JP2024004073A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを含む系において、優れた安定性、白浮きのなさを有する水中油型乳化化粧料を得る。また高い紫外線防御効果の日焼け止め化粧料を得る。【解決手段】(A)~(G)を含有する水中油型乳化化粧料。(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンと、(B)油と、(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル0.3質量%以上と、(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を含有するHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤と、(E)水溶性増粘剤、(F)多価アルコールと、(G)水【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。より詳しくは、本発明はアルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを含有した水中油型乳化化粧料に関する。
近年市場で多く使用されている日焼け止め化粧料は、塗布時にみずみずしく感じられる水中油型タイプが主流となっている。特に、肌により優しい化粧料が求められていることから、有機系紫外線吸収剤を配合しないノンケミカルタイプの日焼け止め化粧料が注目されている。このような水中油型・ノンケミカルタイプの日焼け止め化粧料では、高い紫外線防御効果を発揮するために、疎水化処理された無機粉体(微粒子酸化チタン等)を高配合することが一般的である。
しかしながら、無機粉体を多量に配合すると、無機粉体の凝集が生じて組成物が不安定になりやすく、また皮膚に塗布する時には無機粉体特有のきしみや白浮きが生じやすいという課題があった。
これらの課題を解決するために、様々な技術が提案されている。例えば、疎水化処理の紫外線散乱剤を水相と油相の両相に含有させた水中油型日焼け止め化粧料の技術が開示されている(例えば、特許文献1:特開2020-63228、特許文献2:特開2019-064966)。
特許文献1には、撥水性表面処理層を有する紫外線遮蔽性無機粉体を、水相及び油相の双方中に分散させ、さらにポリヒドロキシステアリン酸を含有することで、使用感に悪影響を与えることもなく、高い割合で紫外線遮蔽剤を安定して配合することができ、高い紫外線遮蔽能を有し、かつ、使用感にも優れたサンスクリーン剤を得られることが開示されている。
特許文献2には、内油相中に成分(A)疎水化処理された微粒子酸化亜鉛、外水相中に成分(B)疎水化処理された微粒子酸化チタンを含有し、さらに成分(C)疎水変性ポリエーテルウレタン、成分(D)ポリアクリルアミド化合物を含有する日焼け止め化粧料が、高い紫外線防御効果を示しながらも、みずみずしくジェル状の使用感を有する日焼け止め化粧料となることが開示されている。
特許文献1、2の発明によれば、高い紫外線防御能、みずみずしくべたつかない使用感については改善されている。しかしながら、皮膚に塗布した時の白浮きや、高温での安定性に関しては不十分であった。
また、これらの詳細な説明の欄には、シリコーン成分やシリコーン骨格成分による疎水化処理された無機粉体を用いる旨が開示されている。しかしながら、シリコーン成分以外の油剤やシリコーン骨格以外の成分によって疎水化処理された無機粉体を高配合した際の、組成物の性能については何ら示唆されていなかった。
一方、近年の自然派志向の風潮よりシリコーン成分を含まない化粧料を望む消費者も存在する。そのような方に向けた商品として、シリコーン成分を含有しない、かつ有機系紫外線吸収剤を含有しない日焼け止め化粧料が市場に増えている。しかしながら現時点で市販されている商品はいずれも紫外線散乱剤(酸化チタン等の無機粉体)が系の安定性を損なわない程度に少量配合されたものであり、高い紫外線遮蔽効果を実現するには至っていない。
近年の自然派志向にマッチする成分として、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンが提案されている。これらは、分散体としても市販されている。
しかしながら、アルミナ(酸化アルミニウム)又は水酸化アルミニウムで表面処理された酸化チタンは組成物を不安定化させるという課題があった。例えば、これを含有させた組成物は、時間の経過とともに化粧料の粘度が上昇したりゲル化したりして、安定性を損なっていた。
近年の自然派志向にマッチする成分として、アルミナ(酸化アルミニウム)又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンがあり、分散体としても市販されている。水中油型乳化タイプの日焼け止め化粧料の処方設計において、前記脂肪酸被覆酸化チタンは、処方開発設計者であれば第一に選択して配合したい成分である。本件発明者も継続して処方開発を検討しているが、これを含有させた組成物は、時間の経過とともに化粧料の粘度が上昇したりゲル化したりして、安定性を損なう問題に直面した。
アルミナ(酸化アルミニウム)又は水酸化アルミニウムで表面処理された酸化チタンが組成物を不安定化させる問題は先行技術にも記載され、それを解決する技術が提案されている。
例えば、特許文献3(WO2015/125622)には、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体を、特定の非イオン性界面活性剤(1,3-ブチレングリコールに透明溶解及び又は微濁(20質量%濃度、35℃)するもの)を選択することで、多価アルコール、水を含む水系中に均一に分散した分散体が得られることが記載され、化粧料とした時に粘度低下、ゲル化などの問題を起こすことなく、感触の良い撥水性の高い製剤となることが開示されている。
