JP2014172770A - 光学ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃等の外力が作用したとしても破損し難い信頼瀬の高い光学ガラスを提供すること。
【解決手段】本発明に係る光学ガラスは、筐体の開口を覆うように筐体に接合される光学ガラスであって、筐体に接合される側の第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有するガラス基板と、第1,第2の主面の少なくとも一方に設けられた光学薄膜とを備え、光学ガラスには筐体とは反対側に膨らむ方向に応力が作用していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラスに関し、特に、カバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の光学ガラスに関する。
デジタルスチルカメラなどに使用されるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子には、近赤外線カットフィルタガラスやカバーガラス等の光学ガラスが用いられている。近年では、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末に搭載される固体撮像素子モジュールやデジタルスチルカメラの薄型化の要請から、板厚の薄い光学ガラスが求められている。
しかし、光学ガラスの板厚が薄くなると、光学ガラスに曲げ応力が作用した場合、ガラスの稜線(ガラスの主面と側面との境界)に存在する欠けや微小なクラックを起点として割れが進展し破損に至る可能性が高くなる。
このため、ガラスの曲げ強度を向上させる観点から、ガラス端面を面取加工することが提案されている(特許文献1参照)。これは、割れの起点となるガラス端面の傷を面取加工にて除去することでガラスの曲げ強度を高めるものである。また、エッチングによって、ガラス板の表面の傷を除去することも提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−169166号公報 特開2010−168262号公報
しかしながら、ガラス端面の面取加工工程やガラス表面のキズを除去する工程は、光学ガラスの生産性を悪化(低下)させる。また、面取加工により、却ってガラス端面に傷が形成されることもある。これは、ガラスの面取加工は、研削砥石にて機械的にガラスを加工することによる。つまり、面取加工時の衝撃等で意図しない傷が新たに形成されるおそれがあるためである。また、ガラスの表面の傷を除去するために、ガラスの主面を保持してエッチングを行うと、光学作用面となる主面にエッチングむらが生じて、光学ガラスとしての光学特性が悪化(低下)するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、衝撃等の外力により破損し難い信頼瀬の高い光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明に係る光学ガラスは、筐体の開口を覆うように筐体に接合される光学ガラスであって、筐体に接合される側の第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有するガラス基板と、第1,第2の主面の少なくとも一方に設けられた光学薄膜とを備え、光学ガラスには筐体とは反対側に膨らむ方向に応力が作用していることを特徴とする。
本発明によれば、光学ガラスには、筐体とは反対側に膨らむ方向に応力が作用しているので、衝撃等の外力が作用したとしても破損し難い信頼瀬の高い光学ガラスを提供することができる。
実施形態に係る光学ガラスの断面図である。 実施形態に係る光学ガラスを撮像装置に使用した一例を示す断面図である。 実施形態に係る光学ガラスに応力を付与する方法の説明図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る光学ガラスについて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る光学ガラス100の断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る光学ガラス100は、例えば、デジタルスチルカメラ等の固体撮像素子(例えば、Charge Coupled Device(以下、CCD)やComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS))に用いられるカバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の光学ガラスである。光学ガラス100は、ガラス基板110と、ガラス基板110の表面110A(透光面)に設けられた反射防止膜としての光学薄膜120と、ガラス基板110の裏面110B(透光面)に設けられた紫外(UV)線及び赤外(IR)線をカットするUVIRカット膜(紫外線遮蔽膜及び赤外線遮蔽膜)としての光学薄膜130とを有する。
