JP5356624B1 - 固体酸化物形燃料電池の発電部間が電気的に接続された接合体 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の発電部間が電気的に接続された接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】「接続部材の接合部が接合材膜に埋設された構成」が採用された「固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電部間が電気的に接続された接合体」であって、「前記電気的接続に関係するSOFC側のベース部材」にクラックが発生難いものを提供すること。
【解決手段】接合材膜80における「接続部材300の接合部の底面とベース部材(空気極60)との間の部分の厚さ(b)」に対する、「接続部材300の接合部の側面が接合材膜80に覆われる高さ(a)」の割合(a/b)が、0.5以上且つ30以下である。更には、接続部材300の接合部の側面の全周における「前記側面が接合材膜80に覆われる高さ」の最大値amaxと最小値aminとの差(amax−amin)が300μm以下である。
【選択図】図19

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池の発電部間が電気的に接続された接合体に関する。
一般に、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)では、高い出力電圧を得る等のため、隣接する一方のSOFCセルに設けられた発電部の燃料極側と、他方のSOFCセルに設けられた発電部の空気極側とが接続部材を介して電気的に接続される構成(接合体)が広く採用される。
例えば、特許文献1では、図8、図9等に示したように、隣接する一方のSOFCセルに設けられた空気極5(以下、「第1ベース部材」と呼ぶ)と、他方のSOFCセルに設けられた発電部の発電部の燃料極3(3a)に電気的に接続するように固定されたインターコネクタ6(以下、「第2ベース部材」と呼ぶ)と、が接続部材15を介して電気的に接続された接合体が記載されている。
特開2006−19059号公報
一般に、上記文献に記載の接合体では、接続部材及び第1ベース部材、並びに、接続部材及び第2ベース部材を電気的に接続するため、電子伝導性を有する接合材料からなるペーストが使用される。即ち、第1、第2ベース部材の接合箇所に塗布等の手法によって前記ペーストの膜がそれぞれ形成される。それぞれのペースト膜に接続部材が貼り付けられる。この状態でそれぞれのペースト膜が焼成される。この結果、接合材膜(焼成膜)によって接続部材及び第1ベース部材、並びに、接続部材及び第2ベース部材が電気的に接続された接合体が得られる。
このような接合体では、電気抵抗が小さいことが好ましい。このため、接続部材と接合材膜との接合部位において、接続部材の一部(接合材膜との接合部)が接合材膜に埋設された構成を採用することが考えられる。この構成を採用することにより、接続部材の接合部(端面のみ)が接合材膜の表面に単純に接触する構成(即ち、接合材膜との接合部が接合材膜に埋設されない構成)と比べて、接続部材と接合材膜との間の接触面積が大きくなり、接続部材と接合材膜との接合部位における電気抵抗を小さくすることができる。
本発明者は、上述した「接続部材の接合部が接合材膜に埋設された構成」について研究、実験等を重ねた。その結果、上記構成の形態によっては、上述したペーストの焼成時等において、ベース部材にクラックが発生し易いことが判明した。このようなクラックが発生し難い接合体の到来が望まれていたところである。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、「接続部材の接合部が接合材膜に埋設された構成」が採用された「SOFCの発電部間が電気的に接続された接合体」であって、「前記電気的接続に関係するSOFC側のベース部材」にクラックが発生難いものを提供することを目的とする。
本発明に係る接合体の特徴は、「前記接合材膜における前記接続部材の接合部の底面と前記ベース部材との間の部分の厚さ(b)」に対する、「前記接続部材の接合部の側面が前記接合材膜に覆われる高さ(a)」の割合(a/b)が30以下である、ことにある。なお、前記ベース部材とは、「第1ベース部材」又は「第2ベース部材」を指す。「第1ベース部材」とは、「SOFCの第1の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つ」、又は、「前記第1の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つと電気的に接続された導電部材」であり、「第2ベース部材」とは、「SOFCの第2の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つ」、又は、「前記第2の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つと電気的に接続された導電部材」である。
上記割合(a/b)が大きいほど、接続部材と接合材膜との間の接触面積が大きくなり易く、従って、接続部材と接合材膜との接合部位における電気抵抗が小さくなり易い、と考えられる。しかしながら、発明者は、上記割合(a/b)が30より大きくなると、ベース部材にクラックが発生し易いこと、を見出した。換言すれば、上記割合(a/b)が30以下であると、ベース部材にクラックが発生し難いこと、が見出された(この点については後に詳述する)。
