以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に記載されている装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図3を参照して、コンロ1の外観構造を説明する。図1,図2に示すように、コンロ1は、グリル付きテーブルコンロである。コンロ1は、筐体2と天板3を備える。筐体2は、上部が開口する略直方体状に形成されている。天板3は、平面視略矩形状に形成され、筐体2の開口する上部にネジ(図示略)で固定されている。天板3の種類は限定しないが、例えばホーロー素材等を採用できる。天板3の右側には、バーナ開口部201が設けられ、左側には、バーナ開口部202が設けられている。それらバーナ開口部201,202の夫々の内側を上下に挿通するように、右コンロバーナ5と左コンロバーナ6が設けられている。天板3の左右方向の中央部の後端側には、排気口部9が設けられている。排気口部9は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。排気口部9は、筐体2内に設置されたグリル庫500(図2参照)内の燃焼によって生じた燃焼ガスを、外部に排出する。排気口部9には、複数のスリット191を備える安全カバー190が上側から装着されている。
図3に示すように、筐体2は、筐体2は、筐体本体部20、前板部24の二つの板金部材を互いに組み付け、ネジ(図示略)で固定することによって構成されている。筐体本体部20は、前側が開口する平面視略U字形状に形成されている。筐体本体部20は、右側板部21、左側板部22、後板部23を備える。後板部23は、右側板部21及び左側板部22の夫々の後端部同士を繋いでいる。そのような筐体本体部20の開口する前側に、正面視略矩形状の前板部24がネジで組み付けられている。
前板部24の左右方向の中央部には、グリル用の開口部25(図2参照)が設けられている。開口部25の左右両縁部の夫々の上部には、後方に突出する係止爪251(図9参照、図9では右縁部に設けられた係止爪251のみ図示)が設けられている。これら左右一対の係止爪251には、後述するユニット本体部50の右側面部513及び左側面部523に設けられたスリット513A,523A(図5,図9参照)が係止される。さらに、開口部25の上縁部にも、後方に突出する左右一対の係止爪(図示略)が設けられている。これら一対の係止爪には、後述するグリルフード60の上縁部64に設けられた一対のスリット641,642(図4参照)が係止される。これにより、前板部24に対してグリル庫500の前側部が固定され、開口部25の内側には、グリル庫500の前側に設けられたグリル開口501(図2参照)が配置される。開口部25には、グリル扉10が前後方向に移動可能に設けられている。ユーザがグリル扉10を手前側に引き出すと、グリル扉10の背面下部に連結した受皿4(図2参照)と焼き網(図示略)を、グリル庫500内から同時に取り出すことができる。
前板部24の前面において、グリル扉10の右側には、ツマミ11,12が設けられている。グリル扉10の左側には、ツマミ13が設けられている。ツマミ11〜13は押し回し式である。ツマミ11は、右コンロバーナ5を点火する場合に、正面視反時計回りに約90°押し回しされる。点火後は、時計回りに回動させることによって、火力が大火力から小火力に調節される。ツマミ11を点火前の位置に戻すと、右コンロバーナ5が消火される。なお、ツマミ12と13の操作方法は、ツマミ11と同じである。ツマミ12は、グリル庫500内に設置されるグリルバーナ65(図2参照)を点火する場合に押し回しされる。ツマミ13は、左コンロバーナ6を点火する為に押し回しされる。ツマミ13の左側には、電池ボックス15が設けられている。電池ボックス15は、コンロ1に電源を供給する乾電池(図示略)を格納する。なお、ツマミ11〜13は、押し込み式のスイッチ等であってもよい。
図2〜図5を参照し、筐体2の内部構造を説明する。筐体2の内側における略中央部には、グリルユニット40が設置されている(図2,図3参照)。図2,図4に示すように、グリルユニット40は、下から順に、グリル庫500と遮熱板70を備える。グリル庫500は、下から順に、ユニット本体部50とグリルフード60を備える。ユニット本体部50は、上面が開口する断面略U字状の箱型に形成され、被調理物を加熱する加熱空間を形成する。グリルフード60は、ユニット本体部50の開口する上部を塞ぐようにネジ91,92(図4参照)で固定される。グリルフード60は、グリルバーナ65を備える。遮熱板70は、グリルフード60の上面を覆うように隙間を空けて支持され、グリルバーナ65から伝わる熱を遮断する。これにより、天板3の温度が過度に上昇するのを防止する。なお、ユニット本体部50、グリルフード60、及び遮熱板70の各構造については後述する。
