以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1A,B及び図2Aには、本発明の第一実施形態の外装ルーバー1(以下「ルーバー1」と記載)が示されている。本実施形態では、ルーバー1は、自身の長手方向が鉛直方向に対して平行となる起立姿勢で設置される。以下では、図1Aに示す状態を基準として、ルーバー1の厚み方向を前後方向とし、平面視においてこの前後方向に直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。各図において、矢印Xで示す方向が前方であり、矢印Yで示す方向が右方であり、矢印Zで示す方向が上方である。
ルーバー1は、ルーバー1の前面を構成する第一板材2と、第一板材2に対向して位置し、ルーバー1の後面を構成する第二板材3と、第一板材2と第二板材3の間に位置する、枠状のスペーサーユニット4及び芯材5を備える。芯材5は、枠状のスペーサーユニット4の枠内の領域の全体に位置する。スペーサーユニット4と芯材5のそれぞれは、板材2,3のそれぞれに接着されている。
図1B及び図2Aに示すように、第一板材2は、スペーサーユニット4及び芯材5の前方に位置する前面部20と、スペーサーユニット4の左方に位置する側面部21と、スペーサーユニット4の右方に位置する側面部22を含む。さらに、第一板材2は、スペーサーユニット4の上方に位置する上面部23と、スペーサーユニット4の下方に位置する下面部24を含む。
左の側面部21は、前面部20の左端部に上下方向に亘って設けられており、前面部20の左端部から後方に突出している。右の側面部22は、前面部20の右端部に上下方向に亘って設けられており、前面部20の右端部から後方に突出している。上面部23は、前面部20の上端部に左右方向に亘って設けられており、前面部20の上端部から後方に突出している。下面部24は、前面部20の下端部のうち、左右両端部を除く残りの部分に左右方向に亘って設けられており、前面部20の下端部から後方に突出している。各面部21,22,23,24は、前面部20に対して略垂直である。
第一板材2は、前面部20の左端部と左の側面部21とで構成されるL字状に折れ曲がった左の第一側端部25と、前面部20の右端部と右の側面部22とで構成されるL字状に折れ曲がった右の第一側端部25を有する。
第二板材3は、スペーサーユニット4及び芯材5の後方に位置する後面部30と、スペーサーユニット4の左方に位置する側面部31と、スペーサーユニット4の右方に位置する側面部32を含む。さらに、第二板材3は、スペーサーユニット4の上方に位置する上面部33と、スペーサーユニット4の下方に位置する下面部34を含む。
左の側面部31は、後面部30の左端部に上下方向に亘って設けられており、後面部30の左端部から前方に突出している。右の側面部32は、後面部30の右端部に上下方向に亘って設けられており、後面部30の右端部から前方に突出している。上面部33は、後面部30の上端部に左右方向に亘って設けられており、後面部30の上端部から前方に突出している。下面部34は、後面部30の下端部のうち、左右両端部を除く残りの部分に左右方向に亘って設けられており、後面部30の下端部から前方に突出している。各面部31,32,33,34は、後面部30に対して略垂直である。
第二板材3は、後面部30の左端部と左の側面部31とで構成されるL字状に折れ曲がった左の第二側端部35と、後面部30の右端部と右の側面部32とで構成されるL字状に折れ曲がった右の第二側端部35を有する。
板材2,3のそれぞれは、金属板を折り曲げて形成される。金属板は、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板、チタン板等であるが、これらに限定されない。金属板の厚みは、例えば0.35mm〜5.0mmである。
図1Aに示すように、スペーサーユニット4は、互いに剛接合されていない複数のスペーサーを矩形枠状(本実施形態では略長方形枠状)に配置して構成されている。スペーサーユニット4は、スペーサーユニット4の左右の枠部を構成する左右一対の柱状のスペーサー6,7と、スペーサーユニット4の上側の枠部を構成する第二スペーサー8と、スペーサーユニット4の下側の枠部を構成する第三スペーサー9を含む。スペーサー6,7の長手方向の長さ(上下方向の長さ)は、互いに同じである。スペーサー8,9の長手方向の長さ(左右方向の長さ)は、互いに同じである。本実施形態では、スペーサー6,7の長手方向の長さは、スペーサー8,9の長手方向の長さよりも長い。スペーサー6,7,8,9は、前後方向の長さ(つまり厚み)が互いに同じである。