本発明の実施形態に係る「SOFCの発電部間を電気的に接続する接合体」を示す斜視図である。 図1に示した隣接するSOFCセル間を電気的に接続する接続部材の全体形状の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る接合体によって接合されるSOFCセルを示す斜視図である。 図3に示す燃料電池セルの4−4線に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの作動状態を説明するための図である。 図3に示す燃料電池セルの作動状態における電流の流れを説明するための図である。 図3に示す支持基板を示す斜視図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第1段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第2段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第3段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第4段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第5段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第6段階における図4に対応する断面図である。 図3に示す燃料電池セルの製造過程における第7段階における図4に対応する断面図である。 図1に示す接合体において、隣接する横縞型SOFCセル間が接続部材によって電気的に接続される様子を示した図4に対応する図である。 図1に示す接合体において、1つの横縞型SOFCセルの両面間が接続部材によって電気的に接続される様子を示した図4に対応する図である。 接続部材と空気極とを接合材ペースト(接合材膜)を介して電気的に接続・固定する際の処理の過程の一例を示す図である。 空気極(ベース部材)にクラックが発生している様子を説明するための図である。 接続部材の接合部が接合材膜に埋設された様子、並びに、前記埋設に伴う各種寸法を説明するための図である。 接合材膜における「接続部材の接合部の底面と空気極との間の部分」に空隙が形成されている様子を説明するための図である。
図1は、本発明の実施形態に係る「SOFCの発電部間を電気的に接続する接合体」の一例を示す。図1に示す例では、固定部材200(燃料マニホールド)を利用して、多数の板状のSOFCセル100が所定間隔を空けて平行に整列するように立設・固定配置されている。本発明の実施形態に係る「接合体」の一例としては、接合箇所A(図1を参照)にて「隣接する横縞型SOFCセル100間を接続部材300によって接合する接合体」、並びに、接合箇所B(図1を参照)にて「1つの横縞型SOFCセル100の両面間を接続部材(金属バンド)400によって接合する接合体」が挙げられる。接続部材300の全体形状の一例は図2に示すとおりである。以下、図1に示した各SOFCセル100の詳細について説明していく。
(SOFCセルの構成)
図3は、図1に示したSOFCセル100の全体を示す。このSOFCセルは、長手方向を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
このSOFCセルの全体を上方からみた形状は、例えば、長手方向の辺の長さが5〜50cmで長手方向に直交する幅方向の長さが1〜10cmの長方形である。このSOFCセルの全体の厚さは、1〜5mmである。このSOFCセルの全体は、厚さ方向の中心を通り且つ支持基板10の主面に平行な面に対して上下対称の形状を有することが好ましいが、この限りでない。以下、図3加えて、このSOFCセルの図3に示す4−4線に対応する部分断面図である図4を参照しながら、このSOFCセルの詳細について説明する。図4は、代表的な1組の隣り合う発電素子部A,Aのそれぞれの構成(の一部)、並びに、発電素子部A,A間の構成を示す部分断面図である。その他の組の隣り合う発電素子部A,A間の構成も、図4に示す構成と同様である。
支持基板10は、電子伝導性を有さない多孔質の材料からなる平板状の焼成体である。支持基板10の側端部は、外側に(幅方向に)凸となる曲面状を呈している。支持基板10の内部には、長手方向に延びる複数(本例では、6本)の燃料ガス流路11(貫通孔)が幅方向において所定の間隔をおいて形成されている。
支持基板10は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板10の厚さは、1〜5mmである。以下、説明の簡便化のため、支持基板10の上面側の構成についてのみ説明していく。支持基板10の下面側の構成についても同様である。
図4に示すように、支持基板10の上面(上側の主面)の上には、直方体状の燃料極20が設けられている。燃料極20は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。燃料極20は、具体的には、後述する固体電解質膜40に接する燃料極活性部と、燃料極活性部以外の残りの部分である燃料極集電部とから構成され得る。燃料極活性部を上方からみた形状は、燃料極集電部が存在する範囲に亘って幅方向に延びる長方形である。
燃料極活性部は、例えば、酸化ニッケルNiOとイットリア安定化ジルコニアYSZ(8YSZ)とから構成され得る。或いは、酸化ニッケルNiOとガドリニウムドープセリアGDCとから構成されてもよい。燃料極集電部は、例えば、酸化ニッケルNiOとイットリア安定化ジルコニアYSZ(8YSZ)とから構成され得る。或いは、酸化ニッケルNiOとイットリアYとから構成されてもよいし、酸化ニッケルNiOとカルシア安定化ジルコニアCSZとから構成されてもよい。燃料極活性部の厚さは、5〜30μmであり、燃料極集電部の厚さは、50〜500μmである。
