JP6719931B2 - コンロ - Google Patents

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Description

本発明は、コンロに関する。
従来、筐体内部にグリル庫を設けたテーブルコンロが提供されている(例えば、特許文献1参照)。グリル庫は、被調理物を収納するユニット本体部と、該ユニット本体部の上部に取り付けられるグリルフードを備える。グリルフードには、グリルバーナが設けられ、グリル内に収納された魚等の被調理物を少なくとも上側から加熱して調理する。グリル庫の後部には、上側に延びる排気筒が設けられ、天板に設けられた排気口部を通じて、調理により生じた燃焼ガスを筐体外部に排出する。なお、燃焼ガスとは、ガス(燃料)を燃焼させて発生した高温ガスを意味する。
グリルバーナは、略スロート状のスロート部と、該スロート部の下流側に設けられる平面状の燃焼部を備える。スロート部の上流側の端部は、ガス配管の下流側の端部に設けられたガスが噴出されるノズルと対向する。スロート部は、ノズルから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体内の空気を管内で混合し、燃焼部に供給する。燃焼部には、複数の炎孔が形成されると共に、点火スパークを発生させるイグナイタ等が付設されている。それ故、スロート部から供給されたガスは、グリル庫内で燃焼する。
ところで、一般的なテーブルコンロの筐体内には、グリル庫の左右夫々に、バーナ取付台が設けられ、これらバーナ取付台には、コンロバーナが固定されている。コンロバーナのスロート部は前方向に延び、その前端部は、筐体内の前部に設けられたガス量調節装置が備えるノズルに近接する。それ故、多くのテーブルコンロにおいては、テーブル取付台やコンロバーナ等との干渉を避けるため、グリルバーナのスロート部に関しては、燃焼部の後部位置において、左右方向に向けて設けるという設計上の制約が課せられることが多かった。
特開2014−54466号公報
上記構成のテーブルコンロでは、必然的に排気筒の上端部に設けられた開口部と、グリルのスロート部の入口部分とが近接する。それ故、開口部から排出された燃焼ガスの一部が、筐体内部に侵入し、さらにグリルバーナのスロート部に侵入することによって、コンロ内を還流してしまうことから、グリルバーナの燃焼効率が低下する可能性があった。また、テーブルコンロは、美観上の観点から出来るだけ筐体に空気の流通孔を設けないように設計されているので、燃焼に伴う筐体内の空気のグリルバーナへの吸い込みにより筐体内部は負圧になり易い。それ故、上記構成のテーブルコンロでは、燃焼ガスの還流を生じ易いという問題点もあった。
本発明の目的は、燃焼ガスの還流を防止できるコンロを提供することである。
請求項1に係る発明のコンロは、筐体と、前記筐体内に設置されるグリル庫と、前記筐体の上部に取り付けられる天板とを備え、前記グリル庫は、ガスと空気を取り入れて混合する為のスロート部と、当該スロート部から供給された混合ガスを炎孔より噴出して前記グリル庫内で燃焼させる燃焼部とを備えたグリルバーナと、前記グリル庫後部に下側から上側に向けて筒状に設けられ、前記グリル庫内の燃焼により生じる燃焼ガスを排出する排気筒とを備え、前記天板の後部には、前記排気筒の開口する上端部の上側に近接する位置に設けられ、前記排気筒から排出させる前記燃焼ガスを前記筐体の外部に排出する為の孔部が形成されたコンロにおいて、前記排気筒の前記上端部には、前記天板と前記上端部との間に生じる隙間において、上方に突出する突出部を配置して備える固定部材が固定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明のコンロは、請求項1に記載の構成に加え、前記固定部材は、少なくとも前記スロート部と前記上端部との間の位置で、前記天板に対して固定具で固定されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明のコンロは、請求項2に記載の構成に加え、前記突出部は、前記固定部材の前側に壁状に設けられ、前記突出部の上端部には、前側に延び、且つ前記排気筒の前記上端部よりも高い位置に配置された高段部が設けられ、前記高段部が前記天板に対して前記固定具で固定されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明のコンロは、請求項1から3の何れかに記載の構成に加え、前記固定部材における横方向の第一側部及び第二側部のうち、少なくとも前記スロート部側に位置する前記第一側部には、上下方向に立つ補助壁部が設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