JP6733549B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。
近年、紫外線に対する意識の上昇から、サンケア製品が注目されているが、安全性等の面で無機系UVフィルターの要望は強く、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムのような微粒子無機粉体を日焼け防止剤として配合したサンカット化粧料が注目されている。またここ数年、感触やクレンジングのし易さから、O/W系サンカット化粧料が注目され、市場にはO/W系に使用可能な微粒子無機粉体の水系分散体が上市されており、一般には微粒子無機粉体の表面活性の封鎖、親水性の向上を目的に、シリカで一次処理したものが多い。
一方、現在、市販されているO/W系化粧料の多くは、水系に水溶性高分子が使用されており、水に構造粘性を付与できるカルボン酸タイプのものやスルホン酸タイプの高分子が使われている。これらは構造中にカルボン酸やスルホン酸等のアニオン性基を含んでおり、その部分の高水和性により水系に構造粘性を付与し、O/W系化粧料の安定性を維持しているものが多い。
シリカで一次処理された微粒子無機粉体の水分散体をO/W系化粧料に配合した場合、シリカの持つシラノール基の親水性が強いために、水溶性高分子のアニオン性基の水和部分に対して影響を与え、水系の粘度低下や粘度上昇、ゲル化を引き起こし、ひいてはO/W系化粧料の安定性に大きな問題を起こし、またシリカのキシミ感が強いなど感触的にも悪いものとなってしまう。
そこで、シリカで一次処理された微粒子無機粉体の最外表面をさらに疎水化した微粒子無機粉体の水分散体を使用すると、それらのデメリットはかなり改善されたものの、シラノール基の影響を完全に封鎖することはできなかった。特許文献1においては、疎水化処理粉体を水中に分散させた分散体が記載されており、これを利用したO/W乳化型化粧料が記載されている。また、ここでは水溶性高分子等を併用することも記載されている。しかし、シリカで一次処理された微粒子無機粉体を使用した乳化系の安定性を向上させる試みはなされていない。更に、水膨潤性物質の使用に関して具体的には記載されていない。
特許文献2においては、シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体が開示されている。しかし、これを水膨潤性物質と併用して化粧料中に安定して配合することについて、具体的には記載されていない。
O/W系化粧料の安定性を得るためには、水溶性高分子が微粒子無機粉体のシラノール基に影響を受けにくい非イオン性高分子を使用することが望ましいが、一般に非イオン性高分子はアニオン性高分子に比べて水和力が低いため、水系に大きな構造粘性を与えることが難しい。
したがって、水溶性高分子の中でも、微粒子無機粉体のシラノール基に影響を受けにくく、更に水系に大きな構造粘性を付与できる水膨潤性物質が望まれていた。
水膨潤性物質としては、バーミキュライト、スメクタイト等の水膨潤性粘土鉱物、微細セルロースや寒天等の水膨潤性有機物があり、既に化粧料に使用されている。
しかしながら、水膨潤性粘土鉱物や微細セルロース、寒天等の水膨潤性物質を、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛等の微粒子無機粉体を水系に配合した水中油型乳化化粧料に添加することによって、水中油型乳化化粧料の増粘や減粘を抑えて安定性が向上するということは知られておらず、特に、シリカを含む処理剤で一次処理され、さらに最外表面を疎水性に処理された微粒子無機粉体を水系に配合する水中油型乳化化粧料において、安定性向上、感触改良、撥水性向上等に大きな影響を与えるということは全く知られていなかった。
国際公開第2013/018827号 国際公開第2013/018828号
本発明は、シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水性に処理された微粒子無機粉体を水系に配合する水中油型乳化化粧料に関し、特に、水系増粘剤として、特定の水膨潤性物質を含有することによって、感触や機能、安定性が向上する水中油型乳化化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明は、シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水性有機表面処理された
微粒子無機粉体(A)及び微生物産生セルロースを含み、
前記微粒子無機粉体(A)の平均粒子径は5〜200nmであ
ことを特徴とする水中油型乳化化粧料である。本発明で言う水膨潤性物質とは非イオン性であり、且つ、水のインタカレーションや吸水によって、その体積を増やすもののことである。
記微粒子無機粉体は、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明者らは、シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水性に表面処理された微粒子無機粉体を水系に配合した水中油型乳化化粧料において、水系増粘剤として特定の水膨潤性物質の1種及び/又は2種以上を配合させることにより、粘度低下、粘度上昇、ゲル化などの問題を起こすことなく長期安定性に優れ、感触の良い撥水性の高い製剤を作ることができ、本発明を完成した。
