JPH09283731A - 固体撮像素子用カバーガラス - Google Patents

固体撮像素子用カバーガラス

Info

Publication number
JPH09283731A
JPH09283731A JP8112067A JP11206796A JPH09283731A JP H09283731 A JPH09283731 A JP H09283731A JP 8112067 A JP8112067 A JP 8112067A JP 11206796 A JP11206796 A JP 11206796A JP H09283731 A JPH09283731 A JP H09283731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
solid
cover glass
thickness
glass substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8112067A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Iwata
正和 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP8112067A priority Critical patent/JPH09283731A/ja
Publication of JPH09283731A publication Critical patent/JPH09283731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減反射膜からの放射線放出量が少なく、また
減反射膜とガラス基板の熱膨張係数が近似しているた
め、減反射膜の剥離や割れが少ない固体撮像素子用カバ
ーガラスを提供することを目的とする。 【解決手段】 ガラス基板の表面に減反射膜が形成され
てなる固体撮像素子用カバーガラスにおいて、減反射膜
が、酸化チタンからなる膜と酸化珪素からなる膜を交互
に、4層以上配設した膜構造を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CCDと呼ばれる固体
撮像素子を収容するアルミナ等のセラミックパッケージ
の光透過窓ガラスとして使用される固体撮像素子用カバ
ーガラスに関し、より具体的には、ガラス基板の表面に
減反射膜が形成されてなる固体撮像素子用カバーガラス
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より固体撮像装置の一種として、ア
ルミナ等のセラミックパッケージ内にCCD等の固体撮
像素子を搭載し、光透過窓ガラスとしての機能をもつガ
ラス基板をカバーガラスとしてセラミックパッケージの
外表面に封着することによって、固体撮像素子を収納し
た電子部品が広く使われている。
【0003】固体撮像素子は、半導体ICと同様に、シ
リコンの基板上に微細な受光素子を多数集積したもので
あり、光信号を素子に取り込む必要があるため、カバー
ガラスには、高い光透過特性を有し、固体撮像素子の機
能を損なわせないことが要求される。
【0004】一般にカバーガラスの材質としては、ホウ
ケイ酸ガラスや無アルカリガラスが使用されているが、
これらのガラスには、入射した光の約8%が反射すると
いう特性があるため、固体撮像素子の表面で反射した光
が、カバーガラスで再反射して戻ってくることによって
信号ノイズが発生することがあった。
【0005】そこで高品質の画像が要求される固体撮像
素子では、ガラス基板の片面あるいは両面に減反射膜を
形成し、波長400〜700nmの可視光領域における
反射を抑えることによって信号ノイズの低減を図ってお
り、この種の減反射膜としては、弗化マグネシウム、酸
化ジルコニウム及び酸化アルミニウムからなる3層構造
の膜が、広く使われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、この種のガラス
基板に含まれる放射性同位元素が原因となってカバーガ
ラスからα線等の放射線が放出され、固体撮像素子の機
能を低下させるという問題が指摘されている。
【0007】すなわちガラス基板から放射線が放出さ
れ、これが固体撮像素子に入射すると、誤動作を引き起
こし信号ノイズが発生する場合がある。特に単位面積当
りの画素数の増大による高精度化が進められるに従い、
素子がますます微細になり、そのため放射線の影響が一
層顕著に現れるようになってきている。
【0008】このような放射線が固体撮像素子の誤動作
を引き起こすという問題は、ガラス基板だけではなく、
減反射膜にも係わっており、減反射膜から放出される放
射線もできるだけ少ないことが望まれる。
【0009】ところが上記したように一般に普及してい
る減反射膜には、高屈折率材料として酸化ジルコニウム
が用いられているが、酸化ジルコニウムは、不純物とし
てU、Thといった放射性同位元素を比較的多く含有す
るため、放射線の放出量が多い。そのため例え放射線の
放出量の少ないガラス基板を使用しても、その表面に上
記のような減反射膜を形成すると、カバーガラスから放
出される放射線量が多くなり、固体撮像素子の誤動作を
引き起こす虞れがあった。
【0010】また弗化マグネシウムは、低屈折率材料と
して用いられ、効率良く減反射特性を得るのに適した材
料であるが、これの熱膨張係数は、30〜380℃の温
度範囲で188×10-7/℃であり、ガラス基板の熱膨
張係数(約60〜70×10-7/℃)と大きく異なって
いる。そのため弗化マグネシウムを含む減反射膜をカバ
ーガラスの表面に形成すると、カバーガラスを固体撮像
素子パッケージに封着する工程で加熱した時、減反射膜
に内部応力が発生し、ガラス基板から剥離したり、割れ
たりしやすくなる。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、減反射膜からの放射線放出量が少なく、また減反
射膜とガラス基板の熱膨張係数が近似しているため、減
反射膜の剥離や割れが少ない固体撮像素子用カバーガラ
スを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像素子用
カバーガラスは、ガラス基板の表面に減反射膜が形成さ
れてなる固体撮像素子用カバーガラスにおいて、減反射
膜が、酸化チタンからなる膜と酸化珪素からなる膜を交
互に、4層以上配設した膜構造を有することを特徴とす
る。
【0013】また本発明の固体撮像素子用カバーガラス
は、減反射膜が、外側からガラス基板に向かって、厚さ
40〜100nmのSiO2 膜、厚さ90〜200nm
のTiO2 膜、厚さ10〜50nmのSiO2 膜、厚さ
5〜35nmのTiO2 膜の4層構造を有することを特
徴とし、さらに厚さ40〜100nmのSiO2 膜、厚
さ90〜200nmのTiO2 膜、厚さ10〜50nm
のSiO2 膜、厚さ5〜35nmのTiO2 膜、厚さ1
00〜170nmのSiO2 膜の5層構造を有すること
を特徴とする。
【0014】また本発明の固体撮像素子用カバーガラス
は、ガラス基板のウラン(U)、トリウム(Th)の量
が、各々50ppb以下であることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、減反
