JP6722976B2 - ポリロタキサン架橋重合体、およびその水分散体 - Google Patents

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本発明はポリロタキサンを介して架橋された重合体であるポリロタキサン架橋重合体およびその水分散体に関する。
環状分子の開口部に、直鎖状分子が串刺し状に貫入され、この直鎖状分子の両末端に、環状分子が脱離しないようにブロック基を配置してなるポリロタキサンは、環状分子が相対的に直鎖状分子上を移動することができる。このようなポリロタキサンを介して各種のポリマーが架橋されたポリロタキサン架橋重合体は、環状分子の移動に由来する特性により、塗料、シート、フィルム、粘着剤や樹脂改質剤など様々な分野への応用が期待されている。例えば、塗料においては、塗膜軟質化剤、傷付き防止剤としての用途が、また、シート、フィルム、樹脂改質剤としては、耐衝撃性付与、制振性付与、摺動性付与の効果が期待される。
このようなポリロタキサン架橋重合体としては、例えば、特許文献1ではポリロタキサンに光重合性基を導入し、ポリロタキサン同士が環状分子を介して直接架橋された架橋ポリロタキサンが開示されている。特許文献2ではポリロタキサンと水酸基を持つポリアクリル酸エステルとをイソシアネート基を持つ化合物で架橋した粘着剤組成物が開示されている。
一方、地球環境に対する低負荷、安全、衛生などの観点から、様々な機能性材料において、近年、有機溶媒が水系溶媒に代替されてきている。ここで、上述のような、種々の用途が期待されているポリロタキサン架橋重合体についても、水系溶媒に分散したものが求められ、既に特許文献3、4などにおいて開発されている。
また、ポリロタキサン架橋重合体およびその水分散体を、塗料や樹脂改質剤、化粧品等へ用いる場合、その機能を発現するのに適したポリマー組成であることと、その粒子径が機能発現のために所望の粒子径に制御できることが要求される。
国際公開WO2011/105532号パンフレット 特開2013−203854号公報 国際公開WO2005/080469号パンフレット 国際公開WO2009/145073号パンフレット
特許文献1,3,4の手法では、ポリロタキサン同士が当該ポリロタキサン内の環状分子を介して架橋されていることから、架橋部分に、架橋後もポリロタキサンとしての機能を維持し得る架橋構造しか採用することができず、汎用性に欠けている。
一方、特許文献2の方法では、ポリアクリル酸エステル等のポリマーを用いることができるものの、架橋に水と反応しやすいイソシアネート化合物を用いていることから、水系で架橋することが困難であり、また、ポリマーとしてからポリロタキサンと架橋しているため、所望の粒子径をもった水分散体を得ることは困難である。
以上のことから、種々のポリマー種に汎用的に適用することができ、所望の粒子径を持った安定な水分散体を得ることができるポリロタキサン架橋重合体とその製造方法が求められている。
本発明は、ポリロタキサン架橋由来の機能を持つ架橋重合体であって、種々のポリマー種に汎用的に適用することができ、所望の粒子径で安定性の高い水分散体を得ることができるポリロタキサン架橋重合体とその水分散体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリロタキサンの環状分子に官能性単量体(b)を反応させて変性した変性ポリロタキサン(A)に、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)を共重合させることにより、上記課題を解決し得るポリロタキサン架橋重合体(C)を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 変性ポリロタキサン(A)と、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)とを共重合させてなるポリロタキサン架橋重合体(C)であって、該変性ポリロタキサン(A)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサン(a)の該環状分子に、官能性単量体(b)が反応した構造を有するものであるポリロタキサン架橋重合体(C)。
[2] [1]において、前記官能性単量体(b)は、炭素−炭素二重結合と、イソシアネート基、エポキシ基及び無水ジカルボン酸基から選ばれる反応性官能基とを有する化合物であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[3] [2]において、前記官能性単量体(b)は、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及び無水マレイン酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記変性ポリロタキサン(A)は、前記ポリロタキサン(a)と官能性単量体(b)との合計100質量部に対して該官能性単量体(b)0.1〜99.9質量部の割合で反応させてなることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記変性ポリロタキサン(A)は、前記単量体(B)の少なくとも一部に前記ポリロタキサン(a)を溶解させた溶液中で、前記官能性単量体(b)を反応させて得られることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、前記単量体(B)が、共役ジエン類及び(メタ)アクリル酸エステル類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[7] [1]ないし[6]のいずれかにおいて、前記変性ポリロタキサン(A)に対応させる前記単量体(B)の量が、該変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)との合計100質量%に対して50〜99.9質量%であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[8] [1]ないし[7]のいずれかにおいて、前記変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)とを乳化重合又は懸濁重合して得られることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[9] [1]ないし[8]のいずれかにおいて、ゲル含有率が30〜100質量%であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
[10] [1]ないし[9]のいずれかに記載のポリロタキサン架橋重合体(C)が水に分散してなる水分散体。
[11] [10]において、該水分散体中のポリロタキサン架橋重合体(C)の体積平均粒子径が5〜3000nmであることを特徴とする水分散体。
本発明によれば、ポリロタキサン架橋由来の機能を持つ種々のポリマー架橋重合体と、安定性に優れたその水分散体が提供される。
即ち、本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)は、環状分子を変性した変性ポリロタキサン(A)に、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)を共重合させてなるものであるため、この単量体(B)の種類を選択することにより種々のポリマー種に汎用的に適用することができる。また、その共重合反応は、ポリロタキサンの環状分子を介して進行し、直鎖状分子は関与しないため、架橋後も、環状分子の直鎖状分子上での移動性が阻害されることは殆どなく、ポリロタキサンとしての機能を維持することができる。
また、変性ポリロタキサン(A)の変性基を形成する官能性単量体(b)と、ポリマー部分を形成する単量体(B)の組み合わせを選択することにより、水系での共重合が可能であり、その際に、共重合させる単量体(B)量を制御したり、共重合後に肥大化処理を行ったりすることにより、ポリロタキサン架橋重合体(C)の分子量、粘度等を調製して所望の任意の分散粒子径の水分散体を得ることができる。
本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)およびその水分散体は、塗料、シート、フィルム、粘着剤や樹脂改質剤など様々な用途に有用であり、例えば、その水分散体を用いた塗料は、塗膜軟質化、傷付き防止に優れた効果を奏する。
実施例1で製造したポリロタキサン架橋重合体(C−1)の貯蔵弾性率E’の測定チャートである。 比較例3で製造した重合体(C’−3)の貯蔵弾性率E’の測定チャートである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)は、変性ポリロタキサン(A)と、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)を共重合させてなるものであり、変性ポリロタキサン(A)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサン(a)の該環状分子に、官能性単量体(b)が反応した構造を有するものである。
[変性ポリロタキサン(A)]
まず、本発明に係る変性ポリロタキサン(A)(以下、「本発明の変性ポリロタキサン(A)」と称す場合がある。)について説明する。
本発明の変性ポリロタキサン(A)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサン(a)の該環状分子に、官能性単量体(b)が反応することにより変性されたものである。
