以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に記載されている装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図3を参照して、コンロ1の外観構造を説明する。図1,図2に示すように、コンロ1は、グリル付きテーブルコンロである。コンロ1は、筐体2と天板3を備える。筐体2は、上部が開口する略直方体状に形成されている。天板3は、筐体2の開口する上部にネジ(図示略)で固定されている。天板3の種類は限定しないが、例えばホーロー素材等を採用できる。天板3の右側には、バーナ開口部201が設けられ、左側には、バーナ開口部202が設けられている。それらバーナ開口部201,202の夫々の内側を上下に挿通するように、右コンロバーナ5と左コンロバーナ6が設けられている。天板3の左右方向の中央部の後端側には、排気口部9が設けられている。排気口部9は、排気口部9は、筐体2内に設置されたグリル庫500(図2参照)内のガス燃焼によって生じた燃焼ガスを、外部に排出する。排気口部9には、複数のスリット191を備える安全カバー190が上側から装着されている。
図2に示すように、筐体2の前板部24の左右方向の中央部には、正面視略矩形状の開口部25が設けられている。開口部25の内側には、後述するグリル庫500の前側に設けられた正面視略矩形状のグリル開口501が配置される。開口部25には、グリル扉10が前後方向に移動可能に設けられている。ユーザがグリル扉10を手前側に引き出すと、グリル扉10の背面下部に連結した受皿4と焼き網(図示略)を、グリル庫500内から同時に取り出すことができる。
前板部24の前面において、グリル扉10の右側には、ツマミ11,12が設けられている。グリル扉10の左側には、ツマミ13が設けられている。ツマミ11〜13は押し回し式である。ツマミ11は、右コンロバーナ5を点火する場合に、正面視反時計回りに約90°押し回しされる。点火後は、時計回りに回動させることによって、火力が大火力から小火力に調節される。ツマミ11を点火前の位置に戻すと、右コンロバーナ5が消火される。なお、ツマミ12と13の操作方法は、ツマミ11と同じである。ツマミ12は、グリル庫500内のグリルバーナ65(図2参照)を点火する場合に押し回しされる。ツマミ13は、左コンロバーナ6を点火する為に押し回しされる。ツマミ13の左側には、電池ボックス15が設けられている。電池ボックス15は、コンロ1に電源を供給する乾電池(図示略)を格納する。なお、ツマミ11〜13は、押し込み式のスイッチ等であってもよい。
図2〜図4を参照し、筐体2の内部構造を説明する。筐体2の内側における略中央部には、グリルユニット40が設置されている。グリルユニット40は、下から順に、グリル庫500と遮熱板70を備える(図2,図4参照)。グリル庫500は、下から順に、ユニット本体部50とグリルフード60を備える。ユニット本体部50は、上面が開口する断面略U字状の箱型に形成され、内側に被調理物を加熱調理する調理空間を形成する。グリルフード60は、ユニット本体部50の開口する上部を塞ぐように、後述するネジ91,92(図4参照)で固定される。グリルフード60は、グリルバーナ65を備える。遮熱板70は、グリルフード60の上面を覆うように隙間を空けて支持され、グリルバーナ65から伝わる熱を遮断する。これにより、天板3の温度が過度に上昇するのを防止する。
図3に示すように、遮熱板70の上面の右端側と、筐体2の右側板部21の上端部との間には、バーナ取付台26が略水平に渡設されている。バーナ取付台26には、右コンロバーナ5が取り付けられている。右コンロバーナ5は、バーナ本体部151とスロート部152を備える。バーナ本体部151は、円環状のバーナキャップ154が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔部を形成する。スロート部152は、バーナ本体部151の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部152の前端部には、ガスを流入させる流入口153が設けられている。流入口153は、後述するガス量調節装置18のノズル18Aに対向配置されている。スロート部152は、ノズル18Aから噴出されるガスと、該ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部152内で混合し、バーナ本体部151に供給する。
