図1Aには、本発明の第一形態の外装ルーバー1(以下「ルーバー1」と記載する。)の取付構造が示されている。ルーバー1は、図4に示すように、ビル等の建物2に対して、ルーバー1の長手方向が鉛直方向に対して略平行となる起立姿勢で並べて複数枚取り付けられることで、建物2に差し込む日射を遮るものである。
本形態の取付構造は、図1A,B及び図2に示すように、ルーバー1と、ルーバー1の長手方向の両端部のそれぞれを建物2に対して取り付ける一対の取付具3を備える。
ルーバー1は、互いに対向する一対のパネル4,5と、この一対のパネル4,5の間に位置し、一対のパネル4,5のそれぞれに固定される、芯材16及び矩形枠状のスペーサーユニット6と、スペーサーユニット6の外側に設けられる一対の化粧カバー7を有する。以下では、図1Aに示す状態を基準として、平面視において、一対のパネル4,5が並ぶ方向を前後方向とし、前後方向に対して直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。各図において、矢印X1で示す方向が前方であり、矢印Y1で示す方向が右方であり、矢印Z1で示す方向が上方である。
一対のパネル4,5のうちの前側に位置するパネル4は、芯材16及びスペーサーユニット6の前方に配される前面部40と、スペーサーユニット6の左方に配される側面部41と、スペーサーユニット6の右方に配される側面部42とを有する。さらに、パネル4は、スペーサーユニット6の上方に配される上面部43と、スペーサーユニット6の下方に配される下面部44とを有する。左の側面部41は、前面部40の左端部から上下方向に亘って後方に突出し、右の側面部42は、前面部40の右端部から上下方向に亘って後方に突出する。上面部43は、前面部40の上端部のうち左右方向の両端部を除く部分から後方に突出し、下面部44は、前面部40の下端部のうち左右方向の両端部を除く部分から後方に突出する。一対の側面部41,42と上面部43と下面部44のそれぞれは、前面部40に対して略垂直である。
一対のパネル4,5のうちの後側に位置するパネル5は、芯材16及びスペーサーユニット6の後方に配される後面部50と、スペーサーユニット6の左方に配される側面部51と、スペーサーユニット6の右方に配される側面部52とを有する。さらに、パネル5は、スペーサーユニット6の上方に配される上面部53と、スペーサーユニット6の下方に配される下面部54とを有する。左の側面部51は、後面部50の左端部から上下方向に亘って前方に突出し、右の側面部52は、後面部50の右端部から上下方向に亘って前方に突出する。上面部53は、後面部50の上端部のうち左右方向の両端部を除く部分から前方に突出し、下面部54は、後面部50の下端部のうち左右方向の両端部を除く部分から前方に突出する。一対の側面部51,52と上面部53と下面部54のそれぞれは、後面部50に対して略垂直である。
パネル4,5は、例えば、金属板を折り曲げ加工することによって形成される。金属板は、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板、チタン板等であるが、これらに限定されない。金属板の厚みは、例えば0.5mm〜5.0mmである。なお、パネル4,5は、合成樹脂製であってもよい。
スペーサーユニット6は、互いに剛接合されていない複数のスペーサーを枠状に配置して構成されている。スペーサーユニット6は、矩形枠状のスペーサーユニット6の長辺側の一対の枠部を構成する一対の長辺側スペーサー60,61と、スペーサーユニット6の短辺側の一対の枠部を構成する一対の短辺側スペーサー62,63を有する。
以下では、必要に応じて、一対の長辺側スペーサー60,61のうち、スペーサーユニット6の左側の枠部を構成するスペーサーを、第一長辺側スペーサー60と記載し、スペーサーユニット6の右側の枠部を構成するスペーサーを、第二長辺側スペーサー61と記載する。そして、一対の短辺側スペーサー62,63のうち、スペーサーユニット6の上側の枠部を構成するスペーサーを、第一短辺側スペーサー62と記載し、スペーサーユニット6の下側の枠部を構成するスペーサーを、第二短辺側スペーサー63と記載する。
スペーサー60,61,62,63のそれぞれは、直管状であり、長手方向の両端部が開口している。スペーサー60,61,62,63のそれぞれは、長手方向に直交する断面の形状が、略正方形である。スペーサー60,61,62,63のそれぞれは、本形態では、一直線状の金属製の角形管である。スペーサー60,61,62,63は、正面視にて矩形枠状に配置されている。
第一短辺側スペーサー62は、左端が第一長辺側スペーサー60の上端部の右側面に当たり、右端が第二長辺側スペーサー61の上端部の左側面に当たるように配置されている。第二短辺側スペーサー63は、左端が第一長辺側スペーサー60の下端部の右側面に当たり、右端が第二長辺側スペーサー61の下端部の左側面に当たるように配置されている。
スペーサー60,61,62,63は、長手方向の端部同士が、溶接による固定や、ねじやリベットによる機械的固定がなされておらず、すなわち、互いに剛接合されていない。
芯材16は、例えば、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材をバインダー等で固めて形態したブロック体を、複数並べて1枚の板状に配置したものである。板状に配置された芯材16の厚みは、スペーサーユニット6の厚みと同じである。
芯材16は、左右の長辺側スペーサー60,61間に、左右方向に亘って位置し、かつ上下の短辺側スペーサー62,63の間に、上下方向に亘って位置する。なお、芯材16は、ウレタンフォームを注入することによって形成されるものであってもよい。
本形態では、芯材16の前面全体とスペーサー60,61,62,63の前面全体に、パネル4の前面部40が接着により固定されている。左側の第一長辺側スペーサー60の左側面の前部に上下方向に亘って、パネル4の左の側面部41が、ねじやリベット等の金属製の固定具10で固定されている(図2参照)。右側の第二長辺側スペーサー61の右側面の前部に上下方向に亘って、パネル4の右の側面部42が、固定具10で固定されている。第一短辺側スペーサー62の上面の前部に左右方向に亘って、パネル4の上面部43が、ねじやリベット等の金属製の固定具(図示せず)で固定されている。第二短辺側スペーサー63の下面の前部に左右方向に亘って、パネル4の下面部44が、ねじやリベット等の金属製の固定具(図示せず)で固定されている。なお、各面部41,42,43,44は、スペーサー60,61,62,63に接着により固定されたうえで、固定具によって固定されていてもよい。
