JP2015183252A5 - - Google Patents

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セルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置
本発明は、導電基板が被覆層で被覆された導電部材を用いて複数のセルを電気的に接続してなるセルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気等)とを用いて、例えば、600〜1000℃の高温下で発電する固体酸化物形の燃料電池セル、および、燃料電池セルを集電部材(導電部材)を介して複数個電気的に直列に接続してなるセルスタックが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、集電部材として耐熱性が必要であるため、Crを含有する合金からなる集電基板(導電基板)の表面を、Crの拡散を低減するセラミックスからなる被覆層で被覆したものが使用されている。集電基板はプレス加工による剪断力で所定形状に切断等され、この後に、集電基板の表面に、ディッピングやスパッタリング法等により被覆層が被覆され、これにより集電部材が構成されている。
特開2005−339904号公報
しかしながら、従来、集電基板を被覆する被覆層の厚みについて、燃料電池セルに接合される部分とそうでない部分との関係について何ら考慮されていなかったため、集電基板からの被覆層の剥離や集電基板からのCrの拡散が生じるおそれがあった。
本発明は、導電基板からの被覆層の剥離およびCrの電極層への拡散を低減できるセルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置を提供することを目的とする。
本発明のセルスタックは、セルと導電部材とを交互に配列し、前記セルと前記導電部材とを導電性接合材で接合し、複数の前記セルを電気的に接続してなるセルスタックであって、前記導電部材が、Crを含有する合金からなる導電基板をセラミックスからなる被覆層で被覆してなり、かつ第1の前記セルに接合する第1導電片と、第2の前記セルに接合する第2導電片とを具備するとともに、前記第1導電片および前記第2導電片の前記セルと接合する側の第1主面における前記被覆層の厚みが、前記第1主面に対向する第2主面における前記被覆層の厚みよりも厚く、かつ、前記第1導電片および前記第2導電片の第1主面および該第1主面から連続して形成された側面が、前記導電性接合材で前記セルに接合されていることを特徴とする。
また、本発明のモジュールは、上記セルスタックを、収納容器内に収納してなることを特徴とする。
さらに、本発明のモジュール収容装置は、上記モジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
本発明のセルスタックによれば、導電基板からのセルへのCrの拡散を低減できるとともに、第1主面および第2主面における被覆層の剥離を低減できる。従って、このようなセルスタックをモジュールおよびモジュール収容装置に用いることにより、長期信頼性を向上することができる。
セルスタック装置を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す横断面図である。 図1の集電部材を抜粋して示す斜視図である。 (a)は図2に示す集電部材のA−A線から見た側面図、(b)は図2に示す集電部材のB−B線断面図である。 (a)は図3(b)に示す集電部材の導電片を拡大して示す断面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。 集電部材の製造工程の前半を示す説明図である。 集電部材の製造工程の後半を示す説明図である。 図1のセルスタックにおける燃料電池セルと集電部材との接合状態を示す縦断面図である。 図1のセルスタックを収納容器に収納してなる燃料電池モジュールを分解して示す外観斜視図である。 燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置を示す斜視図である。
図1はセルスタック装置を示すもので、このセルスタック装置1は、セルの一種である固体酸化物形の燃料電池セル3を複数有している。複数の燃料電池セル3は、内部にガス流路12を有し、一対の対向する主面をもつ全体的に見て柱状の導電性支持体7と、この導電性支持体7の一方の主面上に内側電極層である燃料極層8と、固体電解質層9と、外側電極層である酸素極層10とをこの順に配置してなる発電部を備えている。導電性支持体7の他方の主面には、インターコネクタ層11を配置し、柱状(中空平板状)の燃料電池セル3が構成されている。