図3に示すように、遮熱板70の上面の右端側と、筐体2の右側板部21の上端部との間には、バーナ取付台26が略水平に渡設されている。バーナ取付台26には、右コンロバーナ5が取り付けられている。右コンロバーナ5は、バーナ本体部151とスロート部152を備える。バーナ本体部151は、円環状のバーナキャップ154が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔部を形成する。スロート部152は、バーナ本体部151の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部152の前端部には、ガスを流入させる流入口153が設けられている。流入口153は、後述するガス量調節装置18のノズル18Aに対向して配置されている。スロート部152は、ノズル18Aから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部152内で混合し、バーナ本体部151に供給する。
他方、遮熱板70の上面の左端側と、筐体2の左側板部22の上端部との間には、バーナ取付台27が略水平に渡設されている。バーナ取付台27には、左コンロバーナ6が取り付けられている。左コンロバーナ6は、バーナ本体部161とスロート部162を備える。バーナ本体部161は、円環状のバーナキャップ164が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔部を形成する。スロート部162は、バーナ本体部161の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部162の前端部には、ガスを流入させる流入口163が設けられる。流入口163は、後述するガス量調節装置19のノズル19Aに対向して配置されている。スロート部162は、ノズル19Aから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部162内で混合し、バーナ本体部161に供給する。
前板部24の背面側において、ツマミ11に対応する位置には、右コンロバーナ5用のガス量調節装置18が設けられている。ガス量調節装置18は、ガス量調節装置18はノズル18Aを備える。ノズル18Aは後方に突出し、右コンロバーナ5のスロート部152の流入口153に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置18はツマミ11と接続し、ツマミ11の回動量に応じてノズル18Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ13に対応する位置には、左コンロバーナ6用のガス量調節装置19が設けられている。ガス量調節装置19はノズル19Aを備える。ノズル19Aは後方に突出し、左コンロバーナ6のスロート部162の流入口163に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置19はツマミ13と接続し、ツマミ13の回動量に応じてノズル19Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ12に対応する位置には、グリルバーナ65用のグリル用ガス量調節装置(図示略)が設けられている。グリル用ガス量調節装置のガス出口には、ガス配管28の上流側端部が接続されている。ガス配管28は後方に延び、後述するバーナ取付台26の下方を潜って上方に折り返し、さらにグリルバーナ65のスロート部651と略同一高さ位置で左方に屈曲して左方に延びている。ガス配管28の下流側端部には、ノズル(図示略)が設けられている。該ノズルは左方に突出し、グリルバーナ65のスロート部651の流入口653に向けてガスを噴出する。グリル用ガス量調節装置はツマミ12と接続し、ツマミ12の回動量に応じてノズルから噴出するガス量を調節する。
図4,図5を参照し、ユニット本体部50の構造を説明する。ユニット本体部50は、右壁部51、左壁部52、底壁部53、背壁部54等を備える。
図5に示すように、右壁部51は、右側面視略矩形状に形成されている。右壁部51の略中央部には、凹部514が設けられている。凹部514は、左側方に向けて凹状に形成され、且つ右側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。凹部514の内側における上端部近傍には、燃焼用二次空気導入用の3つの空気孔515が前後方向に並んで設けられている。空気孔515は前後方向に延びる略直線状の細孔であり、燃焼用二次空気をグリル庫500内に取り入れる。なお、空気孔515は細孔以外の形状でもよく、又は孔を集合させた開口部でもよい。このような右壁部51を外側から覆うようにして、ダクト部80が取り付けられる。ダクト部80は、右壁部51の凹部514との間に、燃焼用二次空気を取り入れる為の通路を形成する。