本発明で使用する微粒子無機粉体(A)は、シリカを含む第一被覆層を有するものである。上記第一被覆層はシリカのみを含むものであってもよいし、更に他の無機材料を含むものであってもよい。上記他の無機材料としては、水酸化アルミニウム、アルミナ、ジルコニアのようなその他の化合物を挙げることができる。
シリカを含む第一被覆層は、例えば、処理後にSiOを粉体表面に析出させることができるSi源化合物を含む処理剤により無機粉体表面を処理することで形成することができる。具体的には、テトラアルコキシシランやケイ酸ナトリウムなどのSi源化合物を使用して、加水分解や加熱分解などによりSiOを粉体表面に析出させる湿式法等が挙げられる。上記Si源化合物及としては、テトラアルコキシシランやその加水分解縮合物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等、容易にSiOに変換する化合物が好ましい。また、2種以上の化合物を併用してもよい。
上記第一被覆層の被覆量は無機粉体全体に対して、無機材料全体で1〜25質量%が好ましく、更に2〜20質量%が好ましい。なお、水酸化アルミニウムなど、水中で解離し多価金属イオンを生じるものを使用する場合は、水系中にアルミニウムイオンが溶出し、アニオン性水溶性高分子が粘度低下を起こすため、その使用量は限定され、10質量%以下とすることが好ましい。
上記微粒子無機粉体(A)は、更に最外表面を疎水性有機表面処理したものである。微粒子無機粉体の疎水性有機表面処理剤としては、メチルハイドロジェンシロキサンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとのコポリマー、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等の反応性トリアルコキシシリル基含有ジメチルポリシロキサン、同反応性基含有アルキル変性ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アルキルシラン、アルキルチタネート、金属石鹸等が挙げられ、少なくとも1種以上の化合物を公知の方法で処理することができる。これら疎水性有機表面処理剤で処理されることにより、被覆無機材料の親水性基が封鎖され、無機粉体と水溶性高分子とのゲル形成が阻害されると共に、使用時のキシミ感をなくすことができ耐水性も向上する。
上記微粒子無機粉体の疎水性有機処理においては、処理後の無機粉体の全量に対して、2〜15質量%の有機処理が施されたものであることが好ましく、2質量%未満では、疎水性が不十分であり、15質量%を超えると疎水性が頭打ちとなる。より好ましくは、4〜12質量%の有機処理が施されたものである。
本発明に使用する微粒子無機粉体(A)の一次粒子サイズとしては、一般に紫外線吸収・散乱効果を有する平均粒子径が5〜200nmであることが好ましい。上記下限は、10nmであることが更に好ましく、上記上限は100nmであることが好ましい。なお、本明細書における粒子径は電子顕微鏡でランダムに選択した200個の粒子の粒子径を測定し、その一次粒子径の平均を算出するという方法によって測定した値である。
上記微粒子無機粉体(A)としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムを挙げることができ、2種以上を併用して使用しても、複合体であっても良い。
上記微粒子無機粉体(A)の形状としては、球状、棒状、針状、紡錘状、板状、六角板状、針状凝集体等、任意の形状のものを使用することができる。なお、棒状、針状、紡錘状粒子の場合は上記平均粒子径は短軸側の長さを、板状の場合は面の最大内接円の平均直径で規定する。
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記微粒子無機粉体(A)を無機粉体換算で1〜50質量%含有することが好ましく、3〜20質量%含有することがより好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料において、上記微粒子無機粉体(A)は、水相に安定に存在するものであることが好ましい。これにより、長期にわたって粘度の増減が見られず、良好な安定性を示すことができる。また、微粒子無機粉体(A)の凝集が起こらないため、優れた使用感、撥水性、紫外線遮断効果、可視光透明性等を付与することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、少なくとも一種の水膨潤性物質(B)を含むものである。上記水膨潤性物質(B)とは、非イオン性であり、且つ、水のインタカレーションや吸水によって、その体積を増やすもののことである。上記水膨潤性物質(B)は、カーボマーのようなイオン性の作用によって増粘作用を生じる化合物ではなく、化合物が水と混合した際に膨潤することによって、増粘作用を発揮するという特徴を有する。