そして、燃料電池セル3の複数個を1列に配列し、隣接する燃料電池セル3間に集電部材(導電部材)4が配置されている。燃料電池セル3と集電部材4とは、詳しくは後述するが、導電性接合材13を介して接合されており、それにより、複数個の燃料電池セル3を、集電部材4を介して電気的および機械的に接合して、セルスタック2を構成している。
また、インターコネクタ層11の外面にはP型半導体層(図示せず)を設けることもできる。集電部材4を、P型半導体層を介してインターコネクタ層11に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくすることができる。
セルスタック2を構成する各燃料電池セル3の下端部は、ガスタンク6の開口部に、ガラス等のシール材14により固定されており、これにより、ガスタンク6内の燃料ガスを、燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路12を介して燃料電池セル3の燃料極層8に供給することができる。
図1に示すセルスタック装置1においては、燃料電池セル3のガス流路12の内部を燃料ガスとして水素含有ガスが流れるとともに、燃料電池セル3の外側、特に燃料電池セル3の間に配置された集電部材4の内部空間Sを酸素含有ガス(空気)が流れる構成となる。それにより、燃料極層8にガスタンク6から燃料ガスが供給され、酸素極層10に酸素含有ガスが供給されることで、燃料電池セル3の発電が行なわれる。
セルスタック装置1は、燃料電池セル3の配列方向xの両端から、セルスタック2を挟持するように、弾性変形可能な導電性の挟持部材5を配置して構成され、この挟持部材5の下端部は、ガスタンク6に固定されている。挟持部材5は、セルスタック2の両端に位置するように設けられた平板部5aと、燃料電池セル3の配列方向xに沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック2(燃料電池セル3)の発電により生じる電流を引き出す
ための電流引出部5bとを有している。
以下に、図1の燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
燃料極層8は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称する)とNiおよび/またはNiOとで構成することができる。
固体電解質層9は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOで構成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて構成してもよい。
酸素極層10は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型複合酸化物からなる導電性セラミックスで構成することができる。酸素極層10はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲とすることができる。酸素極層10としては、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するランタンマンガナイト(LaSrMnO)、ランタンフェライト(LaSrFeO)、ランタンコバルタイト(LaSrCoO)などの少なくとも一種を用いることができる。
インターコネクタ層11は、導電性セラミックスで構成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、例えば、ランタンクロマイト(LaCrO)を用いることができる。インターコネクタ層11は、導電性支持体7に存在する複数のガス流路12を流通する燃料ガス、および導電性支持体7の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度であることが好ましい。
導電性支持体7としては、燃料ガスを燃料極層8まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ層11を介して集電するために導電性であることが必要とされる。したがって、導電性支持体7としては、かかる要求を満足する材質を用いる必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
なお、燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層8または固体電解質層9との同時焼成により導電性支持体7を作製する場合においては、鉄属金属成分と特定希土類元素酸化物とから導電性支持体7を構成することができる。また、導電性支持体7は、ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は50S/cm以上、さらには300S/cm以上、440S/cm以上にしてもよい。
