JP6749050B2 - セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置 - Google Patents

セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気)とを用いて電力を得ることができるセルの1種である燃料電池セルが複数配列されてなる燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや、燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1の燃料電池セルスタック装置においては、複数個の燃料電池セルの一端部はシール材でマニホールドに接合されている。
特開2013−157191号公報
しかし、特許文献1に記載の燃料電池セルスタック装置において、シール材とセルとの接合部において剥離が生じ、それによりガスリークが生じるおそれがあり、このガスリークを抑制することが求められていた。
それゆえ、本発明は、ガスリークの発生を抑制することができるセルスタック装置、それを備えるモジュールおよびモジュール収容装置を提供することにある。
本発明のセルスタック装置は、柱状である複数個のセルが配列されてなるセルスタックと、支持体とガスタンクとを備え、前記支持体は前記複数個のセルの一端が挿入される挿入口を有しており、該挿入口を介して前記複数個のセルに前記ガスタンク内から反応ガスを供給するマニホールドと、前記複数個のセルの一端と前記挿入口の内壁とを接合し、かつ、前記複数個のセルの一端同士を接合しているシール材と、を具備し、前記シール材は、表層部に設けられた表面が前記マニホールドの外部に露出している緻密部と、該緻密部の下に設けられており、前記複数個のセルの長手方向に沿って延びる多孔質部と、を有し、前記シール材の下端は、前記ガスタンク内に露出しているとともに少なくとも一部は、前記多孔質部である。
また、本発明のモジュールは、収納容器内に、上記に記載のセルスタック装置を収納してなることを特徴とする。
さらに、本発明のモジュール収容装置は、外装ケース内に、上記に記載のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とする。
本発明のセルスタック装置は、ガスリークの発生を抑制することができるセルスタック装置とすることができる。
また、本発明のモジュールは、収納容器内に上記のセルスタック装置を収納してなることから、ガスリークの発生を抑制したモジュールとすることができる。
さらに、本発明のモジュール収容装置は、上記のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることから、ガスリークの発生を抑制したモジュール収容装置とすることができる。
本実施形態のセルの一例を示すもので、(a)は横断面図、(b)は空気極側から見た側面図であり、(c)はインターコネクタ側から見た側面図である。 (a)は本実施形態のセルスタック装置の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)の側面側の断面図である。 隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。 他の実施形態における隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。 他の実施形態における隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。 他の実施形態における隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。 本実施形態のセルスタック装置の一例を備えるモジュールを示す外観斜視図である。 本実施形態のモジュール収容装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。 (a)は本実施形態の支持体の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示した支持体を備えたセルスタック装置の側面側の拡大断面図である。 本実施形態のセルスタック装置の他の例を示す斜視図である。 本実施形態のセルスタック装置の他の例を示す斜視図である。
図1〜11を用いて、セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置について説明する。
(セル)
以下において、セルスタックを構成するセルとして固体酸化物形の燃料電池セルの例を用いて説明する。
図1は、セルの実施形態の一例を示すもので、(a)は横断面図、(b)は空気極側から見た側面図であり、(c)はインターコネクタ側から見た側面図である。なお、この図面において、セル1の各構成の一部を拡大して示している。
図1に示す例において、セル1は中空平板型で、細長い板状である。図1(b)に示すように、セル1の全体を側面から見た形状は、例えば、長さ方向Lの辺の長さが5〜50cmで、この長さ方向に直交する幅方向Wの長さが1〜10cmの長方形である。このセル1の全体の厚さは1〜5mmである。