芯材16の後面全体とスペーサー60,61,62,63の後面全体に、パネル5の後面部50が接着により固定されている。左側の第一長辺側スペーサー60の左側面の後部に上下方向に亘って、パネル5の左の側面部51が、ねじやリベット等の金属製の固定具11で固定されている。右側の第二長辺側スペーサー61の右側面の後部に上下方向に亘って、パネル5の右の側面部52が、固定具11で固定されている。第一短辺側スペーサー62の上面の後部に左右方向に亘って、パネル5の上面部53が、ねじやリベット等の金属製の固定具(図示せず)で固定されている。第二短辺側スペーサー63の下面の後部に左右方向に亘って、パネル5の下面部54が、ねじやリベット等の金属製の固定具(図示せず)で固定されている。なお、各面部51,52,53,54は、スペーサー60,61,62,63に接着により固定されたうえで、固定具によって固定されていてもよい。
パネル4の上面部43とパネル5の上面部53は、第一短辺側スペーサー62上にのみ位置し、左右の長辺側スペーサー60,61の上端部開口を閉塞していない。パネル4の下面部44とパネル5の下面部54は、第二短辺側スペーサー63の下方にのみ位置し、左右の長辺側スペーサー60,61の下端部開口を閉塞していない。パネル4の各面部41,42,43,44とパネル5の各面部51,52,53,54とは、それぞれ前後方向に離れている。
パネル4,5は、前面部40及び後面部50が芯材16に固定されることで、前面部40及び後面部50に熱伸びによる撓みが生じにくくなっている。
一対の化粧カバー7のそれぞれは、上下方向に長い部材であり、本形態ではアルミの押出成形材である。各化粧カバー7は、長辺側スペーサー60,61と略同じ上下長さである。なお、化粧カバー7は、アルミ以外の他の金属で形成されたものであってもよいし、木製や樹脂製であってもよい。
各化粧カバー7は、ルーバー1の左右の端部の構成を利用して、ルーバー1に取り付けられる。本形態では、各化粧カバー7は、長辺側スペーサー60,61にねじ固定されるベース70と、ベース70に取り付けられるカバー本体71とを有する。
ベース70は、長辺側スペーサー60,61と略同じ上下長さである。ベース70は、長辺側スペーサー60,61に当てる略矩形板状の底壁部700と、底壁部700の前後の端部から左右方向外側に突出した略矩形板状の前後一対の側壁部701とを有する。
前後一対の側壁部701の左右方向外側の端部の前後方向内側の面には、被引っ掛け部702が前後方向内側に突出させて設けられている。また、前後一対の側壁部701の左右方向中央部の前後方向外側の面には、金属製のねじ等の止め具17の挿入位置を示す溝部が凹ませて設けられている。
底壁部700の前後方向中央部には、金属製のねじ等の固定具12の挿入位置を示す溝部が設けられている。なお、ベース70は、上下長さの短い部材であってもよい。その場合、長辺側スペーサー60,61には、上下方向に亘って、複数のベース70が固定される。
カバー本体71は、長辺側スペーサー60,61と略同じ上下長さである。カバー本体71は、略矩形状の化粧部710と、化粧部710の背面の中央部から突出した一対の取付片部711と、化粧部710の背面の前後の端部のそれぞれから突出した一対の突片部712を有する。化粧部710、取付片部711及び突片部712は、押出成形により一体に設けられている。なお、取付片部711及び突片部712は、化粧部710に溶接等により一体化されたものであってもよい。化粧部710は、前後の端部が前後方向の中央部に比べて厚みが大きく、この厚みの大きい部分から、一対の突片部712が突出している。
各取付片部711は、左右方向内側端部の前後方向外側の面に、被引っ掛け部702に引っ掛けるための引っ掛け部713が前後方向外側に突出させて設けられている。
一対の突片部712のそれぞれには、止め具17を通すための孔(図示せず)が、長手方向の両端部のうち少なくとも一方に設けられている。なお、この孔は、現場での施工の際に形成されるものであってもよい。
各化粧カバー7は、ベース70が長辺側スペーサー60,61に、固定具12によりねじ固定され、ベース70の前後一対の側壁部701の被引っ掛け部702に、カバー本体71の前後一対の取付片部711の引っ掛け部713が引っ掛けられることで、長辺側スペーサー60,61の外側に設置される。さらに、各化粧カバー7は、止め具17によって前後一対の取付片部711のそれぞれが前後一対の側壁部701のそれぞれに固定されることで、カバー本体71がベース70から抜け落ちることが防止される。
建物2は、図4に示すように、建物2の外側に外装材として設けられる枠組み200を備える。枠組み200は、ルーバー1の上方に位置する上枠材20と、ルーバー1の下方に位置する下枠材21を有する。枠材20,21は、互いに略平行である。枠組み200は、さらにルーバー1の側方に位置する左右一対の側枠材22,23を有する。左右一対の側枠材22,23は、上枠材20及び下枠材21と一体である。ルーバー1は、上下の枠材20,21と左右の側枠材22,23とで囲まれる空間に設置される。上枠材20と下枠材21と左右一対の側枠材22,23のそれぞれは、例えば、コンクリート製であり、略板状である。
枠組み200は、ルーバー1が配される空間を、上下方向に複数有し、上枠材20と下枠材21を複数組み有する。上下に隣接する2つの空間のうち上側の空間の下方に位置する下枠材21は、下側の空間の上方に位置する上枠材20を兼ねる。なお、枠組み200は、ルーバー1が配される空間を、上下方向に複数ではなく1つだけ有するものであってもよい。
本形態では、下枠材21は、その上面のうちルーバー1が載置される部位に、上方に突出した載置部24を有する(図1A,B参照)。載置部24は、平面視におけるサイズが、ルーバー1のサイズよりも若干大きく、略直方体状である。一方、上枠材20は、その下面が平坦である。なお、下枠材21は、上面が平坦なもの、つまり、略直方体状の載置部24を有さないものであってもよい。