さらに、P型半導体層(図示せず)としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ層11を構成するランタンクロマイトよりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するランタンマンガナイト(LaSrMnO)、ランタンフェライト(LaSrFeO)、ランタンコバルタイト(LaSrCoO)などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを用いることができる。このようなP型半導体層の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
導電性接合材13は、燃料電池セル3と集電部材4とを接合するもので、導電性セラミ
ックス等を用いて構成することができる。導電性セラミックスとしては、酸素極層10を構成するものと同様のものを用いることができ、酸素極層10と同じ成分により構成すると、酸素極層10と導電性接合材13との接合強度が高くなるため好ましい。
具体的には、導電性接合材13として、LaSrCoFeO、LaSrMnO、LaSrCoO等を用いることができる。これらの材料を単一の材料を用いて作製してもよく、2種以上組み合わせて導電性接合材13を作製してもよい。
また、導電性接合材13は、粒径の異なる異種材料により構成してもよく、粒径の同じ異種材料により構成してもよい。さらに、粒径の異なる同材料により構成してもよく、粒径の同じ同材料により構成してもよい。異なる粒径を用いた場合には微粒の粒径を0.1〜0.5μm、粗粒の粒径を1.0〜3.0μmとすることが好ましい。また同じ粒径で導電性接合材13を構成する場合は、粒径が0.5〜3μmとすることが好ましい。
このように、異なる粒径の材料を用いて導電性接合材13を作製することにより、粒径の大きな粗粒が導電性接合材13の強度を向上させるとともに、粒径の小さな微粒が導電性接合材13の焼結性を向上させることができる。
次に、集電部材4について図2〜4を用いて説明する。図2に示す集電部材4は、隣接する一方の燃料電池セル3と接合される複数の第1導電片(第1導電片)4aと、隣接する他方の燃料電池セル3と接合される複数の第2導電片(第2導電片)4bと、複数の第1集電片4aおよび複数の第2集電片4bの一端同士を連結する第1連結部4cと、複数の第1集電片4aおよび複数の第2集電片4bの他端同士を連結する第2連結部4dとを一組のユニットとしている。そして、これらのユニットの複数組が、燃料電池セル3の長手方向に導電性連結片4eにより連結されて構成されている。第1集電片4aおよび第2集電片4bは、燃料電池セル3に接合される部位となっている。また、第1集電片4aと第2集電片4bとの間が、酸素含有ガスが通過する空間Sとされている。
燃料電池セル3において、上述したように、固体電解質層9を介して燃料極層8と、酸素極層10とが対向する部位が発電する部位となる。それゆえ、燃料電池セル3の発電部で発電された電流を効率よく集電するにあたり、集電部材4の燃料電池セル3の長手方向に沿った長さは、燃料電池セル3における酸素極層10の長手方向における長さと同等以上とすることがよい。集電部材4の構造はこれに限定されるものではない。
集電部材4は、セルスタック装置1の作動時に高温の酸化雰囲気に曝されることから、集電基板(導電基板)41の表面全体に被覆層43を形成してなり、これにより、集電部材4の劣化を低減することができる。被覆層43の厚みは、1〜20μm、特には、1.5〜5μmであることが望ましい。なお、図4では、集電基板41の表面全体に被覆層43を形成した状態を示し、集電基板41の断面を示す斜線は省略している。
集電部材4は、耐熱性および高温の酸化性雰囲気で導電性を有する必要があるため、集電基板41は、Crを含有する合金により作製されている。特には、集電部材4は、高温の酸化雰囲気に曝されることから、集電基板41は4〜30質量%の割合でCrを含有する合金で構成されている。集電基板41は、例えば、Fe−Cr系の合金やNi−Cr系の合金等により作製できる。集電基板41は高温用(600〜1000℃)の導電基体である。
また、集電基板41のCrが燃料電池セル3、特に酸素極層10に拡散することを低減するために、被覆層43として、Znの酸化物、あるいはLaおよびSrを含有するペロブスカイト型複合酸化物等を用いることができる。被覆層43はCrの拡散を低減できれ
ばよく、上記材料以外であっても良い。
第1集電片4aおよび第2集電片4bは、図3に示すように、断面矩形状であり、燃料電池セル3の配列方向xに対して垂直な面の第1主面4g(燃料電池セル3に接合される主面である)、燃料電池セル3の配列方向xと平行な面の第1側面4hおよび第2側面4i、第1主面4gと対向する面の第2主面4jを有している。言い換えると、燃料電池セル3と対向する面である第1主面4gと、第1主面4gの両側に隣り合う第1側面4hおよび第2側面4iと、第1主面4gと対向する第2主面4jとを有している。第1側面4hおよび第2側面4iが、集電基板41の厚み方向に平行な側面である。第1主面4gおよび第2主面4jの面積は、第1側面4hおよび第2側面4iの面積よりも十分に大きい。
