JP6744493B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
本願は、2017年06月28日に出願された日本国特願2017−126300号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ダンパハウジングの前端部にクロスメンバが設けられることにより、ダンパハウジングの強度(剛性)が確保され、ダンパベースでダンパを良好に支持できる(例えば、特許文献1参照)。
マウント部で駆動源を支持することにより、駆動源からの荷重がマウント部を経てダンパハウジングのクロスメンバを設けた部位に入力する。具体的には、クロスメンバを設けた部位に対して車体前後方向と、クロスメンバを設けた部位の面に対して直交方向との2方向から駆動源の荷重が入力する。
このため、ダンパハウジングのうちクロスメンバを設けた部位において、2方向から入力する駆動源の荷重に対して強度を確保して、駆動源を支持できる技術の実用化が求められる。
(1)本発明の一態様に係る車体前部構造は、車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームより車幅方向外側に配置されて車体前後方向に延びるアッパメンバと、前記フロントサイドフレームと前記アッパメンバとの間に配置されるダンパハウジングと、前記ダンパハウジングに接続されることにより前記ダンパハウジングとともに閉断面が連続して形成され、前記フロントサイドフレームおよび前記アッパメンバに渡って上下方向に延びるクロスメンバと、を備えた車体前部構造において、前記クロスメンバは、前記クロスメンバの下メンバフランジを介して前記フロントサイドフレームに取り付けられ、前記クロスメンバは、車両の駆動源を支持するマウント部材が取り付けられる取付部を有し、前記閉断面において前記取付部から下方へ向かうにつれて前記ダンパハウジングからの距離寸法が小さくなり、前記下メンバフランジには、複数の隆起部が間隔を置いて配置されている。
一方、ダンパハウジングとの距離寸法が大きくなる部位において、ダンパハウジングに向けてかかる荷重に対してクロスメンバの強度を高めることができる。
よって、クロスメンバの取付部にマウント部材を強固に支持できる。これにより、ダンパハウジングのうちクロスメンバを設けた部位において駆動源を支持できる。
特に、閉断面をフロントサイドフレームまで連続させることにより、フロントサイドフレームにより閉断面(すなわち、クロスメンバ)を補強できる。
これにより、車体前後方向(クロスメンバに交差する方向)にかかる荷重や、ダンパハウジングに向けてかかる荷重に対して強度を高めることができる。
また、ダンパハウジングの下端部にビードを形成することにより、クロスメンバとビードとの間に間隔を形成できる。これにより、クロスメンバおよびダンパハウジングで形成される閉断面の内部を電着塗装する際に、クロスメンバとビードとの間に形成された間隔から、閉断面の内部に電着塗料を良好に進入させることができる。
これにより、車体前後方向(クロスメンバに交差する方向)にかかる荷重や、ダンパハウジングに向けてかかる荷重に対してクロスメンバの強度を高めることができる。
(6)上記(3)の態様において、前記ダンパハウジングの下端部の前記ビードは、前記クロスメンバの前記隆起部に相当する位置に形成され、前記ビードは、下端部が前記隆起部側に開放するように形成されていてもよい。
また、前フランジおよび後フランジの一方に隆起部を形成した。よって、前フランジおよび後フランジの他方をダンパハウジングあるいは接続部に連続させた状態で接続できる。
これにより、一方のフランジに隆起部を形成することによる強度の低下を、他方のフランジを連続させて接続することにより抑制できる。
なお、車体前部構造12は略左右対称の構成である。よって、左側の構成部材と右側の構成部材とに同じ符号を付し、左側の構成について説明して右側の構成の説明を省略する。
図1に示すように、車体10は、車体10の前部を構成する車体前部構造12を備えている。車体前部構造12は、フロントサイドフレーム14と、アウトリガ15(図3も参照)と、フロントピラー16と、アッパメンバ17と、ダッシュロア18と、ダッシュアッパ19と、ダンパハウジングユニット20と、補強部材22と、クロスメンバ24と、マウント部材26とを備えている。
内壁31は、車幅方向内側においてエンジンルーム38に対向して鉛直に配置されている。上部33は、内壁31の上端部から車幅方向外側に水平に折り曲げられている。下部34は、内壁31の下端部から車幅方向外側に水平に折り曲げられている。上部33の外端部から第1上張出部35aが上方に折り曲げられている。下部34の外端部から第1下張出部36aが下方に折り曲げられている。
また、第1上張出部35aと第2上張出部35bとが接続されることにより、外壁32に沿って上方に張り出される上フランジ35が形成されている。同様に、第1下張出部36aと第2下張出部36bとが接続されることにより、外壁32に沿って下方に張り出される下フランジ36が形成されている。
