JP6406263B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、光学ガラスに係り、特に、カバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の筐体に接合されて使用される光学ガラスに関する。
デジタルスチルカメラなどに使用されるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を有する半導体装置には、近赤外線カットフィルタガラスやカバーガラス等の光学ガラスが用いられている。近年では、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末に搭載される固体撮像素子モジュールやデジタルスチルカメラの薄型化の要請から、板厚の薄い光学ガラスが求められている。
しかし、光学ガラスの板厚が薄くなると、光学ガラスに曲げ応力が作用した場合、ガラスの稜線(ガラスの主面と側面との境界)に存在する欠けや微小なクラックを起点として割れが進展し破損に至る可能性が高くなる。
このため、ガラスの曲げ強度を向上させる観点から、ガラス端面を面取加工することが提案されている(特許文献1参照)。これは、割れの起点となるガラス端面の傷を面取加工にて除去することでガラスの曲げ強度を高めるものである。また、エッチングによって、ガラス板の主面の傷を除去することも提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、ガラス端面の面取加工やガラス主面のキズを除去する操作は、光学ガラスの生産性を悪化(低下)させる。また、面取加工により、却ってガラス端面に傷が形成されることもある。これは、ガラスの面取加工が、研削砥石にて機械的にガラスを加工することによるものである。つまり、面取加工時の衝撃等で意図しない傷が新たに形成されるおそれがある。また、ガラスの主面の傷を除去するために、ガラスの主面を保持してエッチングを行うと、光学作用面となる主面にエッチングむらが生じて、光学ガラスとしての光学特性が悪化(低下)するおそれがある。
一方、半導体基板等の切断方法として、ステルスダイシング(登録商標)が知られている(例えば、特許文献3参照)。この切断方法は、半導体基板(例えば、シリコン(Si))を透過する波長のレーザー光を半導体基板内部に集光させて半導体基板内部に改質領域(キズ領域)を形成し、その後、テープエキスパンドなど外部応力を加えることにより、改質領域を起点として半導体基板に亀裂を生じさせて半導体基板を切断する技術である。
この切断方法では、半導体基板の主面にダメージを与えずに半導体基板内部に局所的・選択的に改質領域を形成できるため、一般的なブレードダイシングで問題となる半導体基板の主面にチッピング等の不具合の発生を低減することができる。また、切削加工と異なり発塵などの問題も少ない。このため、近年では、半導体基板に限られず、ガラス基板の切断など広く用いられるようになっている。
特開2000−169166号公報 特開2010−168262号公報 特開2009−135342号公報
本発明者は、このレーザー光による切断方法を光学ガラスの製造に際して適用したところ、その切断面が滑らかで、稜線における傷等が形成されにくいことを確認した。すなわち、この切断方法により製造された光学ガラスは、上記のような面取加工やエッチング等の操作をしなくても、強度がある程度保持できることがわかった。
本発明は、さらに、ステルスダイシングにより製造される光学ガラスにおいて、製品の製造時および使用時において、より製品信頼性を高められる光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、外部からの衝撃等による破損を防止する効果を高められる又は筐体への接合強度を高め密閉性を向上できる光学ガラスを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光学ガラスは、筐体の開口を覆うように接合される板状の光学ガラスであって、前記光学ガラスは、筐体に接合される側の第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面と、内部に焦点を結ぶようにして照射された光により形成された改質領域に沿って切断された切断面と、を有するガラス基体からなり、前記改質領域は、前記切断面において前記第2の主面側又は前記第1の主面側に偏在していることを特徴とするものである。
本発明の光学ガラスによれば、筐体へ適用した態様を考慮することで、製品の製造時および使用時において、より強度を高め、衝撃等の外力により破損し難くすることができ、又は、光学ガラスの筐体への接合強度を高め、半導体素子等の密閉性を良好に保持でき、安定性、信頼性の高められた製品を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る光学ガラスの側面図である。 図1Aの光学ガラスの底面図である。 図1Aの光学ガラスにおける改質領域の位置関係を説明する図である。 図1Aの光学ガラスを筐体に適用した図である。 光学薄膜を設けた図1Aの光学ガラスの側面図である。 第1の実施形態に係るガラス基板の切断装置の模式図である。 第1の実施形態に係るガラス基板の切断方法の説明図である。 第1の実施形態に係るガラス基板の切断方法の説明図である。 第1の実施形態に係るガラス基板の切断方法の説明図である。 図1Aの光学ガラスを他の実施形態の筐体に適用した図である。 本発明の第2の形態に係る光学ガラスの側面図である。 図8Aの光学ガラスの底面図である。 図8Aの光学ガラスにおける改質領域の位置関係を説明する図である。 図8Aの光学ガラスを筐体に適用した図である。 図10Aの接合部分の拡大図である。 光学薄膜を設けた図8Aの光学ガラスの側面図である。 図8Aの光学ガラスを他の実施形態の筐体に適用した図である。 例1−1で得られた光学ガラスの側面(断面)の光学顕微鏡写真である。 例2−3で得られた光学ガラスの側面(断面)の光学顕微鏡写真である。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る光学ガラスについて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[光学ガラス]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光学ガラスの側面図を、図1Bはその光学ガラスの底面図(第1の主面側から見た平面図)を、示したものである。図1Aおよび図1Bに示したように、本実施形態に係る光学ガラス100は、その基体となるガラス基体110からなっており、これが筐体の開口を覆うように接合して使用される。
<ガラス基体>
ガラス基体110は板状のガラスであり、本実施形態の光学ガラスの本体である。このガラス基体110は、筐体の開口部を覆うように筐体に接合して使用されるカバーガラスとして使用される。したがって、ガラス基体110は、筐体に接合される側の第1の主面110Aと、この第1の主面とは反対側の第2の主面110Bと、を有している。そして、第1の主面110Aの外周側には筐体と接合するための接合領域Bが設けられている。
また、ガラス基体110は、その側面に、ガラス内部に焦点を結ぶようにして照射されるレーザー光により選択的に形成された改質領域Rに沿って切断された切断面を有する。すなわち、このガラス基体110は、その切断前のガラス板を、所望の形状、大きさになるように、ガラス板の内部にレーザー光により改質領域Rを形成し、外部から力を加えることで改質領域Rに沿ってガラス板を切断して得られたものである。そのため、このガラス基体110の側面には、改質領域Rが露出しており、かつ、その改質領域Rに沿って、ガラスの板厚方向に切断された切断面を有する。
本実施形態では、この改質領域Rは、上記切断面において第2の主面110B側に偏在して形成されていることを特徴とする。このように偏在させる理由は、光学ガラス100の第1の主面110A側の曲げ強度と第2の主面110B側の曲げ強度とに差を設けて、筐体に適用した際における光学ガラス100の強度を向上させるためである。