<ポリロタキサン(a)>
ポリロタキサン(a)は、通常、少なくとも2つの環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、かつ、直鎖状分子の両末端にブロック基を有してなる樹脂である。
ポリロタキサン(a)においては、環状分子は直鎖状分子上を自由に移動することができるものであるが、ブロック基により環状分子は直鎖状分子から抜け出せない構造となっている。
本発明におけるポリロタキサン(a)の環状分子は、直鎖状分子を包接でき、直鎖状分子上を移動できるものであって、官能性単量体(b)との反応性を有するもの、例えば、官能性単量体(b)と反応し得る水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、シラノール基等を有するものであればよく、代表的なものとしては、クラウンエーテル、環状シロキサンや環状オリゴ糖などが挙げられる。これらの環状分子には、種々の置換基や重合体部が導入されていてもよい。上記の環状分子の中でも、環状オリゴ糖は、入手も容易であり、適切な環径の選択が可能であり、さらには水酸基を有することから様々な置換基や重合体部を導入することができる点において、好適である。
環状分子としての環状オリゴ糖としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられ、中でも特にα−シクロデキストリンが好ましい。
ポリロタキサン(a)は、1種類の環状分子のみを有するものであってもよく、環構造、置換基の有無、置換基の種類、重合体部の有無、重合体部の種類などの異なる環状分子の2種以上を有するものであってもよい。
ポリロタキサン(a)の環状分子に導入される重合体部の例としては、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート又はポリエン、もしくはそれらの共重合体、もしくはそれらの混合体を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコールジオール、ポリエチレングリコールジカルボン酸末端(ポリエチレングリコールのカルボン酸変性)、ポリエチレングリコールジチオール酸末端、ポリプロピレンジオール、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(テトラヒドロフラン)ビス(3−アミノプロピル)末端、ポリプロピレングリコールビス(2−アミノプロピルエーテル)、グリセロールプロポキシレート、グリセロールトリス[ポリ(プロピレングリコール)アミノ末端]、ペンタエリトリトールエトキシレート、ペンタエリトリトールプロポキシレートなどのポリエーテル類;ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)ジオール末端、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール末端、ポリラクトンなどのポリエステル類;変性ポリブタジエン、変性ポリイソプレンなどのポリエン類;ポリジメチルシロキサンジシラノール末端、ポリジメチルシロキサン水素化末端、ポリジメチルシロキサンビス(アミノプロピル)末端、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル末端、ポリジメチルシロキサンジカルビノール末端、ポリジメチルシロキサンジビニール末端、ポリジメチルシロキサンジカルボン酸末端などのシロキサン類;を挙げることができるが、これらに限定されない。特に、重合体部は、ポリエーテル類又はポリエステル類であるのが好ましい。
環状分子に重合体部を導入する方法としては、特に限定されるものではなく、環状分子から直接重合してもよいし、重合体部を構成する重合体と環状分子の官能基のいずれとも反応しうる反応性官能基(以下、「反応性官能基I」と称す場合がある。)を2つ以上有した化合物を介して導入しても良い。
上記の反応性官能基としては、例えば、イソシアネート基、チオイソシアネート基、オキシラン基、オキセタン基、カルボジイミド基、シラノール基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基、無水マレイン酸基等が挙げられる。これらの反応性官能基を2つ以上有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、トリレン−2,4−ジイソシアネート、ジイソシアン酸イソホロン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、(4,4’−メチレンジシクロヘキシル)ジイソシアネートなどの多官能イソシアネート、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどのオキシラン化合物、3−(クロロメチル)−3−メチルオキセタンなどのオキセタン化合物、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子は、環状分子に包接されるものであり、共有結合などの化学的結合ではなく、物理的な結合で一体化できる分子であって、直鎖状のものであれば特に限定されない。本発明における「直鎖状」とは、実質的に直鎖状であればよく、環状分子が移動することができれば、直鎖状分子は分岐鎖を有していてもよい。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアクリル酸エステル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用しても良い。
直鎖状分子の数平均分子量は、3,000〜300,000、特に10,000〜200,000であることが好ましく、20,000〜100,000であることがより好ましい。直鎖分子の数平均分子量が、上記下限より小さいと環状分子の移動量が小さくなり、ポリロタキサン架橋の機能が発現されにくく、上記上限を超えると、後述の単量体(B)との共重合の際に単量体(B)への溶解性が悪くなり、得られるポリロタキサン架橋重合体(C)中の架橋点の分散が悪くなる。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子の両末端のブロック基は、環状分子に直鎖状分子が貫通した状態を維持できる基であればよく、特に限定されない。このようなブロック基としては、嵩高い基やイオン性基が挙げられ、例えば、ジニトロベンゼン類(ジニトロフェニル基)、シクロデキストリン類、アダマンタン類、トリアリールメチル類(トリチル基)、フルオレセイン類、ピレン類、アントラセン類等の環状化合物由来の基、あるいは、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸エステル等の高分子が主鎖または側鎖で結合した基等が挙げられる。
直鎖状分子の両末端のブロック基は、互いに同一であってもよく、異なるものであってもよい。
環状分子の開口部に貫通している直鎖状分子に対する環状分子の数は、該直鎖状分子に貫通されて直鎖状分子の両末端のブロック基同士の間に存在し得る環状分子の最大限を100%とし、この最大限100%に対する環状分子の割合(以下、この割合を「包接率」と称す場合がある。)として、0.1〜60%、特に1〜50%、とりわけ5〜40%であることが好ましい。
環状分子の包接率が上記の範囲内であれば、環状分子が直鎖状分子上を移動し易く、かつ環状分子を有することによる機能性も有効に発揮される。なお、直鎖状分子に貫通されて、直鎖状分子上に存在し得る環状分子の最大限は、直鎖状分子の長さと環状分子の厚さとにより決定され、例えば、直鎖状分子がポリエチレングリコールであり、環状分子がα−シクロデキストリンである場合のこの最大限量は実験的に求められている(Macromolecules,1993,26,5698参照)。
ポリロタキサン(a)の数平均分子量には特に制限はないが、前述の直鎖状分子の数平均分子量と、上記の環状分子の包接率を満たすポリロタキサン(a)の数平均分子量は通常3,500〜5,000,000、好ましくは15,000〜2,000,000である。
ポリロタキサン(a)としては、例えば、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SH3400P」、「セルム スーパーポリマー SH2400P」等が市販のものとして利用できる。
<官能性単量体(b)>
本発明の変性ポリロタキサン(A)は、上記のようなポリロタキサン(a)の環状分子と官能性単量体(b)が反応した構造を有するものであり、官能性単量体(b)は、炭素−炭素二重結合とポリロタキサン(a)の環状分子に反応可能な反応性官能基とを有する化合物である。好ましくは、ポリロタキサン(a)の環状分子の水酸基に求電子付加反応可能な反応性官能基を有する単量体である。
官能性単量体(b)の反応性官能基としては、前述の反応性官能基Iと同様のものが挙げられ、例えば、イソシアネート基、チオイソシアネート基、オキシラン基、オキセタン基、カルボジイミド基、シラノール基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基、無水ジカルボン酸基等が挙げられる。好ましくはイソシアネート基、エポキシ基、無水ジカルボン酸基(カルボン酸無水物基)であり、特に好ましくはイソシアネート基である。
官能性単量体(b)としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<ポリロタキサン(a)と官能性単量体(b)との反応>
