JP2009134064A - 光学部材および撮像系光学物品、撮像モジュール - Google Patents

光学部材および撮像系光学物品、撮像モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】ほこりの付着を低減し、また付着したほこりをふき取りやすくする光学部材、撮像系光学物品、撮像系モジュールを提供する。
【解決手段】透光部材としての基板10に光学薄膜が形成された光学部材1において、基板10の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜12が設けられ、さらにAR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成され、基板10の光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜16が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材および撮像系光学物品、撮像モジュールに関する。
従来から、少なくとも一方の面が外部に露出するレンズ、カバーガラスなどにおいて、透光部材の上に光学薄膜が形成され、さらに露出する面の表面にフッ素系樹脂をコーティングすることが行われている(例えば特許文献1参照)。これは、露出する光学部材の表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることで、表面自由エネルギーによるほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくするためである。
特開2007−17591号公報
しかしながら、一般に外部に露出する光学薄膜は吸湿による分光透過率の変化(波長シフト)を抑制するために、イオンアシスト蒸着を用いて緻密な膜で構成しており、その表面は帯電しやすい状態となっている。また、この光学薄膜の上にコーティングされるフッ素系樹脂は絶縁性を有することから、フッ素樹脂がコーティングされた表面はさらに電荷がたまり易い。このため、上記のような光学部材では、浮遊しているほこり等がフッ素樹脂表面に帯電吸着されやすいという問題がある。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる光学部材は、透光部材に光学薄膜が形成された光学部材であって、前記透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、前記透光部材の光の出射側である他方の面にIRカット膜が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、透光部材の一方の面に形成されるAR膜は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜の上に形成されたフッ素系樹脂は、表面を化学的に不活性にし、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、本適用例の光学部材は、AR膜が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜が形成されることから、フッ素系樹脂膜の電荷はAR膜を介して逃げやすいので電荷がたまりずらい。さらに、フッ素系樹脂膜は、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる光学部材において、前記IRカット膜がイオンアシストを用いたEB蒸着により形成されていることが望ましい。
この構成によれば、透光部材の他方の面に形成されるIRカット膜はイオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されることから緻密な膜構造となる。帯電しやすく、かつほこりが付着しやすい緻密な膜を、密閉面の側に形成するので、ほこりの付着はほとんどない。
なお、EB蒸着とは、電子ビームを被蒸発材料に照射することにより材料を加熱して蒸発させ、基板となる物質に固体の被膜を形成する真空蒸着である。そして、イオンアシスト蒸着とは、EB蒸着にプラズマを併用した方法である。本願でEB蒸着と表記した場合はイオンアシストを併用しないEB蒸着を意味する。
[適用例3]上記適用例にかかる光学部材において、前記一方の面に形成された、前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することが望ましい。
この構成によれば、イオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されるIRカット膜は、緻密な膜構造のため透光部材に応力を与えてそりを発生させることがある。そのため、透光部材の反対面である一方の面において、透光部材とAR膜との間にSiO2膜を形成することで、透光部材の両面の膜応力を均衡させて、光学部材のそりを抑制させることが可能である。
