JP6724777B2 - カバーガラス、および、その製造方法 - Google Patents

カバーガラス、および、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カバーガラス、および、その製造方法に関する。特に、本発明は、固体撮像素子を収容するパッケージに接着され、その固体撮像素子の受光面に入射する光が透過するカバーガラス、および、その製造方法に関する。
デジタルカメラやデジタルビデオ等の撮像装置には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が設置されている。
撮像装置において、固体撮像素子は、パッケージの内部空間に収容されている。そして、固体撮像素子を保護すると共に、固体撮像素子の受光面に埃などの異物が付着することを防止するために、カバーガラスがパッケージに設置されている。カバーガラスは、パッケージの内部空間を密封するように接着層を介してパッケージに接着され、その内部空間に収容された固体撮像素子の受光面に入射する光が透過する。この他に、撮像装置には、撮像した画像の色再現性等を向上するために、近赤外線カットフィルタなどの光学要素が設置されている。近赤外線カットフィルタは、たとえば、リン酸塩ガラス、フツリン酸塩ガラスなどのガラスであって、CuOを含有している(たとえば、特許文献1,2参照)。
撮像装置は、小型化、および、低コスト化を実現するために、部品の数を低減することが要求されている。このため、たとえば、近赤外線カットフィルタなどの光学要素をカバーガラスとして用いることが提案されている(たとえば、特許文献3,4参照)。
特開昭62−128943号公報 特開平1−219037号公報 特開平7−281021号公報 特開平8−306894号公報
しかしながら、撮像装置においては、耐候性が十分でないために、固体撮像素子を収容するパッケージからカバーガラスが剥がれる場合がある。たとえば、高温高湿の環境下に長時間曝されたときに、カバーガラスと接着層との界面において接着性が低下して、パッケージからカバーガラスが剥離する場合がある。そして、これに起因して、撮像装置の信頼性が低下する場合がある。
したがって、本発明は、固体撮像素子を収容するパッケージとの接着性を向上可能なカバーガラス、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明のカバーガラスは、固体撮像素子を収容するパッケージに設置される。カバーガラスは、接着層を介してパッケージに接着される接着面を有する。接着面は、密着強化層が被覆されており、密着強化層を介して接着層が設けられる。カバーガラスは、フツリン酸塩系ガラス又はリン酸塩系ガラスで形成され、非架橋状態のリン(P)元素をガラス成分として含有する。密着強化層は、シリコン元素を含む。

本発明によれば、固体撮像素子を収容するパッケージとの接着性を向上可能なカバーガラス、および、その製造方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係るカバーガラスを有する撮像装置の断面図である。 図2は、第1実施形態に係るカバーガラスを示す図である。 図3は、第1実施形態に係るカバーガラスを示す図である。 図4は、第1実施形態に係るカバーガラスの製造方法を示すフロー図である。 図5は、第2実施形態に係るカバーガラスを示す図である。 図6は、第1の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)の測定を行うときの様子を示す図である。 図7は、第2の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)の測定を行うときの様子を示す図である。
<第1実施形態>
[A]撮像装置1の全体構成
図1は、第1実施形態に係るカバーガラスを有する撮像装置の断面図である。図1では、受光面S11に沿った面(xy面)に対して垂直な面(xz面)について示している。
図1に示すように、撮像装置1は、固体撮像素子10と、パッケージ20と、カバーガラス30と、接着層40とを有する。
撮像装置1では、光(被写体像)が、レンズ(図示省略)を介して入射し、パッケージ20に接着されたカバーガラス30を通過する。そして、撮像装置1では、そのカバーガラス30を通過した光(被写体像)が、パッケージ20に収容された固体撮像素子10で受光される。
撮像装置1を構成する各部について、順次、説明する。
[A−1]固体撮像素子10
固体撮像素子10は、たとえば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。
固体撮像素子10は、図1に示すように、受光面S11を含み、入射する光(被写体像)を受光面S11で受ける。受光面S11には、たとえば、複数の光電変換素子(図示省略)が、一の方向xと、その一の方向xに対して垂直な方向yとに配列されている。そして、固体撮像素子10では、複数の光電変換素子が光電変換を行って電気信号を出力するように構成されている。
[A−2]パッケージ20
パッケージ20は、図1に示すように、内部空間SP20を含み、その内部空間SP20に固体撮像素子10を収容している。
具体的には、パッケージ20は、底板部21と側板部22とを有し、底板部21と側板部22との両者が一体で形成されている。パッケージ20において、底板部21は、板状であり、側板部22は、その底板部21の周縁部において底板部21に対して垂直な方向zに沿って立っており、内部空間SP20を囲っている。つまり、パッケージ20は、断面が凹形状になるように形成されている。