右壁部51の前端部には、右側面部513が設けられている。右側面部513は、右壁部51の前端部から右側方に突出する正面視略矩形状の板部であって、面方向が前後方向に向くように配置されている。右側面部513の上部には、スリット513Aが設けられている。スリット513Aは、上下方向に延びる細孔である。スリット513Aは、前板部24の開口部25における右縁部の上部に設けられた係止爪251(図9参照)に係止される。
右壁部51の上端部には、上面部511が設けられている。上面部511は、右壁部51の上端部から右側方に突出する平面視略帯状の板部であって、面方向が上下方向に向くように配置されている。上面部511の前後方向の略中央部位には、凹状に形成された載置面512が設けられている。載置面512には、ダクト部80の後述する上側固定部86が載置される。載置面512の前側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔512Aが設けられ、後ろ側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔512Bが設けられている。さらに、貫通孔512Aと512Bの間で、且つ貫通孔512B寄りには、円形状の固定孔512Cが設けられている。
左壁部52は、左側面視略形状に形成されている。左壁部52の略中央部には、凹部524が設けられている。凹部524は、右側方に向けて凹状に形成され、且つ左側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。凹部524の内側における上端部近傍には、燃焼用二次空気導入用の3つの空気孔525が前後方向に並んで設けられている。空気孔525は前後方向に延びる略直線状の細孔である。なお、空気孔525は細孔以外の形状でもよく、又は孔を集合させた開口部でもよい。このような左壁部52を外側から覆うようにして、右壁部51側と同様に、他方のダクト部80が取り付けられる。ダクト部80は、左壁部52の凹部524との間に、燃焼用二次空気を取り入れる為の通路を形成する。
左壁部52の前端部には、左側面部523が設けられている。左側面部523は、左壁部52の前端部から左側方に突出する正面視略矩形状の板部であって、面方向が前後方向に向くように配置されている。左側面部523の上部には、スリット523Aが設けられている。スリット523Aは、上下方向に延びる細孔である。スリット523Aは、前板部24の開口部25の左縁部の上部に設けられた係止爪(図示略)に係止される。
左壁部52の上端部には、上面部521が設けられている。上面部521は、左壁部52の上端部から左側方に突出する平面視略帯状の板部であって、面方向が上下方向に向くように配置されている。上面部521の前後方向の略中央部位には、凹状に形成された載置面522が設けられている。載置面522には、ダクト部80の後述する上側固定部86が載置される。載置面522の前側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔522Aが設けられ、後ろ側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔522Bが設けられている。さらに、貫通孔522Aと522Bの間で、且つ貫通孔522B寄りには、円形状の固定孔522Cが設けられている。
なお、ダクト部80は、右壁部51と左壁部52の夫々の外面との間に隙間を形成することで、グリルバーナ65の燃焼によって温度が上昇する右壁部51と左壁部52から熱を伝わり難くすることもできる。ダクト部80の構造については後述する。
図4を参照し、グリルフード60の構造を説明する。グリルフード60は、平面視略矩形の板状に形成されている。グリルフード60は、フード本体部61、右縁部62、左縁部63、上縁部64、排気筒66等を備える。フード本体部61は、平面視略矩形状に形成されている。フード本体部61には、グリルバーナ65が設けられている。グリルバーナ65は、スロート部651と燃焼部652(図2参照)を備える。
燃焼部652は、フード本体部61の下面に設けられ、下方に向けて火炎を形成する多数の炎孔部を備える。スロート部651は、燃焼部652の後端部から右方向に延びる(図3参照)。スロート部651の右端部には、ガスを流入させる流入口653が設けられている。流入口653は、ガス配管28の下流側端部に設けられたノズル(図示略)と対向する。該ノズルは流入口653に向かってガスを噴出する。スロート部651は、ノズルから噴出されたガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気を管内で混合し、燃焼部652に供給する。