上枠材20の下面と下枠材21の上面にはそれぞれ、ルーバー1が取り付けられる部位に、金属製の固定板25,26が設けられている。本形態では、上側の固定板25は、上枠材20の下面に埋め込まれており、固定板25の下面とその周囲の上枠材20の下面とが面一となるように設けられている。下側の固定板26は、下枠材21の載置部24の上面に埋め込まれており、固定板26の上面とその周囲の載置部24の上面とが面一となるように設けられている。固定板25,26は、平面視において全体が重なるように配される。固定板25,26のそれぞれは、ルーバー1の設置角度(建物の窓や外面に対する角度)に合わせて、上枠材20と下枠材21への配置が決められる。
一対の取付具3は、ルーバー1の長手方向の一端部(つまり上端部)を建物2の上枠材20に取り付ける第一取付具30と、ルーバー1の長手方向の他端部(つまり下端部)を建物2の下枠材21に取り付ける第二取付具31を含む。取付具30,31は、金属製であり、同大同形である。
図3A〜Cには、第一取付具30の一部が示されている。なお、図3A〜Cには、第二取付具31の一部を上下逆さにしたものが示されているともいえる。
第一取付具30は、図1A,B、図2、及び図3A〜Cに示すように、第一固定部32と、第一固定部32から突出した一対の第一嵌め込み部33を有する。本形態では、第一固定部32は、左右方向に離れて位置する一対の矩形状の板材320,321で構成される。一対の第一嵌め込み部33は、一対の板材320,321のそれぞれから1つずつ突出している。なお、第一固定部32は、1枚の矩形状の板材で構成されるものであってもよい(図5参照)。
一対の第一嵌め込み部33のそれぞれは、第一固定部32(板材320,321)から突出した角筒状の第一突出部34と、第一突出部34の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部35を含む。この2つの面は、第一突出部34のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向に直交する方向を向く2つの面であり、本形態では、第一突出部34の前面と後面である。
さらに、一対の第一嵌め込み部33のそれぞれは、第一突出部34の他の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部35を含む。この他の2つの面は、第一突出部34のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向を向く2つの面であり、本形態では、第一突出部34の右面と左面である。
各第一突出部34は、長手方向に直交する断面の形状が、略正方形である。各第一突出部34は、左右方向と前後方向のそれぞれの外寸が、各長辺側スペーサー60,61の内寸よりも一回り小さいものとなっている。
各弾性部35は、本形態では、第一突出部34の前後左右の面にそれぞれねじ固定された板バネである。なお、各弾性部35は、コイルバネやゴム製のプレート等の他の弾性部材を第一突出部34の前後左右の面に取り付けたものであってもよいし、第一突出部34の前後左右の面の一部を切り起こして形成した板バネであってもよい。
第一取付具30は、一対の第一嵌め込み部33が、ルーバー1の一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向の一端の開口(つまり上端開口)に差し込まれて嵌め込まれることで、ルーバー1に対して取り付けられるように構成されている。このとき、各第一突出部34の前後左右の弾性部35が、長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後左右の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、長辺側スペーサー60,61それぞれに対して各第一突出部34の位置が定まる。
板材320,321は、平面視において、ルーバー1のスペーサーユニット6内に収まるサイズに設けられている。つまり、板材320,321は、前後幅が、ルーバー1のスペーサーユニット6(短辺側スペーサー62)の前後幅よりも若干小さい。
本形態では、第一取付具30は、板材320,321のそれぞれが、上枠材20に設けた固定板25に、溶接により固定されることによって、上枠材20に対して取り付けられる。
第二取付具31は、図1A,B及び図2に示すように、第二固定部36と、第二固定部36から突出した一対の第二嵌め込み部37を有する。本形態では、第二固定部36は、左右方向に離れて位置する一対の矩形状の板材360,361で構成される。一対の第二嵌め込み部37は、一対の板材360,361のそれぞれから1つずつ突出している。なお、第二固定部36は、1枚の矩形状の板材で構成されるものであってもよい。
一対の第二嵌め込み部37のそれぞれは、第二固定部36(板材360,361)から突出した角筒状の第二突出部38と、第二突出部38の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部39を含む。この2つの面は、第二突出部38のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向に直交する方向を向く2つの面であり、本形態では、第二突出部38の前面と後面である。
さらに、一対の第二嵌め込み部37のそれぞれは、第二突出部38の他の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部35を含む。この他の2つの面は、第二突出部38のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向を向く2つの面であり、本形態では、第二突出部38の右面と左面である。
各第二突出部38は、長手方向に直交する断面の形状が、略正方形である。各第二突出部38は、左右方向と前後方向のそれぞれの外寸が、各長辺側スペーサー60,61よりも一回り小さいものとなっている。
各弾性部39は、本形態では、第二突出部38の前後左右の面にそれぞれねじ固定された板バネである。なお、各弾性部39は、コイルバネやゴム製のプレート等の他の弾性部材を第二突出部38の前後左右の面に取り付けたものであってもよいし、第二突出部38の前後左右の面の一部を切り起こして形成した板バネであってもよい。
