JP2002359314A - 撮像素子収納用パッケージ - Google Patents

撮像素子収納用パッケージ

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JP2002359314A
JP2002359314A JP2001165750A JP2001165750A JP2002359314A JP 2002359314 A JP2002359314 A JP 2002359314A JP 2001165750 A JP2001165750 A JP 2001165750A JP 2001165750 A JP2001165750 A JP 2001165750A JP 2002359314 A JP2002359314 A JP 2002359314A
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thin film
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film layer
package
index thin
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JP2001165750A
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Yoji Kobayashi
洋二 小林
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/161Cap
    • H01L2924/1615Shape
    • H01L2924/16195Flat cap [not enclosing an internal cavity]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像素子収納用パッケージにおいて、熱スト
レスによる多層膜と封止剤との接合破壊を有効に防止で
きない。 【解決手段】 上面に撮像素子4が搭載される凹部1a
を有する絶縁基体1と、この絶縁基体1の上面に凹部1
aを覆うように封止剤3を介して接合される透光性蓋体
2とから成り、この透光性蓋体2を、透光性板材2a
と、この透光性板材2aの下面の凹部1aに対向する部
位から3封止剤の封止領域にかけて被覆した、屈折率が
1.6以下の絶縁材料から成る低屈折率薄膜層2bおよび
屈折率が1.7以上の絶縁材料から成る高屈折率薄膜層2
cを順次交互に複数積層して成る多層膜2dとで形成し
た撮像素子収納用パッケージであって、多層膜2dは、
その側面と表面の端部とが封止剤3で覆われているとと
もに、側面に20〜300nmの凹部Aを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部からの機械的
衝撃あるいは水分の浸入から半導体素子を保護するため
の撮像素子収納用パッケージに関し、特にCCD・CM
OSイメージセンサ等のカラー撮像素子を搭載する撮像
素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CCD・CMOS等の撮像素子を
含むカメラは、軽薄短小化および低価格化が急激に進展
し、これに伴って搭載される撮像素子収納用パッケージ
をはじめとする光学機能部品も軽薄短小化および部品削
減が進んでいる。
【0003】このような光学機能部品は、一般に、ガラ
ス材やプラスチック材から成り、画像を集光し撮像素子
に導くためのレンズや、水晶から成り、画像のモアレを
防止するための光学的ローパス効果を有するローパスフ
ィルタ、金属錯体を含有し、赤みがかる色調を補正する
ための赤外線カットフィルタおよび酸化アルミニウム質
燒結体や窒化アルミニウム質燒結体・ムライト質燒結体
・窒化珪素質燒結体等の電気絶縁材料から成り、CCD
・CMOSイメージセンサ等の撮像素子を搭載する凹部
を有する絶縁基体とホウ珪酸ガラスから成る透光性蓋体
とで構成される撮像素子収納用パッケージ等から構成さ
れている。
【0004】しかしながら、このような光学機能部品構
成では、個々の特性を得るための部材厚みの制約から薄
型化が困難であり、結果としてカメラ本体を小型化でき
ないという問題点を有していた。
【0005】このような問題点を解決するために、特開
2000−114502号公報には、固体撮像素子チップが搭載さ
れたパッケージの上面に撮像面を保護する透明カバー部
材が貼り付けられて成る固体撮像素子において、透明カ
バーの表面に赤外線カットコートを施すことにより、赤
外線カットフィルタを削除してカメラを小型化する方法
が提案されている。なお、このような赤外線カットコー
トは、一般的には、屈折率が異なる、例えば高屈折率物
質であるTiO2の薄膜から成る高屈折率薄膜層と低屈
折率物質であるSiO2の薄膜から成る低屈折率薄膜層
