JP6798321B2 - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

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Description

本発明は、高い捩じり剛性を有し、ゴルファーの力量に左右されることなく、飛距離の安定性を有するとともに、左右への方向安定性にも優れた、繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャフトに関する。
ゴルフの打球の飛距離は、ボールの初速、打ち出し角度、スピン量で決定することが知られている。ゴルフのスコアを良くするためには、飛距離の安定性はもちろんのこと、左右への方向安定性も非常に重要であり、よって、安定した飛距離と方向安定性を得るためには、これら3つの要素のバラツキを減少させることが必要となってくる。
ボールの初速、打ち出し角度、スピン量は、ゴルフヘッドの特性に依存するが、これら3つの要素の安定性については、ボールを打撃する瞬間のシャフトの動き(変形)が影響をする。特にゴルフクラブ用シャフト(以下、単にシャフトという場合もある。)の細径部の変形がこれらの要素に大きく影響し、この部分のシャフトの捩じり剛性を上げれば、シャフトの挙動を抑制することができるため、これらの要素を安定することが知られている(特許文献1)。
しかしながら、単にゴルフクラブ用シャフトの細径部のシャフトの捩じり剛性を上げると、フィーリングが硬くなったり、ヘッドの返りが極端に悪くなったりするなどのデメリットがある。また、炭素繊維で強化された繊維強化樹脂製のシャフトにおいて、シャフトの捩じり剛性を上げるために弾性率の高い炭素繊維の使用量を多くし過ぎると、一般的に弾性率の高い炭素繊維は引張強度が低いため、シャフトの強度が低下し、シャフトの折損が生じ易くなる。さらにまた、この部分の捩じり剛性を高くし過ぎると、ヘッドのトゥダウンが抑制され過ぎて、ヘッドの中央より下部にボールがヒットし易くなり、打ち出し角度が低く、バックスピン量の多い弾道になるため、飛距離の損失につながり易い。
特開2011−147543号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、特に捩じり剛性が高いゴルフクラブシャフトにおいてもスイングの安定性が高く、プレーヤーのスイングスピード、力量に左右されることなく、飛距離の安定性と方向安定性の両方に優れた、捩じり剛性の高い(ロートルク)ゴルフクラブ用シャフトを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、以下の発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]複数の炭素繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とをシャフト全長に渡って貼り合せて成るバイアス層と、炭素繊維がシャフト軸方向に配向され、シャフトの全長に渡って位置するストレート層と、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層と、さらに同様な太径側バイアス層を有しており、
前記バイアス層の合計重量をB(g)、シャフト全体に渡って位置するストレート層の合計重量をS(g)とした場合に、
0.5≦B/(B+S)≦0.8
を満たすことを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
[2]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層を少なくとも3層以上有する請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[3]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層、及び炭素繊維がシャフト軸方向に配向され、シャフトの全長に渡って位置するストレート層の弾性率がともに、200GPa〜900GPaの強化繊維から成る繊維強化樹脂層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[4]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層の重量をA(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
0.05≦A/B≦0.12
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[5]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る太径側バイアス層の重量をC(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
0.03≦C/B≦0.10
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[6]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層の重量をA(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る太径側バイアス層の重量をC(g)とした場合に、
1.0≦A/C≦1.8