図1A,図2A,図2B及び図3に示すように、スペーサー6,7のそれぞれは、直管状のスペーサー本体60,70と、スペーサー本体60,70の外側面を覆う化粧カバー10,11とが一体に設けられたアルミニウム製の押出成形品である。スペーサー6,7のそれぞれは、長手方向に亘って断面形状が一定である。
スペーサー本体60,70のそれぞれは、長手方向の両端が開口しており、長手方向に直交する断面の形状が、略矩形枠状(本実施形態では略正方形枠状)である。スペーサー本体60,70のそれぞれは、第一板材2の前面部20の左右の端部が接着される第一面61,71(つまり前面)と、第二板材3の後面部30の左右の端部が接着される第二面62,72(つまり後面)を有する。第一面61,71と第二面62,72のそれぞれには、スペーサー本体60,70の長手方向に沿って延びる凹凸12が設けられている。凹凸12は、第一面61,71と第二面62,72のそれぞれに、左右方向の略全長に亘って設けられている。凹凸12は、互いに平行な複数条の凹部分120を含む。
化粧カバー10,11のそれぞれは、スペーサー本体60,70と同じ上下長さである。化粧カバー10,11は、互いに左右対称である。以下では、右側の化粧カバー11を代表して詳しく説明する。
図2B及び図3に示すように、化粧カバー11は、長手方向に直交する断面形状が略T字状であり、中空である。化粧カバー11は、長手方向の両端部が開口している。化粧カバー11は、前後一対の底壁部110と、前後一対の内側壁部111と、前壁部112と、後壁部113と、外側壁部114を含む。
前側の底壁部110は、スペーサー本体70の外側面(右面)のうちの前寄りの部分から右方に延び、後側の底壁部110は、スペーサー本体70の外側面(右面)のうちの後寄りの部分から右方に延びている。前後の底壁部110は、互いに略平行である。前側の内側壁部111は、前側の底壁部110の右端部から前方に延びており、スペーサー本体70の外側面(右面)に沿っている。後側の内側壁部111は、後側の底壁部110の右端部から後方に延びており、スペーサー本体70の外側面(右面)に沿っている。
前壁部112は、前側の内側壁部111の前端部から右方に延びており、前壁部112の前面は、スペーサー本体70の前面(第一面71)と略面一である。後壁部113は、後側の内側壁部111の後端部から右方に延びており、後壁部113の後面は、スペーサー本体70の後面(第二面72)と略面一である。
外側壁部114は、前壁部112の右端部と後壁部113の右端部に連続し、スペーサー本体70の外側面(右面)と略平行である。外側壁部114の前後長さは、スペーサー本体70の前後長さと略同じである。本実施形態では、外側壁部114は、左右方向外側の面(つまり右面)が、凹凸の無い平坦な意匠面である。
化粧カバー11には、前側の底壁部110と前側の内側壁部111とで囲んで形成される第一溝13と、後側の底壁部110と後側の内側壁部111とで囲んで形成される第二溝14とが、化粧カバー11の長手方向に沿って設けられている。第一溝13は、第一板材2のL字状に折れ曲がった右の第一側端部25の先端部分(つまり側面部22)を収容するための溝である。第二溝14は、第二板材3のL字状に折れ曲がった右の第二側端部35の先端部分(つまり側面部32)を収容するための溝である。なお、溝13,14の底部分には、板材2,3の側端部25,35の先端の露出を防ぐために、コーキング剤あるいは合成ゴム、パッキン等が充填されてもよい。
化粧カバー10は、化粧カバー11と同様に、図2Aに示すように、長手方向に直交する断面形状が略T字状であり、中空である。化粧カバー10は、前後一対の底壁部100と、前後一対の内側壁部101と、前壁部102と、後壁部103と、外側壁部104を含む。化粧カバー10には、前側の底壁部100と前側の内側壁部101とで囲んで形成される第一溝13と、後側の底壁部100と後側の内側壁部101とで囲んで形成される第二溝14とが、化粧カバー10の長手方向に沿って設けられている。第一溝13は、第一板材2のL字状に折れ曲がった左の第一側端部25の先端部分(つまり側面部21)を収容するための溝である。第二溝14は、第二板材3のL字状に折れ曲がった左の第二側端部35の先端部分(つまり側面部31)を収容するための溝である。なお、溝13,14の底部分には、板材2,3の側端部25,35の先端の露出を防ぐために、コーキング剤あるいは合成ゴム、パッキン等が充填されてもよい。
