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、前記導電粒子が低融点はんだ粒子であって、前記低融点はんだ粒子の融点以下の温度で熱圧着を行う低温接着用であることが好ましい。
本発明の硬化物は、前記導電性接着剤を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記導電性接着剤を用いて電気的に接続した部材を含むことを特徴とするものである。
本発明の電子部品の製造方法は、前記導電性接着剤を塗布し、熱圧着することによって部材同士を導電接着することを特徴とするものである。
本発明によれば、優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを備えた異方導電性の接続構造体を形成することができ、かつ、低温で導電接続可能な導電性接着剤、該導電性接着剤の硬化物、および、該導電性接着剤を用いて電気的に接続した部材を含む電子部品および該電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の導電性接着剤は、熱圧着することによって部材同士を異方導電接着する、導電粒子およびパーオキサイドを含む導電性接着剤であって、前記導電粒子の配合割合が固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、上述した式(1)で表される前記導電粒子の粒度分布のスパン値が3.0以下であり、前記パーオキサイドの10時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とするものである。
導電粒子を0.01〜3.5体積%という少量で配合すると、導電粒子が不足するために十分な導電性を確保できないと考えられたが、実際には顕著な導電性の低下は生じることなく、耐電圧が向上することがわかった。詳しいメカニズムは明らかではないが、導電粒子の配合割合を少なくしたことにより、電極間の導電粒子が少なくなるものの、これによって熱圧着時に電極間に挟まれた導電粒子1つ当たりにかかる圧力の増加に伴い、導電粒子のつぶれ具合(加圧方向(Z軸方向)の一次元収縮とX−Y方向の二次元伸長)が増加し、電極間に挟まれた導電粒子1つ当たりが電極と接触する面積が増加するため、導電性を確保できたと考えられる。一方で、導電粒子の配合割合を少なくしたことにより、非電気的接続箇所においては、分散している導電粒子の濃度が低くなってより絶縁性が高まり、X−Y方向で隣り合う電極間の耐電圧性が向上したと考えられる。
導電粒子を0.01〜3.5体積%という少量で配合すると、導電粒子が不足するために十分な導電性を確保できないと考えられたが、実際には顕著な導電性の低下は生じることなく、耐電圧が向上することがわかった。詳しいメカニズムは明らかではないが、導電粒子の配合割合を少なくしたことにより、電極間の導電粒子が少なくなるものの、これによって熱圧着時に電極間に挟まれた導電粒子1つ当たりにかかる圧力の増加に伴い、導電粒子のつぶれ具合(加圧方向(Z軸方向)の一次元収縮とX−Y方向の二次元伸長)が増加し、電極間に挟まれた導電粒子1つ当たりが電極と接触する面積が増加するため、導電性を確保できたと考えられる。一方で、導電粒子の配合割合を少なくしたことにより、非電気的接続箇所においては、分散している導電粒子の濃度が低くなってより絶縁性が高まり、X−Y方向で隣り合う電極間の耐電圧性が向上したと考えられる。
さらに、導電粒子の配合割合を0.01〜3.5体積%と少なくしつつ、導電粒子の粒度分布のスパン値を3.0以下とすると、意外にも電極ピッチ(L/S)が50/50(μm)のような狭ピッチの電極同士を電気的に接続するような接続構造体であっても、優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを両立できることがわかった。
ここで、前記導電粒子の粒度分布のスパン値とは、粒度分布のシャープさを表す値であり、レーザー回折法によるその粒度分布測定結果の積算粒子量曲線において、その積算量が10%、50%、90%を占めるときの粒子径D10、D50、D90より、式(D90−D10)/D50から求められる粒度分布のばらつきを表す指標となる値をいう。
また、前記導電粒子の配合割合(体積%)は、JIS K−5400に準拠し100mlの比重カップを用いて測定した導電粒子以外の成分からなる組成物(接着剤)の比重と導電粒子の真比重を用いて下記式にて算出する。
(式)
導電粒子の配合割合(体積%)=100×(導電粒子の配合量/導電粒子の真比重)/((導電粒子の配合量/導電粒子の真比重)+(導電粒子以外の組成物の配合量/導電粒子以外の組成物の比重))
また、前記導電粒子の配合割合(体積%)は、JIS K−5400に準拠し100mlの比重カップを用いて測定した導電粒子以外の成分からなる組成物(接着剤)の比重と導電粒子の真比重を用いて下記式にて算出する。
(式)
導電粒子の配合割合(体積%)=100×(導電粒子の配合量/導電粒子の真比重)/((導電粒子の配合量/導電粒子の真比重)+(導電粒子以外の組成物の配合量/導電粒子以外の組成物の比重))
導電粒子を0.01〜3.5体積%という少量で配合すると、導電粒子が不足するために十分な導電性を確保できないと考えられたが、実際には顕著な導電性の低下は生じることなく、耐電圧が向上することがわかった。
また従来、低融点はんだ粒子を含む導電性接着剤の導電接続では、通常融点以上の温度で熱圧着することが一般的であった。しかしながら、発明者らは、少ない低融点はんだ粒子の配合量で検討したところ、圧着と同時に速やかに硬化反応させることにより、意外にも低融点はんだ粒子の融点以下である低温度領域でも低融点はんだ粒子が潰れた状態で接着固化され、導電接続できることに気づいた。すなわち、低融点はんだ粒子の融点以下である低温度領域でも速やかに硬化反応できるように、本願発明では、10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを含有することに特徴があり、その結果、低融点はんだ粒子の融点以下である低温領域でも導電接続が可能となる。
このような半減期温度が低いパーオキサイドを用いた場合、反応性が向上するため、導電粒子が十分に圧着される前に導電性接着剤が硬化してしまうことによって、かえって導電接続が困難になるとも考えられたが、本発明においては、上記のとおり、導電接続が可能である。
また従来、低融点はんだ粒子を含む導電性接着剤の導電接続では、通常融点以上の温度で熱圧着することが一般的であった。しかしながら、発明者らは、少ない低融点はんだ粒子の配合量で検討したところ、圧着と同時に速やかに硬化反応させることにより、意外にも低融点はんだ粒子の融点以下である低温度領域でも低融点はんだ粒子が潰れた状態で接着固化され、導電接続できることに気づいた。すなわち、低融点はんだ粒子の融点以下である低温度領域でも速やかに硬化反応できるように、本願発明では、10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを含有することに特徴があり、その結果、低融点はんだ粒子の融点以下である低温領域でも導電接続が可能となる。
このような半減期温度が低いパーオキサイドを用いた場合、反応性が向上するため、導電粒子が十分に圧着される前に導電性接着剤が硬化してしまうことによって、かえって導電接続が困難になるとも考えられたが、本発明においては、上記のとおり、導電接続が可能である。
以下、本発明の導電性接着剤が含有する成分について詳述する。
(導電粒子)
本発明の導電性接着剤は、上述したように導電粒子を特徴ある構成成分として含有する。
本発明の導電性接着剤は、上述したように導電粒子を特徴ある構成成分として含有する。
本発明において、導電粒子の粒度分布のスパン値は、3.0以下であり、2.0以下であることが好ましく、0.01〜1.2であることがより好ましく、0.05〜1.05であることがさらに好ましく、0.1〜0.9であることが最も好ましい。スパン値が3.0以下であると、より導電接続不良の少ない接続が可能であるため好ましい。スパン値の下限は特に限定されないが、製造し易さの観点から、0.01以上が好ましい。