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[7]炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層が、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とをシャフト全長に渡って貼り合せて成るバイアス層の外側に積層構成されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
[8]複数の炭素繊維強化樹脂層から成るゴルフクラブ用シャフトであって、シャフトのトルクをTq(°)とした場合に、
1.6 ≦ Tq ≦4.0
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
本発明に係る繊維強化プラスチック製ゴルフクラブ用シャフトによれば、捩じり剛性が高く、シャフトのトルク値が小さいため、ゴルファーの力量に左右されることなく、飛距離の安定性を有するとともに、左右へのバラツキの少ない方向安定性にも優れた繊維強化製のゴルフクラブ用シャフトを提供することができる。
実施例および比較例で用いたマンドレルの形状を示す模式図である。 実施例1と比較例1で用いたプリプレグの形状を示すパターン図である。 ゴルフシャフトの3点曲げ試験装置の模式図である(荷重点位置T)。 ゴルフシャフトの3点曲げ試験装置の模式図である(荷重点位置A,B,C)。 片持ち曲げ試験方法を示した模式図である。 TesterAによる打球評価におけるボールの最終到達位置を示した図である(実施例1、比較例1)。 TesterBによる打球評価におけるボールの最終到達位置を示した図である(実施例1、比較例1)。 TesterCによる打球評価におけるボールの最終到達位置を示した図である(実施例1、比較例1)。
以下、本発明の最良の形態について詳細に説明する。
「ゴルフクラブ用シャフト」
本発明に係る繊維強化プラスチック製ゴルフクラブ用シャフトは、軸方向に垂直な面の外径が長さ方向の一端から他端に向かって大きくなり、途中の径切換部から他端まで外径が同一となるように形成されたものである。以下、外径が小さい側の端部を細径端部といい、外径が大きい側の端部を太径端部という。また、シャフトの長さ方向の径切換部から細径端部側を細径部、太径端部側を太径部という。
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブ用シャフトは、管状体長手方向に対する強化繊維の巻角度が30〜70°の範囲内で、正逆両方向であるバイアス層と、管状体長手方向に対する強化繊維の巻角度が−5°〜+5°の範囲内であるストレート層から構成される繊維強化プラスチック製ゴルフクラブ用シャフトである。本発明の一実施形態に係るゴルフシャフトは、繊維を一方向に引き揃えてなるシート状の強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層を、マンドレル(芯金)に複数回巻きつけて、これを加熱、成形するシートラッピング法により製造される。
本実施形態において、繊維強化樹脂層に使用される繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維又はスチール繊維などを使用し得るが、特に炭素繊維は、機械的特性において優れた特性を有する繊維強化プラスチック層になることから、最も好適である。なお強化繊維は、単一種類のものを使用しても、或いは2種類以上のものを併用してもよい。
繊維強化樹脂層に使用されるマトリックス樹脂としては、特に限定されないが、通常エポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂などを使用し得る。これらのエポキシ樹脂は、液状のものから固体状のものまで使用できる。更に、単一種類のエポキシ樹脂又は2種類以上のエポキシ樹脂を混合して使用することもできる。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、
シャフトに使用するバイアス層の合計重量をB(g)、シャフト全体に渡って位置するストレート層の合計重量をS(g)とした場合に、
0.5≦B/(B+S)≦0.8・・・(1)
を満たすことが重要である。(1)は、技量が高いゴルファーやスイングスピードが速いゴルファーにも対応できるために必要なトルクTq(°)を生み出す要素を示している。つまり、(1)を満たさないゴルフクラブ用シャフトは、シャフトが捩じれすぎたり、または捩じれないがためにシャフトが折損してしまう原因につながる。
また、本発明のゴルフクラブ用シャフトは、バイアス層を少なくとも3層以上有することが好ましい。3層以上有することでシャフトの捩じれ剛性を向上させ、飛距離の安定性と方向安定性に優れる効果が期待できる。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、炭素繊維強化樹脂層を有するのが好適であり、この少なくとも一層に、弾性率が200GPa〜900GPaの範囲である炭素繊維が使用されるのが好ましい。これによって、飛距離の安定性と方向安定性に優れたゴルフクラブ用シャフトを得ることができる。
また、+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層の少なくとも一層に、このような炭素繊維強化樹脂層を有することで、より方向性が安定する傾向にある。この場合、バイアス層の全てが炭素繊維強化樹脂層から構成されるのがより好ましい。
