JP2002012603A - 導電性樹脂ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

導電性樹脂ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置

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JP2002012603A
JP2002012603A JP2000196415A JP2000196415A JP2002012603A JP 2002012603 A JP2002012603 A JP 2002012603A JP 2000196415 A JP2000196415 A JP 2000196415A JP 2000196415 A JP2000196415 A JP 2000196415A JP 2002012603 A JP2002012603 A JP 2002012603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂と導電性フィラーの分離を抑制し、吐出
のバラツキが少ない導電性樹脂ペースト組成物を提供す
る。また、この導電性樹脂ペースト組成物を用いた半導
体装置を提供する。 【解決手段】 (A)アクリル酸エステル化合物又はメ
タクリル酸エステル化合物、(B)ラジカル開始剤及び
(C)カーボンビーズ表面に銀メッキをした導電性フィ
ラーを含有してなる導電性樹脂ペースト組成物、並び
に、この導電性樹脂ペースト組成物を用いて半導体素子
を支持部材に接着した後、封止してなる半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSI等の
半導体素子をリードフレーム、ガラスエポキシ基板等に
接着するのに好適な導電性樹脂ペースト組成物及びこれ
を用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置を製造する際の半導体
素子とリードフレーム(支持部材)の接合方法として、
(1)金−シリコン共晶体等の無機材料を接着剤として
用いる方法、(2)エポキシ樹脂等の有機材料に銀粉等
を分散させてペースト状態とし、これを接着剤として用
いる方法などがある。しかしながら、前者の方法ではコ
ストが高く、350℃から400℃程度の高い熱処理が
必要であり、また接着剤が硬く、熱応力によってチップ
の破壊が起こるため、最近では銀粉を含んだ銀ペースト
を用いる後者の方が主流となっている。
【0003】しかしながら、この方法では、導電性のた
めに必要な銀粉等の導電性フィラー比重がエポキシ樹脂
等の有機材料に比べ重いため、樹脂と銀粉等の導電性フ
ィラーの分離が生じて、ペーストの吐出量が大きくバラ
ツク問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂と導電
性フィラーの分離を抑制し、吐出のバラツキが少ない導
電性樹脂ペースト組成物及びこれを用いた半導体装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)アクリ
ル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、
(B)ラジカル開始剤、(C)カーボンビーズ表面に銀
メッキをした導電性フィラーを含有してなる導電性樹脂
ペースト組成物を提供するものである。
【0006】また、本発明は、上記の導電性樹脂ペース
ト組成物を用いて半導体素子を支持部材に接着した後、
封止してなる半導体装置を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分の
アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化
合物としては、1分子中に1個以上のアクリロイル基又
はメタクリロイル基を含有するアクリル酸エステル化合
物又はメタクリル酸エステル化合物であれば、特に制限
なく使用することができる。例えば、下記の一般式
(I)〜(X)で表わされる化合物が使用できる。
【0008】
【化1】 〔式中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は炭素数1
〜100、好ましくは炭素数1〜36の2価の脂肪族又
は環状構造を持つ脂肪族炭化水素基を表す〕で示される
化合物。
【0009】一般式(I)で示される化合物としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアク
リレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オ
クチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシル
アクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリル
アクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、2
−(トリシクロ)[5.2.1.02,6]デカ−3−エ
ン−8又は9−イルオキシエチルアクリレート等のアク
リレート化合物、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメ
タクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタ
クリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニル
メタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメ
タクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメ
タクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレ
ート、トリシクロ [5.2.1.02,6]デシルメタ
クリレート、2−(トリシクロ)[5.2.1.