そして、第1集電片4a、第2集電片4bの燃料電池セル3と接合する側の第1主面4gにおける被覆層43の厚みt1が、第1主面4gに対向する第2主面4jにおける被覆層43の厚みt2よりも厚く形成されている。特に、第1主面4gにおける被覆層43の厚みt1は、第2主面4jにおける被覆層43の厚みt2の1.1倍以上、さらには1.2倍以上であることが望ましい。一方、被覆層43の剥離を抑制するという点から、厚みt1は厚みt2の2倍以下、さらには1.5倍以下であることが望ましい。第2主面4jにおける被覆層43の厚みt2は、1μm以上、特には、1〜5μmであることが望ましい。
さらには、第1集電片4a、第2集電片4bの燃料電池セル3と接合する側の第1主面4gにおける被覆層43の厚みt1が、第1側面4hおよび第2側面4iにおける被覆層43の厚みt3よりも厚く形成されている。これにより、燃料電池セル3との距離が短く、かつ面積が大きい第1主面4gからのCrの拡散を低減できる。また、第1側面4hおよび第2側面4iにおける被覆層43の厚みt3は、第1集電片4a、第2集電片4bの燃料電池セル3と接合する側の第1主面4gにおける被覆層43の厚みt1よりも薄いため、導電性接合材13が第1側面4hおよび第2側面4iの一部を被覆していない場合でも被膜層43の剥離を低減できる。
第1側面4hおよび第2側面4iにおける被覆層43の厚みは、第2主面4jにおける被覆層43の厚みt2よりも厚く形成されていることが望ましい。これにより、第1側面4hおよび第2側面4iからの導電性接合材13を介した燃料電池セルへのCrの拡散を低減できる。
集電基板41の角部は丸められており、図3(b)に示すように、その曲率は、酸素極層10に接合される第1集電片4aにおいては、第1主面4gと第1側面4hおよび第2側面4iとでなす角部(酸素極層10側の角部)が、第2主面4jと第1側面4hおよび第2側面4iとでなす角部(インターコネクタ層11側の角部)よりも小さく設定されている。第1主面4gと第1側面4hおよび第2側面4iとでなす角部の曲率が小さいため、セラミックスからなる被覆層43が厚い場合であっても被覆層43におけるクラック等を抑制でき、Cr被毒による影響が大きい酸素極層10へのCrの拡散をさらに抑制できる。
また、インターコネクタ層11に接合される第2集電片4bにおいては、第1主面4gと第1側面4hおよび第2側面4iとでなす角部の曲率が、第2主面4jと第1側面4hおよび第2側面4iとでなす角部の曲率よりも大きく設定されている。
次に、集電部材4の作製方法について説明する。図5(a)に示すように、下型19a1と上型19b1とを具備したプレス加工機の下型19a1上に、一枚の矩形状をした厚みが例えば0.1〜1mmの板状の集電基板41を載置する。この後、図5(b)に示す
ように、上型19b1を下降させることにより、図5(c)に示すような、集電基板41の幅方向に延びるスリットを形成する。スリットを形成する形状の上型19b1を、スリット部分がくり抜かれた下型19a1の穴内に挿入して、剪断力により集電基板41にスリットを形成する。
そして、図6(d)に示すように、集電基板41の角部を丸めるような下型19a2と上型19b2とで挟持して、集電基板41の主面側を押圧することにより、図6(e)に示すように、集電基板41の角部を丸めることができ、この部分に被覆層43を容易に形成できるようになる。下型19a2および上型19b2の角部の曲率を調整することにより、第1集電片4aにおいて、集電基板41の酸素極層10側の角部の曲率を、インターコネクタ層11側の角部の曲率よりも小さくできる。
この後、集電基板41表面に、図6(f)に示すように、例えばスパッタリング法により被覆層43を形成することにより集電部材4を構成することができる。
なお、図5(c)、図6(d)〜(f)は断面図であるが、集電基板41における斜線を省略した。
スパッタリングは、先ず、第1集電片4aの第1主面4gが上側となるように配置された集電基板41の上方に蒸着源を配置し、集電基板41の表面に被覆層を形成し、この後、第2集電片4bの第1主面4gが上側となるように配置された集電基板41の上方に蒸着源を配置し、集電基板41の表面に被覆層を形成し、集電基板41の表面に被覆層を所定厚み形成する。
そして、集電基板41の第1集電片4aと第2集電片4bとの間の空間Sに、スパッタを遮断する板状のマスクを挿入し、第1集電片4aの第1主面4gが上側となるように配置された集電基板41の上方に蒸着源を配置し、集電基板41の表面に被覆層を形成し、この後、第2集電片4bの第1主面4gが上側となるように配置された集電基板41の上方に蒸着源を配置し、集電基板41の表面に被覆層を形成する。これにより、第1集電片4a、第2集電片4bの第1主面4gにおける被覆層43の厚みを、第1主面4gに対向する第2主面4jにおける被覆層43の厚みよりも厚く形成できる。
