JP2012113045A - 光学多層膜、光学素子、撮像アッセンブリー、デジタルカメラ及び光学多層膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SiO2などからなる低屈折層41LとTa2O5やTiO2などからなる高屈折層41Hとを備えて光学多層膜を構成する。この光学多層膜の放射性同位元素の合計含有量を5ppb以下としたので、α線の放出量を0.001c/cm2・h以下に抑えることができ、その結果、α線が放出されることに伴う不都合を回避することができる。
【選択図】図2
Description
この光学ローパスフィルターには、低屈折層と高屈折層とを交互に配置した光学多層膜がガラス基材の表面に設けられた構造がある。
このガラス基材は、種々の材料、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)から形成されるが、ガラス基材中、特に、二酸化ケイ素中に不純物として放射線元素であるウラン(U)、トリウム(Th)が含まれている場合、これらの元素から放出される放射線によって固体撮像素子の結晶に欠陥が生じる等の問題がある。つまり、ガラス基材に含まれるウランやトリウムは放射線(α線)放出核であり、このα線が固体撮像素子に悪影響を及ぼす。
また、減反射膜から放出される放射線の放出量を少なくするとともに、減反射膜の剥離や割れを少なくするため、減反射膜が酸化チタンからなる膜と酸化ケイ素からなる膜とを交互に、4層以上配置した固体撮像素子用カバーガラス(特許文献11)がある。この特許文献11では、減反射膜自体から放出されるα線の放出量は0.003〜0.004c/cm2・hであるとされる。
また、固体撮像素子に対向するカバーガラスの表面に、有機金属材料を原料とするCVD法により、光学薄膜を形成する方法(特許文献13)がある。特許文献13では、水晶をカバーガラスに採用した場合に、この水晶に形成された反射防止膜やUV−IRカット膜自体から放出されるα線の放出量が0.002〜0.003c/cm2・hとされる。
特許文献2,3では、カバーガラス自体のウラン及びトリウムの合計の濃度を30ppb以下とした構成であり、カバーガラスの表面に反射防止膜、その他の光学多層膜が形成された場合が考慮されていない。仮に、反射防止膜自体がα線を放出する放射線(α線)放出核を含んだ材料で形成されていた場合には、固体撮像素子にα線の影響が及ぶことになる。
特許文献5,6では、カバーガラスにα線対策が施されていない。
特許文献7,8では、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、酸化タンタル(Ta2O5)及びフッ化マグネシウム(MgF2)の材料を産地に基づいて選択するものであるが、これらの材料の純度では、α線放出量の抑制には限界がある。
特許文献9では、α線の放出量が0.004〜0.018c/cm2・hであり、特許文献10では、α線の放出量が0.003〜0.006c/cm2・hであり、特許文献11では、α線の放出量が0.003〜0.004c/cm2・hであり、いずれも、近年要求される0.001c/cm2・h以下というα線の放出量を満足することができない。
特許文献12では、α線放出量を抑制するための具体的な多層膜の詳細構成や、反射防止膜自体から放出されるα線の量の数値についての言及がないので、どの程度、α線の影響を低減できるか不明である。
特許文献13では、CVD法によって光学多層膜を成膜しているので、面内分布が悪く、1バッチで処理できる数が少なくなるので、結果としてコスト高となる。
本適用例にかかる光学多層膜は、低屈折層と高屈折層とを備え、かつ、放射性同位元素の合計含有量が5ppb以下であることを特徴とする。
この構成の本適用例では、光学多層膜における放射性同位元素の合計含有量を5ppb以下としたので、α線の放出量が0.001c/cm2・h以下となった。そのため、α線が放出されることに伴う不都合を回避することができる。
本適用例にかかる光学多層膜は、前記低屈折層はSiO2からなり、前記高屈折層はTa2O5又はTiO2からなることを特徴とする。
この構成の本適用例では、低屈折層を構成するSiO2や、高屈折層を構成するTa2O5又はTiO2が放射性同位元素の合計含有量が5ppb以下である。これらの材料は入手容易であるため、光学多層膜を容易に形成することができる。
本適用例にかかる光学多層膜は、前記低屈折層と前記高屈折層とは交互に積層されて積層体を構成し、この積層体の最上層は、その表面抵抗が5.2×1014Ω/□以上であることを特徴とする。
この構成の本適用例では、積層体の最上層表面抵抗が5.2×1014Ω/□以上であるため、最上層が高密度となり、不純物が入りにくい構成となる。そのため、この点からもα線の放出量を抑えることができる。
本適用例にかかる光学素子は、前述の光学多層膜が透光性基材の表面に設けられることを特徴とする。
この構成の本適用例では、前述の効果を得ることができる光学素子を提供することができる。
本適用例にかかる光学素子は、前記透光性基材と前記光学多層膜とを備えて光学フィルターが構成されることを特徴とする。
この構成の本適用例では、前述の効果を得ることができる光学フィルターを提供することができる。
本適用例にかかる光学素子は、前記透光性基材と前記光学多層膜とを備えて光学ローパスフィルター用屈折板が構成されることを特徴とする。
この構成の本適用例では、前述の効果を得ることができる光学ローパスフィルターを提供することができる。
本適用例にかかる光学素子は、前記透光性基材は水晶又は高純度ガラスであることを特徴とする。
この構成の本適用例では、透光性基材からのα線の放出量を抑えることができる。
