JP6492639B2 - ゴルフクラブ及びシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブ及びそのシャフトに係り、より詳細には、繊維強化樹脂製のシャフトと、このシャフトを有するゴルフクラブに関する。
繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトとしてカーボンシャフトが広く用いられている。カーボンシャフトは、カーボン繊維を主要繊維とした繊維強化樹脂よりなる。このカーボンシャフトの製造方法として、シートワインディング法が知られている(特許文献1,2)。この製造方法では、マンドレル(芯金)にシート状のプリプレグを巻き付け、更にラッピングテープを巻き付けた後、プリプレグを加熱により硬化させてシャフトが製造される。
一般に、FRP製ゴルフクラブ用シャフトは、繊維をシャフト長軸に対して略平行に配したストレート層と、シャフト長軸に対して斜交したアングル層を主体とし、これに先端側(ヘッド側)、場合によっては手元側の周辺に補強層を加えて構成される。例えば、特許文献1には、ネックの先端面に接する部位を含むヘッド取付側にのみ、金属繊維強化樹脂プリプレグを配置したシャフトが記載されている。
FRPは比強度、比弾性率が大きいので、シャフトの軽量化に適している。シャフトを軽量化することで、ゴルフクラブ全体が軽量化するため、スイング時におけるいわゆるヘッドスピード(ボールをインパクトする瞬間のゴルフクラブヘッド部のスピード)が増大し、より大きな飛距離が得られる。
シャフトの軽量化はヘッドスピードを向上させ、飛距離の増大をもたらしたが、一方でスイング時にゴルファーの感じる負荷感が小さすぎて、スイングが不安定になったり、自分の体力が十分に発揮されていないような不満足感が生じることがある。
そこで、特許文献2には、シャフトの重心点付近に1〜5g程度の質量を金属繊維強化樹脂プリプレグの巻き込みなどによって付加することにより、質量、慣性モーメントといった物理量の増大は小さく抑えつつ、重量感、剛性感などと言ったゴルファーの受ける感触、印象を改善したシャフトが記載されている。
特許文献3には、木製円柱状シャフトの長さ方向の中途部に、他の部分よりも直径が小さい小径部を設けたグランドゴルフ用クラブが記載されている。特許文献3には、この小径部を、シャフトを折れ難くすべく、シャフトの一次振動モードの腹に対応する中途部に設けることが記載されている。
特許文献4には、繊維強化樹脂製の中空ゴルフクラブシャフトにおいて、各振動モードの腹の位置にあたるグリップ側シャフトエンドの近傍の中空部に発泡体を配置して打撃時の振動や衝撃を吸収することが記載されている。
特開2002−35185 特開2007−190107 特開2009−178276 特開2007−125255
特許文献1のように、ネックの先端面に接する部位を含むヘッド取付側にのみ金属繊維強化樹脂プリプレグを巻いて加重すると、打感、振り抜き感が悪くなると共に、シャフトの重量バランスが悪くなる。また、ネックの先端面に接する部位を含むヘッド取付側にのみ加重した場合、ゴルフクラブのバランスを保つためには、ヘッドを軽くすることが必要となるが、ヘッドを軽くすると、ヒットしたボールの初速が小さくなってしまう。
特許文献2のように重心点付近に加重したシャフトでは、重量を付加したことによる慣性モーメントの増大が小さい。慣性モーメントを十分に大きくするために加重量を大きくしたのでは、シャフトが重くなり、振りにくくなる。
特許文献4には、高比重材を含有したプリプレグをゴルフクラブ用シャフトの特定部位に配置することについては記載がない。
本発明は、シャフトの固有振動値に着目し、振動吸収及び振動減衰特性に優れ、打感が良好となるシャフトと、このシャフトを備えたゴルフクラブを提供することを目的とする。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、繊維含有プリプレグを用いて製造された繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャフトにおいて、先端にヘッドを取り付け、後端にグリップを取り付け、両端が自由端の状態での振動の1次モードを計測した場合において、その腹位置を中心として、シャフト長手方向の先端側及び手元側それぞれ100mm以内の範囲に加重部をもち、該加重部は250g/m以上の目付をもち、該加重部は、熱硬化性の樹脂を含むものであり、シャフト積層方向の中心よりも内層側に配置されていることを特徴とするものである。
本発明のゴルフクラブは、このシャフトを備えたものである。