特許文献4(特開2016―74660号公報)には疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体(A)と、HLBが9.5以下であるポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルから選択される少なくとも一種の界面活性剤(B)と、少なくとも一種の水溶性高分子及び/又は水膨潤性高分子からなる水系増粘剤(C)とを含有し、最外層を疎水化処理した微粒子無機粉末を安定に水相に存在させることで、感触が良く、汗や水に強く、かつ、長期保存においても安定な製剤となることが開示されている。
しかしながら、これらの詳細な説明の欄には、好ましい疎水化処理がシリコーン処理であること、非イオン性界面活性剤がオルガノポリシロキサン系の界面活性剤であると開示されており、消費者が求めるシリコーンを含まないものは実現できていなかった。
また別の観点から、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献5:特許第6599987号、特許文献6:特許第6815093号)。
特許文献5には、水相と、該水相中に分散した油相と、該油相中に分散した粉体とを含み、前記油相が、(a)揮発性炭化水素油及び(b)不揮発性炭化水素油を合計で全油分に対して40質量%以上含み、かつ(a)揮発性炭化水素油と(b)不揮発性炭化水素油との配合量比率{(b)/(a)}が、0~2.5の範囲内であり、前記粉体が、高級脂肪酸と2価金属からなる金属石鹸処理又は高級脂肪酸と2価金属水酸化物との複合処理によって表面疎水化処理された粉体を含むことを特徴とする水中油型乳化化粧料が提案されている。製造が容易であり、なおかつ粉体の分散性及び安定性に優れた水中油型乳化化粧料になると説明されている。詳細な説明の欄には、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された酸化チタンでは組成物を不安定化させたことから、「高級脂肪酸と2価金属からなる金属石鹸処理又は高級脂肪酸と2価金属水酸化物との複合処理によって表面疎水化処理された粉体」を用いたことが開示されている(特許文献5の表3参照)。
特許文献6には、(A)カルボキシル基を有する表面処理剤で表面処理されてなる酸化チタン粒子を3質量%超20質量%以下と、(B)(メタ)アクリル酸またはスルホン酸由来の構成単位を有する水溶性高分子と、(C)HLBが6以上10以下のノニオン性界面活性剤及び(D)25℃で液体状である油剤とを含有する水中油型日焼け止め化粧料が開示されている。この発明によれば、紫外線散乱剤である酸化チタン粒子の配合安定性が良好であり、塗布時のきしみ感もなく、肌への伸びも良好で、塗布後の白残りが生じず、かつ落としやすい水中油型日焼け止め化粧料が得られることが開示されている。
しかしながら、これらの発明の効果は十分ではないという課題があった。
特開2020-63228号公報 特開2019-064966号公報 WO2015/125622公報 特開2016-74660号公報 特許第6599987号公報 特開2017-197434号公報
本発明はアルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを含む系において、優れた安定性、白浮きのなさを有する水中油型乳化化粧料を得ることを課題とする。さらに、高い紫外線防御効果の日焼け止め化粧料を得ることを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)(A)~(G)を含有する水中油型乳化化粧料。
(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンと、
(B)油と、
(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを0.3質量%以上と、(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を含有するHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤と、
(E)水溶性増粘剤と、
(F)多価アルコールと、
(G)水
(2)(A)脂肪酸被覆酸化チタンを構成する脂肪酸が、ステアリン酸及び/又はイソステアリン酸である(1)に記載の水中油型乳化化粧料
(3)(C)ショ糖脂肪酸エステルが、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースから選ばれる1以上を含むものである、(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
(4)(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの合計含有量がと、(D)の非イオン性界面活性剤の合計含有量の質量比C:Dが12:1~0.6:1である、(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
(5)(B)油が、ネオペンタン酸イソステアリル及び/又は(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含むものである(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
(6)(E)水溶性増粘剤がキサンタンガム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及び(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選ばれる1以上を含むものである(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