このように、燃料極集電部は、電子伝導性を有する物質を含んで構成される。燃料極活性部は、電子伝導性を有する物質と酸素イオン伝導性を有する物質とを含んで構成される。燃料極活性部における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
各燃料極20(より具体的には、各燃料極集電部)の上面の所定箇所には、インターコネクタ30が形成されている。インターコネクタ30は、電子伝導性を有する緻密な導電性セラミックス材料からなる焼成体である。インターコネクタ30を上方からみた形状は、燃料極20が存在する範囲に亘って幅方向に延びる長方形である。インターコネクタ30の厚さは、10〜100μmである。
インターコネクタ30は、例えば、ランタンクロマイト(LC)から構成され得る。ランタンクロマイトの化学式は、La1−xCr1−y−z(ただし、A:Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類の元素、B:Co,Ni,Mg,Alから選択される少なくとも1種類の元素、0.05≦x≦0.2、0.02≦y≦0.22、0≦z≦0.05)で表わされる。
或いは、インターコネクタ30は、チタン酸化物から構成され得る。チタン酸化物の化学式は、(A1−x,B1−z(Ti1−y,D)O(ただし、A:アルカリ土類元素から選択される少なくとも1種類の元素、B:Sc,Y,及びランタノイド元素から選択される少なくとも1種類の元素、D:第4周期、第5周期、第6周期の遷移金属、及びAl,Si,Zn,Ga,Ge,Sn,Sb,Pb,Biから選択される少なくとも1種類の元素、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、−0.05≦z≦0.05)で表わされる。この場合、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成され得る。
このように、インターコネクタ30の材質としてランタンクロマイトLCやストロンチウムチタネート(Sr,La)TiOが使用されるのは、インターコネクタ(端子電極)30の一端(内側)が還元雰囲気に曝され且つ他端(外側)が酸化雰囲気に曝されることに基づく。酸化・還元の両雰囲気で安定な導電性セラミックスとしては、現状では、LCと(Sr,La)TiOが優れている。
複数の燃料極20が設けられた状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタ30が形成された部分を除いた全面は、固体電解質膜40により覆われている。固体電解質膜40は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料からなる焼成体である。固体電解質膜40は、例えば、Y(イットリア)を含有したYSZ(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。固体電解質膜40の厚さは、3〜50μmである。
即ち、複数の燃料極20が設けられた状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面の全面は、インターコネクタ30と固体電解質膜40とからなる緻密層により覆われている。この緻密層は、緻密層の内側の空間を流れる燃料ガスと緻密層の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。ここで、緻密材料からなる「インターコネクタ30及び固体電解質膜40」は、「ガスシール部」と呼ぶことができる。
固体電解質膜40における各燃料極活性部と接している箇所の上面には、反応防止膜50を介して空気極60が形成されている。反応防止膜50は、緻密な材料からなる焼成体であり、空気極60は、電子伝導性とイオン伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。反応防止膜50及び空気極60を上方からみた形状は、燃料極活性部と略同一の長方形である。
反応防止膜50は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜50の厚さは、3〜50μmである。空気極60は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極60は、LSCFからなる第1層(内側層)とLSCからなる第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極60の厚さは、10〜100μmである。
なお、反応防止膜50が介装されるのは、SOFC作製時又は作動中のSOFC内において固体電解質膜40内のYSZと空気極60内のSrとが反応して固体電解質膜40と空気極60との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するためである。
ここで、燃料極20と、固体電解質膜40と、反応防止膜50と、空気極60とが積層されてなる積層体が、「発電素子部A」に対応する(図4を参照)。即ち、支持基板10の上面には、複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、長手方向において所定の間隔をおいて配置されている。
各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図4では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図4では、右側の)発電素子部Aのインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極60、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の上面に、空気極集電膜70が形成されている。空気極集電膜70は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極集電膜70を上方からみた形状は、長方形である。
