JP2003149404A - 光学薄膜およびその製造方法、及び光学薄膜による光学素子、光学系、該光学系を備える撮像装置、記録装置、露光装置 - Google Patents
光学薄膜およびその製造方法、及び光学薄膜による光学素子、光学系、該光学系を備える撮像装置、記録装置、露光装置Info
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Abstract
薄膜材料を積層して光学薄膜を形成するに際に、薄膜全
体の応力のバランスを図り、薄膜の割れや剥離のない、
耐久性の優れた光学薄膜およびその製造方法、該光学薄
膜による光学素子、光学系、該光学系を備える撮像装
置、記録装置、露光装置を提供する。 【解決手段】高屈折率を有する薄膜材料と低屈折率を有
する薄膜材料を、それぞれ1層以上組み合わせて積層し
た光学薄膜において、これら薄膜材料の応力の向きが互
いに逆になるように組み合わせて積層する。
Description
性に優れた薄膜とその製造方法に関するものである。特
に光学素子、たとえば250nm以下の波長で用いられ
る反射防止膜やミラー、フィルター等に利用される光学
素子、あるいは該光学素子による光学系、該光学系を備
える撮像装置(カメラ、ビデオ、スキャナー等)、記録
装置(レーザービームプリンタ等)、露光装置(ステッ
パーネスキャナー等)に関する。
成時に基板に対して変形を与える。これを応力発生とい
う。基板に対して同じ種類の応力の物質を多く重ねると
基板の変形が大きくなるほか、薄膜自身の応力により薄
膜そのものが破壊することがある。基板に対して薄膜が
外側にそる場合を圧縮応力、基板に対して薄膜が内側に
そる場合を引っ張り応力と定義すると、引っ張り応力を
示す物質としてTiO2、Ta2O5、ZrO2、Al
2O3、MgF2などが知られており、また、圧縮応力を
示す物質としそは、SiO2のみが知られていた。
材料を組み合わせて多層膜を形成する場合、高屈折材料
としてはTiO2、Ta2O5、ZrO2、Al2O3などが
用いられており、また低屈折率材料としてはSiO2、
MgF2などが用いられていた。
させ、なおかつ良好な光学特性を発揮させるためには応
力の向きが互いに逆の高屈折率材料と低屈折率材料を組
み合わせることが望ましいが、従来の知られている材料
と薄膜の製造方法では、低屈折率材料としてSiO2を
用いるほか選択肢が無く、得られる光学特性は自ら限ら
れることとなる。
空紫外線領域(波長250nm以下)においては、上記
の材料のうち高屈折率材料はAl2O3以外ほとんど透明
性が無く、また低屈折率材料に関してはMgF2、Si
O2があるが、SiO2は190nm以下の波長に対して
は透過率が急激に低下する。このため、真空紫外線領域
で薄膜を作成しようとすれば、従来の材料の組み合わせ
では高屈折率材料がAl2O3、低屈折率材料がMgF2
となってしまうため、材料の応力の向きが同じになるこ
ととなり、耐久性のある薄膜を作成する上で問題が生じ
る。
た真空蒸着用薄膜材料は成膜後の応力状態が引っ張り応
力になる物質がほとんどであり、わずかにSiO2が圧
縮応力を示すに過ぎない。従って、高屈折率薄膜と低屈
折率薄膜を積層すると薄膜全体の基板に与える応力は大
きな引っ張り応力となり、薄膜の割れや剥離現象を引き
起こす原因となっていた。
折率を有する薄膜材料と低屈折率を有する薄膜材料を積
層して光学薄膜を形成するに際に、薄膜全体の応力のバ
ランスを図り、薄膜の割れや剥離のない、耐久性の優れ
た光学薄膜およびその製造方法、該光学薄膜による光学
素子、光学系、該光学系を備える撮像装置、記録装置、
露光装置を提供することを目的とするものである。
成するため、つぎの(1)〜(23)のように構成した
光学薄膜およびその製造方法、該光学薄膜による光学素