さらに、炭素繊維がシャフト軸方向に配向され、シャフトの全長に渡って位置するストレート層の少なくとも一層にこのような炭素繊維強化樹脂層を有することが好ましく、ここで使用される炭素繊維の弾性率は、200GPa〜400GPaの範囲であることが好ましい。
シャフトに使用する細径側バイアス層の重量をA(g)、バイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
0.05≦A/B≦0.12・・・(2)
が好ましい範囲である。この範囲であると、技量が高いゴルファーやスイングスピードが速いゴルファーに必要なシャフトの捩じれ剛性値となるため好ましい範囲である。また、0.06≦A/B≦0.12であるとより好ましく、0.07≦A/B≦0.12であると飛距離の安定性と方向安定性が期待できるため、さらに好ましい範囲である。
また、本発明のゴルフクラブ用シャフトは、シャフトに使用する太径側バイアス層の重量をC(g)、バイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
0.03≦C/B≦0.10・・・(3)
の条件を満たすのが好ましい。この(3)の条件を満たすことによって、特に技量が高いゴルファーやスイングスピードが速いゴルファーに必要な、スイング時におけるグリップ部の安定性が向上する傾向にある。また、より好ましい条件は、0.04≦C/B≦0.10であり、さらに好ましい条件は、0.05≦C/B≦0.10であり、飛距離の安定性と方向安定性がより向上する傾向にある。
さらに、シャフトに使用する細径側バイアス層の重量をA(g)、太径側バイアス層の重量をC(g)とした場合に、
1.0≦A/C≦1.8・・・(4)
の条件を満たすのが好ましい。この(4)の条件を満たすことによって、技量が高いゴルファーやスイングスピードが速いゴルファーにも対応できるために必要なシャフトの捩じれ剛性値を得ることができるとともに、スイング時におけるグリップ部の安定性が向上する傾向にある。より好ましい条件は、1.1≦A/C≦1.8であり、さらに好ましい条件は、1.2≦A/C≦1.8であろ、飛距離の安定性と方向安定性がより向上する傾向にある。
また、本発明のゴルフクラブ用シャフトに使用する細径側バイアス層が、シャフト全長に渡って貼り合せて成るバイアス層の外側に積層構成されることが好ましい。外側に積層されることでシャフトの捩じれ剛性をさらに向上させ、飛距離の安定性と方向安定性に優れる効果が期待できる。
本発明のゴルフクラブ用シャフトにおいては、トルク(Tq)が小さい程、方向安定性が優れる傾向にあるが、1.6°より大きくすることによって、シャフトに充分な強度を与えることができ、シャフトの折損を低減できる傾向にある。
また、トルク(Tq)を4.0°以下とすることによって、ゴルファーの力量が飛距離の安定性や左右への方向安定性に与える影響を低減させることができ、これらの両立を達成できる傾向にある。より好ましくは、1.6 ≦ Tq ≦ 3.8の範囲である。
(トルク)
トルクとは、シャフトの細径端部と太径端部とをそれぞれチャックでクランプし、各チャックを介してシャフトに捩れトルク(1.36N・m)を加えた時の捩れ角である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す形状のマンドレル10(鉄製)を用意した。このマンドレル10は、全体の長さL3にあって、その細径端P1から長さL1の位置(切換点)P2まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P2から長さL2の大径端P3まで、その外径は一定である、鉄製の円筒体からなる。実施例1による前記マンドレル10の各部位における具体的な外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
細径端P1の外径は4.00mm、切換点P2の外径は13.50mm、この切換点P2から太径端P3までは同一外径であり、その外径は13.50mmである。細径端P1から切換点P2までの長さL1は950mm、切換点P2から太径端P3までの長さL2は550mmである。マンドレル10の全体長さL3は1500mmとなる。また、細径端P1から切換点P2までのテーパー度は10.00/1000とされている。
このマンドレル10に、図2に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜11)を順次巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けた。なお、パターン1、3は、炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したプリプレグと、−45°に配向したプリプレグとを、マンドレル10に対して実質的に半周ずれるようにして2枚重ね合わせたものである。また、パターン5、6、7は、炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したプリプレグと、−45°に配向したプリプレグとを2枚重ね合わせたものである。
実施例1におけるパターン1、3、5、6、7の2枚のプリプレグは、マンドレル10の主軸に対する強化繊維の巻角度は45°で、正逆両方向であるバイアス層であり、パターン2、4、8、9、10、11はマンドレル10の主軸に対して強化繊維の巻角度を0°であるストレート層である。
図2で使用されるプリプレグの材質は表1と表2に、またパターン1〜11のプリプレグ各部のサイズを表3に示している。