[適用例4]上記適用例にかかる光学部材において、前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であることが望ましい。
この構成によれば、フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下の薄い膜とすることで、フッ素系樹脂膜の絶縁性を低下させて、光学部材の一方の面で帯電しにくくすることができ、ほこり等が吸着されるのを低減することができる。
[適用例5]本適用例にかかる撮像系光学物品において、透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、前記透光部材の光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜が形成されている光学部材と、前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材と、を有することを特徴とする。
光学部材において、透光部材の一方の面に形成されるAR膜は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響を受けずらい。さらに、AR膜の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、光学部材はAR膜が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜が形成されることから、フッ素系樹脂膜の電荷はAR膜を介して逃げやすいので、電荷がたまりずらい。さらに、フッ素系樹脂膜は、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
そして、光学部材のフッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材が設けられており、アース線などを介して保持部材を接地することでフッ素系樹脂膜上にたまった電荷を逃がすことが可能であり、ほこりの付着をさらに低減させる撮像系光学物品を提供することができる。
また、透光部材の他方の面に形成されるIRカット膜はイオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されることから緻密な膜構造となり帯電しやすいが、一般に密閉面となる透光部材における光の出射側の膜であることから、ほこりの付着はほとんどない。
[適用例6]上記適用例にかかる撮像系光学物品において、前記光学部材の前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することが望ましい。
この構成によれば、イオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されるIRカット膜は、緻密な膜構造のため透光部材に応力を与えてそりを発生させることがある。そのため、透光部材の反対面である一方の面において、透光部材とAR膜との間にSiO2膜を形成することで、透光部材の両面の膜応力を均衡させて、光学部材のそりを抑制させることが可能である。このことから、本適用例の撮像系光学物品は光学部材に保持部材を組み込むことが容易になる。
[適用例7]上記適用例にかかる撮像系光学物品において、前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であることが望ましい。
この構成によれば、光学部材のフッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下の薄い膜とすることで、フッ素系樹脂膜の絶縁性を低下させて、光学部材の一方の面で帯電しにくくすることができる。このことから、本適用例の撮像系光学物品は、ほこり等が吸着されるのを低減させることが可能である。
[適用例8]本適用例にかかる撮像モジュールにおいて、透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、前記透光部材の光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜が形成されている光学部材と、前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材と、前記光学部材の一方の面が露出し他方の面が内部に向かって取り付けられる箱状の容器と、前記容器に収容され前記光学部材を透過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする。
光学部材において、透光部材の一方の面に形成されるAR膜は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響を受けずらい。さらに、AR膜の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、光学部材はAR膜が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜が形成されることから、フッ素系樹脂膜の電荷はAR膜を介して逃げやすいので電荷がたまりずらい。さらに、フッ素系樹脂膜は、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
