JP6835572B2 - セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置 - Google Patents

セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置 Download PDF

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Description

本開示は、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気)とを用いて電力を得ることができるセルの1種である燃料電池セルが複数配列されてなる燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや、燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1の燃料電池セルスタック装置においては、複数個の燃料電池セルの一端部は固定材で支持部材に接合されている。
特開2013−157191号公報
ところで、燃料電池セルスタック装置において、セルに電圧が印加された場合、固定材と支持部材との界面付近にクラックが生じるおそれがあり、耐久性が低下するおそれがあった。
それゆえ、本開示は、耐久性が向上したセルスタック装置、それを備えるモジュールおよびモジュール収容装置を提供することにある。
本開示のセルスタック装置は、板状である複数個のセルが該セルの厚み方向に積層されてなり、隣接する前記セル間の隙間に酸素元素含有ガスが供給されるセルスタックと、前記セルを固定するための固定部材と、を備え、固定部材は、ガスタンクおよび支持体を備え、導電性を有する、前記セルを前記ガスタンクの上方に支持する支持部材と、該支持部材と前記セルとの間に設けられセルの下方側面に前記支持部材を固定する酸化物イオン伝導性を有する固定材と、を有し、前記固定材及び前記支持部材に接して設けられ、少なくとも一部が前記酸素元素含有ガスに晒されており、かつ酸化物イオン伝導度が前記固定材以上である第一部材を有することを特徴とする。
また、本開示のモジュールは、収納容器内に、上記に記載のセルスタック装置を収納してなることを特徴とする。
さらに、本開示のモジュール収容装置は、外装ケース内に、上記に記載のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とする。
本開示のセルスタック装置は、固定材と支持部材との界面付近にクラックが発生することを抑制でき、ひいては耐久性を向上させることができる。
また、本開示のモジュールは、収納容器内に上記のセルスタック装置を収納してなることから、モジュールの耐久性を向上することができる。
さらに、本開示のモジュール収容装置は、上記のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることから、モジュール収容装置の耐久性を向上することができる。
本実施形態のセルの一例を示すもので、(a)は横断面図、(b)は空気極側から見た側面図であり、(c)はインターコネクタ側から見た側面図である。 (a)は本実施形態のセルスタック装置の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)の側面側の断面図である。 (a)は本実施形態のセルスタック装置の正面側の断面図であり、(b)は(a)のA領域の拡大図である。 (a)(b)は他の実施形態におけるA領域の拡大図である。 さらに他の実施形態におけるA領域の拡大図である。 さらに他の実施形態におけるA領域の拡大図である。 本実施形態のセルスタック装置の一例を備えるモジュールを示す外観斜視図である。 本実施形態のモジュール収容装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。
図1〜8を用いて、セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置について説明する。
(セル)
以下において、セルスタックを構成するセルとして固体酸化物形の燃料電池セルの例を用いて説明する。
図1は、セルの実施形態の一例を示すもので、(a)は横断面図、(b)は空気極側から見た側面図であり、(c)はインターコネクタ側から見た側面図である。なお、この図面において、セル1の各構成の一部を拡大して示している。