空気極集電膜70は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜70の厚さは、50〜500μmである。
このように各空気極集電膜70が形成されることにより、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図4では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図4では、右側の)発電素子部Aの燃料極20(特に、燃料極集電部)とが、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」を介して電気的に接続される。この結果、支持基板10の上面に配置されている複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが電気的に直列に接続される。ここで、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」は、「電気的接続部」と呼ぶことができる。
以上、説明した「横縞型」のSOFCセルに対して、図5に示すように、支持基板10の燃料ガス流路11内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板10の上下面(特に、各空気極集電膜70)を「酸素を含むガス」(空気等)に曝す(或いは、支持基板10の上下面に沿って酸素を含むガスを流す)ことにより、固体電解質膜40の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。更に、この構造体を外部の負荷に接続すると、下記(1)、(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる(発電状態)。
(1/2)・O+2e→O2− (於:空気極60) …(1)
+O2−→HO+2e (於:燃料極20) …(2)
発電状態においては、図6に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、電流が、矢印で示すように流れる。この結果、図5に示すように、このSOFCセル全体から(具体的には、図5において最も手前側の発電素子部Aのインターコネクタ30と最も奥側の発電素子部Aの空気極60とを介して)電力が取り出される。
(SOFCセルの製造方法)
次に、図3に示した「横縞型」のSOFCセル100の製造方法の一例について図7〜図14を参照しながら簡単に説明する。図7〜図14において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
先ず、図7に示す形状を有する支持基板の成形体10gが作製される。この支持基板の成形体10gは、例えば、支持基板10の材料(例えば、CSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、押し出し成形、切削等の手法を利用して作製され得る。以下、図7に示す支持基板の成形体10gの部分断面を表す図8〜図14を参照しながら説明を続ける。
図8に示すように、支持基板の成形体10gが作製されると、次に、図9に示すように、支持基板の成形体10gの上下面の所定位置に、燃料極の成形体20gが形成される。各燃料極の成形体20gは、例えば、燃料極20の材料(例えば、NiとYSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図10に示すように、各燃料極の成形体20gの外側面の所定箇所に、インターコネクタの成形膜30gが形成される。各インターコネクタの成形膜30gは、例えば、インターコネクタ30の材料(例えば、LaCrO)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図11に示すように、複数の燃料極の成形体20gが形成された状態の支持基板の成形体10gにおける長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタの成形体30gが形成された部分を除いた全面(支持基板の成形体10gの側端部の表面を含む)に、固体電解質膜の成形膜40gが形成される。固体電解質膜の成形膜40gは、例えば、固体電解質膜40の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
次に、図12に示すように、固体電解質膜の成形体40gにおける各燃料極の成形体20gと接している箇所の外側面に、反応防止膜の成形膜50gが形成される。各反応防止膜の成形膜50gは、例えば、反応防止膜50の材料(例えば、GDC)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体10gが、空気中にて1400〜1500℃で1〜20時間焼成される。これにより、図3に示したSOFCセルにおいて空気極60及び空気極集電膜70が形成されていない状態の構造体が得られる。