図1に示すように、セル1は、導電性支持基板2(以下、支持基板2と略す場合がある)、素子部およびインターコネクタ6を有している。支持基板2は、一対の対向する平坦面n1、n2を有しており、柱状である。素子部は、支持基板2の一方の平坦面n1上に設けられている。素子部は、燃料極3、固体電解質層4及び空気極5を有している。また、図1に示す例においては、セル1の他方の平坦面n2上にはインターコネクタ6が設けられている。
また、図1(b)に示す例のように、空気極5はセル1の下端まで延びていない。セル1の下端部では、固体電解質層4のみが表面に露出している。また、図1(c)に示す例のように、インターコネクタ6がセル1の下端まで延びている。セル1の下端部では、インターコネクタ6および固体電解質層4が表面に露出している。
以下、セル1を構成する各構成部材について説明する。
支持基板2は、ガスが流れるガス流路2aが内部に設けられており、図1においては6つのガス流路2aが設けられた例を示している。支持基板2としては、燃料ガスを燃料極3まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ6を介して集電するために導電性であることが要求される。支持基板2は、例えば、鉄族金属成分と無機酸化物からなる。例えば、鉄族金属成分はNiおよび/またはNiOであって、無機酸化物は特定の希土類元素酸化物である。
燃料極3は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称し、部分安定化も含むものとする)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。この希土類酸化物としては例えばY等が用いられる。
固体電解質層4は、燃料極3、空気極5間のイオンの橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOから形成される。この希土類元素酸化物としては例えばY等が用いられる。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
空気極5は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。例えば、AサイトにSrとLaが共存する複合酸化物が好ましい。例としては、LaSr1−xCoFe1−y、LaSr1−xMnO、LaSr1−xFeO、LaSr1−xCoO等が挙げられる。なお、xは0<x<1、yは0<y<1である。空気極5はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ6は、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)、もしくは、ランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)が好適に使用される。これらの材料は、導電性を有し、かつ燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触しても還元も酸化もされない。また、インターコネクタ6は支持基板2に形成されたガス流路2aを流通する燃料ガス、および支持基板2の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
(セルスタック装置)
次に、上述したセルを用いた本実施形態に係るセルスタック装置について図2を用いて説明する。
図2(a)は本実施形態のセルスタック装置の一例を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)の側面側の断面図である。図3は、隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。図4〜図6は、他の実施形態における隣接するセル同士の接合部付近の拡大断面図である。
セルスタック装置10は、配列された複数個のセル1を有するセルスタック18と、マニホールド7とを備える。
図2に示すように、マニホールド7は、支持体7aと、ガスタンク7bとを備えている。
支持体7aは、複数個のセル1の一端が挿入される一又は複数の挿入口17を有している。複数個のセル1の一端と挿入口17の内壁とは、シール材8で接合されている。
ガスタンク7bは、挿入口17を介して複数個のセル1に反応ガスを供給するための開口部を有しており、開口部の周囲に設けられた凹溝71を有する。支持体7aの一端部は、ガスタンク7bの凹溝71に充填された接合材72によりガスタンク7bと接合されている。
図2に示す例においては、支持体7aと、ガスタンク7bとで形成される内部空間に燃料ガスが貯留される。ガスタンク7bにはガス流通管12が設けられており、後述する改質器13で生成された燃料ガスが、このガス流通管12を介してマニホールド7に供給され、その後マニホールド7よりセル1の内部のガス流路2aに供給される。
各セル1はマニホールド7側からセル1の長手方向に沿ってそれぞれ突出し且つ複数のセル1がスタック状に整列するように、各セル1の長手方向の一端がシール材8で支持体7aに固定されている。また、図2に示す例ではシール材8によってセル1の一端同士も接合されている。