そして、パッケージ20は、底板部21と側板部22とによって囲われた内部空間SP20に固体撮像素子10を収容している。ここでは、パッケージ20は、固体撮像素子10において受光面S11に対して反対側に位置する面S12が、底板部21の上面S21に接するように、固体撮像素子10が設置されている。
パッケージ20は、たとえば、セラミック材料(アルミナ(Al)など)、プラスチック材料などの絶縁材料を用いて形成されている。
プラスチック材料としては、種々の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を用いることができる。たとえば、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂を用いることができる。また、熱可塑性樹脂として、たとえば、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリスルホン系樹脂を用いることができる。さらに、上記のプラスチック材料に、適宜、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤を添加してもよい。
[A−3]カバーガラス30
カバーガラス30は、図1に示すように、板状であって、パッケージ20に設置されている。カバーガラス30は、パッケージ20に収容された固体撮像素子10の受光面S11に入射する光が、中央部を透過する。そして、カバーガラス30は、中央部の周囲に位置する周縁部において、パッケージ20に接着されており、パッケージ20の内部空間SP20を密封している。
カバーガラス30は、互いに対向する一対の主面S31,S32を含み、その一対の主面S31,S32のうち一方の主面S31(下面)が、パッケージ20の内部空間SP20に収容された固体撮像素子10の受光面S11に対面している。
カバーガラス30は、光(被写体像)が透過するガラス材料で形成されている。
たとえば、カバーガラス30は、フッ素元素を組成中に含むフツリン酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスで形成されているものが好ましい。フツリン酸塩系ガラスは、耐候性に優れるとともに、プラスチック材料で形成されたパッケージ20に熱膨張係数が近いため、好適である。リン酸塩系ガラスは、硬度が高いと共に、セラミック材料(アルミナ(Al)など)で形成されたパッケージ20に熱膨張係数が近いため、好適である。この他に、カバーガラス30は、近赤外線をカットするように構成されていてもよい。
フツリン酸塩系ガラスとしては、酸化物で換算したときのガラス組成を質量%で表示した場合に、Pの含有割合が23〜70%であり、MgFの含有割合が0〜25%であり、CaFの含有割合が0〜25%であり、SrFの含有割合が0〜25%であり、LiFの含有割合が0〜20%であり、NaFの含有割合が0〜10%であり、KFの含有割合が0〜10%であり、AlFの含有割合が0.2〜20%であり、ZnFの含有割合が0〜15%であり、LiFとNaFとKFとの含有割合を合計した値が1〜30%であるものが好ましい。
は、フツリン酸塩系ガラスにおいて、ガラスの網目構造を形成する主成分である。Pの含有割合が上述の下限値よりも小さいときには、ガラスの安定性が低下し、熱膨張係数が大きくなって、耐熱衝撃性が低下する場合がある。Pの含有割合が上述の上限値よりも大きいときには、化学的耐久性が低下する場合がある。Pの含有割合は、好ましくは、25〜65%である。
AlFは、フツリン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を向上させて、ガラスの粘性を高める成分である。AlFの含有割合が上述の下限値よりも小さいときには、化学的耐久性を向上することが容易でなく、ガラスの粘性を高めることが困難になる場合がある。AlFの含有割合が上述の上限値よりも大きいときには、ガラス化が困難になる場合がある。AlFの含有割合は、好ましくは2〜15%である。
MgF、CaF、SrF、および、BaFは、フツリン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を低下させることがなく、ガラスを安定化させる成分である。MgF、CaF、SrF、および、BaFの各含有割合が、上述の上限値よりも大きいときには、溶融温度が高くなって、失透が生じる場合がある。各成分のうち、MgFの含有割合は、15%以下が好ましい。また、CaFの含有割合は、5〜20%が好ましい。SrFの含有割合は、10%以下が好ましい。
LiF、NaF、および、KFは、フツリン酸塩系ガラスにおいて、溶融温度を下げるために有効な成分である。LiF、NaF、および、KFの各含有割合が、上述の上限値よりも大きいときには、化学的耐久性が低下し、耐熱衝撃性が低下する場合がある。また、LiFとNaFとKFとの含有割合を合計した値が、上述した下限値よりも小さいときには、溶融温度を下げることが容易でない。さらに、LiFとNaFとKFとの含有割合を合計した値が、上述した上限値よりも大きいときには、化学的耐久性が著しく低下する場合がある。LiFの含有割合は、4〜15%が好ましい。NaFの含有割合は、5%以下が好ましい。KFの含有割合は、5%以下が好ましい。さらに、LiFとNaFとKFとの含有割合を合計した値は、5〜20%が好ましい。