図1に示す例において、セル1は中空平板型で、細長い板状である。図1(b)に示すように、セル1の全体を側面から見た形状は、例えば、長さ方向Lの辺の長さが5〜50cmで、この長さ方向に直交する幅方向Wの長さが1〜10cmの長方形である。このセル1の全体の厚さ(厚み方向T)は1〜5mmである。
図1に示すように、セル1は、導電性支持基板2(以下、支持基板2と略す場合がある)、素子部およびインターコネクタ6を有している。支持基板2は、一対の対向する平坦面n1、n2及び平坦面n1、n2を接続する一対の円弧状の側面mを有する柱状である。素子部は、支持基板2の一方の平坦面n1上に設けられている。素子部は、燃料極3、固体電解質層4及び空気極5を有している。また、図1に示す例においては、セル1の他方の平坦面n2上にはインターコネクタ6が設けられている。
また、図1(b)に示す例のように、空気極5はセル1の下端まで延びていない。セル1の下端部では、固体電解質層4のみが表面に露出している。また、図1(c)に示す例のように、インターコネクタ6がセル1の下端まで延びている。セル1の下端部では、インターコネクタ6および固体電解質層4が表面に露出している。なお、セル1の一対の円弧状の側面mにおける表面は固体電解質4が露出している。
以下、セル1を構成する各構成部材について説明する。
支持基板2は、ガスが流れるガス流路2aが内部に設けられており、図1においては6つのガス流路2aが設けられた例を示している。支持基板2としては、燃料ガスを燃料極3まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ6を介して集電するために導電性であることが要求される。支持基板2は、例えば、鉄族金属成分と無機酸化物からなる。例えば、鉄族金属成分はNiおよび/またはNiOであって、無機酸化物は特定の希土類元素酸化物である。
燃料極3は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称し、部分安定化も含むものとする)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。この希土類元素酸化物としては例えばY等が用いられる。
固体電解質層4は、燃料極3、空気極5間のイオンの橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOから形成される。この希土類元素酸化物としては例えばY等が用いられる。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
空気極5は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。例えば、AサイトにSrとLaが共存する複合酸化物が好ましい。例としては、LaSr1−xCoFe1−y、LaSr1−xMnO、LaSr1−xFeO、LaSr1−xCoO等が挙げられる。なお、xは0<x<1、yは0<y<1である。空気極5はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ6は、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)、もしくは、ランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)が好適に使用される。これらの材料は、導電性を有し、かつ燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触しても還元も酸化もされない。また、インターコネクタ6は支持基板2に形成されたガス流路2aを流通する燃料ガス、および支持基板2の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
(セルスタック装置)
次に、上述したセルを用いた本実施形態に係るセルスタック装置について図2を用いて説明する。
図2(a)は本実施形態のセルスタック装置の一例を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)の側面側の断面図である。
セルスタック装置10は、セル1の厚み方向Tに配列(積層)された複数個のセル1を有するセルスタック18と、固定部材7とを備える。セルスタック18はセル1の配列方向における両端に設けられた端部集電部材9を備えている。
図2に示すように、固定部材7は、固定材7a及び支持部材7b(支持体7b1及びガスタンク7b2)を備えている。支持体7b1及びガスタンク7b2は金属製であり導電性を有している。
支持体7b1は、複数個のセル1の一端が挿入される挿入口17を有している。複数個のセル1の一端と挿入口17の内壁とは、固定材7aで接合されている。
