JP2022064534A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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JP2022064534A JP2020173233A JP2020173233A JP2022064534A JP 2022064534 A JP2022064534 A JP 2022064534A JP 2020173233 A JP2020173233 A JP 2020173233A JP 2020173233 A JP2020173233 A JP 2020173233A JP 2022064534 A JP2022064534 A JP 2022064534A
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Abstract

【課題】油中水型乳化化粧料において、乳化安定性を向上すべく油相増粘剤を多量に含有すると特有のべたつき感を生じる。そこで、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料が望まれている。【解決手段】下記成分(A)~(D)を含有することで、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を提供することができる。(A)シクロデキストリン及びその水溶性誘導体からなる群より選択される少なくとも1種(B)HLB値7以下のポリエーテル変性シリコーン(C)油剤(D)水【選択図】図2

Description

本願発明は、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料に関する。
HLB値が7以下のポリエーテル変性シリコーンは、主にオルガノポリシロキサン、いわゆるシリコーン類を油剤とした油中水型乳化化粧料に乳化剤として汎用されるが、低分子活性剤と比較して油水界面配向性が低く、特に高温経時において著しく乳化安定性が低下することが知られている。そこで、経時的な乳化安定性を向上するために、ポリエーテル変性シリコーンを多量に配合すると、高分子乳化剤特有のべたつきを生じ、使用感の点で好ましくない。
こうした課題に対して、有機変性粘土鉱物やデキストリン脂肪酸エステルなどの油相増粘剤を用いて経時的な乳化安定性の向上が試みられている(例えば特許文献1、2)。しかしながら、こうした乳化組成物は、油相増粘剤特有のべたつきを生じ、使用感の点で好ましくない。
シクロデキストリンは、グルコースを基本単位とした環状分子であるが、環の外側が親水性である一方、その内部空孔は疎水性を示す。このような特徴を利用して、水中に分散させたγ-シクロデキストリンの内部空孔に、油剤を包接した水中油型乳化組成物が開示されている(特許文献3、4)。また、特許文献5には、α、β及びγ型の3種のシクロデキストリン混合物と、ポリエチレングリコール及び各種油性成分を含有する水中油型乳化組成物が開示されている。これらの発明は水中油型乳化組成物において、使用感を向上するために、界面活性剤を使用しない、もしくはその使用量を低減させることを目的として検討がなされている。
シクロデキストリンは上述の通り、親水性であることから、シクロデキストリンの包接作用を利用した乳化は、専ら水中油型乳化組成物において利用されており、油中水型乳化組成物においてはほとんど検討がなされていなかった。特許文献6には、シクロデキストリンをエアゾール型の油中水型デオドラントスプレーに適用した発明が開示されているが、当該発明におけるシクロデキストリンの利用は、シクロデキストリンの特性である臭い成分を包接することによる防臭、消臭効果を期待したものである。
このような背景の下、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料が望まれている。
特開平11-5712号公報 特開2001-187711号公報 特開2000-230078号公報 特開2015-134881号公報 特開平9-315937号公報 特開2020-75892号公報
本願発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。
かかる実情において、本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記成分(A)~(D)を含有する油中水型乳化化粧料において、良好な使用感、及び乳化安定性を有することを見出し、本願発明を完成するに至った。
(A)シクロデキストリン及びその水溶性誘導体からなる群より選択される少なくとも1種
(B)HLB値7以下のポリエーテル変性シリコーン
(C)油剤
(D)水
本願発明は、シクロデキストリン及びその水溶性誘導体、ポリエーテル変性シリコーン、油剤、及び水を必須成分として含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料を提供するものである。本願発明によれば、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を提供することができる。
本願発明は、特に高温経時における乳化安定性が非常に高く、かつ使用感が良好であることを特徴とする油中水型乳化化粧料を提供するものである。
実施例1で得られた調製直後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像 実施例1で得られた50℃1ヶ月後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像 比較例1で得られた調製直後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像 比較例1で得られた50℃1ヶ月後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像