このような水膨潤性物質(B)を水中油型乳化化粧料に配合することによって、水系に大きな構造粘性を付与でき、ひいては粘度低下や粘度上昇を起こすことのない、安定な水中油型乳化化粧料が得られ、感触的にもべたつきやキシミ感のない撥水性に優れた水中油型乳化化粧料を得ることができる。
上記水膨潤性物質(B)は、微粒子無機粉体のシラノール基の影響を受けにくい。本発明の水中油型乳化化粧料に配合する微粒子無機粉体は(A)は、シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水化処理した微粒子無機粉体である。上記微粒子無機粉体(A)は、シリカを含む第一被覆層を形成した後さらに最外表面を疎水化処理しても、そのシリカの持つシラノール基を完全には封鎖できないが、上記水膨潤性物質(B)はシラノール基の影響を受けにくいため、上記のような優れた水中油型乳化化粧料を得ることができる。
上記水膨潤性物質(B)としては、例えば、バーミキュライト、スメクタイト等の水膨潤性粘土鉱物や植物由来セルロースや微生物産出セルロースといった微細セルロース、寒天等の水膨潤性有機物が挙げられ、特に微細セルロースが好ましい。
水膨潤性粘土鉱物としては、例えば含水ケイ酸アルミニウム・ケイ酸ナトリウムマグネシウム・モンモリロナイト・サポナイト・ヘクトライト・スチーブンサイト・テニオライト・フッ素四ケイ素雲母等が挙げられ、これらは、ミクロンやサブミクロンオーダーの微細粒子からなり、一般に層状構造を取っており、水を加えると結晶の層間に水が入って底面間隔が広がり、最終的に無限膨潤した粒子が水中で分散した状態となる。
微細セルロースとは、平均粒子径が5μm以下の微細なセルロースであり、植物繊維を細かくほぐした植物由来セルロースと酢酸菌等が産生する微生物産出セルロースがある。植物繊維を細かくほぐしたセルロースはナノファイバーと呼ばれ、各方面での研究が進められているが、中にはセルロース分子中の水酸基を酸化してアルデヒド基およびカルボキシル基に変性した微細セルロース繊維等もある。
また、微生物産生セルロースとしては、たとえば酢酸菌の一種、アセトバクターキシリナムがグルコール等の糖類を発酵して合成したセルロース繊維が挙げられる。このようなセルロース繊維は、通常の植物性由来のセルロースと比較して1/100以下と非常に細かく、その1μm以下の微細なセルロース繊維はランダムに絡み合って3次元網状構造を有するものであり、水中ではその3次元網状構造を有するセルロース繊維が分散した状態となる。
寒天は、市販品としてウルトラ寒天AX−30(伊那食品工業株式会社)、ウルトラ寒天AX−100(伊那食品工業株式会社)等があり、寒天と他の高分子を配合した市販品としては、ノムコートAG(日清オイリオグループ株式会社)等がある。
これらの水膨潤性物質の中でも、特に微細セルロースは添加効果が非常に顕著に表れるため、好ましい。これらは、微細なセルロース繊維がランダムに絡み合った3次元網状構造を有しているため、水系への構造粘性の付与が大きく、その結果、微粒子無機粉体を水系に配合した水中油型乳化化粧料は非常に安定すると考えられる。また微細セルロースは非イオン性高分子であるため、シリカを含む第一被覆層を有する微粒子無機粉体を水系に配合した水中油型乳化化粧料においても、シリカのシラノール基の影響を受けず、水系の粘度を低下させたり上昇させたりせず安定に保つことができる。また微細セルロースは、非イオン性であるために、べたつきなどの感触の悪さがなく耐水性にも優れたものとなる。
さらに、スメクタイト等の上記水膨潤性粘土鉱物は、膨潤後に粒子内に電荷の偏りが発生して粘性を生じるため、そのメカニズム上、酸や塩基、塩の添加の影響を受けやすい。しかし、上記微細セルロースは、化学的に安定な物質でもあるために酸や塩基性物質の添加にも優れた耐性を持ち、そのために化粧料へ配合時に安定性が維持されやすいといった点でも好ましい。
水膨潤性物質(B)の化粧料への配合量としては、化粧料全体の0.01〜15質量%の範囲が好適であり、特に0.05〜10質量%が好ましい。
また、本発明には、上記水膨潤性物質(B)以外にも、水溶性高分子を配合することができる。
例えば、アラビアゴム、アラビノガラクタン、アルゲコロイド、カラギーナン、カラヤガム、グアーガム、クインスシード(マルメロ)、スクレロチウムガム、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、ペクチン、トラガントガム、ローカストビーンガム(キャロブガム)等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸塩、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキルのコポリマーやクロスポリマー、ポリアクリルアミド、アクリル酸アルキルやアクリルアミドとアクリロイルジメチルタウリン塩のコポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成高分子、シリコーン化プルラン等の半合成高分子等が挙げられ、配合量としては、化粧料全体の0.01〜25質量%の範囲が好適であり、特に0.05〜20質量%が好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料は、従来化粧料分野において使用されている界面活性剤を使用することができる。