改質領域Rの形成位置による曲げ強度の変化は、次のような傾向を示す。例えば、従来のように改質領域Rをガラス基体110の板厚方向の中心付近に形成した場合は、第1の主面110Aと第2の主面110Bでほぼ同じ曲げ強度となる。一方、改質領域Rを第2の主面110B側に偏在させるように形成すると、筐体と接合される第1の主面110A側の曲げ強度が中心付近に形成したときよりも向上する一方、その反対側の面である第2の主面110B側の曲げ強度は中心付近に形成した時よりも低下する。このように曲げ強度の差を意図的に形成し、筐体に適用したときに、光学ガラス100の強度が高まるようにする。改質領域Rを偏在させない側(本実施形態においては第1の主面110A側)の曲げ強度は、改質領域Rを偏在させる側(本実施形態においては第2の主面110B側)の曲げ強度と比較して、1.3倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがもっとも好ましい。一方、曲げ強度の差が大きすぎると、改質領域Rを偏在させる側の曲げ強度が過度に低下し、製造や輸送にて光学ガラスの破損リスクが高くなってしまうため、改質領域Rを偏在させない側の曲げ強度は、改質領域Rを偏在させる側の曲げ強度と比較して、5倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましい。
なお、第1の主面110A側の曲げ強度とは、第1の主面110Aが凸形状となるよう第2の主面110B側から荷重を負荷することで光学ガラス100を曲げる際の破壊時の強度をいうものである。
また、第2の主面110B側の曲げ強度とは、第2の主面110Bが凸形状となるよう第1の主面110A側から荷重を負荷することで光学ガラス100を曲げる際の破壊時の強度をいうものである。
改質領域Rの形成位置については、図2を参照して説明する。図2は、光学ガラス100の側面を概念的に示した図である。図2に示したように、ガラス基体110の板厚方向における、第1の主面110Aから改質領域Rまでの距離をa、第2の主面110Bから改質領域Rまでの距離をb、ガラス基体110の厚さをt、改質領域Rの幅をk、としたとき、改質領域が第2の主面110B側に、次の(1)式を満たして偏在していることが好ましい。
(a−b)/2>0.02t ・・・(1)
ここで、距離aおよび距離bは0を超える数値であり、これはすなわち改質領域Rは各主面とは離れて形成されることが必須であることを意味する。また、改質領域Rの幅kはガラス基体110の厚さt×0.7(すなわち、板厚×70%)未満が好ましく、ガラス基体110の厚さt×0.4(すなわち、板厚×40%)未満がより好ましく、ガラス基体110の厚さt×0.3(すなわち、板厚×30%)未満がさらに好ましい。また、改質領域Rの幅kはガラス基体110の厚さt×0.02(すなわち、板厚×2%)以上が好ましく、ガラス基体110の厚さt×0.05(すなわち、板厚×5%)以上がより好ましい。
また、改質領域Rは各主面とは一定距離以上離れて形成されていることが好ましく、例えば、距離aおよび距離bがそれぞれガラス基体110の厚さt×0.1(すなわち、板厚×10%)以上であることが好ましい。
(a−b)/2が0.02t(すわなち、板厚×2%)を超えることで、第1の主面110A側の曲げ強度を第2の主面110B側の曲げ強度と比較して大幅に高くすることができる。
また、第1の主面110Aから改質領域までの距離aは、第1の主面110Aから第2の主面110Bの方向に切断面のピークカウント値Pc(主面に平行な方向に測定した値)を確認した際に初めて20を超える点と第1の主面110Aとの距離をいう。
また、第2の主面110Bから改質領域までの距離bは、第2の主面110Bから第1の主面110Aの方向に切断面のピークカウント値Pc(主面に平行な方向に測定した値)を確認した際に初めて20を超える点と第2の主面110Bとの距離をいう。
上記(1)式における「(a−b)/2」は、改質領域Rの板厚方向中心と光学ガラス100の板厚中心とのずれ量を表すものである。そのため、(1)式においては、改質領域Rの第2の主面110B側へのずれ量が板厚×2%を超えることを意味し、この関係を満たすことで、第1の主面側の曲げ強度を大幅に向上させることができる。
改質領域Rの形成位置については、ガラス基体110の板厚方向における、第1の主面110Aから改質領域Rまでの距離をa、第2の主面110Bから改質領域Rまでの距離をb、ガラス基体110の厚さをt、改質領域Rの幅をk、としたとき、改質領域が第2の主面110B側に、次の(2)式を満たして偏在していることがより好ましい。
0.05t<(a−b)/2<0.3t ・・・(2)
ここで、距離aおよび距離bは0を超える数値であり、これはすなわち改質領域Rは各主面とは離れて形成されることが必須であることを意味する。また、改質領域Rは各主面とは一定距離以上離れて形成されていることが好ましく、例えば、距離aおよび距離bがそれぞれガラス基体110の厚さt×0.1(すなわち、板厚×10%)以上であることが好ましい。
(a−b)/2が0.05tを超えることで、第1の主面110A側の曲げ強度を第2の主面110B側の曲げ強度と比較して大幅に高くすることができる。また、(a−b)/2が0.3t未満のため、第2の主面110B側の曲げ強度が過度に低くなることがない。また、(2)式を満たすことで、第1の主面110A側の曲げ強度が300MPa以上であり、第2の主面110B側の曲げ強度が100MPa以上である光学ガラス100を得ることができる。なお、距離aおよび距離bは0を超える数値である。すなわち、改質領域Rは、各主面とは離れて形成される。
このように改質領域Rを偏在させることで、光学ガラスの曲げ強度を調節することができる。改質領域Rは、板厚方向において、ガラス基体110の中心から第2の主面110Bの間に形成されていてもよい。すなわち、切断面において、ガラス基体110の中心に改質領域Rがかからず、ガラス基体110の中心から第2の主面110Bの間のみに改質領域Rが形成されるため、第1の主面110B側の曲げ強度を一層高くすることができる。
光学ガラス100の切断面における改質領域Rとそれ以外の領域は、切断面のピークカウント値によって決めることができる。ピークカウント値Pcは、アメリカ機械工学会 ASME B46.1(1995年)に定義され、測定対象の表面状態(凹凸)を表す曲線における平均線を中心とし、負基準レベル(−H)を超えてから正基準レベル(+H)を超えたとき1山とする方法で計数する評価長さ中の山数を意味する。
本発明においては、まず光学ガラス100の切断面において、各主面と平行な方向にピークカウント値を測定する。この測定を光学ガラス100の板厚方向に位置を変えて複数回行う。そして、光学ガラス100の切断面の板厚方向の位置におけるピークカウント値を用いて、第1の主面110Aから第2の主面110Bの方向に測定したピークカウント値Pcを確認し、初めて20を超える測定位置と第1の主面110Aとの距離を距離aとする。同様に、光学ガラス100の切断面の板厚方向の位置におけるピークカウント値を用いて、第2の主面110Bから第1の主面110Aの方向に測定したピークカウント値Pcを確認し、初めて20を超える測定位置と第2の主面110Bとの距離を距離bとする。
このピークカウント値の測定は、切断面の光学顕微鏡写真に基づいて、改質領域Rとそれ以外の領域との境界位置を確認して行うと、距離aおよび距離bを効率的にかつ正確に決定できる。また、測定位置を板厚方向に変える際には、特に改質領域Rとそれ以外の領域との境界位置付近は、ガラス基体110の厚さt×0.04(すなわち、板厚×4%)以下の間隔で行うことが好ましい。このようにすることで、より正確な境界位置の特定が可能となる。
なお、切断面のピークカウント値は、各主面と平行な方向に測定した測定波形を用い、平均線を中心として不感帯幅(測定波形の最大高さ×0.05)を設け、不感帯より下に出た点からいったん不感帯の上に出た後、もう一度不感帯より下に出るまでを1つのピークとし、その数を表したものである。
測定は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、形状測定レーザマイクロスコープ VK−X100、解析ソフト:VK−H1XA)を用いて行い、評価長さ(測定幅):725μm(倍率:200倍)、波長:628nm、解析ソフトにおいて測定波形の補正なし、とした。
このように、筐体との接合まで考慮して、ガラス基体の改質領域Rの位置を選択的に形成することで、製品の安定性、信頼性を高めることができる。