そして、光学部材のフッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材が設けられており、アース線などを介して保持部材を接地することでフッ素系樹脂膜上にたまった電荷を逃がすことが可能であり、ほこりの付着をさらに低減させる撮像系光学物品を提供することができる。
また、透光部材の他方の面に形成されるIRカット膜はイオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されることから緻密な膜構造となり帯電しやすいが、容器内に向いているためほこりの付着はほとんどない。
このように、光学部材にほこりが付着するのを低減し、また、付着したほこりをふき取りやすくする撮像モジュールを提供できる。
[適用例9]上記適用例にかかる撮像モジュールにおいて、前記光学部材の前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することが望ましい。
この構成によれば、イオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されるIRカット膜は、緻密な膜構造のため透光部材に応力を与えてそりを発生させることがある。そのため、透光部材の反対面である一方の面において、透光部材とAR膜との間にSiO2膜を形成することで、透光部材の両面の膜応力を均衡させて、光学部材のそりを抑制させることが可能である。このことから、本適用例の撮像モジュールは光学部材に保持部材を組み込むことが容易であり、組み立て性に優れた撮像モジュールを提供できる。
[適用例10]上記適用例にかかる撮像モジュールにおいて、前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であること望ましい。
この構成によれば、光学部材のフッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下の薄い膜とすることで、フッ素系樹脂膜の絶縁性を低下させて、光学部材の一方の面で帯電しにくくすることができる。このことから、本適用例の撮像モジュールは、ほこり等が吸着されるのを低減させることが可能である。
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
本実施例は可視波長域を通過し、所定波長以下の紫外波長域と所定波長以上の赤外波長域での光の吸収が少ない良好な反射特性を有するUV−IRカット機能と表面の反射を減少させる機能を有する光学部材に適用した一例である。
図1は光学部材の構成を模式的に示す断面図である。図2は光学部材に形成されるIRカット膜の構成を示す模式断面図であり、図3は光学部材に形成されるAR膜とフッ素系樹脂膜の構成を示す模式断面図である。
図1に示すように、光学部材1は透光部材としてガラスなどの基板10が用いられ、その一方の面にAR膜12と、その上に形成されたフッ素系樹脂膜14と、また、他方の面にIRカット膜16を備えている。
基板10は、白板ガラス(屈折率、n=1.52)であり、本実施例では直径30mm、厚さ0.3mmのものを用いた。
IRカット膜16は無機薄膜を多層に積層した光学多層膜で、高屈折材料層(H)と低屈折材料層(L)とから構成されている。高屈折材料層(H)の材料としてTiO2(n=2.40)、低屈折材料層(L)の材料としてSiO2(n=1.46)が用いられている。
図2に示すように、IRカット膜16は、基板10側から高屈折率材料のTiO2層16H1がまず積層され、積層された高屈折率材料のTiO2層16H1の上面に、低屈折率材料のSiO2層16L1が積層される。以下、低屈折率材料のSiO2層16L1の上面に高屈折率材料のTiO2層と低屈折率材料のSiO2層が順次、交互に積層され、IRカット膜16の最上膜層は、低屈折率材料のSiO2層16L30が積層されて、各々30層、計60層のIRカット膜16を形成している。
次に、このIRカット膜16の構成について詳細に説明する。
以下に説明する膜厚構成の表記では、光学膜厚nd=1/4λの値を用いる。具体的には、高屈折率層(H)の膜厚を1Hとして表記し、低屈折率層(L)の膜厚を同様に1Lと表記する。また、(xH、yL)SのSの表記は、スタック数と呼ばれる繰り返しの回数で、括弧内の構成を周期的に繰り返すことを表している。
IRカット膜16の膜厚構成は、設計波長λは550nm、第1層の高屈折率材料のTiO2層16H1が0.60H、第2層の低屈折率材料のSiO2層16L1が0.20L、以下、順次1.05H、0.37L、(0.68H、0.53L)4、0.69H、0.42L、0.59H、1.92L、(1.38H、1.38L)6、1.48H、1.52L、1.65H、1.71L、1.54H、1.59L、1.42H、1.58L、1.51H、1.72L、1.84H、1.80L、1.67H、1.77L、(1.87H、1.87L)7、1.89H、1.90L、1.90H、最表層の低屈折率材料のSiO2層16L30が0.96Lの、計60層が形成されている。
