JP3946996B2 - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブシャフトに関し、詳しくは、繊維強化樹脂からなる軽量ゴルフクラブシャフトの打撃時における振動減衰性、及びフィーリングを改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴルフクラブシャフトに比強度、比剛性の高いカーボン(炭素)繊維等を使用したゴルフクラブシャフトが製造され市場に定着している。また、カーボン繊維が比強度、比剛性が高くなるにつれ、軽量化されたゴルフクラブシャフトが製造できるようになった。
【0003】
ゴルフクラブシャフトが軽量化されるにつれてスイング時のヘッドスピードが上がり、ある程度飛距離を出せるようになっている。しかし、近年高齢化社会になる傾向であり、非力なプレーヤーには、軽量化だけでは十分な飛びを確保出来ていないのが実状である。また、飛距離がたとえ目標に達したとしても、逆にコントロール性が低下するという問題が存在し、軽量シャフトにおいて飛距離とコントロール性を両立するのは困難であった。
【0004】
従って、軽量シャフトにおいて飛距離やコントロール性を高めるため、これまでに種々の提案がなされている。例えば、特開平9−234256号では、TIP側、BUTT側共に35°〜45°の配向角度を持つ強化繊維を備えた繊維強化樹脂シートを補強層として配置したゴルフクラブ用シャフトが提案されている。また、特開2000−263653号では、シャフト全長に渡り低弾性繊維強化樹脂シートを使用した繊維強化複合材料製管状体が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−234256号のゴルフクラブ用シャフトでは、シャフト中央部での捻れがTIP側、BUTT側と比較し大きいため、打球感が悪く、打撃時に振動や衝撃を感じやすい上に、中央部の撓りが少なくなるため、飛距離性能が良くないという問題がある。また、特開2000−263653号の繊維強化複合材料製管状体において、低弾性繊維ではシャフトの撓りや捻れに対して効果が低く、飛距離性能、方向性性能、及び打撃時の振動・衝撃により打球感が悪いという問題がある。
【0006】
このように、ゴルフクラブシャフトが軽量化されるにつれ、打撃時にプレーヤーに不快な振動及び、衝撃が生じやすくなっている。このため、近年のゴルフプレーヤーの中には、打撃時の振動、衝撃により肘、肩などに違和感を持つプレーヤーが増加しているという問題がある。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、軽量性を維持しながら、かつ、飛距離とコントロール性を損なうことなく、打撃時にプレーヤーに伝わる振動、衝撃を低減できるゴルフクラブシャフトを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、繊維強化プリプレグの積層体からなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトであって、
シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内に、強化繊維の配向角度が±20°〜±65°であり、長さがシャフト全長の10%以上30%以下である中間アングル補強層の繊維強化プリプレグが配置され、
上記中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率が30tonf/mm以上95tonf/mm以下であることを特徴とするゴルフクラブシャフトを提供している。
【0009】
このように、強化繊維の配向角度及び引張弾性率を規定した中間アングル補強層が、上記のようにシャフトの長さ方向においてほぼ中間位置に配置されているため、実打後のシャフトに生じるTIP側(ヘッド取付側)及びBUTT側(グリップ取付側)の残存振動・衝撃(特にTIP側の残存振動)を、シャフトの軽量性を維持しながら効率良く打ち消すことができる。具体的には、振幅の大きなTIP側、BUTT側の捻れ振動が、中間アングル補強層により低減されるため、捻れ方向の振動を特に効果的に減衰することができ、打球フィーリングが良いゴルフクラブシャフトを設計することができる。また、シャフト中間位置での撓り点がはっきりすると共に、中間部分での捻れが抑えられるため、飛距離が得られ、方向性も安定する。従って、飛距離性能、方向性を損なわず、打撃時にプレーヤーに伝わる振動、衝撃を低減することができる。
【0010】
シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲(以下、シャフトの中間部分とも称す)内に、長さがシャフト全長の10%以上30%以下である中間アングル補強層の繊維強化プリプレグを配置している。このように、アングル層がシャフトのほぼ中央位置に存在するため、TIP側、BUTT側の捻れを同時に制御することができ、方向性が安定させることができる。上記配置位置としているのは、上記配置位置よりTIP側だとTIP側のみが捻れに対して強くなりすぎ打球フィーリングが悪くなるためである。一方、上記配置位置よりBUTT側だと手元部分では捻れが抑えられるが、先端部分は捻れに対して強くなくコントロール性が低下するためである。また、シャフト全長の10%より短いと本願の十分な効果が得られないためである。なお、好ましくはシャフト全長の25%以上30%以下であるのが良い。
【0011】
