JP6741956B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明はゴルフクラブに関する。
中空状のシャフトと、シャフトのチップ側端部が挿入され固定されるホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドとを備えるゴルフクラブが提供されている。
ホーゼル部は、ゴルフクラブヘッドの内外に突出しチップ側端部が挿入されるシャフト取り付け孔が設けられた筒状部を備えている。
このようなゴルフクラブは、ボールを打球するたびに、筒状部の上端に対応するシャフトの部分に対して大きな衝撃荷重が加わることからシャフトの部分が破損することがある。
そこで、特許文献1には、シャフトのチップ側端部の内周面に、筒状部の上端をまたぐようにシャフトの軸方向に延在する中実の補強ロッドを取り付けることでゴルフクラブの質量増加を抑制しつつシャフトの補強を図る技術が開示されている。
特開2014−233303号公報
しかしながら、上記従来技術では、中実の補強ロッドの材料として合成樹脂の成形品を用いているため、シャフトの強度の向上を図る上で改善の余地がある。
また、打球時にシャフトに加わるねじれ方向の荷重に対しては特に考慮されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴルフクラブの質量増加を抑制しつつ、打球時のシャフトのねじれを抑制すると共にシャフトの耐久性の向上を図る上で有利なゴルフクラブを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、中空状のシャフトと、前記シャフトのチップ側端部が挿入され固定されるホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドとを備え、前記ホーゼル部は、前記ゴルフクラブヘッドの内外に突出し前記チップ側端部が挿入されるシャフト取り付け孔が設けられた筒状部を備え、前記シャフトの内周面に、前記筒状部の上端をまたぐように前記シャフトの軸方向に延在する補強部材が取り付けられたゴルフクラブであって、前記補強部材は、強化繊維をマトリクス樹脂に含浸させたプリプレグを積層して構成された円筒状を呈し、前記補強部材は、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と交差する第1バイアス層と、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と交差すると共に前記第1バイアス層の前記強化繊維の配向方向と交差する第2バイアス層と、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と平行するストレート層とを含んで構成され前記第1バイアス層を構成する前記強化繊維の配向方向は、前記シャフトの軸方向に対してほぼ+45°をなしており、前記第2バイアス層を構成する前記強化繊維の配向方向は、前記シャフトの軸方向に対してほぼ−45°をなしており、前記補強部材の外径が、前記チップ側端部の内径よりも0.1mm以上0.5mm以下の範囲で小さく、前記補強部材の下端は前記筒状部の底壁の上方に離れた箇所に位置し、前記補強部材の下端と前記筒状部の底壁との間には隙間が確保されていることを特徴とするゴルフクラブ。
ことを特徴とする。
本発明によれば、補強部材(ゴルフクラブ)の質量増を抑制しつつ、主としてバイアス層により打球時にシャフトのねじれを抑制し、バイアス層に加えストレート層によりホーゼル部の上端に対応するシャフトの部分に加わる衝撃荷重に対する強度およびシャフトの耐久性を高める。
実施の形態に係るゴルフクラブの断面図である。 (A)は補強部材をその中心軸と直交する平面で破断した断面図、(B)は(A)のBB線断面図である。 (A)は補強部材の最内層に位置する第1バイアス層を構成するプリプレグの平面図、(B)は補強部材の最内層の外側に積層される第2バイアス層を構成するプリプレグの平面図、(C)は補強部材の最外層に位置するストレート層を構成するプリプレグの平面図である。 実験例1〜10の評価結果を示す図である。 アイゾット衝撃試験で用いた治具の説明図である。 アイゾット衝撃試験の説明図である。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、ゴルフクラブ10は、シャフト12と、ゴルフクラブヘッド14と、補強部材16とを備えている。
シャフト12は、中空状を呈しており、長手方向の一端がゴルフクラブヘッド14に取り付けられるチップ側端部18であり、長手方向の他端がグリップが取り付けられる不図示のバット側端部である。
本実施の形態では、シャフト12はスチール製である。
なお、シャフト12の材料として、カーボン繊維を強化繊維として用いるカーボン繊維強化樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能である。
ゴルフクラブヘッド14は、本実施の形態では、ドライバーやフェアウェイウッドなどの中空のウッド型ゴルフクラブヘッドであり、上下の高さを有して左右に延在する不図示のフェース部と、フェース部の上部から後方に延在しゴルフクラブヘッド14の上部を構成するクラウン部20と、フェース部の下部とクラウン部20の下部とを接続しゴルフクラブヘッド14の下部を構成するソール部22と、ホーゼル部24とを備えている。
なお、ゴルフクラブヘッド14は、中実または中空のアイアンやユーティリティであってもよいことは無論のことである。
ホーゼル部24は、シャフト12のチップ側端部18が挿入され固定される箇所であり、ゴルフクラブヘッド14のヒール側に設けられている。
ホーゼル部24は、ゴルフクラブヘッド14の内外に突出しチップ側端部18が挿入されるシャフト取り付け孔26が設けられた筒状部28を備えている。
