JP6725797B2 - 型盤、型締装置、射出成形機 - Google Patents
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Description
型盤を大型化するには、特に型盤の金型取付面側の変形を防ぐため、型盤を補強する必要がある。型盤を補強する例としては、例えば特許文献1に開示される、型盤の金型取付面の背面側にリブを設ける構造や、例えば特許文献2に開示される、型盤を箱型とし、その内部にリブを設ける構造が知られている。
本発明の型盤において、縦横補強リブは、筒状リブから離れる向きに肉厚が一定であってもよいし、又は、筒状リブから離れるのにつれて肉厚を薄くしもよい。
この開口部は、背面プレートよりも金型プレートの剛性が高くなるように形成されている、ことが好ましい。
L/2≦L1≦L
0≦L2≦L/2
また、本発明は、金型が取り付けられる一対の型盤と、金型を開閉するため、一対の型盤の少なくとも一方を他方に対して進退移動させる型盤駆動部と、金型のキャビティに成形材料を射出する射出シリンダと、を備える射出成形機を提供するが、一対の型盤の一方又は双方について、以上で説明した型盤を用いることができる。
一方で、縦横補強リブは背面プレートと接続されていないか、接続されていても接続長さが短いので、背面プレートに縦横補強リブからの変位・変形が伝わらないか、伝わったとしても背面プレートの変位・変形を小さくできる。したがって、本発明に係る型盤によれば、軽量化しても背面プレートを厚くして剛性を上げる必要がない。
射出成形機1の型締装置は、図1に示すように、基台18に固定型盤2が取り付けられ、固定型盤2に固定金型4が取り付けられている。固定金型4に対向する可動金型5は、基台18に敷設されたガイドレール19に案内され、図示を省略するリニアベアリングを介して固定型盤2に対向して移動する可動型盤3に取り付けられている。可動型盤3を進退移動させることで金型の開閉は油圧シリンダ22による油圧駆動力が用いられる。
なお、本実施例では、可動型盤3を進退移動させるアクチュエータとして油圧駆動の油圧シリンダ22にて例示したが、油圧シリンダではなくサーボモータなどの電動モータ駆動のボールねじなどを使用しても支障はない。また可動型盤3の支持構造をガイドレール19とリニアベアリングを使用する例を示すが、ガイドレール19とリニアベアリングの代わりに、シューと摺動盤を使用しても支障はない。
なお、本実施形態では、タイバー15の先端部と半割ナット17との噛み合い部分をねじ溝15Aとしているが、ねじ溝15Aの溝形状は、三角ねじ、台形ねじなどの螺旋溝や、ノコ歯状などの平行溝など、半割ナット17とタイバー15とを、軸方向に締結できる溝形状であれば支障はない。また本実施形態では、型締油圧シリンダを内蔵する固定型盤と半割ナットを配置された可動型盤の例を示したが、トグル式型締装置のような型締油圧シリンダを内蔵しない固定型盤と半割ナットを備えていない可動型盤を本発明に適用しても支障ない。
射出成形機1は、固定金型4と可動金型5が型締されることによって形成された金型キャビティの中に溶融樹脂を射出する。成形品が冷却固化した後は、可動金型5は固定金型4との型締結合を解き、移動用の油圧シリンダ22の作動により固定金型4から離れて成形品を取出すようになっている。
なお、本実施形態では、射出装置および可塑化装置のアクチュエータとして電動モータ駆動のボールねじの例を示したが、射出装置のアクチュエータは、油圧駆動の油圧シリンダを使用しても支障ない。
次に、本実施形態に係る固定型盤2及び可動型盤3の構造などを説明する。ここで、固定型盤2と可動型盤3との区別を行う必要がある場合を除き、固定型盤2、可動型盤3を型盤30と総称することがある。なお、以下においては、固定型盤2をまず例に挙げて型盤30の構造を説明する。なお、型盤30は所定の金属材料を鋳造または板金溶接して一体に成形される、箱型の型盤である。