図1Aに示すように、スペーサー8,9のそれぞれは、直管状であり、長手方向の両端部が開口している。スペーサー8,9のそれぞれは、長手方向に直交する断面の形状が、略矩形枠状(本実施形態では略正方形枠状)である。スペーサー8,9のそれぞれは、鋼製であり、つまり角形鋼管である。なお、スペーサー8,9のそれぞれは、アルミニウム合金等で形成されたものでもよい。
第二スペーサー8は、左端が左側のスペーサー本体60の上端部の右側面に当たり、右端が右側のスペーサー本体70の上端部の左側面に当たるように配置されている。第三スペーサー9は、左端が左側のスペーサー本体60の下端部の右側面に当たり、右端が右側のスペーサー本体70の下端部の左側面に当たるように配置されている。第二スペーサー8の上面と左右のスペーサー本体60,70の上面とは面一であり、第三スペーサー9の下面と左右のスペーサー本体60,70の下面とは面一である。また、スペーサー本体60,70とスペーサー8,9は、前面が互いに面一であり、後面が互いに面一である。スペーサー6,7,8,9は、長手方向の端部同士が、溶接による固定や、ねじやリベットによる機械的固定がなされておらず、すなわち、互いに剛接合されていない。
芯材5は、例えば、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材をバインダー等で固めて形成したブロック体を、複数並べて1枚の板状に配置したものである。板状に配置された芯材5の厚みは、スペーサーユニット4の厚みと同じである。なお、芯材5は、枠状のスペーサーユニット4の枠内の領域の全体に、充填されたウレタンフォームでもよい。
本実施形態のルーバー1では、第一板材2の前面部20は、芯材5の前面全体とスペーサー本体60,70の前面(第一面61,71)全体とスペーサー8,9の前面全体に接着されている。第一面61,71にはそれぞれ凹凸12が設けられているため、凹凸12のうちの凹部分120に接着剤が多く溜まることで、第一板材2のスペーサー本体60,70への接着強度を高めることができる。
第一板材2の左の第一側端部25の先端部分(つまり左の側面部21)は、化粧カバー10の第一溝13に収容されている。第一板材2の右の第一側端部25の先端部分(つまり右の側面部22)は、化粧カバー11の第一溝13に収容されている。
第一板材2の上面部23は、第二スペーサー8の上面前半部の全長に亘って当たっている。第一板材2の下面部24は、第三スペーサー9の下面前半部の全長に亘って当たっている。なお、上面部23は、本実施形態では、第二スペーサー8に接着されていないが、接着されてもよい。また、下面部24は、本実施形態では、第三スペーサー9に接着されていないが、接着されてもよい。
第二板材3の後面部30は、芯材5の後面全体とスペーサー本体60,70の後面(第二面62,72)全体とスペーサー8,9の後面全体に接着されている。第二面62,72にはそれぞれ凹凸12が設けられているため、凹凸12のうちの凹部分120に多く接着剤が溜まることで、第二板材3のスペーサー本体60,70への接着強度を高めることができる。第二板材3の左の第二側端部35の先端部分(つまり左の側面部31)は、化粧カバー10の第二溝14に収容されている。第二板材3の右の第二側端部35の先端部分(つまり右の側面部32)は、化粧カバー11の第二溝14に収容されている。
第二板材3の上面部33は、第二スペーサー8の上面後半部の全長に亘って当たっている。第二板材3の下面部34は、第三スペーサー9の下面後半部の全長に亘って当たっている。なお、上面部33は、本実施形態では、第二スペーサー8に接着されていないが、接着されてもよい。また、下面部34は、本実施形態では、第三スペーサー9に接着されていないが、接着されてもよい。
第一板材2の上面部23と第二板材3の上面部33は、スペーサーユニット4の上面に左右方向の全長に亘って位置する。つまり、上面部23,33は、左側のスペーサー6の上端開口上と第二スペーサー8上と右側のスペーサー7の上端開口上に位置する。上面部23,33は、左右のスペーサー6,7の上端開口を閉塞または略閉塞している。第一板材2の下面部24と第二板材3の下面部34は、第三スペーサー9の下方にのみ位置し、左右のスペーサー6,7の下端開口を閉塞していない。
さらに、本実施形態のルーバー1では、上面部23,33の上に配される第二固定部材15bを第二スペーサー8に固定するねじ46によって、上面部23,33のそれぞれが、第二スペーサー8にねじ止めされる(図4参照)。なお、上面部23,33のそれぞれは、ねじ46とは別のねじで第二スペーサー8にねじ止めされてもよい。
続いて、図1A及び図1Bに示すルーバー1の施工例について説明する。
ルーバー1は、自身の長手方向が鉛直方向と平行となる起立姿勢で、建物17に設置される。ルーバー1は、上取付構造15と下取付構造16によって建物17に取り付けられる。
