JP2003047404A - コロッケ練り込み用油脂組成物 - Google Patents
コロッケ練り込み用油脂組成物Info
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Abstract
と優れた食感を付与し、コロッケの中種に練りこむ際に
使いやすい物性であり、またベチャつきのないコロッケ
の中種を製造できるコロッケ練り込み用油脂組成物を提
供すること。 【解決手段】 コロッケ練り込み用油脂組成物に、10
℃におけるSFC(固体脂含量)が30以下である油脂
を配合する。該油脂は、好ましくは精製動物油脂を含有
する。また、好ましくは、コロッケ練り込み用油脂組成
物に、さらに、結合脂肪酸が主に飽和脂肪酸及び/又は
トランス型の不飽和脂肪酸であるモノグリセリドを含有
させる。
Description
用油脂組成物に関する。更に詳しくは、コロッケの中種
に用いる練り込み用油脂組成物に関する。
中種とするコロッケに練り込む油脂として、バターや乳
脂、植物油脂からなる食用油脂組成物、いわゆるマーガ
リンやショートニングを使用することが多かった。とこ
ろが、バターや乳脂を充分な風味が得られる程使用する
と高価になり、植物油脂からなる食用油脂組成物では使
用したコロッケのコク味が不足するという問題があっ
た。また、特開平2−255065号公報の様にコロッ
ケの中種に油脂を練り込む技術があるが、これは、機械
製造を想定した作業性の向上が主な目的で、練り込む油
脂組成物によるコロッケのコク味及び食感の向上を意図
する視点を持っていない。一方、市場には、精製動物油
脂を適度に含有し、コロッケに練り込むとコク味を付与
する食用油脂組成物もあるが、使用温度帯で硬く、大量
生産装置での使用に際しては、一旦加熱融解してから使
用しなければならないという問題があった。
は、コロッケにバターや乳脂を使った様なコク味と優れ
た食感を付与し、コロッケの中種に練りこむ際に使いや
すい物性であり、またベチャつきのないコロッケの中種
を製造できるコロッケ練り込み用油脂組成物を提供する
ことにある。
を重ねた結果、特定のSFC(固体脂含量)を有する油
脂をコロッケ練り込み用油脂組成物に配合することによ
って、上記の課題を解決し得ることを知見し、本発明に
到達した。
るSFC(固体脂含量)が30以下であることを特徴と
するコロッケ練り込み用油脂組成物を提供するものであ
る。また、本発明は、10℃におけるSFC(固体脂含
量)が30以下である配合油脂を急冷可塑化することを
特徴とするコロッケ練り込み用油脂組成物の製造方法を
提供するものである。
用油脂組成物について詳細に説明する。
おいて、配合油脂の10℃におけるSFC(固体脂含
量)は30以下、好ましくは5〜30、更に好ましくは
10〜30である。配合油脂の10℃におけるSFCが
30を超えるコロッケ練り込み用油脂組成物をコロッケ
の中種の練り込み用として用いると、練り込み時間がか
かり、作業性が悪くなるので好ましくない。また、室温
での扱い易さを考慮し、配合油脂の30℃におけるSF
Cが好ましくは5以上、更に好ましくは5〜20、最も
好ましくは7〜10である。
成物の硬さは、5℃で、好ましくは500〜4000g
/cm2、更に好ましくは1000〜3500g/c
m2、最も好ましくは2000〜3000g/cm2であ
る。硬さの測定方法は、レオメーター(不動工業製)を
用いて、例えば次のように測定する。測定試料(縦4c
m×横4cm×高さ3cm)を測定温度(5℃)で1時
間放置し、レオメーターにて、直径5mmの円板型アダ
プターを用い、試料台上昇速度20mm/分で最大応力
を測定し、これを硬さとした。
配合油脂としては、精製動物油脂を用いるのが好まし
い。上記の精製動物油脂としては、牛脂、豚脂、乳脂等
の各種動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエス
テル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加
工油脂で脱臭処理を施したものが挙げられる。本発明で
はこれらの中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を用
いることができる。また、本発明では、上記の精製動物
油脂のうち、牛脂や豚脂、及びこれらを水素添加、分別
及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を
施した加工油脂で脱臭処理を施したものを用いるのが好
ましい。
配合油脂中の、上記の精製動物油脂の含有量は、好まし
くは5〜50重量%、更に好ましくは10〜40重量
%、最も好ましくは20〜30重量%である。
成物の配合油脂としては、液状油を用いるのが好まし
い。上記の液状油としては、大豆油、菜種油、綿実油、
サフラワー油、サンフラワー油、ハイオレイックサンフ
ラワー油、ハイオレイックサフラワー油、米糠油等の中
から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
配合油脂中の、上記の液状油の含有量は、好ましくは1
0〜90重量%、更に好ましくは10〜80重量%、最
も好ましくは15〜70重量%である。
組成物の配合油脂としては、固形脂を用いるのが好まし
い。上記の固形脂としては、パーム油、パーム核油、ヤ
シ油等の植物脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエ
ステル交換から選択される1種又は2種以上の処理を施
した固形脂;乳脂、牛脂、豚脂等の動物脂、並びにこれ
らに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1
種又は2種以上の処理を施した固形脂;大豆油、菜種
油、綿実油、サフラワー油、サンフラワー油、ハイオレ
イックサンフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、
米糠油等の液状油に水素添加、分別及びエステル交換か
ら選択される1種又は2種以上の処理を施した固形脂が
挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又
は2種以上を用いることができる。
配合油脂中の、上記の固形脂の含有量は、好ましくは1
0〜90重量%、更に好ましくは20〜90重量%、最
も好ましくは30〜85重量%である。
は、結合脂肪酸が主に飽和脂肪酸及び/又はトランス型
の不飽和脂肪酸であるモノグリセリドを乳化剤として用
いるのが好ましく、更に好ましくは結合脂肪酸のうち飽
和脂肪酸及び/又はトランス型の不飽和脂肪酸の合計が
70重量%以上であるモノグリセリドを乳化剤として用
いるのがよい。
炭素数は、70重量%以上が炭素数8〜22であること
が好ましい。上記モノグリセリドの結合脂肪酸が飽和脂
肪酸の場合は、パルミチン酸及び/又はステアリン酸が
更に好ましく、トランス型の不飽和脂肪酸の場合は、エ
ライジン酸が更に好ましい。
本発明のコロッケ練り込み用油脂組成物が、従来のもの
に比べ、軟らかいにも係わらず、コロッケに練りこんだ
際のコロッケの食感がベチャつきにくくなる。これは、
乳化剤としての上記モノグリセリドが、コロッケの中種
中の水分や澱粉類と強く結合し、複合体を形成すること
によるものと推察される。
の、上記モノグリセリドの含有量は、好ましくは0.0
05〜0.5重量%、更に好ましくは0.01〜0.3
重量%である。上記モノグリセリドの含有量が0.00
5重量%よりも少ないと、できあがったコロッケの食感
がベチャつきやすく、0.5重量%よりも多いと、芋や
カボチャといった素材の風味が感じられにくくなる。
成物に必要により含有させることができる成分として
は、例えば、水、結合脂肪酸が主に飽和脂肪酸及び/又
はトランス型の不飽和脂肪酸であるモノグリセリド以外
の乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味
剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、砂糖、ブドウ
糖、果糖、異性化糖、水飴、マルチトール、ソルビトー
ル、液糖、はちみつ等の糖類や糖アルコール類、ステビ
ア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン、カラメ
ル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等
の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、
卵及び各種卵加工品、着香料、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉
乳、調製粉乳、発酵乳、ヨーグルト、練乳、加糖練乳、
全脂練乳、脱脂練乳、濃縮乳、純生クリーム、ホイップ
用クリーム(コンパウンドクリーム)、植物性ホイップ
用クリーム、クリーム等の乳製品、アルコール類、調味
料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、ナッツペ
ースト、香辛料、穀類、ハーブ、豆類、野菜類、肉類、
魚介類等の食品素材、コンソメ、ブイヨン、食品添加物
が挙げられる。
又はトランス型の不飽和脂肪酸であるモノグリセリド以
外の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグルセ
リン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カ
ルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、
これらの中から選ばれた1種又は2種以上を本発明の目
的に反しない範囲で用いることができる。
又はトランス型の不飽和脂肪酸であるモノグリセリド以
外の乳化剤の本発明のコロッケ練り込み用油脂組成物中
の含有量は、好ましくは0.005〜0.5重量%、更
に好ましくは0.005〜0.2重量%、最も好ましく
は0.01〜0.1重量%である。
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以
上を用いることができる。
は、好ましくは油相成分を30〜100重量%、水相成
分を0〜70重量%、更に好ましくは油相成分を70〜
100重量%、水相成分を0〜30重量%含有するもの
である。本発明のコロッケ練り込み用油脂組成物の乳化
形態はショートニングタイプでもマーガリンタイプでも
よく、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれで
も構わない。
製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば次の
様にして得られる。
量)が30以下である配合油脂を用意し、これに必要に
応じて油溶性成分を溶融したものを油相とし、必要に応
じて水溶性成分を水に添加した水相を必要により加え、
混合する。この混合の方法としては、ホモミキサー、ホ
ゲナイザー、コロイドミル等を使用したり、ポンプで循
環させながら混合することも可能である。次いで、殺菌
処理を施した後、又は殺菌処理をせずに冷却する。冷却
はダイヤクーラーとコンプレクターの組み合わせ、ボテ
ーター、コンビネーター、パーフェクター、コンサーム
等のマーガリン製造機やプレート式熱交換機で急冷した
り、他の手段で徐冷することによって、本発明のコロッ
ケ練り込み用油脂組成物を得る。上記冷却は、急冷可塑
化手段を採用するのが好ましい。
練り込み用油脂組成物は、コロッケの中種の練り込み用