子、光学系、該光学系を備える撮像装置、記録装置、露
光装置を提供するものである。 (1)高屈折率を有する薄膜材料と低屈折率を有する薄
膜材料を、それぞれ1層以上組み合わせて積層した光学
薄膜において、これら薄膜材料の応力の向きが互いに逆
になるように組み合わせて積層したことを特徴とする光
学薄膜。 (2)前記組み合わせて積層したそれぞれの薄膜材料
が、真空紫外線領域において所望の光学的特性を有する
薄膜材料であることを特徴とする上記(1)に記載の光
学薄膜。 (3)前記高屈折率を有する薄膜材料が、ランタノイド
を含むフッ化物材料であることを特徴とする上記(1)
または上記(2)に記載の光学薄膜。 (4)前記ランタノイドを含むフッ化物材料が、GdF
3またはLaF3、またはその両方であることを特徴とす
る上記(3)に記載の光学薄膜。 (5)前記低い屈折率を有する薄膜が、ランタノイド以
外を含むフッ化物材料であることを特徴とする上記
(1)または上記(2)に記載の光学薄膜。 (6)前記ランタノイド以外を含むフッ化物材料が、M
gF2であることを特徴とする上記(5)に記載の光学
薄膜。 (7)前記光学薄膜は、前記高い屈折率を持つ薄膜材料
の堆積速度を15Å/s以下で積層した光学薄膜である
ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載
の光学薄膜。 (8)前記光学薄膜は、前記高い屈折率を持つ薄膜材料
の膜厚を600Å以下として構成されていることを特徴
とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の光学薄
膜。 (9)前記光学薄膜が、真空蒸着によって形成された光
学薄膜であることを特徴とする上記(1)〜(8)のい
ずれかに記載の光学薄膜。 (10)高屈折率を有する薄膜材料と低屈折率を有する
薄膜材料を、それぞれ1層以上組み合わせて積層する光
学薄膜の製造方法において、これら薄膜材料の応力の向
きが互いに逆になるように組み合わせて積層することを
特徴とする光学薄膜の製造方法。 (11)前記組み合わせて積層したそれぞれの薄膜材料
が、真空紫外線領域において所望の光学的特性を有する
薄膜材料であることを特徴とする上記(10)に記載の
光学薄膜の製造方法。 (12)前記高屈折率を有する薄膜材料が、ランタノイ
ドを含むフッ化物材料であることを特徴とする上記(1
0)または上記(11)に記載の光学薄膜の製造方法。 (13)前記ランタノイドを含むフッ化物材料が、Gd
F3またはLaF3、またはその両方であることを特徴と
する上記(12)に記載の光学薄膜の製造方法。 (14)前記低い屈折率を有する薄膜が、ランタノイド
以外を含むフッ化物材料であることを特徴とする上記
(10)または上記(11)に記載の光学薄膜の製造方
法。 (15)前記ランタノイド以外を含むフッ化物材料が、
MgF2であることを特徴とする上記(14)に記載の
光学薄膜の製造方法。 (16)前記高い屈折率を持つ薄膜材料は、その堆積速
度を15Å/s以下で積層することを特徴とする上記
(10)〜(15)のいずれかに記載の光学薄膜の製造
方法。 (17)前記高い屈折率を持つ薄膜材料は、その膜厚を
600Å以下に形成することを特徴とする上記(10)
〜(16)のいずれかに記載の光学薄膜の製造方法。 (18)前記光学薄膜は、真空蒸着によって形成するこ
とを特徴とする上記(10)〜(17)のいずれかに記
載の光学薄膜の製造方法。 (19)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の光学薄
膜または上記(10)〜(18)のいずれかに記載の光
学薄膜の製造方法で製造された光学薄膜が形成してある
ことを特徴とする光学素子。 (20)上記(19)に記載の光学素子を有することを