右縁部62は、フード本体部61の右端部から右方に向かって略水平に延設され、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。右縁部62の前後方向の略中央部には、円形状の固定孔621が設けられている。右縁部62は、ユニット本体部50の右壁部51の上面部511に対し、ダクト部80の上側固定部86を介して配置される。さらに、右縁部62に設けられた固定孔621を、上面部511に設けられた固定孔512Cに位置決めした後で、ネジ91を上方から締結する。これにより、ユニット本体部50の右壁部51の上面部511に対し、右縁部62が固定される。
左縁部63は、フード本体部61の左端部から左方に向かって略水平に延設され、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。左縁部63前後方向の略中央部には、固定孔631が設けられている。左縁部63は、ユニット本体部50の左壁部52の上面部521に対し、ダクト部80の上側固定部86を介して配置される。さらに、左縁部63に設けられた固定孔631を、上面部521に設けられた固定孔522Cに位置決めした後で、ネジ92を上方から締結する。これにより、ユニット本体部50の左壁部52の上面部521に対し、左縁部63が固定される。
さらに、左縁部63の上面の後端側には、熱電対67と点火電極68が固定部材69によって固定されている。熱電対67は前側、点火電極68は後側に配置されている(図2参照)。熱電対67と点火電極68の夫々の先端部は、グリルバーナ65の燃焼部652に隣接する位置に突出するように配置されている(図2参照)。点火電極68は、ツマミ12の押し回し操作に基づいて点火スパークを発生させる。それ故、スロート部651から燃焼部652の各炎孔部に供給されたガスは、グリル庫500内で燃焼する。熱電対67は、燃焼部652における失火を検出する。
上縁部64は、フード本体部61の前端部から垂直上方に屈曲して設けられ、面方向が前後方向に向く正面視左右方向に延びる略矩形の板状に形成されている。上縁部64の右端側の上部には、左右方向に延びるスリット641が設けられている。上縁部64の左端側の上部にも、左右方向に延びるスリット642が設けられている。スリット641,642は、前板部24の開口部25の上縁部に設けられた左右一対の係止爪(図示略)に係止される。
排気筒66は、グリルフード60の後部に設けられている。排気筒66は筒状に形成され、下側から上側に向けて設けられている。排気筒66の上端部には、平面視左右方向に長い略矩形状の開口部661が設けられている。開口部661は、天板3の後部に設けられた排気口部9の直下に配置される。グリル庫500内の燃焼により生じた燃焼ガスは、後方に向かって流れ、排気筒66を上方に流れる(図2中二点鎖線の矢印参照)。排気筒66は、燃焼ガスを天板3の排気口部9に導く。
排気筒66の開口部661の内側には、フレームトラップ17が取付具(図示略)によって取り付けられている。フレームトラップ17は、略直方体の板状に構成された消炎部材であり、例えばステンレス等からなるラス網等の2枚の多孔板の両端を曲げ加工し、それを上下方向に向かい合わせて直方体の筒状に形成したものである。万が一、受皿4に溜まった油や被調理物から火炎が生じたとしても、その火炎は、排気筒66の筒上方上流側に位置する下側の多孔板に接触して冷却される。さらに、各多孔板間には、燃焼ガスや被調理物から生じた炭酸ガスが滞留して酸素濃度が希薄になるため、火炎への酸素供給が滞る。こうした冷却効果及び酸欠効果により、フレームトラップ17が排気筒66内の内側にまで延びる火炎を消炎するので、天板3の排気口部9(図1,図2参照)から火炎が溢れ出すのを防止できる。
さらに、排気筒66の上端部には、略枠状の還流防止部材90が固定されている。還流防止部材90は、開口部661の前側縁部、右側縁部、左側縁部に沿って配置され、開口部661と、グリルバーナ65のスロート部651の流入口655の間において、天板3の下面との間に生じる隙間を閉塞する。還流防止部材90は、排気筒66の開口部661から流れる燃焼ガスが、スロート部651付近に引き込まれて、グリルバーナ65及び排気筒66内を還流するのを防止する。
図4を参照し、遮熱板70の構造を説明する。遮熱板70は、金属板で構成され、平面視略矩形状に形成されている。遮熱板70は、本体部71、右側固定部72、左側固定部73等を備え、グリルフード60を上方から覆うことができる程度の大きさを備える。本体部71は、正面視下側が開口する略コの字型で、且つ平面視略矩形状に形成されている。右側固定部72は、本体部71の右側の下方に延びる下端部から右側方に突出し、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。右側固定部72の長手方向略中央部には、固定孔721が設けられている。右側固定部72は、グリルフード60の右縁部62の上面に当接し、固定孔721が右縁部62に設けられた固定孔621に位置決めされてネジ91で固定される。これにより、右側固定部72が、グリルフード60の右縁部62の上面に固定される。