ZnFは、フツリン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を向上させると共に、熱膨張係数を下げる成分である。ZnFの含有割合が、上述の下限値よりも小さいときには、化学的耐久性を向上させることなどが困難になる場合がある。ZnFの含有割合が、上述の上限値よりも大きいときには、ガラスが不安定になる場合がある。ZnFの含有割合は、2〜10%が好ましい。
フツリン酸塩系ガラスについては、上記した全てのフッ化物のうち50%以下を酸化物に置換してもよい。この場合、酸素元素が耐熱衝撃性を高めることができる。50%を超えた割合を置換したときには、溶融温度が高くなる場合がある。
なお、フツリン酸塩系ガラスにおいては、放射されるα線の量を低減する等のために、BaF、PbFを実質的に含まないことが好ましい。
リン酸塩系ガラスとしては、酸化物で換算したときのガラス組成を質量%で表示した場合に、Pの含有割合が25〜85%であり、Alの含有割合が5〜17%であり、Bの含有割合が0〜10%であり、LiOの含有割合が0〜20%であり、NaOの含有割合が0〜20%であり、KOの含有割合が0〜20%であり、SiOの含有割合が0〜3%であり、LiOとNaOとKOとの含有割合を合計した値が0.1〜40%であるものが好ましい。
は、リン酸塩系ガラスにおいて、ガラスの網目を構成する主成分である。Pの含有割合が上述した下限値よりも小さいときには、溶融性が十分でなくなる場合がある。Pの含有割合が上述した上限値よりも大きいときには、失透が発生する場合がある。
Alは、リン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を向上させる成分である。Alの含有割合が上述した下限値よりも小さいときには、化学的耐久性を十分に向上させることが困難な場合がある。Alの含有割合が上述した上限値よりも大きいときには、溶融性が十分でなくなる場合がある。
は、リン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を向上させ、ガラスの安定性を向上させる成分である。Bの含有割合が上述した下限値よりも小さいときには、化学的耐久性を十分に向上させることが困難な場合がある。Bの含有割合が上述した上限値よりも大きいときには、失透が生ずる場合がある。
LiO、NaO、および、KOは、リン酸塩系ガラスにおいて、ガラスの溶融性を向上させる成分であって、失透を防止するために添加される。LiOとNaOとKOとの含有割合を合計した値が上述した下限値よりも小さいときには、ガラスの溶融性を十分に向上させることができず、失透を十分に防止することが困難になる場合がある。LiOとNaOとKOとの含有割合を合計した値が上述した上限値よりも大きいときには、化学的耐久性が低下する場合がある。
SiOは、リン酸塩系ガラスにおいて、化学的耐久性を向上させる成分である。SiOの含有割合が上述した上限値よりも大きいときには、化学的耐久性が極端に低下する場合がある。
カバーガラス30について近赤外線をカットするように構成する場合には、カバーガラス30のガラス成分としてCuOを含有することが好ましい。たとえば、上記のようにフツリン酸塩系ガラスまたはリン酸塩系ガラスを構成する基礎ガラス成分の合計を100質量部にしたときに、0.1〜10質量部のCuOを、別途、添加することが好ましい。CuOの含有量が上述した下限値よりも小さいときには、十分に近赤外線をカットすることができない場合がある。CuOの含有量が上述した上限値よりも大きいときには、ガラスの安定性が低下する場合がある。
また、カバーガラス30に含まれる放射性同位元素の含有量は、U(ウラン)が10ppb以下であって、Th(トリウム)が30ppb以下であることが好ましい。そして、カバーガラス30単体が放出するα線の放出量は、0.002〜0.02c/cm・hであることが好ましい。
なお、カバーガラス30は、フツリン酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス以外のガラスであってもよい。たとえば、カバーガラス30は、ケイ酸塩ガラス(ソーダライムガラスなど)、非ケイ酸塩ガラス(ホウ酸塩ガラスなど)、非酸化物ガラスであってもよい。
カバーガラス30において一方の主面S31(下面)は、光学有効面S31aと接着面S31bとを含む。
一方の主面S31(下面)において、光学有効面S31aは、他方の主面S32(上面)から受光面S11へ入射する光(被写体像)が通過する。
一方の主面S31(下面)において、接着面S31bは、接着層40を介してパッケージ20の上端面S22に接着される。ここでは、パッケージ20の側板部22のうち底板部21が設けられた側に対して反対側に位置する上端面S22に、接着面S31bが接着されている。
本実施形態では、図1に示すように、接着面S31bには、密着強化層31が被覆されている。そして、その密着強化層31を介して接着層40が接着面S31bに設けられている。
図2,図3は、第1実施形態に係るカバーガラスを示す図である。図2では、受光面S11に沿った面(xy面)のうち、カバーガラス30の一方の主面S31について示している。これに対して、図3では、図1に示す断面の一部について拡大し、模式的に示している。
図2に示すように、カバーガラス30の一方の主面S31において、光学有効面S31aは、中央部に位置している。これに対して、接着面S31bは、一方の主面S31において周縁部に位置しており、光学有効面S31aの周りを囲っている。