また、マンドレル10におけるプリプレグを巻き付ける領域は、マンドレルの細径端から測って110mmから太径端に向けて1300mmの位置までとした。プリプレグ1〜8を使ったパターン1〜11を順次マンドレル10に巻き付けてから、これを加熱炉に入れ加温し135℃で2時間保持した後、常温まで自然冷却させてマンドレル10から硬化したシャフトを外し、前記収縮テープを剥ぎ取り、シャフトの固有振動数が273cpmになるよう表面を研磨した。
因みに、図2及び表3から、実施例1では炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したバイアス層を構成するプリプレグと、−45°に配向したバイアス層を構成するプリプレグとを、パターン1では太径側端部において21mm(y1)、細径側端部において8mm(x1)、パターン3では太径側端部において22mm(y2)、細径側端部において9mm(x2)ずらせて、重ね合わせている。
得られたシャフトの長さ、質量、細径端部から10mmと太径端部から25mmの位置の外径、振動数、トルク、片持ち曲げ変位等を表4に示す。なお、得られた値は4本の平均値である。
さらに、その時のB/(B+S)、A/B、C/B、A/Cそれぞれ値も表4に示す。
また、3点曲げ試験により得られた本シャフトの曲げ強度を表5に示す。なお、得られた値は4本の平均値である。
(1)振動数
特開平10−225541号公報に記載されている方法により測定した。
すなわち、藤倉ゴム株式会社製ゴルフクラブタイミングハーモナイザーを用い、シャフトの細径端部にヘッドを模擬した質量196gの重りを取り付け、シャフトの太径端部から180mmを固定して、シャフトの固有振動数を求めた。
(2)トルク:シャフト全体の捩れ角
特開平5−337223号公報に記載されているトルク(シャフト全体の捩れ角)の測定方法に従って測定した。
すなわち、細径端部と太径端部とをそれぞれチャックでクランプし、各チャックを介してシャフトに捩れトルク(1.36N・m)を加えて捩れ角を測定した。
(3)3点曲げ試験
製品安全協会が定める「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」におけるC型シャフトの3点曲げ試験方法に従って実施した。なお、今回は「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」における荷重点位置T(シャフト細径端部から90mm)、荷重点位置A(シャフト細径端部から175mm)、荷重点位置B(シャフト細径端部から525mm)、荷重点位置C(シャフト太径端部から175mm)の試験を実施した。図3は、3点曲げ強度の試験装置20を概略で示している。3点曲げ強度試験装置20は、150mmの間隔をおいて配置された左右一対の支持部21と、荷重部22と、荷重測定部23とを有し、シャフト細径端部から90mmの点(荷重点位置T)が荷重部22の直下となるようシャフトをセットして、3点曲げ試験を実施した。なお、負荷速度は20mm/minとし、荷重点における圧壊を防ぐために、厚さが2mmで70HSDのシリコンゴムを介して3点曲げ試験を実施した。
また、荷重点位置A(シャフト細径端部から175mm)、荷重点位置B(シャフト細径端部から525mm)、荷重点位置C(シャフト太径端部から175mm)については、図4のように、300mmの間隔をおいて配置された左右一対の支持部21とした以外は、上記と同様の方法にて、3点曲げ試験を実施した。
(4)片持ち曲げ試験の方法
図5に示すように、シャフトの細径側端部から920mmの位置を下側から支持し、そこからさらに150mm太径側方向の位置(細径側端部から1070mm)を上側から支持し、細径側から10mmの位置に3.0kgfの荷重を加える。このときの細径側端部の変位量が本発明における「片持ち曲げ試験での変位量D」であり、単位はmmである。なお、3.0kgfの荷重で変位量が大きくなり過ぎて測定が困難な場合は、荷重を1/3(1.0kgf)や1/2(1.5kgf)にして実施した。この場合、それぞれ測定した変位をD1/3、D1/2とし、
D=3×D1/3
D=2×D1/2
として「片持ち曲げ試験での変位量」を求めた。
(5)キックポイント
特開平10−225541号公報に記載されている方法により求めた。すなわち、株式会社フォーティーン製キックポイントゲージFG−105RMを用いて決定したキックポイント位置(細径端からの長さ)をシャフト全長に対する比率で表した。
[ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け]
実施例1のゴルフクラブ用シャフトに、市販のチタン製ドライバー用ゴルフクラブヘッド(体積460cm3、質量194g、ロフト角10.5°)をアクリル樹脂接着剤で細径端に取り付けた。さらに、シャフト太径端を75mmカットし、市販のゴム製グリップを両面テープにて取り付け、実施例1のゴルフクラブを作製した。
[打球の評価]
実施例のゴルフクラブをヘッドスピードが39m/s、42m/s、47m/sである3人それぞれ「Tester A」、「Tester B」、「Tester C」とする)で実打試験を実施した。Interactive Sports Game社製「TrackMan」にて飛距離計測などの測定を5回実施した結果を図6に示す。また、3人の飛距離の平均値と、ターゲットに対する飛距離方向へのズレと、左右方向へのズレの平均値を表4に示す。
(比較例1)
表3に示したサイズで図2に示した形状に切断したプリプレグを巻き付け、実施例1と同様に硬化したシャフトを得た後、シャフトの固有振動数が273cpmになるよう表面を研磨した以外は、全て実施例1と同じ要領でシャフトを作製、評価を実施した。