(IRカット膜16の成膜方法)
IRカット膜16の成膜方法は、一般的なイオンアシストを用いたEB蒸着(電子ビーム蒸着)、いわゆるIAD法により基板10の上にIRカット膜16を形成する。
具体的には、基板10を真空蒸着チャンバ(図示せず)内に取り付けた後、真空蒸着チャンバ内の下部に蒸着材料を充填したるつぼを配置し、電子ビームにより蒸着材料を加熱して蒸発させた。同時にイオン銃によりイオン化した酸素(TiO2の成膜時はアルゴンを付加する)を加速照射することにより、基板10上にTiO2の高屈折率材料層16H1〜16H30とSiO2の低屈折率材料層16L1〜16L30を、上記に説明した膜厚構成で成膜する。
以下に、SiO2層とTiO2層の成膜条件を示す。
<SiO2層の成膜条件(標準条件)>
成膜速度:0.8nm/sec
加速電圧:1000V
加速電流:1200mA
酸素(O2)流量:70sccm
成膜温度:150℃
<TiO2層の成膜条件(標準条件)>
成膜速度:0.3nm/sec
加速電圧:1000V
加速電流:1200mA
酸素(O2)流量:60sccm
アルゴン(Ar)流量:20sccm
成膜温度:150℃
次に、AR膜12およびフッ素系樹脂膜14について説明する。
AR膜12は無機薄膜を多層に積層した光学多層膜で、高屈折材料層(H)と低屈折材料層(L)とから構成されている。高屈折材料層(H)の材料としてTiO2(n=2.19)、低屈折材料層(L)の材料としてSiO2(n=1.45)が用いられている。
図3に示すように、このAR膜12は、基板10側から、高屈折率材料のTiO2膜12H1がまず積層され、積層された高屈折率材料のTiO2膜12H1の上面に、低屈折率材料のSiO2膜12L1が積層され、以下、TiO2膜12H2、低屈折率材料のSiO2膜12L2が積層され、計4層でAR膜12を形成している。
このAR膜12の膜構成の詳細を説明する。
以下に説明する膜厚構成の表記では、光学膜厚nd=1/4λの値を用いる。具体的には、高屈折率材料層(H)の膜厚を1Hとして表記し、低屈折率材料層(L)の膜厚を同様に1Lと表記する。
AR膜12の膜厚構成は、設計波長λは550nm、第1層の高屈折率材料のTiO2膜12H1が0.23H、第2層の低屈折率材料のSiO2膜12L1が0.34L、以下、2.00H、0.96Lの、計4層が形成されている。
(AR膜12の成膜方法)
AR膜12の成膜方法は、一般的なEB蒸着(電子ビーム蒸着)を用いる。
具体的には、基板10を真空蒸着チャンバ内に取り付けた後、真空蒸着チャンバ内の下部に蒸着材料を充填したるつぼを配置し、電子ビームにより蒸着材料を加熱して蒸発させた。同時にチャンバ内が所定の圧力になるようにO2(Arを付加しても良い)を導入して成膜を行った。膜厚構成は上記に説明した構成で成膜した。
以下に、SiO2層とTiO2層の成膜条件を示す。
<SiO2の場合の成膜条件(標準条件)>
成膜速度:0.7nm/sec
圧力:8×10-3Pa(O2導入)
成膜温度:200℃
<TiO2の成膜条件(標準条件)>
成膜速度:0.3nm/sec
圧力:2×10-2Pa(O2導入)
成膜温度:200℃
そして、上記AR膜12の上に成膜されたフッ素系樹脂膜14は以下の膜にて製作した。
フッ素系樹脂膜の材料として、フッ素含有シラン系化合物を用い、GE東芝シリコーン(株)製 TSL8257をAR膜上に真空系で成膜した(分子量約400、フッ素含有量約62%)。また、フッ素系樹脂膜14の膜厚は5〜10nmとした。
なお、フッ素系樹脂膜14は以下の方法においても製作が可能である。
(1)フッ素系樹脂膜の材料として、フッ素含有シラン系化合物で下記のものを用い、AR膜上に湿式で成膜する(分子量約4400、フッ素含有量約67%)。
Figure 2009134064
(2)フッ素系樹脂膜の材料として、フッ素含有シラン系化合物で下記のものを用い、AR膜上に湿式で成膜する(分子量約10000、フッ素含有量約64%)。
(CH3O)3-Si-CH2-O-CF2(OC2F4)80-(OCF2)8-CF2-O-CH2-Si-(OCH3)3
(3)フッ素系樹脂膜の材料として、フッ素含有シラン系化合物で下記のものを用い、AR膜上に湿式で成膜する(分子量約1200、フッ素含有量約37%)。
C3F7-(OC3F6)-(OCF(CF3)CF2)-(OCF2)-(OC2F4)-OCF(CF3)-CH2-C(C3H7)CH2CH2-Si(CH3)2(OCH3)
ここで、AR膜の成膜において、EB蒸着で製作したサンプルと、イオンアシストを用いたEB蒸着で製作したサンプルを用い、表面抵抗と表面電位の測定をし、評価を行った。
(評価方法)
(1)表面抵抗(シート抵抗)測定