カバーガラスは、固体撮像素子の受光素子であるLSIチップが収められたアルミナセラミックパッケージもしくは樹脂パッケージに気密封着されるものであり、LSIチップを保護するだけでなく、受光面へ効率的に光を導入するため、可視光域に高い透過率特性が要求される。また、近赤外線カットフィルタは、視感度補正のための色補正フィルタに使用され、400から600nmの可視光域を効率よく透過し、700nm付近におけるシャープカット特性に優れていることが要求される。
光学ガラス100は、他の部材と接合して用いられる場合は、熱膨張係数を合わせることが好ましい。このような光学ガラスとして用いられる光学ガラス100は、可視光域における高い透過率が求められるため、光の入射側となるガラス基板110の表面110Aには、反射防止膜としての光学薄膜120が設けられている。
(ガラス基板110)
ガラス基板110は、少なくとも可視波長域の光を透過できるものであれば特に限定されない。ガラス基板110としては、特に、近赤外波長域の光を吸収するものが好ましい。近赤外波長域の光を吸収するガラス基板110を用いることで、人間の視感度特性に近い画質を得ることができるためである。なお、近赤外波長域の光を吸収するガラス基板110としては、例えば、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスにCu2+(イオン)が添加された吸収型ガラスが挙げられる。その他、硼珪酸系ガラス、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス等を用いることもできる。
(光学薄膜120)
光学薄膜120は、反射防止膜であり、光の入射側となるガラス基板110の表面110Aに設けられている。光学薄膜120は、光学ガラス100表面の反射率を低減させて、透過率を増加させる。光学薄膜120は、例えば、MgFの単層膜やAl・TiOとZrOとの混合物膜・MgFを積層した多層膜やSiO・TiOの交互多層膜などで構成されている。これらの単層・多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にてガラス基板110の表面110Aに形成されている。また、光学薄膜120は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
(光学薄膜130)
また、ガラス基板110の裏面110Bには、紫外(UV)線及び赤外(IR)線をカットするUVIRカット膜としての光学薄膜130が設けられている。光学薄膜130は、例えば、SiO・TiO等、屈折率の異なる誘電体膜を積層した多層膜で構成されている。これら多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にてガラス基板110の裏面110Bに形成されている。また、光学薄膜130は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
なお、上記説明では、ガラス基板110の表面110Aに光学薄膜120を設け、ガラス基板110の裏面110Bに光学薄膜130を設けているが、ガラス基板110の裏面110Bに光学薄膜120を設け、ガラス基板110の表面110Aに光学薄膜130を設けてもよい。また、ガラス基板110の表面110Aに光学薄膜120,130を設けてもよく、ガラス基板110の裏面110Bに光学薄膜120,130を設けてもよい。また、透明基板110が近赤外波長域の光を十分に吸収できる場合は、光学薄膜130として紫外(UV)線をカットする光学薄膜だけを設けるようにしてもよい。
(ガラス基板110の側面状態)
図1を参照して、ガラス基板110の側面110Sの状態について説明する。
上述したガラス基板110の表面110Aと側面110Sとの境界L1及びガラス基板110の裏面110Bと側面110Sとの境界L2の少なくとも一方は、凹凸を有し、凹凸の高低差は、0.5μmから60μmであることが好ましく、さらに、ガラス基板110の側面110Sの少なくとも一部の表面粗さRaが0.01μmから0.50μmであることが好ましい。なお、ガラス基板110の境界L1,L2の凹凸の高低差や側面110Sの表面粗さRaは、接触式や非接触式の公知の表面粗さ測定装置を用いて測定することができる。