改質領域Rを偏在させることにより、光学ガラスの強度を高めることができる理由は次のように考えられる。まず、図3には、光学ガラス100を筐体310に適用した半導体装置300の断面図を示した。ここで、光学ガラス100は、筐体310の開口部310Aを覆うように、筐体310に接合されている。この半導体装置300が、例えば、可搬型の電子機器(例えば、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末)に搭載される撮像装置である場合には、落下等により強い衝撃が加わることがある。そのように衝撃を受けた際に、光学ガラス100にも同様に強く衝撃が加わることとなる。衝撃により光学ガラス100の板厚方向に光学ガラス100が撓む場合、光学ガラス100が筐体310から離れる方向に変位する状態と筐体310に密着し半導体素子320側に近づく方向に変位する状態とを交互に繰り返し、この振幅が徐々に小さくなることで衝撃が吸収される。
光学ガラス100が筐体310から離れる方向に変位する場合、実質的に光学ガラス100に作用する応力は光学ガラス100と筐体310とを接合している接着剤(熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂等)の弾性力により吸収され小さくなる。このとき、光学ガラス100と他の部材との接触がないため、局所的に光学ガラス100に高い応力が作用することがない。
これに対し、光学ガラス100が筐体310に密着し半導体素子320側に近づく方向に変位する場合、光学ガラス100と筐体310の開口310A端部とが密着し、光学ガラス100に局所的に高い応力が作用する。これにより、光学ガラス100に作用した応力が平面方向に伝播し、欠けや微小なクラック等を起点に割れが伸展することで光学ガラス100が破損すると考えられる。
本実施形態の光学ガラス100は、筐体310との接合面側の曲げ強度を高めることにより、上記のように光学ガラス100が板厚方向に変位するような衝撃が加わったとしても、衝撃による破損を抑制できる。すなわち、光学ガラス100が筐体310に密着し半導体素子320側に近づく方向に変位する力がかかっても、従来よりもそれに耐える力が大きいため、半導体装置300の落下等の衝撃による光学ガラス100の破損を抑制することができる。
なお、各面における曲げ強度は、JIS R 1601(2008年)の3点曲げ強さ試験または4点曲げ強さ試験に準拠した測定方法を用いる。また、試験片の寸法が、前記JISに規定された標準試験片の寸法と相違する場合は、試験片の寸法に応じて前記JISに規定された曲げ試験用試験治具のサイズを変更した上で測定する。
なお、ここで示した半導体装置300は、筐体310の内部に半導体素子320を収容してなり、筐体310の開口部310Aを本実施形態の光学ガラス100で覆うように接合して、気密封着されている。ここで、接合は光学ガラス100の第1の主面110Aの接合領域Bと筐体310の開口部310Aを形成する筐体とを、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等により封着してなされる。また、半導体素子320は、公知のものであれば特に限定されずに使用でき、例えば、固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS)等が挙げられる。特に、可搬型の携帯用の電子機器に適用される半導体装置は落下衝撃等を受ける可能性が高く好ましい。
また、本実施形態で用いられるガラス基体110は、破壊靭性を0.2MPa・m1/2から0.74MPa・m1/2の範囲内、熱膨張係数を75×10−7/Kから150×10−7/Kの範囲内、のガラスで形成されていることが好ましい。
ガラス基体110の破壊靭性は、JIS R1607の破壊靱性測定法(IF法)で、次式によって算出される値(K1c)である。
1c=0.026・E1/2・P1/2・a/C3/2
ここで、E:ヤング率(Pa)、P:押し込み荷重(N)、a:圧痕対角線長さの平均の1/2(m)、C:亀裂長さの平均の1/2(m)である。
また、ガラス基体110の熱膨張係数は、JIS R3102の示差式による測定であって、100℃〜300℃の平均値である。
ガラス基体110の破壊靱性が0.74MPa・m1/2を超えると、レーザー光にてガラス基体110に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じにくいためガラス基体110の切断が難しい。さらに、改質領域Rを起点としてガラス基体110を切断する際に、クラックが板厚方向に伸展しにくいため、無理に切断することになり、ガラス基体110の切断面が粗くなるとともに、寸法精度が悪くなる。また、クラックが十分伸展するように改質領域Rに生じるクラックを大きく形成したとしても、板厚方向以外に伸展するクラックが大きくなるため、切断後のガラス基体110の切断面が粗くなる。これにより、ガラス基体110の寸法精度が悪く、曲げ強度が低くなるおそれがある。
一方、ガラス基体110の破壊靱性が0.2MPa・m1/2未満であると、レーザー光にてガラス基体110に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じ易すぎるため、ガラス基体110の改質領域Rからガラス基体110もしくはガラス基体110の表面に達するクラックが形成されてしまい、切断されたガラス基体110が欠けたり割れたりしやすくなる問題が生じる。また、改質領域Rからガラス基体110もしくはガラス基体110の表面に達するクラックが形成されないようクラックを小さく形成したとしても、改質領域Rを起点としてクラックが過度に伸展しやすいため、板厚方向以外の方向にもクラックが伸展してしまい、ガラス基体110の切断面が粗くなる。これにより、ガラス基体110の寸法精度が悪く、曲げ強度が低くなるおそれがある。また、破壊靱性が0.2MPa・m1/2未満であると、ガラス基体110の切断面に存在するクラックが微小であっても破壊原因になってしまい、切断後のガラス基体110の曲げ強度が実用に満たないおそれがある。
ガラス基体110を構成するガラスの熱膨張係数が150×10−7/Kを超えると、レーザー光にてガラス内部に改質領域Rを形成する際、改質領域Rのクラックが過大に形成され、切断後の光学ガラス100の寸法精度や曲げ強度が著しく低下する。一方、ガラス基体110の熱膨張係数が、75×10−7/K未満であると、レーザー光にてガラス内部に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じにくいため切断が難しい。
ガラス基体110は、可視波長領域で透明な材料から適宜選択して使用できる。例えば、ホウケイ酸ガラスは、加工が容易で、光学面における傷や異物等の発生を抑制できるために好ましく、アルカリ成分を含まないガラスは、接着性、耐候性等が良好なために好ましい。
ここで使用するガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスも使用できる。このフツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスは、CuO等を添加した赤外波長領域に吸収を有する光吸収型のガラスが好ましい。特に、CuOを添加したフツリン酸塩系ガラスもしくはリン酸塩系ガラスは、可視波長領域の光に対し高い透過率を有するとともに、CuOが近赤外波長領域の光を十分に吸収するため、良好な近赤外線カット機能を付与できる。
CuOを含有するフツリン酸塩系ガラスの具体例としては、カチオン%表示で、P5+ 20〜45%、Al3+ 1〜25%、R 1〜30%(但し、Rは、Li、Na、Kの合計量)、Cu2+ 1〜15%、R2+ 1〜50%(但し、R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合計量)含有するとともに、アニオン%表示で、F 10〜65%、O2− 35〜90%含有したものが挙げられる。市販品としては、NF−50ガラス(AGCテクノグラス社製)等が例示される。
CuOを含有するリン酸塩系ガラスの具体例としては、下記酸化物換算の質量%表示で、P 65〜74%、Al 5〜10%、B 0.5〜3%、LiO 0〜10%、NaO 3〜10%、LiO+NaO 3〜15%、MgO 0〜2%、CaO 0〜2%、SrO 0〜5%、BaO 0〜9%、MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、CuO 0.5〜20%、を含み、NaO/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO) 0.5〜3、のものが挙げられる。
なお、ガラス組成については、上述したものに限らず、適宜のガラスを用いることができる。