明のコンロは、請求項4に記載の構成に加え、前記補助壁部は、前記第一側部のうち前記スロート部側の端部寄りに設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明のコンロは、請求項4又は5に記載の構成に加え、前記第二側部と前記天板との間には、前記天板の前記孔部と前記筐体の内部空間を連通させる通気部が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明のコンロでは、グリル庫内の燃焼によりスロート部付近が負圧になったとしても、突出部が障壁となるので、排気筒から排出された燃焼ガスが前方向に流動して筐体内に入り込むのを防止できる。
請求項2に係る発明のコンロでは、請求項1に記載の効果に加え、スロート部と排気筒の間の位置において、固定部材と天板とが固定具で固定されることにより、スロート部と排気筒の間の隙間を確実に閉塞できる。
請求項3に係る発明のコンロでは、請求項2に記載の効果に加え、排気筒から排出された燃焼ガスは、高段部と排気筒の上端部との間の突出部によって筐体内に侵入できないようになっている。高段部は、固定部材の前側に設けられているので、比較的広い領域において、筐体内への燃焼ガスの侵入を防止できる。
請求項4に係る発明のコンロでは、請求項1から3の何れかに記載の効果に加え、補助壁部により、排気筒から横方向に流動した燃焼ガスが筐体内に引き込まれてスロート部付近に侵入するのを防止できる。
請求項5に係る発明のコンロでは、請求項4に記載の効果に加え、第一側部のうちスロート部側の端部とは反対の端部側には、天板の孔部と筐体の内部空間を連通させる隙間が形成されているので、グリル庫内の燃焼によりスロート部付近が負圧になったとしても、筐体内外の気圧差を解消できる。
請求項6に係る発明のコンロでは、請求項4又は5に記載の効果に加え、第二側部には、天板の孔部と筐体の内部空間を連通させる通気部が設けられているので、グリル庫内の燃焼によりスロート部付近が負圧になったとしても、筐体内外の気圧差を速やかに解消できる。
コンロ1の斜視図である。 図1に示すI−I線矢視方向断面図である。 天板を省略したコンロ1の斜視図である。 天板を省略したコンロ1の右斜め後方から見た斜視図である。 排気筒80の上端部に対して、フレームトラップ17と還流防止部材90が上方から取り付けられる状態を示す斜視図である。 還流防止部材90の右斜め後方から見た斜視図である。 還流防止部材90の右斜め前方から見た斜視図である。 還流防止部材90の左側面図である。 還流防止部材90の右側面図である。 図4に示すW2領域内の部分拡大図である。 図2に示すW1領域内の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に記載されている装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図3を参照して、コンロ1の外観構造を説明する。図1に示すように、コンロ1は、グリル付きテーブルコンロである。コンロ1は、筐体2と天板3を備える。筐体2は、上部が開口する略直方体状に形成されている。天板3は、平面視略矩形状に形成され、筐体2の開口する上部にネジ(図示略)で固定されている。天板3の種類は限定しないが、例えばホーロー素材等を採用できる。天板3の右側には右コンロバーナ5、左側には左コンロバーナ6が設けられている。天板3の左右方向の中央部の後端側には、排気口部9が設けられている。排気口部9は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。排気口部9は、筐体2内に設置されたグリル庫500(図2参照)内の燃焼によって生じた燃焼ガスを外部に排出する。排気口部9には、複数のスリット191を備える安全カバー190が上側から装着されている。
図3に示すように、筐体2は、筐体2は、筐体本体部20、前板部24の二つの板金部材を互いに組み付け、ネジ(図示略)で固定することによって構成されている。筐体本体部20は、前側が開口する平面視略U字形状に形成されている。筐体本体部20は、右側板部21、左側板部22、後板部23を備える。後板部23は、右側板部21及び左側板部22の夫々の後端部同士を繋いでいる。そのような筐体本体部20の開口する前側に、正面視略矩形状の前板部24がネジ(図示略)で組み付けられている。
前板部24の左右方向の中央部には、グリル用の開口部(図示略)が設けられている。開口部の内側には、グリル庫500の前側に設けられたグリル開口501(図2参照)が配置されている。開口部には、グリル扉10が前後方向に移動可能に設けられている。ユーザがグリル扉10を手前側に引き出すと、グリル扉10の背面下部に連結した受皿4(図2参照)及び焼き網(図示略)を、グリル庫500内から同時に取り出すことができる。