境界L1,L2における凹凸の高低差が、0.5μm未満であると、図2を参照して後述する撮像装置300の筐体に光学ガラス100を接着剤にて貼り付ける際、接着面積が少なく強固な接着ができないおそれがある。また、境界L1,L2における凹凸の高低差が、60μmを超えるとガラス基板110にわれや欠け等の不具合が生じやすいためである。
さらに、ガラス基板110の側面110Sの少なくとも一部の表面粗さRaが0.01μm未満であると、固体撮像素子に斜入射する光が固体撮像素子の表面で反射して迷光となったものを反射し、撮像画像に悪影響を及ぼすおそれがある。また、上記表面粗さRaが0.50μmを超えるとガラス基板110にわれや欠け等の不具合が生じやすいためである。なお、表面粗さRaとは、JIS B 0601:2001に準拠する算術平均粗さをいう。
(撮像装置の構成)
図2は、光学ガラス100を撮像装置300に使用した一例を示す断面図である。撮像装置300は、固体撮像素子310(例えば、CCDやCMOS)を内蔵した筐体320に本発明の光学ガラス100を熱硬化型樹脂R等により気密封着したものである。なお、筐体320には、固体撮像素子310を収容するために開口320aが設けられている。
光学ガラス100は、筐体320とは反対側に膨らむ方向に応力が作用している(働いている)状態で筐体320に取り付けられている。図2の矢印αは、光学ガラス100に作用している応力の方向、もしくは光学ガラス100の変形の方向を示している。つまり、光学ガラス100には、筐体320に接合されない側に凸形状となる応力が作用している。
光学ガラス100に作用する応力は、後述するガラス基板110の主面(表面110A,裏面110B)に平行な方向の光学薄膜120、130の内部応力もしくはガラス基板110と光学薄膜120、130との熱膨張係数の違いにより生じるものである。光学ガラス100に前記内部応力等が作用すると、光学ガラス100が筐体320とは反対側に膨らむ方向に変形する。そのため、本発明における光学ガラス100の筐体320とは反対側に膨らむ方向に作用している応力は、その変形量を応力に換算して示すこともできる。
光学ガラス100に作用している応力は、光学ガラス100の反り量から反りの曲率半径を換算し、以下のstoneyの式((1)式)により算出することができる(光学ガラス100が円形基板の場合)。
σ=Et/6(1−ν)Rt’・・・(1)
但し、
σ:応力
E:光学ガラス100のヤング率
t:光学ガラス100の板厚
ν:光学ガラス100のポアソン比
R:光学ガラス100の反りの曲率半径
t’:光学薄膜の厚さ
なお、光学ガラス100が短冊基板である場合には、光学ガラス100に作用している応力は、以下の(2)式を用いて算出する。
σ=Et/3(1−ν)Rt’・・・(2)
具体的には、レーザー変位計等の公知の手段により、光学ガラス100の反り量を測定する。次いで、測定した反り量と光学ガラス100の寸法から曲率半径を算出する。そして、算出された値を上記(1)式又は(2)式に代入して光学ガラス100の応力を算出する。なお、上記方法以外にも、公知の方法で光学ガラス100に作用している応力を測定することが可能である。
また、光学ガラス100に作用している応力は、5MPa〜150MPaであることが好ましい。光学ガラス100に作用している応力は、5MPa未満であると、後述する光学ガラス100の破損を抑制する効果を十分に得ることができない。また、光学ガラス100に作用している応力は、150MPaを超えると、反り量が大きくなり、固体撮像素子310にて撮像される画像に不具合が生じるおそれがある。光学ガラス100に作用している応力は、好ましくは10MPa〜125MPaであり、より好ましくは10MPa〜100MPaである。
上記撮像装置300が搭載された可搬型の電子機器(例えば、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末)には、落下等により強い衝撃が加わることがある。その際に、撮像装置300に用いられる光学ガラス100にも同様に強い衝撃が加わることになる。衝撃により光学ガラス100の板厚方向に光学ガラス100がたわむ場合、光学ガラス100が筐体320から離れる方向に変位する状態と筐体320に密着し固体撮像素子310側に近づく方向に変位する状態とを交互に繰り返し、この振幅が徐々に小さくなることで衝撃が吸収される。
光学ガラス100が筐体320から離れる方向に変位する場合、実質的に光学ガラス100に作用する応力は光学ガラス100と筐体320とを接合している接着剤(熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂等)の弾性力により吸収され小さくなる。また、光学ガラス100と他の部材との接触がないため、局所的に光学ガラス100に高い応力が作用することがない。