図2に示す例においては、複数個のセル1が2列設けられており、各列がそれぞれ支持体7aに固定されている。この場合、ガスタンク7bの上面には2つの貫通孔が設けられている。この貫通孔のそれぞれに、挿入孔17を合わせるように各支持体7aが設けられる。結果、1つのガスタンク7bと、2つの支持体7aとで内部空間が形成される。
挿入孔17の形状は、例えば、上面視で長円形状である。挿入孔17は、例えば、セル1の配列方向において、2つの端部導電部材9bの間の距離よりも長ければよい。また、この挿入孔17の幅は、例えば、セル1の幅方向Wの長さよりも長ければよい。
図2に示すように、挿入孔17の内壁とセル1の外面との間、および、セル1同士の間に、隙間が存在している。
図2に示すように、挿入孔17とセル1の一端との接合部において、固化されたシール材8が前記隙間に充填されている。これにより、挿入孔17と複数個のセル1の一端とがそれぞれ接合・固定され、また、セル1の一端同士が接合されている。各セル1のガス流路2aの一端は、マニホールド7の内部空間と連通している。
シール材8、接合材72は、非晶質ガラス等でも構成されてもよいが、結晶化ガラスで構成されることが好適である。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、MgO−B系が採用され得るが、SiO−MgO系のものが最も好ましい。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラス(セラミックス)を指す。結晶化ガラスの結晶化度は、具体的には、例えば、「XRD等を用いて結晶相を同定し、SEM及びEDS、或いは、SEM及びEPMA等を用いて結晶化後のガラスの組織や組成分布を観察した結果に基づいて、結晶相領域の体積割合を算出する」ことによって得ることができる。
また、図2(b)に示す例のように、隣接するセル1の間には、隣接するセル1の間(より詳細には、一方のセル1の燃料極3と他方のセル1の空気極5)を電気的に直列に接
続するための導電部材9aが介在している。なお、図2(a)では、導電部材9aの図示を省略している。
また、図2(b)に示す例のように、複数個のセル1の配列方向における最も外側に位置するセル1に、端部導電部材9bが接続されている。この端部導電部材9bは、セルスタック5の外側に突出する導電部11を有している。導電部11は、セル1の発電により生じた電気を集電して外部に引き出す機能を有する。なお、図2(a)では、端部導電部材9bの図示を省略している。
以上、説明した燃料電池のセルスタック装置10を稼働させる際には、高温(例えば、600〜800℃)の燃料ガス(水素等)及び「酸素を含むガス(空気等)」を流通させる。燃料ガスは、マニホールド7の内部空間へ導入され、その後、挿入孔17を介して複数個のセル1のガス流路2aにそれぞれ導入される。各ガス流路2aを通過した燃料ガスは、その後、各ガス流路2aの他端(自由端)から外部に排出される。空気は、隣接するセル1間の隙間に沿って、セル1の長手方向に沿って流れる。
(シール材のガスリーク発生の抑制)
図2に示したセルスタック装置10では、稼働・停止を繰り返すような過酷な稼働条件下では、シール材8およびセル1に熱収縮が起きるので、両部材の境界において、シール材8がセル1から剥離しやすくなりガスリークが生じる可能性があった。
そこで、本実施形態のセルスタック装置10においては、図3に示すように、シール材8は、表層部に設けられた緻密部8aと、緻密部8aの下部に設けられており、複数個のセル1の長手方向に沿って延びる多孔質部8bと、を有している。
多孔質部8b自体には、熱収縮による応力が発生しにくいので、セル1の長手方向に沿って延びる多孔質部8bの側部のシール材8においてセル1から離れる方向に向かって働く収縮応力を緩和することができる。よって、シール材8とセル1との境界において、シール材8がセル1から剥離することを抑制することができる。また、シール材8の表層部には緻密部8aが設けられておりガスが透過しにくくなっている。従って、ガスリークが生じる可能性を低減できる。
緻密部8aとは、多孔質部8bおよび他の部分8c(緻密部8aおよび多孔質部8b以外の部分)よりも気孔率が低い部分である。多孔質部8bとは、緻密部8aおよび他の部分8cよりも気孔率が高い部分である。
例えば、緻密部8aの気孔率は、0.5〜5%である。例えば、多孔質部8bの気孔率は、4〜15%である。例えば、他の部分8cの気孔率は、3.5〜10%である。
図3に示すように、多孔質部8bの上端は、緻密部8aに接しているとよい。この構成により、緻密部8aが存在する表層部の近傍においてシール材8内部の熱収縮による応力を緩和することができる。従って、表層部近傍においてシール材8とセル1との剥離発生を抑制することができる。よって、表層部から発生した剥離がセル1の下端まで進みガスリークが生じることを抑制することができる。