上記界面活性剤のHLBは、8以上9.5以下であることが好ましい。HLBが8以上9.5以下であると、さらに粘度の経時変化を抑制し、優れた長期安定性を得ることができる。なお、本明細書においてHLBは、W.C.Grifinnによって定義された次式によって求める。
NHLB=(E+P)/5
(NHLB:HLB値、E:ポリオキシエチレン部の分散剤分子全体に対する質量%、P:多価アルコール部の分散剤分子全体に対する質量%)
上記界面活性剤の配合量は、複数の界面活性剤を使用した場合にも、合計で化粧料全体の0.01〜5質量%の範囲が好適である。上記配合量は、0.1〜4質量%がより好ましい。なお、微粒子無機粉体を水系分散体の形態で配合し、水系分散体に含まれる非イオン性界面活性剤が上記低HLB(HLBが9.5以下)の界面活性剤に相当する場合、該非イオン性界面活性剤の配合量も低HLB(HLBが9.5以下)の界面活性剤の合計量に含まれるものとする。
本発明の水中油型乳化化粧料は、さらに高HLB(HLBが10.0以上)の界面活性剤を含有することが好ましい。このような界面活性剤を含有することにより、乳化状態を安定に保つことができる。高HLBの界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであればいずれのものも使用することができる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、特に0.2〜10質量%の範囲が好ましい。
たとえば非イオン性界面活性剤としては、高HLB(HLBが10.0以上)のポリグリセリン脂肪酸エステル、高HLBのポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンステロール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、更に、オルガノポリシロキサン系の非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。オルガノポリシロキサン系の非イオン性界面活性剤を含有することにより、微粒子無機粉体(A)をより好適に水相に分散させることができる。上記オルガノポリシロキサン系の非イオン性界面活性剤としては特に限定されず、後述のものを使用することができる。上記オルガノポリシロキサン系の非イオン性界面活性剤の配合量は特に限定されず、0.1〜10 質量%であることが好ましい。また、オルガノポリシロキサン系の非イオン性界面活性剤が、高HLB(HLBが10.0以上)の界面活性剤に該当するものであっても差し支えない。
本発明の水中油型乳化化粧料は、油相を含むものである。上記油相に含まれる油分としては特に限定されず、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができる。
他に、本発明には、上記以外の化粧料に一般に使用される水性成分及び油性成分、上述以外の界面活性剤、多価アルコール類、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、美容成分、香料等を添加することもできる。
本発明の水中油型乳化化粧料としては、特に限定するものではないが、スキンケア製品、頭髪製品、メークアップ製品等を挙げることができる。なかでも、ファンデーション、サンスクリーン剤、化粧下地等として好適に使用することができる。また、製品の形態についても特に限定はないが、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、多層状、ムース状、スプレー状等に適用が可能である。
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法としては特に限定されず、公知の乳化方法を用いることができる。例えば、水相、及び、油相をそれぞれ均一に攪拌し、加熱した後、水相に油相を添加して乳化する方法を挙げることができる。
上記微粒子無機粉体(A)を水相に添加する方法としては特に限定されないが、微粒子無機粉体(A)が水中に分散した水系分散体を調製し、これを他の成分と混合し、通常の製造方法によって、水中油型乳化化粧料とする方法によって製造することが好ましい。これによって、安定して本発明の水中油型乳化型化粧料を得ることができる。
このような水系分散体は、微粒子無機粉体(A)、多価アルコール、水、及び、非イオン性界面活性剤であることが好ましい。
上記水系分散体は、上記無機粉体を分散体全量に対して、30質量%以上含むものであることが好ましい。当該配合量とすることで、化粧料材料として少量で効果に必要な量を配合できるという点で好ましい。上記配合量は、40質量%以上であることがより好ましい。配合量の上限は特に限定されるものではないが、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは60質量%以下である。