本発明では、振動の1次モードの腹位置を中心としてシャフト長手方向の先端側、手元側100mm以内の位置に加重部を設けているので、固有振動数が小さくなり、打感が良好となる。また、加重部の質量を選択することにより、慣性モーメントを大きくし、適度な軟らかさ、しなり易さ、振り重さを感じることができるよう構成することも可能である。
実施形態に係るプリプレグの巻回説明図である。 実施形態に係るプリプレグの巻回説明図である。 固有振動数の測定方法の説明図である。 実施形態に係るプリプレグの巻回説明図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブシャフトの製造方法を説明するためのプリプレグ展開図である。この製造方法では、マンドレル10とプリプレグ11〜20とを用いる。マンドレル10の中心軸線は直線である。マンドレル10の中心軸線と垂直な断面形状は、円形である。マンドレル10は、先端側(ヘッド側)が細く手元側(グリップ側)が太くなるテーパーを有しているが、部分的に直径が一定の等径部分を有していても良い。
好ましくは、マンドレル10の表面に離型剤を塗布した後、シート状のプリプレグ11〜20が順次に巻回される。
プリプレグ11〜20は、カーボン繊維とマトリクス樹脂とを含む。プリプレグ13は、さらに金属繊維又は金属粉末などの高比重材を含む。この金属粉末としては、タングステン、ステンレス鋼など高比重のものが好ましい。金属繊維としてタングステン、ステンレス、銅、チタン合金など高比重のものが好ましい。なお、プリプレグ13は、カーボン繊維を含まなくてもよい。
この実施の形態では、カーボン繊維含有プリプレグのうちプリプレグ12,14がアングル層であり、プリプレグ15,17,18がストレート層であり、プリプレグ11,19,20が補強層である。この実施の形態では、プリプレグ11,15,17〜20ではカーボン繊維はシャフト長軸方向に対し±10度以内に配向している。プリプレグ12では、カーボン繊維は+45度の角度にて配向しており、プリプレグ14では、−45度の角度にて配向している。カーボン繊維の角度は45度に限定されず、30〜60度の範囲であればよい。
プリプレグ12,14〜18は、シャフトの全長にわたって延在する長さを有している。プリプレグ11,19,20はシャフトの先端側にのみ配置されるように、シャフト全長の8〜35%程度の長さを有している。プリプレグ11,12,14〜20のプリプレグ目付は、好ましくは85g/m以上特に100g/m以上であり、270g/m以下特に200g/m以下である。
プリプレグ13は、上記の通り、高比重材として金属繊維もしくは金属粉末を含んでいるものでもよい。金属繊維の配向方向はシャフト長軸方向が好適である。プリプレグ13の目付は250g/m以上であり、好ましくは350g/m以上であり、また700g/m以下特に600g/m以下である。プリプレグ13の質量は1.0g以上特に1.5g以上で5g以下特に4.0g以下であることが好ましい。
高比重材を含有したプリプレグ13の配置位置は、シャフトの振動の1次モードの腹位置を中心として、先端側、手元側にそれぞれ100mm以内の範囲である。通常の場合、プリプレグ13の先端位置は、シャフト先端からシャフト全長の25%以上特に30%以上で45以下特に42%以下が好ましい。また、プリプレグ13のシャフト長軸方向の長さは、好ましくはシャフト全長の6%以上特に8%以上で25%以下特に20%以下となっている。
各プリプレグ11〜20はマンドレル10の外周に1周ないし複数周、例えば1〜5周程度巻回される幅を有している。
プリプレグ13は、両端(シャフト先端側及び手元側の端辺)がシャフト円周方向に対し斜交すると共に、手元側ほど幅が大きくなる略台形状となっている。プリプレグ13の端辺をシャフト円周方向に対し斜交させることにより、該端辺によってシャフトに形成される段差がなだらかなものとなり、応力集中が防止されると共に、シャフトの美観が良好となる。ただし、プリプレグ13の少なくも一方の端辺はシャフト円周方向とされてもよい。
プリプレグ13は、プリプレグ12に張り合わされるか、又は2枚のプリプレグ12,14間に挟まれることが好ましい。これにより、巻回作業中にプリプレグ13が剥がれることが防止され、プリプレグの巻回作業性が良好となる。マンドレル10の軸心線と垂直な断面において、プリプレグ13が配置される位置は、プリプレグの積層方向の中心よりも内層側である。具体的には、プリプレグ13により形成される加重部が、シャフト内周面からシャフト肉厚の10%以上特に15%以上で49%以下特に40%以下に配置されることが好ましい。
各プリプレグ11〜20の厚さは0.125mm以下程度が好ましい。プリプレグの樹脂としては、熱硬化性樹脂が用いられ、エポキシ樹脂などが好適である。