表面抵抗の測定では、図4に示す表面抵抗測定器504を用いる。この表面抵抗測定器504は、三菱ケミカル製、ハイレスターUP MCP−HT45である。この表面抵抗測定器504はプローブ501がサンプル502の表面と当接している。サンプル502を載置するステージ506はテフロン(登録商標)製である。この測定条件は1000V,30secである。測定時の環境は湿度55%±5%、気温25℃±3℃である。
(2)表面電位測定
ベンコット(セルロース100%)でサンプルの表面を強くこすり、初期値として表面電位が2000V程度になるように静電気を与えた後、60秒経過後に、サンプルの表面電位を測定した。この表面電位を測定では、図5に示す表面電位計500を用いる。この表面電位計500はトレックジャパン製、Model341である。この表面電位計500はプローブ501とサンプル502の表面との距離が10mmである。サンプル502を載置するステージ503は金属製で、アースした状態で測定が行われる。測定時の環境は湿度55%±5%、気温25℃±3℃である。
(評価結果)
Figure 2009134064
評価用のサンプルとして、通常のEB蒸着を用いてAR膜を成膜し、その上にフッ素系樹脂膜を成膜したサンプルと、イオンアシストを用いたEB蒸着でAR膜を成膜し、その上にフッ素樹脂膜を成膜したサンプルを用意した。
通常のEB蒸着を用いてAR膜を成膜したサンプルでは、AR膜蒸着における真空度を変化させたサンプル1〜3を用意した。
また、イオンアシストを用いたEB蒸着でAR膜を成膜したサンプルでは、イオン銃の加速電圧1000V、加速電流1200mAと固定し、真空度を変化させたサンプル4〜6を用意した。
EB蒸着を用いてAR膜を成膜したサンプル1〜3では、真空度には関わらずシート抵抗は8.7×1011〜6.9×1011であり、表面電位は120V以下になっている。残留する表面電位は小さいほど良いが、実用上150V以下であれば問題ないと考えられる。
また、一般的に、静電気を除去するための目安としてシート抵抗が1010ohm/□程度と言われているが、光学部品で用いられる状況では1012ohm/□程度で十分である。
よって、EB蒸着を用いてAR膜を成膜し、その上にフッ素系樹脂膜を成膜した光学部材は、電荷をためず、ほこりを吸着することを抑制することができる。
イオンアシストを用いたEB蒸着でAR膜を成膜したサンプル4〜6では、真空度には関わらずシート抵抗は1.0×1015以上であり、表面電位は2000V以上になっている。このように、イオンアシストを用いたEB蒸着でAR膜を成膜し、その上にフッ素樹脂膜を成膜した光学部材は、電荷をためやすく、浮遊しているほこりを吸着しやすいことがわかる。
これは、イオンアシストを用いたEB蒸着で成膜したAR膜は緻密な構造であることに起因していると考えられる。
これに対してEB蒸着で成膜したAR膜は粗密な(凹凸が多い)構造となっており、その表面に水分子が吸着されることで、電気が流れやすくなり表面電位が下がると考えられる。
上記の実施例においては、基板1として白板ガラスを用いて説明したが、これに限定せず、BK7、サファイアガラス、ホウ珪酸ガラス、青板ガラス、SF3、及びSF7等の透明基板であってもよいし、一般に市販されている光学ガラスも使用できる。
また、高屈折率層の材料としてTiO2を用いた場合で説明したが、他にTa25、Nb25を適用することもできる。
以上、本実施例の光学部材1によれば、基板10の一方の面に形成されるAR膜12は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜12は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響は受けずらい。さらに、AR膜12の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、AR膜12が帯電しにくい膜構造であり、その上に薄いフッ素系樹脂膜14が形成されることから、フッ素系樹脂膜14の絶縁性が低下し、フッ素系樹脂膜14に電荷がたまりずらくなる。このことから、光学部材1のAR膜12が形成された一方の面は、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
また、基板10の他方の面に形成されるIRカット膜16はイオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されることから緻密な膜構造となり帯電しやすいが、一般に密閉面となる基板10における光の出射側の膜であることから、ほこりの付着はほとんどない。
次に実施例2の光学部材について説明する。なお、実施例1と同様な構成については同符号を付し、説明を簡略化する。
図6は光学部材の構成を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、光学部材2は透光部材として基板10が用いられ、その一方の面にSiO2膜18と、AR膜12と、その上に形成されたフッ素系樹脂膜14と、また、他方の面にIRカット膜16を備えている。SiO2膜18は基板10とAR膜12の間に形成され、その膜厚はAR膜より厚く形成されている。