上記中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の配向角度を、シャフトの軸線方向に対して±20°〜±65°としているのは、±20°より小さいとシャフト中央部の捻れに対する効果が少なくボールを打撃したとき、特にオフセンターで打撃した場合、シャフトが捻れてしまい方向性が悪くなってしまうという問題があるためである。一方、±65°よりも大きいと捻れ防止の効果が下がり、方向性が悪くなると共に、潰し強度は向上するが曲げ剛性が落ちてしまい、しなりが大きくなってしまうため、コントロール性が低下してしまうという問題があるためである。なお、上記配向角度は、好ましくは±30°〜±55°、さらに好ましくは±40°〜±50°である。
【0012】
上記中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率を30tonf/mm以上95tonf/mm以下としているのは、30tonf/mmより小さいと弾性率が低いため捻れに対する効果が低下し、コントロール性及びオフセンターでの打撃時の方向性が悪くなるという問題があるためである。一方、95tonf/mmより大きいと破壊強度が低くなり、ねじり破壊強度が低下するためである。なお、上記引張弾性率は好ましくは35tonf/mm以上80tonf/mm以下、さらに好ましくは40tonf/mm以上60tonf/mm以下である。
【0013】
シャフト全長の1/2の位置と中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの長さ方向の中心位置は一致していることが好ましく、該プリプレグの長さはシャフト全長の30%が最適である。また、該プリプレグの形状、層数、厚み等は適宜設定することができる。なお、繊維強化プリプレグの長さとは、プリプレグのTIP側端からBUTT側端までのシャフト軸線方向の長さとしている。
【0014】
上記シャフトのTIP端からシャフト全長の35%の範囲(以下、シャフトの先端部分とも称す)内に強化繊維の配向角度が0°であり、長さがシャフト全長の10%以上35%以下であるTIP側ストレート補強層の繊維強化プリプレグが配置されると共に、上記シャフトのBUTT端からシャフト全長の35%の範囲(以下、シャフトの手元部分とも称す)内に強化繊維の配向角度が0°であり、長さがシャフト全長の10%以上35%以下であるBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグが配置されているのが好ましい。なお、いずれも好ましくはシャフト全長の30%以上35%以下であるのが良い。
【0015】
上記のように、シャフトの撓りに影響を及ぼし、撓り剛性を向上させるストレート層の繊維強化プリプレグをTIP側に配置した場合には、より打撃時の撓りの戻りが早くなり効率良くボールにパワーを伝えることができ、飛距離を向上することができる。また、BUTT側に配置した場合には、手元部分の撓りを抑えることができ、コントロール性を向上することができる。なお、該プリプレグは各々、TIP端、BUTT端から配置されるのが好ましい。
【0016】
即ち、長さを規定したTIP側、BUTT側の2つのストレート補強層が配置されると共に、中間部分に中間アングル補強層が配置されることにより、EI値の最も低い箇所がシャフト全長の1/2を中心としたシャフト全長の±15%の範囲内にあることになる。このため、実際のスイング中の撓りの極大点が明確になり、鞭のような撓りが得られ、ゆっくりとスイングしてもヘッドスピードを向上することができる。
【0017】
上記TIP側ストレート補強層及び上記BUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率は30tonf/mm以上95tonf/mm以下、好ましくは30tonf/mm以上80tonf/mm以下、さらに好ましくは35tonf/mm以上60tonf/mm以下であるのが良い。
【0018】
上記シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内のEI値が1.50kg・m〜3.00kg・mの範囲であるのが好ましい。上記範囲としているのは、1.50kg・mより小さいと実際のスイング時の撓りが大きくなり、スイング又は打撃時にシャフトが破損しやすくなるためである。
一方、3.00kg・mより大きいと撓りが少なく飛距離が低下しやすいためである。
【0019】
上記シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内のGI値が3.00kg・m〜4.50kg・mの範囲であるのが好ましい。上記範囲としているのは、3.00kg・mより小さいとスイング及び打撃時のシャフトの捻れが大きくなってしまいコントロール性が低下しやすくなるためである。一方、4.50kg・mより大きいとオフセンターでの打撃での捻れ方向の衝撃が緩和できず、打球フィーリングが悪くなりやすいためである。
なお、シャフトのトルク値は、2.0°〜5.0°であることが好ましい。
【0020】
また、塗装前のシャフト全重量は35g以上70g以下、好ましくは35g以上60g以下、さらに好ましくは35g以上55g以下であるのが良い。
上記範囲としているのは、35g未満では、シャフトが軽すぎてしまい、方向性をコントロールすることが困難となる上に、シャフト強度も低下しやすいためである。一方、70gよりも大きくなると、ヘッドスピードが上がらず飛距離を伸ばしにくいためである。
【0021】
さらに、シャフトの全長は、860mm以上1220mm以下であるのが好ましい。上記範囲としているのは、シャフトの長さが短すぎたり、長すぎたりすると、ゴルファーにとって振り難いものとなるためである。
【0022】