2,6]デカ−3−エン−8又は9−イルオキシエチル
メタクリレート等のメタクリレート化合物がある。 (2)一般式(II)
【0010】
【化2】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ前記のものを表す〕で示
される化合物。
【0011】一般式(II)で示される化合物として
は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ダイマージオールモノアクリ
レート等のアクリレート化合物、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ダイマージオールモノメタクリレート等のメタクリ
レート化合物等がある。 (3)一般式(III)
【0012】
【化3】 〔式中、R1は前記のものを表し、R3は水素、メチル基
又はフェノキシメチル基を表し、R4は水素、炭素数1
〜6のアルキル基、フェニル基又はベンゾイル基を表
し、nは1〜50の整数を表す〕で示される化合物。
【0013】一般式(III)で示される化合物として
は、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレン
グリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールア
クリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリ
レート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、
メトキシポリエチレングリコールアクリレート、2−フ
ェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレング
リコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート等のアクリレート化合物、ジエチレングリコー
ルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、2−
メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメ
タクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メ
トキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート、2−フェノキ
シエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコ
ールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメ
タクリレート等のメタクリレート化合物等がある。 (4)一般式(IV)
【0014】
【化4】 〔式中、R1は前記のものを表し、R5はフェニル基、ニ
トリル基、−Si (OR63(R6は炭素数1〜6の
アルキル基を表す)、下記の式の基
【0015】
【化5】 (R7、R8及びR9はそれぞれ独立に水素又は炭素数1
〜6のアルキル基を表し、R10は水素又は炭素数1〜6
のアルキル基又はフェニル基を表す)を表し、mは0、
1、2又は3の数を表す〕で示される化合物。
【0016】一般式(IV)で示される化合物として
は、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレ
ート、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルア
クリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリ
ジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジニルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェ
ート、アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェー
ト、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタ
レート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェン
サクシネート等のアクリレート化合物、ベンジルメタク
リレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルメ
タクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、テトラヒドロピラニルメタクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリ
ジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジニルメタクリレート、メタクリロキシエチルホ
スフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシッドホ
スフェート等のメタクリレート、β−メタクリロイルオ
キシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロ
イルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のメタ
クリレート化合物がある。 (5)一般式(V)
【0017】
【化6】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ前記のものを表す〕で示
される化合物。
【0018】一般式(V)で示される化合物としては、
エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、ダイマージオールジアクリ
レート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート
等のジアクリレート化合物、エチレングリコールジメタ
クリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,
9−ノナンジオールジメタクリレート、1,3−ブタン
ジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、ダイマージオールジメタクリレート、
ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート等のジ
メタクリレート化合物がある。 (6)一般式(VI)
【0019】
【化7】 〔式中、R1、R3及びnはそれぞれ前記のものを表し、
ただし、R3が水素又はメチル基であるとき、nは1で
はない〕で示される化合物。
【0020】一般式(VI)で示される化合物として
は、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレー
ト化合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト等のジメタクリレート化合物がある。 (7)一般式(VII)
【0021】