本実施の形態では、シャフト12のホーゼル部24への固定は、シャフト12の外周面1202とシャフト取り付け孔26の内周面2602との間に充填された接着剤で行われる。
なお、シャフト12のホーゼル部24への固定は、筒状部28の底壁2802に形成されたボルト挿通孔から挿通されたボルトがシャフト12のチップ側端部18に設けられた雌ねじに締結することでなされるなど、従来公知の様々な取付構造が使用可能である。
補強部材16は、チップ側端部18寄りのシャフト12の内周面1204に取り付けられ、筒状部28の上端2810をまたぐようにシャフト12の軸方向に延在している。
補強部材16のシャフト12への取り付けは、補強部材16の外周面1602とシャフト12の内周面1204との間に充填された接着剤によってなされる。
補強部材16は、強化繊維をマトリクス樹脂に含浸させたプリプレグを積層して構成された繊維強化樹脂で構成され、補強部材16は均一内径、外径の円筒状を呈している。
強化繊維としては、従来公知の様々なものを使用できるが、本発明ではカーボン繊維が好ましい。
マトリクス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
本実施の形態では、強化繊維としてカーボン繊維を用い、マトリクス樹脂として
エポキシ樹脂を用いたカーボン繊維強化樹脂(CFRP:carbon fiber reinforced plastic)で補強部材16が構成されている。
本実施の形態では、プリプレグとして、強化繊維の長手方向が一方向に揃えられたユニダイレクトプリプレグを用いている。
本実施の形態では、図2(A)、(B)に示すように、補強部材16は、半径方向の最も内側に位置する第1バイアス層16Aと、第1バイアス層16Aの半径方向外側に積層された第2バイアス層16Bと、第2バイアス層16Bの半径方向外側に積層されたストレート層16Cとの3層で構成されている。
図3(A)に示すように、第1バイアス層16Aは、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と交差するように構成されている。
図3(B)に示すように、第2バイアス層16Bは、強化繊維30の配向方向が第1バイアス層16Aの強化繊維30の配向方向と逆向きであり、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と交差すると共に、第1バイアス層16Aの強化繊維30の配向方向とも交差するように構成されている。
本実施の形態では、第1バイアス層16Aの強化繊維30の配向角はシャフト12の軸X方向に対して+45°をなし、第2バイアス層16Bの強化繊維30の配向角はシャフト12の軸X方向に対して−45°をなしている。
したがって、第1バイアス層16Aと第2バイアス層16Bは、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と交差すると共に、互いに強化繊維30の配向方向が交差するように積層されたバイアス層を構成している。
ストレート層16Cは、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と平行しており、言い換えると、ストレート層16Cの強化繊維30の配向角はシャフト12の軸X方向に対して0°をなしている。
なお、第1バイアス層16Aと第2バイアス層16Bの配向角は、第1バイアス層16Aと第2バイアス層16Bによって、後述するシャフト12のねじれを抑制しつつ曲げ強度を向上できる範囲であればよく、第1バイアス層16Aと第2バイアス層16Bの配向角の絶対値は0°より大きく90°よりも小さい範囲であればよい。
しかしながら、シャフト12のねじれを抑制しつつ曲げ強度を向上させる観点から、配向角の絶対値は45°に近い数値がより好ましい。
なお、第1バイアス層16A、第2バイアス層16Bの配向角をシャフト12の軸Xに対して対称となるように設定することで、シャフト12に作用する曲げ方向の力がどのような方向から加わった場合にも、曲げ強度の偏りをなくし曲げ強度を均一にする上で有利である。
また、本実施の形態では、第1バイアス層16A、第2バイアス層16Bの半径方向外側にストレート層16Cを配置したが、これとは逆に、第1バイアス層16A、第2バイアス層16Bの半径方向内側にストレート層16Cを配置し、あるいは、第1バイアス層16Aと第2バイアス層16Bの間にストレート層16Cを配置してもよい。
図1に示すように、シャフト12のチップ側端部18の内径をD1、補強部材16の外径をD2としたとき、補強部材16の外径D2は、チップ側端部18の内径D1よりも0.1mm以上0.5mm以下の範囲で小さい。
すなわち、D1−D2を差分ΔDとしたとき、0.1mm≦ΔD≦0.5mmとなっている。
差分ΔDが上記範囲内にあると、補強部材16の外周面1602とシャフト12の内周面1204との隙間が小さくなるため、補強部材16とシャフト12との取り付けを強固に行なうことができ、衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を確保する上で有利となる。
差分ΔDが上記範囲を下回ると、シャフト12のチップ側端部18からシャフト12の内周に補強部材16を挿入する際の作業性が低下する。
差分ΔDが上記範囲を上回ると、補強部材16の外周面1602とシャフト12の内周面1204との隙間が大きくなるため、補強部材16とシャフト12との取り付けを強固に行なう効果が低下し、衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を確保する効果が低下する。
また、補強部材16の下端1610は、シャフト12の延在方向に沿って筒状部28の上端2810から下方に5mm以上30mm以下の範囲に位置し、補強部材16の上端1612は、シャフト12の延在方向に沿って筒状部28の上端2810から上方に5mm以上30mm以下の範囲に位置している。