建物17は、図5に示すように、建物17の外装構造として設けられる枠組み18を備える。枠組み18は、ルーバー1の上方に位置する上枠材180と、ルーバー1の下方に位置する下枠材181を含む。枠材180,181は、互いに略平行である。枠組み18は、さらにルーバー1の側方に位置する左右一対の側枠材182,183を含む。左右一対の側枠材182,183は、上枠材180と下枠材181のそれぞれと一体である。ルーバー1は、枠材180,181,182,183で囲まれる空間に設置される。枠材180,181,182,183のそれぞれは、例えば、コンクリート製であり、略板状である。なお、建物17の枠組み18は、上枠材180と下枠材181のみを有し、左右の側枠材182,183を有さなくてもよい。
枠組み18は、ルーバー1が配される空間を、上下方向に複数有し、上枠材180と下枠材181を複数組み有する。上下に隣接する2つの空間のうち上側の空間の下方に位置する下枠材181は、下側の空間の上方に位置する上枠材180を兼ねる。なお、枠組み18は、ルーバー1が配される空間を、上下方向に複数ではなく1つだけ有してもよい。
図1A及び図1Bに示すように、下枠材181は、その上面のうちルーバー1が載置される部位に、上方に突出した載置部184を有する。載置部184は、平面視におけるサイズが、ルーバー1よりも若干大きく、略直方体状である。上枠材180の下面は、平坦である。なお、下枠材181は、載置部184を有さず、上面が平坦でもよい。
載置部184の上面のうちルーバー1が取り付けられる部位には、金属製の固定板40が埋め込まれている。固定板40の上面とその周囲の載置部184の上面とは、略面一である。上枠材180の下面には、固定板が埋め込まれていない。
上取付構造15は、上枠材180にねじ固定される第一固定部材15aと、第二スペーサー8にねじ固定される第二固定部材15bと、第一固定部材15aに対して第二固定部材15bを回転自在(揺動自在)に連結するねじ部材15cを含む。固定部材15a,15b及びねじ部材15cのそれぞれは、例えば、金属製である。
第一固定部材15aは、上枠材180にねじ41で固定される矩形板状の固定部42と、固定部42から下方に突出した左右一対の正面視略L字状の突片43と、固定部42のうち左右一対の突片43の間の部分から下方に突出した矩形板状の連結部44を含む。連結部44には、前後方向に貫通した挿通孔45が2つ設けられている。2つの挿通孔45はそれぞれ、本実施形態では丸孔であり、左右方向に離れて位置する。
第二固定部材15bは、第二スペーサー8にねじ46で固定される矩形板状の固定部47と、固定部47の左右の端縁部から上方に突出した左右一対の正面視略L字状の凸片48と、固定部47のうち左右一対の凸片48の間の部分から上方に突出した矩形板状の連結部49を含む。連結部49には、前後方向に貫通した左右一対の挿通孔50が設けられている。各挿通孔50は、左右方向を長手方向とする長孔であり、左右方向に離れて位置する。
固定部材15a,15bは、左右2つの挿通孔45,50のそれぞれにねじ部材15cを挿通することによって、第一固定部材15aに対して第二固定部材15bが回転自在(揺動自在)に連結される。固定部材15a,15bは、連結状態において、左右一対の凸片48の横片部480のそれぞれが、左右一対の突片43の横片部430のそれぞれの上方に隙間を介して位置するように、構成されている。そのため、連結状態において、第一固定部材15aの左右一対の突片43は、第二固定部材15bの左右一対の凸片48を支持しない。第一固定部材15aの左右一対の突片43は、非連結状態においては、第二固定部材15bの左右一対の凸片48を載置可能であり、ルーバー1の自重を一時的に支持する機能を有している。
下取付構造16は、左右一対の取付部材16aと、支持部材16bを含む。左右一対の取付部材16aは、大きさと形が互いに同じである。左右一対の取付部材16aと、支持部材16bのそれぞれは、例えば、金属製である。
左右一対の取付部材16aのそれぞれは、建物17(詳しくは、下枠材181の載置部184の固定板40)にねじ51で固定される矩形板状の固定部160と、固定部160から上方に突出した嵌め込み部161を含む。
各嵌め込み部161は、固定部160から上方に突出した角筒状の突出部162と、突出部162の外周面に設けられた弾性部163で構成される。突出部162の長手方向(上下方向)に直交する断面形状は、略矩形枠状(本実施形態では略正方形枠状)である。