とを順次交互に複数積層して成る多層膜となっており、
高屈折率物質と低屈折率物質の屈折率の差が小さいと高
屈折率薄膜層と低屈折率薄膜層の界面での赤外線の反射
量が少なくなる、すなわち赤外線カット効果が小さくな
り、その結果、実用に供することができなくなる傾向が
ある。さらに、光学特性の関係上、透明カバーには低屈
折率薄膜層が高屈折率薄膜層より先に積層されている。
【0006】また、透明カバーに多層膜を施すことによ
り赤外線カット機能が付与される理由は次の通りであ
る。一般的には光学的膜厚(λ/4:λは設計波長)が
薄膜層を構成する材料の屈折率(n)と形状膜厚(d)
との積(n×d)で表わされることから、薄膜層の材料
および形状膜厚を適宜選択するとともに薄膜層を複数積
層して特定範囲の波長光の透過・反射をコントロールす
ることにより透明カバーに赤外線カット機能を付与する
ものである。また、このような薄膜層は、CVD法やス
パッタ法・真空蒸着法等の一般的な薄膜形成法によって
形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな多層膜は次のような問題点を有していた。
【0008】すなわち、多層膜を透明カバーの下面、す
なわちパッケージとの接合部側の全面に設けた場合、透
明カバーを絶縁基体に従来の高弾性率の熱硬化性樹脂を
用いて接合しようとした場合、熱硬化性樹脂が硬化する
際の応力が熱硬化性樹脂と多層膜表面の接合界面に集中
しこの界面で剥離してしまい、パッケージの気密信頼性
を低下させてしまうという問題点を有していた。他方、
多層膜を透明カバーの下面の接合領域を除いた範囲のみ
に部分的に積層させた場合、多層膜はその端部から剥離
し易い傾向があることから、撮像素子の作動時の発熱に
よる熱応力で多層膜が端部から剥離し、この一部が撮像
素子の画像認識エリアに落下してしまい、その結果、撮
像に支障をきたしてしまうという問題点を有していた。
さらに、多層膜を透明カバーの上面に設けた場合、多層
膜が空気中の水分を吸収してその光学特性が変化してし
まうという問題点を有していた。
【0009】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
案出されたものであり、その目的は、外界の温度の変化
に影響を受けず安定した光学特性が得られ、かつ気密封
止の信頼性の高い撮像素子収納用パッケージを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の撮像素子収納用
パッケージは、上面に撮像素子が搭載される凹部を有す
る絶縁基体と、この絶縁基体の上面に凹部を覆うように
封止剤を介して接合される透光性蓋体とから成り、この
透光性蓋体を、透光性板材と、この透光性板材の下面の
凹部に対向する部位から封止剤の封止領域にかけて被覆
した、屈折率が1.6以下の絶縁材料から成る低屈折率薄
膜層および屈折率が1.7以上の絶縁材料から成る高屈折
率薄膜層を順次交互に複数積層して成る多層膜とで形成
した撮像素子収納用パッケージであって、多層膜は、そ
の側面と表面の端部とが封止剤で覆われているととも
に、側面に20〜300nmの凹部を有していることを特徴
とするものである。
【0011】また、本発明の撮像素子収納用パッケージ
は、上記構成において、高屈折率薄膜層が二酸化チタン
から成り、低屈折率薄膜層が二酸化珪素から成ることを
特徴とするものである。
【0012】さらに、本発明の撮像素子収納用パッケー
ジは、上記構成において、封止剤が熱硬化性エポキシ樹
脂接着剤であることを特徴とするものである。
【0013】本発明の撮像素子収納用パッケージによれ
ば、多層膜の側面と、表面の端部とが封止剤で覆われて
いるとともに、多層膜の側面に20〜300nmの凹部を有
していることから、封止剤が硬化する際に封止剤と多層
膜表面の接合界面に集中していた応力を多層膜側面に分
散することができるとともに、封止剤の接合において側
面の凹部が良好なアンカー効果を発揮し、その結果、封
止剤と多層膜との接合が強固なものとなり、パッケージ
の気密封止が破れてしまうことはなく、信頼性の高い撮
像素子収納用パッケージとすることができる。また、多
層膜が撮像素子の動作時の発熱による応力でその端部か
ら剥離するとともにその一部が撮像素子の画像認識エリ
アに脱落して、撮像に支障をきたしてしまうということ
もない。
【0014】また、本発明の撮像素子収納用パッケージ
によれば、上記構成において、高屈折率薄膜層を二酸化
チタンで、低屈折率薄膜層を二酸化珪素で形成したこと
から、二酸化チタンおよび二酸化珪素の蒸着粒子が薄膜
層の形成に用いられる他の絶縁材料の蒸着粒子に比べて
微細でそれぞれの薄膜層の膜厚を精度良くコントロール
でき、その結果、特定波長光の透過・反射を良好にコン
トロールできる撮像素子収納用パッケージとすることが
できる。