本適用例にかかる撮像アッセンブリーは、筐体と、この筐体に配置された固体撮像素子と、この固体撮像素子に対向配置され前記筐体に取り付けられる前述の光学素子とを備えたことを特徴とする。
この構成の本適用例では、光学素子から放出されるα線の放出量が少ないので、光学素子に対向配置される固体撮像素子に与えるα線の影響が少なくなる。そのため、固体撮像素子の結晶に欠陥が生じるという不具合を回避することができる。
本適用例にかかるデジタルカメラは、前述の撮像アッセンブリーを備えたことを特徴とする。
この構成の本適用例では、固体撮像素子の結晶に欠陥が生じることが少ないので、撮像精度が高いデジタルカメラを提供することができる。
本適用例にかかる光学多層膜の製造方法は、前述の光学多層膜を製造する方法であって、前記低屈折層と前記高屈折層とを、アシストパワーが800V以上、900mA以上のイオンアシストを用いた電子ビーム蒸着により成膜することを特徴とする。
この構成の本適用例では、前述の効果を得ることができる光学多層膜を容易に製造することができる。
図1は本発明の第1実施形態にかかる撮像アッセンブリー1の概略を示す。本実施形態の撮像アッセンブリー1は図示しないデジタルカメラに内蔵されている。
図1において、撮像アッセンブリー1は、有底角筒状の筐体としてのパッケージ2と、このパッケージ2の内底部に配置された板状の固体撮像素子3と、この固体撮像素子3に対向配置されパッケージ2に取り付けられる板状の光学素子4とを備えている。
この光学素子4に対向して光学ローパスフィルター5が配置されている。この光学ローパスフィルター5は、光学素子4側に配置され複屈折性を有する第一屈折板51と、この第一屈折板51に隣接配置される位相板50と、この位相板50に積層配置された第二屈折板52とを備えて構成される。なお、本実施形態では、光学ローパスフィルター5に代えて光学フィルターに光学素子4を適用するものでもよい。
第一屈折板51及び第二屈折板52の材料は、それぞれ水晶である。これらの第一屈折板51、位相板50及び第二屈折板52は、接着剤、その他の接合手段で互いに適宜接合される。
パッケージ2はセラミック製とされ、その中央部分に固体撮像素子3を設置するための平板部2Aと、この平板部2Aの周縁部に設けられた立上部2Bとを備えている。
この立上部2Bの端部は光学素子4の周辺部と接着層6を介して光学素子4の周縁部と接着固定されている。
固体撮像素子3は、CCDやC−MOS等から構成されるものであり、図示しない配線の一端が接続されるとともに、この配線がパッケージ2から外部に引き出される。
光学素子4は、透光性基材40と、この透光性基材40の両面にそれぞれ形成される反射防止膜41,42とを有する。
透光性基材40は、α線の放出量が0.001c/cm2・h以下となる材質、例えば、水晶又は高純度の石英ガラスからなる板状部材である。
反射防止膜41,42のうち固体撮像素子3に対向する面に形成された反射防止膜41は本実施形態にかかる光学多層膜とされ、他の反射防止膜42は通常の反射防止膜である。なお、必要に応じて、これらの反射防止膜42の表面にフッ素含有有機珪素化合物膜(図示せず)を形成してもよい。
図2において、反射防止膜41は、低屈折率の酸化ケイ素(SiO2)の低屈折層41Lと、高屈折率の酸化チタン(TiO2)と酸化タンタル(Ta2O5)の一方の高屈折層41Hとが交互に積層された5層構造の積層体である。この積層体の合計の膜厚は、例えば、500nm以下である。つまり、積層体の最上層(透光性基材40から最も離れた層)が第1層であり、この第1層は低屈折層41Lである。この第1層に隣接して設けられた高屈折層41Hが第2層であり、この第2層に隣接して設けられた低屈折層41Lが第3層であり、この第3層に隣接して設けられた高屈折層41Hが第4層であり、この第4層と透光性基材40との間に設けられた低屈折層41Lが第5層である。
反射防止膜41は、その表面抵抗が5.2×1014Ω/□以上である。
この反射防止膜41は低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが800V以上、900mA以上のイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜される。
反射防止膜42は、反射防止膜41と同様の層構造であるが、電子ビーム蒸着で成膜される。
第2実施形態は第1実施形態とは光学素子の構成が異なるものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
図3は本発明の第2実施形態にかかる撮像アッセンブリー7の概略を示す。
図3において、撮像アッセンブリー7は、有底角筒状の筐体としてのパッケージ2と、このパッケージ2の内底部に配置された板状の固体撮像素子3と、この固体撮像素子3に対向配置されパッケージ2に取り付けられる板状の光学素子8とを備えている。
第2実施形態では、光学素子8は光学ローパスフィルターの一部を構成する第1屈折板であり、この光学素子8に隣接して位相板50が離れて配置され、この位相板50に隣接して第二屈折板52が配置されている。これらの光学素子8、位相板50及び第二屈折板52から光学ローパスフィルター9が構成される。
光学素子8は、第1実施形態の光学素子4と同様に、透光性基材40と、この透光性基材40の両面にそれぞれ形成される反防止膜41,42とを有する。反射防止膜41は本実施形態の光学多層膜を構成する。
まず、低屈折層41Lの材料として、酸化ケイ素(SiO2)を用い、高屈折層41Hの材料として酸化タンタル(Ta2O5)を用いて光学多層膜(反射防止膜41)を成膜した例について説明する。