これに対し、光学ガラス100が筐体320に密着し固体撮像素子310側に近づく方向に変位する場合、光学ガラス100と筐体320の開口320a端部とが密着し、光学ガラス100に局所的に高い応力が作用する。これにより、光学ガラス100に作用した応力が平面方向に伝搬し、境界L1または境界L2の欠けや微小なクラック等を起点に割れが進展することで光学ガラス100が破損することが考えられる。
本発明の光学ガラス100は、筐体320とは反対側に膨らむ方向に応力が作用している(働いている)状態で筐体320に取り付けられていることで、光学ガラス100が板厚方向に変位するような衝撃が加わったとしても、光学ガラス100が筐体320に密着し固体撮像素子310側に近づく方向に変位することを抑制できるため、撮像装置300の落下等の衝撃による光学ガラス100の破損を抑制することができる。
(光学ガラスへの応力の付与)
光学ガラス100を筐体320とは反対側に膨らむ方向に応力が作用している状態とするには、以下に述べる4つの手段がある。以下、図3を参照して、第1〜第4の手段について説明する。なお、図1,図2で説明した構成と同じ構成には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、ガラス基板110の表面110Aを筐体320に接合される側の第1の主面とし、前記第1の主面に対向する面を第2の主面とする。
(第1の手段:図3(a)参照)
第1の手段として、ガラス基板110の裏面110B(第2の主面)に光学薄膜130を形成し、この光学薄膜130の内部応力がガラス基板110の第2の主面に平行な圧縮応力となるようにする。このようにすることで、光学ガラス100に対し図2の矢印αの向きに応力が作用する。光学ガラス100が筐体320と反対側に凸形状となっている場合、光学ガラス100に対してこのような向きに応力が作用しているということができるが、光学ガラス100が必ずしも凸形状となっている必要はなく、矢印αの向きに応力が作用していることが重要である。
(第2の手段:図3(b)参照)
第2の手段として、ガラス基板110の表面110A(第1の主面)に光学薄膜120を形成し、この光学薄膜120の内部応力がガラス基板110の第1の主面に平行な引張応力となるようにする。このようにすることで、光学ガラス100に対し矢印αの向きに応力が作用する。
(第3の手段:図3(c)参照)
第3の手段として、ガラス基板110の裏面110B(第2の主面)及び表面110A(第1の主面)の両方に光学薄膜130,120を形成し、前記第2の主面に形成された光学薄膜130のガラス基板110の第2の主面に平行な内部応力をA、前記第1の主面に形成された光学薄膜120のガラス基板110の第1の主面に平行な内部応力をBとし、圧縮応力をプラスの値、引張応力をマイナスとした際に、A−Bの値が0を超えるようにする。このようにすることで、光学ガラス100に対し矢印αの向きに応力が作用する。すなわち、第1の主面及び第2の主面に形成した光学薄膜130,120の内部応力を相殺した場合、第2の主面側に圧縮応力が残るようにすることを意味している。
そのため、光学ガラス100に対し矢印αの向きに応力が作用するのであれば、第1の主面及び第2の主面に形成した光学薄膜120,130のガラス基板110の第1,第2の主面に平行な内部応力はともに圧縮応力であっても、引張応力であってもよい。第2の主面に形成した光学薄膜130の内部応力が圧縮応力、第1の主面に形成した光学薄膜120の内部応力が引張応力の場合は、必ず前述の関係となるが、(A−B)の値が大きすぎると、光学ガラス100の反り量が大きくなり光学特性に影響を及ぼすおそれがあるため、光学ガラス100に作用する矢印αの向きに応力は過度に大きくならないようにすべきである。
(第4の手段:図3(a)参照)
第4の手段として、ガラス基板110の裏面110B(第2の主面)に光学薄膜130を形成し、熱膨張係数が100×10−7/Kから150×10−7/Kのガラス基板110を用いることである。ガラス基板110に光学薄膜を形成する場合、真空蒸着法やイオンアシスト蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。これら方法は、いずれも光学薄膜を形成する際にガラス基板110を高温状態(常温よりも高い温度)に保持して行う。
そのため、ガラス基板110の熱膨張係数が前述の値であると、光学薄膜130の形成後にガラス基板が常温となる際に光学薄膜130より多く熱収縮が起こり、光学ガラス100に矢印αの向きに応力が作用することになる。ガラス基板110の熱膨張係数が100×10−7/K未満であると、光学薄膜130との熱膨張係数の差が小さく光学ガラス100に作用する応力が十分でない。また、ガラス基板110の熱膨張係数が150×10−7/Kを超えるとであると、光学ガラス100に作用する応力が過度に大きくなるおそれがある。
