JP2015191693A5 - - Google Patents

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セルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置
本発明は、セルと導電部材とを導電性接合材を用いて電気的に接続してなるセルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気等)とを用いて600〜1000℃の高温下で発電する固体酸化物形の燃料電池セル(セルの
一種)が知られている。複数の燃料電池セルは、集電部材(導電部材の一種)を介して電気的に直列に接続してセルスタックが構成されている(例えば、特許文献1参照)。この集電部材は、導電性接合材を用いて燃料電池セルに接合されている。
従来、特許文献1には、集電部材と燃料電池セルとの間の導電性接合材中に、導電性接合材の内部に多数存在する気孔よりも大きな扁平状の空隙(等価円径で10〜200μm)を存在させることにより、熱サイクル試験終了後における酸素極のクラック発生を抑制できると記載されている。
特開2005−339904号公報
しかしながら、特許文献1では、集電部材と導電性接合材との接合面積に対する空隙の面積比率について何ら制御されておらず、集電部材と燃料電池セルとの間の導電性が低下するおそれがあった。
本発明は、導電部材とセルとの間の導電性を高く維持できるセルスタックおよびモジュールならびにモジュール収容装置を提供することを目的とする。
本発明のセルスタックは、セルと導電部材とを交互に配列し、前記セルと前記導電部材の導電片の主面とを導電性接合材で接合し、複数の前記セルを電気的に接続してなるセルスタックであって、前記導電性接合材中に、前記導電片の主面に接触して空隙が存在するとともに、前記導電部材を前記導電性接合材から引き剥がした後の写真から求めた、前記導電片の主面と前記導電性接合材との接合部の面積に対する前記空隙の面積の比率が20%以下であることを特徴とする。
また、本発明のモジュールは、上記セルスタックを、収納容器内に収納してなることを特徴とする。
さらに、本発明のモジュール収容装置は、上記モジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
本発明のセルスタックによれば、導電部材とセルとの間の導電性を高く維持でき、このようなセルスタックを用いたモジュールおよびモジュール収容装置の性能を高く維持できる。
セルスタック装置を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す横断面図である。 図1の集電部材を抜粋して示す斜視図である。 (a)は図2に示す集電部材のA−A線から見た側面図、(b)は図2に示す集電部材のB−B線断面図である。 燃料電池セルと集電部材との接合状態を示す縦断面図である。 (a)は図4の一部を拡大して示す(図6(a)のD−D線に沿った)断面図、(b)は(a)の空隙およびその周囲を拡大して示す説明図である。 (a)は図4のC−C線断面図、(b)は集電部材を導電性接合材から引き剥がした後の導電性接合材を上方から見た平面図、(c)は(b)のE―E線に沿った断面図である。 図1のセルスタックを収納容器に収納してなる燃料電池モジュールを分解して示す外観斜視図である。 燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置を示す斜視図である。 空隙と、燃料電池セル、導電性接合材および集電部材を含めた抵抗との関係を示すグラフである。
図1はセルスタック装置を示すもので、セルスタック装置1は、セルの一種である固体酸化物形の燃料電池セル3を有している。この燃料電池セル3は、内部にガス流路12を有し、一対の対向する主面をもつ全体的に見て柱状の導電性支持体7と、この導電性支持体7の一方の主面上に内側電極層である燃料極層8と、固体電解質層9と、外側電極層である酸素極層10とをこの順に配置してなる発電部を備えている。導電性支持体7の他方の主面には、インターコネクタ11を配置し、柱状(中空平板状)の燃料電池セル3が構成されている。
そして、燃料電池セル3の複数個を1列に配列し、隣接する燃料電池セル3間に、導電部材の一種である集電部材4が配置されている。燃料電池セル3と集電部材4とは、詳しくは後述するが、導電性接合材13を介して接合されており、それにより、複数個の燃料電池セル3を、集電部材4を介して電気的および機械的に接合して、セルスタック2が構成されている。
また、インターコネクタ11の外面にはP型半導体層(図示せず)を設けることもできる。集電部材4を、P型半導体層を介してインターコネクタ11に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくすることができる。
セルスタック2を構成する各燃料電池セル3の下端部は、ガスタンク6に、ガラス等のシール材14により固定されており、これにより、ガスタンク6の燃料ガスを、燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路12を介して燃料電池セル3の燃料極層8に供給することができる。