(7)(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを構成する酸化チタンの含有量が、水中油型乳化化粧料の全質量基準で9~20質量%である(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
(8)日焼け止め用途である(1)~(7)のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
本発明により、50℃2週間という過酷な条件下の保管で安定であり、皮膚に塗布したときに白浮きがない水中油型乳化化粧料が得られる。本発明の水中油型乳化化粧料は高い紫外線防御効果(UVA-PF、SPF)を有するので優れた日焼け止め化粧料が提供される。本発明によりシリコーン系界面活性剤、シリコーン油、有機紫外線吸収剤を含有しなくても優れた日焼け止め化粧料が得られるので、ノンケミカル・ノンシリコーン油の製品として有用である。
以下、本発明について実施の形態を挙げて説明していくが、本発明は以下の実施の形態に限定して解釈されるものではない。
〔水中油型乳化化粧料〕
本発明者は継続して処方開発研究に取り組み、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを紫外線散乱剤として含有させた系において、特定の非イオン性界面活性剤、増粘剤を組み合わせることで、50℃の高温安定性を有し、かつ肌に塗布したときに白くなりにくくみずみずしい使用感が得られることを見出した。そして、本発明の構成をとる化粧料は高い紫外線遮蔽効果(UVA-PF、SPF)を有するので、近年の自然派嗜好にマッチした、有機紫外線吸収剤の配合不要・ノンケミカルタイプの水中油型日焼け止め化粧料の提供を実現させた。
即ち、本発明は、(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンと、(B)油と、(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを0.3質量%以上と、(E)水溶性増粘剤と、(F)多価アルコールと、(G)水と、を含有する水中油型乳化化粧料に関する。なお、「アルミナ」とは化学式Alで表されるアルミニウムの酸化物であり、酸化アルミニウムと同義である。以下、各成分について説明していく。
(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタン
(A)成分のアルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンとは、アルミナ又は水酸化アルミニウム処理を施した酸化チタンを脂肪酸で被覆したものである。脂肪酸としてステアリン酸又はイソステアリン酸で被覆したものが好ましい。酸化チタンは微粒子であってもかまわない。
(微粒子)酸化チタンは耐候性を向上させ、分散媒との親和性を向上させるために、製造時にアルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理される。アルミナで処理すると親油性に優れるため好ましい。
アルミナ又は水酸化アルミニウム処理を施した酸化チタンは、ステアリン酸/イソステアリン酸と水又はアルコール等の溶媒と混合され、サンドグラインダーミル等の混合機によって粉砕混合されることによって、ステアリン酸/イソステアリン酸による被覆がなされる。
本発明ではさらに疎水化処理を施しても良いが、ノンシリコーンの製品とする場合は、ジメチコン等による被覆処理は施さないことが好ましい。(A)成分のアルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンは市販品を用いることができ、それを含む分散体が市販されている。本発明に適するものとして、以下が例示できる。いずれも、シリコーン、シリコーン系界面活性剤を含まない。
大日本化成株式会社製の商品名「コスメサーブ WP-62SP」
KOBOディスパテック製の商品名「MHLP50TIJN」
チタン工業株式会社製の商品名「TDE-57W-P」
テイカ株式会社製の商品名「FLT-12」
クローダジャパン株式会社社製の商品名「SolaveilXT-40W」
本発明の水中油型乳化化粧料には、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを構成する酸化チタンの含有量が、水中油型乳化化粧料の全質量基準で、9~20質量%、より好ましくは9~16質量%となるように、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンが添加されることが好ましい。含有量が9質量%を下回ると、紫外線遮蔽力が日焼け防止効果を発揮できない恐れが高まる。また20質量%を超えると白浮きが強くなってしまう恐れが高まるので好ましくない。
(B)油
(B)成分の油としては、化粧料に配合可能であれば特に制限なく種々の物を用いることができる。例えば、スクワラン、ラウリン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸、イソステアリン酸エチル、パルミチン酸エチルへキシル、ホホバ種子油、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、ネオペンタン酸イソステアリル等が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は混合物として用いることができる。エステル油を多く含有させると使用感の観点から好ましい。(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、ネオペンタン酸イソステアリルを含有させるとより好ましい。