前述の熱膨張係数を備えるガラスとして、フツリン酸ガラスが挙げられる。
フツリン酸ガラスの場合、ガラス基板110は、以下の成分であることが好ましい。
カチオン%表示で、
5+ 20〜45%、
Al3+ 1〜25%、
1〜30%(但し、Rは、Li、Na、Kの合計量)
Cu2+ 1〜15%、
2+ 1〜50%(但し、R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合計量)含有するとともに、
アニオン%表示で、
10〜65%、
2− 35〜90%含有する。
また、ガラス基板110に光学薄膜120,130を形成する方法としては、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法(イオンビームアシスト法)、イオンプレーティング法、スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等を用いることができる。
本発明の光学ガラス100の切断方法は、レーザー光の照射によりガラス基板110の内部に改質領域を形成する方法やダイヤモンドカッターにて切り線を成形した上で折り割る方法やダイシングによる切断方法、レーザー光によりガラス表面にクラックを形成し、それを急冷しクラックを板厚方向に進展させることで切断する方法等の適宜の切断方法を用いることができる。
本発明の光学ガラス100は、筐体320に接合された際に破損しにくい。このため、光学ガラス100の端面(ガラス基板110の表面110Aと側面110Sとの境界及びガラス基板110の裏面110Bと側面110Sとの境界の少なくとも一方)を面取り又は丸取りする必要がなく、製造に必要な工程を省略することができる。この結果、光学ガラス100の製造コストを抑制し、光学ガラス100を生産性良く製造することができる。また、本発明の光学ガラス100は、半導体素子を収容する筐体に限らず、各種の筐体の開口を覆う目的で用いられる光学ガラス100に好適に用いることができる。なお、光学ガラス100の端面を面取り又は丸取りしてもよく、そのようにすることで光学ガラス100の強度をより高くすることが可能である。
以下、本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。実施例及び比較例のガラス基板として、フツリン酸ガラス(AGCテクノグラス社製、NF−50、板厚0.3mm、寸法100mm×100mm)を用意した。なお、実施例のガラス基板(ガラス基板110に対応)は、段落0039に記載されている組成範囲内のガラスである。
実施例の光学ガラス(光学ガラス100に対応)として、ガラス基板の一方の主面に反射防止膜(光学薄膜120に対応)を形成した。反射防止膜は、前記フツリン酸ガラス(ガラス基板)側から第1層がAl、第2層がTiOとZrOとの混合物膜、第3層がMgFの3層構造からなる。反射防止膜は、真空蒸着法にて形成した。なお、反射防止膜の物理膜厚(第1層〜第3層の合計)は、0.3μmであった。
そして、ガラス基板の他方の主面に紫外線及び赤外線反射膜(光学薄膜130に対応)を形成した。紫外線及び赤外線反射膜は、前記フツリン酸ガラス(ガラス基板)側から第1層がTiO、第2層がSiO、第3層以降TiOとSiOとの繰り返し交互膜(全60層)からなる。紫外線及び赤外線反射膜は、真空蒸着法にて形成した。なお、紫外線及び赤外線反射膜の物理膜厚(全60層の合計)は、7.0μmであった。また、比較例として、前記フツリン酸ガラス(ガラス基板)のいずれの主面にも光学薄膜を設けないものを用意した。
実施例及び比較例の光学ガラスを側面方向から観察したところ、実施例の光学ガラスは、紫外線及び赤外線反射膜を形成した主面側が凸形状となっていた。これに対し、比較例の光学ガラスは平坦であった。また、光学ガラスに作用している(働いている)応力を算出した。
なお、応力の算出方法としては、まず光学ガラスの反り量をレーザー変位計にて測定し、反り量と外径寸法から反りの曲率半径を算出した。次いで、算出した値をstoneyの式((2)式)に代入して光学ガラスの応力を算出した。算出の結果、実施例の光学ガラスに作用している応力は、64MPa〜90MPaであるのに対し、比較例の光学ガラスに作用している応力は、0MPaであった。
なお、実施例及び比較例の光学ガラスは、光学ガラスの表面にダイヤモンドカッターにて切り線を形成し、後にその切り線を起点に手にて折割りする方法にて切断した。