ガス流路12は、導電性支持体7の長手方向Lに貫通して設けられており、酸素極層10は、導電性支持体7の一方の主面の固体電解質層9上に長手方向Lの両端部を除いて形成され、インターコネクタ層11は、導電性支持体7の他方の主面に長手方向y全体に形成されている。
図1に示すセルスタック装置1においては、燃料電池セル3のガス流路12の内部を燃料ガスとして水素含有ガスが流れるとともに、燃料電池セル3の外側、特に一対の燃料電池セル3の間に配置された集電部材4の内部空間Sを酸素含有ガス(空気)が流れる構成となる。それにより、燃料極層8にガスタンク6から燃料ガスが供給され、酸素極層10に酸素含有ガスが供給されることで、燃料電池セル3の発電が行なわれる。
セルスタック装置1は、燃料電池セル3の配列方向xの両端から、セルスタック2を挟持するように、弾性変形可能な導電性の挟持部材5を配置して構成され、この挟持部材5の下端部は、ガスタンク6に固定されている。挟持部材5は、セルスタック2の両端に位置するように設けられた平板部5aと、燃料電池セル3の配列方向xに沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック2(燃料電池セル3)の発電により生じる電流を引き出す
ための電流引出部5bとを有している。
以下に、図1の燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
燃料極層8は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称する)とNiおよび/またはNiOとで構成することができる。
固体電解質層9は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOで構成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて構成してもよい。
酸素極層10は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型複合酸化物からなる導電性セラミックスで構成することができる。酸素極層10はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲とすることができる。酸素極層10としては、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するランタンマンガナイト(LaSrMnO)、ランタンフェライト(LaSrFeO)、ランタンコバルタイト(LaSrCoO)などの少なくとも一種を用いることができる。
インターコネクタ11は、導電性セラミックスで構成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、例えば、ランタンクロマイト(LaCrO)を用いることができる。インターコネクタ11は、導電性支持体7に存在する複数のガス流路12を流通する燃料ガス、および導電性支持体7の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度であることが好ましい。
導電性支持体7としては、燃料ガスを燃料極層8まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ11を介して集電するために導電性であることが必要とされる。したがって、導電性支持体7としては、かかる要求を満足する材質を用いる必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
なお、燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層8または固体電解質層9との同時焼成により導電性支持体7を作製する場合においては、鉄属金属成分と特定希土類元素酸化物とから導電性支持体7を構成することができる。また、導電性支持体7は、ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は50S/cm以上、さらには300S/cm以上、440S/cm以上にしてもよい。
さらに、P型半導体層(図示せず)としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ11を構成するランタンクロマイトよりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するランタンマンガナイト(LaSrMnO)、ランタンフェライト(LaSrFeO)、ランタンコバルタイト(LaSrCoO)などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを用いることができる。このようなP型半導体層の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
導電性接合材13は、燃料電池セル3と集電部材4とを接合するもので、導電性セラミ