ここで、式(1)中のD50は、0.1〜20μmであり、1〜15μmであることが好ましく、2〜15μmであることがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましく、4〜8μmであることが最も好ましい。D50を20μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な導電接続が可能となる。一方、D50を0.1μm以上とすることにより、導電性接着剤中での導電粒子の凝集を抑制することができる。
D90は、1〜60μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、9〜15μmであることがさらに好ましい。D90を60μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な絶縁性確保が可能となる。一方、D90を1μm以上とすることにより、導電性接着剤中での導電粒子の凝集を抑制することができる。
D10は、0.01〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、1〜6μmであることがさらに好ましい。D10を20μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な絶縁性確保が可能となる。一方、D10を0.01μm以上とすることにより、導電性接着剤中での導電粒子の凝集を抑制することができる。
D90は、1〜60μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、9〜15μmであることがさらに好ましい。D90を60μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な絶縁性確保が可能となる。一方、D90を1μm以上とすることにより、導電性接着剤中での導電粒子の凝集を抑制することができる。
D10は、0.01〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、1〜6μmであることがさらに好ましい。D10を20μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な絶縁性確保が可能となる。一方、D10を0.01μm以上とすることにより、導電性接着剤中での導電粒子の凝集を抑制することができる。
式(1)中の(D90−D10)は、10μm以下であることが好ましく、6.0μm以下であることがより好ましい。
また、本発明において、導電粒子の配合割合は、導電性接着剤中に固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、0.1〜3.0体積%であることが好ましく、0.1〜2.5体積%であることがより好ましく、0.1〜2.0体積%であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、導電性の低下を生じることなく耐電性を向上させることができ、その結果、導電性と耐電圧を両立することができる。
本発明において、この導電粒子は、電極間に挟まれることにより、部材同士が電気的に接続される機能を有する。ここで、導電粒子とは体積固有抵抗が1×106Ω・cm以下である物質の粒子を意味し、特に限定されるものではない。
たとえば、この導電粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、Pd、および後述の低融点はんだ粒子、カーボン粒子などが挙げられる。この導電粒子は、核としてのガラスやセラミック、プラスチックなどの非導電性の粒子を金属層で被覆した複合粒子、前記非導電性粒子と金属粒子またはカーボン粒子とを有する複合粒子であってもよい。この導電粒子が、上記複合粒子または熱溶融性の金属粒子であると、加熱加圧により導電粒子が変形するため、接続時に電極との接触面積が増加し、特に高い信頼性が得られる。なお、この導電粒子としては、銀被覆銅粒子や、微細な金属粒子が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粒子を用いることもできる。
このような導電粒子としては、熱溶融性の導電粒子が好ましく、特に170℃以下、2MPa以下での熱圧着で溶融するような導電粒子を用いることが好ましく、なかでも低融点はんだ粒子がより好ましい。
ここで、低融点はんだ粒子とは、融点が200℃以下、好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下のはんだ粒子を意味する。
また、低融点はんだ粒子としては鉛を含まないはんだ粒子が好ましく、この鉛を含まないはんだ粒子とは、JIS Z 3282(はんだ−化学成分及び形状)で規定されている、鉛含有率0.10質量%以下のはんだ粒子を意味する。
鉛を含まないはんだ粒子としては、錫、ビスマス、インジウム、銅、銀、アンチモンから選択される1種類以上の金属から構成される低融点はんだ粒子が好適に用いられる。特に、コスト、取り扱い性、接合強度のバランスの観点から、錫(Sn)とビスマス(Bi)との合金が好ましく用いられる。
このような低融点はんだ粒子中のBiの含有割合は、15〜65質量%、好ましくは35〜65質量%、より好ましくは55〜60質量%の範囲で適宜選択される。
Biの含有割合を15質量%以上とすることにより、その合金は約160℃で溶融を開始する。さらにBiの含有割合を増加させると溶融開始温度は低下していき、20質量%以上で溶融開始温度が139℃となり、58質量%で共晶組成となる。したがって、Biの含有割合を15〜65質量%の範囲とすることにより、低融点化効果が十分に得られる結果、低温であっても十分な導通接続が得られる。
以上説明したような導電粒子は、球状であることが好ましい。ここで、球状の導電粒子とは、導電粒子の形状が確認できる倍率において、球状粉の長径と短径の比が1〜1.5のものを90%以上含むものをいう。
また、導電粒子の酸素量は100〜2000ppmであることが好ましく、250〜1400ppmであることがより好ましく、400〜850ppmであることがさらに好ましい。
(10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイド)
本発明の導電性接着剤は、10時間半減期温度が50℃以下、好ましくは20〜48℃、より好ましくは20℃〜45℃のパーオキサイドを含有する。パーオキサイドは、後述するようなエチレン性不飽和基含有化合物のような樹脂成分の重合開始剤として働く。パーオキサイドにより、エチレン性不飽和基含有化合物のラジカル反応等が開始され、その結果、導電性接着剤が硬化し、電子部品における部材同士の接着力が向上する。本発明においては、10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを用いることによって、低温でも熱圧着が可能となる。
本発明の導電性接着剤は、10時間半減期温度が50℃以下、好ましくは20〜48℃、より好ましくは20℃〜45℃のパーオキサイドを含有する。パーオキサイドは、後述するようなエチレン性不飽和基含有化合物のような樹脂成分の重合開始剤として働く。パーオキサイドにより、エチレン性不飽和基含有化合物のラジカル反応等が開始され、その結果、導電性接着剤が硬化し、電子部品における部材同士の接着力が向上する。本発明においては、10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを用いることによって、低温でも熱圧着が可能となる。
前記10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドは液状でも粉末状でもよく、具体例としては、以下の材料を挙げることができる。
ジイソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパ−オキシネオデカノエート等のパーオキシエステル。
前記パーオキサイドは、カーボネート骨格を有することが好ましく、ジカーボネート骨格を有することがより好ましい。また、前記ジカーボネート骨格を有するパーオキサイドとしては、下記の構造式で表されるパーオキサイドが好ましい。
R1−O−(C=O)−O−O−(C=O)−O−R2