ポリロタキサン(a)に官能性単量体(b)を反応させて変性ポリロタキサン(A)を製造する際の官能性単量体(b)の使用量としては、得られるポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率を後述の好適な範囲である30〜100質量%に調製し易いことから、ポリロタキサン(a)と官能性単量体(b)の合計100質量部に対し、0.1〜99.9質量部、特に1〜50質量部とすることが好ましい。
ポリロタキサン(a)に官能性単量体(b)を反応させて変性ポリロタキサン(A)を製造する方法としては、公知のものが利用でき、溶媒中または後述の単量体(B)中にポリロタキサン(a)を溶解させて、官能性単量体(b)と必要に応じて触媒等を添加して反応させる方法などが挙げられる。これらの中でも、単量体(B)の一部または全部にポリロタキサン(a)を溶解させて、反応性官能基としてイソシアネート基、エポキシ基、又は無水ジカルボン酸基を有する官能性単量体(b)を反応させる方法が、反応性が高く触媒等を使用せず、溶媒も使用せずに反応を行えることからより好ましい。
<変性ポリロタキサン(A)の市販品>
変性ポリロタキサン(A)としては、例えば、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SM3405P」、「セルム スーパーポリマー SA3405P」、「セルム スーパーポリマー SA2405P」等が市販のものとして使用できる。
[ポリロタキサン架橋重合体(C)]
次に、本発明の変性ポリロタキサン(A)とラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)を共重合させて本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)を製造する方法について説明する。
<単量体(B)>
本発明における単量体(B)とはラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を持つ化合物であればよく、特に制限はないが、環状分子の移動に由来する特性が発現し易いことにより、単量体(B)としては多官能化合物ではなく単官能化合物を用いることが好ましい。
単量体(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(B)としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、共役ジエン類、芳香族ビニル類、シアン化ビニル類、N−置換マレイミド類、ジカルボン酸誘導体類、フッ素化ビニル類、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリルアミド類が挙げられる(ここで、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」の一方又は双方を意味する。後述の「(メタ)アクリレート」についても同様である。)。より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−もしくはp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン等の芳香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクロニトリル等のシアン化ビニル類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類;無水マレイン酸等のジカルボン酸誘導体類;テトラフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素化ビニル類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩等の(メタ)アクリル酸類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類などの単官能化合物が挙げられ、これらのうちの1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環状分子の直線状分子上の移動を阻害しにくいことから、重合後のガラス転移温度が室温以下となる組み合わせが好ましく、また、疎水性のものの方が所望の粒子径を持った水分散体を得られやすいことから、特に共役ジエン系類、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。
ただし、単量体(B)としては、環状分子の直鎖状分子上の移動を阻害しない範囲で、必要に応じて多官能化合物を用いてもよい。多官能化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの多官能化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(B)として多官能化合物を用いることにより、化学架橋によるポリロタキサン架橋重合体の強度向上やポリロタキサン架橋重合体をさらにグラフト反応等の変性可能にするという効果が得られるが、その使用量が多過ぎると環状分子の移動に由来する特性が発現しにくくなるため、単量体(B)中の多官能化合物の割合は30質量%以下であることが好ましい。
なお、これらの多官能化合物は、本発明の変性ポリロタキサン(A)と併用しない場合、即ち、変性ポリロタキサン(A)ではなく、ポリロタキサン(a)を用いた場合において、多官能化合物を併用した場合には、単量体(B)がポリロタキサン(a)とではなく多官能化合物とのみ反応することにより、環状分子の直鎖状分子上の移動性は得られなくなり、例えば、塗料に用いたときには、耐傷付き性が劣るものとなる。
<変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の割合>
本発明の変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)とを共重合させて本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)を得る際の変性ポリロタキサン(A)の割合は、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の合計100質量%中0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは5〜20質量%で、単量体(B)の割合は、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは80〜99.0質量%、さらに好ましくは80〜95.0質量%である。変性ポリロタキサン(A)の割合が上記の範囲未満で、単量体(B)の割合が上記の範囲を超えると、得られるポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率が30質量%未満となる傾向にあり、また環状分子の直鎖状分子上の移動の効果が得られにくい。逆に、変性ポリロタキサン(A)の割合が上記範囲を超え、単量体(B)の割合が上記の範囲未満であると、得られるポリロタキサン架橋重合体(C)に単量体(B)の重合体由来の性能が得られにくく、またポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の製造時の安定性が劣るものとなる。
<ポリロタキサン架橋重合体(C)の製造方法>
ポリロタキサン架橋重合体(C)は、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)とをラジカル共重合することにより製造することができ、重合方法としては公知の重合方法、例えば、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を用いることができる。その中でも所望の粒子径のポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体が得られることから、懸濁重合又は乳化重合法が好ましく、特に安定性の面から乳化重合法が好ましい。
ポリロタキサン架橋重合体(C)の乳化重合法による製造方法としては、水系溶媒中、乳化剤の存在下で、ラジカル開始剤と変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)を加えて共重合させる方法が挙げられる。ラジカル開始剤、変性ポリロタキサン(A)及び単量体(B)の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
乳化重合法に用いる乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸塩系(例えば、モノグリセリドリン酸アンモニウム)、脂肪酸塩(例えば、アルケニルコハク酸ジカリウム)、アミノ酸誘導体塩等のアニオン性界面活性剤、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等のノニオン性界面活性剤、アニオン部にカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を有し、カチオン部にアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有する両性界面活性剤が挙げられ、これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化剤の添加量は、通常、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して10質量部以下、例えば0.01〜10質量部が好ましい。