補強部材16の下端1610および上端1612の位置が上記の範囲内であると、補強部材16とシャフト12との取り付けを強固に行なうことができ、衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を確保する上で有利となる。
補強部材16の下端1610および上端1612の位置が上記の範囲を下回ると、補強部材16とシャフト12との取り付けを強固に行なう効果が低下し、衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を確保する効果が低下する。
補強部材16の下端1610および上端1612の位置が上記の範囲を上回ると、補強部材16の質量が増えるため、ゴルフクラブ10の重量バランスに影響を与える。
また、シャフト12と筒状部28を接着する時は、シャフト12と筒状部28との間の空気を逃がすための経路がないと、シャフト12と筒状部28との間の空気によりシャフト12が筒状部28から押し出されて接着ができない。
そこで、補強部材16の内径を2mm以上6mm以下とし、空気が逃げる経路を確保することが、シャフト12と筒状部28の接着作業を安定させ、且つ衝撃荷重に対する強度を確保する点で好ましい。
また、補強部材16の質量は1.5g以下であることが、ゴルフクラブ10の重量バランスに与える影響を抑制する上で有利である。
本実施の形態のゴルフクラブ10によれば、シャフト12の内周面1204に、筒状部28の上端2810をまたぐようにシャフト12の軸X方向に延在する補強部材16を取り付けると共に、補強部材16は、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と交差すると共に、互いに強化繊維30の配向方向が交差するように積層された第1バイアス層16A、第2バイアス層16Bと、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と平行する1層のストレート層16Cとを含んで構成されている。
第1バイアス層16A、第2バイアス層16Bは、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と交差しているため、シャフト12の曲げ剛性を高める効果に加えて打球時におけるシャフト12のねじれを抑制する効果がある。
また、ストレート層16Cは強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向と平行するため、主としてシャフト12の曲げ剛性を高める効果がある。
これに対して、バイアス層のみで補強部材16を構成した場合には、打球時にシャフト12のねじれを抑制できる反面、シャフト12の曲げ剛性を高めるためには、より多くのバイアス層が必要となり、補強部材16の軽量化を図る上で不利がある。また、補強部材16が大型化しシャフト12内に補強部材16を配置することが難しくなることも懸念される。
また、ストレート層16Cのみで補強部材16を構成した場合には、補強部材16の質量増を抑制しつつシャフト12の曲げ剛性を高めることができる反面、打球時にシャフト12のねじれを抑制する上で不利がある。
したがって、本実施の形態によれば、バイアス層16A、16Bとストレート層16Cとを組み合わせて補強部材16を構成したので、補強部材16(ゴルフクラブ10)の質量増を抑制しつつ、打球時にシャフト12のねじれを抑制すると共に、ホーゼル部24の上端に対応するシャフト12の部分に加わる衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を高める上で有利となる。
また、本発明は、シャフト12がスチール製、繊維強化樹脂製の双方のゴルフクラブ10に適用されるが、シャフト12がスチール製である場合は、シャフト12が繊維強化樹脂製である場合に比較してホーゼル部24の筒状部28の上端2810に対応するシャフト12の部分は、打球時に加わる衝撃荷重により塑性変形を生じてもろくなりやすい。
したがって、本実施の形態によれば、スチール製のシャフト12のもろくなりやすい部分を補強部材16によって補強することができるため、シャフト12の部分に加わる衝撃荷重に対する強度およびシャフト12の耐久性を高める上で有利となる。
なお、本実施の形態では、ストレート層が1層で構成され、バイアス層が2層で構成された場合について説明したが、ストレート層が2層以上であってもよく、バイアス層が2の倍数の層で構成されてもよい。
以下、本発明の実験例について説明する。
図4は、本発明に係るゴルフクラブ10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブ10を各実験例毎に作成し、後述する2つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、2つの指数の合計点を求めた。
(1)衝撃荷重(アイゾット衝撃試験)
補強部材16が設けられたシャフト12を、チップ側端部18から長さ60mmに切り出してアイゾット衝撃試験片とした。
アイゾット衝撃試験は、JIS K7110に準拠したアイゾット衝撃試験機に、図5に示す治具50を固定し、図6に示すように治具50にアイゾット衝撃試験片52を30mm挿入して、治具50の上面から22mm位置でハンマーにより打撃して最大衝撃力を測定した。なお、治具50の上部(打撃側)には、あらかじめ2Rの面取りを施してあり、アイゾット衝撃試験片52と治具50との隙間は接着しなかった。また、アイゾット衝撃試験片52には、切り込み(ノッチ)を施さなかった。
実験例1の指数を100とし指数が大きいほど衝撃荷重に対する強度が優れており、評価が良いことを示す。