図1ではプリプレグ13を略台形状としているが、図2のプリプレグ13のように三角形状としてもよい。この場合、三角形状の一辺をシャフト長軸方向と略同方向とすることが好ましい。
通常の場合、繊維がストレート方向のプリプレグを3〜5枚、バイアス方向のプリプレグを2,4又は6枚、高比重材を含有したプリプレグ13を1〜3枚巻回するのが好ましい。
マンドレル10にプリプレグ11〜20を巻回する作業は、人力によりなされてもよく、巻回機(ローリングマシンとも称される)が用いられても良い。マンドレルにプリプレグ11〜20を巻回した後、ラッピングテープ巻き付け工程がなされる。図示しないが、ラッピングテープは、螺旋状に巻き付けられる。
巻き付け工程の後に、加熱により硬化工程がなされ、プリプレグ中のマトリクス樹脂が硬化する。硬化工程の後、マンドレル10の引き抜き及びラッピングテープの除去がなされ、硬化した管状体(素管)が得られる。この素管の両端部が必要に応じ切断された後、研磨され、ゴルフクラブシャフトとされる。
このシャフトの重量は30g以上で70g以下である。
このようにして製造されたシャフトにあっては、高比重材を含有したプリプレグ13によって形成された加重部をシャフトの1次振動の腹となる部分に配置しており、シャフトの固有振動数が小さくなり、打感向上等の効果が奏される。
上記図1,2のプリプレグの積層例は本発明の一例であり、図1,2以外の積層例としてもよい。上記説明では、プリプレグ中には補強繊維としてカーボン繊維又は金属繊維を含ませるものとしているが、ガラス繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、芳香族ポリアミド繊維、ボロン繊維、液晶ポリエステル繊維など他の繊維をさらに配合してもよい。また、これらの繊維の織布でも良い。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、該プリプレグとして、少なくとも、シャフト全長にわたって配置される全長配置用カーボン繊維含有プリプレグと、シャフト先端部に配置される第1の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグと、シャフト手元部に配置される第2の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグとを用いてもよい。
この場合、該プリプレグとして、少なくとも、シャフト全長にわたって配置される全長配置用カーボン繊維含有プリプレグと、先端にヘッドを取り付け、後端にグリップを取り付け、両端が自由端の状態での振動の1次モードを計測した場合に、前記振動の1次モードのシャフト先端側の節を含む位置に配置される第1の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグと、前記振動の一次モードのシャフト手元側の節を含む位置に配置される第2の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグと、を用いることが好ましい。
液晶ポリエステル繊維は振動吸収効果を有しており、また、シャフト先端部及び手元部の1次振動の節の部分にこの液晶ポリエステル繊維含有プリプレグを配置したシャフトは、さらに高い振動吸収効果を有している。そのため、本発明のシャフトによると、振動吸収、振動減衰、打感向上等の効果が奏される。
図4は、かかる実施形態に係るプリプレグの巻回説明図である。
この実施の形態では、マンドレル10に、シート状のプリプレグ21〜32が順次に巻回される。
プリプレグ23,27以外のプリプレグ21,22,24〜26,28〜32は、カーボン繊維とマトリクス樹脂とを含む。プリプレグ23,27は繊維として液晶ポリエステル繊維を含む。
この実施の形態では、カーボン繊維含有プリプレグのうちプリプレグ22がアングル層であり、プリプレグ25,28,29がストレート層であり、プリプレグ21,24,26,30,31が補強層である。この実施の形態では、プリプレグ21,24〜26,28〜31ではカーボン繊維はシャフト長軸方向に対し±10度以内に配向している。プリプレグ22では、カーボン繊維は+45度の角度にて配向したものと、−45度の角度にて配向したものとが用いられている。カーボン繊維の角度は45度に限定されず、30〜60度の範囲であればよい。
プリプレグ22,25,28,29は、シャフトの全長にわたって延在する長さを有している。プリプレグ21,24,30,31はシャフトの先端側にのみ配置されるように、シャフト全長の8〜35%程度の長さを有している。プリプレグ26は、シャフト手元側にのみ配置されるものであり、そのシャフト長軸方向の長さは、好ましくはシャフト全長の10%以上特に15%以上で45%以下特に35%以下となっている。
