JP6744508B1 - 加熱済み緑色植物含有ソース - Google Patents
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Abstract
Description
その鮮やかな色調を保つための手法として、食塩を多く配合したり、pHを調整することが一般的となっている(特許文献1)。
そのため、塩味が抑えられ、かつ緑色植物の鮮やかな色調が保持されたソースの開発が求められていた。
その結果、バジル、シソ、エゴマ、パクチーより選択される少なくとも一種以上の緑色植物の含有量、食塩の含有量、糖アルコール又は水あめ(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計、及び、前記糖アルコール又は水あめ(固形物換算)1質量部に対する、前記食用油脂の含有割合が、特定範囲である加熱済み調理用含有ソースとすることにより、意外にも、塩味が抑えられ、かつ緑色植物の鮮やかな色調が保持できる加熱済み緑色植物含有ソースが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)バジル、シソ、エゴマ、パクチーより選択される少なくとも一種以上の緑色植物の含有量が、生換算で25〜70質量%であり、
食塩の含有量が、0.3質量%以下であり、
糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計が、25〜55質量%であり、
前記糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)1質量部に対する、前記食用油脂の含有割合が0.3〜6.0質量部であることを特徴とする、
加熱済み緑色植物含有ソース、
(2)(1)記載の加熱済み緑色植物含有ソースを含む食品、
である。
本発明は、バジル、シソ、エゴマ、パクチーより選択される少なくとも一種以上の緑色植物の含有量が、生換算で25〜70%であり、食塩の含有量が、0.3%以下であり、糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計が、25〜55%であり、前記糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)1部に対する、前記食用油脂の含有割合が0.3〜6.0部である、加熱済み緑色植物含有ソースであり、これにより、塩味が抑えられ、かつ緑色植物の鮮やかな色調が保持できる加熱済み緑色植物含有ソースが得られることに特徴を有する。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースに用いる緑色植物は、生の状態であり、収穫後、乾燥、細断、粉砕等の形態加工や加熱処理がなされていないものを指す。上記以外の処理、例えば洗浄等は行ってもよい。また、緑色植物は、時間の経過とともに変色するため、本発明に用いる緑色植物は収穫後24時間以内のものであるとよい。
上述の緑色植物は、バジル、シソ、エゴマ、パクチーより選択される少なくとも一種以上である。
なお、鮮やかかつ濃い色調が保持できる加熱済み緑色植物含有ソースが得られることから、本発明の加熱済み緑色植物含有ソースに含まれる緑色植物の量は、生換算で25〜70%であり、好ましくは40〜60%である。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースは、少なくとも上述の緑色植物、食用油脂、糖アルコール又は水あめを含有するものであり、様々な料理に鮮やかな緑色と塩味の抑えられた風味を付与することができる含有ソースであり、そのまま各種ソースとして用いることもできるが、その他原料と混合することにより、アイスクリームや飲料、チョコレート等の食品を調製することもできる。
また、本発明の加熱済み緑色植物含有ソースは、開封後酸素に触れることで経時的に変色を起こす酵素を十分失活できるよう加熱処理が施されており、好ましくは78〜92℃で5〜30分ほど加熱するとよい。
なお、本発明の加熱済み緑色植物含有ソースは、保存状態に限定はないが、塩味が抑えられ、かつ緑色植物の鮮やかな色調を長期間保持するために冷凍されたものであるとよい。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける食塩の含有量は、0.3%以下であり、好ましくは0.2%以下であり、より好ましくは0.1%以下であり、全く含まなくてもよい。
前記範囲内であれば、塩味が抑えられるため、例えば飲料やアイスクリームなど、塩味を付与したくない食品のソースとしても利用しやすい。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける糖アルコールとしては、還元水あめ、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、パラチノース、ソルビトール等が挙げられる。
また、本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける水あめは、酵素処理や酸処理したものであってもよい。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける食用油脂としては、一般に食品用に販売される原料を用いるとよく、具体的には、例えば、植物油脂(菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、ごま油、こめ油、パーム油、パームオレイン、オリーブ油、落花生油、やし油、しそ油等)、動物油脂(乳脂、牛脂、ラード、魚油等)などが挙げられる。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計は、25〜55%であり、35〜50%が好ましい。含有量の合計が25%より低い場合には、加熱済み緑色植物含有ソースが黒ずみ、鮮やかかつ濃い色調を保つことが難しい。また、55%より高い場合には、加熱済み緑色植物含有ソース全体の風味のバランスが良くない。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースにおける糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)1部に対する、食用油脂の含有割合は、0.3〜6.0部であり、好ましくは0.7〜5.0部であり、より好ましくは1.0〜4.5部がよい。食用油脂の含有割合が0.3部より低い場合には、加熱済み緑色植物含有ソースが黒ずみ、緑色植物の鮮やかな色調を保つことが難しく、6.0部より高い場合には、加熱済み緑色植物含有ソース全体における油浮きが目立ち好ましくない。