前板部24の前面において、グリル扉10の右側には、ツマミ11,12が設けられている。グリル扉10の左側には、ツマミ13が設けられている。ツマミ11〜13は押し回し式である。ツマミ11は、右コンロバーナ5を点火する場合に、正面視反時計回りに約90°押し回しされる。点火後は、時計回りに回動させることによって、火力が大火力から小火力に調節される。ツマミ11を点火前の位置に戻すと、右コンロバーナ5が消火される。なお、ツマミ12と13の操作方法は、ツマミ11と同じである。ツマミ12は、グリル庫500内に設置されるグリルバーナ65(図2参照)を点火する場合に押し回しされる。ツマミ13は、左コンロバーナ6を点火する為に押し回しされる。ツマミ13の左側には、電池ボックス15が設けられている。電池ボックス15は、コンロ1に電源を供給する乾電池(図示略)を格納する。
図2〜図5を参照し、筐体2の内部構造を説明する。図2,図3に示すように、筐体2の内側における左右方向の略中央部には、グリルユニット40が設置されている。グリルユニット40は、グリル庫500、遮熱板70、排気筒80を備える。グリル庫500は、下から順に、ユニット本体部50とグリルフード60を備える。ユニット本体部50は、上面が開口する断面略U字状の箱型に形成され、被調理物を加熱する加熱空間を形成する。グリルフード60は、ユニット本体部50の開口する上部を塞ぐようにネジ(図示略)で固定されている。グリルフード60は、グリルバーナ65を備える。グリルバーナ65は、燃焼部652(図2参照)とスロート部651を備える。
燃焼部652は、グリルフード60の下面に平面状に設けられ、下方に向けて火炎を形成する多数の炎孔を備える。スロート部651は、燃焼部652の後端部から右方向に延びる。スロート部651の右端部には、ガスを流入させる流入口653が設けられている。流入口653は、後述するガス配管28の下流側の端部に設けられたノズル28Aと対向する。ノズル28Aは流入口653に向かってガスを噴出する。スロート部651は、ノズル28Aから噴出されたガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気を管内で混合し、燃焼部652に供給する。図2に示すように、燃焼部652の後方には、イグナイタ68と熱電対67が付設されている。イグナイタ68は、点火スパークを発生させる。それ故、スロート部651から燃焼部652の各炎孔に供給されたガスは、グリル庫500内で燃焼する。熱電対67は、燃焼部652における失火を検出する。
遮熱板70は、グリルフード60の上面を覆うように隙間を空けて支持され、グリルバーナ65から伝わる熱を遮断することによって、天板3の温度が過度に上昇するのを防止する。
排気筒80は、グリルフード60の後部に設けられている。排気筒80は筒状に形成され、下側から上側に向けて設けられている。排気筒80の上端部には、平面視左右方向に長い略矩形状の開口部81(図5参照)が設けられている。開口部81は、天板3の後部に設けられた排気口部9の直下に配置される。グリル庫500内の燃焼により生じた燃焼ガスは、後方に向かって流れ、排気筒80を上方に流れる(図2中二点鎖線の矢印参照)。排気筒80は、燃焼ガスを天板3の排気口部9に導く。
図4,図5に示すように、排気筒80の開口部81の内側には、フレームトラップ17が取付具(図示略)によって取り付けられている。フレームトラップ17は、略直方体の板状に構成された消炎部材であり、例えばステンレス等からなるラス網等の2枚の多孔板の両端を曲げ加工し、それを上下方向に向かい合わせて直方体の筒状に形成したものである。万が一、受皿4に溜まった油や被調理物から火炎が生じたとしても、その火炎は、排気筒80の筒上方上流側に位置する下側の多孔板に接触して冷却される。さらに、各多孔板間には、燃焼ガスや被調理物から生じた炭酸ガスが滞留して酸素濃度が希薄になるため、火炎への酸素供給が滞る。こうした冷却効果及び酸欠効果により、フレームトラップ17が排気筒80内の内側にまで延びる火炎を消炎するので、天板3の排気口部9から火炎が溢れ出すのを防止できる。
さらに、排気筒80の上端部には、略枠状の還流防止部材90が固定されている。還流防止部材90は、開口部81の前側縁部、右側縁部、左側縁部に沿って配置され、開口部81と、グリルバーナ65のスロート部651の流入口655の間において、天板3の下面との間に生じる隙間を閉塞する。還流防止部材90は、排気筒80の開口部81から流れる燃焼ガスが、スロート部651付近に引き込まれて、グリルバーナ65及び排気筒80内を還流するのを防止する。なお、還流防止部材90の構造、取り付け方法、及びその機能については後に詳述する。