弾性部163は、突出部162の上端部の前後左右の面のそれぞれに設けられている。つまり、突出部162には、計4つの弾性部163が設けられている。弾性部163は、クロロプレンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等の合成ゴムである。弾性部163は、突出部162に接着されている。
左右一対の取付部材16aのそれぞれは、嵌め込み部161が、スペーサー本体60(70)の下端の開口を通じて、スペーサー本体60(70)の下端部の内側に嵌め込まれることで、ルーバー1に取り付けられる。左右一対の取付部材16aのそれぞれは、固定部160の前後の端部が下枠材181の固定板40にねじ固定される。このように、左右一対の取付部材16aのそれぞれが、ルーバー1に取り付けられ、かつ下枠材181に固定されることで、左右一対の取付部材16aによってルーバー1の下端部が下枠材181に取り付けられる。
支持部材16bは、第三スペーサー9から下方に突出し、先端(下端)が建物17の一部(詳しくは、下枠材181の載置部184の固定板40)に当たるように、構成されている。支持部材16bは、下方への突出量が調整自在である。
支持部材16bは、金属製のボルト164である。ボルト164は、ボルト164の頭部が下端に位置する姿勢で、第三スペーサー9の左右方向の中央部の下側の壁を上下方向に貫通するように設置される。第三スペーサー9の下側の壁には、ナット165が固定されている。ナット165に対するボルト164のねじ込み量を調整することで、第三スペーサー9よりも下方へのボルト164の突出量を調整することができる。
続いて、上述したルーバー1を建物17に取り付ける施工手順の一例について説明する。
まず、ねじ41を用いて、上枠材180に第一固定部材15aを固定する。
次いで、ねじ46を用いて、ルーバー1の第二スペーサー8に第二固定部材15bを固定する。
次いで、ルーバー1の左右のスペーサー本体60,70のそれぞれの下端の開口に、取付部材16aの嵌め込み部161を挿入する。このとき、各突出部162の前後左右のそれぞれの面の弾性部163が、スペーサー本体60,70の下端部の内周面の前後左右のそれぞれの面に当たることで、各取付部材16aはルーバー1に取り付けられる。
次いで、ルーバー1の第三スペーサー9に、下方からボルト164を挿通させ、第三スペーサー9に固定したナット165にボルト164を捻じ込み、支持部材16bをルーバー1の下端部に取り付ける。
次いで、上枠材180と下枠材181との間に、起立姿勢のルーバー1を配置する。このとき、第一固定部材15aの左右一対の突片43の横片部430上に、第二固定部材15bの左右一対の凸片48の横片部480を載せる。
次いで、ねじ51を用いて、左右一対の取付部材16aを下枠材181に固定する。
次いで、第三スペーサー9から下方に突出するボルト164の頭部を、レンチ等の工具を用いて回転させて、ボルト164の下方への突出量を調整する。このとき、第二固定部材15bの左右一対の挿通孔50が、第一固定部材15aの左右一対の挿通孔45と同じ上下位置となるまで、ボルト164の下方への突出量を増やす。
次いで、固定部材15a,15bを2つのねじ部材15cで連結する。この連結状態において、第二固定部材15bの左右一対の凸片48の横片部480は、第一固定部材15aの左右一対の突片43の横片部430の上方に隙間を介して位置する。
次いで、ルーバー1と上枠材180との間の隙間と、ルーバー1と下枠材181の載置部184との隙間のそれぞれにコーキング剤を充填して、これらの隙間を埋める。各隙間に充填されたコーキング剤は、弾性変形可能である。
同様の手順で、ルーバー1を枠組み18に対して複数枚取り付ける。このようにすることで、例えば、図5に示すように、建物17に複数枚のルーバー1を設置することができる。
なお、ルーバー1を建物17に取り付ける施工手順は、上述の手順に限らず、適宜変更可能である。例えば、第二固定部材15bや支持部材16bは、施工現場ではなく工場でルーバー1に取り付けてもよい。また、第二固定部材15bと取付部材16aと支持部材16bの取り付ける順は、適宜設定可能である。
以上のようにして施工された、図1Aに示すルーバー1の取付構造では、ルーバー1に固定された第二固定部材15bが、建物17の上枠材180に固定された第一固定部材15aに対して、回転自在(揺動自在)に支持されている。そのため、本実施形態のルーバー1の取付構造では、地震が起こった場合などに、層間変位に追従してルーバー1が回転することができ、ルーバー1の脱落や崩壊を抑制することができる。
(変更例)
続いて、本実施形態のルーバー1の変更例について説明する。