得られたシャフトの長さ、質量、細径端部から10mmと太径端部から25mmの位置の外径、振動数、トルク、片持ち曲げ変位等を表4に示す。なお、得られた値は4本の平均値である。また、3点曲げ試験により得られた本シャフトの曲げ強度を表5に示す。なお、得られた値は4本の平均値である。
[ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け]
実施例1と同様の手順にてゴルフクラブを作製した。
[打球の評価]
実施例1と同様に、ゴルフクラブをヘッドスピードが38m/s、42m/s、47m/sである3人(それぞれ「Tester A」、「Tester B」、「Tester C」とする)で実打試験を実施した。Interactive Sports Game社製「TrackMan」にて飛距離計測などの測定を5回実施した結果を図6に示す。また、ターゲットに対する左右方向へのズレの平均値を表4に示す。
図6と表4の結果から明らかなように、実施例により得られたゴルフクラブ用シャフトによれば、ゴルファーの力量、ヘッドスピードに左右されることなく、比較例よりも飛距離のバラツキも少なく安定性を有するとともに、打球の方向安定性にも優れた繊維強化プラスチック製ゴルフクラブ用シャフトを提供することができた。
本発明によって、プレーヤーのスイングスピード、力量に左右されることなく、飛距離の安定性と方向安定性の両方に優れた、捩じり剛性の高い(ロートルク)ゴルフクラブ用シャフトを提供することができる。
10 マンドレル
20 3点曲げ試験装置
21 支持部
22 荷重部
23 荷重測定部
T 荷重点位置

Claims (8)

  1. 複数の炭素繊維強化樹脂層で構成されるゴルフクラブ用シャフトであって、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とをシャフト全長に渡って貼り合せて成るバイアス層と、炭素繊維がシャフト軸方向に配向され、シャフトの全長に渡って位置するストレート層と、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層と、さらに同様な太径側バイアス層を有しており、
    前記バイアス層の合計重量をB(g)、シャフト全体に渡って位置するストレート層の合計重量をS(g)とした場合に、
    0.5≦B/(B+S)≦0.8
    を満たす、ゴルフクラブ用シャフト。
  2. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層を少なくとも3層以上有する、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  3. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層、及び炭素繊維がシャフト軸方向に配向され、シャフトの全長に渡って位置するストレート層の弾性率がともに、200GPa〜900GPaの強化繊維から成る繊維強化樹脂層で構成される、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  4. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層の重量をA(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
    0.05≦A/B≦0.12
    を満たす、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  5. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る太径側バイアス層の重量をC(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成るバイアス層の合計重量をB(g)とした場合に、
    0.03≦C/B≦0.10
    を満たす、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  6. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層の重量をA(g)、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る太径側バイアス層の重量をC(g)とした場合に、
    1.0≦A/C≦1.8
    を満たす、る請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  7. 炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とを貼り合せて成る細径側バイアス層が、炭素繊維がシャフト軸方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とをシャフト全長に渡って貼り合せて成るバイアス層の外側に積層構成される、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  8. 複数の炭素繊維強化樹脂層から成るゴルフクラブ用シャフトであって、シャフトのトルクをTq(°)とした場合に、
    1.6 ≦ Tq ≦4.0
    を満たす、請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
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