上記多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオールから選ばれる1種及び又は2種以上であることが好ましく、特にブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオールが好ましい。
上記多価アルコールは、水系分散体中に5〜25質量%含有することが好ましい。上記下限は8質量%であることがより好ましく、上記上限は20質量%であることがより好ましい。このような多価アルコールを配合することによって、非イオン性界面活性剤が粉体表面により均一に配向でき、分散体が安定するものと考えられる。
上記非イオン性界面活性剤は、1種のみの使用であってもよいし、2種以上を組みあわせて使用してもよい。上記非イオン性界面活性剤は、1,3−ブチレングリコールに20質量%濃度で混合したとき、35℃において透明溶解又は微濁する非イオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤が室温にてペースト状〜固体の場合は加温して均一にしたのち35℃にして確認)であることが好ましい。
なお、上記「透明溶解」とは、得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10未満であることを意味し、「微濁」とは得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10以上、且つ、全光透過率が30%以上である状態であることを意味する。
このような非イオン性界面活性剤を使用することで、粒子表面に効率的に非イオン界面活性剤による層を作ることが出来るという効果が得られる。上記非イオン性界面活性剤の配合量は、分散体全量に対して、1〜25質量%含有するものであることが好ましい。上記下限は、2質量%であることがより好ましく、3質量%であることが更に好ましい。上記上限は、20質量%であることがより好ましく、15質量%であることが更に好ましい。
上記非イオン性界面活性剤は、水に20質量%濃度で混合したとき、35℃において不溶又は白濁する非イオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤が室温にてペースト状〜固体の場合は加温して均一にしたのち35℃にして確認)であることが好ましい。なお、2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、水性分散体中に配合する混合比で混合した非イオン性界面活性剤について、上述した試験を行った場合に不溶又は白濁することが必要である。
なお、本明細書において「不溶」とは、混合させても溶け残りが生じたり、又は、一見混濁したように見えても1時間経過後には相分離してしまったりする状態を意味し、「白濁」とは得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10以上、且つ、全光透過率が30%未満である状態であることを意味する。
このような界面活性剤は、HLBが6以上12以下であることが望ましい。
HLBが12を超える非イオン性界面活性剤を使用して分散させた水分散体は、O/W製剤へ配合した場合、非イオン性界面活性剤の水への溶解性が高過ぎるため粉への吸着性が悪くなり、製剤の粘度上昇を起こしやすく、耐水性が悪くなりやすい。また、HLBが6未満の非イオン性界面活性剤を使用した場合は、水分散体を作製することができないか、作製できたとしても安定性が悪い。
非イオン性界面活性剤の種類としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサン、ポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサン、糖鎖を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
中でも、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンを非イオン性界面活性剤として使用することが好ましい。
更には、上述したようなオルガノポリシロキサン系の非イオン界面活性剤が最も好ましく、オルガノポリシロキサン系の非イオン界面活性剤を使用した場合、組成物の安定性、化粧料において使用したときの使用感等において、特に優れた効果を得ることができる。
上記水系分散体を得るための分散方法については、均一に分散させることのできるビーズミル、ジェットミル、高圧ホモジナイザーを用いる方法など、公知の方法で得ることができる。
上記水系分散体には、分散体の性能を損なわない範囲で必要に応じて、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、フェノキシエタノール等の防菌防腐剤や抗菌剤等を添加することができる。
上述した水系分散体を使用した、本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく、原料を混合した後、ホモジナイザー等を使用した一般的な乳化操作によって行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚,特に断らない限り,以下に記載する「%」は「質量%」を意味する。
〔水分散体I:酸化チタン分散体の製造〕