さらに、金型プレート31と背面プレート32の間には、四つの対角補強リブ37が設けられている。それぞれの対角補強リブ37は、金型プレート31と背面プレート32の対角線方向に延びており、四隅の連結部33のそれぞれと筒状リブ34とを繋いでいる。それぞれの対角補強リブ37は、互いに略90°の間隔を隔てて十字状に配列されている。なお、対角補強リブ37は四隅の連結部33を連結する機能を有していればその形状は任意であり、型盤30が横長形状、あるいは縦長形状の矩形である場合は、対角補強リブ37は互いに90°以上あるいは90°以下の間隔を隔てて十字状に配列されても支障ない。
それぞれの縦補強リブ38Aは、金型プレート31と背面プレート32の上縁の中点と下縁の中点を結ぶ方向(鉛直方向中心線)に沿って設けられている。また、それぞれの横補強リブ38Bは、金型プレート31と背面プレート32の左縁の中点と右縁の中点を結ぶ方向(水平方向中心線)に沿って設けられている。縦補強リブ38Aは鉛直方向(第一方向)に沿って設けられるとともに横補強リブ38Bは水平方向(第二方向)に沿って設けられ、互いに直交するように十字状に配列されている。なお、縦補強リブ38Aと横補強リブ38Bを区別する必要のない場合には、縦横補強リブ38と総称する。
例えば、開口部40は、中心線Cに対し、背面プレート32側にオフセットした位置Sを中心として、金型プレート31側が半径R2(図示せず)の半円弧状部40Aとされ、背面プレート32側は半径R1(図示せず)の円弧部40Bと、背面プレート32に平行な直線部40Cとされている。ここで、R2>R1とされている。
このような開口部40は、半円弧状部40Aと円弧部40Bの接点、すなわち位置Sに対し、金型プレート31側の高さが背面プレート32側の高さより大きく設定される。
また、半円弧状部40A及び円弧部40Bのそれぞれの、金型プレート31に平行な方向の寸法をL4、L3(図示せず)とすると、L4>L3とされている。
縦横補強リブ38は、鋳造により型盤30として他の部分と一体的に形成される。縦横補強リブ38は、図8(a)に示すように、金型プレート31と繋がる第一接続辺39Aと、筒状リブ34と繋がる第二接続辺39Bと、背面プレート32と繋がる第三接続辺39Cと、を備えている。
L/2≦L1≦L 第1条件
0≦L2≦L/2 第2条件
L1/2≧L2 第3条件
また、第1条件は、第一接続辺39Aが金型プレート31と繋がる最小の寸法がL/2であることを特定している。寸法L1をL/2よりも小さくすると、第一接続辺39Aよりも外周側の金型プレート31の背面に縦横補強リブ38がないため、金型プレート31を薄くした際に第一接続辺39Aよりも外周側において金型プレート31の変形が発生し易くなる。この場合、金型プレート31を薄くしたとしても剛性を確保するという、縦横補強リブ38による本発明の機能・効果が十分に得られないからである。なお、L1=L/2の例が図8(b)に実線として示されている。
寸法L1は、好ましくは3L/4以上であり、最も好ましくはL1=Lである。
また、第2条件は、第三接続辺39Cが背面プレート32と繋がったとしても、その最大の寸法がL/2であることを特定している。この場合、金型プレート31に取り付けられた固定金型4を型締めした際に金型プレート31に発生する変形が背面プレート32に伝わる部位を、縦横補強リブ38が筒状リブ34と連結されているために、撓み変形が小さい第二接続辺39B近傍に限定できる。これにより、背面プレート32への変形の影響を小さく抑えることができる。
例えば、寸法L2がL2=Lを満たすように縦横補強リブ38を構成すれば、固定金型4を取り付けて型締めする際に金型プレート31に生ずる荷重の相当程度が背面プレート32に伝わり型盤30全体を大きく変形させてしまう。
T1<T2 第4条件
T2/4≦T1≦T2/2 第5条件