ガスタンク7b2は、挿入口17を介して複数個のセル1に反応ガスを供給するための開口部を有しており、開口部の周囲に設けられた凹溝71を有する。支持体7b1の一端部は、ガスタンク7b2の凹溝71に充填された接合材72によりガスタンク7b2と接合されている。
図2に示す例においては、支持体7b1と、ガスタンク7b2とで形成される内部空間に燃料ガスが貯留される。ガスタンク7b2にはガス流通管12が設けられており、後述する改質器13で生成された燃料ガスが、このガス流通管12を介してガスタンク7b2に供給され、その後ガスタンク7b2よりセル1の内部のガス流路2aに供給される。
水素リッチな燃料ガスは原燃料を水蒸気改質等することにより生成することができる。水蒸気改質により燃料ガスを生成する場合には、燃料ガス中に水蒸気を含むこととなる。
図2に示す例においては、複数個のセル1が2列設けられており、各列がそれぞれ支持体7b1に固定されている。この場合、ガスタンク7b2の上面には2つの貫通孔が設けられている。この貫通孔のそれぞれに、挿入孔17に合わせるように各支持体7b1が設けられる。結果、1つのガスタンク7b2と、2つの支持体7b1とで内部空間が形成される。
挿入孔17の形状は、例えば、上面視で長円形状である。挿入孔17は、例えば、セル1の配列方向において、2つの端部導電部材9の間の距離よりも長ければよい。また、この挿入孔17の幅は、例えば、セル1の幅方向Wの長さよりも長ければよい。
図2に示すように、挿入孔17とセル1の一端との接合部において、固化された固定材7aが充填されている。これにより、挿入孔17と複数個のセル1の一端とがそれぞれ接合・固定され、また、セル1の一端同士が接合されている。各セル1のガス流路2aの一端は、固定部材7の内部空間と連通している。
固定材7a、接合材72は、酸化物イオン伝導性を有している。なお、固定材7a、接合材72は、さらに導電性が低いものを用いることができる。具体的な材料としては、非晶質ガラス等でもよいが、結晶化ガラスとすることが好適である。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−CaO系、MgO−B系、La−B−MgO系、La−B−ZnO系、SiO−CaO−ZnO系が採用され得るが、SiO−MgO系のものがよい。
また、図2(b)に示す例のように、隣接するセル1の間には、隣接するセル1の間(より詳細には、一方のセル1の燃料極3と他方のセル1の空気極5)を電気的に直列に接続するための導電部材8が介在している。なお、図2(a)では、導電部材8の図示を省略している。
また、図2(b)に示す例のように、複数個のセル1の配列方向における最も外側に位置するセル1に、端部導電部材9が接続されている。この端部導電部材9は、セルスタック5の外側に突出する導電部11を有している。導電部11は、セル1の発電により生じた電気を集電して外部に引き出す機能を有する。なお、図2(a)では、端部導電部材9の図示を省略している。
図3は(a)は本実施形態のセルスタック装置10の正面側の断面図であり、(b)は
(a)のA領域の拡大図である。
図3(b)で示すように、セル1の固体電解質4と固定材7aとが当接しており、固体電解質4の内側には多孔質かつ導電性を有する燃料極3が設けられている。すなわち、燃料極3と固定材7aとはイオン伝導性を有する固体電解質4を介して接続されている。なお、固体電解質4と固定材7aとの間に、希土類元素の含有量が、例えば、3〜5モル%のYが固溶したZrOを主成分とするセル補強層が設けられていてもよい。すなわち、固体電解質4と固定材7aとは、イオン伝導的に接続されていればよい。
以上、説明した燃料電池のセルスタック装置10を稼働させる際には、高温(例えば、600〜800℃)の燃料ガス(水素含有ガス等)及び「酸素元素を含むガス(空気等)」を流通させる。燃料ガスは、支持部材7bの内部空間へ導入され、その後、複数個のセル1のガス流路2aにそれぞれ導入される。各ガス流路2aを通過した燃料ガスは、その後、各ガス流路2aの他端(自由端)から外部に排出される。空気は、隣接するセル1間の隙間に供給され、セル1の長手方向に沿って流れる。
(第一部材)
ところで、セルスタック装置10において、セル1に電圧が印加されると、固定材7aと支持部材7bとの界面付近にクラックが発生するおそれがあった。これは、詳細は不明であるが、以下のように考えられる。