ここでは、密着強化層31は、図2,図3に示すように、カバーガラス30の一方の主面S31において周縁部に位置している接着面S31bの全体を被覆するように形成されている。
密着強化層31は、以下の作用により、カバーガラス30とパッケージ20との接着強度を向上させることができる。
カバーガラス30および接着層40が高温高湿雰囲気下に長時間曝された場合には、カバーガラス30の一部の成分が水分と反応して接着層40が変質し、接着強度が低下する場合がある。しかし、本実施形態では、カバーガラス30と接着層40との間に密着強化層31が介在しているので、カバーガラス30と接着層40との両者は、直接接触しない。このため、本実施形態では、カバーガラス30の成分に起因して接着層40が変質することを抑制可能であるので、接着強度を向上することができる。
したがって、本実施形態では、パッケージ20からカバーガラス30が剥離することを更に効果的に防止することができる。
密着強化層31は、シリコン元素成分を含むことが好ましい。たとえば、密着強化層31については、酸化シリコンを堆積させることによって形成することが好ましい。この場合において、カバーガラス30と密着強化層31との間に水分が介在した場合には、カバーガラス30に含まれるOH基と、密着強化層31に含まれるシリコン元素との間に水素結合が形成されるので、カバーガラス30と密着強化層31との結合が強くなる。その結果、上述の結合状態がガラスネットワークのように網目状態になるので、カバーガラス30と密着強化層31との間と共に、密着強化層31と接着層40との間において、密着性が向上すると考えられる。
特に、カバーガラス30が非架橋状態のリン(P)元素をガラス成分として含有している場合には、その非架橋状態のリン(P)元素が、酸素元素を介して、密着強化層31に含まれるシリコン元素と架橋する。このため、カバーガラス30と密着強化層31との間の結合が更に強くなる。その結果、上記と同様に、密着強化層31と接着層40との間において密着性が向上すると考えられる。
密着強化層31は、たとえば、厚さが0.1μm〜10μmの範囲になるように形成される。密着強化層31の厚さが0.1μm未満の場合には、接着強度を向上させる効果が小さくなる場合がある。密着強化層31の厚さが10μmを超える場合には、密着強化層31を形成するための工程に起因し生産性が低下するおそれがある。
[A−4]接着層40
接着層40は、図1に示すように、パッケージ20とカバーガラス30との間に介在しており、パッケージ20とカバーガラス30との間を接着している。
ここでは、接着層40は、パッケージ20の上端面S22とカバーガラス30の接着面S31bとの両者に接しており、カバーガラス30をパッケージ20に固定している。
たとえば、接着層40は、接着剤をパッケージ20とカバーガラス30との少なくとも一方に塗布し、パッケージ20とカバーガラス30とを組み合わせた後に、その接着剤を硬化させることによって形成される。たとえば、接着層40は、紫外線硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)を含む有機系接着剤、熱硬化性樹脂等を含む有機系接着剤、無機系接着剤等を用いて形成される。
[B]製造方法
図4は、第1実施形態に係るカバーガラスの製造方法を示すフロー図である。
上述したカバーガラス30を製造する際には、まず、図4に示すように、ガラス板を準備する(ST1)。
ここでは、上述したガラス組成で形成されたガラス板(素板)を準備する。
つぎに、図4に示すように、密着強化層31の形成を実施する(ST2)。
ここでは、準備したガラス板の面において接着面S31b(図1等を参照)に対応する部分に密着強化層31を形成する。たとえば、真空蒸着法やスパッタリング法などの成膜法で酸化シリコンをガラス板に堆積して酸化シリコン膜を形成することによって、密着強化層31を設ける。
その後、ガラス板を切断する等の処理を行うことによって、上述したカバーガラス30を完成させる。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態のカバーガラス30は、接着面S31bに密着強化層31が被覆されている。そして、その密着強化層31を介して接着層40が接着面S31bに設けられる。
したがって、本実施形態では、上述したように、カバーガラス30とパッケージ20との接着性を向上することができる。
[D]変形例
[D−1]変形例1−1
上記の実施形態では、パッケージ20に固体撮像素子10とカバーガラス30とが設置される場合(図1参照)について説明したが、これに限らない。
固体撮像素子10とカバーガラス30との他に、レンズ、絞りなどの部材を設置するようにパッケージ20を構成してもよい。
[D−2]変形例1−2
上記の実施形態では、密着強化層31を接着面S31bに形成する場合について説明したが(図3参照)、これに限らない。
密着強化層31については、接着面S31bと共に、光学有効面S31aを被覆するように形成してもよい。つまり、カバーガラス30において固体撮像素子10の側に位置する主面S31の全体を被覆するように、密着強化層31を形成してもよい。これにより、カバーガラス30の光学有効面S31aから放出されるα線を密着強化膜31で減衰することができる。その結果、α線に起因して、固体撮像素子10が出力する撮像データにノイズが発生することを抑制できる。
[D−3]変形例1−3