基板10は、白板ガラス(屈折率、n=1.52)であり、本実施例では直径30mm、厚さ0.3mmのものを用いた。
本実施例では実施例1と異なるのは基板10とAR膜12の間にSiO2膜18が成膜されていることである。
図7に示すように、基板10の一方の面に粗密で膜厚の薄いAR膜を成膜し、他方の面に緻密で膜厚の厚いIRカット膜16を成膜すると、膜の応力差で基板にそりが発生する。IRカット膜16を設けた面は、緻密で厚い膜であることから圧縮力を受け、この面が凸となるように変形する。例えば、20mm×28mmの大きさで厚さ0.8mmの基板に一方の面にAR膜12、他方の面にIRカット膜16を実施例1の膜厚で成膜したとき、基板10のそり量PVはおよそ19.4μmであった。
このそり量を解消するために、本実施例では、基板10とAR膜12の間にSiO2膜18を成膜している。例えば、上記のそり量の基板で、SiO2膜18の膜厚を58.8Lとすることで、そり量PVを1μm以下とすることができた。
なお、SiO2膜18の膜厚は、基板10の厚さ、IRカット膜の応力などによってそりを解消する値が適宜決定される。
以上のように、イオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されるIRカット膜16は、緻密な膜構造のため基板10に応力を与えてそりを発生させることがある。そのため、基板10の反対面である一方の面において、基板10とAR膜12との間にSiO2膜18を形成することで、基板10の両面の膜応力を均衡させて、光学部材2のそりを抑制させることが可能である。
このように、本実施形態ではAR膜12が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜14が形成されることから、フッ素系樹脂膜14に電荷がたまりずらくなり、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。そして、さらには基板10のそり量を抑制する光学部材2を提供することができる。
次に、実施例3として、上記の光学部材を用いた撮像系光学物品について説明する。
図8は撮像系光学物品の一例を示す模式断面図である。
撮像系光学物品5は、光学部材1、保持部材20、フレーム22を備えている。光学部材1は、実施例1で説明したものであり、基板10の一方の面にAR膜12と、その上にフッ素系樹脂膜14が成膜され、他方の面にはIRカット膜16が成膜されている。保持部材20は、金属などの導電性を有する材料で形成され、光学部材1の外周を保持し、フッ素系樹脂膜14に接するように配置されている。そして、光学部材1と保持部材20はフレーム22に組みつけられている。なお、フレーム22は他の部品に組み立てられるように適宜、形状が決められる。
光学部材1における基板10の一方の面に形成されるAR膜12は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜12は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響を受けずらい。さらに、AR膜12の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、光学部材1はAR膜12が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜14が形成されることから、フッ素系樹脂膜14に電荷がたまりずらくなり、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
そして、光学部材1のフッ素系樹脂膜14に接する導電性の保持部材20が設けられており、アース線などを介して保持部材20を接地することでフッ素系樹脂膜14上にたまった電荷を逃がすことが可能であり、ほこりの付着をさらに低減させる撮像系光学物品5を提供することができる。
また、光学部材1の代わりに、実施例2で説明した光学部材2を利用することもできる。イオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されるIRカット膜16は、緻密な膜構造のため基板10に応力を与えてそりを発生させることがある。そのため、基板10の反対面である一方の面において、基板10とAR膜12との間にSiO2膜を形成することで、透光部材の両面の膜応力を均衡させて、光学部材2のそりを抑制させることが可能である。このことから、本実施例3の撮像系光学物品5は光学部材2に保持部材20を組み込むことが容易となる。
実施例3として、上記の光学部材を用いた撮像モジュールについて説明する。
図9は撮像モジュールの一例を示す模式断面図である。
撮像モジュール6は、実施例1で説明した光学部材1と、容器24と、容器24に収容されるイメージセンサ35を含んで構成されている。