例えば、セル1に正の電圧が印加されると、固定材7aのうち、支持部材7bとの界面付近において、固定材7aに含有される金属元素が導電性を有する支持部材7b(支持体7b1)から電子を受け取る。これに伴って、金属元素と結合されていた酸素が、酸化物イオンとして分離される。この負に帯電した酸化物イオンは正の電圧が印加されたセル1に向かって移動する。その後、酸化物イオンが、多孔質の導電体である燃料極3まで到達すると、燃料極3に電子及び酸素を放出することとなる。すなわち、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸素が経常的に減少することとなる。
そして、支持体7b1との界面付近における固定材7aに含まれる酸素が失われると、言い換えれば固定材7aと支持体7b1との界面付近が還元されると、固定材7aに空隙(酸素欠陥)が生じ、固定材7aと支持体7b1との界面付近においてクラックが発生する。
一方、セル1に負の電圧が印加されると、セル1に存在する負に帯電した酸化物イオンが、セル1より電圧の高い支持体7b1に向かって移動する。その後、酸化物イオンが、金属製である支持体7b1の表面まで到達し、金属の表面が酸化される、もしくは金属の表面にある酸化膜の厚みが厚くなることで、支持体7b1が体積膨張する。この体積膨張による応力に伴って、支持体7b1と固定材7aと界面付近にクラックが発生する。
そこで、図3で示すように、本開示のセルスタック装置10では、固定材7a及び支持体7b1に接して設けられ、少なくとも一部が酸素元素含有ガスに晒されており、かつ酸化物イオン伝導度が固定材7a以上である第一部材7cを有している。
これにより、例えば、セル1に正の電圧が印加された場合、支持体7b1から供給される電子により、第一部材7cのうち酸素元素含有ガスに晒される部位にて、酸素が酸化物イオンとなり、この酸化物イオンが第一部材7cを優先的に流れる。この酸化物イオンが、第一部材7cを流れた後、セル1に向かって移動する。すなわち、固定材7aにおいて、酸化物イオンが生じる量を減らすことができる。さらには、もし固定材7aにて酸化物イオンが生じてセル1に向けて移動し、酸素欠陥が生じたとしても、支持体7b1より流
れる酸化物イオンにより、この欠陥を埋めることができる。それゆえ、固定材7aと支持部材7bとの界面付近にクラックが発生することを抑制できる。
一方、セル1に負の電圧が印加される場合には、セル1に存在する負に帯電した酸化物イオンが、イオン伝導性が高い第一部材7cに向けて流れる。第一部材7cに向けて流れた酸化物イオンは、第一部材7cを通じて固定部材7の外部に放出される。すなわち、支持体7b1の表面に酸化物イオンが移動することを抑制できる。従って、支持体7b1の表面の酸化、もしくは酸化膜の肥大化を抑制でき、支持体7b1の体積膨張を抑制できる。それにより固定材7aと支持体7b1とに生じる応力を低減できるため、支持体7b1と固定材7aとの界面付近にクラックが発生することを抑制できる。
言い換えれば、固定材7aと支持体7b1との界面付近での酸化還元を抑制することで、支持体7b1と固定材7aとの界面付近にクラックが発生することを抑制できる。
なお、「酸素元素含有ガス」は、酸素元素を含んでいるガスであって、例えば、酸素含有ガス、水蒸気含有ガスが挙げられる。なお、本実施形態の燃料ガスは水蒸気改質によって得られたガスであるため水蒸気を含んでいる。
また、「酸化物イオン伝導度」とは、酸化物イオンが伝導する能力を意味する。酸化物イオン伝導度は、例えば、交流四端子法、直流四端子法又はブロッキング法により測定することができる。
第一部材7cとして、一般的に酸化物イオン伝導度が高い材料を用いることができる。例えば、第一部材7cとして、3〜15モル%のY、Sc、Yb等の希土類元素の酸化物を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなるセラミックスを用いることができる。また、第一部材7cとして、例えば、LaGaO系の材質であっても良く、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスであるLaSrCoFeO、LaSrMnO3、LaSrCoO3等でもよい。また、例えば、サマリアドープトセリア(SDC)やガドリニアドープトセリア(GDC)等の希土類元素を含有するセリア(CeO)であってもよい。
図3で示すように、第一部材7cは、固定材7aと支持体7b1との間に設けられていてもよい。固定材7aと支持体7b1との界面に第一部材7cを設けることで、支持体7b1から供給される電子の全量が、第一部材7cを通ることとなり、またセル1から流れる酸化物イオンの全量が第一部材7cを通ることとなる。それにより、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸化還元をさらに抑制でき、クラックが発生することをさらに抑制できる。