次に、図13に示すように、各反応防止膜50の外側面に、空気極の成形膜60gが形成される。各空気極の成形膜60gは、例えば、空気極60の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図14に示すように、各組の隣り合う発電素子部について、一方の発電素子部の空気極の成形膜60gと、他方の発電素子部のインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極の成形膜60g、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の外側面に、空気極集電膜の成形膜70gが形成される。各空気極集電膜の成形膜70gは、例えば、空気極集電膜70の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように成形膜60g、70gが形成された状態の支持基板10が、空気中にて900〜1100℃で1〜20時間焼成される。これにより、図3に示したSOFCセルが得られる。以上、図3に示したSOFCセル100の製造方法の一例について説明した。
(接合体の構成)
次に、図1に示した本発明の実施形態に係る「接合体」の詳細な構成について説明する。図1に示すように、固定部材によって整列配置された複数のSOFCセル100において、接合箇所A(図1を参照)では図15に示す接合体が形成され、接合箇所B(図1を参照)では図16に示す接合体が形成されている。図15、図16において、図3に示す部材と同じ或いは等価な部材については、図3と同じ符号が付されている。
図15に示すように、接合箇所Aでは、隣接する2つの横縞型SOFCセル100、100間が、接続部材300(全体形状は図2を参照)によって電気的に接続されている。具体的には、図15では、「接続部材300の左側端部」と、「左側のSOFCセル100に設けられた空気極60」とが、接合材膜80を介して接合され、電気的に接続されている。同様に、「接続部材300の右側端部」と、「右側のSOFCセル100に設けられた燃料極20と電気的に接続されたインターコネクタ30」とが、接合材膜80を介して接合され、電気的に接続されている。この構成によって、隣接する2つの横縞型SOFCセル100、100間が電気的に直列に接続される。この結果、高い出力電圧を得ることができる。
ここで、接続部材300は、例えば、日立金属(株)製のZMG232L等のFe、Crを主成分とするステンレス系材料(SUS材料)に代表される緻密な金属材料によって構成されている。なお、接続部材300の表面に耐酸化コーティング膜として、MnCoからなるコーティング膜(厚さ:3〜30μm)を設けてもよい。
接合材膜80を介して接続部材300と接合される空気極60(前記「ベース部材」に対応)は、上述したランタンストロンチウムコバルトフェライトLSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O等の多孔質の導電性セラミックス材料からなる焼成体である。空気極60の気孔率は20〜50%である。
接合材膜80を介して接続部材300と接合されるインターコネクタ30(前記「ベース部材」に対応)は、上述したランタンクロマイトLC、或いはストロンチウムチタネート(Sr,La)TiO等の緻密な導電性セラミックス材料からなる焼成体である。インターコネクタ30の気孔率は15%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下である。
接合材膜80は、MnCo、CuMn等のスピネル型結晶構造を有する遷移金属酸化物(即ち、導電性セラミックス材料)からなる焼成体である。接合材膜80の気孔率は50%以下、好ましくは35%以下、更に好ましくは20%以下である。
一方、図16に示すように、接合箇所Bでは、1つの横縞型SOFCセル100の両面間が、接続部材400(セル100の周囲に巻き付けられた金属バンド)によって電気的に接続されている。具体的には、図16では、「接続部材400の一部」と、「1つのSOFCセル100の左側面に設けられた燃料極20と電気的に接続されたインターコネクタ30」とが、接合材膜80を介して接合され、電気的に接続されている。同様に、「接続部材400の他の一部」と、「1つのSOFCセル100の右側面に設けられた空気極60と(空気極集電膜70、インターコネクタ30、燃料極20(より正確には、燃料極20と同じ材質からなる導電性セラミックス)を介して)電気的に接続されたインターコネクタ30」とが、接合材膜80を介して接合され、電気的に接続されている。この構成によって、1つの横縞型SOFCセル100の両面間が電気的に直列に接続される。この結果、高い出力電圧を得ることができる。
ここで、接続部材(金属バンド)400の材質は、接続部材300(図15を参照)の材質と同じであってよい。接合材膜80を介して接続部材400と接合されるインターコネクタ30、30(前記「ベース部材」に対応)の材料、気孔率等は、接合材膜80を介して接続部材300と接合されるインターコネクタ30(図15を参照)の材料、気孔率等と同じであってよい。また、接続部材400を接合する接合材膜80の材質、気孔率等は、接続部材300(図15を参照)を接合する接合材膜80の材質、気孔率等と同じであってよい。
このように、図1に示す接合箇所Bでは、接合材膜80によって金属製の接続部材400と接合されるインターコネクタ30、30が、共に緻密な導電性セラミックス材料からなる。従って、接合箇所Bでは、接続部材400とインターコネクタ30、30との間の接合強度が高く且つ電気的接続の信頼性が高い接合体が得られる。
加えて、接続部材400と接合されるインターコネクタ30、30は共に、燃料極20(或いは、燃料極20と同じ材質からなる導電性セラミックス)に接合されている。従って、従って、インターコネクタ30、30の一方が空気極60に直接接合される場合に比して、支持基板10に対するインターコネクタ30、30の接合強度を高めることができる。これは、空気側電極(セラミック焼成体)が燃料側電極(セラミック焼成体)より低い温度で焼成されることに起因して、空気側電極が燃料側電極より脆くなることに基づく。