以下本願発明の、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本願発明によれば、従来、乳化安定性向上のために利用されている油相増粘剤の含有量を低減することができるため、使用感と乳化安定性がともに優れた油中水型乳化化粧料を提供することができる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(A)は、通常、化粧料に用いられるシクロデキストリン及びその水溶性誘導体であれば特に限定されない。例えば、汎用されるα型、β型、及びγ型のシクロデキストリン及びその水溶性誘導体が挙げられ、水溶性誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン、マルトシルシクロデキストリン、カルボキシメチルシクロデキストリン、スルホキシルシクロデキストリン、スルホキシエチルシクロデキストリン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。また、これらのシクロデキストリン及びその水溶性誘導体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本願発明の油中水型乳化化粧料においては、水中にシクロデキストリンが十分量溶解していることが重要となるが、β-シクロデキストリンは著しく水溶性が低いことから、本願発明の構成成分(A)としては、α-シクロデキストリン及び/又はγ-シクロデキストリン及びその水溶性誘導体からなる群より選択されることがより好ましく、また、本願発明の構成成分(B)との相互作用を効果的にもたらす最適な空孔サイズを有するα-シクロデキストリン及びその水溶性誘導体からなる群より選択されることが最も好ましい。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(A)の含有量は、特に限定されないが、0.01~10重量%である。より好ましくは0.1~5重量%であり、最も好ましくは1~3重量%である。0.01重量%より少ないと、乳化安定性が不十分であり、10重量%よりも多いと使用感に影響を及ぼす恐れがある。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)は、主に乳化剤として作用するが、本願発明の油中水型乳化化粧料中においては、油水界面において構成成分(A)と相互作用することで界面配向性が高まり、乳化安定性を著しく向上するものである。すなわち、水溶性の構成成分(A)に対して、構成成分(B)は油中分散性が高いことが好ましいため、低HLB値のポリエーテル変性シリコーンを好適に用いることができる。具体的にはHLB値が7以下のポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。HLB値が7よりも高いポリエーテル変性シリコーンを用いると、構成成分(A)との相互作用によって、より水中に局在分散してしまい、本願発明の効果を得ることができない。尚、本願明細書中に記載されるHLB値は、親水性-親油性のバランス(Hydrophile-Lipophile Balance)を示す指標であるが、その記載に関しては該当成分の原料カタログに記載された数値を採用した。原料カタログに記載がない場合は下記数式1に定義されるグリフィン法に基づき算出する。
Figure 2022064534000002
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)は、通常、化粧料に用いられるHLB値が7以下のポリエーテル変性シリコーンであれば特に限定されない。例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。また、これらのポリエーテル変性シリコーンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)として用いられるポリオキシアルキレン変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するものが挙げられる。その他、オルガノポリシロキサンと、ポリオキシアルキレン鎖とが両末端で直鎖状に連結したABnタイプのブロック共重合体や、オルガノポリシロキサンの両末端にポリオキシアルキレン鎖が直鎖状に結合したABAタイプのブロック共重合体等が挙げられる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)として用いられるポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基、及びアルキル基を有するものが挙げられる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)として用いられるポリグリセリン変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリグリセリン基を有するものが挙げられる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)として用いられるポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリグリセリン基、及びアルキル基を有するものが挙げられる。
これらの中でも、特にポリオキシアルキレン変性シリコーン、及びポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンが好ましく、具体的には、ポリシリコーン-13、PEG-3ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が該当し、市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のDOWSIL FZ-2233、信越化学工業社製のKF-6015、KF-6017、KF-6028、KF-6048、KF-6038等が挙げられる。これらの中でも、ABnタイプのブロック共重合体が最も好ましく、具体的には、ポリシリコーン-13等が該当する。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(B)の含有量は、特に限定されないが、0.05~15重量%である。より好ましくは0.1~10重量%であり、最も好ましくは1~7.5重量%である。0.05重量%より少ないと、乳化安定性が不十分であり、15重量%よりも多いと使用感に影響を及ぼす恐れがある。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(C)は、通常、化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されない。