特徴とする光学系。 (21)上記(20)に記載の光学系を備えることを特
徴とする撮像装置。 (22)上記(20)に記載の光学系を備えることを特
徴とする記録装置。 (23)上記(20)に記載の光学系を備えることを特
徴とする露光装置。
膜MgF2に対し高屈折率薄膜LaF3またはGdF3を
堆積するに際して、薄膜の膜厚と堆積速度を制御するこ
とで、基板に対してほとんど応力の影響がなく薄膜の割
れや剥離といった問題のない、耐久性の優れた光学素子
を実現することが可能となるが、これは本発明者らが鋭
意研究をした結果によるつぎのような知見に基づくもの
である。
0nm付近での屈折率が約1.66のLaF3、同じく
屈折率が約1.68のGdF3に注目、これらの材料に
ついて応力特性を詳細に検討した結果、薄膜の膜厚と堆
積速度を厳密に制御することにより、MgF2との組み
合わせに於いて互いに応力を打ち消しあい、基板に対し
てほとんど応力の影響が無く、割れや剥離の無い薄膜の
完成に至ったものである。
としてGdF3またはLaF3を用い、また低屈折率材料
としてMgF2またはその他の引っ張り応力特性をもつ
物質を用いて、それら高屈折率物質と低屈折率物質を交
互に組み合わせ、また、両者の成膜速度と膜厚を厳密に
制御することによって応力の少ない薄膜を提供するもの
である。具体的には、高屈折率材料としてのGdF3ま
たはLaF3は基板上においてその薄膜の堆積速度を1
5Å/s以下、最適には5Å/s以下で作成し、かつそ
れら薄膜の厚さを600Å以下にすることが望ましい。
また低屈折率材料としてのMgF2の利用も可能にする
ものである。
材料を溶融蒸発させる真空蒸着法で作成されることが望
ましい。また、その多層膜は薄膜を作成する基板上に該
蒸着材料を交互に堆積させることによって実現される。
蒸発源の種類は、成膜時に膜厚と成膜速度を制御する必
要があることから、蒸発源はその出力を精密に制御でき
るものが望ましく、電子銃溶解法、抵抗加熱法、高周波
誘導加熱法などが適している。
いは水晶式の膜厚モニターを備えていることが望まし
い。薄膜として形成される物質の元の物質を蒸着材料と
呼ぶが、本発明の蒸着材料であるGdF3、LaF3、M
gF2は粉末を焼き固めた焼結体、単結晶、単結晶を粉
砕した果粒状等が用いられる。本発明において多層膜を
形成される基板は、特に限定されるものではないが、真
空紫外用の反射防止膜、増反射膜、特定の波長を透過さ
せるフィルター等があげられる。さらに、本発明に基づ
く光学薄膜を他の薄膜と組み合わせて利用することによ
り、薄膜全体の応力を低減し、耐久性の優れた光学薄膜
を得ることができる。
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のでない。 [実施例1]実施例1の光学薄膜の製造においては、図
1に示す真空蒸着装置を用いた。図1において、1は真
空蒸着装置、2は真空槽、3は電子銃、4は蒸着材料、
5は電子ビーム、6は石英基板、7は水晶振動子であ
る。
て、まず図1の真空蒸着装置(シンクロン製BMC80
0)中のドームに直径30mm、厚さ0.5mmの石英
基板を配置し応力および薄膜観察用のモニター基板とす
る。次に、装置の底部に配置された電子ビーム蒸着用ハ
ースにGdF3、MgF2を充填し装置内を1×10-3P
aの圧力まで排気し、その後電子銃加速電圧6kVに設
定、水晶振動子にて膜厚、成膜速度を監視しながら成膜
速度5Å/s、膜厚が340ÅになるようにMgF2を
成膜した。次に、同じ加速電圧にて同様に水晶振動子に
て膜厚、成膜速度を監視しながら成膜速度5Å/s、膜
厚287ÅになるようにGdF3を成膜した。同様のこ
とを交互に繰り返し、層数24層の薄膜を得た。
し、干渉計にて面精度を測定したところ、基板は薄膜の
面が凹面となるような変形をし、基板に働く応力は0.