第二取付具31は、一対の第二嵌め込み部37が、ルーバー1の一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向の他端の開口(つまり下端開口)に差し込まれて嵌め込まれることで、ルーバー1に対して取り付けられるように構成されている。このとき、各第二突出部38の前後左右の弾性部39が、長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後左右の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、長辺側スペーサー60,61それぞれに対して各第二突出部38の位置が定まる。
板材360,361は、平面視において、ルーバー1のスペーサーユニット6内に収まるサイズに設けられている。つまり、板材360,361は、前後幅が、ルーバー1のスペーサーユニット6(短辺側スペーサー63)の前後幅よりも若干小さい。
本形態では、第二取付具31は、板材360,361のそれぞれが、下枠材21に設けた固定板26に、溶接により固定されることによって、下枠材21に対して取り付けられる。
さらに本形態のルーバー1では、下側の短辺側スペーサー63には、短辺側スペーサー63から突出し、かつ突出量が調整自在な位置決め部材8が設けられている。位置決め部材8は、先端部が建物2の一部(つまり下枠材21)に当たるように構成されている。
詳しくは、本形態では、位置決め部材8は、ナット80と、ナット80に対してねじ締めされるボルト81で構成される。ボルト81は、本形態では、頭部が六角柱状のものであるが、これに限らず、例えば頭部が半球状のものであってもよい。
角筒状の短辺側スペーサー63には、上面を構成する上壁部630と、下面を構成する下壁部631にそれぞれ、上下方向に貫通する貫通孔632,633が設けられている。ナット80は、上壁部630の上面のうち、貫通孔632の周囲に溶接等により固定されている。ボルト81は、貫通孔633,632を下側から順に貫通して、ナット80に対してねじ締めされる。ボルト81は、ナット80に対するねじ締めの量を調整することで、短辺側スペーサー63からの下方への突出量が調整自在である。
なお、位置決め部材8は、ボルト81のみで構成されるものであってもよく、その場合、貫通孔632,633のうち少なくとも一方をねじ孔とすればよい。
続いて、本形態のルーバー1の製造方法の一例について説明する。以下では、平置き姿勢で製造されるルーバー1について説明する。起立姿勢におけるルーバー1の上端部が、平置き姿勢におけるルーバー1の前端部に相当し、起立姿勢におけるルーバー1の下端部が、平置き姿勢におけるルーバー1の後端部に相当する。
まず、パネル5を平置きし、パネル5の後面部50の上面全体に接着剤を塗布する。次いで、パネル5の後面部50の上面に、スペーサー60,61,62,63を平面視矩形枠状に載置して接着させる。ここで、パネル5は、面部50,51,52,53,54が設けられたものを用いる。短辺側スペーサー63は、上壁部630と下壁部631の貫通孔632,633にボルト81が挿通され、このボルト81が上壁部630の上面のナット80にねじ締めされたものを用いる。なお、ボルト81の短辺側スペーサー63への取付は、ルーバー1への第二取付具31の取付の前に行ってもよい。
パネル5への載置の際、短辺側スペーサー62は、後面部50の前端部に載置し、短辺側スペーサー63は、後面部50の後端部に載置し、左の長辺側スペーサー60は、後面部50の左端部に載置し、右の長辺側スペーサー61は、後面部50の右端部に載置する。
このとき、短辺側スペーサー62を、その左端が左の長辺側スペーサー60の上端部の右側面に当たり、短辺側スペーサー62の右端が右の長辺側スペーサー61の上端部の左側面に当たるように、配置する。短辺側スペーサー63を、その左端が左の長辺側スペーサー60の下端部の右側面に当たり、短辺側スペーサー63の右端が右の長辺側スペーサー61の下端部の左側面に当たるように、配置する。左の長辺側スペーサー60を、その左の側面がパネル5の左の側面部51に当たるように配置し、右の長辺側スペーサー61を、その右の側面がパネル5の右の側面部52に当たるように、配置する。また、短辺側スペーサー62を、その前面がパネル5の上面部53に当たるように配置し、短辺側スペーサー63を、その後面がパネル5の下面部54に当たるように配置する。
パネル5への載置の後、スペーサー60,61,62,63は、製造過程中、長手方向の端部同士が当たった状態を維持しやすくするために、長手方向の端部同士をガムテープや接着剤等で接着させてもよい。ガムテープや接着剤による接着は、製造過程中のみ機能を維持すればよく、上述の剛接合には該当しない。
次いで、パネル5の後面部50の上面のうち、スペーサー60,61,62,63で囲まれる領域の全体に、芯材16を配置して接着させる。
次いで、各スペーサー60,61,62,63及び芯材16の上面に接着剤を塗布し、この上面にパネル4を載置する。ここで、パネル4は、面部40,41,42,43,44が設けられたものを用いる。なお、接着剤は、パネル4の前面部40の下面全体に塗布してもよい。
パネル4の載置の際、パネル4の左の側面部41が左の長辺側スペーサー60の左の側面に当たり、パネル4の右の側面部42が右の長辺側スペーサー61の右の側面に当たり、パネル4の上面部43が、短辺側スペーサー62の前面に当たり、パネル4の下面部44が短辺側スペーサー63の後面に当たるように、パネル4を配置する。
次いで、パネル4の左の側面部41に、左から固定具10を打ち込んで、側面部41を左の長辺側スペーサー60に固定する。パネル4の右の側面部42に、右から固定具10を打ち込んで、側面部42を右の長辺側スペーサー61に固定する。パネル4の上面部43に、前方から固定具を打ち込んで、上面部43を短辺側スペーサー62に固定する。パネル4の下面部44に、後方から固定具を打ち込んで、下面部44を短辺側スペーサー63に固定する。
同様にパネル5の左の側面部51に、左から固定具11を打ち込んで、側面部51を左の長辺側スペーサー60に固定する。パネル5の右の側面部52に、右から固定具11を打ち込んで、側面部52を右の長辺側スペーサー61に固定する。パネル5の上面部53に、前方から固定具を打ち込んで、上面部53を短辺側スペーサー62に固定する。パネル5の下面部54に、後方から固定具を打ち込んで、下面部54を短辺側スペーサー63に固定する。なお、固定具(10,11等)によるパネル4,5のスペーサーユニット6への固定は、パネル4,5のどちらを先に行っても構わない。