(上記式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、または、炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜7のシクロアルキル基を表す。)
(上記式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、または、炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜7のシクロアルキル基を表す。)
上記式中、R1およびR2がとりうる炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
上記式中、R1およびR2がとりうる炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよい炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記の構造式で表されるパーオキサイドとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
前記パーオキサイドは、1分間半減期温度が110℃以下であることが好ましく、20〜95℃であることがより好ましい。
前記パーオキサイドは、1時間半減期温度が70℃以下であることが好ましく、20〜60℃であることがより好ましい。
10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドは、単独でも使用されるが、複数種類を組み合わせて使用することもできる。
10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドの配合割合は、導電粒子を除く導電性接着剤に対し0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.3〜10質量%が特に好ましい。
配合割合が0.01質量%以上であれば十分な硬化ができ、30質量%以下であれば十分な強度の硬化物が得られる。
配合割合が0.01質量%以上であれば十分な硬化ができ、30質量%以下であれば十分な強度の硬化物が得られる。
本発明の導電性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、10時間半減期温度が50℃よりも高いパーオキサイドを含有してもよい。
本発明の導電性接着剤は、導電粒子が固形分換算で0.01〜3.5体積%の配合割合で含み、前記導電粒子の粒度分布のスパン値が3.0以下である樹脂組成物であり、前記パーオキサイドの10時間半減期温度が50℃以下であれば特に限定されず、導電粒子およびパーオキサイド以外のその他の成分としては、導電性接着剤に用いることができる公知慣用の成分が挙げられる。
具体的には後述する樹脂成分、チクソトロピー性付与剤、湿潤分散剤、消泡剤等が挙げられる。
具体的には後述する樹脂成分、チクソトロピー性付与剤、湿潤分散剤、消泡剤等が挙げられる。
(樹脂成分)
樹脂成分としては、公知慣用の熱硬化型、熱溶融型、紫外線硬化型、湿気硬化型の樹脂のうち少なくとも何れか1種を用いることができる。これらの樹脂のなかでも、熱圧着による電気的な接続が容易であることから、熱硬化型が好ましい。熱硬化型の樹脂としては、アクリレート樹脂等のエチレン性不飽和基含有化合物、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和基含有化合物が特に好ましい。
樹脂成分としては、公知慣用の熱硬化型、熱溶融型、紫外線硬化型、湿気硬化型の樹脂のうち少なくとも何れか1種を用いることができる。これらの樹脂のなかでも、熱圧着による電気的な接続が容易であることから、熱硬化型が好ましい。熱硬化型の樹脂としては、アクリレート樹脂等のエチレン性不飽和基含有化合物、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和基含有化合物が特に好ましい。
(エチレン性不飽和基含有化合物)
本発明の導電性接着剤は、エチレン性不飽和基含有化合物を含有することが好ましい。特に、エチレン性不飽和基含有化合物は、反応性希釈剤として用いることができるモノマーやオリゴマーであることが好ましい。
このような、エチレン性不飽和結合を有する化合物を配合することによって、熱圧着可能な導電性接着剤を容易に得ることができる。
本発明の導電性接着剤は、エチレン性不飽和基含有化合物を含有することが好ましい。特に、エチレン性不飽和基含有化合物は、反応性希釈剤として用いることができるモノマーやオリゴマーであることが好ましい。
このような、エチレン性不飽和結合を有する化合物を配合することによって、熱圧着可能な導電性接着剤を容易に得ることができる。
エチレン性不飽和基含有化合物としては、1種または2種以上の化合物を混合して用いることができ、単官能または多官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を好ましく用いることができる。本願明細書において(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
このような(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、置換または非置換の脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、ヘテロ環含有アクリレート、およびこれらのエチレンオキサイド変性アクリレート、エポキシアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、アルキッドアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、並びにこれらに対応するメタクリレート類などを用いることができる。
より具体的には、単官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、脂肪族エポキシ変性(メタ)アクリレート等変性(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、γ−(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランなどを用いることができる。
また、多官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス[4−(メタ)アクリロキシメチル]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス[4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシフェニル]プロパン、イソホロンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴシロキサニルジ(メタ)アクリレート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどを用いることができる。
このほか、以下の化合物も用いることができる。
(1)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを、2,4−トリレンジイソシアネートを介して液状ポリブタジエンのヒドロキシル基とウレタン付加反応させることにより得られる液状ポリブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、
(2)無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエンに、2−ヒドロキシアクリレートをエステル化反応させて得られる液状ポリブタジエンアクリレート、