本発明において、油の含有量は、水中油型乳化化粧料の全質量基準で14~18質量%が好ましい。14質量%未満では、安定性や白浮きのなさ、使用感を向上させる効果が得られにくく、18質量%を超えるとべたつきが強まるため好ましくない。
(C):ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル
(C):ショ糖脂肪酸エステルは、好ましくはラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースから選ばれる1以上を含むものである。別の(C):ソルビタン脂肪酸エステルは、好ましくはステアリン酸ソルビタンを含むものである。(C)の含有量は、化粧料全量に対し、0.3質量%以上含有する。(C)の含有量は化粧料全量に対し0.3~5質量%、0.5~4.5質量%、より好ましくは、0.7~4質量%であると好ましい。
(D)HLB12~16.5の非イオン性界面活性剤
本発明の水中油型乳化化粧料は、(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1以上を含有するHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤を含有する。
(D)成分のHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1以上を含有する。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、PEG-40水添ヒマシ油(HLB値12.5)、PEG-50水添ヒマシ油(HLB値13.5)、PEG-60水添ヒマシ油(HLB値14)、PEG-80水添ヒマシ油(HLB値15)、PEG-100水添ヒマシ油(HLB値16.5)が例示できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB値12)が例示できる。(D):HLB12~16.5の非イオン性界面活性剤は、水中油型乳化化粧料の全質量基準で0.1~4質量%、好ましくは0.2~3.5質量%、より好ましくは0.3~3質量%であると好ましい。
(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの合計含有量と、(D)の非イオン性界面活性剤の合計含有量の質量比C:Dは、12:1~0.6:1であると好ましい。
(E)水溶性増粘剤
(E)成分の水溶性増粘剤としては、化粧料に粘度を付与し、化粧料の系が安定化されるものであれば特に制限なく種々の物を用いることができる。例えば、キサンタンガム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及び(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選ばれる1以上を含むものであると好ましい。水中油型乳化化粧料の全質量基準で0.05~1.5質量%、より好ましくは0.1~1.2質量%含有すると好ましい。
(F)多価アルコール
(F)成分の多価アルコールとしては、化粧料に配合可能であれば特に制限なく種々の物を用いることができる。抗菌性の効果を有するものがより好ましい。例えば、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコールが例示できる。
(G)水
水中油型乳化化粧料において、(G)成分の水の含有量は、水中油型乳化化粧料の全質量基準で、30~70質量%、より好ましくは35~60質量%であると好ましい。
(任意成分)
水中油型乳化化粧料には、発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に通常用いられる成分、例えば、酸化防止剤、香料、保香剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤その他の美容成分、薬効成分などを配合することができる。
(シリコーン油、シリコーン系界面活性剤)
従来の日焼け止め化粧料は、乳化のタイプ(W/O型、O/W型等)を問わず、処方設計が比較的容易で安定性や使用感が良好な化粧料が得やすいことから、シリコーン表面処理酸化チタンのシリコーン油分散体、シリコーン油、シリコーン系界面活性剤が多用される傾向にあった。しかしながら、本発明の水中油型乳化化粧料には、シクロペンタシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロヘキサシロキサン等の揮発性の環状シリコーン油、直鎖の低分子シリコーン油、シリコーン表面処理酸化チタン等、シリコーンとして消費者に認識される成分を特段含有しなくても、安定で使用感の良好な化粧料が得られることが特徴である。さらにシリコーン油含有化粧料よりも白浮きが生じにくい傾向が認められた。この特性を生かして、本発明の技術はノンシリコーンの製品化に好ましく適用できる。なおシリコーン油の含有を排除するものではなく、任意成分として本発明に影響しない範囲で含有することができる。
(有機紫外線吸収剤)
本発明の水中油型乳化化粧料は、後述する測定方法・基準で普通レベル以上の日焼け止め効果を有する。したがって、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸等に代表される有機紫外線吸収剤は特段配合しなくても、目的に応じた十分な効果を有する日焼け止め化粧料となる。
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が非常に高い化粧料」;SPF50以上かつ、UVA-PF8以上