油脂として用いることができる。上記コロッケ練り込み
用油脂組成物のコロッケ中種中の含有量は、好ましくは
0.1〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量
%、最も好ましくは1〜5重量%である。
有するものであるのが好ましい。この澱粉質原料として
は、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、雑豆類、栗、
コーン、タピオカ、小麦、米、もち米等が挙げられる。
ニュール含有澱粉質原料を用いるのが好ましい。上記グ
ラニュール含有澱粉質原料とは、サツマイモ、ジャガイ
モ、カボチャ、雑豆類及び栗等の細胞内澱粉として澱粉
を多く貯蔵した高澱粉貯蔵性の植物体を加熱処理したも
のであり、必要に応じて、磨砕、捏和し、澱粉粒子を包
み込んだ形の安定な細胞(餡粒子)を形成させたもので
ある。また、上記グラニュール含有澱粉質原料は、その
表皮を取り除き、蒸煮処理したものを裏ごし等により微
細化して使用することもできる。また、必要に応じて、
剥皮、蒸煮処理したグラニュール含有澱粉質原料を冷凍
処理し、保存したものを解凍して使用することもでき
る。
有量は、好ましくは65〜95重量%、更に好ましくは
70〜90重量%、最も好ましくは75〜85重量%で
ある。
菜、きのこ、果物、魚肉、畜肉、チーズ、牛乳等の乳製
品、卵、ハム、ソーセージ等の調理食品、生鮮食品、食
塩、香辛料、醤油等の調味料、食品保存料、日持ち向上
剤等を含有させることができる。
ような製法で得ることができる。 (製法) 1.じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ等を蒸煮し、熱
いうちにつぶす。 2.肉類、玉葱等の副素材を加熱調理する。 3.1、2及び本発明のコロッケ練り込み用油脂組成物
を混合する。 4.一定形状に成形する。 5.衣つけをする。 6.油ちょうする。
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。
示した配合で、コロッケ練り込み用油脂組成物を製造し
た。まず、マーガリン製造ラインの配合槽に油脂を入
れ、70℃に加温した。これに乳化剤、バターフレーバ
ー及びトコフェロールを溶解した。これに食塩を水道水
に溶かして加え、予備乳化物を得た。この予備乳化物を
60℃に調温した。こうして得られた予備乳化物を掻き
取り型熱交換機で、90℃に5分間保持して殺菌した
後、コンビネーターを通して急冷可塑化し、コロッケ練
り込み用油脂組成物を得た。尚、実施例及び比較例で使
用しているモノグリセリドのうち、モノグリセリドAは
全ての結合脂肪酸が飽和脂肪酸からなるモノグリセリド
で、結合脂肪酸としてパルミチン酸が30重量%、ステ
アリン酸が70重量%である。モノグリセリドBは結合
脂肪酸のうち51重量%が飽和脂肪酸、30重量%がト
ランス型の不飽和脂肪酸からなるモノグリセリドで、結
合脂肪酸としてパルミチン酸が11重量%、ステアリン
酸が40重量%、エライジン酸が30重量%、オレイン
酸が15重量%、リノール酸が2%、その他が2重量%
である。また、実施例及び比較例のコロッケ練り込み用
油脂組成物の固形脂の含有量は、パーム油、精製牛脂及
び精製豚脂の合計量である。
用いて、下記の配合及び製法により、ポテトコロッケを
調製し、コロッケ練り込み用油脂組成物の練り込み時間
を測定し、表2に示した。また、得られたポテトコロッ
ケの食感及び風味について下記評価基準に従って評価
し、それらの結果を表2に示した。
管したものを、調温せずにそのまま使用した。
たら皮をむき裏ごし、熱いうちに塩をする。 2.フライパンに合い挽き肉を入れ、色が変わるまで炒
める。みじん切りにした玉葱を加え、5〜8分くらい炒
め、塩及び砂糖を入れた後、冷ましておく。 3.1、2及びコロッケ練り込み用油脂組成物を混ぜ
る。 4.3を50gずつに分割し、小判型に成形する。 5.4にバッター液をつけ、そしてパン粉をつける。 6.180℃で2〜3分揚げる。
は、コロッケにバターや乳脂を使った様なコク味と優れ
た食感を付与し、コロッケの中種に練りこむ際に使いや
すい物性であり、またベチャつきのないコロッケの中種
を製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 配合油脂の10℃におけるSFC(固体
脂含量)が30以下であることを特徴とするコロッケ練
り込み用油脂組成物。 - 【請求項2】 精製動物油脂を含有する請求項1記載の
コロッケ練り込み用油脂組成物。 - 【請求項3】 結合脂肪酸が主に飽和脂肪酸及び/又は
トランス型の不飽和脂肪酸であるモノグリセリドを含有
する請求項1又は2記載のコロッケ練り込み用油脂組成
物。 - 【請求項4】 10℃におけるSFC(固体脂含量)が
30以下である配合油脂を急冷可塑化することを特徴と
するコロッケ練り込み用油脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のコロッ
ケ練り込み用油脂組成物を用いたコロッケ。
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JP2001233578A JP4480304B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | コロッケ練り込み用油脂組成物 |
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- 2001-08-01 JP JP2001233578A patent/JP4480304B2/ja not_active Expired - Fee Related
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