乳化重合法に用いるラジカル開始剤としては公知のものが使用でき、例えば、アゾ重合開始剤、光重合開始剤、無機過酸化物、有機過酸化物、有機過酸化物と遷移金属と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられる。これらのうち、加熱により重合を開始できるアゾ重合開始剤、無機過酸化物、有機過酸化物、レドックス系開始剤が好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾ重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリンー2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えばペルオキシエステル化合物が挙げられ、その具体例としては、α,α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ2−ヘキシルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−ヘキシルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシド)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
レドックス系開始剤としては、有機過酸化物と硫酸第一鉄、キレート剤及び還元剤を組み合わせたものが好ましい。例えば、クメンヒドロペルオキシドと、硫酸第一鉄と、ピロリン酸ナトリウムと、デキストロースとからなるものや、後述の実施例で用いたもの等が挙げられる。
ラジカル開始剤の添加量としては、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して5質量部以下、好ましくは3質量部以下、例えば0.001〜3質量部である。
ポリロタキサン架橋重合体(C)の製造時に、必要に応じて連鎖移動剤を添加しても良い。連鎖移動剤としては、メルカプタン類(オクチルメルカプタン、n−またはt−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−またはt−テトラデシルメルカプタン等)、アリル化合物(アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸、これらのナトリウム塩等)、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、分子量を調製することが容易な点から、メルカプタン類が好ましい。連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
連鎖移動剤の添加量は、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して2.0質量部以下、例えば0.01〜2.0質量部が好ましい。
上記の変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)の共重合は、固形分濃度5〜50質量%程度の水系反応溶媒中で行うことが好ましく、このような反応によれば、ポリロタキサン架橋重合体(C)を5〜49質量%程度含む水分散体を得ることができる。
<ゲル含有率>
ポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率は、通常30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、さらに好ましくは60〜98質量%の範囲で用途に応じて所望のゲル含有率に調製すればよい。ポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率が30質量%未満であると、架橋重合体としての性能が発揮されにくく、環状分子の直鎖状分子上の移動に由来する特性も得られ難いことから好ましくない。
ポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率は、ポリロタキサン(a)に反応させる官能性単量体(b)の量、反応系への変性ポリロタキサン(A)の添加量、単量体(B)由来の重合体の分子量により調製することができ、官能性単量体(b)の量および変性ポリロタキサン(A)の添加量が多いほど、単量体(B)の重合体の分子量が大きいほど、ゲル含有率は高くなる傾向にある。
なお、本発明における、ポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率は、ポリロタキサン架橋重合体(C)の架橋度を示し、具体的には、秤量したポリロタキサン架橋重合体(C)を溶媒に20時間かけて溶解させ、次いで、200メッシュ金網で分取し、金網に残った不溶分を乾燥させたのち秤量し、溶媒に溶解させる前のポリロタキサン架橋重合体(C)に対する乾燥させた不溶分の割合(質量%)で求められる。ポリロタキサン架橋重合体(C)を溶解させる溶媒としては、単量体(B)の重合体が溶解するものであればよく、例えば、単量体(B)の重合体がポリブタジエン、ポリイソプレン等の共役ジエン類およびその共重合体の場合にはトルエンが好ましく、ポリアクリル酸エステル類およびその共重合体の場合にはアセトンが好ましい。
<体積平均粒子径>
ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の体積平均粒子径(ポリロタキサン架橋重合体(C)の分散粒子の体積平均粒子径)は通常5〜3000nm、好ましくは10〜2000nm、より好ましくは10〜1200nm、さらに好ましくは70〜600nm、特に好ましくは100〜200nmである。ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の体積平均粒子径が上記の範囲未満であると、ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の粘度が高くなり製造安定性が悪くなる傾向にあり、ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の体積平均粒子径が上記の範囲を超えると、得られるポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の長期安定性、製造安定性が悪くなる傾向にある。
ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の体積平均粒子径は上記の範囲で、用途に応じて所望する体積平均粒子径に調製すればよい。ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の体積平均粒子径を調製する方法としては、特に限定されないが、乳化重合法で製造時に添加する乳化剤の添加量で調製する方法、乳化重合で製造したポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体に、酸等を添加する方法、縮合酸塩を添加した後酸基含有共重合体の水分散体(酸基含有共重合体ラテックス)を添加する方法、乳化重合で製造したポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体に機械的なせん断を加え物理的に凝集させる方法等が挙げられる。一般的に、乳化剤の添加量が少なくなるほど、また、酸の添加量が多くなるほど、縮合酸塩と酸基含有共重合体の水分散体の添加量が多くなるほど、体積平均粒子径は大きくなる傾向にある。
ポリロタキサン架橋重合体(C)の肥大化に際して、使用する酸としては強酸、弱酸のいずれでもよく、有機酸、無機酸のいずれでもよいが、体積平均粒子径を調整し易いことから、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等の酸性領域で安定な乳化剤を用いた系において、ギ酸や酢酸等の弱酸を用いるのが好ましい。また、反応後には塩基等を加えても良い。
ポリロタキサン架橋重合体(C)の肥大化に際して、縮合酸塩を添加した後酸基含有共重合体ラテックスを添加する場合、酸基含有共重合体ラテックスの混合前に添加する縮合酸塩としては、縮合酸とアルカリ金属との塩が好ましい。縮合酸は、オキソ酸が縮合した多核構造の酸である。縮合酸としては、ポリリン酸(ピロリン酸等)等が挙げられる。縮合酸塩としては、リン酸、ケイ酸等の縮合酸と、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属との塩が用いられるが、リン酸の縮合酸であるピロリン酸とアルカリ金属の塩が好ましく、ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸カリウムが特に好ましい。
縮合酸塩の添加量は、酸基含有共重合体ラテックス100質量部(固形分として)に対し、縮合酸塩0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜7質量部がより好ましい。縮合酸塩の添加量が上記下限未満では、肥大化が十分進行しない。また、上記上限を超えると肥大化が十分進行しなくなったり、あるいはゴムラテックスが不安定になり多量の凝塊物が発生する場合がある。
酸基含有共重合体ラテックスは、水中にて、酸基含有単量体5〜30質量%、(メタ)アクリル酸エステル類95〜70質量%、および必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体0〜25質量%を含む単量体混合物を重合して得られた酸基含有共重合体の水分散体である。