ルーバー1の化粧カバー10,11の形状は、図2Aに示す形状に限定されない。例えば、化粧カバー10,11は、外側壁部104,114の左右方向外側の面が、図6Aに示すような、凸凹模様が設けられた凸凹面であってもよい。また、化粧カバー10,11は、長手方向の断面形状が、図6Bに示すような半円筒状でもよく、また、三角筒状等のさらに他の形状でもよい。この場合も、化粧カバー10,11の外側壁部104,114の左右方向外側の面は、凹凸面でもよい。
ルーバー1のスペーサー本体60,70の第一面61,71と第二面62,72は、凹凸12が設けられていない平坦面でもよい。
板材2,3は、側端部がL字状に折れ曲がっていなくてもよく、この場合、化粧カバー10,11には、溝13,14の形成を省略することができる。
スペーサー6,7は、アルミニウム以外の他の材料の押出成形品でもよい。
(第二実施形態)
続いて、図7,8に示す本発明の第二実施形態のルーバー1a及びその施工例について説明する。以下では、第一実施形態のルーバー1及び施工例と同様の構成については図中に同一の符号を付して詳しい説明を省略し、異なる構成について詳しく説明する。
本実施形態では、ルーバー1aは、長手方向が左右方向に対して略平行となり、短手方向が前後方向に対して略平行となり、厚み方向が上下方向に対して略平行となる倒伏姿勢で、建物17に取り付けられる。ルーバー1aは、例えば、第二スペーサー8が右端部に位置し、第三スペーサー9が左端部に位置し、第一板材2が第二板材3よりも上方に位置する姿勢で、設置される。以下、この倒伏姿勢を基準とし、ルーバー1aの長手方向を左右方向とし、ルーバー1aの短手方向を前後方向として、各構成について説明する。
建物17は、ガラス製のカーテンウォール52と、その左右に位置する柱53を備える。左右の柱53のそれぞれには、ルーバー1aを取り付けるための板状の取付部54が屋外側(前方)に突出させた状態で固定されている。左右一対の取付部54は、ルーバー1aの長手方向の長さよりも若干長い距離、左右方向に離れて位置している。
本実施形態では、ルーバー1aは、第一板材2の上面部23aと第二板材3の上面部33aのそれぞれが、第二スペーサー8上(つまり右方)にのみ位置し、スペーサー本体60,70の右端の開口を閉塞していない。ルーバー1aのその他の構造は、第一実施形態のルーバー1と同じである。
ルーバー1aは、第一実施形態の施工例の下取付構造16の一対の取付部材16aの固定部160同士を一体化させた取付部材16cと、支持部材16bを用いて、左右の端部が建物17の取付部54に取り付けられる。取付部材16cは、1枚の矩形板で構成される固定部160cと、この固定部160cから左右方向内側に突出する前後一対の嵌め込み部161とで構成される。固定部160cのサイズは、側面視にて、ルーバー1aよりも上下方向及び前後方向の長さが若干大きい。なお、固定部160cの大きさ及び形状は、側面視にて、ルーバー1aと同じであってもよい。
ルーバー1aには、スペーサー8,9それぞれの前後方向の中央部に、左右方向外側に突出し、かつ突出量が調整自在な支持部材16bが取り付けられる。ルーバー1のスペーサー本体60,70の長手方向の両端部の開口にはそれぞれ、取付部材16cの嵌め込み部161が嵌め込まれる。
本実施形態のルーバー1aは、例えば、以下のようにして建物17に取り付けられる。
まず、倒伏姿勢のルーバー1aの右端部と左端部にそれぞれ、取付部材16cを取り付ける。
詳しくは、ルーバー1aの前後のスペーサー本体60,70それぞれの左端開口に、取付部材16cの一対の嵌め込み部161を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各嵌め込み部161の前後上下の弾性部163が、スペーサー本体60,70の内周面のうちの前後上下の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、取付部材16cはルーバー1aの左端部に対して仮固定される。
同様に、ルーバー1aの前後のスペーサー本体60,70それぞれの右端開口に、取付部材16cの一対の嵌め込み部161を1つずつ差し込んで嵌め込む。このとき、各嵌め込み部161の前後上下の弾性部163が、スペーサー本体60,70の内周面のうちの前後上下の面にそれぞれ弾性的に押し当ることで、取付部材16cはルーバー1aの右端部に対して仮固定される。
次いで、ルーバー1aを、左右一対の取付部54の間に、倒伏姿勢で配置する。
次いで、左側の取付部材16cの固定部160cを、左側の取付部54にねじ固定し、右側の取付部材16cの固定部160cを、右側の取付部54にねじ固定する。このとき、ルーバー1aは、上面が前側ほど下方に位置するように傾けて設置するか、あるいは、上面が後側ほど下方に位置するように傾けて設置する。