上記の実施形態では、密着強化層31を接着面S31bの全体に形成する場合について説明したが(図3参照)、これに限らない。
密着強化層31について、接着面S31bの一部を被覆するように形成してもよい。具体的には、カバーガラス30の接着面S31bのうち、50%以上の領域に密着強化層31が被覆していることが好ましい。特に、密着強化層31がカバーガラス30の接着面S31bを被覆する割合は特に、60%以上であることが好ましく、75%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが最も好ましい。カバーガラス30の接着面S31bのうち、50%未満である場合には、カバーガラス30と接着層40との間の密着性が十分でないおそれがある。
[D−4]変形例1−4
上記の実施形態では、大盤のガラス板に密着強化層31を形成した後に、そのガラス板を切断することで、カバーガラス30を完成させる場合について説明したが、これに限らない。
ガラス板を切断してカバーガラス30を形成した後に、そのカバーガラス30に密着強化層31を形成してもよい。
<第2実施形態>
[A]カバーガラスの構成
図5は、第2実施形態に係るカバーガラスを示す図である。図5では、図3と同様に、図1に示す断面の一部について拡大し、模式的に示している。
本実施形態において、カバーガラス30は、図5に示すように、密着強化層31bの構成が、第1実施形態の場合(図3などを参照)と異なる。本実施形態は、この点、及び、これに関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
図5に示すように、カバーガラス30において、密着強化層31bは、単層でなく、複数の層を積層した積層体である。また、密着強化層31bは、カバーガラス30において接着面S31bと共に光学有効面S31aを被覆するように形成されている。さらに、密着強化層31bは、光学有効面S31aを被覆する部分において光学要素として機能するように構成されている。
本実施形態では、密着強化層31bは、誘電体多層膜であって、屈折率が異なる複数種の誘電体層が順次繰り返し積層されることによって形成されている。ここでは、密着強化層31bは、第1誘電体層31Hと第2誘電体層31Lとを含み、第1誘電体層31Hと第2誘電体層31Lとが交互に繰り返し積層されることによって形成されている。
第1誘電体層31Hは、第2誘電体層31Lよりも屈折率が高い誘電体で形成されている。第1誘電体層31Hは、たとえば、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、または、これらの混合物で形成されている。
第2誘電体層31Lは、第1誘電体層31Hよりも屈折率が低い誘電体で形成されている。第2誘電体層31Lは、たとえば、酸化シリコン(SiO)で形成されている。
また、密着強化層31bは、光学有効面S31aを被覆する部分において、たとえば、反射防止層として機能するように構成されている。すなわち、密着強化層31bは、固体撮像素子10の受光面S11側から入射する光が反射することを防止するように構成されている。
この他に、密着強化層31bは、光学有効面S31aを被覆する部分において、赤外線カット層、紫外線カット層、および、紫外線赤外線カット層のいずれかとして機能するように構成されていてもよい。つまり、密着強化層31bは、固体撮像素子10の受光面S11へ入射する光のうち、赤外線と紫外線との少なくとも一方を選択的に低減させて、可視光を透過するように構成されていてもよい。
密着強化層31bは、誘電体多層膜を構成する複数の誘電体層のうち、最も外側に位置する誘電体層が、酸化シリコン(SiO)で形成されていることが好ましい。
[B]製造方法
本実施形態において、カバーガラス30を製造する際には、まず、第1実施形態の場合と同様に、まず、ガラス板を準備する(ST1,図4参照)。
そして、密着強化層31bの形成を実施する(ST2,図4参照)。
本実施形態では、準備したガラス板の面において光学有効面S31aおよび接着面S31b(図5を参照)に対応する部分に、密着強化層31bを形成する。たとえば、加熱蒸着法、イオンアシスト蒸着(IAD:Ion Assisted Deposition)法などの成膜法で、第1誘電体層31Hと第2誘電体層31Lとを交互に繰り返し積層することによって、密着強化層31bとして誘電体多層膜を形成する。
その後、第1実施形態の場合と同様に、ガラス板を切断する等の処理を行うことによって、上述したカバーガラス30(図5参照)を完成させる。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態のカバーガラス30において、密着強化層31bは、誘電体多層膜である。密着強化層31bは、接着面S31bと共に、接着面S31bと同じ面に位置する光学有効面S31aを被覆しており、密着強化層31bのうち光学有効面S31aを被覆する部分は、光学要素として機能する。つまり、本実施形態では、接着面S31bにおいて密着性を強化する機能と、光学有効面S31aにおいて光学要素として機能とを、密着強化層31によって実現することができる。したがって、本実施形態では、光学要素として機能するカバーガラス30について、製造工程を増やさずに、接着性の向上を実現することができる。
[D]変形例
上記した本実施形態では、密着強化層31bが光学有効面S31aにおいて光学要素(赤外線カット層、紫外線カット層、紫外線赤外線カット層)として機能する場合について説明したが、これに限らない。密着強化層31bが光学有効面S31aにおいて光学要素として機能しないように、密着強化層31bを形成してもよい。