酸基含有単量体としては、カルボキシ基を有する不飽和化合物が好ましく、該化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。酸基含有単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル類としては単量体(B)に示した(メタ)アクリル酸エステル類と同様のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル類は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体は、酸基含有単量体および(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能な単量体であり、かつ酸基含有単量体および(メタ)アクリル酸エステル類を除く単量体である。他の単量体としては、単量体(B)に示した共役ジエン類、芳香族ビニル類、シアン化ビニル類、N−置換マレイミド類、無水マレイン酸、フッ素化ビニル類などが挙げられる。他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸基含有共重合体ラテックスを製造する際の酸基含有単量体の使用割合は、単量体混合物(100質量%)中、5〜30質量%が好ましい。酸基含有単量体の割合が5質量%以上であれば、ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体を十分に肥大化できる。酸基含有単量体の割合が30質量%以下であれば、酸基含有共重合体の水分散体を製造する際、凝塊物の発生が抑えられる。
<ポリロタキサン架橋重合体(C)の回収>
ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体は、そのまま用いても良いし、ポリロタキサン架橋重合体(C)を回収して使用しても良い。ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体から、ポリロタキサン架橋重合体(C)を回収する方法としては、凝固剤を溶解させた熱水中に水分散体を投入して、スラリー状態に凝析することによって回収する方法、加熱雰囲気中にポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体を噴霧することにより、半直接的にポリロタキサン架橋重合体(C)を回収する方法、加熱雰囲気中でポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体等の水分を蒸発乾燥する方法等が挙げられる。
凝固剤としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸;塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩等が挙げられる。凝固剤は、重合で用いた乳化剤に対応させて選定される。すなわち、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみを用いた場合、どのような凝固剤を用いてもよいが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤が含まれている場合、金属塩を用いる必要がある。
<用途>
本発明により、ポリロタキサン架橋由来の機能を持つ種々のポリマーの架橋重合体が得ることが可能となり、また得られるポリロタキサン架橋重合体(C)は、所望のゲル含有率と粒子径を持った水分散体として得ることも可能であることから、本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)およびその水分散体は塗料、粘着剤、シート、フィルム、電気電子材料、樹脂改質剤、それらの原料および改質剤として有効利用することができる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔物性・特性の評価〕
以下の実施例及び比較例における物性及び特性の評価方法は、以下の通りである。
[ゲル含有率]
秤量したポリロタキサン架橋重合体(C)を溶媒に20時間かけて溶解させ、次いで、200メッシュ金網で分取し、金網に残った不溶分を乾燥させたのち秤量し、溶媒に溶解させる前のポリロタキサン架橋重合体(C)に対する乾燥させた不溶分の割合(質量%)で求めた。なお、溶媒としては、単量体(B)としてアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルを用いた場合はアセトンを、1,3−ブタジエンを用いた場合はトルエンを用いた。
[環状分子の移動性]
環状分子が直鎖状分子上を移動するポリロタキサンでは、粘弾性の測定チャートにおいて、ガラス転移点とゴム状平坦領域の間に、環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移が見られることが報告されている(社団法人高分子学会、11−6ポリマーフロンティア21「ネットワークポリマー」要旨集)ので、ポリロタキサン架橋重合体(C)を150℃でプレス成形し、Anton Paar社製粘弾性測定装置「PhysiceMCR301」を用いて、1Hz、−105℃〜80℃で貯蔵弾性率E’の測定を行い、測定チャートにおいて、ガラス転移点とゴム状平坦領域の間に、環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移が見られるか否かを観測し、以下のとおりに評価し、「△」と「○」を環状分子が直鎖状分子上を移動する特性を有するとした。
○:環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移がはっきり見られる。
△:環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移がわずかに見られる。
×:環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移が見られない。
[体積平均粒子径]
マイクロトラック(日機装社製、「ナノトラック150」)を用い、測定溶媒として純水を用いて、ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体における体積平均粒子径(MV)を測定した。
[水分散体の安定性]
ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体を100メッシュの金網で濾過し、25℃で10日間および60日間放置したのち、水分散体内に沈殿物が見られるか否かを観測して、以下の通り評価し、「△」、「○」又は「◎」をポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体は安定であるとした。
◎:60日間放置しても沈殿物が見られない。
○:10日間放置しても沈殿物が見られない。
△:わずかに沈殿物が見られる。
×:沈殿物が多く見られる。
[製造安定性]
ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体を100メッシュの金網で濾過し、100メッシュの金網に残った凝固物を乾燥させて秤量し、ポリロタキサン架橋重合体(C)に対する割合(質量%)を求めた。凝固物量が少ないほど、ポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体の製造安定性が良好である。
[ポリロタキサン架橋重合体(C)または重合体(C’)]の調製
[実施例1:ポリロタキサン架橋重合体(C−1)]
アクリル酸ブチル94.8質量部に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部、ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SH3400P」)5質量部を溶解させ、60℃で8時間反応させて変性ポリロタキサンが溶解したアクリル酸ブチル溶液を得た。
ここで用いた「セルム スーパーポリマー SH3400P」の詳細は、以下の通りである。
直鎖状分子:ブロック基として両端にアダマンタン基を有する数平均分子量35,000のポリエチレングリコール
環状分子:α−シクロデキストリン
環状分子の重合体部:ポリカプロラクトン
ポリロタキサンの水酸基価:72mg−KOH/g
ポリロタキサンの数平均分子量:700,000
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水310質量部、アルケニルコハク酸ジカリウム1質量部、及びt−ブチルヒドロペルオキシド0.2質量部と、上記で得られた変性ポリロタキサンのアクリル酸ブチル溶液を仕込み、反応容器を窒素置換したのち、55℃に昇温した。次いで、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシレート0.3質量部、硫酸第一鉄七水塩0.0001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003質量部、脱イオン水10質量部を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認されたのち、ジャケット温度を75℃にし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持することで、ポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体を得た。
得られたポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体の体積平均粒子径は130nmであった。
次いで、ポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体を5質量%の硫酸水溶液を用いて凝固、水洗、乾燥し、ポリロタキサン架橋重合体(C−1)を得た。
[実施例2:ポリロタキサン架橋重合体(C−2)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を81.8質量部、ポリロタキサンの使用量を18質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−2)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−2)の水分散体の体積平均粒子径は142nmであった。
[実施例3:ポリロタキサン架橋重合体(C−3)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を74.8質量部、ポリロタキサンの使用量を25質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−3)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−3)の水分散体の体積平均粒子径は144nmであった。
[実施例4:ポリロタキサン架橋重合体(C−4)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を67.8質量部、ポリロタキサンの使用量を32質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−4)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−4)の水分散体の体積平均粒子径は152nmであった。
[実施例5:ポリロタキサン架橋重合体(C−5)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を47.8質量部、ポリロタキサンの使用量を52質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−5)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−5)の水分散体の体積平均粒子径は170nmであった。
[実施例6:ポリロタキサン架橋重合体(C−6)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を98.8質量部、ポリロタキサンの使用量を1質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−6)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−6)の水分散体の体積平均粒子径は139nmであった。
[実施例7:ポリロタキサン架橋重合体(C−7)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を99.8質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を0.1質量部、ポリロタキサンの使用量を0.1質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−7)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−7)の水分散体の体積平均粒子径は128nmであった。
[実施例8:ポリロタキサン架橋重合体(C−8)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を99.9質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を0.05質量部、ポリロタキサンの使用量を0.05質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−8)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−8)の水分散体の体積平均粒子径は128nmであった。
[実施例9:ポリロタキサン架橋重合体(C−9)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を94.4質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を0.6質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−9)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−9)の水分散体の体積平均粒子径は130nmであった。
[実施例10:ポリロタキサン架橋重合体(C−10)]
変性ポリロタキサン製造時のアクリル酸ブチルの使用量を93.5質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を1.5質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−10)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−10)の水分散体の体積平均粒子径は131nmであった。
[実施例11:ポリロタキサン架橋重合体(C−11)]
変性ポリロタキサンの製造に際して、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの代わりに、グリシジルメタクリレート0.2質量部を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−11)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−11)の水分散体の体積平均粒子径は133nmであった。
[実施例12:ポリロタキサン架橋重合体(C−12)]
変性ポリロタキサンの製造に際して、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの代わりに、無水マレイン酸0.2質量部を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−12)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−12)の水分散体の体積平均粒子径は145nmであった。
[実施例13:ポリロタキサン架橋重合体(C−13)]
アクリル酸2−エチルヘキシル72.55質量部、アクリロニトリル20.05質量部、メタクリル酸アリル0.2質量部に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部、ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SH3400P」)5質量部を溶解させ、60℃で8時間反応させたのち、アクリル酸2質量部を加え、変性ポリロタキサンが溶解した単量体混合物を得た。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、得られた単量体混合物のうち15質量部と脱イオン水79質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部、過硫酸アンモニウム0.2質量部を加え、60℃で90分間反応したのち、単量体混合物85質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7質量部、イオン交換水46質量部を3時間かけて遂次添加し、その後さらに2時間保持することで、ポリロタキサン架橋重合体(C−13)の水分散体を得た。得られたポリロタキサン架橋重合体(C−13)の水分散体の体積平均粒子径は152nmであった。
次いで、ポリロタキサン架橋重合体(C−13)の水分散体を32質量%の塩化カルシウム水溶液を用いて凝固、水洗、乾燥し、ポリロタキサン架橋重合体(C−13)を得た。
[実施例14:ポリロタキサン架橋重合体(C−14)]
キシレン5質量部に、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部、ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SH3400P」)1質量部を溶解させ、60℃で8時間反応させたのち、得られた溶液と1,3−ブタジエン98.8質量部、t−ドデシルメルカプタン0.3質量部、過硫酸カリウム0.15質量部、ロジン酸ナトリウム1.5質量部、水酸化ナトリウム0.02質量部、及び脱イオン水200質量部を、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた耐圧反応容器に加え、60℃で15時間反応させることで、ポリロタキサン架橋重合体(C−14)の水分散体を得た。得られたポリロタキサン架橋重合体(C−14)の水分散体の体積平均粒子径は75nmであった。
次いで、ポリロタキサン架橋重合体(C−14)の水分散体を5質量%の硫酸水溶液を用いて凝固、水洗、乾燥し、ポリロタキサン架橋重合体(C−14)を得た。