また、図3で示すように、第一部材7cは、固定材7aと支持体7b1とを含む断面において第一部材7cの両端部7c1が酸素元素含有ガスに晒されていてもよい。これにより、第一部材7cの両端から、酸化物イオンもしくは酸素を取り込むこと、又は酸化物イオンを酸素として放出すること(以下、酸化物イオンの授受という。)ができる。そのため、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸化還元をさらに抑制できるため、固定材7aと支持体7b1との界面付近にクラックが発生することをさらに抑制できる。
なお、第一部材7cの両端部とは、例えば図3(b)においては、第一部材7cの長手方向(紙面における上下方向)の両端部7c1,7c2をいうが、酸素元素含有ガスに晒される両端部があればよい。したがって、例えば、本実施形態のセルスタック装置10において、セル1の積層方向に沿った断面においては、第一部材7cの長手方向に直交する方向の両端部が、酸素元素含有ガスに晒される両端部ということができる。
なお、図3(b)で示す実施形態に限られず、第一部材7cと支持体7b1との間に固定材7aが介在していてもよい。
また、図には示していないが、第一部材7cは、セル1の積層方向に沿って延びる部分を有していてもよい。さらには、セル1の積層方向の一端から他端にわたって設けられてもよい。それにより、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸化還元をさらに抑制でき、クラックが発生することをさらに抑制できる。
図4(a)、(b)は、他の実施形態におけるA領域の拡大図である。
第一部材7cの両端部7c1、7c2のそれぞれが、酸素元素含有ガスに晒されている場合に、その晒される酸素分圧の違いによって、酸化物イオンが第一部材7c介して固定材7aに流れるよりも、第一部材7cの一端部から他端部に流れて、外部に放出されてしまう場合がある。
それゆえ、図4(a)においては、第一部材7cの一端部(上端部)7c1のみが酸素元素含有ガスに晒されている、言い換えれば第一部材7cの他端部(下端部)が酸素元素含有ガスに晒されていない。また図4(b)においては、第一部材7cの他端部(下端部)7c2のみが酸素元素含有ガスに晒されている、言い換えれば第一部材7cの一端部(上端部)が酸素元素含有ガスに晒されていない。
これにより、第一部材7cを流れる酸化物イオンが、より効率的に固定材7aに向けて流れることから、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸化還元をさらに抑制でき、クラックが発生することをさらに抑制できる。
図5はさらに他の実施形態におけるA領域の拡大図である。図5示すA領域においては、第一部材7cは、支持体7b1からセル1側に延び、第一部材7cがセルと接続されている。
これにより、固定材7aと支持体7b1との界面付近から離れたセル1側の固定材7aの部分においても酸化還元を抑制でき、固定材7aにクラックが発生することをさらに抑制できる。
特に、セル1の積層方向における第一部材7cがセル1と接続されている場合には、酸化物イオンが固定材7aを介することなく第一部材7cを通じて移動することとなる。すなわち、第一部材7cを通る酸化物イオンが直接セル1に流れることで、他の領域からセル1に流れる酸化物イオンに制限が生じ、その結果、固定材7cにて酸化物イオンが生じることを抑制できる。従って、固定材7aと支持体7b1との界面付近の酸化還元をさらに抑制できるため、固定材7aにクラックが発生することをさらに抑制できる。
図6はさらに他の実施形態におけるA領域の拡大図である。図6においては、支持体7b1が、固定材7aと対向する部分に酸素元素含有ガスが流れる孔7b3を有している。これにより、支持体7b1から供給される電子は、孔7b3を流れる酸素に供給され、酸化物イオンとして第一部材7c又は固定材7aに流れることとなる。すなわち、支持体7b1から供給される電子は、優先的に孔7b3を流れる酸素に供給される。それゆえ、固定材7aにおいて、酸化物イオンが生じることを抑制でき、固定材7aと支持体7b1との界面付近にクラックが発生することをさらに抑制できる。
また、第一部材7cは固定材7aより多孔質でもよい。それにより、第一部材7cにお
いて酸化物イオンが効率良く流れる、もしくは酸化物イオンが効率よく生じることとなる。なお、第一部材7cは燃料ガスをシール出来る程度に緻密であればよい。