(3)ポリブタジエンのカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸グリシジルとのエポキシエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(4)液状ポリブタジエンにエポキシ化剤を作用させて得られるエポキシ化ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(5)ヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸クロリドとの脱塩素反応によって得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、および、
(6)分子両末端にヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンの二重結合を水素添加した液状水素化1,2ポリブタジエングリコールを、ウレタン(メタ)アクリレート変成した液状水素化1,2ポリブタジエン(メタ)アクリレート。
(1)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを、2,4−トリレンジイソシアネートを介して液状ポリブタジエンのヒドロキシル基とウレタン付加反応させることにより得られる液状ポリブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、
(2)無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエンに、2−ヒドロキシアクリレートをエステル化反応させて得られる液状ポリブタジエンアクリレート、
(3)ポリブタジエンのカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸グリシジルとのエポキシエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(4)液状ポリブタジエンにエポキシ化剤を作用させて得られるエポキシ化ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(5)ヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸クロリドとの脱塩素反応によって得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、および、
(6)分子両末端にヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンの二重結合を水素添加した液状水素化1,2ポリブタジエングリコールを、ウレタン(メタ)アクリレート変成した液状水素化1,2ポリブタジエン(メタ)アクリレート。
これらの市販品の例としては、NISSO PB TE−2000、NISSO PB TEA−1000、NISSO PB TE−3000、NISSO PB TEAI−1000(以上いずれも日本曹達社製)、MM−1000−80、MAC−1000−80(以上いずれも日本石油化学社製)、ポリベックACR−LC(日本ヒドラジン工業社製)、HYCAR VT VTR 2000×164(宇部興産社製)、Quinbeam101(日本ゼオン社製)、Chemlink5000(SARTOMER社製)、BAC−15(大阪有機化学工業社製)、BAC−45(大阪有機化学工業社製)、UAT−2000(共栄社化学社製)、エポリード PB−3600(ダイセル化学工業社製)、EY RESIN、BR−45UAS(ライトケミカル工業社製)などが挙げられる。
このような(メタ)アクリロイル基含有化合物のうち、特に、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、脂肪族ウレタンアクリレートが好ましい。
なお、本発明では、熱圧着時の塗膜中における気泡の発生を抑制するという観点から、エチレン性不飽和基含有化合物は、80℃における重量減少率が5%以下であるものが好ましく、3%以下であるものがより好ましく、1%以下であるものが特に好ましい。また、90℃における重量減少率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。さらに、100℃における重量減少率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。具体的には、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレートなどが挙げられ、好ましくはフェノキシエチルアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドが挙げられる。また、エチレン性不飽和基含有化合物は、25℃における粘度が50dPa・s以下であることがより好ましい。
このようなエチレン性不飽和基含有化合物を用いることにより、本発明の導電性接着剤は、導電性接着剤の反応ピーク温度での重量減少率を5%以下とすることができ、その結果、熱圧着時の気泡発生を効果的に防止することができる。ここで、導電性接着剤の反応ピーク温度とは、示差熱・熱重量測定(以下、単に「TG/DTA測定」という。)装置を用いて、昇温速度5℃/sec、30〜200℃で測定したDTA曲線におけるピーク温度をいう。なお、ピークが2個以上存在する場合には、 最初のピーク温度をいう。
以上説明したようなエチレン性不飽和基含有化合物は、導電性接着剤中に、溶剤を除く有機成分中のエチレン性不飽和結合当量が260〜1000となるように配合することが好ましい。より好ましくは260〜700、さらに好ましくは350〜700、特に好ましくは350〜550、もっとも好ましくは450〜500である。エチレン性不飽和結合当量を260以上とすることで、硬化の際に生じる硬化収縮が抑えられ、十分な接着強度を得ることができる。また、エチレン性不飽和結合当量を1000以下とすることで、十分な硬化性を得ることができるとともに、保存安定性が良好となる。ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、グラム当量でエチレン性不飽和結合数あたりの質量である。エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である場合は一般的に(メタ)アクリル当量とも呼ばれる。例えば、エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である場合は、(メタ)アクリロイル基1個あたりの有機成分(溶剤を含む場合は溶剤を除く)の質量と定義される。すなわち、エチレン性不飽和結合当量は、有機成分(溶剤を含む場合は溶剤を除く)の質量合計を組成物中のエチレン性不飽和結合の数で除することにより得ることができる。
エチレン性不飽和基含有化合物の配合割合は、導電性接着剤の総質量に対して好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは35〜55質量%、特に好ましくは40〜55質量%である。エチレン性不飽和基含有化合物の配合割合を、導電性接着剤の総質量に対して10質量%以上とすることにより、十分な硬化性が得られ、接着強度もより良好とされる。また、エチレン性不飽和基含有化合物の配合割合を、導電性接着剤の総質量に対して90質量%以下とすることにより、硬化収縮が抑えられ接着強度もより良好となる。
(有機バインダー)
本発明の導電性接着剤は、樹脂成分として前記エチレン性不飽和基含有化合物を含有する場合、前記化合物以外の有機バインダーをさらに含有することが好ましい。有機バインダーを添加することにより、熱硬化の際に生じる応力を緩和し、接着強度をさらに向上することができる。
本発明の導電性接着剤は、樹脂成分として前記エチレン性不飽和基含有化合物を含有する場合、前記化合物以外の有機バインダーをさらに含有することが好ましい。有機バインダーを添加することにより、熱硬化の際に生じる応力を緩和し、接着強度をさらに向上することができる。
有機バインダーとは有機樹脂成分であり、公知慣用の天然樹脂、合成樹脂を用いることができる。このような有機バインダーとしては、セルロース、およびロジン等の天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂などの合成樹脂を用いることができる。なかでもアクリル樹脂、ブチラール樹脂、飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、飽和ポリエステル樹脂がより好ましい。