繊維強化プリプレグを構成する繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、これらを単独、あるいは組み合わせて用いることができる。強度と剛性の点より熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
その他、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0023】
繊維強化樹脂に用いられる強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる繊維が使用できる。例えば、カーボン繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維等が挙げられる。また、金属繊維を用いても良い。軽量で高強度であることからカーボン繊維が好ましい。これらの強化繊維は、長繊維、短繊維のいずれであっても良く、これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。強化繊維の形状や配列については限定されず、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マット状、織物(クロス)状、組み紐状等のいずれの形状・配列でも使用可能である。
【0024】
また、本発明のゴルフクラブシャフトはウッド型クラブ、アイアン型クラブ、パター等のあらゆる種類のゴルフクラブに適用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るゴルフクラブシャフトを示し、シャフト1は、繊維強化プリプレグの積層体からなり、小径側先端にヘッド2が取り付けられ、大径端側にグリップ3が取り付けられている。
シャフト1は、全長が1170mm、シャフトの重量が55gである。
【0026】
上記シャフト1は、図2に示す繊維強化プリプレグ11〜19を、芯金(図示せず)に内周側から巻き付けて積層している。これら繊維強化プリプレグ11〜19の強化繊維F11〜F19はいずれも炭素繊維を用い、マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いている。
【0027】
以下、繊維強化プリプレグ11〜19の積層構成を示す。
繊維強化プリプレグ11、12は、強化繊維F11、F12がシャフト軸線に対してなす繊維角度を各々−45°、+45°(アングル層)とし、引張弾性率を40tonf/mmとし、シャフト全長に配置し、各々2回巻きとしている。
繊維強化プリプレグ13は、強化繊維F13がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0゜(ストレート層)とし、引張弾性率を30tonf/mmとし、シャフト全長に配置し、1回巻きとしている。
繊維強化プリプレグ14、15は中間バイアス補強層であり、強化繊維F14、F15がシャフト軸線に対してなす繊維角度を各々−45°、+45°(アングル層)とし、引張弾性率を40tonf/mmとし、シャフト全長の1/2の位置を中心に±15%の範囲に配置し、各々2回巻きとしている。
繊維強化プリプレグ16はBUTT側ストレート補強層であり、強化繊維F16がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0゜(ストレート層)とし、引張弾性率を30tonf/mmとし、BUTT側に配置し、1回巻きとしている。
繊維強化プリプレグ17はTIP側ストレート補強層であり、強化繊維F17がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0゜(ストレート層)とし、引張弾性率を30tonf/mmとし、TIP側に配置し、2回巻きとしている。
繊維強化プリプレグ18、19は、強化繊維F18、F19がシャフト軸線に対してなす繊維角度を各々0°(ストレート層)とし、引張弾性率を24tonf/mmとし、シャフト全長に配置し、各々1回巻きとしている。
【0028】
具体的には、シャフト全長の1/2(50%)の位置P1からシャフト全長の±15%の範囲H1内、即ちシャフト全長の1/2の位置からTIP側とBUTT側の各方向にシャフト全長の15%までの範囲内に、強化繊維の配向角度が±45°であり、長さが350mm(シャフト全長の30%)である中間アングル補強層の繊維強化プリプレグ14、15が配置されている。
【0029】
また、シャフト1のTIP端1aからシャフト全長の35%の範囲内に、強化繊維の配向角度が0°であり、長さが410mm(シャフト全長の35%)であるTIP側ストレート補強層の繊維強化プリプレグ17がTIP端より配置されている。さらに、シャフト1のBUTT端1bからシャフト全長の35%の範囲内に、強化繊維の配向角度が0°であり、長さが410mm(シャフト全長の35%)であるBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグ16がBUTT端より配置されている。
なお、繊維強化プリプレグ11〜13、18、19の長さは1170mmとしている。
【0030】
シャフト1のシャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内において、曲げ剛性EIの最大値は2.1kg・m、最小値は1.7kg・mであり、捻れ剛性GIの最大値は4.0kg・m、最小値は3.5kg・mである。なお、シャフト1のトルク値は、4.3°である。
【0031】
シャフト1は、シートワインディング製法により作成されており、繊維強化プリプレグ11〜19を芯金(図示せず)に、順次(繊維強化プリプレグ11→12→…19)巻き付けて積層した後、ポリエチレンテレフタレート樹脂製等のテープでラッピングしてオーブン中で加熱加圧して樹脂を硬化させて一体的に成形し、その後、芯金を引き抜いて、シャフト1を形成している。