左側固定部73は、本体部71の左側の下方に延びる下端部から左側方に突出し、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。左側固定部73の長手方向略中央部にも、固定孔(図示略)が設けられている。左側固定部73は、グリルフード60の左縁部63の上面に当接し、固定孔が左縁部63に設けられた固定孔631に位置決めされてネジ92で固定される。これにより、左側固定部73が、グリルフード60の左縁部63の上面に固定される。
図6〜図9を参照し、ダクト部80の構造を具体的に説明する。ユニット本体部50の右壁部51及び左壁部52に取り付けられる二つのダクト部80は、互いに同一部品である。本実施形態は、説明の便宜上、右壁部51に取り付けられるダクト部80の向きを基準にして説明する。
ダクト部80は、例えば金属板を折り曲げて形成され、縦壁部81、第一支持部82、第一当接部83、第二支持部84、第二当接部85、上側固定部86等を備える。縦壁部81は、上下方向に起立した状態で、右側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。縦壁部81の下端部812は、前後方向に略直線状に延びている。その下端部812における前側の略1/3の部位には、上方に折り返された折り返し部813が設けられている。下端部812における後ろ側の略1/3の部位にも、上方に折り返された折り返し部814が設けられている。下端部812における左右方向の略中央部には、切欠き部815が設けられている。切欠き部815は、上方に向かって略円弧状に切り欠いて形成されている。
第一支持部82は、縦壁部81の前端部から右壁部51の外面側(左方)に屈曲して延び、正面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第一当接部83は、第一支持部82の前端部から前方に延び、右側面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第一当接部83は、ユニット本体部50の右壁部51の外面に当接する部位である。第二支持部84は、縦壁部81の後端部から右壁部51の外面側(左方)に屈曲して延び、背面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第二当接部85は、第一支持部82の後端部から後方に延び、右側面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第二当接部85も、ユニット本体部50の右壁部51の外面に当接する部位である。
上側固定部86は、縦壁部81の上端部811から左側方に延び、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている(図8参照)。上側固定部86の前側と後ろ側には、上下方向に貫通する平面視略矩形状の貫通孔861,862が設けられている。前側に位置する貫通孔861の内縁部のうち後ろ側の縁部には、下方に突出する差込片861A(図7,図8参照)が設けられている。後ろ側に位置する貫通孔862の内縁部のうち前側の縁部には、下方に突出する差込片862A(図8参照)が設けられている。貫通孔861と862の間には、前後一対の円形状の固定孔863,864が設けられている。後ろ側に位置する固定孔864は、ダクト部80をユニット本体部50の右壁部51に取り付ける際に使用される。前側に位置する固定孔863は、ダクト部80をユニット本体部50の左壁部52に取り付ける際に使用される。即ち、上側固定部86は、長手方向において中央部を基準に対称形状になっている。それ故、本実施形態は、ダクト部80を右壁部51及び左壁部52の何れにも取り付けることができる。
図4,図5,図8を参照し、ユニット本体部50へのダクト部80の取付方法の一例を説明する。右壁部51にダクト部80を取り付ける場合、先ず、ダクト部80の上側固定部86を、右壁部51の上面部511のうち載置面512に載置する。このとき、上側固定部86に設けられた差込片861A,862Aを、載置面512に設けられた貫通孔512A,512Bに対して上方から差し込む。これにより、上側固定部86は、載置面512に位置決めされる。そして、載置面512の固定孔512Cに対し、上側固定部86の固定孔864が配置される。固定孔864と固定孔512Cに対し、ネジ91を締結する(図4参照)。よって、上側固定部86は、載置面512に固定される。ダクト部80の第一当接部83及び第二当接部85は、右壁部51の外面に当接させる。第一当接部83は前側、第二当接部85は後ろ側に配置される。これにより、ダクト部80の右壁部51への取り付けが完了する。右壁部51に取り付けられた状態で、ダクト部80の縦壁部81の下端部と右壁部51との間には、底面視略矩形状の開口部818(図7参照)が形成される。これにより、燃焼用二次空気は、ダクト部80の下方から開口部818を介して内部に流入し、右壁部51に設けられた3つの空気孔515を介してグリル庫500内にスムーズに取り込まれる。