この例の層構成を表1に示す。表1において、nは屈折率であり、dは各薄膜の厚さであり、設計波長は510nmである。そして、入射角を0°とした。
この例における波長と反射率Rとの関係を示す反射特性のシミュレーションの評価結果をグラフとして図4に示す。
図4に示される通り、波長が400nm〜700nmにある場合には反射特性Rが良好であることがわかる。
この例の層構成を表2に示す。表2において、nは屈折率であり、dは各薄膜の厚さであり、設計波長は510nmである。そして、入射角を0°とした。
この例における波長と反射率Rとの関係を示す反射特性のシミュレーションの評価結果をグラフとして図5に示す。
図5に示される通り、波長が400nm〜700nmにある場合に反射特性が良好であることがわかる。
表3及び表4には表1に示される光学多層膜を成膜する条件が示されている。つまり、光学多層膜は酸化ケイ素(SiO2)の低屈折層41Lと酸化タンタル(Ta2O5)の高屈折層41Hとの積層体から形成される。
これらの表において、実施例1,2及び比較例1,2は、低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が5ppbであり、比較例3〜6は、低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が6ppbである。
なお、以下の成膜の実験機はシンクロン製蒸着機(SID−1350)を用いた。
これに対して、比較例1は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが300V、450mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例2は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが600V、700mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
そして、前述の通り、比較例3〜6は、実施例1,2及び比較例1,2とは低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が相違する。
さらに、比較例3は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが300V、450mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例4は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが600V、700mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例5は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが800V、900mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例6は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが1000V、1200mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
同様に、比較例1と比較例3とを対比すると、両者の相違はウラン、トリウムの含有量の相違のみである。ウラン、トリウムの含有量が5ppbである比較例1はα線の放出量が0.003c/cm2・hであるのに対して、ウラン、トリウムの含有量が6ppbである比較例3はα線の放出量が0.005c/cm2・hであった。さらに、比較例2と比較例4とを対比すると、両者の相違はウラン、トリウムの含有量の相違のみである。ウラン、トリウムの含有量が5ppbである比較例2はα線の放出量が0.002c/cm2・hであるのに対して、ウラン、トリウムの含有量が6ppbである比較例4はα線の放出量が0.003c/cm2・hであった。
以上の通り、ウラン、トリウムの含有量が5ppbである例はウラン、トリウムの含有量が6ppbである例に比べてα線の放出量が小さいことがわかる。特に、実施例1,2のように、ウラン、トリウムの含有量が5ppbである場合は、α線の放出量が0.001c/cm2・hという極めて小さな値となる。
これらの表において、実施例3,4及び比較例7,8は、低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が5ppbであり、比較例9〜12は、低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が6ppbである。
これに対して、比較例7は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが300V、450mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例8は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが600V、700mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
そして、前述の通り、比較例9〜12は、実施例3,4及び比較例7,8とは低屈折層41L及び高屈折層41Hのウラン、トリウムの含有量が相違する。