例えば、イソドデカン、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン等の炭化水素類、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール等の高級アルコール類、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等のエステル類、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ラノリン等の動植物性油脂、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類、ビーズワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ等のロウエステル類、鎖状又は環状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。また、これらの油剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
従来、油中水型乳化化粧料においては、主に良好な使用感付与の観点から揮発性の環状シリコーン油が汎用されてきたが、本願発明の油中水型乳化化粧料においては、本願発明の構成成分(C)として当該環状シリコーン油を含有することなく良好な使用感、及び乳化安定性を得ることができる。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(C)の含有量は、特に限定されないが、5~85重量%である。より好ましくは15~75重量%であり、最も好ましくは25~65重量%である。5重量%より少ないと乳化安定性が低下する恐れがあり、85重量%よりも多いと相対的に内相である水の含有量が少なくなり、構成成分(A)の溶解性に影響を及ぼす恐れがある。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(D)の含有量は、特に限定されないが、5~85重量%である。より好ましくは15~75重量%であり、最も好ましくは25~65重量%である。5重量%より少ないと構成成分(A)の溶解性に影響を及ぼす恐れがあり、85重量%よりも多いと乳化安定性が低下する恐れがある。
本願発明において、さらに、成分(E)カチオン性第四級アンモニウム中心を有する双生イオンを含有することで、乳化安定性を向上することができる。カチオン性第四級アンモニウム中心を有する双生イオンとしては、ベタイン類が好適に用いられる。ベタイン類としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)の他、ベタインのアミノ基をメチル基以外の置換基で修飾したベタイン化合物等が挙げられる。ベタイン化合物としては、例えばポリメタクリロイルエチルベタイン等が該当する。
本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する構成成分(E)の含有量は、特に限定されないが、0.001~5重量%である。より好ましくは0.01~3重量%であり、最も好ましくは0.1~1重量%である。この範囲内で構成成分(E)を含有することで、乳化安定性を向上することができる。
また、本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する上記成分に加えて、化粧料において一般的に用いられる粉体を含有してもよく、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の無機粉末、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー等の有機粉末等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉末はフッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤、脂肪酸、ワックス等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いてもよい。
また、本願発明の油中水型乳化化粧料に含有する上記成分に加えて、発明の効果を損なわない範囲で、その使用目的に応じて、化粧料において一般的に用いられるその他の成分を含有してもよく、例えば、保水剤、界面活性剤、香料、薬効成分、清涼剤、紫外線吸収剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、美容成分等が挙げられる。
ただし、上記保水剤のうち、ポリエチレングリコールは本願発明の乳化安定性向上効果を阻害する要因となるため含有しないことが好ましい。
本願発明の油中水型乳化化粧料は、通常の乳化化粧料を製造する装置を使用し、構成成分を撹拌混合して調製される。具体的には、構成成分(B)、及び(C)を含む油相を、適宜加温しながら均一に分散又は溶解する。これとは別に、構成成分(A)、及び(D)を含む水相を、適宜加温しながら均一に分散又は溶解する。得られた油相に水相を徐々に加えて均一に分散させることにより本願発明の油中水型乳化化粧料が調製される。
以下、実施例により本願発明の油中水型乳化化粧料をさらに詳細に説明するが、本願発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。尚、表中の数値は含有量(重量%)を意味する。また、実施例、及び比較例中のHLB値は各社原料パンフレット(ビューティーケア用 乳化・分散剤セレクションガイド 2014年3月発行(東レ・ダウコーニング社)、化粧品用シリコーン 2018年10月発行(信越化学工業社)、化粧品用シリコーンガイド 2017年5月発行(旭化成ワッカーシリコーン社))を参照した。
(実施例1~25及び比較例1~6)
下記表1~4に示す処方、及び下記調製方法により油中水型乳化化粧料を製造した。得られた各試料について、下記評価方法により使用感、及び乳化安定性を評価し、これらの結果も併せて表1~4に記載した。
(調製方法)