なお、本例では、膜の気孔率は、以下のように測定された。先ず、膜の気孔内に樹脂が進入するようにその膜に対して所謂「樹脂埋め」処理がなされた。その「樹脂埋め」処理された膜の表面に対して機械研磨がなされた。機械研磨された表面の微構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察して得られた画像に対して画像処理を行うことによって、気孔の部分(樹脂が進入している部分)と気孔でない部分(樹脂が進入していない部分)の面積がそれぞれ算出された。その比率が膜の気孔率とされた。
(接合体の製造方法)
次に、図1に示した本発明の実施形態に係る「接合体」の製造方法について説明する。以下、図15のZ部を示す図17を参照しながら、接合箇所Aにおける図15の左側部分に位置する接合体についてのみ説明するが、接合箇所Aにおける図15の右側部分に位置する接合体、並びに、接合箇所Bにおける図16の両側に位置するそれぞれの接合体についても同様である。
図17に示すように、先ず、完成したSOFCセル100の空気極60(焼成膜、前記「ベース部材」に対応)の上面(本例では、平面)の接合箇所に、接合材膜80の前駆体である接合材料ペーストの膜が、塗布、印刷法等を用いて形成される。このペーストは、接合材料(例えば、MnCo、CuMn)の粉末にバインダー等が添加されることによって作成され得る。前記粉末の平均粒径は0.1〜10μmである。このペースト膜の厚さは30〜300μmである。なお、このペースト膜に代えて、接合材料で構成されたテープが上記接合箇所に貼り付けられてもよい。
次に、接続部材300がペースト膜の上面に貼り合わされる。このとき、接続部材300が下方に向けて押し付けられること、或いは、接続部材300の自重等に起因して、接続部材300の下端部(即ち、ペースト膜との接合部)が、ペースト膜に埋設される。換言すれば、接続部材300の接合部の底面(本例では、平面)、並びに、接続部材300の接合部の側面(本例では、4つの平面)がペースト膜に覆われる。このとき、ペースト膜における接続部材300の接合部の側面を覆う部分が上方に盛り上がる。
そして、この接合体のペースト膜が800〜1000℃(好ましくは850℃)で焼成されて、接合材膜80となる。この結果、接続部材300と空気極60とが、接合材膜80を介して接合・固定され、電気的に接続される。この接合体では、接続部材300の接合部(下端部)が接合体膜80に埋設され、接続部材300の接合部の底面(本例では、平面)、並びに、接続部材300の接合部の側面(本例では、4つの平面)が接合材膜80に覆われている。従って、接続部材300の下端面のみが接合材膜80の表面に単純に接触する構成(即ち、接合材膜との接合部が接合材膜に埋設されない構成)と比べて、接続部材300と接合材膜80との間の接触面積が大きくなり、接続部材300と接合材膜80との接合部位における電気抵抗を小さくすることができる。
(空気極のクラック発生の抑制に適した接合体の形態)
上述した「接続部材300の接合部が接合材膜80に埋設される構成」を採用する場合、上述したペーストの焼成時等において、図18に示すように、空気極60にクラックが発生し易い場合があった。ここで、図19に示すように、接続部材300の接合部の側面が接合材膜80に覆われる高さ(μm)を「a」と定義し、接合材膜80における「接続部材300の接合部の底面と空気極60との間の部分の厚さ(μm)を「b」と定義する。
高さaは、典型的には、接続部材300の接合部の側面の全周における「前記側面が接合材膜80に覆われる高さ」の平均値である。この場合、具体的には、高さaは、接続部材300の接合部の側面の全周を周方向において10等分して得られる10点のそれぞれの位置における「前記側面が接合材膜80に覆われる高さ」の平均値である。なお、接続部材300の接合部の周囲において接合材膜80の上面が接続部材300の接合部の上面に対して盛り上がっている場合(即ち、接続部材300の接合部の側面の全域が接合材膜80で覆われている場合)、高さaは、接続部材300の接合部の厚さ(板厚)と等しい値とされる。
厚さbは、典型的には、接続部材300の接合部の側面の全周における「前記側面の下端と空気極60との間の接合材膜80の厚さ」の平均値である。この場合、具体的には、厚さbは、接続部材300の接合部の側面の全周を周方向において10等分して得られる10点のそれぞれの位置における「前記側面の下端と空気極60との間の接合材膜80の厚さ」の平均値である。
本発明者は、上述した空気極60のクラック発生の問題に対処するために種々の実験等を重ねた。その結果、本発明者は、係る空気極60のクラックの発生は、値「a/b」と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Aについて説明する。
(試験A)
試験Aでは、図17に示す手順に従って接合された「図15の左側部分に位置する接合体」と同等の接合体(図17、図19を参照)について、空気極60の材質、接合材膜80の材質、及び、値「a/b」、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、15種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。
Figure 0005356624