1,3−ブチレングリコール10.0gにKF−6013(PEG−9ジメチコン:信越化学工業株式会社製;HLB 10.0)10.0gとシリコーンで表面処理されているシリカ表面処理微粒子酸化チタン(堺化学工業社製STR−100W−LPT:粒子径短軸20nm、長軸100nmの紡錘状粒子)40.0gを混合した後、水40.0gを加えて攪拌、酸化チタン水分散体Iを作成した。
〔水分散体II:酸化亜鉛分散体の製造〕
1,3−ブチレングリコール15.0gにKF−6013(PEG−9ジメチコン:信越化学工業株式会社製;HLB 10.0)5.0gとシリコーンで表面処理されているシリカ表面処理微粒子酸化亜鉛(堺化学工業社製FINEX−33W−LP2:平均粒子径35nm)60.0gを混合した後、水20.0gを加えて攪拌、酸化亜鉛水分散体IIを作成した。
〔実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6、比較例1〜6〕
作製した酸化チタン水分散体Iを用いて、表1及び2に示す組成の実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6及び比較例1〜6の日焼け止めO/Wクリームを調製し、その品質を評価した。
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、加熱する。
B:成分5〜17を均一に混合し、加熱する。
C:BにAを添加して乳化し、冷却してそれぞれの日焼け止めO/Wクリーム(実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6、比較例1〜6)を得た。


評価は次のように行った。
1.日焼け止めO/Wクリームの安定性
調整した日焼け止めO/Wクリームを50℃で1か月、及び3か月静置した後、粘度上昇や粘度低下がみられるかどうかをそれぞれ確認した。
[評価基準]
◎:増粘も減粘もしていない。
○:わずかに増粘、若しくはわずかに減粘している。
△:増粘、もしくは減粘している。
×:著しく増粘してゲルになっている、若しくは減粘して液状になっている。
2.使用感評価
専門評価パネル20名による使用テストを行い、塗布時ののび広がりの良さ、後肌のべたつきのなさ、きしみ感のなさ、汗や水に対する強さ、並びに日焼け止め効果について下記基準より5段階評価し、さらにその平均点をもとめ判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定]
◎:平均点4.5以上
○:平均点3.5以上4.5未満
△:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
3.総合評価
◎:安定性、使用感、共に非常に優れる。
○:わずかに増粘、若しくはわずかに減粘している、或いは使用感において少し劣る。
△:粘度上昇、もしくは粘度低下している、或いは使用感において劣る。
×:安定性が悪く、使用感も劣る。





表1の結果から明らかなように、作成した酸化チタン水分散体Iを使用した実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6、比較例1〜6の日焼け止めO/Wクリームに関して、実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6のO/Wクリームは、50℃、1か月では増粘、減粘がみられず安定であり、また3か月でも粘度変化がみられないか、もしくはわずかに増粘、もしくは減粘がみられる程度で非常に安定性が良く、また使用感に関しても、塗布時ののび広がりが良く後肌のきしみ感もなく、耐水性に優れ日焼け止め効果も非常に高いO/Wクリームであることがわかった。特に実施例2、5、7の微生物産生セルロースを添加した日焼け止めO/Wクリームは、50℃、3か月でも粘度変化がなく、非常に安定性の高い物であることがわかった。
また比較例1〜6に関しては、使用感については実施例に比べて少しべたつく、少しきしむなどの意見があり、「後肌のべたつきのなさ」「キシミ感のなさ」の項目で評価基準の点数が3点、2点が少しみられたが、「塗布時ののび広がりの良さ」、「汗や水に対する強さ」、「日焼け止め効果」については実施例と同等の点数であった。しかし、安定性に関しては、比較例1〜6は50℃、1か月ではわずかに増粘、もしくはわずかに減粘している程度だが、3か月後には、アニオン性高分子のみを配合した比較例1、2、3、5においては著しく増粘してゲルになっており、また非イオン性高分子を配合した比較例4、6は、水系の構造粘性が低いためか、明らかに減粘していた。
総合的にみると、水膨潤性粘土鉱物、微生物産生セルロース、寒天等の水膨潤性物質を配合した実施例2、5、7及び参考例1、3、4、6のO/Wクリームは、安定性、使用感、共に優れたものであり、特に微生物産生セルロースを配合した実施例2、5、7のO/Wクリームは、安定性に特に優れ、50℃、3か月でも粘度上昇、若しくは粘度低下がみられなかった。一方、通常のアニオン性高分子や非イオン性高分子を配合した比較例1〜6は、使用感においては実施例と比べてそれほど低い評価ではなかったが、経時での安定性は明らかに劣り、増粘、若しくは減粘がはっきり見られ、ゲル化、液状化がみられるものもあった。