表1~4に示す油相部、及び水相部を常温にてそれぞれ均一に分散又は溶解させた後に、水相部を油相部へ撹拌しながら徐々に添加し、ホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化し、油中水型乳化化粧料を得た。
(使用感評価方法)
20~40代の化粧品専門パネル10名により、下記実施例、及び比較例の油中水型乳化化粧料を手の甲、あるいは頬部に直接塗布した際の使用感の良さについて、特にべたつきの無さに着目して評価をおこなった。以下の評価基準により各々が評点を付し、油中水型乳化化粧料ごとに評点の平均点を算出して、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔使用感〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
(乳化安定性評価方法)
下記実施例、及び比較例の油中水型乳化化粧料を、50℃に保たれた恒温槽中において1ヶ月間静置した後に外観、及び乳化粒子径について評価をおこない、以下の判定基準に従って判定した。尚、乳化粒子径は、光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX-2000:キーエンス社製)を用いて500倍にて観察し、画像解析により算出した。
<判定基準>
〔外観、及び乳化粒子径〕 〔判定〕
外観上、上澄みがなく、乳化粒子径が5μm以下で均一 ◎
外観上、上澄みが多少あるが、乳化粒子径が5μm以下で均一 〇
外観上、上澄みがあり、乳化粒子径が5μmより大きく不均一 △
外観上、明らかに分離しており、乳化粒子径が5μmより大きく不均一 ×
Figure 2022064534000003
※1:KF-6017(信越化学工業社製)HLB値4.5
表1の結果より、実施例1~7において使用感、及び乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料が得られた。また、構成成分(A)の最も好ましい含有量範囲内である実施例1~3の油中水型乳化化粧料については、特に使用感、及び乳化安定性に優れたものであった。一方、構成成分(A)を含有しない比較例1では、乳化安定性が非常に悪い結果であった。また、構成成分(B)を含有しない比較例2では、乳化することができなかった。乳化安定性評価の一例として、実施例1で得られた調製直後、及び50℃1ヶ月後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像を図1、及び図2に、比較例1で得られた調製直後、及び50℃1ヶ月後の油中水型乳化化粧料の光学顕微鏡像を図3、及び図4にそれぞれ示した。
Figure 2022064534000004
表2の結果より、実施例8~11においても、使用感、及び乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料が得られた。ここで、表1の実施例2と表2の実施例9とを比較すると、構成成分(A)としてα-シクロデキストリンを含有する実施例2の方が、β-シクロデキストリン誘導体を含有する実施例9よりも乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。同様に、表1の実施例2と表2の実施例11を比較すると、α-シクロデキストリンを含有する実施例2の方が、γ-シクロデキストリンを含有する実施例11よりも乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。
Figure 2022064534000005
※2:DOWSIL FZ-2233(東レ・ダウコーニング社製)HLB値3
※3:KF-6038(信越化学工業社製)HLB値3
※4:WO5000(旭化成ワッカーシリコーン社製)HLB値6~7
表3の結果より、実施例12~21においても、使用感、及び乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料が得られた。また、構成成分(B)の最も好ましい含有量範囲内である実施例12、及び実施例13の油中水型乳化化粧料については、特に使用感、及び乳化安定性に優れたものであった。ここで、表1の実施例4と表3の実施例18を比較すると、ABnタイプのブロック共重合体であるポリシリコーン-13を含有する実施例18の方が、側鎖変性型のポリオキシアルキレン変性シリコーンであるPEG-10ジメチコンを含有する実施例4よりも乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。さらに、実施例19と実施例21を比較すると、構成成分(B)としてポリオキシアルキレン変性シリコーン、及びポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンを含有する実施例19の方が、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンのみを含有する実施例21よりも乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。一方で、ポリグルコシド(ショ糖)変性シリコーンを含有する油中水型乳化化粧料(比較例3、及び比較例4)では、シクロデキストリンを含有することによる乳化安定性の向上効果は得られなかった。
Figure 2022064534000006
※5:アミノコート(旭化成ファインケム社製)
※6:PEG#400(日油社製)
表4の結果より、実施例22~25においても、使用感、及び乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料が得られた。極性の大きく異なる混合油剤を含有する実施例22、及び実施例23においても良好な油中水型乳化化粧料が得られた。また、表3の実施例14と表4の実施例24を比較すると、本願発明の構成成分(E)に該当するベタインを含有する実施例24の方が、含有しない実施例14よりも乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。従来、ベタインは保湿効果付与を目的として配合されるが、本願発明の構成成分(A)~(E)を組み合わせることによって、油中水型乳化化粧料の乳化安定性が相乗的に向上することが示された。一方で、表3の実施例12と表4の比較例6を比較すると、ポリエチレングリコールを含有する比較例6において著しく乳化安定性を低下させることが分かった。