【0015】さらに、本発明の撮像素子収納用パッケー
ジによれば、上記構成において、封止剤を熱硬化性エポ
キシ樹脂接着剤としたことから、熱硬化性エポキシ樹脂
接着剤が緻密な3次元網目構造を有し絶縁基体と透光性
蓋体との接合を強固なものとすることができ、その結
果、気密信頼性の高い撮像素子収納用パッケージとする
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の撮像素子収納用パ
ッケージを図面に基づき詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の撮像素子収納用パッケージ
の実施の形態の一例を示す断面図、図2は要部拡大断面
図である。また、これらの図において、1は絶縁基体、
2は透光性蓋体、3は封止剤であり、主にこれらで本発
明の撮像素子収納用パッケージが構成される。
【0018】絶縁基体1は、その上面の中央部に撮像素
子4を搭載するための凹部1aが設けられており、この
凹部1aの底面には撮像素子4がガラスや樹脂・ろう材
等から成る接着剤を介して接着固定される。
【0019】このような絶縁基体1は、酸化アルミニウ
ム質焼結体やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼
結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体等の無機絶
縁材料あるいは、エポキシ樹脂やフェノール樹脂・液晶
ポリマー・ポリフェニレンサルファイド等の有機絶縁材
料から成り、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成
る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マ
グネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機
バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して泥漿
物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法
やカレンダーロール法等のシート成形法を採用しシート
状にしてセラミックグリーンシート(セラミック生シー
ト)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシート
に適当な打抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層
し、約1600℃の高温で焼成することによって製作され
る。あるいは、エポキシ樹脂から成る場合であれば、一
般的にシリカ粉末を充填した樹脂コンパウンドを任意形
状の金型を有する射出成形機を用いて約180℃の温度で
成形し、しかる後、この成形品を硬化することによって
製作される。なお、絶縁基体1の大きさは、撮像素子4
としては対角線の長さが1インチ(inch)以下のものが
使用されるため、縦・横の長さが通常は50mm以下であ
る。
【0020】また、絶縁基体1は、凹部1aの底面から
下面にかけて複数の配線導体5が被着形成されている。
そしてこの配線導体5の凹部1aの底面に位置する部位
には撮像素子4の各電極がボンディングワイヤ6を介し
て電気的に接続され、また、下面に導出する部位を外部
電気回路(図示せず)に半田等の接続部材を介して電気
的に接続することにより、撮像素子4の各電極が外部電
気回路の配線導体と電気的に接続されることとなる。
【0021】配線導体5は、撮像素子4の各電極を外部
電気回路に電気的に接続する際の導電路として作用し、
例えばタングステン・モリブデン・マンガン等の高融点
金属粉末に適当な有機溶剤・溶媒・可塑剤等を添加混合
して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等
の厚膜手法を採用して絶縁基体1となるセラミックグリ
ーンシートにあらかじめ印刷塗布しておき、これをセラ
ミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶
縁基体1の凹部1aの底面から下面にかけて所定パター
ンに被着形成される。
【0022】また、絶縁基体1の上面には、透光性蓋体
2が封止剤3を介して接合されている。透光性蓋体2
は、撮像素子4をパッケージ内部に気密に封止する機能
を有するとともに撮像レンズ(図示せず)を通過した光
から赤外線の波長域の成分を反射し、撮像素子4によっ
て得られる画像の画質を高める機能を有する。
【0023】このような透光性蓋体2は、水晶やホウ珪
酸ガラス等から成る透光性板材2aと、この透光性板材
2aの下面の凹部1aに対向する部位から封止剤3の封
止領域にかけて被覆した、光の屈折率が1.6以下の絶縁
材料から成る低屈折率薄膜層2bおよび光の屈折率が1.