次いで、左右の長辺側スペーサー60,61の左右方向外側にそれぞれ、化粧カバー7を取り付ける。
詳しくは、まず、左の長辺側スペーサー60の左側の面に、化粧カバー7のベース70の底壁部700を当て、左方から固定具12を打ち込んで、ベース70を長辺側スペーサー60に固定する。次いで、ベース70へ左方からカバー本体71を差し込む。このとき、ベース70の前後一対の側壁部701の被引っ掛け部702に、カバー本体71の前後一対の取付片部711の引っ掛け部713が引っ掛かることで、ベース70に対してカバー本体71が取り付けられる。
次いで、カバー本体71の前後一対の突片部712に設けた孔を通じて、止め具17を挿入し、カバー本体71の前後一対の取付片部711をベース70の前後一対の側壁部701にそれぞれ固定する。これにより、化粧カバー7は、カバー本体71の長手方向の一端部(つまり上端部)が、止め具17によって、ベース70の長手方向の一端部(つまり上端部)に固定される。同様の手順で、右の長辺側スペーサー61に化粧カバー7を取り付ける。
本形態では、固定具10,11と止め具17の頭部が、一対の突片部712によって外部に対して覆い隠されるため、化粧部710とパネル4,5との間の隙間に、バックアップ材とコーキング剤を充填する施工が省略可能である。
以上のようにして製造される本形態のルーバー1は、さらに下記のようにして建物2の外側の枠組み200に取り付けられる。
まず、起立姿勢のルーバー1の上端部と下端部にそれぞれ、取付具30,31を取り付ける。なお、平置き姿勢のルーバー1に、取付具30,31を取り付けてもよい。
詳しくは、ルーバー1の左右の長辺側スペーサー60,61それぞれの上端開口に、第一取付具30の一対の第一嵌め込み部33を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各第一嵌め込み部33の前後左右の弾性部35が、各長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後左右の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、第一取付具30はルーバー1に対して仮固定される。
ルーバー1の左右の長辺側スペーサー60,61それぞれの下端開口に、第二取付具31の一対の第二嵌め込み部37を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各第二嵌め込み部37の前後左右の弾性部39が、各長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後左右の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、第二取付具31はルーバー1に対して仮固定される。
次いで、取付具30,31が仮固定された状態のルーバー1を、上枠材20と下枠材21との間に、起立姿勢で配置する。このとき、上枠材20の固定板25と、下枠材21の載置部24の固定板26との間に、ルーバー1を配置する。
次いで、第一取付具30の第一固定部32の板材320,321のそれぞれを、上枠材20の固定板25に溶接により固定し、第二取付具31の第二固定部36の板材360,361のそれぞれを、下枠材21の固定板26に溶接により固定する。なお、第一固定部32の固定板25への固定と、第二固定部36の固定板26への固定は、どちらが先であってもよい。
次いで、ボルト81を回転させて短辺側スペーサー63からの突出量を調整し、ボルト81の先端を下枠材21の固定板26に当てて、ルーバー1の高さ位置を決める。
次いで、ルーバー1のスペーサーユニット6と上枠材20との間の隙間と、スペーサーユニット6と下枠材21との間の隙間に、コーキング剤を充填して、これらの隙間を閉塞する。
同様の手順で、ルーバー1を枠組み200に対して複数枚取り付ける。このようにすることで、例えば、図4に示すように、建物2に、複数枚のルーバー1を設置することができる。
続いて、本形態のルーバー1の取付構造の変形例について説明する。
ルーバー1は、図6に示すように、芯材16を有さず、パネル4の前面部40の後面に取り付けられる第一補強部材13と、パネル5の後面部50の前面に取り付けられる第二補強部材14とを有するものであってもよい。
補強部材13,14は、例えば、コ字状やC字状の溝形鋼である。補強部材13,14は、互いに前後方向に離れて位置する。第一補強部材13は、パネル4の前面部40の後面のうち左右方向の略中央部に、上下方向に亘って取り付けられる。第一補強部材13の上端と下端は、スペーサー62,63に対して接するか、もしくは隙間を介して位置しており、スペーサー62,63に対して剛接合されていない。
第二補強部材14は、パネル5の後面部50の前面のうち左右方向の略中央部に、上下方向に亘って取り付けられる。第二補強部材14の上端と下端は、スペーサー62,63に対して接するか、もしくは隙間を介して位置しており、スペーサー62,63に対して剛接合されていない。
補強部材13,14を有するルーバー1では、パネル4の前面部40やパネル5の後面部50が熱伸びして撓むことを抑制することができる。なお、ルーバー1は、芯材16を有さず、かつ補強部材13,14も有さないものであってもよい。
また、第一取付具30は、図7A〜Cに示すように、各第一突出部34の前後の面にのみ弾性部35を有するものであってもよい。第二取付具31も同様の構造としてもよい。
また、第一取付具30は、図8A〜Cに示すように、各第一突出部34の前後の面に弾性部35を有し、各第一突出部34の左右の面に隙間埋め材15を有するものであってもよい。隙間埋め材15は、例えば金属製の鉄板であり、突出部34の前後の面に溶接される。
この場合、第一取付具30は、左右の長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの左右の面に左右一対の弾性部35が押し当たり、内周面のうちの前後の面に、前後一対の隙間埋め材15が当たる。これにより、ルーバー1の位置決め精度がさらに向上する。第二取付具31も同様の構造としてもよい。