アクリル樹脂の具体例としては、クラリティシリーズ(クラレ社製)のクラリティLA2330等が挙げられる。
ブチラール樹脂の具体例としては、積水化学エスレックシリーズ(積水化学工業社製)のエスレックBL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−10、BL−S、BL−L等が挙げられる。
飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、東洋紡バイロンシリーズ(東洋紡績社製)のバイロン200、220、240、245、270、280、290、296、300、337、500、530、550、560、600、630、650、BX1001、GK110、130、140、150、180、190、250、330、590、640、680、780、810、880、890等が挙げられる。
有機バインダーは、室温(25℃)、大気圧において固形のものを用いるのが好ましい。固形の有機バインダーを用いることで導電性接着剤の硬化後の強度を維持しやすくなる。有機バインダーのTg(ガラス転移温度)は好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは10〜70℃である。
有機バインダーの分子量は好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜80,000、さらに好ましくは5,000〜60,000である。分子量が1,000以上であれば硬化時にブリードアウトすることなく応力緩和することができ、100,000以下であればエチレン性不飽和基含有化合物と容易に相溶し十分な流動性を得ることができる。
有機バインダーの配合割合は、導電性接着剤の総質量に対して好ましくは1〜90質量%、より好ましくは3〜60質量%、さらに好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%、特に好ましくは35〜40質量%である。
(チクソトロピー性付与剤)
本発明の導電性接着剤は、チクソトロピー性付与剤を配合することが好ましい。チクソトロピー性付与剤を配合することにより、比重の高い導電粒子の沈降を防止することができる。チクソトロピー性付与剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明の導電性接着剤は、チクソトロピー性付与剤を配合することが好ましい。チクソトロピー性付与剤を配合することにより、比重の高い導電粒子の沈降を防止することができる。チクソトロピー性付与剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
チクソトロピー性付与剤としては、公知慣用のものを使用でき、例えば、ベントナイト、ワックス、ステアリン酸金属塩、変性ウレア、シリカなどを用いることができる。これらの中でもシリカが好ましい。前記シリカはアモルファスシリカであることが好ましく、一次粒子の平均粒子径が50nm以下のアモルファスシリカであることがさらに好ましく、表面を疎水化処理した疎水性アモルファスシリカであることが特に好ましい。
このようなチクソトロピー性付与剤の配合割合は、導電性接着剤中に固形分換算で好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%の範囲で適宜選択される。配合割合を0.01質量%以上とすることで比重の高い導電粒子の沈降を防止することができ、20質量%以下とすることで密着性がより良好となる。
(湿潤分散剤)
本発明の導電性接着剤は、湿潤分散剤を配合することが好ましい。湿潤分散剤を配合することにより、導電粒子の分散が良好となり凝集による粗粒の発生を防止することができる。湿潤分散剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明の導電性接着剤は、湿潤分散剤を配合することが好ましい。湿潤分散剤を配合することにより、導電粒子の分散が良好となり凝集による粗粒の発生を防止することができる。湿潤分散剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
湿潤分散剤としては、公知慣用のものを使用でき、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル、アルキルスルホン酸、リン酸エステル、ポリエーテル、ポリエステルカルボン酸やこれらの塩類を用いることができる。これらの中でもリン酸エステルが好ましい。
このような湿潤分散剤の配合割合は、導電性接着剤中に固形分換算で0.01〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%である。配合割合を0.01質量%以上とすることで湿潤分散効果を得ることができ、配合割合を5質量%以下とすることで良好な塗膜特性を得ることができる。
(消泡剤)
本発明の導電性接着剤は、消泡剤を配合することが好ましい。消泡剤を配合することにより、気泡の発生を抑制することが可能となりボイドの発生を防止することができる。消泡剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明の導電性接着剤は、消泡剤を配合することが好ましい。消泡剤を配合することにより、気泡の発生を抑制することが可能となりボイドの発生を防止することができる。消泡剤は、1種または2種以上混合して使用することができる。
消泡剤としては、公知慣用のものを使用でき、例えば、シリコン樹脂、変性シリコン樹脂、有機高分子ポリマー、有機オリゴマーなど用いることができる。これらの中でも有機高分子ポリマーや有機オリゴマーが好ましく、ビニルエーテルの重合物がより好ましい。
このような消泡剤の配合割合は、導電性接着剤中に固形分換算で好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%の範囲で適宜選択される。配合割合を0.01質量%以上とすることでボイドの発生を防止することができ、配合割合を10質量%以下とすることで密着性がより良好となる。
(その他成分)
本発明の導電性接着剤は、必要に応じてレベリング剤などの公知慣用の添加剤を配合することができる。また、導電性接着剤の染み出しを抑制し密着性を向上させること等を目的として樹脂粒子を配合してもよい。樹脂粒子は球状の樹脂粒子を用いることが好ましく、いわゆる樹脂ビーズを用いてもよい。
本発明の導電性接着剤は、必要に応じてレベリング剤などの公知慣用の添加剤を配合することができる。また、導電性接着剤の染み出しを抑制し密着性を向上させること等を目的として樹脂粒子を配合してもよい。樹脂粒子は球状の樹脂粒子を用いることが好ましく、いわゆる樹脂ビーズを用いてもよい。
なお、本発明の導電性接着剤は、溶剤を含まないことが好ましい。ここで、「溶剤を用いない」とは、導電性接着剤が実質的に溶剤を含まず、導電性接着剤の、150℃、30分加熱による質量の減少が、加熱前の質量と比較して、5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であることをいう。
以上説明したような本発明の導電性接着剤は、上述した各成分を所定の配合割合にて配合撹拌し、公知慣用の方法にて製造することができる。特に本発明では、真空攪拌処理を施すことが好ましい。真空攪拌処理によって、導電性接着剤が減圧脱泡されるため、導電性接着剤中の気泡、水および低沸点の不純物が除去され、加熱後の気泡の発生、および、これに起因する密着強度の低下をより抑制することができる。
また、本発明の導電性接着剤は、電子部品における部材同士の電気的接続に好適に用いることができる。例えば、テレビなどのディスプレイ用のガラス基板とフレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuits)とを電気的に接続するFOG(Flex on Glass)接続、LSIチップや液晶画面等の制御用ICを、直接ガラス基板上の透明電極などに接続する、いわゆるCOG(Chip on Glass)接続、リジッドプリント配線板上にLSIチップ等を実装するCOB(Chip on Board)接続またはフレキシブルプリント配線板上にLSIチップ等を実装するCOF(Chip on Flex)接続、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続するFOB(Flex on Board)接続、フレキシブルプリント配線板どうしを接続する、FOF(Flex on Flex)接続などの、ガラス基板やプリント配線板と電子素子との電気的接続やプリント配線板どうしの電気的接続に用いることができる。