2×10-9GPaと計算された。この薄膜を温度60
℃、湿度95%の恒温恒湿環境中に200時間放置し、
放置前と放置後の薄膜の状態を目視にて確認したとこ
ろ、クラックや膜はがれなどの変化は見られなかった。
施例1と同じ図1の真空蒸着装置中に実施例1と同様に
石英の基板を配置し、底面に配置された電子ビーム蒸着
用ハースにLaF 3、MgF2を充填し装置内を1×10
-3Paの圧力まで排気する。その後、電子銃加速電圧6
kVにし、水晶振動子にて膜厚、成膜速度を監視しなが
ら成膜速度5Å/s、膜厚が340ÅになるようにMg
F2を成膜した。次に、同じ加速電圧にて同様に水晶振
動子を用いて膜厚、成膜速度を監視しながら成膜速度5
Å/s、膜厚291ÅになるようにLaF3を成膜し
た。同様のことを交互に繰り返し、層数30層の薄膜を
得た。
し、干渉計にて面精度を測定したところ、基板は薄膜の
面が凹面となるような変形をし、基板に働く応力は0.
7×10-9GPaと計算された。この薄膜を温度60
℃、湿度95%の恒温恒湿環境中に200時間放置し、
放置前と放置後の薄膜の状態を目視にて確認したとこ
ろ、クラックや膜はがれなどの変化は見られなかった。
着装置中に実施例1と同様に石英の基板を配置し、底面
に配置された電子ビーム蒸着用ハースにAl2O3、Mg
F2を充填し装置内を1×10-3Paの圧力まで排気す
る。その後、電子銃加速電圧6kVにし、水晶振動子に
て膜厚、成膜速度を監視しながら成膜速度5Å/s、膜
厚が340ÅになるようにMgF2を成膜した。次に、
同じ加速電圧にて同様に水晶振動子を用いて膜厚、成膜
速度を監視しながら成膜速度5Å/s、膜厚284Åに
なるようにAl2O3を成膜した。同様のことを交互に繰
り返し、層数30層の薄膜を得た。
し、干渉計にて面精度を測定したところ、基板は薄膜の
面が凹面となるような変形をし、基板に働く応力は2.
7×10-9GPaと計算された。この薄膜を温度60
℃、湿度95%の恒温恒湿環境中に200時間放置し、
放置前と放置後の薄膜の状態を目視にて確認したとこ
ろ、クラックや膜はがれが発生しているのが観察され
た。
着装置中に実施例1と同様に石英の基板を配置し、底面
に配置された電子ビーム蒸着用ハースにLaF3、Mg
F2を充填し装置内を1×10-3Paの圧力まで排気す
る。その後、電子銃加速電圧6kVにし、水晶振動子に
て膜厚、成膜速度を監視しながら成膜速度20Å/s、
膜厚が340ÅになるようにMgF3を成膜した。次
に、同じ加速電圧にて同様に水晶振動子を用いて膜厚、
成膜速度を監視しながら成膜速度5Å/s、膜厚284
ÅになるようにLaF3を成膜した。同様のことを交互
に繰り返し、層数30層の薄膜を得た。
し、干渉計にて面精度を測定したところ、基板は薄膜の
面が凹面となるような変形をし、基板に働く応力は1.