また、第一取付具30は、図9に示すように、各弾性部35が突出部34の前後左右の側壁に差し込んで取り付ける構造のものであってもよい。この場合、各弾性部35は、突出部34内に挿入される挿入片350と、挿入片350の下端部と連続し、挿入片350に沿って位置する板バネ部351とを有する。挿入片350は、略矩形板状であり、上下方向の中央部の一部に、板バネ部351側に向けて突出した押し当て部352を有する。押し当て部352は、板バネ部351側に向けて山型に突出するように折れ曲がった形状である。
板バネ部351は、上下方向の中央部が板バネ部351側に向けて山型に突出するように折れ曲がった形状である。各弾性部35は、挿入片350と板バネ部351とで、突出部34の前後左右の側壁を挟み込むように、突出部34に差し込まれて取り付けられる。第二取付具31も同様の構造としてもよい。
なお、図7A〜Cに示す弾性部35や、図8A〜Cに示す弾性部35や隙間埋め材15も同様に、差し込んで取り付ける構造のものであってもよい。
また、各化粧カバー7は、図10に示すように、ベース70を有さず、カバー本体71のみで構成され、カバー本体71が一対の突片部712を有さないものであってもよい。この場合、カバー本体71は、各取付片部711に、引っ掛け部713を有さなくてもよい。パネル4は、左右の側面部41,42の先端部(後端部)のそれぞれから略垂直に左右方向外側に向けて突出する左右一対の前取付片部45をさらに有する。パネル5は、左右の側面部51,52の先端部(前端部)のそれぞれから略垂直に左右方向外側に向けて突出する左右一対の後取付片部55をさらに有する。
カバー本体71は、一対の取付片部711がパネル4の前取付片部45と後取付片部55との間に配され、固定具12によって各取付片部711が取付片部45,55に対して固定されることで、長辺側スペーサー60,61の外側に取り付けられる。このとき、カバー本体71は、固定具12によって、例えば長手方向の両端部がそれぞれ、取付片部45,55に対して固定される。カバー本体71の化粧部710とパネル4,5との間に形成される溝には、固定具10,11,12の露出を防ぐために、バックアップ材を挿入したうえで、コーキング剤を充填する。
また、各化粧カバー7は、図11に示すように、化粧部710が、略半円筒状であってもよい。略半円筒状の化粧部710の円弧状の部位は、外面全体に多数の凹凸が設けられたものであってもよい。
また、各化粧カバー7は、図12に示すように、化粧部710が、略半円筒状であり、カバー本体71が一対の突片部712を有さないものであってもよい。この場合、化粧部710とパネル4,5との間に形成される溝には、固定具10,11,17の露出を防ぐために、バックアップ材を挿入したうえで、コーキング剤を充填する。略半円筒状の化粧部710の円弧状の部位は、外面全体に多数の凹凸が設けられたものであってもよい。
また、各化粧カバー7は、図13に示すように、化粧部710が、略三角筒状であってもよい。
また、各化粧カバー7は、図14に示すように、化粧部710が、略三角筒状であり、カバー本体71が一対の突片部712を有さないものであってもよい。この場合、化粧部710とパネル4,5との間に形成される溝には、固定具10,11,17の露出を防ぐために、バックアップ材を挿入したうえで、コーキング剤を充填する。
また、ルーバー1は、左右の端部に化粧カバー7を有さないものであってもよい。
また、ルーバー1は、隣接する2つのスペーサー間に多少の隙間を有するものであってもよい。この隙間は、隣接する2つのスペーサーの間に別の部材を挟み込むことで形成したものであってもよい。
また、ルーバー1のスペーサーユニット6は、短辺側スペーサー62の左右端のどちらか一方が左右の長辺側スペーサー60,61のどちらか一方に対して溶接などにより一体化され、短辺側スペーサー63の左右端のどちらか一方が左右の長辺側スペーサー60,61のどちらか一方に対して溶接などにより一体化されたものであってもよい。
また、ルーバー1の左右の長辺側スペーサー60,61のそれぞれは、上下方向に並んだ剛接合されていない複数の部材で構成されるものであってもよい。
また、位置決め部材8は、ナット80にねじ締めされるボルト81に限らず、その他の高さ調整可能な部材であってもよい。
また、ルーバー1は、接着を用いず、リベット等の機械的接合や、スポット溶接などによりパネル4,5をスペーサーユニット6に固定したものであってもよい。
続いて、図15,16に示す本発明の第二形態の外装ルーバ−1の取付構造について説明する。以下では、第一形態の取付構造と同様の構成については図中に同一の符号を付して詳しい説明を省略し、異なる構成について詳しく説明する。
本形態では、ルーバー1は、長手方向が左右方向に対して略平行となり、短手方向が前後方向に対して略平行となり、厚み方向が上下方向に対して略平行となる倒伏姿勢で、建物2に取り付けられる。
本形態では、建物2は、ガラス製のカーテンウォール201と、その左右に位置する柱202を備える。左右の柱202のそれぞれには、ルーバー1を取り付けるための板状の取付部9が屋外側(前方)に突出させた状態で固定されている。左右一対の取付部9は、ルーバー1の長手方向の長さよりも若干長い距離、左右方向に離れて位置している。
本形態のルーバー1では、左側に位置する第一短辺側スペーサー62には、第一短辺側スペーサー62から左右方向外側(つまり左方)に突出し、かつ突出量が調整自在な第一位置決め部材800が設けられている。また、右側に位置する第二短辺側スペーサー63には、第二短辺側スペーサー63から左右方向外側(つまり右方)に突出し、かつ突出量が調整自在な第二位置決め部材801が設けられている。
取付具30,31は、固定部32,36がそれぞれ、1枚の略矩形状の板材で構成されている。固定部32,36のサイズは、側面視にて、化粧カバー7を取り付けた状態のルーバー1よりも若干大きいサイズとなっている。
本形態のルーバー1は、下記のようにして建物2に取り付けられる。
まず、倒伏姿勢のルーバ−1の右端部と左端部にそれぞれ、取付具30,31を取り付ける。
詳しくは、ルーバー1の前後の長辺側スペーサー60,61それぞれの長手方向の一端の開口(つまり左端開口)に、第一取付具30の一対の第一嵌め込み部33を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各第一嵌め込み部33の前後上下の弾性部35が、各長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後上下の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、第一取付具30はルーバー1に対して仮固定される。