[実施例15:ポリロタキサン架橋重合体(C−15)]
1,3−ブタジエン98.8質量部を、1,3−ブタジエン78.8質量部、スチレン20質量部とした以外は実施例14と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−15)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−15)の水分散体の体積平均粒子径は78nmであった。
[実施例16:ポリロタキサン架橋重合体(C−16)]
アルケニルコハク酸ジカリウムの使用量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−16)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−16)の水分散体の体積平均粒子径は320nmであった。
[実施例17:ポリロタキサン架橋重合体(C−17)]
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水200質量部、オレイン酸カリウム2.1質量部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4.2質量部、硫酸第一鉄七水塩0.003質量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.009質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3質量部を仕込み、反応容器を窒素置換したのち、60℃に昇温した。次いで、アクリル酸ブチル81.4質量部、アクリル酸18.6質量部、クメンヒドロパーオキサイド0.5質量部を2時間かけて滴下したのち、さらに2時間反応させることで酸基含有共重合体の水分散体を得た。
実施例1で得られたポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体100質量部(固形分換算)にピロリン酸ナトリウム2.4質量部を5質量%水溶液として反応器内に添加し、十分撹拌した後、上記で得られた酸基含有共重合体の水分散体1.8質量部(固形分換算)を添加した。内温30℃を保持したまま30分撹拌することで、ポリロタキサン架橋重合体(C−17)の水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−17)の水分散体の体積平均粒子径は552nmであった。
次いで、ポリロタキサン架橋重合体(C−17)の水分散体から実施例1と同様に凝固、水洗、乾燥を行ってポリロタキサン架橋重合体(C−17)を得た。
[実施例18:ポリロタキサン架橋重合体(C−18)]
ピロリン酸ナトリウムの使用量を3.1質量部とした以外、実施例17と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−18)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−18)の水分散体の体積平均粒子径は654nmであった。
[実施例19:ポリロタキサン架橋重合体(C−19)]
実施例1で得られたポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体100質量部(固形分換算)に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15質量部を添加したのち、5質量%酢酸水溶液50質量部を30分間かけて滴下した。滴下終了後10質量%水酸化ナトリウム水溶液を10分間かけて滴下し、ポリロタキサン架橋重合体(C−19)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−19)の水分散体の体積平均粒子径は1181nmであった。
[実施例20:ポリロタキサン架橋重合体(C−20)]
5%酢酸水溶液の使用量を60質量部とした以外は実施例19と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−20)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−20)の水分散体の体積平均粒子径は1255nmであった。
[実施例21:ポリロタキサン架橋重合体(C−21)]
実施例1で得られたポリロタキサン架橋重合体(C−1)の水分散体100質量部(固形分換算)に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15質量部を添加したのち、20質量%酢酸水溶液20質量部を40分間かけて滴下した。滴下終了後10質量%水酸化ナトリウム水溶液を10分間かけて滴下し、ポリロタキサン架橋重合体(C−21)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−21)の水分散体の体積平均粒子径は1823nmであった。
[実施例22:ポリロタキサン架橋重合体(C−22)]
ポリロタキサン「セルム スーパーポリマー SH3400P」の代わりに、ポリロタキサン「セルム スーパーポリマー SH2400P」5質量部を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−22)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−22)の水分散体の体積平均粒子径は122nmであった。
ここで用いた「セルム スーパーポリマー SH2400P」の詳細は、以下の通りである。
直鎖状分子:ブロック基として両端にアダマンタン基を有する数平均分子量20,000のポリエチレングリコール
環状分子:α−シクロデキストリン
環状分子の重合体部:ポリカプロラクトン
ポリロタキサンの水酸基価:76mg−KOH/g
ポリロタキサンの数平均分子量:400,000
[実施例23:ポリロタキサン架橋重合体(C−23)]
アクリル酸ブチル94.8質量部に変性ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SM3405P」)5.2質量部(固形分換算)を溶解させた。
ここで用いた「セルム スーパーポリマー SM3405P」の詳細は、以下の通りである。
直鎖状分子:ブロック基として両端にアダマンタン基を有する数平均分子量35,000のポリエチレングリコール
環状分子:メタクリル変性α−シクロデキストリン
環状分子の重合体部:ポリカプロラクトン
メタクリル基量:0.48m mol/g
ポリロタキサンの数平均分子量:1,000,000
このものは、ポリロタキサンに、官能性単量体(b)として2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させたものに該当する。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水310質量部とアルケニルコハク酸ジカリウム1質量部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2質量部、上記の変性ポリロタキサンとアクリル酸ブチルの溶液を仕込み、反応容器を窒素置換したのち、55℃に昇温した。次いで、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシレート0.3質量部、硫酸第一鉄七水塩0.0001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003質量部、脱イオン水10質量部を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認されたのち、ジャケット温度を75℃にし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持することで、ポリロタキサン架橋重合体(C−23)の水分散体を得た。得られたポリロタキサン架橋重合体(C−23)の水分散体の体積平均粒子径は144nmであった。
次いで、ポリロタキサン架橋重合体(C−23)の水分散体を5質量%の硫酸水溶液を用いて凝固、水洗、乾燥し、ポリロタキサン架橋重合体(C−23)を得た。
[実施例24:ポリロタキサン架橋重合体(C−24)]
20質量%酢酸水溶液の使用量を30質量部とした以外は実施例21と同様の条件で反応を行うことで、ポリロタキサン架橋重合体(C−24)およびその水分散体を得た。ポリロタキサン架橋重合体(C−24)の水分散体の体積平均粒子径は2015nmであった。
[比較例1:重合体(C’−1)]
2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いず、アクリル酸ブチル95質量部、ポリロタキサン5質量部とした以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、重合体(C’−1)およびその水分散体を得た。重合体(C’−1)の水分散体の体積平均粒子径は122nmであった。
[比較例2:重合体(C’−2)]
アクリル酸ブチル94.8質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部の代わりに、アクリル酸ブチル94.5質量部、トリアリルイソシアヌレート0.5質量部を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、重合体(C’−2)およびその水分散体を得た。重合体(C’−2)の水分散体の体積平均粒子径は128nmであった。