他方、遮熱板70の上面の左端側と、筐体2の左側板部22の上端部との間には、バーナ取付台27が略水平に渡設されている。バーナ取付台27には、左コンロバーナ6が取り付けられている。左コンロバーナ6は、バーナ本体部161とスロート部162を備える。バーナ本体部161は、円環状のバーナキャップ164が上部に載置されることで、外周面に複数の炎孔部を形成する。スロート部162は、バーナ本体部161の側面の前側下部に接続し、前方向に延びる。スロート部162の前端部には、ガスを流入させる流入口163が設けられる。流入口163は、後述するガス量調節装置19のノズル19Aに対向配置されている。スロート部162は、ノズル19Aから噴出されるガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気をスロート部162内で混合し、バーナ本体部161に供給する。
前板部24の背面側において、ツマミ11に対応する位置には、右コンロバーナ5用のガス量調節装置18が設けられている。ガス量調節装置18は、ガス量調節装置18はノズル18Aを備える。ノズル18Aは後方に突出し、右コンロバーナ5のスロート部152の流入口153に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置18はツマミ11と接続し、ツマミ11の回動量に応じてノズル18Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ13に対応する位置には、左コンロバーナ6用のガス量調節装置19が設けられている。ガス量調節装置19はノズル19Aを備える。ノズル19Aは後方に突出し、左コンロバーナ6のスロート部162の流入口163に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置19はツマミ13と接続し、ツマミ13の回動量に応じてノズル19Aから噴出するガス量を調節する。
前板部24の背面側において、ツマミ12に対応する位置には、グリルバーナ65用のガス量調節装置16(図13参照)が設けられている。ガス量調節装置16のガス出口(図示略)には、ガス配管28(図3参照)の上流側端部が接続されている。ガス配管28は後方に延び、バーナ取付台26の下方を潜って上方に折り返し、さらにグリルバーナ65のスロート部651と略同一高さ位置で左方に屈曲して左方に延びている。ガス配管28の下流側端部には、ノズル(図示略)が設けられている。該ノズルは左方に突出し、グリルバーナ65のスロート部651の流入口653に向けてガスを噴出する。ガス量調節装置16はツマミ12と接続し、ツマミ12の回動量に応じてノズルから噴出するガス量を調節する。
筐体2内には、ガス配管101が配設されている。ガス配管101の上流側の端部は、筐体2の後板部23(図2参照)から後方に突出している。そのガス配管101の上流側の端部には、管状の接続具100が設けられている。接続具100には、図示しないガス元栓から延びるガスホースが接続される。これにより、ガスホースから接続具100を介して、ガス配管101にガスが供給される。ガス配管101は、後板部23側から前方に延び、前板部24(図3参照)の近傍で右方に略直角に屈曲した後、グリル庫500の下側を潜り抜けるようにして右方に延び、右壁部51(図3参照)の近傍まで配設されている。ガス配管101には、ガス量調節装置16,18,19が夫々接続されている。ガス配管101は、ガス量調節装置16,18,19に対してガスを供給する。
図5,図6を参照し、筐体2の構造を説明する。筐体2は、筐体本体部20、前板部24の二つの板金部材を互いに組み付け、ネジ(図示略)で固定することによって構成されている。筐体本体部20は、前側が開口する平面視略U字形状に形成されている。筐体本体部20は、右側板部21、左側板部22、後板部23を備える。後板部23は、右側板部21及び左側板部22の夫々の後端部同士を繋いでいる。そのような筐体本体部20の開口する前側に、正面視略矩形状の前板部24がネジで組み付けられている。