ックス等を用いて構成することができる。導電性セラミックスとしては、酸素極層10を構成するものと同様のものを用いることができ、酸素極層10と同じ成分により構成すると、酸素極層10と導電性接合材13との接合強度が高くなるため好ましい。
具体的には、導電性接合材13として、LaSrCoFeO、LaSrMnO、LaSrCoO等を用いることができる。これらの材料を単一の材料を用いて作製してもよく、2種以上組み合わせて導電性接合材13を作製してもよい。
また、導電性接合材13は、粒径の異なる異種材料により構成してもよく、粒径の同じ異種材料により構成してもよい。さらに、粒径の異なる同材料により構成してもよく、粒径の同じ同材料により構成してもよい。異なる粒径を用いた場合には微粒の粒径を0.1〜0.5μm、粗粒の粒径を1.0〜3.0μmとすることが好ましい。また同じ粒径で導電性接合材13を構成する場合は、粒径が0.5〜3μmとすることが好ましい。
このように、異なる粒径の材料を用いて導電性接合材13を作製することにより、粒径の大きな粗粒が導電性接合材13の強度を向上させるとともに、粒径の小さな微粒が導電性接合材13の焼結性を向上させることができる。
次に、集電部材4について図2、3を用いて説明する。図2に示す集電部材4は、隣接する一方の燃料電池セル3と接合される複数の第1集電片4aと、隣接する他方の燃料電池セル3と接合される複数の第2集電片4bと、複数の第1集電片4aおよび複数の第2集電片4bの一端同士を連結する第1連結部4cと、複数の第1集電片4aおよび複数の第2集電片4bの他端同士を連結する第2連結部4dとを一組のユニットとしている。そして、これらのユニットの複数組が、燃料電池セル3の長手方向に導電性連結片4eにより連結されて構成されている。第1集電片4aおよび第2集電片4bは、燃料電池セル3に接合される部位となっている。また、第1集電片4aと第2集電片4bとの間が、酸素含有ガスが通過する空間Sとされている。
燃料電池セル3において、上述したように、固体電解質層9を介して燃料極層8と、酸素極層10とが対向する部位が発電する部位となる。それゆえ、燃料電池セル3の発電部で発電された電流を効率よく集電するにあたり、集電部材4の燃料電池セル3の長手方向yに沿った長さは、燃料電池セル3における酸素極層10の長手方向yにおける長さと同等以上とすることがよい。集電部材4の構造はこれに限定されるものではない。
集電部材4は、セルスタック装置1の作動時に高温の酸化雰囲気に曝されることから、集電基板(図示せず)の表面全体に被覆層(図示せず)を形成してなり、これにより、集電部材4の劣化を低減することができる。被覆層の厚みは、1〜20μm、特には、1.5〜5μmであることが望ましい。
集電部材4は、耐熱性および高温の酸化性雰囲気で導電性を有する必要があるため、集電基板は、Crを含有する合金により作製されている。特には、集電部材4は、高温の酸化雰囲気に曝されることから、集電基板は4〜30質量%の割合でCrを含有する合金で構成されている。集電基板は、例えば、Fe−Cr系の合金やNi−Cr系の合金等により作製できる。集電基板は高温用(600〜1000℃)の導電基体である。
また、集電基板のCrが燃料電池セル3、特に酸素極層10に拡散することを低減するために、被覆層として、Znの酸化物、あるいはLaおよびSrを含有するペロブスカイト型複合酸化物等を用いることができる。被覆層はCrの拡散を低減できればよく、上記材料以外であっても良い。
第1集電片4aおよび第2集電片4bは、図3に示すように、燃料電池セル3の配列方向xに対して垂直な面の第1主面4g、燃料電池セル3の配列方向xと平行な面の第1側面4hおよび第2側面4i、第1主面4gと対向する面の第2主面4jを有している。言い換えると、燃料電池セル3と対向する第1主面4gと、第1主面4gの両側に隣り合う第1側面4hおよび第2側面4iと、第1主面4gと対向する第2主面4jとを有している。この第1側面4hおよび第2側面4iが、集電部材4の厚み方向(配列方向x)に平行な側面である。第1主面4gおよび第2主面4jの面積は、第1側面4hおよび第2側面4iの面積よりも十分に大きい。第1集電片4aおよび第2集電片4bの第1主面4g、第1側面4hおよび第2側面4iが、導電性接合材13で燃料電池セル3の酸素極層10、インターコネクタ層11に接合される。
次に、集電部材4と燃料電池セル3との導電性接合材13による接合状態について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、燃料電池セル3と集電部材4とが交互に配列され、燃料電池セル3と集電部材4の集電片4a、4bの第1主面4gとが導電性接合材13で接合され、複数の燃料電池セル3が電気的に直列に接続されている。つまり、導電性接合材13により、集電部材4と燃料電池セル3とは電気的および機械的に接続されている。導電性接合材13は、集電片4a、4bの第1主面4g、第1側面4hおよび第2側面4iを覆うように設けられており、第1側面4hおよび第2側面4iに位置する導電性接合材13はそれぞれ接合される燃料電池セル3側の方に多くなるように(メニスカスを形成するように)設けられている。また、集電部材4の全周を被覆することにより、集電片4a、4bを完全に覆うように導電性接合材13を設けてもよい。