【化8】 〔式中、R1は前記のものを表し、R11及びR12はそれ
ぞれ独立に水素又はメチル基を表す〕で示される化合
物。
【0022】一般式(VII)で示される化合物として
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェ
ノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルとの
反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビス
フェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モ
ルとの反応物等がある。 (8)一般式(VIII)
【0023】
【化9】 〔式中、R1、R11及びR12はそれぞれ前記のものを表
しR13及びR14はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表
し、p及びqはそれぞれ独立に1〜20の整数を表す〕
で示される化合物。
【0024】一般式(VIII)で示される化合物とし
ては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフ
ェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジアク
リレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビ
スフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物の
ジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF
又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加
物のジメタクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサ
イド付加物のジメタクリレート等がある。 (9)一般式(IX)
【0025】
【化10】 〔式中、R1は前記のものを表し、R15、R16、R17
びR18はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表し、xは
1〜20の整数を表す〕で示される化合物。
【0026】一般式(IX)で示される化合物として
は、ビス(アクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキ
サン、ビス(アクリロキシプロピル)メチルシロキサン
−ジメチルシロキサンコポリマー、ビス(メタクリロキ
シプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(メタクリ
ロキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサ
ンコポリマー等がある。 (10)一般式(X)
【0027】
【化11】 〔式中、R1は前記のものを表し、r、s、t及びuは
それぞれ独立に繰り返し数の平均値を示す0以上の数で
あり、r+tは0.1以上、好ましくは0.3〜5であ
り、s+uは1以上、好ましくは1〜100である〕で
示される化合物。
【0028】一般式(X)で示される化合物としては、
無水マレイン酸を付加させたポリブタジエン又はその水
素添加物と、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させて得られ
る反応物及びその水素添加物があり、例えばMM−10
00−80、MAC−1000−80(共に、日本石油
化学(株)商品名)等がある。
【0029】(A)成分のアクリル酸エステル化合物又
はメタクリル酸エステル化合物としては、上記の化合物
を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0030】本発明に用いられる(B)成分のラジカル
開始剤としては特に制限はないが、ボイド等の点から過
酸化物が好ましく、また導電性樹脂ペースト組成物の硬
化性及び粘度安定性の点から、急速加熱試験での過酸化
物の分解温度が70〜170℃のものが好ましい。
【0031】ラジカル開始剤の具体例としては、1,
1,3,3−テトラメチルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、t−ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン、クメンハイドロパーオキサイド等があ
る。
【0032】ラジカル開始剤の配合量は、(A)成分の
総量100重量部に対して0.1〜10重量部が好まし
く、0.5〜5重量部が特に好ましい。この配合割合が
0.1重量部未満であると、硬化性が低下する傾向があ
り、10重量部を超えると、揮発分が多くなり、硬化物
中にボイドと呼ばれる空隙が生じ易くなる傾向がある。
【0033】本発明に(C)成分として用いられる導電
性フィラーは平均粒径が1〜20μmのカーボンビーズ
表面に銀メッキをしたフィラーが好ましく、カーボンビ
ーズの平均粒径は10μm以下であることがより好まし
く、さらに5μm以下であることが好ましい。このよう
なフィラーの市販品としては、CBAG−101060
(三井鉱山マテリアル(株)製、商品名)が挙げられ
る。
【0034】(C)成分の導電性フィラーの配合量は、
接着性、導電性、作業性の点から、導電性樹脂ペースト
組成物総量100重量部に対して20〜80重量部が好
ましく、30〜75重量部がより好ましい。
【0035】本発明に用いられる可とう化材としては、
例えば、各種の液状ゴムや熱可塑性樹脂が好適に用いら
れるが、例えばポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジ
エン、マレイン化ポリブタジエン、アクリロニトリルブ
タジエンゴム、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジ
エンゴム、アミノ末端アクリロニトリルブタジエンゴ
ム、ビニル末端アクリロニトリルブタジエンゴム、スチ
レンブタジエンゴム等の液状ゴム、ウレタンアクリレー
ト、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸メチル、ε−カプ
ロラクトン変性ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリイ
ミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0036】液状ゴムとしては、数平均分子量が500
〜10000のものが好ましく、800〜3000のも
のがより好ましい。分子量が小さすぎるとチップ反りの
低減効果に劣る傾向があり、分子量が大きすぎると導電
性樹脂ペースト組成物の粘度が上昇し作業性に劣る傾向
がある。数平均分子量は、蒸気圧浸透法で測定した値又
はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準
ポリスチレンの検量線を利用して測定(以下、GPC法
という)した値である。熱可塑性樹脂としては、数平均