プリプレグ23,27は繊維として液晶ポリエステル繊維を含み、好ましくは液晶ポリエステル繊維の織布を含む。織布を構成するフィラメントは、トータル繊度が56〜220dtex/48特に約110dtex/48程度のものが好適である。液晶ポリエステル繊維含有プリプレグのプリプレグ目付は50〜200g/mであることが好ましい。プリプレグ23の使用量は、全プリプレグ21〜31の質量の合計の0.7%以上特に1.2%以上で、8.0%以下特に5.0%以下であることが好ましい。プリプレグ27の使用量は、全プリプレグ21〜32の質量の合計の2.0%以上特に2.5%以上で、8.0%以下特に5.5%以下であることが好ましい。
第1の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ23の先端位置は、他のプリプレグ21、22,25,28〜31の先端と合致するか、それよりも僅かに(例えば50mm以下、特に25mm以下)後退している。
プリプレグ23のシャフト長軸方向の長さは、好ましくはシャフト全長の7%以上特に10%以上で35%以下特に30%以下となっている。
第2の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ27の先端位置は、シャフトの先端から、シャフト全長の40%以上特に50%以上で、75%以下特に65%以下の範囲であることが好ましい。プリプレグ27のシャフト長軸方向の長さは、好ましくはシャフト全長の5%以上特に8%以上で20%以下特に15%以下となっている。
本発明のゴルフクラブ用シャフトにおいては、先端にヘッドを取り付け、後端にグリップを取り付け、両端が自由端の状態での振動の1次モードを計測した場合に、第1の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ23は、前記振動の1次モードのシャフト先端側の節を含む位置に配置され、第2の液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ27は、前記振動の1次モードのシャフト手元側の節を含む位置に配置されることが好ましい。特に、前記振動の1次モードの各々の節位置を中心として、シャフト長手方向の先端側及び手元側それぞれ50mm以内の範囲に液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ23,27が配置されることが好ましい。
各プリプレグ21〜31はマンドレル10の外周に1周ないし複数周、例えば1〜5周程度巻回される幅を有している。
プリプレグ23は、短辺(シャフト手元側の端辺)がシャフト円周方向に対し斜交すると共に、手元側ほど幅が大きくなる四角形状となっている。プリプレグ23の後端辺をシャフト円周方向に対し斜交させることにより、該短辺によってシャフトに形成される段差がなだらかなものとなり、応力集中が防止されると共に、シャフトの美観が良好となる。ただし、プリプレグ23の後端辺はシャフト円周方向とされてもよい。
プリプレグ23は、プリプレグ22に張り合わされるか、又は2枚のプリプレグ22,22間に挟まれることが好ましい。これにより、巻回作業中にプリプレグ23が剥がれることが防止され、プリプレグの巻回作業性が良好となる。
プリプレグ27は、シャフト先端側の端辺及び手元側の端辺がシャフト円周方向に対し斜交した略台形状となっている。プリプレグ27の両端辺をシャフト円周方向に対し斜交させることにより、各端辺によってシャフトに形成される段差がなだらかなものとなり、応力集中が防止されると共に、シャフトの美観が良好となる。
プリプレグ27は、プリプレグ26と共にプリプレグ25に張り合わされるか、又は2枚のプリプレグ25,28間に挟まれることが好ましい。これにより、巻回作業中にプリプレグ26,27が剥がれることが防止され、プリプレグの巻回作業性が良好となる。
プリプレグ22の外周側に、加重部を構成するためのプリプレグ32を配置している。プリプレグ32は、カーボン繊維とマトリクス樹脂とを含み、さらに金属繊維又は金属粉末などの高比重材を含む。この金属粉末としては、タングステン、ステンレス鋼など高比重のものが好ましい。金属繊維としてタングステン、ステンレス、銅、チタン合金など高比重のものが好ましい。なお、プリプレグ32は、カーボン繊維を含まなくてもよい。金属繊維の配向方向はシャフト長軸方向が好適である。プリプレグ32の目付は250g/m以上であり、好ましくは350g/m以上であり、また700g/m以下特に600g/m以下である。プリプレグ32の質量は1.0g以上特に1.5g以上で5g以下特に4.0g以下であることが好ましい。プリプレグ32の使用量は、全プリプレグ21〜32の質量の合計の4.0%以上特に5.5%以上で、15%以下特に13%以下であることが好ましい。