7以上の絶縁材料から成る高屈折率薄膜層2cを順次交
互に複数積層して成る多層膜2dとから構成されてい
る。透光性蓋体2を、上記構成とすることにより、屈折
率が1.6以下の絶縁材料から成る低屈折率薄膜層2bお
よび屈折率が1.7以上の絶縁材料から成る高屈折率薄膜
層2cを順次交互に複数積層して成る多層膜2dが撮像
素子4に入射する外部光の赤外線を良好に反射し、その
結果、良好な赤外線カット機能を有する撮像素子収納用
パッケージとすることができる。
【0024】また、本発明の撮像素子収納用パッケージ
では、高屈折率薄膜層2cの屈折率と低屈折率薄膜層2
bの屈折率との差を0.1以上としたことから、高屈折率
薄膜層2cと低屈折率薄膜層2bとの界面での赤外線の
反射量が少なくなる、すなわち赤外線カット効果が小さ
くなることはなく、その結果、良好な赤外線カット機能
を有する撮像素子収納用パッケージとすることができ
る。なお、高屈折率薄膜層2cの屈折率と低屈折率薄膜
層2bの屈折率との差が0.1未満であると、高屈折率薄
膜層2cと低屈折率薄膜層2bとの界面での赤外線の反
射量が極端に少なくなり、良好な赤外線カット機能を得
ることが困難と成る傾向がある。従って、高屈折率薄膜
層2cの屈折率と低屈折率薄膜層2bの屈折率との差を
0.1以上とすることが、さらに好適には0.5以上とするこ
とが好ましい。
【0025】このような高屈折率薄膜層2cおよび低屈
折率薄膜層2bは、両者の屈折率の差を0.1以上として
良好な赤外線カット機能を得るとともに多層膜2dの厚
みを薄くするという観点からは、それぞれの屈折率を1.
7以上および1.6以下とすることが好ましい。これは、光
学的膜厚(λ/4:λは設計波長)が薄膜層を構成する
材料の屈折率(n)と形状膜厚(d)との積(n×d)
で表わされることから、高い周波数領域の赤外線を遮断
する場合には屈折率(n)の大きな材料を用いることに
より高屈折率薄膜層2cを薄くすることができ、また、
低屈折率薄膜層2bの屈折率を1.6以下とすることによ
り、高屈折率薄膜層2cと低屈折率薄膜層2bの屈折率
の差を十分なものとし良好な赤外線カット機能を得るこ
とができるからである。
【0026】このような屈折率が1.7以上の絶縁材料と
しては、Ta25やTiO2・Nb25・La23・Z
rO2・Y23等があり、屈折率が1.6以下の絶縁材料と
しては、SiO2やAl23・LaF3・MgF2・Na3
AlF6等がある。また、高屈折率薄膜層2cはその屈
折率の範囲が通常は1.7〜3.0、低屈折率薄膜層2bはそ
の屈折率の範囲が通常は1.2〜1.6であり、これらを形成
する絶縁材料は薄膜層の硬さ等の特性や形成し易さ・価
格等を考慮して選択される。
【0027】また、本発明の撮像素子収納用パッケージ
においては、上記構成において、多層膜2dの側面と、
表面の端部とが封止剤3で覆われているとともに、多層
膜2dの側面に20〜300nmの凹部Aを有している。ま
た、このことが重要である。
【0028】本発明の撮像素子収納用パッケージにおい
ては、多層膜2dの側面と、表面の端部とが封止剤3で
覆われているとともに、多層膜2dの側面に20〜300n
mの凹部Aを有していることから、封止剤3が硬化する
際に封止剤3と多層膜2d表面の接合界面に集中してい
た応力を多層膜2d側面に分散することができるととも
に、封止剤3の接合において側面の凹部Aが良好なアン
カー効果を発揮し、その結果、封止剤3と薄膜層2dと
の接合界面で剥離してしまうことはなく、気密封止の信
頼性の高い撮像素子収納用パッケージとすることができ
る。また、多層膜2dが撮像素子4の動作時の発熱によ
る応力でその端部から剥離するとともにその一部が撮像
素子4の画像認識エリアに脱落して、撮像に支障をきた
してしまうということもない。
【0029】なお、多層膜2d側面の凹部Aの深さは20
〜300nmであることが好ましく、凹部Aの深さが20n
m未満の場合、アンカー効果が弱く封止剤3と多層膜2
dの接合強度の向上に寄与できなくなる傾向があり、ま
た、300nmを超える場合には、後述する低屈折率薄膜
層2bおよび高屈折率薄膜層2cの厚みよりも凹部Aの
深さの寸法が大きくなるため、薄膜層2dの端部が破壊
し易くなり、アンカー効果を発揮することができなくな
る傾向がある。従って、多層膜2dの側面の凹部Aの深