すなわち、図4では、導電性接合材13は、燃料電池セル3と集電部材4とを接合するために配置されており、燃料電池セル3の酸素極層10側には、酸素極層10の全面にわたり設けられている。燃料電池セル3のインターコネクタ11側には、導電性接合材13がインターコネクタ11の全面にわたり設けられている。なお、酸素極層10やインターコネクタ11の一部にのみ導電性接合材13を設けて、集電部材4と燃料電池セル3とを接合してもよい。
そして、本実施形態では、図4、5に示すように、導電性接合材13中に、言い換えると集電片4a、4bの第1主面4gと導電性接合材13との界面に、集電片4a、4bの第1主面4gに接触して空隙15が存在している。
空隙15の占有率は、図6(b)、(c)に示すように、集電部材4を導電性接合材13から引き剥がした後の金属顕微鏡写真から求めた、集電片4a、4bと導電性接合材13との接合部13aの面積S1に対する空隙15の面積S2の比率(S2/S1×100)が20%以下とされている。面積比率(S2/S1×100)は、特には18%以下、さらには15%以下であることが望ましく、1%以上、さらには5%以上とされている。接合部13aの面積S1は、空隙15の面積S2を含めた面積である。
空隙15は、導電性接合材13中に存在する気孔(セラミック粒子等で構成された気孔)と比較して、十分に大きい。
金属顕微鏡写真は、集電部材4を燃料電池セル3の導電性接合材13から引き剥がした部分を、上方から撮影した平面写真であり、接合部13aの面積とは、例えば、一つの燃料電池セル3に接続される全ての集電片4aまたは集電片4bの第1主面4gが、導電性接合材13に接合される面積の合計である。集電部材4の集電片4a、4bを導電性接合材13から引き剥がした後の、第1主面4gと導電性接合材1との接合部13aは、上記
平面写真から容易に確認できる。この面積比率(S2/S1×100)は、画像解析装置により求めることができる。
図6(c)に、集電部材4の集電片4a、4bを導電性接合材13から引き剥がした後の断面図を示す。導電性接合材13に形成される凹部の底面の全面積が、接合部13aの面積S1となる。
空隙15は、図5に示すように、集電部材4の厚み方向の任意断面(燃料電池セル3の配列方向xで、かつ長手方向yに沿った断面)において、集電片4a、4bの幅B1に対する空隙15の幅B2(B2/B1×100)が10%以下であることが望ましい。特には、集電片4a、4bの幅B1に対する空隙15の幅B2は、2〜5%であることが望ましい。なお、図5(a)は、図6(a)におけるD−D線断面図である。
集電片4a、4bの第1主面4gに接触して空隙15が存在するか否かは、集電部材4の厚み方向における断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から確認できるが、他に、上記したように、集電片4a、4bを導電性接合材13から引き剥がすことにより、図6(b)に示すように、引き剥がした後の接合部13aに、集電片4a、4b(接合部13a)の長さ方向に延びる空隙15を形成する凹部が存在するか否かで確認できる。空隙15の長さは、帯状の集電片4a、4bの接合部13aの長さよりも短く制御され、空隙15が集電片4a、4bの長さ方向に細長く延びている。空隙15は、集電片4a、4bが埋まっていた導電性接合材13の凹部の底面(接合部13a)に形成されている。
図6(b)では、集電片4a、4bが埋まっていた全ての導電性接合材13の凹部の底面に空隙15が形成されている状態を示したが、一つの燃料電池セル3に接合される複数の集電片4aまたは集電片4bのうち、一部の集電片4aまたは一部の集電片4bが埋まっていた接合部13aには、空隙15が形成されていない場合もある。また、図6(b)では、空隙15が接合部13aに単数存在する場合について説明したが、一つの集電片4a、4bに、空隙15が集電片4a、4bの長手方向yに複数に分割して存在する場合もある。
なお、図3(b)、図4、図6では、多数の集電片4a、4bのうち一部のみ記載している。
また、空隙15は、集電部材4の厚み方向における厚みが、幅よりも小さい扁平状であり、また、空隙15は、燃料電池セル3側に凸形状とされている。
このような形態では、集電片4a、4bの主面に接触して空隙15が存在し、集電部材4を導電性接合材13から引き剥がした後の金属顕微鏡写真から求めた、集電片4a、4bと導電性接合材13との接合部13aの面積S1に対する空隙15の面積S2の比率(S2/S1×100)が20%以下とされているため、集電部材4と燃料電池セル3間の導電性を高く維持できる。従って、このようなセルスタックを燃料電池モジュールおよび燃料電池装置に用いることにより、発電性能を高く維持できる。
次に、セルスタック装置の製法について説明する。
燃料電池セル3と集電部材4と、導電性接合材13を準備し、燃料電池セル3の酸素極層10、およびインターコネクタ層11の表面に、導電性接合材13となるペーストを塗布し、集電部材4と燃料電池セル3とを交互に積層し、1000〜1100℃で熱処理することにより、集電部材4と燃料電池セル3とを導電性接合材13で接合できる。