なお、上記実施形態では、支持体7b1に1つのみ形成された挿入孔17に1列全てのセル1の一端が挿入されているが、支持体7b1に形成された複数の挿入孔のそれぞれにセルが1つずつ挿入されていてもよい。
(製造方法)
第一部材7cの製造方法を以下で説明する。
図3(b)の実施形態を製造する方法を説明する。始めに、一般的な成膜法にて支持部材表面に上述した材料を用いて第一部材成形体を成膜し、焼結することで第一部材7cを支持部材7b表面に設けることができる。成膜法としては、蒸着法、電着法、スパッタリング法、ディッピング法またはエアロゾルデポジション法等を用いることができる。
次に、所定の治具等を用いて、複数個のセル1をスタック状に整列・固定する。次に、この状態を維持しつつ、複数個のセル1の一端を、支持体7b1の挿入孔17に挿入する。次いで、固定材7a用のペースト(典型的には、非晶質材料(非晶質ガラス)のペースト)を、挿入孔17と複数個のセル1の一端との隙間に充填する。
次に、上記のように充填された固定材7a用のペーストに熱処理(結晶化処理)を行なう。この熱処理によって非晶質材料の温度がその結晶化温度まで到達すると、結晶化温度下にて、材料の内部で結晶相が生成されて、結晶化が進行していく。その後、治具を複数個のセル1から取り外す。
最後に、支持体7b1をガスタンク7b2に接合する。この工程においては、まずガスタンク7b2の凹溝71内に接合材72用のペーストを充填する。そして、固定材7aと同様に熱処理して結晶化させればよい。このようにして、セルスタック装置10を製造することができる。
また、図5の実施形態を製造する方法を説明する。上述する方法と同様に第一部材7cが設けられていない支持部材7bとセルスタックを固定材7aにて固定する。その後、上述する材料からなる第一部材成形体を固定材7aの表面に塗布し、焼結することで第一部材7cを固定材7aの表面に設けることができる。なお、第一部材成形体を塗布する前に固定材7aに切り欠き部を設け、当該切り欠き部に第一部材成形体を埋め込み、焼結することにより固定材の内部に第一部材を設けることもできる。
最後に上述する方法により、支持体7b1とガスタンク7b2とを接合することでセルスタック装置10を製造することができる。
(モジュール)
次に、上述したセルスタック装置を用いた本開示の実施形態に係るモジュールについて図7を用いて説明する。図7は、本実施形態のセルスタック装置の一例を備えるモジュールを示す外観斜視図である。
図7に示すように、モジュール20は、収納容器14内に、セルスタック装置10を収納してなる。また、セルスタック装置10の上方には、セル1に供給する燃料ガスを生成するための改質器13が配置されている。
また、図7に示す改質器13においては、原燃料供給管16を介して供給される天然ガ
スや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器13は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましく、水を気化させるための気化部13aと、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部13bとを備えている。そして、改質器13で生成された燃料ガスは、ガス流通管12を介して支持部材7に供給され、支持部材7よりセル1の内部に設けられたガス流路に供給される。
また図7においては、収納容器14の一部(前後面)を取り外し、内部に収納される燃料電池セルスタック装置10を後方に取り出した状態を示している。
また、上述の構成のモジュール20においては、通常発電時においては、上記燃焼やセル1の発電に伴い、モジュール20内の温度は500〜1000℃程度となる。
このようなモジュール20においては、上述したように、クラックの発生を抑制でき、耐久性の向上したセルスタック装置10を収納してなることにより、耐久性が向上したモジュール20とすることができる。
(モジュール収容装置)
図8は、外装ケース内に図7で示したモジュール20と、モジュール20を動作させるための補機(図示せず)とを収納してなる本実施形態のモジュール収容装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図8においては一部構成を省略して示している。