次いで、左右の支持部材16bの突出長さをそれぞれ調整して、ルーバー1aの左右方向の位置を定める。このとき、左右の支持部材16bの左右方向外側の端部がそれぞれ左右の固定部160cに当たることで、ルーバー1aは左右方向の位置が定まる。
次いで、ルーバー1aと右側の固定部160cとの間の隙間と、ルーバー1aと左側の固定部160cとの間の隙間に、コーキング剤を充填して、これらの隙間を閉塞する。
同様の手順で、ルーバー1aを建物17に対して上下方向に並べて複数枚取り付ける。
(まとめ)
以上説明した本発明の第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、以下の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、第一板材(2)と、第一板材(2)に対向して位置する第二板材(3)と、第一板材(2)と第二板材(3)の間に位置し、第一板材(2)と第二板材(3)のそれぞれに接着された枠状のスペーサーユニット(4)とを備える。スペーサーユニット(4)は、柱状のスペーサー(6,7)を含む。スペーサー(6,7)は、直管状のスペーサー本体(60,70)と、スペーサー本体(60,70)の外側面を覆う化粧カバー(10,11)とが一体に設けられた押出成形品である。
上記のように、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、スペーサー(6,7)を、直管状のスペーサー本体(60,70)と、スペーサー本体(60,70)の外側面を覆う化粧カバー(10,11)とが一体に設けられた押出成形品としている。これにより、従来のように化粧カバーをルーバーに対してねじで止め付ける必要がない。そのため、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、化粧カバーの取り付け手間がかからない。
さらに、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、スペーサー本体(60,70)は、第一板材(2)が接着される第一面(61,71)と、第二板材(3)が接着される第二面(62,72)とを有する。第一面(61,71)と第二面(62,72)のそれぞれには、スペーサー本体(60,70)の長手方向に沿って延びる凹凸(12)が設けられている。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、凹凸(12)の凹部分(120)に接着剤を多く溜めることができるため、スペーサー本体(60,70)と板材(2,3)との接着強度を高めることができる。
さらに、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、第一板材(2)は、L字状に折れ曲がった第一側端部(25)を有し、第二板材(3)は、L字状に折れ曲がった第二側端部(35)を有する。化粧カバー(10,11)には、第一側端部(25)を収容するための第一溝(13)と、第二側端部(35)を収容するための第二溝(14)とが、化粧カバー(10,11)の長手方向に沿って設けられている。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、板材(2,3)の側端部(25,35)の縁の露出を抑制でき、この縁が雨に晒されて錆びることを抑制することができる。
さらに、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)は、上記の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
すなわち、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、スペーサー(6,7)は、アルミニウム製の押出成形品である。スペーサーユニット(4)は、鋼製の第二スペーサー(8)をさらに含む。第一板材(2)と第二板材(3)のそれぞれは、第二スペーサー(8)にねじ止めされている。
上記の付加的な構成を備えることで、第一及び第二実施形態のルーバー(1,1a)では、スペーサー(6,7)の成形が行いやすく、また、板材(2,3)を鋼製の第二スペーサー(8)にねじ止めすることで、板材(2,3)のスペーサーユニット(4)への取付強度を向上させることができる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。