下記組成のO/Wクリーム製剤を作成した。
参考例8〕(O/Wクリーム)
(成分) (%)
1.イソノナン酸イソトリデシル 15.8
2.シリコーン三次架橋体(注1) 4.0
3.イソステアリン酸ポリグリセリル−4(HLB:8.2) 0.2
4.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー 0.1
5.植物由来セルロース(2%aq)(注2) 5.0
6.ヒドロキシエチルセルロース 0.2
7.トリエタノールアミン 0.1
8.1,3−ブチレングリコール 5.0
9.酸化チタン水分散体I 5.0
10.精製水 64.6
(注1)シリコーン三次架橋体:9040 Silicone Elastomer Blend(東レ・ダウコーニング株式会社製)
(注2)植物由来セルロース:RHEOCRYSTA C−2SP(第一工業製薬株式会社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を均一に混合する。
B:成分4〜10を均一に混合する。
C:BにAを添加して乳化し、O/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた参考例8のO/Wクリームは、経時変化を起こさず安定で、また使用感に関しても、塗布時の肌へののび広がりが軽くなめらかで、後肌のべたつき感もキシミ感もなく、さらっとした感触の優れたO/Wクリームであった。
参考例9〕(日焼け止めO/Wクリーム)
(成分) (%)
1.イソノナン酸イソトリデシル 15.8
2.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
3.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
4.トリ(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル(注3) 0.5
5.ベヘニルアルコール 1.0
6.セスキイソステアリン酸ソルビタン (HLB4.5) 0.5
7.ステアリン酸グリセリル(SE) 0.7
8.ジステアリン酸ポリグリセリル−10 (HLB9.5) 0.5
9.カルボマー 0.1
10.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー 0.1
11.寒天(注4) 0.2
12.イソステアリン酸PEG−20ソルビタン (HLB15.0) 1.5
13.トリエタノールアミン 0.2
14.1,3−ブチレングリコール 5.0
15.エタノール 5.0
16.酸化チタン水分散体I 25.0
17.精製水 36.9
(注3)トリ(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル:ノムコートHK−G(日清オイリオグループ株式会社製)
(注4)寒天:ウルトラ寒天AX−100(伊那食品工業株式会社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に混合し、加熱溶解する。
B:成分9〜17を均一に混合し、加熱する。
C:BにAを添加して乳化し、冷却して日焼け止めO/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた参考例9の日焼け止めO/Wクリームは、経時変化を起こさず安定で、また使用感に関しても、塗布時の肌へののび広がりが良くなめらかで、後肌のべたつき感もキシミ感もなく、透明性が高く、白浮きがない、日焼け止め効果の持続性にも優れた日焼け止めO/Wクリームであった。
参考例10〕(日焼け止めO/Wクリーム)
(成分) (%)
1.水添ポリイソブテン 14.5
2.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
3.微粒子酸化亜鉛/ジカプリン酸プロピレングリコール分散体(注5) 15.0
4.ジイソステアリン酸ポリグリセリル−6 (HLB:8) 0.5
5.(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(注6)
0.8
6.イソステアリン酸PEG−20ソルビタン 1.0
7.植物由来セルロース(2%aq)(注2) 4.0
8.1,3−ブチレングリコール 8.0
9.酸化チタン水分散体I 25.0
10.精製水 26.2
(注5)微粒子酸化亜鉛/ジカプリン酸プロピレングリコール分散体:FINEX−30S−LPT(堺化学工業株式会社製:平均粒子径35nm)65g、ポリヒドロキシステアリン酸2g、ジカプリン酸プロピレングリコール33gを混合し、分散させた分散体(注6)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:SEPINOV EMT 10(SEPPIC社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合する。
B:成分5〜10を均一に混合する。