各サンプルにて使用された接合部材300の材質としては、日立金属(株)製のZMG232Lが使用され、接合部材300の形状としては、直方体が採用された。この直方体の縦(図19において左右方向)の長さは0.5〜20mm、横(図19において奥行方向)の長さは1〜60mm、高さ(図19において上下方向の長さ)は0.3〜1mmであった。値aとしては、上述した「10点についての平均値」が採用された。値bとしても、上述した「10点についての平均値」が採用された。空気極60(焼成体の薄膜)の厚さは5〜50μmであり、接合材膜80(における接続部材300の側面を覆う上方に盛り上がった部分以外の部分、焼成体の薄膜)の厚さは30〜500μmであった。接合材膜80の焼成温度及び焼成時間は、800〜1100℃、1〜5時間であった。値「a/b」の調整は、図17に示すように接続部材300がペースト膜の上面に貼り合わされる際において接続部材300が下方に向けて押し付けられる力の大きさを調整すること、並びに、ペースト膜の粘度を調整すること等によってなされた。
表1から理解できるように、理由は不明であるが、値「a/b」が30を超えると、図18に示すような空気極60のクラックが発生し易く、値「a/b」が30以下であると、上述した空気極60のクラックが発生し難い、ということができる。なお、表1では、値「a/b」が0.5以上の場合が記載されている。値「a/b」が0.5未満の場合では、接合材膜80と空気極60との界面にて剥離が発生し易い傾向があることが、別途確認されている。以上より、値「a/b」は、0.5以上且つ30以下であることが好ましい。
(試験B)
また、本発明者は、上述した空気極60のクラックの発生が、値aについての最大値amaxと最小値aminとの差(amax−amin)とも相関があることを見出した。ここで、最大値amaxとは、接続部材300の接合部の側面の全周における「前記側面が接合材膜80に覆われる高さ」の最大値であり、最小値aminとは、接続部材300の接合部の側面の全周における「前記側面が接合材膜80に覆われる高さ」の最小値である。以下、このことを確認した試験Bについて説明する。
試験Bでは、試験Aと同様の接合体(図17、図19を参照)について、空気極60の材質、接合材膜80の材質、値「a/b」、及び値「amax−amin」、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表2示すように、13種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。
Figure 0005356624
試験Bにおいて各サンプルに使用された各部材の形状、材質等は試験Aのときと同じである。試験Bでは、値「a/b」が0.5〜30の範囲内で調整された。値「amax−amin」の調整は、接合材料ペーストの膜の形状や貼り合わせ方法を調整することによってなされ得る。試験Bでは、作製された各サンプル(焼成体)に対して、過酷な熱サイクル試験(温度範囲:常温〜800℃、昇温速度:2時間、降温速度:4時間の条件で、10サイクル)が実施された。
表2から理解できるように、理由は不明であるが、値「a/b」が0.5〜30の範囲内にある場合において、値「amax−amin」が300μmを超えると、図18に示すような空気極60のクラックが発生し易く、値「amax−amin」が300μm以下であると、上述した空気極60のクラックが発生し難い、ということができる。
更に、本発明者は、値「a/b」が0.5〜30の範囲内にあるサンプル(焼成体)において、接合材膜80における「接続部材300の接合部の底面(平面)と空気極60との間の部分」に「空隙」(図20を参照)が存在するものと、「空隙」が存在しないもののそれぞれに対し、上述と同じ過酷な熱サイクル試験(温度範囲:常温〜800℃、昇温速度:2時間、降温速度:4時間の条件で、10サイクル)を実施した。この結果、「空隙」が存在するサンプルの方が、「空隙」が存在しないサンプルと比べて、上記熱サイクル試験終了後において上述した空気極60のクラックが発生し難い、ことを別途確認している。
この「空隙」は、接合材膜80の内部に多数存在する気孔より大きい。特に、「空隙」のサイズが、等価円径で10〜200μmの場合に、上述した空気極60のクラックがより一層発生し難いことが判明している。接合材膜80(気孔率が50%以下、好ましくは35%以下、更に好ましくは20%以下)の内部に存在する多数の気孔の等価円形の平均は、1〜10μm程度である。従って、「接合材膜80内の上記空隙」と「接合材膜80内の気孔」とは明確に区別できる。なお、或る「孔」の「等価円形」とは、対象の膜(ここでは、接合材膜80)の厚さ方向に沿った断面図に現れているその「孔」(ここでは、「空隙」や気孔)の面積と等しい円の直径を指す。
上記「空隙」の全体(連続する1つの空洞の全域)が接合材膜80における「接続部材300の接合部の底面(平面)と空気極60との間の部分」に位置することが好ましい。また、上記「空隙」は、接合材膜80における「接続部材300の接合部の底面(平面)と空気極60との間の部分」に1つ存在していても、2つ以上存在していてもよい。
上述した試験A〜Bのそれぞれの結果は、接続部材300の形状が直方体の場合に対応するが、接続部材300の形状が図2に示すような形状等であっても、同様の結果が得られることが既に確認されている。また、上述した試験A〜Bのそれぞれの結果、並びに、接合材膜80内の「空隙」に関する結果は、前記「ベース部材」が空気極60である構成に対応するが、前記「ベース部材」が燃料極20、並びにインターコネクタ30である構成についても同様の結果が得られることが既に確認されている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、「接合体」によって接合される対象となるSOFCセルとして「横縞型」のSOFCセル(1つのセルに複数の発電部が設けられたセル)が採用されているが、「接合体」によって接合される対象となるSOFCセルとして「縦縞型」のSOFCセルが採用されてもよい。「縦縞型」のSOFCセルは、複数のSOFCセル(1つのセルに1つの発電部が設けられたセル)がセルの厚さ方向に積層されたスタック構造を有する。