図3,図4に示すように、前板部24の背面側において、ツマミ11に対応する位置には、右コンロバーナ5用のガス量調節装置18が設けられている。ガス量調節装置18には、図示しないガス配管からガスが供給される。ガス量調節装置18はガスを噴出するノズル18Aを備える。ノズル18Aは後方に突出し、右コンロバーナ5の後述するスロート部512の流入口513に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置18はツマミ11と接続し、ツマミ11の回動量に応じてノズル18Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ13に対応する位置には、左コンロバーナ6用のガス量調節装置19が設けられている。ガス量調節装置19には、図示しないガス配管からガスが供給される。ガス量調節装置19はガスを噴出するノズル19Aを備える。ノズル19Aは後方に突出し、左コンロバーナ6の後述するスロート部612の流入口613に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置19はツマミ13と接続し、ツマミ13の回動量に応じてノズル19Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ12に対応する位置には、グリルバーナ65用のグリル用ガス量調節装置(図示略)が設けられている。グリル用ガス量調節装置には、図示しないガス配管からガスが供給される。グリル用ガス量調節装置のガス出口には、ガス配管28の上流側端部が接続されている。ガス配管28は後方に延び、後述するバーナ取付台26の下方を潜って上方に折り返し、さらにグリルバーナ65のスロート部651と略同一高さ位置で左方に屈曲して左方に延びている。ガス配管28の下流側端部には、ノズル28Aが設けられている。ノズル28Aは左方に突出し、グリルバーナ65のスロート部651の流入口653に向けてガスを噴出する。グリル用ガス量調節装置はツマミ12と接続し、ツマミ12の回動量に応じてノズル28Aから噴出するガス量を調節する。
図3に示すように、遮熱板70の上面の右端側と、筐体2の右側板部21の上端部との間には、バーナ取付台26が略水平に渡設されている。バーナ取付台26には、右コンロバーナ5が取り付けられている。右コンロバーナ5は、バーナ本体511とスロート部512を備える。バーナ本体511は、円環状のバーナキャップ514が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔を形成する。スロート部512は、バーナ本体511の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部512の前端部には、ガスを流入させる流入口513が設けられている。流入口513は、ガス量調節装置18のノズル18Aに対向して配置されている。スロート部512は、ノズル18Aから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部512内で混合し、バーナ本体511に供給する。
他方、遮熱板70の上面の左端側と、筐体2の左側板部22の上端部との間には、バーナ取付台27が略水平に渡設されている。バーナ取付台27には、左コンロバーナ6が取り付けられている。左コンロバーナ6は、バーナ本体611とスロート部612を備える。バーナ本体611は、円環状のバーナキャップ614が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔を形成する。スロート部612は、バーナ本体611の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部612の前端部には、ガスを流入させる流入口613が設けられる。流入口613は、ガス量調節装置19のノズル19Aに対向して配置されている。スロート部612は、ノズル19Aから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部612内で混合し、バーナ本体611に供給する。
図4,図5を参照し、排気筒80の上端部の構造を説明する。図5に示すように、排気筒80の上端部は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成され、その左右方向の中央部に、上記の開口部81が設けられている。その開口部81の右側縁部には、差込孔82と固定孔85が前後方向に並んで設けられている。差込孔82は後ろ側、固定孔85は前側に配置されている。開口部81の左側縁部にも、差込孔83と固定孔86が前後方向に並んで設けられている。差込孔83は後ろ側、固定孔86は前側に配置される。差込孔82,83は平面視略矩形状に形成されている。差込孔82,83には、還流防止部材90の後述する差込片915,196が上方から差し込まれる。固定孔85,86には、還流防止部材90を排気筒80の上端部に固定する為のネジ31が挿入される。