(2)耐久性
シャフト12を固定した状態でゴルフクラブヘッド14のフェース面にエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、シャフト12が折損するまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点とした。
この場合、実験例1のゴルフクラブヘッド14の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
(3)合計点
上述した衝撃荷重、耐久性の2つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を200とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
次に図4を参照しつつ実験例1〜10について説明する。
なお、各実験例において、シャフト12はスチール製であり、シャフト12のチップ側端部18の内径D1は8mmである。
また、補強部材16は実施の形態と同様の構成であり、補強部材16の長さは30mmである。
各実験例3−10において、強化繊維としてカーボン繊維を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用い、第1バイアス層16Aとして、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向に45°で交差したものを用い、第2バイアス層16Bとして、強化繊維30の配向方向がシャフト12の軸X方向に−45°で交差したものを用い、各実験例3−10において同一構成の第1バイアス層16A、第2バイアス層16B、ストレート層16Cを用いて補強部材16を構成した。
実験例1は、比較例に相当するものであり、補強部材16を備えておらず、本発明の請求項1を満たさないものである。
実験例2は、比較例に相当するものであり、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値であるが、補強部材16の上端1612がホーゼル部24の筒状部28の上端2810と同じ位置であり、本発明の請求項1を満たさないものである。
実験例3は、本発明の請求項1、2、4を満たしている。
実験例3は、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値である。
また、実験例3は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に3mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲を下回っており、本発明の請求項3を満たしていない。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に27mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲の上限値近傍である。
したがって、衝撃荷重105、耐久性103、合計208であり、実験例1、2に比較して評価が高いが、本発明の請求項1−4を全て満たす実験例4−8に比べて評価が低い。
実験例4は、本発明の請求項1−4を全て満たしている。
実験例4は、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値である。
また、実験例4は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に5mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に25mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重115、耐久性110、合計225であり、実験例1、2に比較して評価が高い。
実験例5は、本発明の請求項1−4を全て満たしている。
実験例5は、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値である。
また、実験例5は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に10mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に20mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重133、耐久性127、合計260であり、実験例1、2に比較して評価が高い。
実験例6は、本発明の請求項1−4を全て満たしている。
実験例6は、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値である。
また、実験例6は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重135、耐久性125、合計260であり、実験例1、2に比較して評価が高い。
実験例7は、本発明の請求項1−4を全て満たしている。
実験例7は、差分ΔDが0.3mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲内である。
また、実験例7は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重121、耐久性122、合計243であり、実験例1、2に比較して評価が高いが、実験例6に比較して評価が低い。これは、差分ΔDが実験例6よりも大きいためである。
実験例8は、本発明の請求項1−4を全て満たしている。
実験例8は、差分ΔDが0.5mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の上限値である。
