JP6764283B2 - 弁体、弁体の製造方法、及び管継手 - Google Patents
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Description
一方、雄継手と雌継手とを分離すると、弁体はスプリングにより継手内面の弁座に押圧され、シールリングが弁体と継手内面の弁座との間の隙間をシールし、雄継手、及び雌継手からの流体の流出が阻止されるようになっている。
また、請求項1に記載の弁体では、軸突起が、先端に向けて径が小となるテーパー軸とされているため、先端に向けて径が小となっていない場合に比較して、軸突起を軸孔に挿入し易い構造となっている。また、軸突起が、先端に向けて径が小となるテーパー軸とされているため、軸突起を軸孔に押し込んで嵌合することにより楔効果が生じ、弁先端側部材と弁後端側部材との接合強度を高めることができる。
第2工程では、弁先端側部材と弁後端側部材とを互いに接近させて軸突起を軸孔に圧入すると共に、シール部材を弁先端側部材と弁後端側部材とで挟んで溝の内部に配置する。
これにより、弁先端側部材と弁後端側部材とシール部材とで、弁体を簡単に組み立てることができる。
雄継手においては、雄継手の弁座に請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体を接触させることで雄継手の流路を閉塞し、弁座から弁体を離間することで雄継手の流路を開放することができる。また、雄継手においては、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体を弁座に接触させるので、高いシール性を確保することができる。
一方、雌継手においては、雌継手の弁座に請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体を接触させることで雌継手の流路を閉塞し、弁座から弁体を離間することで雌継手の流路を開放することができる。また、雌継手においては、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体を弁座に接触させるので、高いシール性を確保することができる。
本発明の弁体の組み立て方法によれば、真円度を確保し、高いシール性を得ることができる弁体を簡単に組み立てることができる、という優れた効果を有する。
また、本発明の管継手によれば、雄継手、及び雌継手において、弁体の真円度を確保し、高いシール性を得ることができる、という優れた効果を有する。
図1〜3は、本発明の一実施形態である管継手10を示す半裁断面図である。この管継手10は、いわゆる迅速継手(カップラー)であり、雄型金具である雄継手12と、雌型金具である雌継手32とを備えている。図示を省略するが、雄継手12は一方の配管に接続され、雌継手32は他方の配管に接続されている。雌継手32の外周面には、雌継手32と雄継手12とを連結するためのスリーブ60が設けられている。雄継手12と雌継手32には、それぞれ先端を対向させた弁体14、34 が装備されている。
雄継手12は略筒状とされた雄継手本体13を備えている。また、雄継手本体13の内部には係止部材16が嵌め込まれ、この係止部材16にスプリング18を介して弁体14が移動可能に弾着されている。雄継手12は、弁体14側が、後述する雌継手32の凹状挿入部50に挿入される。係止部材16は、雄継手本体13の溝に嵌め込まれた止めリング20に係止されることで、雄継手本体13内で固定されている。係止部材16には、スプリング18の内側面を支持する規制部16Aが設けられている。また、雄継手本体13の先端には、内周面が徐々に縮径されて弁座22が形成されている。弁座22は軸線Lに対して一定角度で傾斜している。
図4に示すように、弁体14は、軸方向の一方側の弁先端側部材90と、弁先端側部材90と接合された軸方向の他方側の弁後端側部材92と、シール部材の一例としての断面が円形のOリング24との3部品で構成されている。
なお、溝幅中心線CLは、弁座当接傾斜面98に直角な本発明の法線と一致する。
一方、雌継手32は、略筒状とされ、内部に流路80が構成されている。雌継手32には、雄継手12が挿入される凹状挿入部50が形成されている。凹状挿入部50の奥側には、雌継手本体33の内部に係止部材36が嵌め込まれ、この係止部材36にスプリング38を介して弁体34が移動可能に弾着されている。係止部材36は、雌継手本体33の溝に嵌め込まれた止めリング40に係止されることで、雌継手本体33内で固定されている。係止部材36には、スプリング38の内側面を支持する規制部36Aが設けられている。また、凹状挿入部50の挿入口側には、雌継手本体33の内周面が徐々に縮径されて弁座42が形成されている。
次に、弁体14の組立手順を図6にしたがって説明する。
本実施形態の弁体14は、図6に示すような押圧治具110と押圧治具112とを用いて組み立てを行うことができる。
一方、押圧治具112は、円柱形状に形成されており、中心には、テーパー孔116が形成されており、テーパー孔116の底部には、一定径の逃げ孔118が形成されている。テーパー孔116には、弁体14の頭部96の弁座当接傾斜面98が平行に当接するようになっている。言い換えれば、テーパー孔116の傾斜角度は、弁座当接傾斜面98の傾斜角度と同一に設定されている。また、逃げ孔118は、孔底に弁体14の頭部96の先端が当たらないように、深く形成されている。
(1) 図6(A)に示すように、プレス機の台120に押圧治具110を載せる。
(2) Oリング24を弁後端側部材92の溝102に嵌める。
(3) 弁後端側部材92の軸孔108に、弁先端側部材90の軸突起106を挿入する。
(4) 押圧治具110の孔114に、弁後端側部材92の軸部94を挿入し、押圧治具110の上に弁後端側部材92を載せる。
(5) 弁先端側部材90の上に押圧治具112を載せる。これにより、頭部96の弁座当接傾斜面98に押圧治具112のテーパー孔116が当接する。
(6) 押圧治具112をプレス機のスライド122で下方に押圧し、弁先端側部材90の軸突起106を弁後端側部材92の軸孔108に押し込み、嵌合する(図6(B)参照)。