また、上記実施形態では、「接続部材」(接続部材300、400)が、『第1の発電部の「空気側電極」(空気極60)、又は、その「空気側電極」(空気極60)と電気的に接続された「導電部材」(インターコネクタ30)』と、『第2の発電部の「燃料側電極」(燃料極20)、又は、その「燃料側電極」(燃料極20)と電気的に接続された「導電部材」(インターコネクタ30)』と、を電気的に接続しているが(図15の接続箇所A、図16の接続箇所Bを参照)、「接続部材」が、『第1の発電部の「空気側電極」、又は、その「空気側電極」と電気的に接続された「導電部材」』と、『第2の発電部の「空気側電極」、又は、その「空気側電極」と電気的に接続された「導電部材」』と、を電気的に接続していてもよいし、「接続部材」が、『第1の発電部の「燃料側電極」、又は、その「燃料側電極」と電気的に接続された「導電部材」』と、『第2の発電部の「燃料側電極」、又は、その「燃料側電極」と電気的に接続された「導電部材」』と、を電気的に接続していてもよい。
10…支持基板、11…燃料ガス流路、12…凹部、20…燃料極、21b…凹部、30…インターコネクタ、40…固体電解質膜、50…反応防止膜、60…空気極、70…空気極集電膜、80…接合材膜、300…接続部材、400…接続部材、A…発電素子部

Claims (9)

  1. 燃料側電極と、電解質膜と、空気側電極とを含む固体酸化物形燃料電池の第1の発電部と、
    燃料側電極と、電解質膜と、空気側電極とを含む固体酸化物形燃料電池の第2の発電部と、
    前記第1の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つ又は前記第1の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つと電気的に接続された導電部材である第1ベース部材と、前記第2の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つ又は前記第2の発電部の前記空気側電極及び前記燃料側電極の何れか一つと電気的に接続された導電部材である第2ベース部材と、を電気的に接続するための金属からなる接続部材と、
    前記接続部材及び前記第1ベース部材、並びに、前記接続部材及び前記第2ベース部材を電気的に接続する、電子伝導性を有する接合材料からなる膜である接合材膜と、
    を備えた、固体酸化物形燃料電池の発電部間が電気的に接続された接合体であって、
    前記接続部材の一部である前記接合材膜との接合部は、前記接合材膜に埋設されており、
    前記接合材膜における前記接続部材の接合部の底面と前記ベース部材との間の部分の厚さ(b)に対する、前記接続部材の接合部の側面が前記接合材膜に覆われる高さ(a)の割合(a/b)が0.5以上且つ30以下である、接合体。
  2. 請求項1に記載の接合体において、
    前記接続部材の接合部の側面の全周における、前記接合材膜に覆われる高さの最大値と最小値との差(amax−amin)が300μm以下である、接合体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接合体において、
    前記接合材膜における前記接続部材の接合部の底面と前記ベース部材との間の部分に、前記接合材膜の内部の気孔より大きい空隙が存在する、接合体。
  4. 請求項3に記載の接合体において、
    前記空隙の等価円形が10〜200μmである、接合体。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の接合体において、
    前記接合材膜は、スピネル型結晶構造を有する遷移金属酸化物で構成された接合体。
  6. 請求項5に記載の接合体において、
    前記遷移金属酸化物は、MnCo、及びCuMnのうちの1つを含む、接合体。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の接合体において、
    前記ベース部材は、ランタンストロンチウムコバルトフェライトで構成された前記空気側電極である、接合体。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の接合体において、
    前記第1の発電部及び前記第1ベース部材は、第1の固体酸化物形燃料電池セルの支持基板であって燃料ガスを流すための燃料ガス流路が内部に形成された多孔質の板状の支持基板に設けられ、
    前記第2の発電部及び前記第2ベース部材は、第2の固体酸化物形燃料電池セルの支持基板であって燃料ガスを流すための燃料ガス流路が内部に形成された多孔質の板状の支持基板に設けられ、
    前記第1、第2固体酸化物形燃料電池セル間が前記接続部材によって電気的に接続された、接合体。
  9. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の接合体において、
    前記第1の発電部及び前記第1ベース部材は、固体酸化物形燃料電池セルの支持基板であって燃料ガスを流すための燃料ガス流路が内部に形成された多孔質の板状の支持基板の第1の表面側に設けられ、
    前記第2の発電部及び前記第2ベース部材は、前記支持基板の前記第1の表面側と反対側の第2の表面側に設けられ、
    前記固体酸化物形燃料電池セルの第1表面側と第2表面側との間が前記接続部材によって電気的に接続された、接合体。
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