ガラス基体110の厚みは、特に限定されないが、小型化、軽量化を図る点からは、0.1〜3mmの範囲が好ましく、0.1〜1mmの範囲がより好ましい。
また、本実施形態の光学ガラスとしては、ガラス基体110の主面に必要に応じて光学薄膜を形成することもできる。例えば、図4には、赤外線カットフィルタとして使用される光学ガラスを例示したが、この光学ガラス200は、ガラス基体110と、ガラス基体110の第2の主面110Bに形成された光学薄膜220と、ガラス基体110の第1の主面110Aに形成された光学薄膜230とを有してなる。
ここで、光学薄膜230は、反射防止膜であり、筐体との接合側となるガラス基体110の第1の主面110Aに設けられている。光学薄膜230は、光学ガラス100主面の反射率を低減させて、透過率を増加させる。光学薄膜230は、例えば、MgFの単層膜やAl・TiOとZrOとの混合物膜・MgFを積層した多層膜やSiO・TiOの交互多層膜などで構成されている。これらの単層・多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にてガラス基板110の第1の主面110Aに形成されている。また、光学薄膜230は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
また、光学薄膜220は、紫外線(UV)および赤外線(IR)をカットするUVIRカット膜であり、ガラス基体110の第2の主面110Bに設けられている。光学薄膜220は、例えば、SiO・TiO等、屈折率の異なる誘電体膜を積層した多層膜や紫外線吸収剤や赤外線吸収剤を含有する樹脂膜等で構成されている。これら多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にて、樹脂膜は溶剤に分散または溶解させた樹脂を塗布し、乾燥させる公知の成膜方法にて、ガラス基体110の第2の主面110Bに形成できる。また、光学薄膜220は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
なお、上記説明では、ガラス基体110の第1の主面110Aに光学薄膜230を設け、ガラス基体110の第2の主面110Bに光学薄膜220を設けているが、ガラス基体110の第2の主面110Bに光学薄膜230を設け、ガラス基体110の第1の主面110Aに光学薄膜220を設けてもよい。また、ガラス基体110の第1の主面110Aに光学薄膜220,230を設けてもよく、ガラス基体110の第2の主面110Bに光学薄膜220,230を設けてもよい。また、ガラス基体110が近赤外波長域の光を十分に吸収できる場合は、光学薄膜230として紫外線(UV)をカットする光学薄膜だけを設けるようにしてもよい。
[光学ガラスの製造方法]
次に、本実施形態の光学ガラスの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
〈ガラス基板の切断装置〉
図5は、本実施形態に係るガラス基板の切断装置500の模式図である。図5に示すように、切断装置500は、テーブル510と、駆動機構520と、レーザー光照射機構530と、光学系540と、距離測定系550と、制御機構560とを備える。
テーブル510は、切断対象であるガラス板10(光学ガラス100を切断して製造する前のガラス板)を載置するための台である。ガラス板10は、テーブル510上に載置される。なお、テーブル510は、図5に示すXYZ方向に移動可能に構成されている。また、テーブル510は、XY平面内において、図5に示すθ方向に回転可能に構成されている。
駆動機構520は、テーブル510に連結されており、制御機構560からの指示に基づいてテーブル510を水平方向(XY方向)、垂直方向(Z方向)及び回転方向(θ方向)に移動させる。レーザー光照射機構530は、レーザー光Lを照射する光源である。なお、光源には、YAGレーザーを使用することが好ましい。高いレーザー強度を得ることができ、省電力、比較的安価であるためである。
YAGレーザーの場合、出力されるレーザー光Lの中心波長は、1064nmであるが、非線形光学結晶を用いて高調波を発生させることにより、中心波長532nm(緑色)のレーザー光や中心波長355nm(紫外線)のレーザー光を得ることもできる。本実施形態では、ガラス板10を切断するため、中心波長が532nmのレーザー光を出力する光源を使用している。中心波長が532nmのレーザー光が、ガラス板10をもっとも透過しやすく、切断に適しているためである。
なお、レーザー光照射機構530には、パルスレーザー光を照射できるものを使用することが好ましい。また、レーザー光照射機構530は、ガラス板10の厚み(板厚)や形成する改質領域の大きさに応じて、レーザー光Lの波長、パルス幅、繰り返し周波数、照射時間、エネルギー強度等を任意に設定できるものを使用することが好ましい。
光学系540は、光学レンズOLを備え、レーザー光照射機構530からのレーザー光をガラス板10内部で収束させる。つまり、光学系540は、ガラス板10の内部に集光点Pを形成し、ガラス板10内部に改質領域Rを形成する。距離測定系550は、例えば、レーザー距離計であり、三角測距方式によりガラス板10主面までの距離Hを測定する。距離測定系550は、所定の時間間隔で(例えば、数ミリ秒ごと)ガラス板10主面までの距離Hを測定し、制御機構560へ出力する。
制御機構560は、ガラス板10の予定された切断ライン(以下、切断予定ライン)に沿ってレーザー光を照射するように、駆動機構520を制御してテーブル510を移動させ、レーザー光照射機構530からレーザー光をガラス板10に対して照射する。また、制御機構560は、距離測定系550から出力される距離情報に基づいて、テーブル510の高さを調整する。なお、制御機構560は、距離測定系550から出力される距離情報に基づいて、光学系540のレンズ位置を調整するようにしてもよい。
すなわち、制御機構560は、光学系540とガラス板10との距離Hが一定の範囲内(例えば、±5μm)となるように、駆動機構520を制御し、ガラス板10の高さ方向(Z方向)の位置を調整する。改質領域Rの位置は、このようにガラス板10の高さを調整し、レーザー光の集光点が、ガラス板10の厚み方向において所望の位置となるようにする。
<切断方法>
図6A〜図6Cは、ガラス板10の切断方法の説明図である。以下、図6A〜図6Cを参照して、ガラス板10の切断方法について説明する。
光学薄膜230が設けられた側を上側にしてガラス板10をエキスパンド用のテープT1に貼りつけて、図5を参照して説明した切断装置500のステージ510上に載置する(図6A)。なお、図6Aでは、1枚のガラス板10をテープT1に貼り付けているが、テープT1に貼り付けるガラス板10の枚数は何枚であってもよい。
次に、切断装置500を用いて、切断予定ラインに沿って、ガラス板10にレーザー光を照射し、改質領域Rを形成する(図6B)。切断予定ラインは、典型的には、切断して得られる光学ガラスの平面形状が正方形状または矩形状となるように格子状の走査ラインである。なお、改質領域Rは、切断予定ラインに沿ってレーザー光を複数回走査することで形成してもよい。つまり、レーザー光の集光点をガラス板10の板厚方向に異ならせて、切断予定ラインに沿ってレーザー光を複数回走査するようにしてもよい。
なお、ガラス板10の板厚方向に異ならせてレーザー光を複数回走査する場合、レーザー光の走査により形成される複数の改質領域の間に改質されない領域が生じることがある。その場合、改質領域Rの幅kとは、第1の主面に最も近い箇所に形成された改質領域から第2の主面に最も近い箇所に形成された改質領域の間(すなわち、上記複数の改質領域の間に存在する改質されない領域も含めた範囲)をいうものである。
このとき、ガラス板10のレーザー光入射側の主面に反射防止膜を形成しておくと、レーザー光がガラス板10の主面で反射されにくくなる。その場合、ガラス板10内部に入射されるレーザー光のエネルギー効率が低くなることを抑制することができる。その結果、所望の位置に所望の改質領域Rを形成できないといった問題の発生可能性を低減できる。
次に、テープT1を白抜き矢印の方向に拡張することで、ガラス板10に引張切断応力を加える。これにより、ガラス板10に形成された改質領域Rを起点として、切断予定ラインに沿ってガラス板10が個片化される(図6C)。