分子量が500〜10000のものが好ましく、800
〜3000のものがより好ましい。分子量が小さすぎる
とチップ反りの低減効果に劣る傾向があり、分子量が大
きすぎると導電性樹脂ペースト組成物の粘度が上昇し作
業性に劣る傾向がある。
【0037】また可とう化材の配合量としては、(A)
成分100重量部に対して10〜100重量部使用する
ことが好ましく、30〜80重量部使用することがより
好ましい。この配合量が10重量部未満である可とう化
効果に劣り、100重量部を超えると、粘度が増大し、
導電性樹脂ペースト組成物の作業性が低下する傾向があ
る。
【0038】本発明に用いられるカップリング剤として
は特に制限はなく、シランカップリング剤、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジ
ルコネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カ
ップリング剤等の各種のものが用いられる。
【0039】カップリング剤の具体例としては、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル−トリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(メタクリロ
キシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプ
ロピルトリエトキシシラン、3−(4,5−ジヒドロイ
ミダゾリル)プロピルトリエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラ
ン、メチルトリグリシドキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメ
チルシリルイソシアネート、フェニルシリルトリイソシ
アネート、テトライソシアネートシラン、メチルシリル
トリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネー
ト、エトキシシラントリイソシアネート等のシランカッ
プリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホス
フェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオ
クチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ
(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレン
チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルジメタクリロイルイソステアロイルチ
タネート、イソプロピル(ジオクチルホスフェート)チ
タネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネー
ト、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチ
ル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチ
タネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等の
チタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミ
ニウムジイソプロピオネート等のアルミニウム系カップ
リング剤、テトラプロピルジルコネート、テトラブチル
ジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコ
ネート、テトライソプロピルジルコネート、ジルコニウ
ムアセチルアセトネートアセチルアセトンジルコニウム
ブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート等の
ジルコネート系カップリング剤等がある。
【0040】カップリング剤の配合量は、(A)成分の
総量100重量部に対して0.1〜10重量部が好まし
く、0.5〜5重量部が特に好ましい。この配合割合が
0.1重量部未満であると、接着強度の向上効果に劣る
傾向があり、10重量部を超えると、揮発分が多くな
り、硬化物中にボイドが生じ易くなる傾向がある。
【0041】本発明になる導電性樹脂ペースト組成物に
は、さらに必要に応じて酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム等の吸湿剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面
活性剤、高級脂肪酸等の濡れ向上剤、シリコーン油等の
消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤等、粘
度調整のための溶剤を単独又は数種類を組み合わせて、
適宜添加することができる。
【0042】本発明になる導電性樹脂ペースト組成物を
製造するには、(A)アクリル酸エステル化合物又はメ
タクリル酸エステル化合物、(B)ラジカル開始剤及び
(C)カーボンビーズ表面に銀メッキをした導電性フィ
ラーを、必要に応じて用いられる可とう化材、カップリ
ング剤及び上記各種添加剤と共に、一括又は分割して撹
拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー
等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加
熱して混合、溶解、解粒混練又は分散して均一なペース
ト状とすれば良い。
【0043】本発明においては、さらに上記のようにし
て製造した導電性樹脂ペースト組成物を用いて半導体素
子を支持部材に接着した後、封止することにより半導体
装置とすることができる。
【0044】支持部材としては、例えば、42アロイリ
ードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム、
ガラスエポキシ基板(ガラス繊維強化エポキシ樹脂から
なる基板)、BT基板(シアネートモノマー及びそのオ
リゴマーとビスマレイミドからなるBTレジン使用基
板)等の有機基板が挙げられる。
【0045】本発明の導電性樹脂ペースト組成物を用い
て半導体素子をリードフレーム等の支持部材に接着させ
るには、まず支持部材上に導電性樹脂ペースト組成物を
ディスペンス法、スクリーン印刷法、スタンピング法等
により塗布した後、半導体素子を圧着し、その後オーブ
ン又はヒートブロック等の加熱装置を用いて加熱硬化す
ることにより行うことができる。さらに、必要に応じ、
ワイヤボンド工程を経た後、通常の方法により封止する
ことにより完成された半導体装置とすることができる。
【0046】上記加熱硬化は、低温での長時間硬化の場
合や、高温での速硬化の場合により異なるが、通常、温
度100〜300℃、好ましくは130〜220℃で、
5秒〜3時間、好ましくは15秒〜1時間行うことが好
ましい。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0048】なお、以下の実施例及び比較例で用いた材