他方、左壁部52にダクト部80を取り付ける場合、右壁部51に取り付けられたダクト部80の向きに対して、ダクト部80の前後方向の向きを逆にする。そして、上記と同様に、先ず、ダクト部80の上側固定部86を、左壁部52の上面部521のうち載置面522に載置する。このとき、上側固定部86に設けられた差込片861A,862Aを、載置面522に設けられた貫通孔522A,522Bに対して上方から差し込む。これにより、上側固定部86は、載置面522に位置決めされる。そして、載置面522の固定孔522Cに対し、上側固定部86の固定孔863が配置される。固定孔863と固定孔522Cに対し、ネジ92を締結する(図4参照)。よって、上側固定部86は、載置面522に固定される。ダクト部80の第一当接部83及び第二当接部85は、左壁部52の外面に当接させる。右壁部51に取り付けられたダクト部80とは逆に、第一当接部83は後ろ側、第二当接部85は前側に配置される。これにより、ダクト部80の左壁部52への取り付けが完了する。左壁部52に取り付けられた状態で、ダクト部80の縦壁部81の下端部と左壁部52との間には、底面視略矩形状の開口部(図示略)が形成される。これにより、燃焼用二次空気は、ダクト部80の下方から開口部を介して内部に流入し、左壁部52に設けられた3つの空気孔525を介してグリル庫500内にスムーズに取り込まれる。
なお、図7に示すように、本実施形態のダクト部80では、上側固定部86を水平ではなく、水平に対して左端側(先端側)をやや下げている。そのような上側固定部86を、ユニット本体部50の右壁部51の載置面512に載置し、ネジ91で固定することによって、ダクト部80全体が上側固定部86を中心に正面視時計回りに移動し、右壁部51の外面に押し当てられる。これにより、ダクト部80の第一当接部83、及び第二当接部85を、右壁部51の外面に密着させることができる。
図2,図9を参照し、筐体2内におけるガス配管101の配設構造を説明する。図9に示すように、筐体2内には、ガス配管101が配設されている。ガス配管101は、ガス量調節装置18,19、及びグリル用ガス量調節装置に対してガスを供給する管である。筐体2の後板部23(図2参照)の左下角部近傍には、円形状の貫通孔(図示略)が設けられている。ガス配管101の上流側の端部は、筐体2の内側から貫通孔に挿入され、筐体2の外側に突き出している(図2参照)。そのガス配管101の上流側の端部には、管状の接続具100が設けられている。接続具100には、図示しないガス元栓から延びるガスホースが接続される。これにより、ガスホースから接続具100を介して、ガス配管101にガスが供給される。
ガス配管101は、貫通孔から前方に延び、前板部24(図3参照)の近傍で右方に略直角に屈曲した後、グリル庫500の下側を潜り抜けるようにして右方に延び、右壁部51(図3参照)の近傍まで配設されている。ガス配管101の下流側端部は、閉塞されている。ガス配管101の下流側端部の近傍であって、ツマミ11,12に夫々対応する位置には、二つのガス流通孔(図示略)が設けられている。これら二つのガス流通孔には、固定部材105,106が固定されている。
ツマミ11に対応する固定部材105には、ガス量調節装置18(図3参照)の下部が固定される。ガス量調節装置18の下部に設けられたガス入口は、固定部材105を介してガス流通孔と連通する。それ故、ガス配管101を流れるガスの一部は、ガス流通孔を介して、ガス量調節装置18のガス入口に流入する。ツマミ12に対応する固定部材106には、グリル用ガス量調節装置の下部が固定される。グリル用ガス量調節装置の下部に設けられたガス入口は、固定部材106を介してガス流通孔と連通する。それ故、ガス配管101を流れるガスの一部は、ガス流通孔を介して、グリル用ガス量調節装置のガス入口に流入する。
また、ガス配管101のうちツマミ13に対応する位置にも、ガス流通孔(図示略)が設けられている。このガス流通孔にも図示しない固定部材が固定され、該固定部材に対してガス量調節装置19(図3参照)の下部が固定される。ガス量調節装置19の下部に設けられたガス入口は、固定部材を介してガス流通孔と連通する。それ故、ガス配管101を流れるガスの一部は、ガス流通孔を介して、ガス量調節装置19のガス入口に流入する。このように、ガス配管101は、ガス量調節装置18,19、及びグリル用ガス量調節装置に直接的に接続されている。よって、ガス量調節装置18,19、及びグリル用ガス量調節装置を通じて、右コンロバーナ5、左コンロバーナ6及びグリルバーナ65に対して、ガスが供給される。