さは20〜300nmであることが好ましい。
【0030】このような多層膜2dの側面の凹部Aは、
高屈折率薄膜層2cの側面に対して低屈折率薄膜層2b
の側面が引っ込んだ形状や、逆に、低屈折率薄膜層2b
の側面に対して高屈折率薄膜層2cの側面が引っ込んだ
形状、あるいは低屈折率薄膜層2bと高屈折率薄膜層2
cとがランダムに形成した形状があり、さらには、低屈
折率薄膜層2bおよび高屈折率薄膜層2cの側面が平坦
でない波型や鋸型等の形状等がある。また、アンカー効
果を発揮させるという観点からは、樹脂と接合する側の
薄膜層が、隣り合う透光性板材2aと接合する側の薄膜
層よりも大きい階段状となっていてもよい。
【0031】また、多層膜2d表面の端部は、封止剤3
により多層膜2d外周から1mm以上覆われていること
が好ましい。封止剤3により覆われている部分が1mm
未満であると、封止剤3と多層膜2dとの接合が不十分
となる傾向がある。従って、多層膜2d表面の端部は、
封止剤3により多層膜2d外周から1mm以上覆われて
いることが好ましい。
【0032】このような低屈折率薄膜層2bおよび高屈
折率薄膜層2cから成る多層膜2dは、CVD法やスパ
ッタ法・真空蒸着法等により成形され、例えば真空蒸着
法により成形する場合、SiO2・Al23・MgF2
の屈折率が1.6以下の絶縁材料と、Ta25やTiO2
Nb25等の屈折率が1.7以上の絶縁材料とをそれぞれ
真空蒸着装置内に設置した坩堝に入れ、そして真空蒸着
装置内を1×10-6Pa程度の真空度で250〜300℃の温度
に設定した後、透光性板材2aが、例えばホウ珪酸ガラ
スからなる場合、マスキングをしてホウ珪酸ガラス板材
の下面の凹部1a対向する部位から封止剤3の封止領域
に、まず低屈折率薄膜層2bを被着し、その後、高屈折
率薄膜層2cと低屈折率薄膜層2bとを順次交互に合計
10〜100層被着することにより形成される。そして、高
屈折率薄膜層2cおよび低屈折率薄膜層2bは異なる材
料であることから、フッ酸等の酸溶液により多層膜2d
をエッチングすることによりエッチングレートに差が生
じ、結果として多層膜2dの側面に20〜300nmの凹部
が形成される。なお、安定した凹部を形成するにはフッ
酸等の酸溶液によるエッチングが好ましいが、バレル加
工等の機械加工により多層膜2d側面に凹部Aを形成し
てもよい。
【0033】また、低屈折率薄膜層2bおよび高屈折率
薄膜層2cのそれぞれの厚みは、遮断しようとする赤外
線波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚みとすることが好
ましい。低屈折率薄膜層2bや高屈折率薄膜層2cの厚
みが0.1λ未満、あるいは、0.5λと超えると、屈折率
(n)と形状膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算
出される光学的膜厚と大きく異なって反射・屈折の光学
的特性の関係が崩れてしまい、特定波長を遮断・透過す
るコントロールができなくなってしまう傾向がある。従
って、低屈折率薄膜層2bや高屈折率薄膜層2cの層の
厚みは、遮断しようとする赤外線波長λ(nm)の0.1
λ〜0.5λの範囲の厚みとすることが好ましい。
【0034】また、低屈折率薄膜層2bおよび高屈折率
薄膜層2cの積層数が10層未満であると、赤外線領域の
波長を良好に遮断することが困難となる傾向があり、10
0層を超えると多層膜2dを真空蒸着後に透光性蓋体2
を室温に冷却する際の多層膜2dの熱収縮が大きなもの
となり、透光性板材2aが割れ易くなる傾向がある。従
って、低屈折率薄膜層2bおよび高屈折率薄膜層2cの
積層数は10〜100層の範囲が好ましく、赤外線領域の波
長をより良好に遮断する、および、室温に冷却する際の
多層膜2dの熱収縮を小さくして透光性板材2aが割れ
難くするという観点からは、30〜45層の範囲が好まし
い。
【0035】さらに、本発明の撮像素子収納用パッケー
ジにおいては、上記構成において、高屈折率薄膜層2c
を二酸化チタンで、低屈折率薄膜層2bを二酸化珪素で
形成することが好ましい。二酸化チタンおよび二酸化珪
素の蒸着粒子は、これらの粒径が薄膜層2dの形成に用
いられる他の絶縁材料の蒸着粒子に比較して微細である