光学部材1の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜12が設けられ、さらにこのAR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成されている。また、光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜16が形成されている。
光学部材1は保持部材20により保持され、容器24に組み込まれている。保持部材20は、金属などの導電性を有する材料で形成され、光学部材1の外周を保持し、フッ素系樹脂膜14に接するように配置されている。
イメージセンサ35は、収容器32内に光学像を電気的に変換するCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)などの撮像素子30が配置されカバーガラス34により気密に封止されている。
そして、イメージセンサ35は光学部材1から入射した光をイメージセンサ35の撮像素子30が効率よく受光できるように、それぞれの面がほぼ平行になるように配置されている。
なお、撮像モジュール6における光学部材1の一方の面(AR膜12およびフッ素系樹脂膜14が設けられた面)は、外気に直接触れる部分であり、ほこりの付着しやすい部分である。
以上、本実施例の撮像モジュール6の光学部材1において、基板10の一方の面に形成されるAR膜12は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜12は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響を受けずらい。さらに、AR膜12の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、光学部材1はAR膜12が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜14が形成されることから、フッ素系樹脂膜14に電荷がたまりずらくなり、ほこりの付着を低減させ、また、付着したほこりをふき取りやすくすることができる。
そして、光学部材1のフッ素系樹脂膜14に接する導電性の保持部材20が設けられており、アース線などを介して保持部材を接地することでフッ素系樹脂膜上にたまった電荷を逃がすことが可能であり、ほこりの付着をさらに低減させる撮像モジュール6を提供することができる。
また、基板10の他方の面に形成されるIRカット膜16はイオンアシストを用いたEB蒸着にて成膜されることから緻密な膜構造となり帯電しやすいが、容器24内に向いているためほこりの付着はほとんどない。
このように、光学部材1にほこりが付着するのを低減し、また、付着したほこりをふき取りやすくする撮像モジュール6を提供できる。
また、光学部材1の代わりに、実施例2で説明した光学部材2を利用することもできる。この場合、基板とAR膜との間にSiO2膜を形成することで、基板の両面の膜応力を均衡させて、光学部材のそりを抑制させることが可能である。このことから、光学部材に保持部材を組み込むことが容易であり、組み立て性に優れた撮像モジュール6を提供できる。
上記のような撮像モジュールは以下のような電子機器装置に使用することができる。
図10は電子機器装置として、例えば、静止画の撮影を行うデジタルスチルカメラの撮像装置に撮像モジュールを用いた一実施例である。
デジタルスチルカメラ7は、光入射側に配置されるレンズ40、撮像モジュール6、撮像モジュール6の撮像素子30を駆動する駆動部42と、撮像モジュール6から出力される撮像信号の記録・再生等を行う本体部43とを含んで構成されている。
撮像モジュール6の光学部材1はデジタルスチルカメラのレンズ交換等によって外気に直接触れる部分であり、最もほこりの付着しやすい部分である。光学部材1を固定するための保持部材20は金属などの導電材料で構成されており、光学部材1の表面に成膜されたフッ素樹脂膜と電気的に接続されている。そして、保持部材20は、アース線41によってアース(地落)されている。
なお、図示しないが、本体部43には、撮像信号の補正等を行う信号処理部と、撮像信号を磁気テープ等の記録媒体に記録する記録部と、この撮像信号を再生する再生部と、再生された映像を表示する表示部などの構成要素が含まれる。また、このような構成において、光学部材1は水晶基板を用いたローパスフィルタとして構成するのが好ましい。
このように、レンズ40を透過した光は光学部材1を通りイメージセンサ35の撮像素子30にて受光される。そして、撮像モジュール6から出力される撮像信号の記録・再生等が行われる。
光学部材1の一方の面に形成されるAR膜12は、EB蒸着にて成膜されることから粗密な膜構造となり、帯電しにくい膜が形成できる。粗密な膜構造であることから膜の吸湿による光学特性への影響が懸念されるが、AR膜12は膜厚が薄いので、吸湿によるヘーズの影響を受けずらい。さらに、AR膜12の分光特性は広帯域なので、吸湿による波長シフトの影響を受けにくい。そして、AR膜12の上にフッ素系樹脂膜14が形成され、表面を化学的に不活性化し、かつ表面摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、光学部材1はAR膜12が帯電しにくい膜構造であり、その上にフッ素系樹脂膜14が形成されても、フッ素系樹脂膜14に電荷がたまりずらくなり、ほこりの付着を低減させる。また、付着したほこりをふき取りやすく、エアーブラシなどで除去しやすくすることができる。