料は、下記の方法で作製したもの、あるいは入手したも
のである。
【0049】(1)アクリル酸エステル化合物又はメタ
クリル酸エステル化合物 R−551(日本化薬社製ジアクリレートの商品名、ビ
スフェノールAポリエチレングリコールジアクリレー
ト、一般式(VIII)、R1=H、R11=CH3、R12
=CH3、R13=H、R14=H、p= 1〜20、q=
1〜20)、ラウリルアクリレート(一般式(I)、R
1=H、R2=−C1224−) (2)可とう化材 E−1000−6.5(日本石油化学社製エポキシ化ポ
リブタジエンの商品名、エポキシ当量=246、数平均
分子量=約1000) (3)ラジカル開始剤 ジクミルパーオキサイド (4)カップリング剤 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (5)充填材 TCG−1(徳力化学研究所社製の銀粉の商品名、平均
粒径=2μm) カーボンビーズ表面に銀メッキをしたフィラー(平均粒
径5μm、三井鉱山マテリアル株式会社製CBAG−1
01060) 実施例1〜3及び比較例1〜2 表1に示す配合割合で各成分を混合し、3本ロールを用
いて混練した後、1333.224Pa(10トル(T
orr))以下で10分間脱泡処理を行い、導電性樹脂
ペースト組成物を得た。
【0050】この導電性樹脂ペースト組成物の特性(粘
度、接着強度、ピール強度及びフィラー沈降性)を下記
の方法で測定し、結果を表1に示す。 粘度 EHD型回転粘度計(東京計器株式会社製)を用いて2
5℃における粘度(Pa・s)を測定した。 接着強度 導電性樹脂ペースト組成物をAgめっき付き銅リードフ
レーム上に約80μg塗布し、この上に2mm×2mm
のSiチップ(厚さ約0.4mm)を圧着し、更に20
0℃に設定したヒートブロック上に載せ、60秒加熱し
た。この試料について自動接着力試験装置(Dage社
製、マイクロテスター)を用いて室温における剪断接着
強度(N/チップ)を測定した。 ピール強度 導電性樹脂ペースト組成物を42アロイ上に約1.0m
g塗布し、この上に8mm×8mmのSiチップ(厚さ
約0.4mm)を圧着し、更に200℃に設定したヒー
トブロック上に載せ、60秒加熱した。この試料につい
て自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用い
て240℃における引き剥し強さ(N/チップ)を測定
した。 フィラー沈降性 上記実施例及び比較例により得た導電性樹脂ペースト組
成物を10ccシリンジ中に5cc充填し、シリンジ下
部より導電性樹脂ペースト組成物を2gるつぼに採取
し、電気炉内で600℃で2時間加熱し、残存物の重量
(A)を測定した。同様に、各導電性樹脂ペースト組成
物を10ccシリンジ中に5cc充填し、24時間放置
した後、シリンジ下部より導電性樹脂ペースト組成物を
2gるつぼに採取し、電気炉内で600℃で2時間加熱
し、残存物の重量(B)を測定した。式、[(B−A)
/A]×100、によりフィラーの沈降率(%)を算出
した。
【0051】表1に示した結果から、銀粉を用いた比較
例1、2ではフィラー沈降性が大きく、ペースト吐出性
の低下を招く。それに対して実施例1、2及び3に示し
た本発明のCBAG−101060を用いた本発明の導
電性樹脂ペーストを用いた場合は、フィラー沈降性が低
減され、ペースト吐出性が高いことが確認された。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂と導電性フィラー
の分離を抑制し、吐出のバラツキが少ない導電性樹脂ペ
ースト組成物が得られる。また、本発明により耐ハンダ
リフロー性の向上した半導体装置が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/06 C08L 33/06 C09J 4/02 C09J 4/02 H01L 21/52 H01L 21/52 E Fターム(参考) 4J002 AC03X AC07X AC08X AC11X BF02X BG04W BG04X BG05W BG06W BG07W CF13X CH08X CM04X DA036 EX007 EX037 EZ007 FB076 FD116 GQ05 4J011 PA03 PB06 PB14 PB27 4J026 AA17 AA38 AA44 AA45 AA49 AA50 AA68 BA27 BB01 DB05 DB13 GA06 4J040 CA002 CA072 CA082 CA172 DE022 DF042 EH032 FA131 FA141 FA151 FA161 FA201 FA211 FA292 GA05 GA19 HA026 HD30 HD41 JB10 KA11 KA32 LA09 NA20 5F047 AA11 BA26 BA33 BA53 BB11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル酸エステル化合物又はメ
    タクリル酸エステル化合物、(B)ラジカル開始剤、
    (C)カーボンビーズ表面に銀メッキをした導電性フィ
    ラーを含有してなる導電性樹脂ペースト組成物。
  2. 【請求項2】 (C)の導電性フィラーを、導電性樹脂
    ペースト組成物総量100重量部中に20〜80重量部
    含有する請求項1に記載の導電性樹脂ペースト組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分のラジカル開始剤を、(A)
    成分のアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エス
    テル化合物の総量100重量部に対して0.1〜10重
    量部含有する請求項1又は2に記載の導電性樹脂ペース
    ト組成物。
  4. 【請求項4】 さらに可とう化材を添加してなる請求項
    1、2又は3に記載の導電性樹脂ペースト組成物。
  5. 【請求項5】 可とう化材が液状ゴム又は熱可塑性樹脂
    である請求項4に記載の導電性樹脂ペースト組成物。
  6. 【請求項6】 可とう化材を、(A)成分のアクリル酸
    エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物の総量
    100重量部に対して10〜100重量部含有する請求
    項4又は5に記載の導電性樹脂ペースト組成物。
  7. 【請求項7】 さらにカップリング剤を添加してなる請
    求項1〜6のいずれかに記載の導電性樹脂ペースト組成
    物。
  8. 【請求項8】 カップリング剤を、(A)成分のアクリ
    ル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物の
    総量100重量部に対して0.1〜10重量部含有する
    請求項7に記載の導電性樹脂ペースト組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性
    樹脂ペースト組成物を用いて半導体素子を支持部材に接
    着した後、封止してなる半導体装置。
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