なお、糖アルコール及び水あめの双方を含む場合、前記割合は、糖アルコール及び水あめの合計量に対する食用油脂の含有割合を意味する。
本発明の加熱済み緑色植物含有ソースは、上述の原料の他に本発明の効果を損なわない範囲でその他の食品素材を適宜選択し含有させることができる。
例えば、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、砂糖、オリゴ糖、乳糖、蜂蜜、メープルシロップ、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ステビア、甘草等の甘味料、グルタミン酸ナトリウム等の各種調味料、畜肉、魚介等の各種エキス、牛乳、チーズ等の乳原料、胡椒等の香辛料、着色料、香料、各種アミノ酸、各種ビタミン、各種ミネラル等が挙げられる。
[実施例1]
下記の配合割合に準じ、加熱済み緑色植物含有ソースを調製した。
具体的には、表1記載の原料である、緑色植物(バジル)、食用油脂、糖アルコール(還元水あめ)、清水を混合し、細断機にかけて、緑色植物(バジル)が1〜5mm2になるよう細断し、ポリプロピレン製の容器に充填後、中心品温80℃程度の加熱処理を施すことにより実施例1の加熱済み緑色植物含有ソースを得た。得られた加熱済み緑色植物含有ソースについて、糖アルコール(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計は45%であった。また、糖アルコール(固形物換算)1部に対する食用油脂の含有割合は、1.3部であった。
緑色植物(バジル) 50%(生換算)
食用油脂(菜種油) 25%
糖アルコール(還元水あめ) 20%(固形物換算)
食塩 0%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
塩味、色調に与える、緑色植物、食塩の含有量、糖アルコール又は水あめ(固形物換算)と食用油脂の含有量の合計、及び、糖アルコール又は水あめ(固形物換算)1部に対する食用油脂の含有割合を検討するため、表2に記載の割合で、実施例2〜6、比較例1〜4、の加熱済み緑色植物含有ソースを調製した。配合の増減分は清水で調整した。
また、緑色植物の鮮やかな色調を有する対照品として、食塩を2%配合したものを調製した。
次に、実施例1〜6、比較例1〜4、対照品の加熱済み緑色植物含有ソースを確認及び食し、下記の評価基準により評価した。結果を表2に示す。
〇:対照品と比べて、塩味が非常に抑えられ、食べやすかった。
△:対照品と比べて、塩味が抑えられていた。
×:対照品と同程度に塩味が感じられた。
<色調の評価基準>
〇:対照品と同程度の、鮮やかな色調であった
△:対照品と比べて、色調がやや悪かったが、問題のない範囲であった
×:対照品と比べて、色調が悪く、黒ずんでいた
<総合評価の基準>
◎:塩味、色調の評価がともに〇である
〇:塩味、色調の評価のいずれか一つが〇であり、他方が△である
△:塩味、色調の評価がともに△である
×:塩味、色調の評価のいずれか一つ以上が×である
特に、実施例1及び2に関しては、対照品と比べて、塩味が非常に抑えられ、かつ鮮やかな色調を保っていた。
一方、比較例1〜4に関しては、塩味は抑えられていたが、色調が悪く、黒ずんでいた。
試験例2では、還元水あめを、水あめ又は他の糖アルコールであるソルビトール若しくはパラチノースに変更し、塩味及び色調へ与える影響を検討した。
詳細には、実施例1における還元水あめを、水あめ、ソルビトール又はパラチノースに変更する以外は、実施例1と同様に加熱済み緑色植物含有ソースを調製した。
得られた加熱済み緑色植物含有ソースを確認及び食し、試験例1と同じ評価基準により評価した。結果を表3に示した。
試験例3では、緑色植物の種類が塩味及び色調へ与える影響を検討することを目的とした。
実施例1におけるバジルを、シソ、エゴマ又はパクチーに変更する以外は、実施例1と同様に実施例10〜12の加熱済み緑色植物含有ソースを調製した。得られた加熱済み緑色植物含有ソースを確認及び食し、実施例1と同様の評価基準により評価したところ、いずれも実施例1と同様に、塩味が抑えられ、かつ緑色植物の鮮やかな色調を保っていた。緑色植物の種類を変えても、効果は同等であった。
以下の配合に従い、加熱済み緑色植物含有ソースを含有するアイスクリームを調製した。
<アイスクリームの配合割合>
市販のバニラアイスクリーム 95%
実施例1の加熱済み緑色植物含有ソース 5%
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
以下の配合に従い本発明の加熱済み緑色植物含有ソースを含有するスムージーを調製した。
<スムージーの配合割合>
牛乳 40%
バナナ 20%
マンゴー 30%
実施例1の加熱済み緑色植物含有ソース 10%
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
以下の配合に従い、加熱済み緑色植物含有ソースを含有するチョコレートを調製した。
<チョコレートの配合割合>
市販のチョコレート 95%
実施例1の加熱済み緑色植物含有ソース 5%
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
Claims (3)
- バジル、シソ、エゴマ、パクチーより選択される少なくとも一種以上の緑色植物の含有量が、生換算で、25〜70質量%であり、
食塩の含有量が、0.3質量%以下であり(ただし、食塩を0.1質量%以上含有するものを除く)、
糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)と、食用油脂との含有量の合計が、25〜55質量%であり、
前記糖アルコール及び/又は水あめ(固形物換算)1質量部に対する、前記食用油脂の含有割合が0.3〜6.0質量部であることを特徴とする、
加熱済み緑色植物含有ソース。 - 食塩の含有量が、0.03質量%以下である、
請求項1記載の加熱済み緑色植物含有ソース。 - 請求項1又は2に記載の加熱済み緑色植物含有ソースを含む食品。
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