これにより、Oリング24は、弁先端側部材90と弁後端側部材92との間に挟持され、溝102の中に装着される。
なお、弁体34も弁体14と同様にして組み立てられる。
次に、上記管継手10の雄継手と雌継手との連結について説明する。
雄継手12と雌継手32とを連結する際には、図1に示すようにスリーブ60をコイルスプリング62の力に抗して矢印A方向に移動させ、図2に示すように、スリーブ60を離脱位置P2に配置する。これにより、硬球58が拡径部74内に退避できるようになり、雄継手12を凹状挿入部50内に挿入することが可能となる。雄継手12を挿入すると、雄継手本体13の先端に複数の硬球58が乗り上げ、雄継手12を奥まで挿入すると、弁体14、34が突き合わされて突部14Aと突部34Aが押圧され、弁体14、34はそれぞれスプリング18,38の力に抗して押し込まれる。
一方、雄継手12と雌継手32を分離する際には、スリーブ60を固定位置P1から離脱位置P2へ移動させる。これにより、硬球58が拡径部74内に退避可能となり、硬球58を凹部13Aから離脱させて、雄継手12を凹状挿入部50から引き抜くことができる。その後、スリーブ60は、コイルスプリング62により付勢されて固定位置P1へ戻る。
雄継手12の弁体14と、雌継手32の弁体34とは、同一構成であるため、以下に、代表して弁体14の作用効果を説明する。
図5に示すように、弁体14においては、Oリング24を装着している溝102の溝底面102Bが、弁座22と平行に設けられており、互いに対向する溝側面102Aa、及び溝側面102Abが弁座22に対して直角とされ、溝102が溝幅中心線CLを境にして左右対称形状とされているので、図7に示すように、弁体14の頭部96の弁座当接傾斜面98が弁座22に当接した際には、Oリング24を、Oリング24の中心Pを通り、弁座22に対して垂直な中心線(即ち、溝幅中心線CL、本発明の法線)に対して左右対称形状に圧縮変形させることができ、Oリング24が溝幅方向の何れか一方に偏って変形した場合に比較して、高いシール性を得ることができる。
図13(A)には、他の実施形態に係る弁体14の頭部96の一部が断面で示されており、溝102には、図13(B)に示す断面形状を有するシール部材132が嵌められる。このシール部材132は、溝102に嵌合する矩形部132Aと、溝102から突出する円弧部132Bとを備えており、溝幅中心線CLを境にして左右対称形状に形成されているものである。
Claims (8)
- 流体の通過経路の軸線に対して傾斜する弁座に沿うように形成された第1傾斜外周面を備え、先端に向けて先細り形状とされた弁先端側部材と、
前記第1傾斜外周面の延長線上に続く第2傾斜外周面を備え、前記弁先端側部材の先端側とは反対側に配置される弁後端側部材と、
前記弁座に当接させるシール部材と、
前記第1傾斜外周面と前記第2傾斜外周面との間に位置し、一方の溝側面が前記弁先端側部材で形成され、他方の溝側面が前記弁後端側部材で形成された、前記シール部材を嵌めるための溝と、
前記弁先端側部材、及び前記弁後端側部材の何れか一方に設けられ、先端に向けて径が小となるテーパー軸とされている軸突起と、
前記弁先端側部材、及び前記弁後端側部材の何れか他方に設けられ前記軸突起が嵌合して前記弁先端側部材と前記弁後端側部材とを接合する軸孔と、を備えている弁体。 - 前記溝は、溝長手方向直角断面で見て、前記溝の幅方向中央部を通り、かつ前記第1傾斜外周面、及び前記第2傾斜外周面に直角な法線を境にして、左右対称形状に形成されている、請求項1に記載の弁体。
- 前記軸突起を軸線に沿った断面で見て、前記軸突起の外周面は、軸線に対する角度が2〜10°の範囲内で一定角度で傾斜している、請求項1または請求項2に記載の弁体。
- 前記軸孔は、孔底に向けて径が小となるテーパー孔とされている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の弁体。
- 前記軸突起の外周面の表面粗さは、前記第1傾斜外周面、及び前記第2傾斜外周面の表面粗さよりも粗い、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の弁体。
- 前記軸孔の内周面の表面粗さは、前記第1傾斜外周面、及び前記第2傾斜外周面の表面粗さよりも粗い、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の弁体。
- 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体の組み立て方法であって、
前記弁先端側部材と前記弁後端側部材との間に前記シール部材を配置する第1工程と、
前記弁先端側部材と前記弁後端側部材とを互いに接近させて前記軸突起を前記軸孔に押し込んで嵌合すると共に、前記シール部材を前記弁先端側部材と前記弁後端側部材とで挟んで前記溝の内部に配置する第2工程と、
を有する、弁体の組み立て方法。 - 一方の配管に接続される雄継手と、他方の配管に接続され前記雄継手が挿入される凹状挿入部を有する雌継手とを備え、
前記雄継手の外周面には凹部が形成され、
前記雌継手には、前記凹部に係合することで前記雄継手と前記雌継手とを連結状態とする球体、及び前記雌継手の径方向外側に設けられて前記凹部に係合した前記球体を前記雌継手の径方向外側から支持する前記雌継手の軸方向に沿って移動可能とされたカラーが設けられ、
前記雄継手の内部には、前記雄継手の弁座に接触することで前記雄継手の流路を閉塞し、前記雄継手の前記弁座から離間することで前記雄継手の前記流路を開放する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体が移動可能に設けられ、
前記雌継手の内部には、前記雌継手の弁座に接触することで前記雌継手の流路を閉塞し、前記雌継手の前記弁座から離間することで、前記雌継手の前記流路を開放する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の弁体が移動可能に設けられている、弁体付き管継手。
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