図6〜図9を参照し、還流防止部材90の構造を具体的に説明する。図6,図7に示すように、還流防止部材90は、例えば一枚の板金部材を屈曲して形成され、固定台部91、立壁部92、高台部93、垂下部94を備える。固定台部91は、板状で且つ平面視後ろ側が開口する略コの字型に形成されている。固定台部91は、右側固定部911、左側固定部912、横方向部913を備える。
右側固定部911は、排気筒80の上端部における開口部81の右側縁部に固定される部位である。右側固定部911は、平面視略矩形板状に形成され、その右後方角部は、平面視略L字状に形成されている。右側固定部911の右端部901の後端側には、下方に突出する差込片915(図6,図9参照)が設けられている。差込片915の近傍には、上下方向に貫通する固定孔917が設けられている。右側固定部911の右端部901のうち立壁部92寄りの部位には、補助壁部98(図6,図9参照)が立設されている。補助壁部98は、右側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。
左側固定部912は、排気筒80の上端部における開口部81の左側縁部に固定される部位である。左側固定部912は、平面視略矩形板状に形成され、その左後方角部も、平面視略L字状に形成されている。左側固定部912の左端部902の後端側には、下方に突出する差込片916(図8参照)が設けられている。差込片916の近傍には、上下方向に貫通する固定孔918が設けられている。横方向部913は、右側固定部911の前端部と、左側固定部912の前端部との間を左右方向に渡して設けられ、平面視左右方向に延びる細長い略帯状に形成されている。
なお、右側固定部911の左端部、左側固定部912の右端部は、開口部81側に配置される部分であり、高温の燃焼ガスに晒される部分である。そこで、例えば、右側固定部911の左端部、左側固定部912の右端部においては、板金を下面に180°折り曲げて剛性を向上させることができる。これにより、還流防止部材90の開口部81側に配置される部分の耐久性を向上できる。
立壁部92は、開口部81から前方に流れようとする燃焼ガスの流れを遮断する部位である。立壁部92は、横方向部913の前端部に沿って立設され、背面視左右方向に延びる細長い略帯状に形成されている。立壁部92の左端部は、補助壁部98の前端部と接続している。立壁部92と固定台部91が接続する稜線の左右両側には、その稜線を跨ぐように側面視略三角形状のリブ97(図6,図8参照)が形成されている。リブ97は、立壁部92と固定台部91の接続部分を補強する。なお、リブ97の形状、個数についてはこれに限定せず、自由に変更可能である。
高台部93は、天板3の下面に当接して固定される部位である。高台部93は、立壁部92の上端部から前方に突出し、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。高台部93は、排気筒80の上端部よりも高い位置に配置されている。高台部93の右側、左側、中央には、上下方向に貫通する固定孔931が夫々設けられている。各固定孔931には、高台部93の上面に対して天板3を固定する為のネジ32(図11参照)が締結される。
垂下部94は、高台部93の前端部から垂下し、正面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。高台部93と垂下部94には、夫々が互いに直交して接続する稜線に沿って、4つの矩形状の貫通孔96が設けられている。
図4〜図11を参照し、還流防止部材90の取り付け方法の一例を説明する。図5に示すように、作業者は、還流防止部材90を固定する前に、フレームトラップ17を排気筒80の開口部81の内側に、取付具(図示略)で固定する。次に、還流防止部材90を固定する。先ず、作業者は、還流防止部材90を、排気筒80の上端部の直上に配置し、固定台部91の内縁部を、開口部81の前側縁部、右側縁部、左側縁部に沿って配置する。このとき、右側固定部911の差込片915を、開口部81の右側の差込孔82に差し込む。左側固定部912の差込片916を、開口部81の左側の差込孔83に差し込む。これにより、右側固定部911は、開口部81の右側縁部に位置決めされ、左側固定部912は、開口部81の左側縁部に位置決めされる。垂下部94の下端部は、遮熱板70の上面に当接される(図3参照)。垂下部94は、還流防止部材90が前方向に倒れるのを防止する。