また、第5条件は、縦横補強リブ38の肉厚は、対角補強リブ37の肉厚の1/4以上であることが好ましいことを特定している。これは、縦横補強リブ38の肉厚がこれよりも薄くなると、縦横補強リブ38の機能を十分に発揮できなくなるからである。
また、第5条件は、縦横補強リブ38の肉厚は、対角補強リブ37の肉厚の1/2以下であることが好ましいことを特定している。これは、対角補強リブ37の肉厚の1/2を超えても、縦横補強リブ38に要する重量が増えるのに対応するだけの補強の効果が十分に得られなくなるからである。
以下、本実施形態に係る型盤30が奏する効果を説明する。
本実施形態に係る型盤30は、金型プレート31と筒状リブ34を繋ぐ縦横補強リブ38を備えているので、金型プレート31を薄くしたとしても剛性を確保できる。
一方で、縦横補強リブ38は背面プレート32と接続されていないか、接続されていても接続長さが短いので、背面プレート32に縦横補強リブ38を介する金型プレート31の変形が伝わらないか、伝わったとしても金型プレート31の変形の影響を小さくできる。したがって、本実施形態に係る型盤30によれば、背面プレート32を厚くして剛性を上げる必要がないので、質量の増加はない。
例えば、図7に示すように、可動型盤3は、上述した固定型盤2としての型盤30と同様、可動金型5が取り付けられる金型取付面30Aが、所定の厚さを有した金型プレート31によって形成され、金型プレート31から所定寸法離間した位置に、金型プレート31とほぼ平行に背面プレート32が配置されて、この背面プレート32が金型取付面30Aの背面30Bを形成している。
そして、金型プレート31、背面プレート32の四隅には、連結部33が設けられ、金型プレート31、背面プレート32の中央部には円筒状の筒状リブ34が設けられている。
これら外周補強リブ36、対角補強リブ37は、縦横補強リブ38は、金型プレート31と背面プレート32の間に亘って設けられている。
そして、外周補強リブ36には、互いに隣接する連結部33、33の中間位置に開口部40が形成されている。
可動型盤3は型開閉時に移動するため、重量を低減すれば慣性力が減少し、可動型盤3の駆動機構に必要とされる力が少なくて済む。したがって、上記のように、可動型盤3の重量を抑えつつ、有効に剛性向上を図るのは非常に有効である。
さらに、以上で説明した縦横補強リブ38は、肉厚が一定であることを前提としているが、本発明はこれに限定されず、肉厚を変えることもできる。例えば、金型プレート31の側から背面プレート32の側に向けて肉厚を薄くできるし、筒状リブ34の側から離れるにつれて肉厚を薄くできる。
例えば、開口部40の形状は、三角形状、台形状等としても良い。その場合、角部は応力集中を避けるためにR加工とするのが望ましい。また、開口部40を円形、楕円形、長円形等とし、中心線Cに対して背面プレート32側にオフセットして形成するようにしても良い。
この場合、背面プレート32の厚さを上記のように変化させるには、連結部33、33の中間位置と、連結部33に近い部分とで、段付形状としてもよいし、連結部33、33の中間位置から連結部33に近い部分に向けてその板厚が漸次増大するようにしてもよい。
こうすることで、連結部33から、油圧シリンダ22やタイバー15によって型盤30に作用する外力が連結部33から背面プレート32に流れる際に、連結部33に応力が集中するのを抑制でき、背面プレート32の全体に均等に分散させることができる。
2 固定型盤
2A 型締油圧シリンダ
3 可動型盤
4 固定金型
5 可動金型
6 射出シリンダ
6A フレーム
7 射出スクリュ
8 ボールねじ軸
9 ナット
12 射出駆動サーボモータ
13 射出スクリュ回転駆動モータ
15 タイバー
15A ねじ溝
16 ラム
17 半割ナット
18 基台
19 ガイドレール
22 油圧シリンダ
23 型締め油圧シリンダ
27 移動フレーム
29 油圧切換弁
30 型盤
30A 金型取付面
30B 背面
31 金型プレート
32 背面プレート
33 連結部