次に、集電部材4と燃料電池セル3との導電性接合材13による接合状態について、図7を用いて説明する。
図7に示すように集電部材4と燃料電池セル3とは導電性接合材13を介して接合されている。つまり、導電性接合材13により、集電部材4と燃料電池セル3とは電気的および機械的に接続されている。導電性接合材13は、第1主面4g、第1側面4hおよび第2側面4iを覆うように設けられており、第1側面4hおよび第2側面4iに位置する導電性接合材13はそれぞれ接合される燃料電池セル3側の方に多くなるように(メニスカスを形成するように)設けられている。また、集電部材4の全周を被覆することにより、第1集電片4a、第2集電片4bを完全に覆うように導電性接合材13を設けてもよい。
すなわち、図7では、導電性接合材13は、燃料電池セル3と集電部材4とを接合するために配置されており、燃料電池セル3の酸素極層10側には、酸素極層10の全面にわたり設けられている。燃料電池セル3のインターコネクタ層11側には、導電性接合材13がインターコネクタ層11の全面にわたり設けられている。なお、酸素極層10やインターコネクタ層11の一部にのみ導電性接合材13を設けて、集電部材4と燃料電池セル3とを接合してもよい。
Crの拡散を低減するには被覆層43の厚みが厚い方が良いが、合金からなる集電基板41の表面をセラミックスからなる被覆層43で被覆しているため、被覆層43の厚みが厚いと、集電基板41の表面から剥離し易い傾向にある。
これに対して、本実施形態では、燃料電池セル3に接合する第1集電片4a、第2集電片4bの第1主面4gにおける被覆層43の厚みt1が、第1主面4gに対向する第2主面4jにおける被覆層43の厚みt2よりも厚いため、集電基板41からの燃料電池セル3へのCrの拡散を低減できるとともに、第1主面4gおよび該第1主面4gから連続して形成された第1側面4hおよび第2側面4iが、導電性接合材13で燃料電池セル3に接合されているため、第1主面4gにおける被覆層43の剥離を低減できる。
次に、セルスタック装置1を収納容器21内に収納してなる燃料電池モジュール20について図8を用いて説明する。
図8に示す燃料電池モジュール20は、燃料電池セル3にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器22をセルスタック2の上方に配置して構成されている。そして、改質器22で生成された燃料ガスは、ガス流通管23を介してガスタンク6に供給され、ガスタンク6を介して燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路12に供給される。
なお、図8においては、収納容器21の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置1および改質器22を後方に取り出した状態を示している。ここで、図8に示した燃料電池モジュール20においては、セルスタック装置1を、収納容器21内にスライドして収納することが可能である。
また収納容器21の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材24は、図8においてはガスタンク6に並置された一対のセルスタック2の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが、燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル3の側方を下端部側から上端部側に向かって流れるように、燃料電池セル3の下端部側に酸素含有ガスを供給するように構成されている。そして、燃料電池セル3のガス流路12より排出され、発電に使用されなかった余剰の燃料ガス(燃料オフガス)を燃料電池セル3の上端部の上方で燃焼させることにより、セルスタック2の温度を効果的に上昇させることができ、セルスタック装置1の起動を早めることができる。また、燃料電池セル3の上端部の上方にて、燃料電池セル3のガス流路12から排出される発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼させることにより、セルスタック2の上方に配置された改質器22を温めることができる。それにより、改質器22で効率よく改質反応を行うことができる。
次に、燃料電池モジュール20と、燃料電池モジュール20を作動させるための補機(図示せず)とを外装ケースに収納してなる燃料電池装置25について図9を用いて説明する。