また、図3に示すように、多孔質部8bの下端は、シール材8の下端に達しているとよい。この構成によりセル1の下端近傍においてシール材8内部の熱収縮による応力を緩和することができる。従って、セル1の下端近傍においてシール材8とセル1との剥離発生を抑制することができる。よって、セル1の下端から発生した剥離がシール材8の表層部まで進みガスリークが生じることを抑制することができる。
また、図3に示すように、多孔質部8bは、この多孔質部8bの両隣りに位置するセル1間の中央部に位置しているとよい。この「中央部」とは、セル間の距離を3等分した場合の真ん中の領域をいう。この構成によれば、多孔質部8bと一方のセル1との間に位置する他の部分8cの熱収縮による応力が緩和されるとともに、多孔質部8bと他方のセル1との間に位置する他の部分8cの熱収縮による応力が緩和される。従って、多孔質部8bの両側において、シール材8とセル1との剥離を抑制することができる。
また、図4に示すように、多孔質部8bの上端は、緻密部8aに接していなくてもよい。この場合には、多孔質部8bと緻密部8aとの間に他の部分8cが存在する。
また、図5に示すように、多孔質部8bの上端は、緻密部8aに沿って延びているとよい。この構成によれば、緻密部8aに熱応力又は衝撃が負荷されてクラックが生じた場合であっても表層部全域にわたって多孔質部8b内部の気孔でクラックの伸展を止めることができる。また、緻密部8aの下側は熱応力が生じにくい多孔質部8bで覆われるので、緻密部8aに熱応力が作用することを抑制し、緻密部8aにクラックが発生することを抑制することができる。従って、ガスリークを抑制することができる。
また、図6に示すように、多孔質部8bはセル1の外表面に沿ってセル1の長さ方向に延びていてもよい。この構成によれば、最も剥離の生じる可能性の高いセル1とシール材8との境界に多孔質部8bが存在することになる。この多孔質部8bは熱収縮による応力が発生しにくいので、境界において剥離が生じにくくなる。従って、ガスリークを抑制することができる。
また、図6に示すように、多孔質部8bは、セルのうち特にインターコネクタ6に沿ってセル1の長さ方向に延びているとよい。
上述したように、図1に示す例において、一方の平坦面n1側におけるセル1の下端部では、固体電解質層4のみが表面に露出している。また、他方の平坦面n2側におけるセル1の下端部では、インターコネクタ6および固体電解質層4が表面に露出している。従って、図1および図6に示す例において、シール材8は、一方のセル1の固体電解質層4と、他方のセル1のインターコネクタ6および固体電解質層4とを接合している。
ここで、インターコネクタ6として、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)又はランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)が使用され、固体電解質層4として、Yが固溶したZrOが使用され、かつ、シール材8として非晶質ガラス又は結晶化ガラスが使用された場合には、インターコネクタ6とシール材8との熱収縮率差が、固体電解質層4とシール材8との熱収縮率差よりも大きくなる。
従って、セル1の下端部においてインターコネクタ6の占める面積割合の多い「他方のセル1」側において、クラックが発生しやすくなる。そこで、上述したように、多孔質部8bが、セル1のうち特にインターコネクタ6に沿ってセル1の長さ方向に延びていることにより、特にクラックが発生しやすい箇所で多孔質部8bによる応力緩和を行うことができる。
(測定方法)
多孔質部8bと緻密部8aとの境界、多孔質部8bと他の部分8cとの境界、および緻密部8aと他の部分8cとの境界の特定方法について説明する。まずシール材8を、図3に示すような断面が得られるように、支持体7aおよびガスタンク7bごと切断する。例
えば30倍で反射電子検出器を用いた走査型電子顕微鏡(SEM)画像を3mm×3mmの視野で撮影し、図3に示すようなシール材8全体の断面が観察できるようにする。このSEM画像を目視し、上述した境界の位置を推測する。次に境界を横切るように0.5mmの線を引く。この線の一端から他端まで0.1mm間隔で6点を設定し、各点において1000倍で上記と同様のSEM画像を撮影し微構造を観察する。そして、これら6点において気孔率を測定する。気孔率は得られたSEM画像に対して画像処理を行って求める。SEM画像においてシール材8は灰色であり、気孔は白色なので、それぞれの色の面積を求めることにより「全体の面積(気孔の部分の面積と気孔でない部分の面積の和)」に対する「気孔の部分の面積」の割合を気孔率とする。各境界を横切る0.5mmの線は1つの境界に対して5本引き、同様の手法で6点の気孔率を求める。そして、各線において、3%以上の気孔率の上昇があった点をマーキングする。各線においてマーキングされた点が5点揃う。これらの点を結ぶ。この結んだ線を境界とする。
多孔質部8b、緻密部8aおよび他の部分8cの気孔率の算出については、上記の境界を求めるにあたって算出した気孔率を利用すれば良い。例えば、ある0.5mmの線において3番目の点がマーキングされた点とすれば、1番目と2番目の点における気孔率を利用して一方の領域の気孔率を算出すればよい。また、4〜6番目の点の気孔率によって他方の領域の気孔率を算出すればよい。この0.5mmの線は1つの境界につき5本あるので、一方の領域の気孔率を求めたい場合には、5本全ての線における一方の領域に属する点を特定し、これらの平均値を求めればよい。