33A 底面
34 筒状リブ
35 ノズル孔
36 外周補強リブ
37 対角補強リブ
38 縦横補強リブ
38A 縦補強リブ
38B 横補強リブ
39A 第一接続辺
39B 第二接続辺
39C 第三接続辺
40 開口部
40A 半円弧状部
40B 円弧部
40C 直線部
100 空間
Claims (10)
- 金型が取り付けられる金型プレートと、
前記金型プレートと対向して設けられる背面プレートと、
前記金型プレートおよび前記背面プレートの四隅において、タイバーに連結される連結部と、
前記金型プレートと前記背面プレートの間に設けられ、前記金型プレートおよび前記背面プレートの中央部に位置する筒状リブと、
前記金型プレートと前記背面プレートの間に設けられ、前記筒状リブと前記連結部のそれぞれを繋ぐ対角補強リブと、
前記金型プレートと前記背面プレートの間に設けられ、前記筒状リブから隣接する前記連結部の間に向かって延びる縦横補強リブと、を備え、
前記縦横補強リブは、
前記背面プレートと繋がる寸法L2が前記金型プレートと繋がる寸法L1の1/2以下であるか、または、
前記金型プレートと前記筒状リブとは繋がるが、前記背面プレートとは繋がらない、
ことを特徴とする型盤。 - 前記縦横補強リブは、
前記対角補強リブよりも肉厚が薄い、
請求項1に記載の型盤。 - 前記縦横補強リブは、
前記金型プレートの側から前記背面プレートの側に向けて肉厚が一定であるか、又は、
前記金型プレートの側から前記背面プレートの側に向けて肉厚が薄くなる、
請求項2に記載の型盤。 - 前記縦横補強リブは、
前記筒状リブの側から離れる向きに肉厚が一定であるか、または、
前記筒状リブの側から離れるのにつれて肉厚が薄くなる、
請求項2に記載の型盤。 - 前記縦横補強リブは、
前記型盤の第一方向に沿って設けられるか、又は、
前記型盤の第一方向及び前記第一方向に対して直交する方向に沿って設けられる、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の型盤。 - 前記金型プレートと前記背面プレートの間に設けられ、前記金型プレートおよび前記背面プレートの外周部に沿って、互いに隣接する前記連結部の間に設けられた外周補強リブ、を備え、
前記外周補強リブに、前記金型プレートと前記背面プレートとの中心線に対して非対称な開口部が形成されている、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の型盤。 - 前記開口部は、
前記背面プレートよりも前記金型プレートの剛性が高くなるように形成されている、
請求項6に記載の型盤。 - 前記筒状リブよりも径方向の外側における前記筒状リブの外周から前記金型プレートの外周までの前記径方向に沿った寸法をLとすると、前記寸法Lと前記寸法L1、L2とは以下を満足する、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の型盤。
L/2≦L1≦L
0≦L2≦L/2 - 金型が取り付けられる一対の型盤と、
前記金型を開閉するため、一対の前記型盤の少なくとも一方を他方に対して進退移動させる型盤駆動部と、を備え、
一対の前記型盤の一方又は双方が請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の型盤であることを特徴とする型締装置。 - 金型が取り付けられる一対の型盤と、
前記金型を開閉するため、一対の前記型盤の少なくとも一方を他方に対して進退移動させる型盤駆動部と、
前記金型のキャビティに成形材料を射出する射出シリンダと、を備え、
一対の前記型盤の一方又は双方が請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の型盤であることを特徴とする射出成形機。
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