[比較例3:重合体(C’−3)]
アクリル酸ブチル94.8質量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部、ポリロタキサン5質量部の代わりに、アクリル酸ブチル99.5質量部、トリアリルイソシアヌレート0.5質量部を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行うことで、重合体(C’−3)およびその水分散体を得た。重合体(C’−3)の水分散体の体積平均粒子径は119nmであった。
[比較例4:重合体(C’−4)]
アクリル酸ブチル90.5質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.5質量部にポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SH3400P」)5質量部を溶解させ、60℃で8時間反応させてポリロタキサンが溶解したアクリル酸ブチル溶液を得た。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水310質量部、アルケニルコハク酸ジカリウム1質量部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2質量部、上記で得られたポリロタキサンのアクリル酸ブチル溶液を仕込み、反応容器を窒素置換したのち、55℃に昇温した。次いで、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシレート0.3質量部、硫酸第一鉄七水塩0.0001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003質量部、脱イオン水10質量部を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認されたのち、ジャケット温度を75℃にし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持した。次いで、イソホロンジイソシアネート3質量部を添加し8時間反応させることで、重合体(C’−4)の水分散体が得られた。得られた重合体(C’−4)の水分散体の体積平均粒子径は148nmであった。
次いで、重合体(C’−4)の水分散体を5質量%の硫酸を用いて凝固、水洗、乾燥し、重合体(C’−4)を得た。
[比較例5:重合体(C’−5)]
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、変性ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、「セルム スーパーポリマー SM3405P」)100質量部(固形分換算)、脱イオン水310質量部、アルケニルコハク酸ジカリウム1質量部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2質量部を仕込み、反応容器を窒素置換したのち、55℃に昇温した。次いで、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシレート0.3質量部、硫酸第一鉄七水塩0.0001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003質量部、脱イオン水10質量部を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認されたのち、ジャケット温度を75℃にし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持することで、重合体(C’−5)の水分散体を得た。得られた重合体(C’−5)の水分散体の体積平均粒子径は1302nmであった。
次いで、重合体(C’−5)の水分散体を5質量%の硫酸水溶液を用いて凝固、水洗、乾燥し、重合体(C’−5)を得た。
ポリロタキサン架橋重合体(C−1)〜(C−24)重合体(C’−1)〜(C’−5)について、前述の評価方法に従って、ゲル含有率、環状分子の移動性、体積平均粒子径、水分散体の安定性、製造安定性(凝固物量)を測定、評価した結果を表1に示す。
また、ポリロタキサン架橋重合体(C−1)と重合体(C’−3)の貯蔵弾性率E’の測定チャートを図1、図2にそれぞれ示す。
図1に示すように、ポリロタキサン架橋重合体(C−1)の貯蔵弾性率E’の測定チャートには、環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移が見られるのに対し、図2の変性ポリロタキサンを架橋に用いていない重合体(C’−3)の貯蔵弾性率E’の測定チャートには、環状分子が直鎖状分子上を移動することに伴う転移が見られず、粘弾性測定結果から環状分子の移動性が評価できることが分かる。
Figure 0006722976
実施例1〜24に示すように、本発明によれば、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)を共重合させることで、ポリロタキサン架橋すなわち環状分子の移動性に由来する機能を維持した上で種々の架橋重合体および安定性の高いその水分散体を得ることができる。
一方、比較例1,2,3では、変性ポリロタキサン(A)を用いていないことから環状分子の移動性に由来する機能が得られない。
比較例4に示すように、ポリロタキサンと水酸基等を持つ単量体のポリマーとをジイソシアネート等の架橋剤で架橋しても、環状分子の移動性に由来する機能を持つポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体は得られない。
また、比較例5では単量体(B)を用いていないことから、安定なポリロタキサン架橋重合体(C)の水分散体は得られない。
〔ポリロタキサン架橋重合体(C)を用いた塗膜の評価〕
[塗料の調製]
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたそれぞれのポリロタキサン架橋重合体(C−1)〜(C−12)と重合体(C’−1)〜(C’−3)の水分散体3重量部(固形分換算)と、市販の水系樹脂バインダー液(固形分30%、ALBERDINGK社製、商品名「U3300」)20重量部(固形分換算)とを攪拌脱泡装置を用いて10分間混合、1分間脱泡することによって塗料を得た。
[塗膜の形成]
得られた塗料をクリアランス100μmのブレードをセットした塗工装置を用いてポリエステルフィルム上に塗布後乾燥することによって塗膜を得た。得られた塗膜を以下の方法により評価した。
[耐傷付き性評価]
上記のようにして形成した塗膜の成膜1週間後に、膜を爪で引っかき、スジが全く残らないものを「◎」、スジがほとんど残らないものを「○」、白くスジが残るものを「×」とした。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006722976
上記の結果から明らかなように、本発明のポリロタキサン架橋重合体(C)を用いた塗料により作製された塗膜は、耐傷付き性においていずれも良好な結果が得られた。
一方、変性ポリロタキサンで架橋されていないものや多官能化合物のみにより架橋された架橋重合体を用いた場合は、十分な耐傷付き性が得られなかった。

Claims (4)

  1. 変性ポリロタキサン(A)0.2〜50質量%と、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)50〜99.8質量%とを共重合させてなるポリロタキサン架橋重合体(C)であって(ただし、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)との合計で100質量%)、
    該変性ポリロタキサン(A)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサン(a)99.9〜0.1質量部の該環状分子に、官能性単量体(b)0.1〜99.9質量部が反応した構造を有するものであり(ただし、ポリロタキサン(a)と官能性単量体(b)との合計で100質量部)、
    該単量体(B)が、共役ジエン類及び(メタ)アクリル酸エステル類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、
    該ポリロタキサン架橋重合体(C)を水分散体としたときの体積平均粒子径が751181nmであり、
    該ポリロタキサン架橋重合体(C)のゲル含有率が42〜98質量%であるポリロタキサン架橋重合体(C)。
  2. 請求項1において、前記官能性単量体(b)は、炭素−炭素二重結合と、イソシアネート基、エポキシ基及び無水ジカルボン酸基から選ばれる反応性官能基とを有する化合物であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
  3. 請求項2において、前記官能性単量体(b)は、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及び無水マレイン酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするポリロタキサン架橋重合体(C)。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のポリロタキサン架橋重合体(C)が水に分散してなる水分散体。
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