とともに硬いことから、高屈折率薄膜層2cおよび低屈
折率薄膜層2bの膜厚を精度良くコントロールすること
ができるとともに透光性蓋体2の取り扱いの際に傷つき
難く、その結果、特定波長光の透過・反射を良好にコン
トロールすることができる。
【0036】このような透光性蓋体2を構成する透光性
板材2aは、縦・横の寸法が絶縁基体1と略同一で、厚
みが0.2〜1.5mm程度であり、透光性板材2aとなる母
材表面に、例えば真空蒸着法を採用して低屈折率薄膜層
2bおよび高屈折率薄膜層2cからなる多層膜2dとを
被覆した後、この母材をスライシングやダイシング等の
切断方法を用いて所定形状に切断することにより製作さ
れる。
【0037】また、封止剤3は、応力緩和の観点から
は、低弾性である樹脂接着剤が好ましく、透光性蓋体2
の接合部に従来周知のスクリーン印刷法等を採用して印
刷・塗布した後、加熱して乾燥させるとともに透光性蓋
体2と絶縁基体1との接合部分を重ねあわせて加圧・加
熱することにより、絶縁基体1と透光性蓋体2とを強固
に接合することができる。
【0038】さらに、封止剤3は硬化後の厚みが1〜50
μmの範囲であることが好ましい。封止剤3の硬化後の
厚みが1μm未満であると透光性蓋体2と絶縁基体1と
の間に働く応力を有効に緩和することが困難となり気密
封止の信頼性が低下する傾向があり、また、50μmを超
えると封止剤3の透湿量が増加してパッケージ内部に収
容した撮像素子4が水分により劣化したり、低屈折率薄
膜層2bおよび高屈折率薄膜層2cから成る多層膜2d
の光学特性が変化してしまう傾向がある。従って、封止
剤3は、その硬化後の厚みが1〜50μmの範囲であるこ
とが好ましい。
【0039】このような封止剤3としては、耐湿性ある
いは接合強度の観点からは熱硬化性のエポキシ系樹脂接
着剤が特に好ましい。熱硬化性エポキシ樹脂接着剤は緻
密な3次元網目構造を有し絶縁基体1と透光性蓋体2と
の接合を強固なものとすることができ、その結果、気密
信頼性の高い撮像素子収納用パッケージとすることがで
きる。このような熱硬化性エポキシ樹脂接着剤として
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノール
A変性エポキシ樹脂・ビスフェノールF型エポキシ樹脂
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂・クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂・特殊ノボラック型エポキシ樹
脂・フェノール誘導体エポキシ樹脂・ビフェノール骨格
型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂にイミダゾール系・ア
ミン系・リン系・ヒドラジン系・イミダゾールアダクト
系・アミンアダクト系・カチオン重合系・ジシアンジア
ミド系等の硬化剤を添加したものが用いられる。
【0040】なお、2種類以上のエポキシ樹脂を混合し
て用いてもよい。また、軟質微粒子を添加することによ
り、エポキシ系樹脂接着剤の弾性率を低い値とすること
が可能となる。
【0041】このような軟質微粒子としては、例えばシ
リコンゴムやシリコンレジン・LDPE・HDPE・P
MMA・架橋PMMA・ポリスチレン・架橋ポリスチレ
ン・エチレン−アクリル共重合・ポリメタクリル酸エチ
ル・ブチルアクリレート・ウレタン等のプラスチック粉
末が用いられる。
【0042】かくして本発明の撮像素子収納用パッケー
ジによれば、絶縁基体1の凹部1aの底面に撮像素子4
をガラス・樹脂・ろう材等から成る接着剤を介して接着
固定するとともに撮像素子4の各電極をボンディングワ
イヤ6により配線導体5に接続させ、しかる後、絶縁基
体1と透光性蓋体2とを封止剤3を介して接続して、絶
縁基体1と透光性蓋体2とから成る容器の内部に撮像素
子4を気密に収容することによって最終製品としての撮
像装置が完成する。
【0043】なお、図3は、透光性板材2aとして屈折
率1.52のホウ珪酸ガラス板材を用い、この下面に、高屈
折率薄膜層2cとして二酸化チタンを、低屈折率薄膜層
2bとして二酸化珪素を、各々の光学的膜厚を0.1λ〜
0.5λの範囲で合計33層積層した時の透光性蓋体2の光
の透過率特性であり、良好な赤外線カット機能を有する