高比重材を含有したプリプレグ32の配置位置は、シャフトの振動の1次モードの腹位置を中心として、先端側、手元側にそれぞれ100mm以内の範囲である。通常の場合、プリプレグ32の先端位置は、シャフト先端からシャフト全長の25%以上特に30%以上で45以下特に42%以下が好ましい。また、プリプレグ32のシャフト長軸方向の長さは、好ましくはシャフト全長の6%以上特に8%以上で25%以下特に20%以下となっている。
プリプレグ32は、両端(シャフト先端側及び手元側の端辺)がシャフト円周方向に対し斜交すると共に、手元側ほど幅が大きくなる略台形状となっている。プリプレグ32の端辺をシャフト円周方向に対し斜交させることにより、該端辺によってシャフトに形成される段差がなだらかなものとなり、応力集中が防止されると共に、シャフトの美観が良好となる。ただし、プリプレグ32の少なくも一方の端辺はシャフト円周方向とされてもよい。
プリプレグ32は、プリプレグ22に張り合わされるか、又は2枚のプリプレグ22,22間に挟まれることが好ましい。これにより、巻回作業中にプリプレグ32が剥がれることが防止され、プリプレグの巻回作業性が良好となる。マンドレル10の軸心線と垂直な断面において、プリプレグ32が配置される位置は、プリプレグの積層方向の中心よりも内層側である。具体的には、プリプレグ32により形成される加重部が、シャフト内周面からシャフト肉厚の10%以上特に15%以上で49%以下特に40%以下に配置されることが好ましい。
図4ではプリプレグ32を略台形状としているが、三角形状としてもよい。この場合、三角形状の一辺をシャフト長軸方向と略同方向とすることが好ましい。
各プリプレグ21〜32の厚さは0.125mm以下程度が好ましい。プリプレグの樹脂としては、エポキシ樹脂などが好適である。
図4ではプリプレグ23,27を別々の層に配置しているが、前記図2のようにプリプレグ23,27を同一の層に配置してもよい。なお、図2では、プリプレグ23,27はシャフト長軸方向に若干離隔している。
通常の場合、繊維がストレート方向のプリプレグを3〜5枚、バイアス方向のプリプレグを2,4又は6枚、各液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ23,27をそれぞれ1〜3枚巻回するのが好ましい。また、通常の場合、高比重材を含有したプリプレグ32を1〜3枚巻回するのが好ましい。
巻き付け工程の後に、加熱により硬化工程がなされ、プリプレグ中のマトリクス樹脂が硬化する。硬化工程の後、マンドレル10の引き抜き及びラッピングテープの除去がなされ、硬化した管状体(素管)が得られる。この素管の両端部が必要に応じ切断された後、研磨され、ゴルフクラブシャフトとされる。
このシャフトの重量は30g以上で70g以下である。
このようにして製造されたシャフトにあっては、液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ23,27をシャフトの先端部及び手許部に配置しており、振動吸収、振動減衰、打感向上等の効果が奏される。
また、高比重材を含有したプリプレグ32によって形成された加重部をシャフトの1次振動の腹となる部分に配置しており、シャフトの固有振動数が小さくなり、打感向上等の効果が奏される。
本発明は、ウッド型、ユーティリティ型、アイアン型、パター型など各種のゴルフクラブに適用することができるが、特にシャフト長さが40インチ(1016cm)以上特に43インチ(1092cm)以上の場合に好適である。
[実施例1]
図1に示すパターン構成を有するシャフト(長さ44.5インチ(1156mm))を製造し、450ccのヘッド、及びゴム製のグリップを取り付けてドライバーを製作した。このドライバーについて、モーダル解析により固有振動数を測定すると共に、台秤フレックスを測定した。結果を表1に示す。また、複数人による試打を行った。
なお、プリプレグ11,12,14〜21のプリプレグ目付は100〜167g/mである。プリプレグ13には金属粉末として、タングステンをマトリックス樹脂に分散させたシートとし、目付を600g/mとした。プリプレグ13の先端及び後端の位置は、シャフト先端から390mm、450mmとした。
かかるプリプレグ13の配置位置は、シャフトの一次振動モードの腹位置である。プリプレグ11〜21の合計質量に対するプリプレグ13の質量は3.2%である。プリプレグ13の積層方向の位置は、シャフト内周面からシャフト肉厚の約20%である。