図6,図9を参照し、バーナ開口部201から筐体2内に侵入した煮汁が、遮熱板70の上面に落下した場合の煮汁の径路について説明する。例えば、天板3のバーナ開口部201から筐体2内に煮汁が侵入する場合がある。その煮汁が遮熱板70の上面に落下すると、その上面を例えば右方又は左方に流れて、ダクト部80の縦壁部81の外面を伝って下方に流れ落ちる場合がある。上記の通り、筐体2内において、ガス配管101の一部は、グリル庫500の下側を潜り抜けるようにして左右方向に延びている。つまり、ガス配管101は、ダクト部80の直下に配設された状態である。ここで、ダクト部80の縦壁部81の下端部812において、ガス配管101が配設された配設領域P1(図6参照)と上下方向に重なる部分には、折り返し部813が配置されている。さらに、ガス配管101が配設されていない非配設領域P2(図6参照)と上下方向に重なる部分には、切欠き部815が配置されている。
このような位置関係では、ガス配管101の直上において、縦壁部81の外面を伝って流れ落ちる煮汁は、縦壁部81の下端部812において、折り返し部813により受け止められる。これにより、ガス配管101上に煮汁が直接かかり、腐食等が生じるのを防止できる。そして、折り返し部813により受け止められる煮汁が多く、仮にオーバーフローした場合でも、その煮汁は折り返し部813から下端部812を伝い、円弧状に切り欠いて形成された切欠き部815に徐々に溜まる。切欠き部815に一定以上の煮汁が溜まると、その重みによって煮汁の表面張力が壊れるので、切欠き部815において煮汁が滴下される。このように、切欠き部815は、下端部812を伝った煮汁を、非配設領域P2に積極的に滴下させるので、ガス配管101に煮汁が直接かかるのを防止できる。
他方、左壁部52に取り付けられたダクト部80においては、右壁部51に取り付けられたダクト部80と前後方向の向きが逆になる。それ故、ダクト部80の縦壁部81の下端部812において、配設領域P1と上下方向に重なる部分には、折り返し部814が配置され、非配設領域P2と上下方向に重なる部分には、切欠き部815が配置される。これにより、ダクト部80の縦壁部81の外面を、ガス配管101に向けて伝わり落ちる煮汁は、縦壁部81の下端部812において、折り返し部814により受け止められる。そして、折り返し部814により受け止められる煮汁が多く、仮にオーバーフローした場合でも、その煮汁は折り返し部814から下端部812を伝い、切欠き部815において滴下される。左壁部52に取り付けられたダクト部80においても、切欠き部815は、下端部812を伝った煮汁を、非配設領域P2に積極的に滴下させるので、ガス配管101に煮汁が直接かかるのを防止できる。なお、天板3のバーナ開口部202から筐体2内に煮汁が侵入した場合も同様である。
また、図7に示すように、ダクト部80において、上側固定部86と、第一支持部82の上端部との間には、所定の隙間87が形成されている。ダクト部80は、その隙間87に、右壁部51の上面部511を差し込み、上側固定部86の下面を上面部511の載置面512に載置した状態で、ネジ91を固定している。これにより、図9に示すように、ダクト部80の第一支持部82、第一当接部83、第二支持部84、及び第二当接部85を、上面部511の下側に配置できるので、縦壁部81の位置を、上面部511の右端部の位置に揃えることができる。その結果、ダクト部80は、ユニット本体部50から右側方に張り出さないので、遮熱板60の右側固定部72の夫々の右端部と、縦壁部81との間に大きな段差を生じない。よって、遮熱板70の上面に落下して右側方に流動した煮汁は、遮熱板60の右側固定部72の右端部から、そのまま縦壁部81の外面を伝って流れ落ちることができる。なお、左壁部52に取り付けられるダクト部80においても同様である。
以上説明において、ユニット本体部50の右壁部51及び左壁部52が本発明の「左右一対の側壁」の一例である。図9に示すガス配管101が本発明の「ガス配管」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は、筐体2、天板3、及び右コンロバーナ5等を備える。右コンロバーナ5のバーナ本体部151は、天板3に設けられたバーナ開口部201を上下に挿通するように設けられている。筐体2内には、グリル庫500が設置されている。筐体2内において、ガス配管101が配設される領域を配設領域P1、ガス配管101が配設されない領域を非配設領域P2とする。グリル庫500の左右の両側部(右壁部51及び左壁部52)には、ダクト部80が夫々設けられている。ダクト部80には、上下方向に延びる縦壁部81が設けられている。縦壁部81の直線状に前後方向に延びる下端部812において、配設領域P1と上下に重なる部分には、上方に折り返された折り返し部813が設けられている。非配設領域P2と上下に重なる部分には、切欠き部815が設けられている。