前板部24には、正面視略矩形状の開口部25が設けられている。開口部25の右縁部には、後方に突出する右側内壁部251が設けられ、左縁部にも、後方に突出する左側内壁部252(図5参照)が設けられている。右側内壁部251及び左側内壁部252は、側面視略三角形状に形成されている。右側内壁部251の後端部の上部には、後方に突出する係止爪253(図5参照)が設けられている。左側内壁部252の後端部の上部には、後方に突出する係止爪254が設けられている。係止爪253,254は、側面視略L字状に形成され、後方に突出する先端側が上方に屈曲している。これら係止爪253,254には、ユニット本体部50の後述する右側面部513及び左側面部523に夫々設けられたスリット513A,523A(図7参照)が係止する。
開口部25の上側には、左右方向に延びる上枠部241が設けられている。上枠部241は、断面略L字状に形成され、前面部2411と上面部2412を備えている。前面部2411は、前後方向に面方向を有し、正面視左右方向に延びる略帯状に形成されている。上面部2412は、上下方向に面方向を有し、前面部2411の上端部から後方に突出する平面視左右方向に延びる略帯状に形成されている。図6に示すように、前面部2411の下端部の右側と左側には、上側引掛爪247,248が設けられている。上側引掛爪247,248は、後方にて斜め上方に屈曲する側面視略V字状に形成されている。上側引掛爪247,248には、グリルフード60の後述する上縁部64に設けられた一対のスリット641,642(図4参照)が係止する。
図5に示すように、上枠部241の右側には、窓部244が設けられ、左側には、窓部245が設けられている。窓部244,245は、略矩形状の開口部である。窓部244,245は、前面部2411と上面部2412に跨るように形成されている。窓部244は、上側引掛爪247の直上に位置し、窓部245は、上側引掛爪248の直上に位置する。それ故、コンロ1の組立作業者(以下、作業者と呼ぶ)は、窓部244,245を上方から見下ろすと、上側引掛爪247,248の夫々の位置を確認できる。
右側板部21の前後方向略中央部で且つ上端部近傍には、前後方向に並ぶ一対の引掛孔211が設けられている。左側板部22の前後方向略中央部で且つ上端部近傍にも、前後方向に並ぶ一対の引掛孔221が設けられている。
後板部23の内面において、上端部よりもやや下側で、且つ筐体2内に設置されるユニット本体部50の右側の後方角部に対応する位置には、前方向に突出する平面視略矩形状の支持片231が設けられている。支持片231には、上下方向に貫通する固定孔231Aが設けられている。支持片231の右端部には、上方に突出する突起部231Bが設けられている。他方、支持片231と同一高さ位置であって、ユニット本体部50の左側の後方角部に対応する位置には、前方向に突出する平面視略矩形状の支持片232が設けられている。支持片232には、上下方向に貫通する固定孔232Aが設けられている。支持片232の左端部には、上方に突出する突起部232Bが設けられている。
図7を参照し、ユニット本体部50の構造を説明する。ユニット本体部50は、右壁部51、左壁部52、底壁部53、背壁部54等を備える。
右壁部51は、右側面視略矩形状に形成されている。右壁部51の略中央部には、凹部514が設けられている。凹部514は、左側方に向けて凹状に形成され、且つ右側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。凹部514の内側における上端部近傍には、燃焼用二次空気導入用の3つの空気孔515が前後方向に並んで設けられている。空気孔515は前後方向に延びる略直線状の細孔であり、燃焼用二次空気をグリル庫500内に取り入れる。このような右壁部51を外側から覆うようにして、ダクト部80(図4参照)が取り付けられる。ダクト部80は、右壁部51の凹部514との間に、燃焼用二次空気を取り入れる為の通路を形成する。
右壁部51の前端部には、右側面部513が設けられている。右側面部513は、右壁部51の前端部から右側方に突出する正面視略矩形状の板部であって、面方向が前後方向に向くように配置されている。右側面部513の上部には、前後方向に貫通するスリット513Aが設けられている。スリット513Aは、上下方向に延びる細孔である。スリット513Aは、前板部24の右側内壁部251の後端部に設けられた係止爪253(図5参照)に係止される。