以上のように、本実施形態に係るガラス板の切断方法及びガラス基板によれば、ガラス板10は、その内部に形成された改質領域Rを起点としてクラックが生じ、ガラス板10を容易に切断することができる。また、改質領域Rに形成したクラックがガラス板10を平面方向に引っ張ることで、ガラス基板の板厚方向に伸展しやすく、ガラス基板の切断面が粗くなりにくいとともに、良好な寸法精度の光学ガラス100を得ることができる。
なお、第1の実施形態を変形した他の実施形態として、図7には、光学ガラス100を筐体410に適用した半導体装置400の断面図を示した。ここで、光学ガラス100は、筐体410の開口部410Aを覆うように、筐体410に接合されている。この実施形態では、光学ガラス100の第1の主面が装置の内部側から筐体410と接合されるため、図3とは光学ガラス100を表裏ひっくり返した状態で使用され、改質領域は半導体素子420側に偏在して形成されている。
(第2の実施形態)
[光学ガラス]
図8Aは、本発明の第2の実施形態に係る光学ガラスの側面図を、図8Bはその光学ガラスの底面図(第1の主面側から見た平面図)を、示したものである。図8Aおよび図8Bに示したように、本実施形態に係る光学ガラス600は、その基体となるガラス基体610からなっており、これが筐体の開口を覆うように接合して使用される。
<ガラス基体>
ガラス基体610は板状のガラスであり、本実施形態の光学ガラスの本体である。このガラス基体610は、筐体の開口部を覆うように筐体に接合して使用されるカバーガラスとして使用される。したがって、ガラス基体610は、筐体に接合される側の第1の主面610Aと、この第1の主面とは反対側の第2の主面610Bと、を有している。そして、第1の主面610Aの外周側には筐体と接合するための接合領域Bが設けられている。
また、ガラス基体610は、その側面に、ガラス内部に焦点を結ぶようにして照射されるレーザー光により選択的に形成された改質領域Rに沿って切断された切断面を有する。すなわち、このガラス基体610は、その切断前のガラス板を、所望の形状、大きさになるように、ガラス板の内部にレーザー光により改質領域Rを形成し、外部から力を加えることで改質領域Rに沿ってガラス板を切断して得られたものである。そのため、このガラス基体610の側面には、改質領域Rが露出しており、かつ、その改質領域Rに沿って、ガラスの板厚方向に切断された切断面を有する。
本実施形態では、この改質領域Rは、上記切断面において第1の主面610A側に偏在して形成されていることを特徴とする。このように偏在させる理由は、光学ガラス600の切断面において、第1の主面610A寄りに改質領域を設けることで、ガラス基体610と筐体とを接合する際、ガラス基体610の側面に回り込んだ接着剤が改質領域Rに入り込むことで筐体との接合強度をより向上させるためである。
ガラス基体610の側面に形成された改質領域Rは、レーザー光により形成されているため鏡面でなく微細な凹凸から構成される面となっており、ここに接着剤が入り込むと接着剤との接合面積が大きくなるため、ガラス基体610と筐体との接合強度を向上させることができると考えられる。
改質領域Rの形成位置については、図9を参照して説明する。図9は、光学ガラス600の側面を概念的に示した図である。図9に示したように、ガラス基体610の板厚方向における、第1の主面610Aから改質領域Rまでの距離をa、第2の主面610Bから改質領域Rまでの距離をb、ガラス基体610の厚さをt、改質領域Rの幅をk、としたとき、改質領域が第1の主面610A側に、次の(3)式を満たして偏在していることが好ましい。
(b−a)/2>0.02t ・・・(3)
ここで、距離aおよび距離bは0を超える数値であり、これはすなわち改質領域Rは各主面とは離れて形成されることが必須であることを意味する。また、改質領域Rの幅kはガラス基体610の厚さt×0.7(すなわち、板厚×70%)未満が好ましく、ガラス基体610の厚さt×0.4(すなわち、板厚×40%)未満がより好ましく、ガラス基体610の厚さt×0.3(すなわち、板厚×30%)未満がさらに好ましい。また、改質領域Rの幅kはガラス基体610の厚さt×0.02(すなわち、板厚×2%)以上が好ましく、ガラス基体610の厚さt×0.05(すなわち、板厚×5%)以上がより好ましい。
また、改質領域Rは各主面とは一定距離以上離れて形成されていることが好ましく、例えば、距離aおよび距離bがそれぞれガラス基体610の厚さt×0.1(すなわち、板厚×10%)以上であることが好ましい。
(b−a)/2が0.02t(すわなち、板厚×2%)を超えることで、筐体と光学ガラスを接合するための接着剤を改質領域と接触させながら固化でき、光学ガラスを筐体に良好に接合することができる。
また、第1の主面610Aから改質領域までの距離aは、第1の主面610Aから第2の主面610Bの方向に切断面のピークカウント値Pc(主面に平行な方向に測定した値)を確認した際に初めて20を超える点と第1の主面610Aとの距離をいう。
また、第2の主面610Bから改質領域までの距離bは、第2の主面610Bから第1の主面610Aの方向に切断面のピークカウント値Pc(主面に平行な方向に測定した値)を確認した際に初めて20を超える点と第2の主面610Bとの距離をいう。
上記(3)式における「(b−a)/2」は、改質領域Rの板厚方向中心と光学ガラス600の板厚中心とのずれ量を表すものである。そのため、(3)式においては、改質領域Rの第1の主面610A側へのずれ量が板厚×2%を超えることを意味し、この関係を満たすことで、光学ガラスの筐体への接合強度を向上させることができる。
改質領域Rの形成位置については、ガラス基体610の板厚方向における、第1の主面610Aから改質領域Rまでの距離をa、第2の主面610Bから改質領域Rまでの距離をb、ガラス基体610の厚さをt、改質領域Rの幅をk、としたとき、改質領域が第1の主面610A側に、次の(4)式を満たして偏在していることがより好ましい。
0.05t<(b−a)/2<0.3t ・・・(4)
ここで、距離aおよび距離bは0を超える数値であり、これはすなわち改質領域Rは各主面とは離れて形成されることが必須であることを意味する。また、改質領域Rは各主面とは一定距離以上離れて形成されていることが好ましく、例えば、距離aおよび距離bがそれぞれガラス基体610の厚さt×0.1(すなわち、板厚×10%)以上であることが好ましい。
(b−a)/2が0.05tを超えることで、改質領域が接着剤と接着する領域を大きくでき、接合強度を高くすることができる。また、(b−a)/2が0.3t未満のため、第2の主面610Bの曲げ強度が過度に低くなることがない。なお、距離aおよび距離bは0を超える数値である。すなわち、改質領域Rは、各主面とは離れて形成される。
このように改質領域Rを偏在させることで、光学ガラスと筐体との接合強度を高めることができる。改質領域Rは、板厚方向において、ガラス基体610の中心から第1の主面610Aの間に形成されていてもよい。すなわち、切断面において、ガラス基体610の中心に改質領域Rがかからず、ガラス基体610の中心から第1の主面610Aの間のみに改質領域Rが形成されるため、接着剤と改質領域Rとの接触面積が大きくなり、接合強度を高くすることができる。
光学ガラス600の切断面における改質領域Rとそれ以外の領域は、切断面のピークカウント値によって決めることができる。ピークカウント値Pcは、アメリカ機械工学会 ASME B46.1(1995年)に定義され、測定対象の表面状態(凹凸)を表す曲線における平均線を中心とし、負基準レベル(−H)を超えてから正基準レベル(+H)を超えたとき1山とする方法で計数する評価長さ中の山数を意味する。
本発明においては、まず光学ガラス600の切断面において、各主面と平行な方向にピークカウント値を測定する。この測定を光学ガラス600の板厚方向に位置を変えて複数回行う。そして、光学ガラス600の切断面の板厚方向の位置におけるピークカウント値を用いて、第1の主面610Aから第2の主面610Bの方向に測定したピークカウント値Pcを確認し、初めて20を超える測定位置と第1の主面610Aとの距離を距離aとする。同様に、光学ガラス600の切断面の板厚方向の位置におけるピークカウント値を用いて、第2の主面610Bから第1の主面610Aの方向に測定したピークカウント値Pcを確認し、初めて20を超える測定位置と第2の主面610Bとの距離を距離bとする。
このピークカウント値の測定は、切断面の光学顕微鏡写真に基づいて、改質領域Rとそれ以外の領域との境界位置を確認して行うと、距離aおよび距離bを効率的にかつ正確に決定できる。また、測定位置を板厚方向に変える際には、特に改質領域Rとそれ以外の領域との境界位置付近は、ガラス基体610の厚さt×0.04(すなわち、板厚×4%)以下の間隔で行うことが好ましい。このようにすることで、より正確な境界位置の特定が可能となる。