このような位置関係において、天板3のバーナ開口部201を通じて筐体2内に侵入した煮汁のうち、グリル庫500の側部方向に流動した煮汁は、ダクト部80の縦壁部81を伝って下方に流れ落ちる。ここで、流れ落ちた煮汁のうちガス配管101に向けて伝わり落ちる煮汁は、縦壁部81の下端部812において、配設領域と上下に重なる位置に設けられた折り返し部813により受け止められる。これにより、ガス配管101上に煮汁が直接かかり腐食等が生じるのを防止できる。また、縦壁部81において、非配設領域P2と上下に重なる位置に切欠き部815を設けることにより、煮汁を非配設領域P2に積極的に滴下させることができる。これにより、煮汁が折り返し部813からオーバーフローしてガス配管101にかかるのを防止できる。
また、上記実施形態において、グリル庫500の右壁部51には、燃焼用二次空気をグリル庫500内に取り入れる為の3つの空気孔515が設けられている。さらに、右壁部51には、ダクト部80が取り付けられている。ダクト部80は、右壁部51に設けられた3つの空気孔515を外側から覆うと共に、燃焼用二次空気を取り入れる開口部818を下側に形成する。ダクト部80は、開口部818から取り入れた燃焼用二次空気を空気孔515に案内する。ダクト部80の縦壁部81は、右壁部51に対して隙間を空けて対向する位置に配置されている。切欠き部815は、その縦壁部81の下端部812の長手方向の中央部に設けられている。そして、その切欠き部815を挟む前後の位置に、折り返し部813,814が設けられている。これにより、ダクト部80の縦壁部81の下端部812は、中央部において対称形状にできるので、グリル庫500の右壁部51及び左壁部52に夫々設けられる二つのダクト部80を共通化できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のコンロ1はグリル付きテーブルコンロであるが、ビルトインタイプのコンロであってもよい。また、コンロ1は、右コンロバーナ5と左コンロバーナ6の2つのコンロバーナを備えるが、コンロバーナの数は2つに限らず、1つでもよく、3つ以上であってもよい。
また、上記実施形態は、右壁部51及び左壁部52に夫々取り付けられるダクト部80を共通化する為に、縦壁部81の下端部812の長手方向の中央部に切欠き部815を設け、その切欠き部815を挟む前後の位置に、折り返し部813,814を設けているが、部品共通化を考慮しないならば、切欠き部815、折り返し部813,814の夫々の位置は、これに限定されない。また、切欠き部815は一つに限らず、複数であってもよい。また、折り返し部は、ガス配管の配設領域に合わせて、一つでもよく、二つ以上であってもよい。また、右壁部51用のダクト部80と、左壁部52用のダクト部80とで、切欠き部、折り返し部の個数、位置が異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、ダクト部80の縦壁部81の下端部812に、折り返し部813,814、及び切欠き部815を設けているが、ダクト部80を備えないグリル庫500の場合、右壁部51及び左壁部52の夫々の下端部に、折り返し部、及び切欠き部を設けてもよい。
また、上記実施形態のダクト部80の縦壁部81の下端部812には、非配設領域P2に煮汁を滴下させる為に、切欠き部815を設けているが、切欠き部815の形状については、円弧状以外の形状でもよく、例えば、U字状、V字状等であってもよい。また、切欠き部815に代えて、下方に突出する突起部のようなものを設けてもよい。例えば、図10に示すダクト部801は、上記実施形態のダクト部80の変形例である。縦壁部81の下端部812の長手方向の中央部には、下方に略V字状に突出する突出部816が設けられている。このようなダクト部801においても、縦壁部81を流れ落ちて、折り返し部813により受け止められる煮汁がオーバーフローした場合、その煮汁は折り返し部813から下端部812を伝い、突出部816に流動する。そして、煮汁の表面張力が突出部816の先端によって壊れるので、突出部816において煮汁が滴下される。このような突出部816によっても、下端部812を伝った煮汁を、非配設領域P2に積極的に滴下させることができる。
また、上記実施形態において、ユニット本体部50、グリルフード、遮熱板等に設けられる固定孔の数、位置等については、自由に変更可能である。