導電性接合材13となるペーストは、導電性のセラミック粒子と、溶媒(アルコール系)と、有機バインダと、造孔材(有機樹脂)で作製できる。溶媒としてエステル系の溶媒を用いることができる。溶媒は、ペーストの粘度を調整するためのものである。
本発明者等は、集電片が配置されたペーストの部分と、集電片が配置されておらず、露出したペーストの部分とでは、ペースト中における溶媒の飛散状態が異なり、集電片が配置されたペースト中の溶媒は、集電片が配置された部分では、ペースト中の溶媒の飛散を集電片が遮断し、その他の部分よりも飛散しにくく、集電片の下方には、空隙15が形成されることを見出した。そして、外方に露出したペースト中の溶媒は、迅速に飛散してペーストが表面から固化するものの、集電片の下方のペーストでは、外方に露出した部分のペーストから溶媒が飛散しようとするものの、ペースト表面の固化が進行すると、この固化したペースト表面からの溶媒の飛散が遮断され、集電片の下方に空隙15が形成されることを究明した。
さらに、溶媒の飛散を調整すべく、集電片の下方のペースト中の溶媒の飛散を促進すべく、溶媒量を低減し、かつ、低温で飛散しやすい溶媒にすることで、集電片4a、4bの第1主面4gに接触して空隙15が存在するとともに、図6(b)に示すように、集電部材4を燃料電池セル3から引き剥がした後の金属顕微鏡写真から求めた、集電片4a、4bの第1主面4gと導電性接合材13との接合部13aの面積S1に対する空隙15の面積S2の比率(S2/S1×100)を20%以下とできることを見出した。
具体的には、ペーストを塗布できる最小限の溶媒量、例えば、従来では20重量%であったものを16重量%とし、溶媒の種類をテルピネオール単体からテルピネオールとエチルアルコールの混合液体に変更することで、集電片4a、4bの第1主面4gに接触して空隙15が存在し、集電片4a、4bの第1主面4gと導電性接合材13との接合部13aの面積S1に対する空隙15の面積S2の比率(S2/S1×100)を20%以下にできる。
次に、セルスタック装置1を収納容器21内に収納してなる燃料電池モジュール20について図7を用いて説明する。
図7に示す燃料電池モジュール20は、燃料電池セル3にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器22をセルスタック2の上方に配置して構成されている。そして、改質器22で生成された燃料ガスは、ガス流通管23を介してガスタンク6に供給され、ガスタンク6を介して燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路12に供給される。
なお、図7においては、収納容器21の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置1および改質器22を後方に取り出した状態を示している。ここで、図7に示した燃料電池モジュール20においては、セルスタック装置1を、収納容器21内にスライドして収納することが可能である。
また収納容器21の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材24は、図7においてはガスタンク6に並置された一対のセルスタック2の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが、燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル3の側方を下端部側から上端部側に向かって流れるように、燃料電池セル3の下端部側に酸素含有ガスを供給するように構成されている。そして、燃料電池セル3のガス流路12より排出され、発電に使用されなかった余剰の燃料ガス(燃料オフガス)を燃料電池セル3の上端部の上方で燃焼させることにより、セルスタック2の温度を効果的に上昇させることができ、セルスタック装置1の起動を早めることができる。また、燃料電池セル3の上端部の上方にて、燃料電池セル3のガス
流路12から排出される発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼させることにより、セルスタック2の上方に配置された改質器22を温めることができる。それにより、改質器22で効率よく改質反応を行うことができる。
次に、燃料電池モジュール20と、燃料電池モジュール20を作動させるための補機(図示せず)とを外装ケースに収納してなる燃料電池装置25について図8を用いて説明する。
図8に示す燃料電池装置25は、支柱26と外装板27から構成される外装ケース内を仕切板28により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール20を収納するモジュール収納室29とし、下方側を燃料電池モジュール20を作動させるための補機を収納する補機収納室30として構成されている。なお、補機収納室30に収納する補機は省略している。