射膜が、UやThといった放射性同位元素の含有量が少
ない酸化チタンと酸化珪素の交互の膜から構成されてな
るため、酸化ジルコニウムを使用した従来の減反射膜に
比べて放射線の放出量が少なくなる。
【0016】そのためガラス基板として、放射性同位元
素の含有量が少ない低放射線性ガラス、例えば特開平7
−215733号公報に開示されているようなガラス中
のウラン、トリウムの量が各々50ppb以下である低
放射線性ガラスを用いることによって、放射線の放出量
が非常に少ない減反射膜付きカバーガラスを得ることが
可能となる。
【0017】また酸化チタンの熱膨張係数は、80×1
-7/℃であり、また酸化珪素の熱膨張係数は、5.5
×10-7/℃であり、これらの材料は、弗化マグネシウ
ムに比べて、ガラス基板の熱膨張係数に近似しているた
め、剥離や割れを抑えることが可能となる。
【0018】さらに本発明においては、酸化チタンと酸
化珪素からなる層を交互に、4層以上配設することによ
って、所望の減反射特性を得ることが可能となる。ただ
し層数が6層より多くなると、膜材料や成膜に要するコ
ストが大となるため、コスト面を考慮すると、5層以下
にすることが望ましい。
【0019】特に外側からガラス基板に向かって、厚さ
40〜100nmのSiO2 膜、厚さ90〜200nm
のTiO2 膜、厚さ10〜50nmのSiO2 膜、厚さ
5〜35nmのTiO2 膜の4層構造を有する減反射膜
は、可視光領域における反射を非常に少なくすることが
でき、また厚さ40〜100nmのSiO2 膜、厚さ9
0〜200nmのTiO2 膜、厚さ10〜50nmのS
iO2 膜、厚さ5〜35nmのTiO2 膜、厚さ100
〜170nmのSiO2 膜の5層構造を有する減反射膜
は、可視光領域における反射をより一層少なくすること
ができるため好ましい。尚、これらの膜の厚さは、いず
れも実膜厚を表すものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の固体撮像素子用カバーガラス
を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0021】表1は、本発明の固体撮像素子用カバーガ
ラス(試料No.1、2)と比較例の固体撮像素子用カ
バーガラス(試料No.3)を示すものである。
【0022】
【表1】
【0023】これらのカバーガラスは、次のようにして
作製した。
【0024】まず重量%で、SiO2 66.0%、A
23 9.5%、B23 9.0%、Li2
5.9%、Na2 O 5.5%、MgO 0.9%、Z
nO3.1%、Sb23 0.1%の組成を有し、熱
膨張係数が68×10-7/℃であり、光学研磨加工を施
して20×20×1mmの寸法に形成したガラス基板を
準備した。
【0025】このガラス基板は、不純物としてUを15
ppb、Thを10ppb、Raを1ppb未満含んで
おり、α線放出量が0.002c/cm2 ・hである。
【0026】そして図1に示すように、このガラス基板
10の両面に真空蒸着法によって表1に示す膜構造とな
るように減反射膜11、12を形成した。尚、膜の第1
層とは、最も外側(空気側)に位置する層のことであ
る。
【0027】こうして作製した各カバーガラスのα線放
出量、膜の剥離の有無を調べたところ、本発明のカバー
ガラス(試料No.1、2)は、いずれもα線放出量が
少なく、また膜の剥離も認められなかった。
【0028】それに対し、比較例である試料No.3の
カバーガラスは、α線放出量が多く、しかも膜の剥離が
認められた。
【0029】また本発明のカバーガラス(試料No.
1、2)の透過率を測定したところ、図2に示すように
いずれも、波長400〜700nmの可視光領域におけ
る反射が少なく、特に波長450〜650nmの領域に
おける反射は、2%以下であり、非常に反射が少ないこ
とが理解できた。
【0030】尚、表のα線放出量は、ガスフロー比例計
数管測定装置を用いて測定した。また膜の剥離の有無
は、各カバーガラスを加熱炉に入れ、530℃、60分
間の条件で熱処理した後、それらの表面状態を目視で観
察することによって調べたものである。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の固体撮像素子用カ
バーガラスは、減反射膜からの放射線放出量が少なく、
しかも減反射膜とガラス基板の熱膨張係数が近似してい
るため、減反射膜の剥離や割れを防止することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像素子用カバーガラスを示す模
式的断面図である。
【図2】試料No.1、2のカバーガラスの波長400
〜700nmにおける分光透過率特性を示す曲線図であ
る。
【符号の説明】
10 ガラス基板 11、12 減反射膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の表面に減反射膜が形成され
    てなる固体撮像素子用カバーガラスにおいて、減反射膜
    が、酸化チタンからなる膜と酸化珪素からなる膜を交互
    に、4層以上配設した膜構造を有することを特徴とする
    固体撮像素子用カバーガラス。
  2. 【請求項2】 減反射膜が、外側からガラス基板に向か
    って、厚さ40〜100nmのSiO2 膜、厚さ90〜
    200nmのTiO2 膜、厚さ10〜50nmのSiO
    2 膜、厚さ5〜35nmのTiO2 膜の4層構造を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子用カバ
    ーガラス。
  3. 【請求項3】 減反射膜が、外側からガラス基板に向か
    って、厚さ40〜100nmのSiO2 膜、厚さ90〜
    200nmのTiO2 膜、厚さ10〜50nmのSiO
    2 膜、厚さ5〜35nmのTiO2 膜、厚さ100〜1
    70nmのSiO2 膜の5層構造を有することを特徴と
    する請求項1記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  4. 【請求項4】 ガラス基板のウラン(U)、トリウム
    (Th)の量が、各々50ppb以下であることを特徴
    とする請求項1記載の固体撮像素子用カバーガラス。
JP8112067A 1996-04-08 1996-04-08 固体撮像素子用カバーガラス Pending JPH09283731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8112067A JPH09283731A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 固体撮像素子用カバーガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8112067A JPH09283731A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 固体撮像素子用カバーガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09283731A true JPH09283731A (ja) 1997-10-31