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が高い化粧料」;SPF30~49かつ、UVA-PF8以上
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が普通の化粧料」;SPF30~49、UVA-PF8以上のどちらかが達成していない。
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が弱めの化粧料」;SPF30未満、UVA-PF8未満
本発明の水中油型乳化化粧料は、優れた日焼け止め効果を有するので、日焼け止め化粧料に最適なだけでなく、日焼け止め用途の化粧下地、乳化ファンデーション、クリーム等とすることができる。
以下、実施例、比較例を示し、本発明を詳細に説明する。
表1A、表1B、表2に示す組成で水中油型乳化化粧料を調製した。得られた化粧料について外観観察(性状)、安定性、塗布した時の白浮きの有無を評価した。紫外線遮蔽効果は、UVA-PF、SPFを測定した。
<調製方法>
油相成分と水相成分を、夫々別の容器で加熱(80℃~90℃)混合した後、ホモミキサー等を用いて乳化し、水で室温まで冷却して水中油型乳化化粧料を得た。本試験では、酸化チタン水分散体は、冷却後に投入し混合した。
<試験>
各試料について、以下の項目を評価した。結果を各表に示す。
(作製直後の25℃での化粧料の性状)
作成直後に、ビーカーに入った状態で化粧料の外観を目視観察し、下記判定基準で評価した。
[判定基準]
○:良好(完全に均一な状態)
△:やや不良(一部不均一な状態)
×:不良(シャパシャパの液状、分離、全体的に不均一な状態(乳化不良)。或いはプルプルしたゲル状態)
(高温保管後の化粧料の性状(経時安定性))
作製した化粧料を直径3cmの透明ガラス瓶に充填後、50℃の恒温室に保管し、2週間後の化粧料の外観を目視観察し、下記判定基準で評価した。
[判定基準]
○:安定(完全に均一な状態)
△:やや不安定(一部不均一な状態)
×:不安定(完全に不均一な状態。或いは均一であってもプルプルしたゲル状態)
(白浮きのなさ)
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)製プレートに作製した水中油型乳化化粧料32.5mgを5cm×5cmの範囲に塗り伸ばし、5分間乾燥させた。その後黒色の背景下に置き、目視観察により白浮きのなさの程度を下記の判定基準で評価した。
[判定基準]
〇:白浮きが目立たない
△:やや白浮きする
×:白浮きする
(紫外線防御効果)
作製した水中油型乳化化粧料の紫外線防御効果について、SPFアナライザー(UV-2000S Labsphere社製)を用いて、In-VItroにおけるSPF値及びUVA-PF値を測定した。測定条件は、HELIOPLAATE SB6(Helioscreen社製)に、表1A、表1B、表2に記載のサンプルを1.3mg/cm2の割合で均一に塗布後、前記の測定機器を用いて、250~450nmの範囲におけるSPF値及びUVA-PF値を測定し、9点の平均値を算出した。表に記載の数値は平均値である。
なお、市場における日焼け止め効果の一般的な分類は、おおよそ下記のとおりである。
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が非常に高い化粧料」;SPF50以上かつ、UVA-PF8以上、
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が高い化粧料」;SPF30~49かつ、UVA-PF8以上、
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が普通の化粧料」;SPF30~49、UVA-PF8以上のどちらかが達成していない。
・「紫外線防御効果(日焼け止め効果)が弱めの化粧料」;SPF30未満、UVA-PF8未満
〔組成と試験結果〕
実施例1~29の組成と結果は、表1A、表1Bに示すとおりである。比較例1~6の組成と結果は表2に示すとおりである。なお、表にある※5、※6の混合原料中には、本発明の構成成分(C)が含まれている。(C)成分の欄には混合原料中の含有量を〔 〕内に示した。
実施例1~29(表1A、表1B)、比較例1~6(表2)の各化粧料は、いずれも(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを含有する組成である。
実施例1~19、実施例20~29の水中油型乳化化粧料は、(A)~(D)のすべてを含有する。
実施例25~28は脂肪酸被覆酸化チタンが分散体として水相か油相のどちらか一方に投入して調製されている(実施例25:油相、実施例26:油相、実施例27:油相、実施例28:水相)。
実施例29は(B)油:(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの他に、シリコーン油に相当するジメチコンを含有する組成である。
比較例6は(E)水溶性増粘剤を含有しない組成である。
実施例の結果から、(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンと、(B)油と、(C):ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル0.3質量%以上と、(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を含有するHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤と、(E)水溶性増粘剤と、(F)多価アルコールと、(G)水と、を含有した水中油型乳化化粧料とすることで、50℃2週間という過酷な条件下の保管で安定であり、皮膚に塗布したときに白浮きがない化粧料が得られることが分かった。そして高い紫外線防御効果(UVA-PF、SPF)を有したので、目的に応じた優れた日焼け止め化粧料として提供できることが分かった。