なお、切断面のピークカウント値は、各主面と平行な方向に測定した測定波形を用い、平均線を中心として不感帯幅(測定波形の最大高さ×0.05)を設け、不感帯より下に出た点からいったん不感帯の上に出た後、もう一度不感帯より下に出るまでを1つのピークとし、その数を表したものである。
測定は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、形状測定レーザマイクロスコープ VK−X100、解析ソフト:VK−H1XA)を用いて行い、評価長さ(測定幅):725μm(倍率:200倍)、波長:628nm、解析ソフトにおいて測定波形の補正なし、とした。
このように、筐体との接合まで考慮して、ガラス基体の改質領域Rの位置を選択的に形成することで、製品の安定性、信頼性を高めることができる。
改質領域Rを偏在させることにより、光学ガラスの接合強度を高めることができる理由は次のように考えられる。まず、図10Aには、光学ガラス600を筐体810に適用した半導体装置800の断面図を、図10Bには図10Aの接合部分の拡大図を示した。ここで、光学ガラス600は、筐体810の開口部810Aを覆うように、筐体810に接合されている。このとき、光学ガラス600と筐体810の接合は、図10Bに示したように、接着剤830を介してなされ、この接着剤830は光学ガラス600と筐体810の間のみならず光学ガラス600の切断面(側面)に回り込んで固化する。このとき、切断面の表面粗さが粗い方が接合強度が高くなるため、改質領域Rを接着剤と接触させるように固化させることで、接合強度を高めることができる。
なお、ここで示した半導体装置800は、筐体810の内部に半導体素子820を収容してなり、筐体810の開口部810Aを本実施形態の光学ガラス600で覆うように接合して、気密封着されている。ここで、接合は光学ガラス600の第1の主面610Aの接合領域Bと筐体810の開口部810Aを形成する筐体とを、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等の接着剤830により封着してなされる。また、半導体素子820は、公知のものであれば特に限定されずに使用でき、例えば、固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS)等が挙げられる。
また、本実施形態で用いられるガラス基体610は、破壊靭性を0.2MPa・m1/2から0.74MPa・m1/2の範囲内、熱膨張係数を65×10−7/Kから150×10−7/Kの範囲内、のガラスで形成されていることが好ましい。
ガラス基体610の破壊靭性は、JIS R1607の破壊靱性測定法(IF法)で、次式によって算出される値(K1c)である。
1c=0.026・E1/2・P1/2・a/C3/2
ここで、E:ヤング率(Pa)、P:押し込み荷重(N)、a:圧痕対角線長さの平均の1/2(m)、C:亀裂長さの平均の1/2(m)である。
また、ガラス基体610の熱膨張係数は、JIS R3102の示差式による測定であって、100℃〜300℃の平均値である。
ガラス基体610の破壊靱性が0.74MPa・m1/2を超えると、レーザー光にてガラス基体610に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じにくいためガラス基体610の切断が難しい。さらに、改質領域Rを起点としてガラス基体610を切断する際に、クラックが板厚方向に伸展しにくいため、無理に切断することになり、ガラス基体610の切断面が粗くなるとともに、寸法精度が悪くなる。また、クラックが十分伸展するように改質領域Rに生じるクラックを大きく形成したとしても、板厚方向以外に伸展するクラックが大きくなるため、切断後のガラス基体610の切断面が粗くなる。これにより、ガラス基体610の寸法精度が悪く、曲げ強度が低くなるおそれがある。
一方、ガラス基体610の破壊靱性が0.2MPa・m1/2未満であると、レーザー光にてガラス基体610に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じ易すぎるため、ガラス基体610の改質領域Rからガラス基体610もしくはガラス基体610の表面に達するクラックが形成されてしまい、切断されたガラス基体610が欠けたり割れたりしやすくなる問題が生じる。また、改質領域Rからガラス基体610もしくはガラス基体610の表面に達するクラックが形成されないようクラックを小さく形成したとしても、改質領域Rを起点としてクラックが過度に伸展しやすいため、板厚方向以外の方向にもクラックが伸展してしまい、ガラス基体610の切断面が粗くなる。これにより、ガラス基体610の寸法精度が悪く、曲げ強度が低くなるおそれがある。また、破壊靱性が0.2MPa・m1/2未満であると、ガラス基体610の切断面に存在するクラックが微小であっても破壊原因になってしまい、切断後のガラス基体610の曲げ強度が実用に満たないおそれがある。
ガラス基体610を構成するガラスの熱膨張係数が150×10−7/Kを超えると、レーザー光にてガラス内部に改質領域Rを形成する際、改質領域Rのクラックが過大に形成され、切断後の光学ガラス600の寸法精度や曲げ強度が著しく低下する。一方、ガラス基体610の熱膨張係数が、65×10−7/K未満であると、レーザー光にてガラス内部に改質領域Rを形成する際、改質領域Rにクラックが生じにくいため切断が難しい。
ガラス基体610は、可視波長領域で透明な材料から適宜選択して使用できる。例えば、ホウケイ酸ガラスは、加工が容易で、光学面における傷や異物等の発生を抑制できるために好ましく、アルカリ成分を含まないガラスは、接着性、耐候性等が良好なために好ましい。
ここで使用するガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスも使用できる。このフツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスは、CuO等を添加した赤外波長領域に吸収を有する光吸収型のガラスが好ましい。特に、CuOを添加したフツリン酸塩系ガラスもしくはリン酸塩系ガラスは、可視波長領域の光に対し高い透過率を有するとともに、CuOが近赤外波長領域の光を十分に吸収するため、良好な近赤外線カット機能を付与できる。
CuOを含有するフツリン酸塩系ガラスの具体例としては、カチオン%表示で、P5+ 20〜45%、Al3+ 1〜25%、R 1〜30%(但し、Rは、Li、Na、Kの合計量)、Cu2+ 1〜15%、R2+ 1〜50%(但し、R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合計量)含有するとともに、アニオン%表示で、F 10〜65%、O2− 35〜90%含有したものが挙げられる。市販品としては、NF−50ガラス(AGCテクノグラス社製)等が例示される。
CuOを含有するリン酸塩系ガラスの具体例としては、下記酸化物換算の質量%表示で、P 65〜74%、Al 5〜10%、B 0.5〜3%、LiO 0〜10%、NaO 3〜10%、LiO+NaO 3〜15%、MgO 0〜2%、CaO 0〜2%、SrO 0〜5%、BaO 0〜9%、MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、CuO 0.5〜20%、を含み、NaO/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO) 0.5〜3、のものが挙げられる。
なお、ガラス組成については、上述したものに限らず、適宜のガラスを用いることができる。
ガラス基体610の厚みは、特に限定されないが、小型化、軽量化を図る点からは、0.1〜3mmの範囲が好ましく、0.1〜1mmの範囲がより好ましく、0.1〜0.5mmがさらに好ましい。
また、本実施形態の光学ガラスとしては、ガラス基体610の主面に必要に応じて光学薄膜を形成することもできる。例えば、図11には、赤外線カットフィルタとして使用される光学ガラスを例示したが、この光学ガラス700は、ガラス基体610と、ガラス基体610の第2の主面610Bに形成された光学薄膜720と、ガラス基体610の第1の主面610Aに形成された光学薄膜730とを有してなる。