図9に示す燃料電池装置25は、支柱26と外装板27から構成される外装ケース内を仕切板28により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール20を収納するモジュール収納室29とし、下方側を燃料電池モジュール20を作動させるための補機を収納する補機収納室30として構成されている。なお、補機収納室30に収納する補機は省略している。
また、仕切板28には、補機収納室30の空気をモジュール収納室29側に流すための空気流通口31が設けられており、モジュール収納室29を構成する外装板27の一部に、モジュール収納室29内の空気を排気するための排気口32が設けられている。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記形態では燃料電池セルを用いたセルスタックおよび燃料電池モジュールならびに燃料電池装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成する電解セル(SOEC)およびこの電解セルを備えるセルスタックおよび電解モジュールならびに電解装置にも適用することができる。
先ず、NiとYからなる支持基板の一方側に、NiとYが固溶したZrO(YSZ)とからなる燃料極層、YSZからなる固体電解質層、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)からなる酸素極層が、他方側にランタンクロマイトからなるインターコネクタ層が形成された、図1に示す燃料電池セルを作製した。
この後、集電基板の表面に、スパッタリング法により、ZnOからなる被覆層を、図2〜4に示したような集電部材を形成した。集電部材の第1集電片、第2集電片のうち、それぞれ10個の集電片の切断面をSEM(走査型電子顕微鏡:500倍)観察し、被膜層の厚みを確認した。第一主面4gの中心部の被膜層、第2主面4jの中心部の被膜層、第1側面4hの中心部の被膜層、第2側面4iの中心部の被膜層の厚みを測定し、平均値を求めた。
被覆層の厚みは、第1集電片4aの第1主面4gの厚みは2.7μm、第2主面4jの厚みは、2.1μm、第1側面4h、第2側面4iの厚みは、それぞれ2.3μm、2.2μmであり、第2集電片4bの第1主面4gの厚みは2.7μm、第2主面4jの厚みは、2.1μm、第1側面4h、第2側面4iの厚みは、それぞれ2.3μm、2.2μmであった。
そして、燃料電池セルと集電部材をLSCFからなる導電性接合材を用いて、図7に示すように接合し、1000℃で2時間の熱処理を行って、燃料電池セルと集電部材が接合されたサンプルを作製した。このサンプルを大気中において750℃×3000hrで熱処理し、熱処理後のサンプル断面をEPMA(波長分散型X線マイクロアナライザー)で分析し、集電部材からのCrの拡散状況を確認した。また集電部材における被覆層の剥離状況をSEM(3000倍)にて確認した。その結果、Crの酸素極層への拡散はなく、被覆層の剥離もなかった。
1:セルスタック装置
2:セルスタック
3:燃料電池セル
4:集電部材(導電部材)
4a:第1集電片(第1導電片)
4b:第2集電片(第2導電片)
4g:第1主面
4h:第1側面
4i:第2側面
4j:第2主面
13:導電性接合材
20:燃料電池モジュール
21:収納容器
25:燃料電池装置
41:集電基板(導電基板)
43:被覆層

Claims (4)

  1. ルと導電部材とを交互に配列し、前記セルと前記導電部材とを導電性接合材で接合し、複数の前記セルを電気的に接続してなるセルスタックであって、前記導電部材が、Crを含有する合金からなる導電基板をセラミックスからなる被覆層で被覆してなり、かつ第1の前記セルに接合する第1導電片と、第2の前記セルに接合する第2導電片とを具備するとともに、前記第1導電片および前記第2導電片の前記セルと接合する側の第1主面における前記被覆層の厚みが、前記第1主面に対向する第2主面における前記被覆層の厚みよりも厚く、かつ、前記第1導電片および前記第2導電片の第1主面および該第1主面から連続して形成された側面が、前記導電性接合材で前記セルに接合されていることを特徴とするセルスタック。
  2. 記セルが、電極層とインターコネクタ層とを対向する位置に具備するとともに、前記第1導電片が前記電極層に接合し、前記第2導電片が前記インターコネクタ層に接合し、前記第1導電片および前記第2導電片の角部が面取りされており、前記第1導電片の電極層側における角部の曲率が、前記第1導電片のインターコネクタ層側における角部の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のセルスタック。
  3. 請求項1または2に記載のセルスタックを、収納容器内に収納してなることを特徴とするモジュール。
  4. 請求項3に記載のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とするモジュール収容装置。
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