なかでも、リジッドプリント配線板とフレキシブルプリント配線板の電気的接続に用いることが好ましい。タッチパネルや液晶ディスプレイの駆動用の配線の電気的接続にも好適に用いることができる。また、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末における電気的接続にも好適に用いることができる。さらに高周波特性が良好であるため、高周波特性が求められる電子機器における電気的接続にも好適に用いることができる。
なかでも、リジッドプリント配線板とフレキシブルプリント配線板の電気的接続に用いることが好ましい。タッチパネルや液晶ディスプレイの駆動用の配線の電気的接続にも好適に用いることができる。また、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末における電気的接続にも好適に用いることができる。さらに高周波特性が良好であるため、高周波特性が求められる電子機器における電気的接続にも好適に用いることができる。
特に、本発明の導電性接着剤は、電子部品における部材同士の電気的接続において、電極ピッチ(L/S)が狭くても、優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを備えた接続構造体を形成することができる。その結果、本発明の導電性接着剤は、電極ピッチ(L/S)のLとSのいずれもが、200μm以下、100μm以下、75μm以下、50μm以下の場合であっても適用できる。
本発明の導電性接着剤は、低温でも導電接続が可能であるため、低温接着用に好適に用いることができる。用いられる基材は特に限定されないが、例えば熱変形温度(JIS K7206)が200℃以下、さらには150℃以下のような耐熱性がより低い基材でもよい。例えば基材としての耐熱性が低いポリカーボネート(熱変形温度 JIS K7206 18.6kgfcm−2 129〜140℃)やPET(熱変形温度 JIS K7206 18.6kgfcm−2 37.7〜41℃)に導電接続する場合にも好適に用いることができる。また、耐熱性が低い(Tjmax ≦150℃ (Tjmax:最大ジャンクション温度))センサー部品等の電子部品を基材上に電気的に接続して搭載する場合にも好適に用いることができる。また、熱圧着によってセンサー部品を電気的接続する場合にも好適に用いることができる。
ここで、本発明において「耐熱性」とは、基材を、高温状態においたとき、変形、構造上の欠陥、導通、絶縁耐力または誘電率などの電気的、物理的特性の低下が生じ難い性能をいう。
また、本発明において「センサー」とは、画像、指紋、温度、圧力、音などの情報を検出する素子、または装置をいう。例えばカメラモジュールのCMOSやCCDセンサー、指紋や静脈を検出する生体認証用センサー、心拍や血圧を測定するバイタルセンサー、位置決めをするための赤外線センサー、超音波センサー、接触を検出する感圧センサー、熱いものを検出する熱センサー、角度を知るためのジャイロセンサーなどが挙げられる。
ここで、本発明において「耐熱性」とは、基材を、高温状態においたとき、変形、構造上の欠陥、導通、絶縁耐力または誘電率などの電気的、物理的特性の低下が生じ難い性能をいう。
また、本発明において「センサー」とは、画像、指紋、温度、圧力、音などの情報を検出する素子、または装置をいう。例えばカメラモジュールのCMOSやCCDセンサー、指紋や静脈を検出する生体認証用センサー、心拍や血圧を測定するバイタルセンサー、位置決めをするための赤外線センサー、超音波センサー、接触を検出する感圧センサー、熱いものを検出する熱センサー、角度を知るためのジャイロセンサーなどが挙げられる。
本発明の導電性接着剤は、導電粒子の融点以下の温度で導電接続を行う低温接着用に好適に用いることができ、例えば、導電粒子が低融点はんだ粒子(融点=139℃)である場合であっても、融点以下の温度、例えば120℃でも導電接続が可能である。
本発明の導電性接着剤を用いた電子部品における部材同士の電気的接続は、例えば以下の方法により行われる。
まず、プリント配線板等における接続部材の電気的接続箇所に、本発明の導電性接着剤を、スクリーンメッシュやメタルマスクによる塗布、あるいはディスペンサーなどの塗布装置により塗布する。ここで、この塗布の方法は特に限定されず、公知慣用の方法が用いられる。
まず、プリント配線板等における接続部材の電気的接続箇所に、本発明の導電性接着剤を、スクリーンメッシュやメタルマスクによる塗布、あるいはディスペンサーなどの塗布装置により塗布する。ここで、この塗布の方法は特に限定されず、公知慣用の方法が用いられる。
次に、接続箇所に導電性接着剤が十分に供給されたことを確認した後、被接続部材(部品)を接続部材(基板)の接続箇所に載せ、所定温度、所定圧力での熱圧着を行うことにより硬化する。これにより、接続部材(基板)と被接続部材(部品)とが電気的に接続することができる。
本発明の導電性接着剤によれば、導電粒子の配合割合を0.01〜3.5体積%としたことによって、電極に挟まれる導電粒子の数が少なくなり、導電粒子にかかる圧力が増大するため、また、10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを配合したことによって、低温かつ低圧力の熱圧着でも部材同士を異方導電接着することができる。熱圧着時の温度は特に限定されないが、例えば170℃以下、さらには150℃以下の温度で熱圧着してもよいし、130℃以下、さらには120℃以下、110℃以下、100℃以下、90℃以下のようなかなりの低温で熱圧着してもよい。また、熱圧着は60℃以上で行うことが好ましく、80℃以上で行うことがより好ましい。また、熱圧着時の圧力も特に限定されないが、2.0MPa以下、さらには1.5MPa以下、1.0MPa以下の低圧力で熱圧着してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下において特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準であるものとする。
(実施例1〜12および比較例1〜4)
(導電性接着剤の調製)
下記表3に示す配合割合(質量比)にて各成分を配合撹拌し、実施例1〜12および比較例1〜4の導電性接着剤を調製した。なお、下記表1に示すスパン値の低融点はんだ粒子を導電粒子C−1〜C−6として用いた。
なお、粒度分布の測定は、下記の測定装置及び測定条件で行った。
測定装置 : レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置
LA−950V2(堀場製作所製)
測定ユニット : 乾式ユニット
測定モード : ワンショットモード
測定範囲 : 0.1μm〜3000μm
粒子径基準 : 体積基準
屈折率 : 2.00−0.00i(推定法)
圧縮空気 : 0.3MPa
試料前処理 : 無し
(導電性接着剤の調製)
下記表3に示す配合割合(質量比)にて各成分を配合撹拌し、実施例1〜12および比較例1〜4の導電性接着剤を調製した。なお、下記表1に示すスパン値の低融点はんだ粒子を導電粒子C−1〜C−6として用いた。
なお、粒度分布の測定は、下記の測定装置及び測定条件で行った。
測定装置 : レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置
LA−950V2(堀場製作所製)
測定ユニット : 乾式ユニット
測定モード : ワンショットモード
測定範囲 : 0.1μm〜3000μm
粒子径基準 : 体積基準
屈折率 : 2.00−0.00i(推定法)
圧縮空気 : 0.3MPa
試料前処理 : 無し
(硬化性の確認および接着強度の評価)