本試験では紫外線防御効果が普通レベル、高いレベル、非常に高いレベルが実現できた。本発明の構成をとることでシリコーン系界面活性剤、シリコーン油、有機紫外線吸収剤を含有しなくても優れた日焼け止め化粧料が得られたので、ノンケミカル・ノンシリコーン油の製品として有用なことが分かった。
実施例25~28は脂肪酸被覆酸化チタンが分散体として水相か油相のどちらか一方に投入して調製されたものであるが(実施例25:油相、実施例26:油相、実施例27:油相、実施例28:水相)、いずれも紫外線防御効果は普通レベルであった。乳化して化粧料となった後においても、投入しなかった相には脂肪酸被覆酸化チタンが理論上はほとんど存在しないため紫外線防御効果が普通レベルになったと考えられる。
商品の目的や製造設備の都合等に応じて、両相に投入するか、どちらか一方の相に投入するかを選択すればよいことが分かった。高い紫外線防御効果を望む場合は、(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンは、油相と水相の両相に含有させることが良いことが分かった。
実施例29は(B)油:(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの他に、シリコーン油に相当するジメチコンを含有する組成であるが若干塗布した時に白浮きが感じられた。より白浮きを発生させたくない場合は、シリコーンフリーがよいことが分かった。
比較例1~5は(A)~(D)のすべてを含有するが、(C)の含有量が0.3質量%に満たない組成である。安定性試験において、分離はなかったものの「プルプルしたゲル状態」となり、今回最大の課題とした高温安定性(経時安定性)が不良であった。
比較例6は(E)水溶性増粘剤を含有しない組成であるが、シャパシャパであり化粧料として成り立たなかった。
本発明により、アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを含む系において、優れた安定性、白浮きのなさを有する水中油型乳化化粧料を得ることができた。さらに、高い紫外線防御効果の日焼け止め化粧料を得ることができた。
本発明により、50℃2週間という過酷な条件下の保管で安定であり、皮膚に塗布したときに白浮きがない水中油型乳化化粧料が得られた。本発明の水中油型乳化化粧料は高い紫外線防御効果(UVA-PF、SPF)を有するので、優れた日焼け止め化粧料が提供された。本発明は、シリコーン系界面活性剤、シリコーン油、有機紫外線吸収剤を含有しなくても優れた日焼け止め化粧料が得られるので、ノンケミカル・ノンシリコーン油の製品として有用である。

Claims (8)

  1. (A)~(G)を含有する水中油型乳化化粧料。
    (A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンと、
    (B)油と、
    (C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステル0.3質量%以上と、
    (D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を含有するHLB12~16.5の非イオン性界面活性剤と、
    (E)水溶性増粘剤と、
    (F)多価アルコールと、
    (G)水
  2. 前記(A)脂肪酸被覆酸化チタンを構成する脂肪酸が、ステアリン酸及び/又はイソステアリン酸である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記(C)ショ糖脂肪酸エステルが、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースから選ばれる1以上を含むものである請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. 前記(C)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの合計含有量と、(D)の非イオン性界面活性剤の合計含有量の質量比C:Dが12:1~0.6:1である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  5. 前記(B)油が、ネオペンタン酸イソステアリル及び/又は(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含むものである請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  6. 前記(E)水溶性増粘剤が、キサンタンガム、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及び(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選ばれる1以上を含むものである請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  7. 前記(A)アルミナ又は水酸化アルミニウムで表面処理された脂肪酸被覆酸化チタンを構成する酸化チタンの含有量が、水中油型乳化化粧料の全質量基準で9~20質量%である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  8. 日焼け止め用途である請求項1~7のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
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