この場合には、密着強化層31bは、物理膜厚が1nm〜10nmであることが好ましい。密着強化膜31bの物理膜厚が上記範囲である場合には、密着強化層31cは、光学要素として機能せず、透過する可視光に対してほとんど影響がない。また、カバーガラス30の表面に異物が付着し、その異物上に膜が堆積することで欠点(いわゆるノジュール)が発生するおそれがない。密着強化層31bの物理膜厚が1nm未満である場合には、密着強化層31bが接着面S31bを被覆できないおそれがある。密着強化層31bの物理膜厚が10nmを超える場合には、光学要素として機能するため、密着強化層31bの物理膜厚を厳密に管理する必要がある。つまり、密着強化層31bを構成する各誘電体層の膜厚を厳密に管理する必要があるので、製造の難易度が高くなる。なお、密着強化層31bの物理膜厚は、X線光電子分光分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて測定することができる。
以下より、実施例等について説明する。下記に示す各例のうち、例1、例2、例4、例6、例7は、実施例であり、例3、例5、例8は、比較例である。各例の詳細について順次説明する。
[A]カバーガラスの作製
[例1](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例1では、まず、フツリン酸ガラスのガラス板(商品面:NF−50,AGCテクノグラス社製,厚み0.3mm)を準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。ここでは、反射防止膜として機能するように、表1に示す条件で密着強化層の形成を行った。
Figure 0006724777
具体的には、表1に示すように、TiO層とSiO層とを誘電体層として順次交互に積層し、誘電体多層膜を形成した。つまり、本例では、TiO層とSiO層との繰り返し単位を、3回、繰り返すことによって、合計で6層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を形成した。TiO層とSiO層とのそれぞれについては、表1に示す物理膜厚になるように、加熱蒸着法で成膜した。このようにして、本例のカバーガラスを作製した。なお、層数1のTiO層がガラス板の上に形成され、層数6のSiO層が空気側となる。
[例2](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例2では、まず、例1と同様な組成で形成されたガラス板を準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。例2では、赤外線カットフィルタ層として機能するように、表2に示す条件で密着強化層の形成を行った。
Figure 0006724777
具体的には、表2に示すように、TiO層とSiO層とを誘電体層として順次交互に積層し、誘電体多層膜を形成した。TiO層とSiO層とのそれぞれについては、表2に示す物理膜厚になるように、イオンアシスト蒸着(IAD)法で成膜した。表2に示すように、本例では、合計で38層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、密着強化層として設けた。このようにして、本例のカバーガラスを作製した。なお、層数1のTiO層がガラス板の上に形成され、層数38のSiO層が空気側となる。
[例3](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例3では、例1の場合と同様な組成のガラス板を準備した。本例では、例1の場合と異なり、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に密着強化層を形成せずに、その準備したガラス板を本例のカバーガラスとした。
[例4](リン酸ガラスを用いる場合)
例4では、まず、リン酸ガラスのガラス板を準備した。ここでは、酸化物基準の質量%表示で、Pの含有割合が70.2%であり、Alの含有割合が8.4%であり、Bの含有割合が1.3%であり、NaOの含有割合が7.3%であり、BaOの含有割合が4.5%であり、CuOの含有割合が8.7%であるリン酸ガラスを準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。例4では、赤外線カットフィルタ層として機能するように、例2と同様に表2に示す条件で密着強化層の形成を行った。
[例5](リン酸ガラスを用いる場合)
例5では、例4の場合と同様な組成のガラス板を準備した。本例では、例4の場合と異なり、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に密着強化層を形成せずに、その準備したガラス板を本例のカバーガラスとした。
[例6](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例6では、まず、例1と同様な組成で形成されたガラス板を準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。ここでは、表3に示す物理膜厚になるように、Al層を加熱蒸着法で成膜した。
Figure 0006724777