【0032】
このように、シャフトの長さ方向のほぼ中央位置にアングル補強層の繊維強化プリプレグを配置しているため、軽量性を維持しながらシャフトのTIP側とBUTT側の振動を効果的に減衰することができる。また、TIP側及びBUTT側にストレート補強層を配置しているため、振動減衰を維持しながら、飛距離の向上とコントロールの安定性をさらに高めることができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、中間アングル補強層の繊維強化プリプレグは2枚としているが、1枚あるいは3枚以上とすることもできる。TIP側及びBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグは各1枚としているが複数枚とすることもできる。また、プリプレグの形状、厚み等も適宜変更することができる。
【0034】
以下、本発明のゴルフクラブシャフトの実施例、比較例について詳述する。
下記の表1に示すように中間アングル補強層、TIP側及びBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグの各項目値、及びEI値、GI値を設定し、本発明の実施例及び比較例のゴルフクラブシャフトを作製した。いずれもシャフト長さは1170mm、シャフト重量は55gとした。
【0035】
【表1】
Figure 0003946996
【0036】
(実施例1)
上記第1実施形態と同様の繊維強化プリプレグの積層構成とした。
(実施例2)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの繊維配向角度を60°、強化繊維の引張弾性率を80tonf/mmとした。その他は実施例1と同様とした。
(実施例3)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの繊維配向角度を20°、強化繊維の引張弾性率を30tonf/mmとした。その他は実施例1と同様とした。
(実施例4)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率を95tonf/mmとした。TIP側及びBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率を40tonf/mmとした。その他は実施例1と同様とした。
【0037】
(比較例1)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの繊維配向角度を15°、強化繊維の引張弾性率を24tonf/mmとした。その他は実施例1と同様とした。
(比較例2)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグを、シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±4%の範囲内に配置した。TIP側及びBUTT側には、ストレート層ではなく、繊維配向角度が20°、強化繊維の引張弾性率が24tonf/mmである補強層の繊維強化プリプレグを配置した。その他は実施例1と同様とした。
(比較例3)
中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの繊維配向角度を15°、強化繊維の引張弾性率を24tonf/mmとした。TIP側及びBUTT側には、ストレート層ではなく、繊維配向角度が20°、強化繊維の引張弾性率が24tonf/mmである補強層の繊維強化プリプレグを配置した。その他は実施例1と同様とした。
【0038】
上記繊維強化プリプレグのカーボン繊維としては、引張弾性率が24tonf/mmでは三菱レイヨン社製のTRシリーズ(TR50S)、引張弾性率が30tonf/mmでは三菱レイヨン社製のMRシリーズ(MR40)、東レ社製T800H、M30、引張弾性率が40tonf/mmでは三菱レイヨン社製HRXシリーズ(HR40)、東レ社製M40Jを使用した。引張弾性率が80tonf/mmでは日本グラファイト社製のYS−80、引張弾性率が95tonf/mmでは日本グラファイト社製のYS−95を使用した。
【0039】
上記実施例及び比較例のゴルフクラブシャフトについて、ウッド用の1番ヘッドを取り付け、後述する方法により、飛距離、コントロール性、フィーリング評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0040】
(EI(曲げ剛性)値の測定)
図3に示すように、万能材料試験機60を用い、3点曲げにより、シャフト1を境ませて測定を行った。EI値の算出は下記の式より行った。
測定点を決定後、該測定点が万能試験機60の圧子61の下にくるようにシャフト1を治具62A、62Bの上に配置した。治具62A、62Bの間隔は200mmとした。圧子61の先端の曲率は75R、治具62A、62Bの先端の曲率は2Rとした。圧子61をテストスピード5mm/minで降下させ、シャフト1を境ませた。負荷荷重が20kgfに達した時点で圧子61の移動が終了し、その時のシャフト1の境み量を測定した。
EI(kg・mm)=(負荷荷重×(支点間距離))/(48×境み量)
なお、測定値をkg・mに換算して記載した。
【0041】
(GI(ねじれ剛性)の測定方法)
丸棒のねじり剛性の算出式より、剛性GI、ねじりモーメントMt、ねじり角φ、比ねじり角θとし、以下のようにして、ねじり剛性を表す式を導出した。
Figure 0003946996