また、仕切板28には、補機収納室30の空気をモジュール収納室29側に流すための空気流通口31が設けられており、モジュール収納室29を構成する外装板27の一部に、モジュール収納室29内の空気を排気するための排気口32が設けられている。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記形態では燃料電池セルを用いたセルスタックおよび燃料電池モジュールならびに燃料電池装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成する電解セル(SOEC)およびこの電解セルを備えるセルスタックおよび電解モジュールならびに電解装置にも適用することができる。
また、上記形態では、導電性の多孔質基板1に一つの発電素子部を設けた、いわゆる縦縞型について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁性の多孔質基板に複数の発電素子部を設けた、いわゆる横縞型であっても良いことは勿論である。
さらに、集電部材の形状については、図2に限定されるものではない。
先ず、NiとYからなる支持基板の一方側に、NiとYが固溶したZrO(YSZ)からなる燃料極層、YSZからなる固体電解質層、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8からなる酸素極層を、他方側にランタンクロマイトからなるインターコネクタ層が形成された、図1に示す燃料電池セルを作製した。
この後、集電基板の表面に、スパッタリング法により、ZnOからなる被覆層を形成した。
導電性接合材を構成するペーストを、溶媒としてテルピネオールとエチルアルコールの混合液体を16質量%、有機バインダとしてエチルセルロースを4質量%、造孔材として結晶性セルロースを3質量%、残部がLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末とを添加して作製した。
そして、6本の燃料電池セルの酸素極層表面およびインターコネクタ層表面に、導電性接合材を構成するペーストを塗布し、燃料電池セルと集電部材とを交互に積層し、120
℃で5時間乾燥し、1000℃で2時間熱処理することで、燃料電池セルと集電部材とを導電性接合材を用いて、図4に示すように接合し、セルスタックを作製した。
この後、図1に示したように、集電部材を介して電気的に接続したセルスタックの下端部を、ガスタンクの開口部内に挿入し、シール材14で接合固定した。
この後、800℃におけるセルスタックの抵抗(1本の燃料電池セル、この燃料電池セルに接合される導電性接合材および集電部材を含めた抵抗)を求め、空隙の占有率との関係を求め、図11に記載した。
空隙の占有率は、集電片を引き剥がし、一つの燃料電池セルに接合する全ての第1集電片4aの第1主面4gの接合部13aの面積S1と、集電片を引き剥がした後に観測できる凹部(空隙)の面積S2に対する比率である、空隙の面積比率(S2/S1×100)を金属顕微鏡写真と画像解析装置により求め、空隙占有率とした。
図11より、集電片と導電性接合材との接合面積に対する空隙の面積比率が20%以下の場合には、燃料電池セルと集電部材との間の導電性を高く維持できることがわかる。
なお、空隙占有率が30%以上のものは比較例であり、導電性接合材を構成するペーストの溶媒としてテルピネオールを20質量%使用した場合である。
1:セルスタック装置
2:セルスタック
3:燃料電池セル
4:集電部材
4a、4b:集電片
4g:第1主面
13:導電性接合材
13a:接合部
15:空隙
20:燃料電池モジュール
21:収納容器
25:燃料電池装置
B1:集電片の幅
B2:空隙の幅
S1:接合部の面積
S2:空隙の面積

Claims (5)

  1. ルと導電部材とを交互に配列し、前記セルと前記導電部材の導電片の主面とを導電性接合材で接合し、複数の前記セルを電気的に接続してなるセルスタックであって、前記導電性接合材中に、前記導電片の主面に接触して空隙が存在するとともに、前記導電部材を前記導電性接合材から引き剥がした後の写真から求めた、前記導電片の主面と前記導電性接合材との接合部の面積に対する前記空隙の面積の比率が20%以下であることを特徴とするセルスタック。
  2. 前記集電片が帯状であり、前記空隙が前記集電片の長さ方向に細長く延びていることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック。
  3. 前記空隙は、前記セル側に凸形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルスタック。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載のセルスタックを、収納容器内に収納してなることを特徴とするモジュール。
  5. 請求項4に記載のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とするモジュール収容装置。
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