また、実験例8は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重117、耐久性113、合計230であり、実験例1、2に比較して評価が高いが、実験例6、7に比較して評価が低い。これは、差分ΔDが実験例6、7よりも大きいためである。
実験例9は、請求項1、3,4を満たしている。
実験例9は、差分ΔDが0.7mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲を上回っており、請求項2を満たしていない。
また、実験例9は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に15mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲内である。
したがって、衝撃荷重107、耐久性105、合計212であり、実験例8に比較して評価が低い。これは、差分ΔDが範囲外であるためである。
実験例10は、本発明の請求項1、2、4を満たしている。
実験例10は、差分ΔDが0.1mmであり、0.1mm≦ΔD≦0.5mmの範囲の下限値である。
また、実験例10は、補強部材16の下端1610が筒状部28の上端2810から下方に27mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲の上限値近傍である。
また、補強部材16の上端1612が筒状部28の上端2810から上方に3mmの箇所に位置し、5mm以上30mm以下の範囲を下回っており、本発明の請求項3を満たしていない。
したがって、衝撃荷重104、耐久性103、合計207であり、実験例1、2に比較して評価が高いが、本発明の請求項1−4を全て満たす実験例4−8に比べて評価が低い。
以下、各評価項目について検討する。
(1)衝撃荷重
本発明の請求項1−4を全て満たす実験例4−8は、衝撃荷重が115〜135であり、請求項1、4を満たすが請求項2または請求項3を満たさない実験例3、9,10は、衝撃荷重が104〜107であり、本発明の範囲内の実験例3−10は、本発明の範囲外の実験例1,2に対して衝撃荷重の向上を図る効果が優れている。
(2)耐久性
本発明の請求項1−4の規定の全てを満たす実験例4−8は、耐久性が110〜127であり、請求項1、4を満たすが請求項2または請求項3を満たさない実験例3、9,10は、耐久性が103〜105であり、本発明の範囲内の実験例3−10は、本発明の範囲外の実験例1,2に対して耐久性の向上を図る効果が優れている。
(3)合計点
本発明の請求項1−4の規定の全てを満たす実験例4−8は、合計点が225〜260であり、請求項1、4を満たすが請求項2または3を満たさない実験例3、9,10は、合計点が207〜212であり、本発明の範囲内の実験例3−10は、本発明の範囲外の実験例1,2に対して合計点の向上を図る効果が優れている。
10 ゴルフクラブ
12 シャフト
1202 外周面
1204 内周面
14 ゴルフクラブヘッド
16 補強部材
1602 外周面
1610 下端
1612 上端
16A 第1バイアス層
16B 第2バイアス層
16C ストレート層
18 チップ側端部
24 ホーゼル部
26 シャフト取り付け孔
2602 内周面
28 筒状部
2810 上端
30 強化繊維

Claims (3)

  1. 中空状のシャフトと、
    前記シャフトのチップ側端部が挿入され固定されるホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドとを備え、
    前記ホーゼル部は、前記ゴルフクラブヘッドの内外に突出し前記チップ側端部が挿入されるシャフト取り付け孔が設けられた筒状部を備え、
    前記シャフトの内周面に、前記筒状部の上端をまたぐように前記シャフトの軸方向に延在する補強部材が取り付けられたゴルフクラブであって、
    前記補強部材は、強化繊維をマトリクス樹脂に含浸させたプリプレグを積層して構成された円筒状を呈し、
    前記補強部材は、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と交差する第1バイアス層と、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と交差すると共に前記第1バイアス層の前記強化繊維の配向方向と交差する第2バイアス層と、前記強化繊維の配向方向が前記シャフトの軸方向と平行するストレート層とを含んで構成され
    前記第1バイアス層を構成する前記強化繊維の配向方向は、前記シャフトの軸方向に対してほぼ+45°をなしており、
    前記第2バイアス層を構成する前記強化繊維の配向方向は、前記シャフトの軸方向に対してほぼ−45°をなしており、
    前記補強部材の外径が、前記チップ側端部の内径よりも0.1mm以上0.5mm以下の範囲で小さく、
    前記補強部材の下端は前記筒状部の底壁の上方に離れた箇所に位置し、前記補強部材の下端と前記筒状部の底壁との間には隙間が確保されている、
    ことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記補強部材の下端は、前記筒状部の上端から下方に5mm以上30mm以下の範囲に位置し、
    前記補強部材の上端は、前記筒状部の上端から上方に5mm以上30mm以下の範囲に位置している、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。
  3. 前記シャフトがスチール製である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブ。
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