さらに、比較例9は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが300V、450mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例10は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが600V、700mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例11は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが800V、900mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
比較例12は、低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが1000V、1200mAのイオンアシスト(IAD)を用いた電子ビーム蒸着により成膜した。
同様に、比較例7と比較例9とを対比すると、両者の相違はウラン、トリウムの含有量の相違のみである。ウラン、トリウムの含有量が5ppbである比較例7はα線の放出量が0.004c/cm2・hであるのに対して、ウラン、トリウムの含有量が6ppbである比較例9はα線の放出量が0.005c/cm2・hであった。さらに、比較例8と比較例10とを対比すると、両者の相違はウラン、トリウムの含有量の相違のみである。ウラン、トリウムの含有量が5ppbである比較例8はα線の放出量が0.002c/cm2・hであるのに対して、ウラン、トリウムの含有量が6ppbである比較例10はα線の放出量が0.003c/cm2・hであった。
以上の通り、ウラン、トリウムの含有量が5ppbである例はウラン、トリウムの含有量が6ppbである例に比べてα線の放出量が小さいことがわかる。特に、実施例3,4のように、ウラン、トリウムの含有量が5ppbである場合は、α線の放出量が0.001c/cm2・hという極めて小さな値となる。
(1)低屈折層41Lと高屈折層41Hとを備えて光学多層膜を構成し、この光学多層膜の放射性同位元素の合計含有量を5ppb以下としたので、α線の放出量を0.001c/cm2・h以下に抑えることができ、その結果、α線が放出されることに伴う不都合を回避することができる。
(2)光学多層膜を透光性基材40の表面に設けて光学素子4,8を構成したから、この光学素子4,8からα線が放出されることに伴う不都合を回避することができる。
(4)透光性基材40と光学多層膜である反射防止膜41とを備えて光学素子8を光学ローパスフィルター用屈折板とすれば、光学ローパスフィルターから放出されるα線の放出量を少なくすることができる。
(6)撮像アッセンブリー1を備えてデジタルカメラを構成すれば、固体撮像素子3の結晶に欠陥が生じることが少ないことから、デジタルカメラの撮像精度を高いものにできる。
(8)低屈折層と高屈折層とが交互に積層されて積層体が構成され、この積層体の最上層の表面抵抗が5.2×1014Ω/□以上としたので、光学薄膜が高密度となり、蒸着中並びに蒸着後での不純物の混入を防止することができ、その結果、α線の放出量を抑えることができる。
(10)低屈折層41Lと高屈折層41Hとを、アシストパワーが800V以上、900mA以上のイオンアシストを用いた電子ビーム蒸着により成膜するから、前述の効果を得ることができる光学多層膜を容易に製造することができる。
例えば、前記実施形態では、撮像アッセンブリー1を備えてデジタルカメラを構成したが、デジタルカメラ以外の電子機器、例えば、液晶プロジェクターでも本発明を適用することができる。
さらに、光学多層膜を反射防止膜41としたが、本発明では、これ以外の光学機能膜、例えば、IR−UVカット膜についても適用することができる。
また、透光性基材40を、必ずしも、水晶又は高純度ガラスとすることを要せず、そのα線の放出量も0.001c/cm2・hを超えるものであってもよい。
Claims (10)
- 低屈折層と高屈折層とを備え、かつ、放射性同位元素の合計含有量が5ppb以下であることを特徴とする光学多層膜。
- 請求項1に記載された光学多層膜において、
前記低屈折層はSiO2からなり、前記高屈折層はTa2O5又はTiO2からなることを特徴とする光学多層膜。 - 請求項2に記載された光学多層膜において、
前記低屈折層と前記高屈折層とは交互に積層されて積層体を構成し、この積層体の最上層は、その表面抵抗が5.2×1014Ω/□以上であることを特徴とする光学多層膜。 - 請求項3に記載された光学多層膜が透光性基材の表面に設けられることを特徴とする光学素子。
- 請求項4に記載された光学素子において、
前記透光性基材と前記光学多層膜とを備えて光学フィルターが構成されることを特徴とする光学素子。 - 請求項4に記載された光学素子において、
前記透光性基材と前記光学多層膜とを備えて光学ローパスフィルター用屈折板が構成されることを特徴とする光学素子。 - 請求項4から請求項5のいずれかに記載された光学素子において、
前記透光性基材は水晶又は高純度ガラスであることを特徴とする光学素子。 - 筐体と、この筐体に配置された固体撮像素子と、この固体撮像素子に対向配置され前記筐体に取り付けられる請求項4から請求項7のいずれかに記載された光学素子とを備えたことを特徴とする撮像アッセンブリー。
- 請求項8に記載された撮像アッセンブリーを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載された光学多層膜を製造する方法であって、
前記低屈折層と前記高屈折層とを、アシストパワーが800V以上、900mA以上のイオンアシストを用いた電子ビーム蒸着により成膜することを特徴とする光学多層膜の製造方法。
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