この状態では、開口部81の右側の固定孔85(図5参照)の直上に、右側固定部911の固定孔917が配置される。作業者は、ネジ31を固定孔917に差し込み、固定孔85に締結する。これにより、右側固定部911が開口部81の右縁部に固定される。他方、開口部81の左側の固定孔86(図5参照)の直上に、左側固定部912の固定孔918が配置される。作業者は、ネジ31を固定孔918に差し込み、固定孔86に締結する。これにより、左側固定部912が開口部81の左縁部に固定される。このようにして、作業者は、還流防止部材90を排気筒80の上端部に容易に固定できる。
次いで、筐体2の上部に、天板3を位置決めして取り付ける(図2参照)。このとき、排気筒80の開口部81の直上に、天板3の排気口部9が配置される。図11に示すように、排気筒80の上端部に固定された還流防止部材90の高台部93の上面に対し、天板3の下面が対向して配置される。天板3には、高台部93に設けられた3つの固定孔931に対応する位置に、上下方向に貫通する3つの天板側固定孔35(図11では一つのみ図示)が夫々設けられている。作業者は、上下方向に位置決めされた各固定孔931と各天板側固定孔35に、上方からネジ32を差し込んで夫々締結する。ネジ32を締結することによって、天板3は高台部93の上面に押し付けられるので、高台部93の上面に対して天板3の下面が密着する。このようにして、コンロ1に対する還流防止部材90の取り付けが完了する。
次に、還流防止部材90による燃焼ガスの還流防止機能を説明する。上記の通り、筐体2の内側におけるグリルユニット40の右側には、バーナ取付台26が設けられ、そのバーナ取付台26には右コンロバーナ5が取り付けられている。さらに、その右コンロバーナ5のスロート部512は前方向に延び、その前端部に設けられた流入口513は、前板部24の背面側に設けられたガス量調節装置18のノズル18Aに近接して配置されている。つまり、グリルユニット40の右側の空間には、バーナ取付台26、右コンロバーナ5(バーナ本体511、スロート部512)、ガス量調節装置18(ノズル18A)等の複数の部材が互いに入り組んで配置されている。このようなことから、グリルバーナ65のスロート部651に関しては、これらバーナ取付台26等の各種部品との干渉を避ける為に、燃焼部652の後方位置において、左右方向に向けて設けられている。そのような位置関係の制約があることから、本構造においては、図3,図10に示すように、排気筒80の開口部81と、グリルバーナ65のスロート部651の流入口653とは、互いに近接した位置に夫々配置されている。
このような構造を備えるコンロ1では、排気筒80の上端部に還流防止部材90が固定されている。図10(天板3は図示略)に示すように、開口部81とスロート部651の流入口653との間には、還流防止部材90の立壁部92が配置されている。これにより、グリル庫500内の燃焼によりスロート部651の流入口653付近が負圧になったとしても、立壁部92が障壁となるので、開口部81から上方に流れた燃焼ガスが前方向に流動(図10中二点鎖線の矢印参照)して筐体2内に入り込むのを効果的に防止できる。
さらに、右側固定部911のスロート部651側に位置する右端部901には、補助壁部98が設けられているので、排気筒80から横方向(本実施形態では右方向、図10中二点鎖線の矢印参照)に流動した燃焼ガスが筐体2内に引き込まれて、スロート部651の流入口653付近に侵入するのを効果的に防止できる。また、補助壁部98の前端部は、立壁部92の左端部と連結しているので、開口部81から右斜め前方に流動((図10中二点鎖線の矢印参照)する燃焼ガスについても、スロート部651の流入口653付近に侵入するのを防止できる。
さらに、補助壁部98は、右端部901のうち、スロート部651側の端部寄りに設けられている。これにより、スロート部651側の端部とは反対の端部側には、天板3の排気口部9と筐体2の内部空間を連通させる隙間905(図10参照)が形成されている。これにより、グリル庫500内の燃焼によりスロート部651付近が負圧になったとしても、隙間905を介して筐体2内に空気が流入できるので、筐体2内外の気圧差を解消できる。
また、図11に示すように、天板3が高台部93の上面に対してネジ32で締結されていることによって、高台部93の上面に対して天板3の下面が密着している。これにより、スロート部651と排気筒80の間において、天板3の下面と排気筒80の上端部との間に生じる隙間を確実に閉塞できる。これにより、開口部81から流れた燃焼ガスが前方向に流動しても、立壁部92が障壁となるので、筐体2内に侵入するのを効果的に防止できる。さらに、高台部93は、還流防止部材90の前側に設けられているので、左右方向に比較的広い領域において、排気筒80の上端部と天板3との間にできる隙間を閉塞できる。これにより、燃焼ガスの筐体2内への燃焼ガスの侵入を効果的に防止できる。