次いで、実施例及び比較例の光学ガラスの強度を以下の落下試験により調べた。具体的には、撮像装置の筐体を模した7mm×7mmの開口を有する凹形状の樹脂パッケージの開口に各光学ガラスを熱硬化型樹脂にて接着した。なお、実施例の光学ガラスは、反射防止膜を形成した主面を接着面とした。そして、光学ガラスが貼り付けられた樹脂パッケージを、デジタルカメラを模した100mm×80mm×20mmの外形の金属製の箱の内部に固定し、1mの高さからアスファルトの地面に落下して光学ガラスの破損有無を確認した。なお、光学ガラスの主面と地面とが平行となる姿勢で落下させた。
落下試験の結果、実施例の光学ガラスは、全10枚のうち2枚が破損した。これに対し、比較例の光学ガラスは、全10枚のうち8枚が破損した。これら落下試験の結果より、本発明の実施例の光学ガラスは、比較例の光学ガラスと比較して衝撃等の外力が作用したとしても破損し難い高い強度を備えているといえる。
本発明のガラス基板は、板厚が0.15mmから1.00mmと薄く、かつ曲げ応力が付与される用途、例えば、デジタルスチルカメラ等の固体撮像素子(CCDやCMOS)に用いられるカバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の光学ガラスに好適に用いることができる。
100…光学ガラス、110…ガラス基板、120,130…光学薄膜、300…撮像装置、310…固体撮像素子、320…筐体。

Claims (12)

  1. 筐体の開口を覆うように前記筐体に接合される光学ガラスであって、
    前記筐体に接合される側の第1の主面と、前記第1の主面に対向する第2の主面とを有するガラス基板と、
    前記第1,第2の主面の少なくとも一方に設けられた光学薄膜とを備え、
    前記光学ガラスには前記筐体とは反対側に膨らむ方向に応力が作用していることを特徴とする光学ガラス。
  2. 前記光学薄膜は、前記第2の主面に形成されており、前記光学薄膜の内部応力は圧縮応力であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 前記光学薄膜は、前記第1の主面に形成されており、前記光学薄膜の内部応力は引張応力であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  4. 前記光学薄膜は、前記第1の主面及び前記第2の主面の両方に形成されており、前記第2の主面に形成された光学薄膜の内部応力をA、前記第1の主面に形成された光学薄膜の内部応力Bとし、圧縮応力をプラスの値、引張応力をマイナスの値とした際に、A−Bの値が0を超えることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  5. 前記光学薄膜は、前記第2の主面に形成されており、
    前記ガラス基板の熱膨張係数は、100×10−7/Kから150×10−7/Kであることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  6. 前記光学薄膜は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. 前記ガラス基板は、前記第1の主面と前記第2の主面との間に側面を有し、
    前記第1の主面と前記側面との境界及び前記第2の主面と前記側面との境界の少なくとも一方が、面取り又は丸取りされていないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  8. 前記ガラス基板は、前記第1の主面と前記第2の主面との間に側面を有し、
    前記第1の主面と前記側面との境界及び前記第2の主面と前記側面との境界の少なくとも一方は、凹凸を有し、前記凹凸の高低差が0.5μmから60μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  9. 前記ガラス基板は、前記第1の主面と前記第2の主面との間に側面を有し、
    前記側面の少なくとも一部の表面粗さRaが0.01μmから0.50μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  10. 前記光学薄膜は、反射防止膜、赤外線遮蔽膜及び紫外線遮蔽膜の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  11. 前記筐体は、半導体素子を収容するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ガラス
  12. 前記半導体素子は、固体撮像素子であることを特徴とする請求項11に記載の光学ガラス。
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