実施例26:化粧下地
成分名 含有量(重量%)
1.イソドデカン 10.00
2.ジメチコン(10cSt) 10.00
3.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.00
4.イソノナン酸イソトリデシル 6.00
5.リンゴ酸ジイソステアリル 2.00
6.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
7.PEG-10ジメチコン(※1) 1.50
8.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(※3) 1.00
9.シリコーン処理微粒子酸化チタン 5.00
10.シリコーン処理黄酸化鉄 0.34
11.シリコーン処理赤酸化鉄 0.06
12.シリコーン処理黒酸化鉄 0.005
13.ジメチルシリル化シリカ 0.30
14.精製水 残余
15.α-シクロデキストリン 1.25
16.1,3-ブチレングリコール 10.00
17.メチルパラベン 0.30
合計100.00
(調製方法)
成分1~13を常温にて均一に分散して油相部とした。成分14~17を常温にて均一に分散して水相部とした。得られた水相部を油相部へ撹拌しながら徐々に添加し、ホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化し、化粧下地を得た。
実施例27:リクイドファンデーション
成分名 含有量(重量%)
1.イソドデカン 25.00
2.ジメチコン(10cSt) 8.00
3.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.00
4.イソノナン酸イソトリデシル 2.00
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
6.ポリシリコーン-13(※2) 3.00
7.シリコーン処理顔料級酸化チタン 5.00
8.シリコーン処理微粒子酸化チタン 5.00
9.シリコーン処理黄酸化鉄 1.68
10.シリコーン処理赤酸化鉄 0.25
11.シリコーン処理黒酸化鉄 0.16
12.ジメチルシリル化シリカ 0.50
13.精製水 残余
14.γ-シクロデキストリン 3.00
15.エタノール 8.00
16.1,3-ブチレングリコール 2.00
17.ペンチレングリコール 1.00
18.キサンタンガム 0.10
合計100.00
(調製方法)
成分1~12を常温にて均一に分散して油相部とした。成分13~18を常温にて均一に分散して水相部とした。得られた水相部を油相部へ撹拌しながら徐々に添加し、ホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化し、リクイドファンデーションを得た。
実施例28:クリームファンデーション
成分名 含有量(重量%)
1.イソドデカン 8.00
2.ジメチコン(10cSt) 3.00
3.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.00
4.イソノナン酸イソトリデシル 5.00
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
6.ポリシリコーン-13(※2) 1.50
7.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(※3) 1.50
8.シリコーン処理顔料級酸化チタン 10.00
9.シリコーン処理微粒子酸化チタン 5.00
10.シリコーン処理黄酸化鉄 1.68
11.シリコーン処理赤酸化鉄 0.25
12.シリコーン処理黒酸化鉄 0.16
13.ジメチルシリル化シリカ 1.00
14.精製水 残余
15.ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン 2.00
16.1,3-ブチレングリコール 10.00
17.ペンチレングリコール 1.00
18.キサンタンガム 0.30
合計100.00
(調製方法)
成分1~13を常温にて均一に分散して油相部とした。成分14~18を常温にて均一に分散して水相部とした。得られた水相部を油相部へ撹拌しながら徐々に添加し、ホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化し、クリームファンデーションを得た。
実施例26~28も使用感、及び乳化安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。
本願発明は、シクロデキストリン及びその水溶性誘導体、ポリエーテル変性シリコーン、油剤、及び水を必須成分として含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料を提供するものである。本願発明によれば、使用感、及び乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 下記成分(A)~(D)を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料
    (A)シクロデキストリン及びその水溶性誘導体からなる群より選択される少なくとも1種
    (B)HLB値7以下のポリエーテル変性シリコーン
    (C)油剤
    (D)水
  2. 成分(A)が、α-シクロデキストリン及びその水溶性誘導体であることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化化粧料
  3. 成分(B)が、ポリオキシアルキレン変性シリコーンから選択される少なくとも1種、及びポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料
  4. 成分(C)が、環状シリコーン油を含有しないことを特徴とする請求項1~3いずれか一項記載の油中水型乳化化粧料
  5. さらに成分(E)カチオン性第四級アンモニウム中心を有する双生イオンを含有することを特徴とする請求項1~4いずれか一項記載の油中水型乳化化粧料
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