また、還流防止部材90のスロート部651側の右端部901には、補助壁部98が設けられているが、その反対の左端部902には、補助壁部98は設けられていない。これにより、図10に示すように、天板3(図10では図示略)の下面と左端部902の間には、通気部906が形成されている。通気部906は、天板3の排気口部9と筐体2の内部空間を連通させる隙間である。通気部906は、右側固定部911の右端部901に形成された隙間905と同様の機能である。これにより、グリル庫500内の燃焼によりスロート部651付近が負圧になったとしても、通気部906を介して筐体2内に空気が流入できるので、筐体2内外の気圧差を速やかに解消できる。
ところで、単に燃焼排気の還流を防止する目的であれば、例えば、排気筒80の上端部と天板3とを直接ネジで固定する方法も考えられる。しかしながら、そのような構成の場合、天板3の下面と排気筒80の上端部とが接触し、さらに、排気筒80の開口部81の一部を天板3で覆う必要があるので、天板3が排気筒80と燃焼排気によって直接熱せられてしまい、天板3の温度が過度に上昇してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、図11に示すように、天板3と排気筒80の上端部との間に、還流防止部材90を挟む構成としているので、天板3が直接熱せられないようになっている。これにより、天板3の温度が過度に上昇してしまうのを効果的に防止できる。
また、図11に示すように、本実施形態では、排気筒80の開口部81の内側に取り付けられたフレームトラップ17を固定する為に、フレームトラップ17の上面に対して、還流防止部材90の固定台部91の下面を上方から押し当てる構成としている。上記のように、仮に排気筒80の上端部と天板3とを直接ネジで固定する構成とした場合、排気筒80の開口部81の面積よりも、天板3の排気口部9の面積を小さくする必要がある。これでは、排気筒80の開口部81から排出される燃焼排気の排気抵抗が大きくなるので、好ましくない。これに対し、本実施形態は、フレームトラップ17の上面に対して、還流防止部材90を上方から押し当てて固定するので、排気筒80の開口部81の面積よりも、天板3の排気口部9の面積を大きくできる。これにより、燃焼排気の排気抵抗を小さくできるので、燃焼排気をスムーズに排出できる。
以上説明において、天板3の排気口部9が本発明の「孔部」の一例である。還流防止部材90が本発明の「固定部材」の一例である。還流防止部材90の立壁部92が、本発明の「突出部」の一例である。ネジ32が本発明の「固定具」の一例である。還流防止部材90の右端部901が本発明の「第一側部」の一例であり、左端部902が本発明の「第二側部」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は、筐体2を備える。筐体2の内側には、グリル庫500が設置される。グリル庫500は、グリルバーナ65と排気筒80を備える。グリルバーナ65は、スロート部651と燃焼部652を備える。スロート部651は、ガスと空気を取り入れて混合する管である。燃焼部652は、スロート部651から供給された混合ガスを炎孔より噴出してグリル庫500内で燃焼させる。排気筒80は、グリル庫500後部に下側から上側に向けて筒状に設けられている。排気筒80は、グリル庫500内の燃焼により生じる燃焼ガスを排出する。筐体2の上部には、天板3が固定される。天板3の後部には、排気口部9が設けられている。排気口部9は、排気筒80の開口する上端部の上側に近接する位置に配置され、排気筒80の開口部81から排出させる燃焼ガスを筐体2の外部に排出する。そのようなコンロ1において、排気筒80の上端部には、還流防止部材90が二つのネジ31で固定されている。還流防止部材90の立壁部92は、天板3と排気筒80の上端部との間に生じる隙間において立設されている。これにより、グリル庫500内の燃焼によりスロート部651付近が負圧になったとしても、立壁部92が障壁となるので、排気筒80の開口部81から排出された燃焼ガスが前方向に流動して筐体2内に入り込むのを防止できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のコンロ1はグリル付きテーブルコンロであるが、ビルトインタイプのコンロであってもよい。また、コンロ1は、右コンロバーナ5と左コンロバーナ6の2つのコンロバーナを備えるが、コンロバーナの数は2つに限らず、1つでもよく、3つ以上であってもよい。