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の導電性接着剤を、リジッド基板(基材:FR−4、電極幅:100μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.2mm、電極数70、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、電極幅:100μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.2mm、電極数70、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置を合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の導電性接着剤を、リジッド基板(基材:FR−4、電極幅:100μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.2mm、電極数70、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、電極幅:100μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.2mm、電極数70、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置を合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
硬化性の確認
上記方法によって得られた試験片のフレキシブル基板部分をピンセットでつまみ、上方へ持ち上げ、リジッド基板とフレキシブル基板が剥がれることなく持ち上がるか、フレキシブル基板だけが剥がれるかにより硬化の有無を確認した。
上記方法によって得られた試験片のフレキシブル基板部分をピンセットでつまみ、上方へ持ち上げ、リジッド基板とフレキシブル基板が剥がれることなく持ち上がるか、フレキシブル基板だけが剥がれるかにより硬化の有無を確認した。
接着強度の測定
上記方法によって得られた試験片の接着強度を、ボンドテスター(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製4000Plus)を用い、JIS K 6854−1に準じてフレキシブル基板を垂直方向にピールして測定し、評価した。
上記方法によって得られた試験片の接着強度を、ボンドテスター(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製4000Plus)を用い、JIS K 6854−1に準じてフレキシブル基板を垂直方向にピールして測定し、評価した。
(導電接続信頼性の評価)
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の各導電性接着剤を、リジッド基板(基材:FR−4、電極幅:50μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:01mm、コの字型電極数140、直線型電極1、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、電極幅:50μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.1mm、コの字型電極数140、直線型電極数1、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置をデイジーチェーンが形成されるように合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、140個の電気的接続箇所を有するデイジーチェーン回路試験片を作製した。
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の各導電性接着剤を、リジッド基板(基材:FR−4、電極幅:50μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:01mm、コの字型電極数140、直線型電極1、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、電極幅:50μm、電極長さ:6mm、ピッチ幅:0.1mm、コの字型電極数140、直線型電極数1、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置をデイジーチェーンが形成されるように合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、140個の電気的接続箇所を有するデイジーチェーン回路試験片を作製した。
上記方法によって得られた試験片を加熱し圧着部を引きはがした後、リジット基板の電極部をアセトンで洗浄した。
上記洗浄した電極部(コの字型電極数140、直線型電極1)の中央を顕微鏡(株式会社キーエンス社製VHX−5000 500倍 観察エリア縦542×横722μm)を用いて7本の電極を観察し、電極長手方向540μmに導電粒子の付着有無を確認して、付着のない電極をNG端子とした。この作業を10枚の試験片で行い、計70本の端子に対するNG端子の数をカウントし、導電接続信頼性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:NG端子数が0本
○:NG端子数が1〜2本
△:NG端子数が3〜4本
×:NG端子数が5本以上
上記洗浄した電極部(コの字型電極数140、直線型電極1)の中央を顕微鏡(株式会社キーエンス社製VHX−5000 500倍 観察エリア縦542×横722μm)を用いて7本の電極を観察し、電極長手方向540μmに導電粒子の付着有無を確認して、付着のない電極をNG端子とした。この作業を10枚の試験片で行い、計70本の端子に対するNG端子の数をカウントし、導電接続信頼性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:NG端子数が0本
○:NG端子数が1〜2本
△:NG端子数が3〜4本
×:NG端子数が5本以上
(耐電圧の評価)
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の各導電性接着剤を、下記表2の条件のリジッド基板α〜γ(いずれも基材:FR−4、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、以下の条件のフレキシブル基板α〜γ(いずれも基材:ポリイミド、フラッシュAu処理)をそれぞれ載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置を耐電圧が測定できるように合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
試験片の作製
上記にて調製した実施例1〜12および比較例1〜4の各導電性接着剤を、下記表2の条件のリジッド基板α〜γ(いずれも基材:FR−4、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、導電性接着剤を塗布した状態のリジッド基板に対し、以下の条件のフレキシブル基板α〜γ(いずれも基材:ポリイミド、フラッシュAu処理)をそれぞれ載置した。この載置に際しては、リジッド基板の電極とフレキシブル基板の電極の位置を耐電圧が測定できるように合わせ、双方の電極の重なり合う長さが3.5mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.2MPa、120℃、5秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
※ 載置する基板は、それぞれリジッド基板αに対してフレキシブル基板α、リジッド基板βに対してフレキシブル基板β、リジッド基板γに対してフレキシブル基板γ
耐電圧の測定
上記方法によって得られた試験片の耐電圧をテスター(アドバンテスト社製TR8601 HIGH MEGOHM METER)を用いて測定した。
上記方法によって得られた試験片の耐電圧をテスター(アドバンテスト社製TR8601 HIGH MEGOHM METER)を用いて測定した。