C:BにAを添加し、日焼け止めO/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた参考例10の日焼け止めO/Wクリームは、経時変化を起こさず安定で、また使用感に関しても、塗布時の肌へののび広がりが軽くなめらかで、後肌のべたつき感もキシミ感もなく、透明性が高く、白浮きがない、日焼け止め効果の持続性にも優れた日焼け止めO/Wクリームであった。
参考例11〕(日焼け止めO/Wクリーム)
(成分) (%)
1.イソノナン酸イソトリデシル 14.8
2.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
3.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
4.シリコーン三次架橋体(注1) 4.0
5.ベヘニルアルコール 1.0
6.セスキイソステアリン酸ソルビタン (HLB4.5) 0.5
7.ステアリン酸グリセリル(SE) 0.7
8.トリステアリン酸PEG−20グリセリル (HLB:8) 0.5
9.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(注7)
1.0
10.植物由来セルロース(2%aq)(注2) 6.0
11.ヒドロキシエチルセルロース(2%aq) 10.0
12.イソステアリン酸PEG−20ソルビタン 1.5
13.イソステアリン酸PEG−12 (HLB 12) 3.0
14.1,3−ブチレングリコール 10.0
15.微粒子酸化チタン(注8) 10.0
16.精製水 30.0
(注7) (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:SIM
ULGEL EG(SEPPIC社製)
(注8)微粒子酸化チタン:STR−100W−LPT(シリコーンで表面処理されているシリカ表面処理微粒子酸化チタン:粒子径短軸20nm、長軸100nmの紡錘状粒子)(堺化学工業株式会社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に混合し、加熱する。
B:成分12〜15を均一に混合し、成分9〜11、16を添加、加熱する。
C:BにAを添加して乳化し、冷却して日焼け止めO/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた参考例11の日焼け止めO/Wクリームは、経時変化を起こさず安定で、また使用感に関しても、塗布時の肌へののび広がりが良くなめらかで、後肌のべたつき感もキシミ感もなく、透明性が高く、白浮きがない、日焼け止め効果の持続性にも優れた日焼け止めO/Wクリームであった。
参考例12〕(日焼け止めO/Wクリーム)
(成分) (%)
1.水添ポリイソブテン 18.6
2.シリコーン三次架橋体(注1) 4.5
3.ベヘニルアルコール 0.7
4.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
5.ステアリン酸グリセリル(SE) 0.7
6.イソステアリン酸ポリグリセリル−4 (HLB:8.2) 0.5
7.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(注7)
1.2
8.植物由来セルロース(2%aq)(注2) 5.0
9.イソステアリン酸PEG−20ソルビタン 1.5
10.1,3−ブチレングリコール 5.0
11.エタノール 5.0
12.酸化チタン水分散体I 20.0
13.酸化亜鉛水分散体II 25.0
14.精製水 11.8
(製造方法)
A:成分1〜6を混合し、加熱する。
B:成分7〜14を均一に混合し、加熱する。
C:BにAを添加して乳化し、冷却して日焼け止めO/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた参考例11の日焼け止めO/Wクリームは、酸化亜鉛と酸化チタンが混合分散した系にも関わらず経時変化を起こさず安定で、また使用感に関しても、塗布時の肌へののび広がりが良くなめらかで、後肌のべたつき感もキシミ感もなく、透明性が高く白浮きのない、耐水性に優れ日焼け止め効果の持続性にも優れた有機紫外線吸収剤フリーの日焼け止めO/Wクリームであった。


本発明により、長期安定性に優れ。感触が良く、汗や水に強い、紫外線遮断効果の付与可能な水中油型乳化化粧料を得ることができる。

Claims (2)

  1. シリカを含む第一被覆層を有し、さらに最外表面を疎水性有機表面処理された微粒子無機
    粉体(A)及び微生物産生セルロースを含み、
    前記微粒子無機粉体(A)の平均粒子径は5〜200nmであ
    ことを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  2. 上記微粒子無機粉体は、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムからなる群より選択され
    る少なくとも1種である請求項記載の水中油型乳化化粧料。
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