これにより、フロントサイドフレーム14は、強度(剛性)が高く確保されている。
サイドシル41は、車幅方向左外側部に設けられて車体前後方向に延びている。サイドシル41は、車室37の車幅方向左外側で、かつ、車室37の下部に設けられている。
サイドシル41の前部41bおよびアウトリガ15の外端部15bにフロントピラー16の下端部16aが連結されている。
フロントピラー16は、サイドシル41の前部41bおよびアウトリガ15の外端部15bから上方へ向けて立ち上げられている。
アッパメンバ17は、水平メンバ43と、湾曲メンバ44とを有する。水平メンバ43は、フロントピラー16の上前部16bから車体前方へ向けて中央部17aまで略水平に延びている。湾曲メンバ44は、中央部17aから連結部材46まで下方に向けて湾曲状に延びている。
連結部材46は、フロントサイドフレーム14の前端部14aに取り付けられている。
よって、アッパメンバ17の湾曲メンバ44は、フロントサイドフレーム14の前端部14aに連結部材46を介して連結されている。
左側のフロントピラー16と右側のフロントピラー16とに、ダッシュロア18およびダッシュアッパ19が架け渡されている。
ダッシュロア18の下端部18aが前クロスメンバ48に接続されている。ダッシュロア18は、左端部にホイールハウス後部52を有する。
ダンパハウジング56は、下端部56aにビード112を有する。ビード112は、上下方向に延び、かつ、下端部112aが開放されている。
ダンパハウジング56の前縁部56bとダンパハウジング延長部61の後縁部61aとの接続により、前縁部56bおよび後縁部61aでハウジング接続部63が形成されている。前縁部56bおよび後縁部61aの2部材でハウジング接続部63を形成することにより、ハウジング接続部63が比較的強度の高い部位に形成されている。
ダンパハウジング56の上端部に車幅方向外側に開口する略U字状の開口部65が形成されている。開口部65にダンパベース58が接続されている。ダンパベース58は外縁部58aが水平メンバ43の内壁部43aに接続されている。
ダンパベース58にダンパの上端部が取り付けられ、ダンパに車輪が連結されている。
補強後壁73の外端から後接続フランジ75がダンパハウジング56とフロントサイドフレーム14の上部33とに沿って車体後方に向けて張り出されている。後接続フランジ75は、ダンパハウジング56とフロントサイドフレーム14の上部33とに接続されている。
補強側壁71の下端から下接続フランジ77(図2参照)がフロントサイドフレーム14の内壁31に沿って張り出されている。下接続フランジ77がフロントサイドフレーム14の内壁31に接続されている。
よって、補強部材22は、ダンパハウジング56と、ダンパベース58と、フロントサイドフレーム14とに接続されている。これにより、ダンパハウジング56やフロントサイドフレーム14が補強部材22で補強されている。
メンバ側壁81は、ダンパハウジング56から車幅方向内側に間隔をおいて配置されている。メンバ側壁81の前辺からメンバ前壁82がダンパハウジング56の前縁部56bに向けて張り出されている。また、メンバ側壁81の後辺からメンバ後壁83がダンパハウジング56に向けて張り出されている。よって、メンバ側壁81、メンバ前壁82、およびメンバ後壁83でクロスメンバ24が断面U字状に形成されている。
具体的には、前メンバフランジ84は、複数の第1接続部88と、複数の第1隆起部(前後方向隆起部)89とが前メンバフランジ84に沿って上下方向へ交互に形成されている。複数の第1接続部88は、ハウジング接続部63に、例えばスポット溶接で接続されている。
一方、複数の第1隆起部89は、ダンパハウジング56の前縁部56b(すなわち、ハウジング接続部63)に対して第1間隔107をおいて配置されている。
メンバ側壁81の上端から上メンバフランジ86がアッパメンバ17(具体的には、水平メンバ43)の内壁部43aに沿って張り出されている。上メンバフランジ86がアッパメンバ17の内壁部43aに接続されている。
一方、複数の第2隆起部113は、フロントサイドフレーム14の上フランジ35の外面に、例えばスポット溶接で接続されている。
この状態において、フロントサイドフレーム14の上フランジ35の外面に、複数の第2隆起部113が車外39側から接続されている。また、複数の第2接続部111に、ダンパハウジング56の下端部56aが車外39側から接続されている。
すなわち、クロスメンバ24の強度(剛性)が高められている。これにより、ダンパハウジング56とダンパハウジング延長部61とがクロスメンバ24で補強されている。
クロスメンバ24とダンパハウジング56とで形成される閉断面の形状については後で詳しく説明する。