(製造方法)
以上説明した本実施形態のセルスタック装置10の作製方法の一例について説明する。ただし、以下に述べる材料、温度等の各種条件は、適宜変更することができる。
セルスタック装置10は、例えば、以下の手順で組み立てられる。先ず、必要な枚数の完成したセル1、並びに、支持体7aを準備する。次いで、所定の治具等を用いて、複数個のセル1がスタック状に整列・固定される。次に、この状態を維持しつつ、複数個のセル1のそれぞれの一端を、支持体7aの挿入孔17に一度に挿入する。次いで、シール材8用のペースト(典型的には、非晶質材料(非晶質ガラス)のペースト)を、挿入孔17と複数個のセル1の一端との接合部の隙間に充填する。
なお、図3〜図6のように緻密部8a、多孔質部8bおよび他の部分8cを配置させるためには、まず、多孔質部8bおよび他の部分8cの領域を仕切る仕切り板によって区分した状態で、多孔質部8b用のペーストおよび他の部分8c用のペーストをセル1間に充填すればよい。この多孔質部8b用のペーストには他の部分8c用のペーストより造孔材が多く含まれている。そして、各ペーストを乾燥させて流動しなくなった状態で仕切り板を除去する。なお、ペーストに含有される溶媒等の量によって乾燥工程の有無、および乾燥時間を決定すればよい。そして、充填した多孔質部8b用のペーストおよび他の部分8c用のペーストの上部に造孔材をほとんど含まない緻密部8a用のペーストを配置する。
次に、上記のように充填されたシール材8用のペーストに熱処理(結晶化処理)を行なう。この熱処理によって非晶質材料の温度がその結晶化温度まで到達すると、結晶化温度下にて、材料の内部で結晶相が生成されて、結晶化が進行していく。この結果、非晶質材料が固化・セラミックス化されて、結晶化ガラスとなる。これにより、結晶化ガラスで構成されるシール材8を介して、複数個のセル1の一端が挿入孔17に接合・固定される。換言すれば、各セル1の一端がシール材8を用いて支持体7aにそれぞれ接合・支持される。その後、前記所定の治具を複数個のセル1から取り外す。
次に、支持体7aをガスタンク7bに接合する。この工程においては、まずガスタンク
7bの凹溝71内に接合材72用のペーストを充填する。そして、シール材8と同様に熱処理して結晶化させればよい。
これによって得られたセルスタック装置10においては、シール材8は、表層部に設けられた緻密部8aと、該緻密部8aの下部に設けられており、複数個のセル1の長手方向に沿って延びる多孔質部8bと、を有している構成となる。
(モジュール)
次に、上述したセルスタック装置を用いた本発明の実施形態に係るモジュールについて図7を用いて説明する。図7は、本実施形態のセルスタック装置の一例を備えるモジュールを示す外観斜視図である。
図7に示すように、モジュール20は、収納容器14内に、セルスタック装置10を収納してなる。また、セルスタック装置10の上方には、セル1に供給する燃料ガスを生成するための改質器13が配置されている。
また、図7に示す改質器13においては、原燃料供給管16を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器13は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましく、水を気化させるための気化部13aと、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部13bとを備えている。そして、改質器13で生成された燃料ガスは、ガス流通管12を介してマニホールド7に供給され、マニホールド7よりセル1の内部に設けられたガス流路に供給される。
また図7においては、収納容器14の一部(前後面)を取り外し、内部に収納される燃料電池セルスタック装置10を後方に取り出した状態を示している。
また、上述の構成のモジュール20においては、通常発電時においては、上記燃焼やセル1の発電に伴い、モジュール20内の温度は500〜1000℃程度となる。
このようなモジュール20においては、上述したように、ガスリークの発生を抑制したセルスタック装置10を収納してなることにより、ガスリークの発生を抑制したモジュール20とすることができる。
(モジュール収容装置)
図8は、外装ケース内に図7で示したモジュール20と、モジュール20を動作させるための補機(図示せず)とを収納してなる本実施形態のモジュール収容装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図8においては一部構成を省略して示している。
図8に示すモジュール収容装置40は、支柱41と外装板42から構成される外装ケース内を仕切板43により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール20を収納するモジュール収納室44とし、下方側をモジュール20を動作させるための補機を収納する補機収納室45として構成されている。なお、補機収納室45に収納する補機を省略して示している。