具体的には、図4に示すように、チャック70とチャック71との距離を適宜調整し、エアチャック方式のチャック70、71にて、シャフト1の所定位置2箇所を1.5kgf/cmの圧力でチャックしシャフトを固定した。シャフト1のBUTT側におもりをかけて、太径固定部に13.9kgf・cmのトルクを加え、シャフトをねじった時のねじれ角度を求め、ねじれ剛性値を算出した。
【0042】
(トルクの測定方法)
上記トルク(deg)は、図5に示すように、シャフトのヘッド側先端から40mmを固定し、ヘッド側先端から865mmの点に136.3N・cm(13.9kgf・cm)のトルクを加え、その時の捩れ角度を測定したものである。
【0043】
(飛距離の評価)
H/S(ヘッドスピード)40〜45m/sのプレーヤー50人に試打してもらった。200ヤード以上の距離を飛んだ人が6割以上いる場合「◎」、200ヤード以上の距離を飛んだ人が4割以上6割未満の場合「O」、200ヤード以上の距離を飛んだ人が4割未満の場合「×」の評価とした。
【0044】
(コントロール性の評価)
ハンディキャップが5〜20のゴルファー10名によりテストを行った。コントロール性が最も良いと感じたものを「◎」、コントロール性が良いと感じたものを「O」、コントロール性が悪いと感じたものを「×」として、上記4段階で評価し、最も多い評価を採用した。
【0045】
(フィーリングテスト)
ゴルファー50名により試打テストを行い、ボールを打撃後、振動が手に残るか、もしくは衝撃が残るかを調査する官能評価を実施した。振動、衝撃を大いに感じるものを「×」、振動、衝撃が少ないものを「○」、振動、衝撃が非常に少ないものを「◎」とし、上記3段階で評価し、最も多い評価を採用した。
【0046】
表1に示すように、実施例1〜実施例4のゴルフクラブシャフトは、繊維の配向角度と引張弾性率が規定範囲内の中間アングル補強層を規定位置に配置しているため、振動減衰性に優れフィーリングテスト結果が良好である上に、飛距離とコントロール性にも優れていることが確認できた。
【0047】
一方、比較例1、3は中間アングル補強層の繊維の配向角度と引張弾性率が規定範囲外であり、比較例2は中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの長さが短いためにいずれもフィーリング結果が悪かった。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、強化繊維の配向角度と引張弾性率の値を規定した中間アングル補強層の繊維強化プリプレグを、シャフトの長さ方向のほぼ中央位置に配置しているため、TIP側とBUTT側での振動を同時に効率良く減衰することができる。また、シャフト中間位置での撓り点がはっきりすると共に、中間部分での捻れが抑えられるため、飛距離が得られる上に、方向性も安定させることができる。
【0049】
さらに、TIP側及びBUTT側にストレート補強層を配置することにより、飛距離と方向性をより向上することができる。
【0050】
このように、従来、打撃時に振動、衝撃が生じやすかった軽量ゴルフクラブシャフトにおいても、振動、衝撃を抑制することが可能となり、プレーヤーが打撃時に不快感を感じることがなくなるため、プレーヤーの肘、肩等への負担も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフクラブシャフトの概略図である。
【図2】 本発明の繊維強化プリプレグの積層構成を示す図である。
【図3】 曲げ剛性EI値の測定方法を示す図である。
【図4】 捻れ剛性GI値の測定方法を示す図である。
【図5】 トルクの測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 シャフト
2 ヘッド
3 グリップ
11〜19 繊維強化プリプレグ
H1 シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲

Claims (3)

  1. 繊維強化プリプレグの積層体からなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトであって、
    シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内に、強化繊維の配向角度が±20°〜±65°であり、長さがシャフト全長の10%以上30%以下である中間アングル補強層の繊維強化プリプレグが配置され、
    上記中間アングル補強層の繊維強化プリプレグの強化繊維の引張弾性率が30tonf/mm以上95tonf/mm以下であることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 上記シャフトのTIP端からシャフト全長の35%の範囲内に強化繊維の配向角度が0°であり、長さがシャフト全長の10%以上35%以下であるTIP側ストレート補強層の繊維強化プリプレグが配置されると共に、
    上記シャフトのBUTT端からシャフト全長の35%の範囲内に強化繊維の配向角度が0°であり、長さがシャフト全長の10%以上35%以下であるBUTT側ストレート補強層の繊維強化プリプレグが配置されている請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 上記シャフト全長の1/2の位置からシャフト全長の±15%の範囲内において、曲げ剛性EI値は1.50kg・m以上3.00kg・m以下であり、捻れ剛性GI値は3.00kg・m以上4.50kg・m以下である請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
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