[例7](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例7では、まず、例1と同様な組成で形成されたガラス板を準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。ここでは、表4に示す条件で密着強化層の形成を行った。
Figure 0006724777
具体的には、表4に示すように、TiO層とSiO層とを誘電体層として順次交互に積層し、誘電体多層膜を形成した。TiO層とSiO層とのそれぞれについては、合計の物理膜厚が1nm〜5nmになるように、加熱蒸着法で成膜した。本例では、合計で6層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、密着強化層として設けた。このようにして、本例のカバーガラスを作製した。なお、層数1のTiO層がガラス板の上に形成され、層数6のSiO層が空気側となる。
[例8](フツリン酸ガラスを用いる場合)
例8では、まず、例1と同様な組成で形成されたガラス板を準備した。
つぎに、その準備したガラス板において接着層が設けられる接着面に、密着強化層を形成した。ここでは、表5に示す条件で密着強化層の形成を行った。
Figure 0006724777
具体的には、表5に示す物理膜厚になるように、反射防止膜として機能する誘電体多層膜を加熱蒸着法で成膜した。本例では、合計で3層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、密着強化層として設けた。このようにして、本例のカバーガラスを作製した。なお、層数1の混合物膜層(AlとZrOとの混合物層)がガラス板の上に形成され、層数3のMgF層が空気側となる。なお、層数が1であるAlとZrOとの混合物層については、Alの質量が3に対してZrOの質量が7である蒸着材料を用いて形成した(Al:ZrO=3:7)。
[B]接着強度の測定
各例において作製したカバーガラスについて、接着強度(シェア強度)の測定を行った。ここでは、「第1の接着強度測定法」と「第2の接着強度測定法」との少なくとも一方の方法で、接着強度(シェア強度)を測定した。以下より、「第1の接着強度測定法」と「第2の接着強度測定法」とのそれぞれについて順次説明する。
[B−1]第1の接着強度測定法
図6は、第1の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)の測定を行うときの様子を示す図である。図6では、断面を模式的に示している。なお、図6においては、密着強化層の図示を省略している。
第1の接着強度測定法では、図6に示すように、まず、各例において作製したカバーガラス30の接着面S31bに、接着層40を介して、試験片60を貼り付けた。ここでは、試験片60として、1辺の長さが1mmである立方体形状の水晶(1mm角の水晶)を用いた。また、接着層40については、紫外線硬化型樹脂を含む接着剤(商品名:光硬化型エポキシ樹脂、型番:3114,メーカー名:スリーボンド社製)を用いて形成した。
接着強度(シェア強度)のサンプルを作製する際には、まず、カバーガラス30以外の面上にある液状の接着剤に、試験片60のうち一の面S60を接触させた。これにより、試験片60のうち一の面S60の全てに接着剤を付着させた。そして、試験片60において接着剤が付着した一の面S60をカバーガラス30の接着面S31bに対面させて、試験片60をカバーガラス30に貼り付けた。そして、接着剤に紫外線を照射することによって、接着剤を硬化させることによって、接着層40を形成した。このようにして、第1の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)を測定するサンプルを完成させた。
その後、図6に示すように、各例のサンプルについて、カバーガラス30の接着面S31bに沿うように、バネ秤(商品名:メカニカルフォースゲージ、型番:FB,メーカー名:イマダ社製)を用いて試験片60の側面に荷重Fを加えた。このとき、カバーガラス30の接着面S31bから試験片60が剥離したときの荷重Fを、接着強度として測定した。
ここでは、各例のサンプルに関して、高温高湿試験を未実施の場合(試験時間0時間)と、高温高湿試験を実施済みの場合(試験時間250時間)とのそれぞれについて、サンプルの完成から同様な時間が経過した後に、接着強度の測定を行った。
高温高湿試験については、下記の条件で行った。
・温度:85℃
・相対湿度:85%
[B−2]第2の接着強度測定法
図7は、第2の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)の測定を行うときの様子を示す図である。図7では、図6と同様に、断面を模式的に示している。なお、図7においては、密着強化層の図示を省略している。
第2の接着強度測定法では、図7に示すように、まず、各例において作製したカバーガラス30を、第1の接着強度測定法の試験片60(図6参照)と同様に加工した。具体的には、各例において作製したカバーガラス30について、1辺の長さが1mmである正方形形状の接着面であって、高さが0.35〜0.6mmである直方体に加工した。また、ガラス試験板61を準備した。ここでは、ガラス試験板61として、1辺の長さが2cmであるホウケイ酸ガラス(製品名:FP−01eco、AGCテクノグラス社製)を用いた。そして、ガラス試験板61の面S61に、接着層40を介して、カバーガラス30を貼り付けた。接着層40については、紫外線・熱硬化併用型接着剤(アクリル・エポキシ系)を用いた。