そして、光学部材1のフッ素系樹脂膜14に接する導電性の保持部材20が設けられており、アース線などを介して保持部材を接地することでフッ素系樹脂膜上にたまった電荷を逃がすことが可能であり、ほこりの付着をさらに低減させるデジタルスチルカメラ7を提供することができる。
実施例1における光学部材の構成を模式的に示す断面図。 実施例1における光学部材に形成されるIRカット膜の構成を示す模式断面図。 実施例1における光学部材に形成されるAR膜とフッ素系樹脂膜の構成を示す模式断面図。 表面抵抗測定器を説明する概略図。 表面電位計を説明する概略図。 実施例2における光学部材の構成を模式的に示す断面図。 光学部材のそり状態を説明する説明図。 実施例3における撮像系光学物品の構成を示す模式断面図。 実施例4における撮像モジュールの構成を示す模式断面図。 デジタルスチルカメラに撮像モジュールを用いた一実施例を示す模式断面図。
符号の説明
1,2…光学部材、5…撮像系光学物品、6…撮像モジュール、7…デジタルスチルカメラ、10…透光部材としての基板、12…AR膜、14…フッ素系樹脂膜、16…IRカット膜、18…SiO2膜、20…保持部材、22…フレーム、24…容器、30…撮像素子、32…収容器、34…カバーガラス、35…イメージセンサ、40…レンズ、41…アース線、42…駆動部、43…本体部。

Claims (10)

  1. 透光部材に光学薄膜が形成された光学部材であって、
    前記透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、
    前記透光部材の光の出射側である他方の面にIRカット膜が形成されていることを特徴とする光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材において、
    前記IRカット膜がイオンアシストを用いたEB蒸着により形成されていることを特徴とする光学部材。
  3. 請求項2に記載の光学部材において、
    前記一方の面に形成された、前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することを特徴とする光学部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材において、
    前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であることを特徴とする光学部材。
  5. 透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、前記透光部材の光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜が形成されている光学部材と、
    前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材と、
    を有することを特徴とする撮像系光学物品。
  6. 請求項5に記載の撮像系光学物品において、
    前記光学部材の前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することを特徴とする撮像系光学物品。
  7. 請求項5または6に記載の撮像系光学物品において、
    前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であることを特徴とする撮像系光学物品。
  8. 透光部材の光の入射側である一方の面にEB蒸着によって形成されたAR膜が設けられ、さらに前記AR膜の上にフッ素系樹脂膜が形成され、前記透光部材の光の出射側である他方の面にイオンアシストを用いたEB蒸着によるIRカット膜が形成されている光学部材と、
    前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜に接する導電性の保持部材と、
    前記光学部材の一方の面が露出し他方の面が内部に向かって取り付けられる箱状の容器と、
    前記容器に収容され前記光学部材を透過した光を受光する撮像素子と、
    を有することを特徴とする撮像モジュール。
  9. 請求項8に記載の撮像モジュールにおいて、
    前記光学部材の前記透光部材と前記AR膜との間にSiO2膜を有することを特徴とする撮像モジュール。
  10. 請求項8または9に記載の撮像モジュールにおいて、
    前記光学部材の前記フッ素系樹脂膜の膜厚が20nm以下であることを特徴とする撮像モジュール。
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