ルーバー1の前後の長辺側スペーサー60,61それぞれの長手方向の他端の開口(つまり右端開口)に、第二取付具31の一対の第二嵌め込み部37を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各第二嵌め込み部37の前後上下の弾性部39が、各長辺側スペーサー60,61の内周面のうちの前後上下の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、第二取付具31はルーバー1に対して仮固定される。
次いで、取付具30,31が仮固定された状態のルーバー1を、左右一対の取付部9の間に、倒伏姿勢で配置する。
次いで、第一取付具30の第一固定部32を、左側の取付部9にねじ固定し、第二取付具31の第二固定部36を、右側の取付部9にねじ固定する。このとき、ルーバー1は、上面が前側ほど下方に位置するように傾けて設置するか、あるいは、上面が後側ほど下方に位置するように傾けて設置する。なお、左右の取付部9への固定部32,36の固定は、どちらが先であってもよい。
次いで、第一位置決め部材800と第二位置決め部材801の突出長さをそれぞれ調整して、ルーバー1の左右方向の位置を定める。このとき、第一位置決め部材800の先端部(左端部)は、第一固定部32に当たり、第二位置決め部材801の先端部(右端部)は、第二固定部36に当たることで、ルーバー1は左右方向の位置が定まる。
次いで、ルーバー1のスペーサーユニット6と第一固定部32の間の隙間と、スペーサーユニット6と第二固定部36の間の隙間に、コーキング剤を充填して、これらの隙間を閉塞する。
同様の手順で、ルーバー1を建物2に対して上下方向に並べて複数枚取り付ける。
なお、本形態のルーバー1の取付構造においても、第一形態と同様に、図6〜14に示す変形例を採用してもよい。
以上説明した本発明の第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、以下の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、ルーバー1と、ルーバー1の長手方向の一端部を建物2に取り付ける第一取付具30と、ルーバー1の長手方向の他端部を建物2に取り付ける第二取付具31とを備える。ルーバー1は、互いに対向する一対のパネル4,5と、一対のパネル4,5の間に位置し、一対のパネル4,5のそれぞれに固定される矩形枠状のスペーサーユニット6とを有する。スペーサーユニット6は、スペーサーユニット6の長辺側の一対の枠部を構成する直管状の一対の長辺側スペーサー60,61を含む。第一取付具30は、第一固定部32と、第一固定部32から突出した一対の第一嵌め込み部33とを有する。第二取付具31は、第二固定部36と、第二固定部36から突出した一対の第二嵌め込み部37とを有する。第一固定部32が建物2に対して固定され、一対の第一嵌め込み部33が左右一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向の一端の開口にそれぞれ嵌め込まれることで、ルーバー1の長手方向の一端部が建物2に取り付けられる。第二固定部36が建物2に対して固定され、一対の第二嵌め込み部37が左右一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向の他端の開口にそれぞれ嵌め込まれることで、ルーバー1の長手方向の他端部が建物2に取り付けられる。
上記構成のように、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1として、矩形枠状のスペーサーユニット6にパネル4,5を固定したものとしている。そのため、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1の軽量化と製造の簡略化を図ることができる。
加えて、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、ルーバー1を構成する直管状の一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向の両端の開口に、取付具30,31の嵌め込み部33,37を差し込み、固定部32,36を建物2に対して固定させるだけで、簡単に施工することができる。
さらに、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、一対の第一嵌め込み部33のそれぞれは、第一固定部32から突出した第一突出部34と、第一突出部34の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部35を含む。前記2つの面は、第一突出部34のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向に直交する方向を向く2つの面である。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1がパネル4,5に風荷重を受けた場合に、位置ずれを起こすことや異音が生じることを、パネル4,5側にある各弾性部35の弾性力によって抑制することができる。また、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、各弾性部35の弾性力によってルーバー1の長手方向の一端部や第一取付具30の各構成の多少の寸法誤差や設置誤差を許容することができる。
さらに、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、一対の第一嵌め込み部33のそれぞれは、第一突出部34の他の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部35を含む。前記他の2つの面は、第一突出部34のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向を向く2つの面である。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、各弾性部35の弾性力によって、ルーバー1の長手方向の一端部や第一取付具30の各構成の多少の寸法誤差や設置誤差を許容することができる。また、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、地震が起こった場合などに起こるルーバー1の長手方向の一端部の層間変位を、各弾性部35の弾性力によってルーバー1の回転や移動を許容することによって吸収することができる。