また、仕切板43には、補機収納室45の空気をモジュール収納室44側に流すための空気流通口46が設けられており、モジュール収納室44を構成する外装板42の一部に、モジュール収納室44内の空気を排気するための排気口47が設けられている。
このようなモジュール収容装置40においては、上述したように、ガスリークの発生を
抑制したモジュール20をモジュール収納室44に収納し、モジュール20を動作させるための補機を補機収納室45に収納して構成されることにより、ガスリークの発生を抑制したモジュール収容装置40とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
本実施形態では、支持基板の表面に内側電極、固体電解質層および外側電極から成る発電素子部が1つのみ設けられた所謂「縦縞型」の構成が採用されているが、支持基板の表面の互いに離れた複数個所にて前記発電素子部がそれぞれ設けられ、隣り合う発電素子部の間が電気的に接続された所謂「横縞型」のセルが採用されてもよい。
また、上記実施形態のセルでは、燃料極と空気極とを入れ替えて、内側電極を空気極とし、外側電極を燃料極としてもよい。この場合、燃料ガスと空気とが入れ替えられたガスの流れが採用される。
また、支持基板は燃料極を兼ねるものとし、その表面に固体電解質層および空気極を順次積層してセルを構成してもよい。
また、上記実施形態では、図2に示すように、支持体7aに1つのみ形成された挿入孔17に1列全てのセル1の一端が挿入されているが、図9に示すように、支持体7aに形成された複数の挿入孔17のそれぞれにセル1が1つずつ挿入されていてもよい。
また、上記実施形態では、図2に示すように、複数個のセルが2列に整列されたセルスタック装置を示したが、図10に示すように、複数個のセルが1列に整列されたセルスタック装置100であってもよい。
また、上記実施形態では、「セル」、「セルスタック装置」、「モジュール」および「モジュール収容装置」の一例として燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を示したが、他の例としてはそれぞれ、電解セル、電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置であってもよい。
図11に、電解セルスタック装置110の一例を示す。セル1の他端(上端)がシール材8にてマニホールドに固定されており、第1のマニホールド73が高温の水蒸気を供給するための供給部となり、第2のマニホールド74が生成された水素を回収するための回収部となる。図11に示す例では、ガス流通管12が水蒸気を供給し、ガス流通管16が水素を回収している。
1:セル
2:支持基板
2a:ガス流路
3:燃料極
4:固体電解質層
5:空気極
6:インターコネクタ
7:マニホールド
7a:支持体
7b:ガスタンク
8:シール材
8a:緻密部
8b:多孔質部
9a:導電部材
9b:端部導電部材
10、100、110:セルスタック装置
11:導電部
12:ガス流通管
13:改質器
14:収納容器
15:空気導入部材
16:原燃料供給管
20:モジュール
40:モジュール収容装置

Claims (7)

  1. 柱状である複数個のセルが配列されてなるセルスタックと、
    支持体とガスタンクとを備え、前記支持体は前記複数個のセルの一端が挿入される挿入口を有しており、挿入口を介して前記複数個のセルに前記ガスタンク内から反応ガスを供給するマニホールドと、
    前記複数個のセルの一端と前記挿入口の内壁とを接合し、かつ、前記複数個のセルの一端同士を接合しているシール材と、を具備し、
    前記シール材は、
    表層部に設けられた表面が前記マニホールドの外部に露出している緻密部と、
    該緻密部の下に設けられており、前記複数個のセルの長手方向に沿って延びる多孔質部と、を有し、
    前記シール材の下端は、前記ガスタンク内に露出しているとともに少なくとも一部は、前記多孔質部である
    セルスタック装置。
  2. 前記多孔質部の上端は、前記緻密部に接している
    請求項1に記載のセルスタック装置。
  3. 前記多孔質部は、前記シール材の前記セルとの境界部に位置している
    請求項1又は請求項2に記載のセルスタック装置。
  4. 前記多孔質部は、該多孔質部の両隣りに位置するセル間の中央部に位置している
    請求項1又は請求項2に記載のセルスタック装置。
  5. 前記多孔質部の上端部は、前記緻密部に沿って延びている
    請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載のセルスタック装置。
  6. 収納容器内に、請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載のセルスタック装置を収納してなることを特徴とするモジュール。
  7. 外装ケース内に、請求項6に記載のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とするモジュール収容装置。
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