第1取付部92、第2取付部93および第3取付部94にマウント部材26がボルト96およびナットで取り付けられている。マウント部材26は、駆動源98を支持する部材である。すなわち、マウント部材26には駆動源98がボルト99により支持されている。マウント部材26に支持された駆動源98はエンジンルーム38に配置されている。
駆動源98としては、エンジンとトランスミッションとを一体化したパワーユニットやモータが挙げられる。
このため、クロスメンバ24において駆動源98を支持するためには、車体前後方向や、第1取付部92のメンバ側壁81に対して直交する方向の2方向から入力する荷重F1〜F3に対して強度を確保する必要がある。
具体的には、ダンパハウジング56は、ダンパ傾斜部102と、ダンパ鉛直部103とを有する。ダンパ傾斜部102は、アッパメンバ17の水平メンバ43(内壁部43a)からフロントサイドフレーム14の上フランジ35の上方まで車幅方向内側に向けて下り勾配の傾斜状に成されている。ダンパ鉛直部103は、ダンパ傾斜部102の内端部102aからフロントサイドフレーム14の上フランジ35の上方まで略鉛直に対して僅かに車幅方向内側へ向けて下り勾配に傾斜された状態に形成されている。
ここで、ダンパ鉛直部103は、第1取付部92からフロントサイドフレーム14の上フランジ35まで略鉛直に対して僅かに車幅方向外側へ向けて下り勾配に傾斜された状態に形成されている。よって、メンバ鉛直部106は、第1取付部92から下方へ向かうにつれてダンパハウジング56からの距離寸法L2が小さくなるように形成されている。
これにより、ダンパハウジング56との距離寸法L2が小さくなるメンバ鉛直部106において、車体前後方向に入力する荷重F1,F2(図2参照)に対してクロスメンバ24の強度が高められている。
よって、クロスメンバ24の第1取付部92にマウント部材26(図2参照)を強固に支持できる。これにより、ダンパハウジング56のうちクロスメンバ24を設けた部位においてマウント部材26を介して駆動源98を良好に支持できる。
ここで、フロントサイドフレーム14およびアッパメンバ17は車体10の骨格部材となる閉断面の部材である。よって、フロントサイドフレーム14は強度(剛性)が高い部材である。また、アッパメンバ17も矩形状の閉断面に形成され、強度(剛性)が高い部材である。
特に、クロスメンバ24とダンパハウジング56とにより形成された閉断面は、フロントサイドフレーム14まで連続されている。よって、フロントサイドフレーム14により閉断面(すなわち、クロスメンバ24)が補強されている。
これにより、クロスメンバ24に車体前後方向から入力する荷重F1,F2や、第1取付部92の面(メンバ側壁81)に対して交差する方向から入力する荷重F3に対して、クロスメンバ24の強度が高められている。
比較的強度の高いハウジング接続部63に前メンバフランジ84が接続されることにより、クロスメンバ24はハウジング接続部63で強固に支えられている。これにより、クロスメンバ24に車体前後方向から入力する荷重F1,F2や、第1取付部92の面に対して交差する方向から入力する荷重F3に対してクロスメンバ24の強度が高められている。
また、ダンパハウジング56の下端部56aに対して複数の第2隆起部113が間隔をおいて配置されている。
これにより、クロスメンバ24およびダンパハウジング56で形成される閉断面の内部108を電着塗装する際に、確保された第1間隔107や第2隆起部113から、閉断面の内部108に電着塗料を良好に進入させることができる。
加えて、前メンバフランジ84は、比較的強度の高いハウジング接続部63(図5も参照)に接続される。これにより、前メンバフランジ84に複数の第1隆起部89が形成されていても、前メンバフランジ84はハウジング接続部63に強硬に接続される。
このように、ダンパハウジング56の下端部56aに、上下方向へ延びるビード112が形成されている。ビード112は、車幅方向外側に向けて隆起されている。よって、上下方向の荷重F4をビード112で支えることができる。これにより、上下方向の荷重F4に対してダンパハウジング56の強度をビード112により高めることができる。
また、ダンパハウジング延長部61の後縁部61aは、下端部に第2凹部121が形成されている。第2凹部121は、上方に凹むように形成されている。第2凹部121は頂端121aが第1凹部116の頂端116aと同じ高さに配置されている。第2凹部121とフロントサイドフレーム14の上フランジ35の上端との間に第2空間124が形成されている。第2空間124は、第2隆起部113(図7参照)に連通されている。
さらに、車体前方側の第2間隔114は、第2空間124に連通されている。また、車体後方側の第2間隔114は、第1空間118に連通されている。
これにより、クロスメンバ24およびダンパハウジング56で形成される閉断面の内部108を電着塗装する際に、第1空間118や第2空間124から、閉断面の内部108に電着塗料を良好に進入させることができる。