8×10-9GPaと計算された。この薄膜を温度60
℃、湿度95%の恒温恒湿環境中に200時間放置し、
放置前と放置後の薄膜の状態を目視にて確認したとこ
ろ、クラックや膜はがれが発生しているのが観察され
た。
を示す概略図であり、前述の実施例1及び実施例2のい
ずれかの光学薄膜を石英基板6に形成したものである。
8は低屈折率層、9は高屈折率層である。なお、基板は
平板であっても、レンズやプリズムであっても良い。
材料と低屈折率を有する薄膜材料を積層して光学薄膜を
形成するに際に、薄膜全体の応力のバランスを図り、薄
膜の割れや剥離のない、耐久性の優れた光学薄膜および
その製造方法、該光学薄膜による光学素子、光学系、該
光学系を備える撮像装置、記録装置、露光装置を実現す
ることができる。
示す概略図である。
る。
Claims (23)
- 【請求項1】高屈折率を有する薄膜材料と低屈折率を有
する薄膜材料を、それぞれ1層以上組み合わせて積層し
た光学薄膜において、これら薄膜材料の応力の向きが互
いに逆になるように組み合わせて積層したことを特徴と
する光学薄膜。 - 【請求項2】前記組み合わせて積層したそれぞれの薄膜
材料が、真空紫外線領域において所望の光学的特性を有
する薄膜材料であることを特徴とする請求項1に記載の
光学薄膜。 - 【請求項3】前記高屈折率を有する薄膜材料が、ランタ
ノイドを含むフッ化物材料であることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載の光学薄膜。 - 【請求項4】前記ランタノイドを含むフッ化物材料が、
GdF3またはLaF3、またはその両方であることを特
徴とする請求項3に記載の光学薄膜。 - 【請求項5】前記低い屈折率を有する薄膜が、ランタノ
イド以外を含むフッ化物材料であることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載の光学薄膜。 - 【請求項6】前記ランタノイド以外を含むフッ化物材料
が、MgF2であることを特徴とする請求項5に記載の
光学薄膜。 - 【請求項7】前記光学薄膜は、前記高い屈折率を持つ薄
膜材料の堆積速度を15Å/s以下で積層した光学薄膜
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載の光学薄膜。 - 【請求項8】前記光学薄膜は、前記高い屈折率を持つ薄
膜材料の膜厚を600Å以下として構成されていること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学
薄膜。 - 【請求項9】前記光学薄膜が、真空蒸着によって形成さ
れた光学薄膜であることを特徴とする請求項1〜8のい
ずれか1項に記載の光学薄膜。 - 【請求項10】高屈折率を有する薄膜材料と低屈折率を
有する薄膜材料を、それぞれ1層以上組み合わせて積層
する光学薄膜の製造方法において、これら薄膜材料の応
力の向きが互いに逆になるように組み合わせて積層する
ことを特徴とする光学薄膜の製造方法。 - 【請求項11】前記組み合わせて積層したそれぞれの薄
膜材料が、真空紫外線領域において所望の光学的特性を
有する薄膜材料であることを特徴とする請求項10に記
載の光学薄膜の製造方法。 - 【請求項12】前記高屈折率を有する薄膜材料が、ラン
タノイドを含むフッ化物材料であることを特徴とする請
求項10または請求項11に記載の光学薄膜の製造方
法。 - 【請求項13】前記ランタノイドを含むフッ化物材料
が、GdF3またはLaF3、またはその両方であること
を特徴とする請求項12に記載の光学薄膜の製造方法。 - 【請求項14】前記低い屈折率を有する薄膜が、ランタ
ノイド以外を含むフッ化物材料であることを特徴とする
請求項10または請求項11に記載の光学薄膜の製造方
法。 - 【請求項15】前記ランタノイド以外を含むフッ化物材
料が、MgF2であることを特徴とする請求項14に記
載の光学薄膜の製造方法。 - 【請求項16】前記高い屈折率を持つ薄膜材料は、その
堆積速度を15Å/s以下で積層することを特徴とする
請求項10〜15のいずれか1項に記載の光学薄膜の製
造方法。 - 【請求項17】前記高い屈折率を持つ薄膜材料は、その
膜厚を600Å以下に形成することを特徴とする請求項
10〜16のいずれか1項に記載の光学薄膜の製造方
法。 - 【請求項18】前記光学薄膜は、真空蒸着によって形成
することを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項
に記載の光学薄膜の製造方法。 - 【請求項19】請求項1〜9のいずれか1項に記載の光
学薄膜または請求項10〜18のいずれか1項に記載の
光学薄膜の製造方法で製造された光学薄膜が形成してあ
ることを特徴とする光学素子。 - 【請求項20】請求項19に記載の光学素子を有するこ
とを特徴とする光学系。 - 【請求項21】請求項20に記載の光学系を備えること
を特徴とする撮像装置。 - 【請求項22】請求項20に記載の光学系を備えること
を特徴とする記録装置。 - 【請求項23】請求項20に記載の光学系を備えること
を特徴とする露光装置。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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EP (1) | EP1312586A1 (ja) |
JP (1) | JP2003149404A (ja) |
Cited By (2)
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