Family

ID=14577235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8112067A Pending JPH09283731A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 固体撮像素子用カバーガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09283731A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005117011A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 United Microelectronics Corp ウエハーレベルパッケージの方法及び構造
WO2006041074A1 (ja) * 2004-10-12 2006-04-20 Nippon Electric Glass Co., Ltd. 固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法
JP2006140458A (ja) * 2004-10-12 2006-06-01 Nippon Electric Glass Co Ltd 固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法
WO2008027173A1 (en) * 2006-08-28 2008-03-06 Micron Technology, Inc. Reducing reflections in image sensors
JP2014172770A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Asahi Glass Co Ltd 光学ガラス

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005117011A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 United Microelectronics Corp ウエハーレベルパッケージの方法及び構造
JP4632694B2 (ja) * 2003-10-08 2011-02-16 聯華電子股▲ふん▼有限公司 ウエハーレベルパッケージの方法及び構造
WO2006041074A1 (ja) * 2004-10-12 2006-04-20 Nippon Electric Glass Co., Ltd. 固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法
JP2006140458A (ja) * 2004-10-12 2006-06-01 Nippon Electric Glass Co Ltd 固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法
WO2008027173A1 (en) * 2006-08-28 2008-03-06 Micron Technology, Inc. Reducing reflections in image sensors
JP2014172770A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Asahi Glass Co Ltd 光学ガラス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6668750B2 (ja) 近赤外線カットフィルタ
US10683233B2 (en) Light selective transmission type glass and laminated substrate
US6849336B2 (en) Scintillator panel and radiation image sensor
US20120199929A1 (en) Near infrared cutoff filter
US7732788B2 (en) Radiation image converting panel, scintillator panel and radiation image sensor
TWI393687B (zh) Glass cover for solid state image sensor and method for manufacturing the same
JP5659499B2 (ja) 近赤外線カットフィルタガラス
JP6552260B2 (ja) 光学フィルタ装置および当該光学フィルタ装置の製造方法
US20040071889A1 (en) Method of producing an antireflection-coated substrate
JP2008070828A (ja) 赤外線遮蔽フィルタ
US8211816B2 (en) Cover glass for solid-state imaging element package
JP3255483B2 (ja) 固体撮像装置
JPH09283731A (ja) 固体撮像素子用カバーガラス
JP3532178B2 (ja) 半導体パッケージ用窓材ガラス及びその製造方法
JP2634063B2 (ja) 固体撮像素子用カバーガラス
JP3283722B2 (ja) 半導体パッケージ用窓材ガラス及びその製造方法
TWI388529B (zh) 吸收式近紅外線濾光玻璃
JP2008034502A (ja) 固体撮像素子カバー及び固体撮像装置
JPH07172868A (ja) イメージセンサ用窓ガラス
JPH06211539A (ja) 低放射線ガラス
JPH07234315A (ja) 光学多層膜フィルタ
JP3589421B2 (ja) 半導体パッケージ用窓材ガラス及びその製造方法
JP3007554B2 (ja) イメージセンサ用窓ガラス
JP2000233939A (ja) 固体撮像素子パッケージ用窓ガラス
JP2012113045A (ja) 光学多層膜、光学素子、撮像アッセンブリー、デジタルカメラ及び光学多層膜の製造方法