上記実施形態の排気筒80の開口部81の内側には、消炎部材としてのフレームトラップ17が取り付けられているが、省略してもよい。
上記実施形態の還流防止部材90は、高台部93と垂下部94を備えるが、これらは省略してもよい。また、固定台部91の形状については、排気筒80の開口部81を塞がないようにできれば、上記実施形態の形状には限定されない。また、上記実施形態では、高台部93の上面に対して天板3をネジ32で締結するが、それ以外の部分を天板3にネジで固定するようにしてもよい。高台部93を省略した場合、例えば、立壁部92の上端部に対して天板3の下面が密着するようにネジを締結してもよい。
また、上記実施形態では、還流防止部材90を排気筒80の上端部に対して2本のネジ31で固定しているが、ネジ31の本数は変更可能である。さらに、還流防止部材90は、排気筒80の上端部に対して、ネジ31以外の固定具で固定してもよく、接着剤で固定してもよい。また、還流防止部材90の高台部93の上面に対し、天板3を3本のネジ31で固定しているが、ネジ32の本数も変更可能である。さらに、天板3は、高台部93の上面に対して、ネジ32以外の固定具で固定してもよく、接着剤で固定してもよい。さらに、筐体2の上部に天板3を取り付けたときに、高台部93の上面が天板3の下面と接触してその間に隙間が無ければ、ネジ32で固定しなくてもよい。
また、上記実施形態の還流防止部材90は、右側固定部911の右端部901の立壁部92寄りに補助壁部98を設けているが、右端部901の全部位に補助壁部98を設けてもよい。また、補助壁部98は省略してもよい。また、グリルバーナ65のスロート部651が、還流防止部材90の左端部902側に位置する場合は、補助壁部98を左端部902に設ければよい。
また、上記実施形態の還流防止部材90において、固定孔917,918の数、固定孔931の数、差込片915,916の本数、及び形状等においては、上記実施形態に限らず、自由に変更可能である。
1 コンロ
2 筐体
3 天板
9 排気口部
32 ネジ
65 グリルバーナ
80 排気筒
81 開口部
90 還流防止部材
92 立壁部
93 高台部
98 補助壁部
500 グリル庫
651 スロート部
652 燃焼部
901 右端部
902 左端部
905 隙間
906 通気部

Claims (6)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に設置されるグリル庫と、
    前記筐体の上部に取り付けられる天板と
    を備え、
    前記グリル庫は、ガスと空気を取り入れて混合する為のスロート部と、当該スロート部から供給された混合ガスを炎孔より噴出して前記グリル庫内で燃焼させる燃焼部とを備えたグリルバーナと、
    前記グリル庫後部に下側から上側に向けて筒状に設けられ、前記グリル庫内の燃焼により生じる燃焼ガスを排出する排気筒と
    を備え、
    前記天板の後部には、前記排気筒の開口する上端部の上側に近接する位置に設けられ、前記排気筒から排出させる前記燃焼ガスを前記筐体の外部に排出する為の孔部が形成されたコンロにおいて、
    前記排気筒の前記上端部には、
    前記天板と前記上端部との間に生じる隙間において、上方に突出する突出部を配置して備える固定部材が固定されていること
    を特徴とするコンロ。
  2. 前記固定部材は、少なくとも前記スロート部と前記上端部との間の位置で、前記天板に対して固定具で固定されていること
    を特徴とする請求項1に記載のコンロ。
  3. 前記突出部は、前記固定部材の前側に壁状に設けられ、
    前記突出部の上端部には、前側に延び、且つ前記排気筒の前記上端部よりも高い位置に配置された高段部が設けられ、
    前記高段部が前記天板に対して前記固定具で固定されていること
    を特徴とする請求項2に記載のコンロ。
  4. 前記固定部材における横方向の第一側部及び第二側部のうち、少なくとも前記スロート部側に位置する前記第一側部には、上下方向に立つ補助壁部が設けられていること
    を特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコンロ。
  5. 前記補助壁部は、前記第一側部のうち前記スロート部側の端部寄りに設けられていること
    を特徴とする請求項4に記載のコンロ。
  6. 前記第二側部と前記天板との間には、前記天板の前記孔部と前記筐体の内部空間を連通させる通気部が設けられていること
    を特徴とする請求項4又は5に記載のコンロ。
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