図8に示すモジュール収容装置40は、支柱41と外装板42から構成される外装ケース内を仕切板43により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール20を収納するモジュール収納室44とし、下方側をモジュール20を動作させるための補機を収納する補機収納室45として構成されている。なお、補機収納室45に収納する補機を省略して示している。
また、仕切板43には、補機収納室45の空気をモジュール収納室44側に流すための空気流通口46が設けられており、モジュール収納室44を構成する外装板42の一部に、モジュール収納室44内の空気を排気するための排気口47が設けられている。
このようなモジュール収容装置40においては、上述したように、耐久性が向上したモジュール20をモジュール収納室44に収納し、モジュール20を動作させるための補機を補機収納室45に収納して構成されることにより、耐久性が向上したモジュール収容装置40とすることができる。
以上、本開示について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
本実施形態では、支持基板の表面に燃料極、固体電解質層および空気極から成る発電素子部が1つのみ設けられた所謂「縦縞型」を例示したが、支持基板の表面の互いに離れた複数個所にて発電素子部がそれぞれ設けられ、隣り合う発電素子部の間が電気的に接続された所謂「横縞型」のセルを積層した横縞型セルスタック装置に適用することができる。また、所謂「平板型」のセルを厚み方向に積層した平板型セルスタック装置に適用することもできる。
また、上記実施形態では、「セル」、「セルスタック装置」、「モジュール」および「モジュール収容装置」の一例として燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池
モジュールおよび燃料電池装置を示したが、他の例としてはそれぞれ、電解セル、電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置であってもよい。
1:セル
2:支持基板
2a:ガス流路
3:燃料極
4:固体電解質層
5:空気極
6:インターコネクタ
7:固定部材
7a:固定材
7b:支持部材
7b1:支持体
7b2:ガスタンク
7c:第一部材
7c1:両端部
10:セルスタック装置
14:収納容器
20:モジュール
40:モジュール収容装置

Claims (9)

  1. 板状である複数個のセルが該セルの厚み方向に積層されてなり、隣接する前記セル間の隙間に酸素元素含有ガスが供給されるセルスタックと、
    前記セルを固定するための固定部材と、を備え、
    固定部材は、
    ガスタンクおよび支持体を備え、導電性を有する、前記セルを前記ガスタンクの上方に支持する支持部材と、
    該支持部材と前記セルとの間に設けられセルの下方側面に前記支持部材を固定する酸化物イオン伝導性を有する固定材と、を有し、
    前記固定材及び前記支持部材に接して設けられ、少なくとも一部が前記酸素元素含有ガスに晒されており、かつ酸化物イオン伝導度が前記固定材以上である第一部材を有することを特徴とするセルスタック装置。
  2. 前記第一部材は前記固定材と前記支持部材との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック装置。
  3. 前記第一部材は、前記固定材と前記支持部材とを含む断面において該第一部材の一端部のみが前記酸素元素含有ガスに晒されていることを特徴とする請求項2に記載のセルスタック装置。
  4. 前記第一部材は、前記セルの積層方向に沿って延びる部分を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載のセルスタック装置。
  5. 前記第一部材は、前記セルと接続されていることを特徴とする請求項4に記載のセルスタック装置。
  6. 前記支持部材は、前記固定材と対向する部分に酸素元素含有ガスが流れる孔を有していることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載のセルスタック装置。
  7. 前記第一部材は前記固定材より多孔質である請求項1乃至6のうちいずれかに記載のセルスタック装置。
  8. 収納容器内に請求項1乃至7のうちいずれかに記載のセルスタック装置を収納してなることを特徴とするモジュール。
  9. 外装ケース内に、請求項8に記載のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とするモジュール収容装置。
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