ここで、光学薄膜730は、反射防止膜であり、筐体との接合側となるガラス基体610の第1の主面610Aに設けられている。光学薄膜730は、光学ガラス600主面の反射率を低減させて、透過率を増加させる。光学薄膜730は、例えば、MgFの単層膜やAl・TiOとZrOとの混合物膜・MgFを積層した多層膜やSiO・TiOの交互多層膜などで構成されている。これらの単層・多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にてガラス基板610の第1の主面610Aに形成されている。また、光学薄膜730は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
また、光学薄膜720は、紫外線(UV)および赤外線(IR)をカットするUVIRカット膜であり、ガラス基体610の第2の主面610Bに設けられている。光学薄膜720は、例えば、SiO・TiO等、屈折率の異なる誘電体膜を積層した多層膜や紫外線吸収剤や赤外線吸収剤を含有する樹脂膜等で構成されている。これら多層膜は真空蒸着やスパッタリング等の成膜方法にて、樹脂膜は溶剤に分散または溶解させた樹脂を塗布し、乾燥させる公知の成膜方法にて、ガラス基体610の第2の主面610Bに形成できる。また、光学薄膜720は、物理膜厚が0.2μmから8μmであることが好ましい。
なお、上記説明では、ガラス基体610の第1の主面610Aに光学薄膜730を設け、ガラス基体610の第2の主面610Bに光学薄膜720を設けているが、ガラス基体610の第2の主面610Bに光学薄膜730を設け、ガラス基体610の第1の主面610Aに光学薄膜720を設けてもよい。また、ガラス基体610の第1の主面610Aに光学薄膜720,730を設けてもよく、ガラス基体610の第2の主面610Bに光学薄膜720,730を設けてもよい。また、ガラス基体610が近赤外波長域の光を十分に吸収できる場合は、光学薄膜720として紫外線(UV)をカットする光学薄膜だけを設けるようにしてもよい。
この実施形態の光学ガラスの製造方法は、第1の実施形態の光学ガラスと同様の方法により製造することができるため、省略する。
以上のように、本実施形態に係るガラス板の切断方法及びガラス基板によれば、ガラス板は、その内部に形成された改質領域Rを起点としてクラックが生じ、ガラス板を容易に切断することができる。また、改質領域Rに形成したクラックがガラス板を平面方向に引っ張ることで、ガラス基板の板厚方向に伸展しやすく、ガラス基板の切断面が粗くなりにくいとともに、良好な寸法精度の光学ガラス600を得ることができる。
なお、第2の実施形態を変形した他の実施形態として、図12には、光学ガラス600を筐体910に適用した半導体装置900の断面図を示した。ここで、光学ガラス600は、筐体910の開口部910Aを覆うように、筐体910に接合されている。この実施形態では、光学ガラス600の第1の主面が装置の内部側から筐体910と接合されるため、改質領域は筐体910側に偏在して形成されている。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(例1−1〜例1−7)
以下の説明において、例1−1〜例1−4が本発明における実施例、例1−5〜例1−7が本発明における比較例である。
ガラス基板として板状のフツリン酸ガラス(AGCテクノグラス社製、NF−50、板厚0.295〜0.296mm、寸法100mm×100mm)を用意した。このガラス基板は、段落0043に記載されている組成範囲内のガラスである。このガラス基板の熱膨張係数は、129×10−7/K、破壊靱性が0.44MPa・m1/2である。
このガラス基板の一方の面に総膜厚0.7μmの反射防止膜(AR、SiOとTiOとの交互多層膜)を、他方の面に総膜厚6.4μmの赤外線反射膜(IRCF、SiOとTiOとの交互多層膜)を各例において表1に示すように形成し、赤外線カットフィルタ用のガラス基板とした。このガラス基板を以下に示す切断条件により、5mm×5mmの正方形状に切断し、側面に改質領域を偏在させた切断面を有する光学ガラスを製造した。
ガラス基板の内部に選択的に改質領域を形成する工程では、以下の条件を用いた。レーザー光源としてYAGレーザー(中心波長1064nm)を用い、それを変調して中心波長532nmのレーザー光をガラス基板に入射させた。また、レーザー出力は表1に記載の改質領域が得られるよう5〜13μJ/pulseから適切な出力を選択した。レーザー光は、ガラス基板の板厚方向において、反射防止膜を形成した主面側より入射し、所定の焦点となるように調整した。
次いで、改質領域を形成したガラス基板を、延伸性を有する樹脂フィルムに貼り付け、その樹脂フィルムをガラス基板の平面方向に引っ張ることで、ガラス基板の改質領域を起点とし、改質領域に形成されたクラックをガラス基板の主面にまで伸展させることでガラス基板の厚み方向に割れを生じさせ、改質領域に沿ってガラス基板を切断した。
第1の主面側の曲げ強度、第2の主面側の曲げ強度は、JIS R 1601(2008年)の4点曲げ強さ試験を参考にした。試験片は、5mm×5mmの正方形状のサイズのため、支点ピッチを3mm、荷重点ピッチを1mm、支点および荷重点の支持具先端の曲率半径を0.25mmとした。また、曲げ強度は、1つの条件について16枚測定し、それらの平均値を用い、各例の第2の主面側の曲げ強度を1とした場合の第1の主面側の曲げ強度を比率(第1の主面側の曲げ強度/第2の主面側の曲げ強度)で示した。なお、いずれの例も第2の主面側の曲げ強度が100MPaを超えていた。また、例1−1〜例1−4の光学ガラスは、第1の主面側の曲げ強度が300MPaを超えていた。
このときの加工条件、得られた光学ガラスの切断面における改質領域の位置関係のパラメータ(図2におけるt、a、b、k)、第1の主面側の曲げ強度、第2の主面側の曲げ強度、を表1にまとめて示した。なお、改質領域の位置は、条件毎に8枚づつ測定し、その平均値を示した。また、図13には、例1−1の光学ガラスの側面(断面)の光学顕微鏡写真を示した。
表1より、第2の主面側に改質領域を偏在させることで、第1の主面側の曲げ強度を第2の主面側の曲げ強度よりも1.3倍以上大きくできる(例1−1〜例1−4)。一方、ほぼ中心に改質領域が形成されると、第1の主面側の曲げ強度を第2の主面側の曲げ強度とがほぼ同等となる(例1−5〜例1−7)。この時、改質領域Rの中心と板厚中心とのずれ量が板厚×2%を超えるように改質領域が第2の主面側に偏在することで、第1の主面側の曲げ強度と第2の主面側の曲げ強度との間に明確な強度差が生じることが分かる。さらに、偏在度合が大きくなるほど両者の強度差が拡大する。しかし、改質領域Rの中心と板厚中心とのずれ量が板厚×30%を超えるように改質領域が第2の主面側に偏在すると、第1の主面側の曲げ強度が100MPaを下回ることが推測される。第1の主面側の曲げ強度が100MPa未満になると、従来の研削砥石で機械的に加工されたガラスの強度と同等以下になってしまい、第2の主面側であっても外部の衝撃により破損に至るおそれがある。
また、例1−3および例1−4の光学ガラスは、反射防止膜を形成した第1の主面側の曲げ強度が高いため、図3に示す筐体310に適用されるのが好ましい。また、例1−1および例1−2の光学ガラスは、赤外線反射膜を形成した第1の主面側の曲げ強度が高いため、図7に示す筐体410に適用されるのが好ましい。
以上に示したように、改質領域を第2の主面側に偏在させることで光学ガラスの主面における曲げ強度を調節することができ、曲げ強度の高い面を筐体の接合面とすることで、外部からの衝撃に対して破損を抑制した半導体装置を製造できる。
(例2−1〜例2−4)
以下の説明において、例2−1〜2−3が本発明における実施例、例2−4が本発明における比較例である。
ガラス基板として板状のフツリン酸ガラス(AGCテクノグラス社製、NF−50、板厚0.295〜0.300mm、寸法100mm×100mm)を用意した。このガラス基板は、段落0088に記載されている組成範囲内のガラスである。このガラス基板の熱膨張係数は、129×10−7/K、破壊靱性が0.44MPa・m1/2である。
このガラス基板の一方の面に総膜厚0.7μmの反射防止膜(AR、SiOとTiOとの交互多層膜)を、他方の面に総膜厚6.4μmの紫外線赤外線反射膜(UVIR、SiOとTiOとの交互多層膜)を各例において表2に示すように形成し、赤外線カットフィルタ用のガラス基板とした。このガラス基板を以下に示す切断条件により、5mm×5mmの正方形状に切断し、側面に改質領域を偏在させた切断面を有する光学ガラスを製造した。