ことがわかる。
【0044】なお、本発明は上述の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能であり、例えば、多層膜2d
は、酸化アルミニウム層表面に弗化マグネシウム等の材
料を成膜した反射防止膜であってもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明の撮像素子収納用パッケージによ
れば、多層膜の側面と、表面の端部とが封止剤で覆われ
ているとともに、多層膜の側面に20〜300nmの凹部を
有していることから、封止剤が硬化する際に封止剤と多
層膜表面の接合界面に集中していた応力を多層膜側面に
分散することができるとともに、封止剤の接合において
側面の凹部が良好なアンカー効果を発揮し、その結果、
封止剤と多層膜との接合が強固なものとなり、パッケー
ジの気密封止が破れてしまうことはなく、信頼性の高い
撮像素子収納用パッケージとすることができる。また、
多層膜が撮像素子の動作時の発熱による応力でその端部
から剥離するとともにその一部が撮像素子の画像認識エ
リアに脱落して、撮像に支障をきたしてしまうというこ
ともない。
【0046】また、本発明の撮像素子収納用パッケージ
によれば、上記構成において、高屈折率薄膜層を二酸化
チタンで、低屈折率薄膜層を二酸化珪素で形成したこと
から、二酸化チタンおよび二酸化珪素の蒸着粒子が薄膜
層の形成に用いられる他の絶縁材料の蒸着粒子に比べて
微細でそれぞれの薄膜層の膜厚を精度良くコントロール
でき、その結果、特定波長光の透過・反射を良好にコン
トロールできる撮像素子収納用パッケージとすることが
できる。
【0047】さらに、本発明の撮像素子収納用パッケー
ジによれば、上記構成において、封止剤を熱硬化性エポ
キシ樹脂接着剤としたことから、熱硬化性エポキシ樹脂
接着剤が緻密な3次元網目構造を有し絶縁基体と透光性
蓋体との接合を強固なものとすることができ、その結
果、気密信頼性の高い撮像素子収納用パッケージとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像素子収納用パッケージの実施の形
態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の撮像素子収納用パッケージの透光性蓋
体の透過率特性の一例である。
【符号の説明】
1・・・・・・・絶縁基体 1a・・・・・・凹部 2・・・・・・・透光性蓋体 2a・・・・・・・透光性板材 2b・・・・・・・低屈折率薄膜層 2c・・・・・・・高屈折率薄膜層 2d・・・・・・・多層膜 3・・・・・・・封止剤 4・・・・・・・撮像素子 A・・・・・・・多層膜の側面の凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に撮像素子が搭載される凹部を有す
    る絶縁基体と、該絶縁基体の上面に前記凹部を覆うよう
    に封止剤を介して接合される透光性蓋体とから成り、該
    透光性蓋体を、透光性板材と、該透光性板材の下面の前
    記凹部に対向する部位から前記封止剤の封止領域にかけ
    て被覆した、屈折率が1.6以下の絶縁材料から成る低
    屈折率薄膜層および屈折率が1.7以上の絶縁材料から
    成る高屈折率薄膜層を順次交互に複数積層して成る多層
    膜とで形成した撮像素子収納用パッケージであって、前
    記多層膜は、その側面と表面の端部とが前記封止剤で覆
    われているとともに、前記側面に20〜300nmの凹
    部を有していることを特徴とする撮像素子収納用パッケ
    ージ。
  2. 【請求項2】 前記高屈折率薄膜層が二酸化チタンから
    成り、前記低屈折率薄膜層が二酸化珪素から成ることを
    特徴とする請求項1記載の撮像素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 前記封止剤が熱硬化性エポキシ樹脂接着
    剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の撮像素子収納用パッケージ。
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