ゴルフクラブの振動のモーダル解析は、次のようにして行った。
図3に示すように、シャフト40aとヘッド40bとグリップ40cを有するゴルフクラブ(ドライバー)40のシャフト軸線が水平となるように、ゴルフクラブ40のホゼル先端とグリップ部分の2点をそれぞれ輪ゴム41で水平な天井42から吊すとともに、クラブ40のホゼル先端の上側に、加速度計を設置した。そして、ゴルフクラブ40の各加振点を打撃し、加速度計で振動加速度を測定した。加振点は、ヘッド40bのフェースセンターと、シャフト軸線とフェースセンターを通るグランドに平行なラインとの交点と、一方の輪ゴム41の吊支位置であるホゼル先端から、グリップ方向に向かって1100mmの距離の位置までの間の範囲において、等間隔で15の点とした。これらの各加振点による振動加速度の測定結果から、ゴルフクラブの固有振動数を算出した。
なお、測定機器としては、次のものを用いた。
インパルスハンマ:GK−2110(小野測器製)
ピックアップ:NP−3211(小野測器製)
FFTアナライザ:DS2000シリーズ(小野測器製)
モーダル解析ソフト:ME’scopeVES(Vibrant Technology Inc製)
[比較例1]
実施例1において、プリプレグ13を取り除いたこと以外は同様にしてシャフトを製造し、ゴルフクラブを製作し、固有振動数の測定(モーダル解析)、台秤フレックスの測定及び試打を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006492639
表1の通り、本発明のシャフトは、比較例1に比べて固有振動数が小さいことが認められる。
試打結果では、実施例1のクラブは、比較例1に比べて、インパクト時のロフトが大きくなり、高打出しとなった。これは、インパクトでの打出し方向へのしなりが大きくなっていることを表わしている。6人試打を行い、4人の試打者のコメントから、軟らかさ、しなりやすさを感じていることが認められた。
10 マンドレル
11,12,14〜16,18〜21 カーボン繊維含有プリプレグ
13,17 液晶ポリエステル繊維含有プリプレグ

Claims (7)

  1. カーボン繊維含有プリプレグを用いて製造された繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャフトにおいて、
    先端にヘッドを取り付け、後端にグリップを取り付け、両端が自由端の状態での振動の1次モードを計測した場合において、
    振動の1次モードの腹位置を中心として、シャフト長手方向の先端側及び手元側それぞれ100mm以内の範囲に加重部をもち、該加重部は250g/m以上の目付をもち、
    該加重部は、マトリクス樹脂に熱硬化性の樹脂を含むプリプレグによって形成されており、シャフト積層方向の中心よりも内層側に配置されていることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
  2. 請求項1において、前記カーボン繊維含有プリプレグとして、
    シャフト全長にわたって配置される、カーボン繊維がシャフト長軸に対して30〜60
    度の角度にて配向するアングル層と、
    シャフト全長にわたって配置される、カーボン繊維がシャフト長軸に対して±10度の
    角度にて配向するストレート層と、
    シャフト全長のうち、一部分に配置される補強層から構成されており、
    該アングル層は、該ストレート層よりも内層側に配置されており、
    加重部を形成するプリプレグは該アングル層に接するように配置されていることを特徴とするシ
    ャフト。
  3. 請求項1又は2において、前記加重部はカーボン繊維含有プリプレグより高比重材を含有したプリプレグによって形成されたことを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
  4. 請求項3において、高比重材は金属繊維であることを特徴とするシャフト。
  5. 請求項3において、高比重材は金属粉末であることを特徴とするシャフト。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項において、前記高比重材を含有したプリプレグのシャフト長軸方向の長さはシャフト全長の8〜22%であることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項のゴルフクラブ用シャフトを備えたゴルフクラブ。
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