(導電粒子の配合割合(体積%)の算出方法)
JIS K−5400に準拠し、100mlの比重カップ(ヨシミツ精機(株))を用いて低融点はんだ粒子(はんだ粉)以外の組成物(接着剤)の比重を測定し、低融点はんだ粒子(はんだ粉)の真比重を用いて下記式にて体積%を算出した。
なお、42Sn−58Biの真比重は8.6、低融点はんだ粒子(はんだ粉)以外の組成物(接着剤)の比重は1.13であった。
(式)
導電粒子の配合割合(体積%)=100×(はんだ粉の配合量/はんだ粉の真比重)/((はんだ粉の配合量/はんだ粉の真比重)+(はんだ粉以外の組成物の配合量/はんだ粉以外の組成物の比重))
JIS K−5400に準拠し、100mlの比重カップ(ヨシミツ精機(株))を用いて低融点はんだ粒子(はんだ粉)以外の組成物(接着剤)の比重を測定し、低融点はんだ粒子(はんだ粉)の真比重を用いて下記式にて体積%を算出した。
なお、42Sn−58Biの真比重は8.6、低融点はんだ粒子(はんだ粉)以外の組成物(接着剤)の比重は1.13であった。
(式)
導電粒子の配合割合(体積%)=100×(はんだ粉の配合量/はんだ粉の真比重)/((はんだ粉の配合量/はんだ粉の真比重)+(はんだ粉以外の組成物の配合量/はんだ粉以外の組成物の比重))
*2:エチレン性不飽和結合を有する化合物(A−2):フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートPO−A、分子量:192 、Tg:−22℃、粘度:0.125dPa・s/25℃)
*3:エチレン性不飽和結合を有する化合物(A−3):脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製EBECRYL270、分子量:1500、Tg:−27℃、粘度:30dPa・s/60℃)
*4:飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績社製バイロン337、分子量:10000、Tg:14℃)
*5:ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油社製TCP(純度90%)、1分間半減期温度:92.1℃、1時間半減期温度:57.5℃、10時間半減期温度:40.8℃)
*6:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(日油社製パーロイルIPP(純度50%)、1分間半減期温度:88.3℃、1時間半減期温度:56.2℃、10時間半減期温度:40.5℃)
*7:ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油社製パーロイルOPP(純度70%)、1分間半減期温度:90.6℃、1時間半減期温度:59.1℃、10時間半減期温度:43.6℃)
*8:ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(日油社製パーロイルSBP(純度50%)、1分間半減期温度:92.4℃、1時間半減期温度:57.4℃、10時間半減期温度:40.5℃)
*9:t−ヘキシルパーオキシピバレート(日油社製パーヘキシルPV(純度70%)、1分間半減期温度:109.1℃、1時間半減期温度:71.3℃、10時間半減期温度:53.2℃)
*10:t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(日油社製パーロイル355(純度97%)、1分間半減期温度:112.6℃、1時間半減期温度:76.8℃、10時間半減期温度:59.4℃)
*11:低融点はんだ粒子(42Sn−58Bi[42Sn−58Bi組成の球状粒子)
*12:リン酸エステル(共栄社化学社製ライトエステルP−2M)
*13:ビニルエーテルポリマー(共栄社化学社製フローレンAC−326F)
*14:シリカ微粒子[比表面積170m2/g](日本アエロジル社製アエロジルR974)
*15:(有機成分中のエチレン性不飽和結合当量の算出方法)
(有機成分の質量合計)/(組成物中のエチレン性不飽和結合の数)
表3に示す結果から明らかなように、配合割合が固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、粒度分布のスパン値が3.0以下である導電粒子および10時間半減期温度が50℃以下のパーオキサイドを含む導電性接着剤は、優れた耐電圧性と優れた導電接続信頼性とを備え、かつ、低温で導電接続可能な異方導電性の接続構造体を形成することができる。
Claims (9)
- 熱圧着することによって部材同士を異方導電接着する、導電粒子およびパーオキサイドを含む導電性接着剤であって、
前記導電粒子の配合割合が固形分換算で0.01〜3.5体積%であり、
下記式(1)で表される前記導電粒子の粒度分布のスパン値が3.0以下であり、
前記パーオキサイドの10時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とする導電性接着剤。
スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・・(1)
(式(1)中、D50は0.1〜20μmである。) - 前記パーオキサイドが、カーボネート骨格を有することを特徴とする請求項1記載の導電性接着剤。
- 前記導電粒子が、低融点はんだ粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性接着剤。
- エチレン性不飽和基含有化合物と有機バインダーを含む有機成分を、さらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
- 前記有機成分(溶剤を含む場合は溶剤を除く)中のエチレン性不飽和結合当量が260〜1000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
- 前記導電粒子が低融点はんだ粒子であって、前記低融点はんだ粒子の融点以下の温度で熱圧着を行う低温接着用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性接着剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性接着剤を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性接着剤を用いて電気的に接続した部材を含むことを特徴とする電子部品。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性接着剤を塗布し、熱圧着することによって部材同士を導電接着することを特徴とする電子部品の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017194359A JP2019065231A (ja) | 2017-10-04 | 2017-10-04 | 導電性接着剤、硬化物、電子部品および電子部品の製造方法 |
TW107110671A TWI761477B (zh) | 2017-03-30 | 2018-03-28 | 導電性接著劑、硬化物、電子零件及電子零件之製造方法 |
CN201810268894.0A CN108690529A (zh) | 2017-03-30 | 2018-03-29 | 导电性粘接剂、固化物、电子部件和电子部件的制造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2019065231A (ja) |
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EP4122671A4 (en) * | 2020-03-19 | 2024-03-27 | Ube Corp | POLYAMIDE RESIN COMPOSITION |
-
2017
- 2017-10-04 JP JP2017194359A patent/JP2019065231A/ja active Pending
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