図12に示すように、クロスメンバ24とダンパハウジング56とにより閉断面が形成されている。クロスメンバ24の第1取付部92にマウント部材26がボルト96、ナットで取り付けられている。マウント部材26に駆動源98が支持されている。
よって、駆動源98からの荷重がマウント部材26やボルト96、ナットを経てダンパハウジング56のクロスメンバ24に入力する。具体的には、クロスメンバ24に対して車体前後方向(矢印A方向)から荷重F1,F2が第1取付部92に入力する。さらに、第1取付部92の面(メンバ側壁81)に対して直交する方向から荷重F3が入力する。
よって、クロスメンバ24の第1取付部92にマウント部材26を強固に支持できる。
これにより、ダンパハウジング56のうちクロスメンバ24を設けた部位において駆動源98を良好に支持できる。
これにより、クロスメンバ24の第1取付部92に車体前後方向から入力する荷重F1,F2や、第1取付部92の面(メンバ側壁81)に対して交差する方向から入力する荷重F3に対して、クロスメンバ24の強度が高められている。
よって、クロスメンバ24はハウジング接続部63で強固に支えられている。これにより、第1取付部92に車体前後方向から入力する荷重F1,F2や、第1取付部92の面(メンバ側壁81)に対して交差する方向から入力する荷重F3に対してクロスメンバ24の強度が高められている。
例えば、前記実施形態では、前メンバフランジ84に複数の第1隆起部89を形成した例について説明したが、これに限らない。その他の例として、後メンバフランジ85に複数の第1隆起部89を形成することも可能である。この場合には、第1隆起部89とダンパハウジング56との間に間隔が確保される。
12……車体前部構造
14……フロントサイドフレーム
17……アッパメンバ
20……ダンパハウジングユニット
24……クロスメンバ
26……マウント部材
56……ダンパハウジング
56a…ダンパハウジングの下端部
56b…ダンパハウジングの前縁部
61……ダンパハウジング延長部
61a…ダンパハウジング延長部の後縁部
63……ハウジング接続部
84……前メンバフランジ(前フランジ)
85……後メンバフランジ(後フランジ)
87……クロスメンバの下メンバフランジ
89……第1隆起部(前後方向隆起部)
92……第1取付部(取付部)
98……駆動源
112…ビード
113…第2隆起部(隆起部)
115…フレーム接続部
L1……距離寸法
Claims (6)
- 車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、
前記フロントサイドフレームより車幅方向外側に配置されて車体前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドフレームと前記アッパメンバとの間に配置されるダンパハウジングと、
前記ダンパハウジングに接続されることにより前記ダンパハウジングとともに閉断面が連続して形成され、前記フロントサイドフレームおよび前記アッパメンバに渡って上下方向に延びるクロスメンバと、を備えた車体前部構造において、
前記クロスメンバは、前記クロスメンバの下メンバフランジを介して前記フロントサイドフレームに取り付けられ、
前記クロスメンバは、
車両の駆動源を支持するマウント部材が取り付けられる取付部を有し、
前記閉断面において前記取付部から下方へ向かうにつれて前記ダンパハウジングからの距離寸法が小さくなり、
前記下メンバフランジには、複数の隆起部が間隔を置いて配置されている
車体前部構造。 - 前記閉断面は、
前記ダンパハウジングと前記フロントサイドフレームとのフレーム接続部から前記アッパメンバに向けて形成される
請求項1に記載の車体前部構造。 - 前記ダンパハウジングは、
前記クロスメンバよりも車幅方向外側に配置されて、前記フロントサイドフレームに下端部が取り付けられ、
前記下端部に、上下方向へ延びるビードを有する
請求項1または請求項2に記載の車体前部構造。 - 前記ダンパハウジングの車体前方に設けられ、前記ダンパハウジングに接続されたダンパハウジング延長部を備え、
前記クロスメンバは、
車体前方へ向けて張り出された前フランジを備え、
前記前フランジが、前記ダンパハウジングと前記ダンパハウジング延長部とのハウジング接続部に接続される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体前部構造。 - 前記クロスメンバは、
車体後方へ向けて張り出され、前記ダンパハウジングに接続される後フランジを備え、
前記前フランジおよび前記後フランジの一方に前後方向隆起部を有する
請求項4に記載の車体前部構造。 - 前記ダンパハウジングの下端部の前記ビードは、前記クロスメンバの前記隆起部に相当する位置に形成され、
前記ビードは、下端部が前記隆起部側に開放するように形成されている
請求項3に記載の車体前部構造。
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