ガラス基板の内部に選択的に改質領域を形成する工程では、以下の条件を用いた。レーザー光源としてYAGレーザー(中心波長1064nm)を用い、それを変調して中心波長532nmのレーザー光をガラス基板に入射させた。また、レーザー出力は表2に記載の改質領域が得られるよう5〜13μJ/pulseから適切な出力を選択した。レーザー光は、ガラス基板の板厚方向において、反射防止膜を形成した主面側より入射し、所定の焦点となるように調整した。
次いで、改質領域を形成したガラス基板を、延伸性を有する樹脂フィルムに貼り付け、その樹脂フィルムをガラス基板の平面方向に引っ張ることで、ガラス基板の改質領域を起点とし、改質領域に形成されたクラックをガラス基板の主面にまで伸展させることでガラス基板の厚み方向に割れを生じさせ、改質領域に沿ってガラス基板を切断した。
密着性試験は、以下の方法により行った。5mm×5mmの正方形状の試験片を用い、固体撮像素子の筐体を模した開口部を備えるアルミナセラミックス材に対して試験片の第1の主面が筐体側となるよう主面の外周(4辺)を市販の接着剤により貼り付けた。次いで、接着剤が硬化した後、アルミナセラミックス材部分を挟み込んで固定し、第2の主面側が凸となるよう、第1の主面側の略中央部分を先端部球半径が1.5mmのピンを1mm/分の速度で押し込み、荷重の上限を20Nとして試験片がアルミナセラミックス材から剥がれるかを確認した。これを各例ごと10枚実施し、剥がれが発生した枚数を目視で確認した。
このときの加工条件、得られた光学ガラスの切断面における改質領域の位置関係のパラメータ(図9におけるt、a、b、k)、密着性試験での剥がれ発生枚数、を表1にまとめて示した。なお、改質領域の位置は、条件毎に8枚づつ測定し、その平均値を示した。また、図14には、例2−3の光学ガラスの側面(断面)の光学顕微鏡写真を示した。
表2より、密着性試験においてアルミナセラミックス材と試験片との剥がれが発生しなかったことから、実施例のガラスは、第1の主面側に改質領域を偏在させることで、ガラス基体と筐体との接合強度を高めることができる。
以上に示したように、改質領域を第1の主面側に偏在させることで光学ガラスの筐体への接合強度を調節することができ、密閉性を向上させ、信頼性及び安定性の良好な半導体装置を製造できる。
本発明の光学ガラスは、電子機器に内蔵される半導体装置(例えば、固体撮像素子(CCDやCMOS等)を有する装置)のカバーガラスや近赤外線カットフィルタ等に好適に用いられ、特に、携帯電話やスマートフォン等の携帯用の電子機器に特に好適である。
100,200…光学ガラス、110…ガラス基体、220…反射防止膜、230…紫外・赤外反射膜、300…半導体装置、310…筐体、320…半導体素子、500…ガラス基板の切断装置、510…テーブル、510…ステージ、520…駆動機構、530…レーザー光照射機構、540…光学系、550…距離測定系、560…制御機構、OL…光学レンズ、T1…テープ、L…レーザー光。

Claims (14)

  1. 筐体の開口を覆うように接合される板状の光学ガラスであって、
    前記光学ガラスは、筐体に接合される側の第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面と、質領域を有する切断面(側面)と、を有するガラス基体からなり、
    前記改質領域は、ASME B46.1(1995年)に定義されるピークカウント値Pcを、前記切断面において前記第1の主面から板厚方向に測定した時、最初にピークカウント値Pcが20を超える測定位置と、前記第2の主面から板厚方向にピークカウント値Pcを測定した時、最初にピークカウント値Pcが20を超える測定位置の間の領域であり、
    前記改質領域は、前記光学ガラスの板厚方向において、前記光学ガラスの中心から前記第2の主面の間に形成され
    前記第1の主面側の曲げ強度が、前記第2の主面側の曲げ強度と比較して1.3倍以上、5倍以下であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 前記改質領域は、前記光学ガラスの板厚方向において、前記第1の主面から前記改質領域までの距離をa、前記第2の主面から前記改質領域までの距離をb、前記光学ガラスの板厚をtとしたとき、下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
    (a−b)/2>0.02t ・・・(1)
    (ただし、aおよびbは0を超える数値である。)
  3. 前記改質領域は、下記(2)式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光学ガラス。
    0.05t<(a−b)/2<0.3t ・・・(2)
    (ただし、aおよびbは0を超える数値である。)
  4. 前記ガラス基体の、前記第1の主面側の曲げ強度が300MPa以上であり、前記第2の主面側の曲げ強度が100MPa以上である請求項3に記載の光学ガラス。
  5. 前記光学ガラスは、前記第1の主面および第2の主面の少なくとも一方に光学薄膜を備えるものであって、前記光学薄膜は、反射防止膜、赤外線吸収膜および紫外線吸収膜の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. 前記筐体は、半導体素子を収容するものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. 前記半導体素子は、固体撮像素子であることを特徴とする請求項に記載の光学ガラス。
  8. 筐体の内部に半導体素子を収容してなり、前記筐体の開口部を光学ガラスで覆うように接合する半導体装置であって、
    前記光学ガラスは、板状であり、
    前記光学ガラスは、前記筐体に接合される側の第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面と、改質領域を有する切断面(側面)と、を有するガラス基体からなり、
    前記改質領域は、ASME B46.1(1995年)に定義されるピークカウント値Pcを、前記切断面において前記第1の主面から板厚方向に測定した時、最初にピークカウント値Pcが20を超える測定位置と、前記第2の主面から板厚方向にピークカウント値Pcを測定した時、最初にピークカウント値Pcが20を超える測定位置の間の領域であり、
    前記改質領域は、前記光学ガラスの板厚方向において、前記光学ガラスの中心から前記第2の主面の間に形成されることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記ガラス基体の、前記第1の主面の曲げ強度が、前記第2の主面の曲げ強度と比較して1.3倍以上、5倍以下であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記改質領域は、前記光学ガラスの板厚方向において、前記第1の主面から前記改質領域までの距離をa、前記第2の主面から前記改質領域までの距離をb、前記光学ガラスの板厚をtとしたとき、下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置。
    (a−b)/2>0.02t ・・・(1)
    (ただし、aおよびbは0を超える数値である。)
  11. 前記改質領域は、下記(2)式を満たすことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の半導体装置。
    0.05t<(a−b)/2<0.3t ・・・(2)
    (ただし、aおよびbは0を超える数値である。)
  12. 前記ガラス基体の、前記第1の主面側の曲げ強度が300MPa以上であり、前記第2の主面側の曲げ強度が100MPa以上である請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記光学ガラスは、前記第1の主面および第2の主面の少なくとも一方に光学薄膜を備えるものであって、前記光学薄膜は、反射防止膜、赤外線吸収膜および紫外線吸収膜の少なくとも一つであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の半導体装置。
  14. 前記半導体素子は、固体撮像素子であることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載の半導体装置。
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