接着強度(シェア強度)のサンプルを作製する際には、まず、カバーガラス30の接着面S31bに、液状の接着剤を接触させた。これにより、カバーガラス30の接着面S31bの全てに接着剤を付着させた。そして、カバーガラス30において接着剤が付着した接着面S31bをガラス試験板61の面S61に対面させて、カバーガラス30をガラス試験板61に貼り付けた。そして、接着剤に紫外線を照射し、次いで熱処理を行うことによって、接着剤を硬化させることによって、接着層40を形成した。このようにして、第2の接着強度測定法で接着強度(シェア強度)を測定するサンプルを完成させた。
その後、図7に示すように、各例のサンプルについて、ガラス試験板61の面S61に沿うように、バネ秤(商品名:メカニカルフォースゲージ、型番:FB,メーカー名:イマダ社製)を用いてカバーガラス30の側面に荷重Fを加えた。このとき、カバーガラス30がガラス試験板61から剥離したときの荷重Fを、接着強度として測定した。
第2の接着強度測定法では、第1の接着強度測定法の場合と同様に、各例のサンプルに関して、高温高湿試験を未実施の場合(試験時間0時間)と、高温高湿試験を実施済みの場合(試験時間250時間)とのそれぞれについて、サンプルの完成から同様な時間が経過した後に、接着強度の測定を行った。
高温高湿試験については、下記の条件で行った。
・温度:85℃
・相対湿度:85%
[B−3]接着強度の測定結果
表6には、接着強度の測定結果を示している。
Figure 0006724777
表6に示すように、例1では、高温高湿試験を行った場合の方が、高温高湿試験を行っていない場合よりも、接着強度が大きい。例2では、高温高湿試験を行った場合と、高温高湿試験を行っていない場合との間において、接着強度がほぼ同等である。これに対して、例3では、高温高湿試験を行った場合の方が、高温高湿試験を行っていない場合よりも、接着強度が小さい。この結果から判るように、例1および例2では、接着面に密着強化層を介在させることで、高温高湿試験による接着強度の劣化が生じていない。
表6に示すように、例5では、高温高湿試験を行った場合、接着強度が0Nであり、カバーガラス30と試験片60との間において密着性が全く失われていた。これに対し、例4では、高温高湿試験を行った場合の方が、高温高湿試験を行っていない場合よりも、接着強度が大きい。この結果から判るように、例4では、接着面に密着強化層を介在させることで、高温高湿試験による接着強度の劣化が生じていない。。
表6に示すように、例8では、高温高湿試験を行った場合、接着強度の低下がみられた。これに対し、例6および例7では、高温高湿試験を行った場合と、高温高湿試験を行っていない場合との間において接着強度はほぼ同等である。よって、この結果から判るように、例6および例7では、接着面に密着強化層を介在させることで、高温高湿試験による接着強度の劣化が生じていない。
<その他>
上記した実施形態等は、例として示したものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、省略、置き換え、変更などを適宜行うことができる。
1…撮像装置、10…固体撮像素子、20…パッケージ、30…カバーガラス、31,31b…密着強化層、40…接着層、S31a…光学有効面、S31b…接着面、SP20…内部空間。

Claims (9)

  1. 固体撮像素子を収容するパッケージに設置されるカバーガラスであって、
    接着層を介して前記パッケージに接着される接着面
    を有し、
    前記接着面は、密着強化層が被覆されており、前記密着強化層を介して前記接着層が設けられ、
    カバーガラスは、フツリン酸塩系ガラス又はリン酸塩系ガラスで形成され、非架橋状態のリン(P)元素をガラス成分として含有し、
    前記密着強化層は、シリコン元素を含むことを特徴とする、
    カバーガラス。
  2. カバーガラスは、OH基を含有する、
    請求項1に記載のカバーガラス。
  3. 前記密着強化層は、カバーガラスと直接接触する酸化シリコン層を含む、
    請求項1または2に記載のカバーガラス。
  4. 前記密着強化層は、複数の誘電体層が積層された誘電体多層膜であり、
    前記誘電体多層膜を構成する複数の誘電体層のうち最も外側に位置する誘電体層は、酸化シリコンで形成されている、
    請求項1から3のいずれかに記載のカバーガラス。
  5. 前記接着面は、固体撮像素子の受光面に入射する光が透過する光学有効面と同じ面に位置しており、
    前記密着強化層は、前記接着面と共に前記光学有効面を被覆するように形成されており、
    前記密着強化層は、前記光学有効面を被覆する部分において光学要素として機能するように構成されている、
    請求項4に記載のカバーガラス。
  6. 前記密着強化層は、前記光学有効面を被覆する部分において、反射防止層、赤外線カット層、紫外線カット層、およぴ、紫外線赤外線カット層のいずれかとして機能するように構成されている、
    請求項5に記載のカバーガラス。
  7. 前記接着面は、周縁部に位置する、
    請求項1から6のいずれかに記載のカバーガラス。
  8. 近赤外線をカットするように構成されている、
    請求項1から7のいずれかに記載のカバーガラス。
  9. 組成中にフッ素元素を含む、
    請求項1から8のいずれかに記載のカバーガラス。
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