さらに、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、一対の第二嵌め込み部37のそれぞれは、第二固定部36から突出した第二突出部38と、第二突出部38の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部39を含む。前記2つの面は、第二突出部38のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向に直交する方向を向く2つの面である。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1がパネル4,5に風荷重を受けた場合に、位置ずれを起こすことや異音が生じることを、パネル4,5側にある各弾性部39の弾性力によって抑制することができる。また、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、各弾性部39の弾性力によってルーバー1の長手方向の他端部や第二取付具31の各構成の多少の寸法誤差や設置誤差を許容することができる。
さらに、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、一対の第二嵌め込み部37のそれぞれは、第二突出部38の他の2つの面にそれぞれ設けられた弾性部39をさらに含む。前記他の2つの面は、第二突出部38のうち一対のパネル4,5が並ぶ方向を向く2つの面である。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、各弾性部39の弾性力によって、ルーバー1の長手方向の他端部や第二取付具31の各構成の多少の寸法誤差や設置誤差を許容することができる。また、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、地震が起こった場合などに起こるルーバー1の長手方向の他端部の層間変位を、各弾性部39の弾性力によってルーバー1の回転や移動を許容することによって吸収することができる。
さらに、第一形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1の一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向が、上下方向に対して平行であり、スペーサーユニット6は、スペーサーユニット6の短辺側の一対の枠部のうち下側の枠部を構成する短辺側スペーサー63をさらに含む。短辺側スペーサー63には、短辺側スペーサー63から下方に突出し、かつ下方への突出量が調整自在な位置決め部材8が設けられる。
上記の付加的な構成を備えることで、第一形態のルーバー1の取付構造では、位置決め部材8の突出量を調整することで、ルーバー1の設置高さの調整が可能となる。また第一形態のルーバー1の取付構造では、位置決め部材8によりルーバー1は、その下方に位置する建物2の構造の一部(下枠材21)との間に隙間を介して位置することになるため、地震が起こった場合などの層間変位時に、ルーバー1がその下方に位置する建物2の構造の一部に強く接触することを抑制することができる。
さらに、第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1の一対の長辺側スペーサー60,61の長手方向が、左右方向に対して平行であり、スペーサーユニット6は、スペーサーユニット6の短辺側の一対の枠部を構成する第一短辺側スペーサー62と第二短辺側スペーサー63をさらに含む。第一短辺側スペーサー62には、第一短辺側スペーサー62から左右方向外側に突出し、かつ突出量が調整自在な第一位置決め部材800が設けられる。第二短辺側スペーサー63には、第二短辺側スペーサー63から左右方向外側に突出し、かつ突出量が調整自在な第二位置決め部材801が設けられる。
上記の付加的な構成を備えることで、第二形態のルーバー1の取付構造では、位置決め部材800,801の突出量を調整することで、ルーバー1の左右方向の設置位置の調整が可能となる。また第二形態のルーバー1の取付構造では、位置決め部材800,801によりルーバー1は、その左右に位置する部材との間に隙間を介して位置することになるため、地震が起こった場合などの層間変位時に、ルーバー1がその左右に位置する部材に強く接触することを抑制することができる。
さらに、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、一対の長辺側スペーサー60,61の外側に取り付けられる化粧カバー7をさらに備える。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二形態のルーバー1の取付構造では、ルーバー1の端部の外観を化粧カバー7によって向上させることができる。
また、第一及び第二形態の取付構造では、ルーバー1は、パネル4,5の間に配されるスペーサーユニット6として、互いに剛接合されていない複数のスペーサー60,61,62,63を枠状に配置して構成されるものとしている。そのため、第一及び第二形態の取付構造では、ルーバー1の製造の際に、複数のスペーサー60,61,62,63同士を溶接により接合する必要がなく、溶接跡の除去処理や熱歪みの矯正処理が省略でき、ルーバー1を簡単に製造することができる。
また、第一及び第二形態の取付構造では、ルーバー1のパネル4,5は接着だけでなく、固定具(10,11等)を介してスペーサーユニット6に固定されているため、経年劣化や火災などによって接着剤の接着力が弱まった場合でも、固定具(10,11等)によりパネル4,5がスペーサーユニット6から外れることを抑制することができる。
また、第一及び第二形態の取付構造では、パネル4,5をスペーサーユニット6に固定する固定具10,11を化粧カバー7で覆うようにしたことで、外観および空力特性を改善するとともに、固定具10,11が雨に晒されることを抑制できる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。