右壁部51の上端部には、上面部511が設けられている。上面部511は、右壁部51の上端部から右側方に突出する平面視略帯状の板部であって、面方向が上下方向に向くように配置されている。上面部511の前後方向の略中央部位には、凹状に形成された載置面512が設けられている。載置面512には、ダクト部80の後述する上側固定部86が載置される(図4参照)。載置面512の前側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔512Aが設けられ、後ろ側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔512Bが設けられている。貫通孔512Aと512Bの間には、円形状の固定孔512Cが設けられている。
上面部511の後端部には、右方に張り出して形成された右側張出部55が設けられている。右側張出部55は、側面視略L字状に形成され、固定部551と当接部552を備える。固定部551は、上面部511の後端部から右側方に突出する平面視略矩形状に形成され、面方向が上下方向に向くように設けられている。固定部551には、上下方向に貫通する固定孔553と差込孔554が設けられている。当接部552は、固定部551の後端部から上方に突出する正面視略矩形状に形成され、面方向が前後方向を向くように設けられている。
左壁部52は、左側面視略形状に形成されている。左壁部52の略中央部には、凹部524が設けられている。凹部524は、右側方に向けて凹状に形成され、且つ左側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。凹部524の内側における上端部近傍には、燃焼用二次空気導入用の3つの空気孔525が前後方向に並んで設けられている。空気孔525は前後方向に延びる略直線状の細孔である。このような左壁部52を外側から覆うようにして、右壁部51側と同様に、他方のダクト部80が取り付けられる。ダクト部80は、左壁部52の凹部524との間に、燃焼用二次空気を取り入れる為の通路を形成する。
左壁部52の前端部には、左側面部523が設けられている。左側面部523は、左壁部52の前端部から左側方に突出する正面視略矩形状の板部であって、面方向が前後方向に向くように配置されている。左側面部523の上部には、スリット523Aが設けられている。スリット523Aは、上下方向に延びる細孔である。スリット523Aは、前板部24の左側内壁部252の後端部に設けられた係止爪254に係止される。
左壁部52の上端部には、上面部521が設けられている。上面部521は、左壁部52の上端部から左側方に突出する平面視略帯状の板部であって、面方向が上下方向に向くように配置されている。上面部521の前後方向の略中央部位には、凹状に形成された載置面522が設けられている。載置面522には、ダクト部80の後述する上側固定部86が載置される。載置面522の前側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔522Aが設けられ、後ろ側には、上下方向に貫通する略矩形状の貫通孔522Bが設けられている。貫通孔522Aと522Bの間には、円形状の固定孔522Cが設けられている。
上面部521の後端部には、左方に張り出して形成された左側張出部56が設けられている。左側張出部56は、側面視略L字状に形成され、固定部561と当接部562を備える。固定部561は、左壁部52の上端部から左側方に突出する平面視略帯状に形成され、面方向が上下方向に向くように設けられている。固定部561には、上下方向に貫通する固定孔563と差込孔564が設けられている。当接部562は、固定部561の後端部から上方に突出する正面視略矩形状に形成され、面方向が前後方向を向くように設けられている。
なお、左右一対のダクト部80は、右壁部51と左壁部52の夫々の外面との間に隙間を形成することで、グリルバーナ65の燃焼によって温度が上昇する右壁部51と左壁部52から熱を伝わり難くすることができる。
図10〜図12を参照し、ダクト部80の構造を説明する。なお、ユニット本体部50の右壁部51及び左壁部52に取り付けられる二つのダクト部80(図4参照)は、互いに同一部品である。それ故、本実施形態は、説明の便宜上、右壁部51に取り付けられるダクト部80の向きを基準にして説明する。
ダクト部80は、例えば一枚の金属板を折り曲げて形成され、縦壁部81、第一支持部82、第一当接部83、第二支持部84、第二当接部85、上側固定部86等を備える。縦壁部81は、上下方向に起立した状態で、右側面視前後方向に長い略矩形状に形成されている。縦壁部81の下端部812は、前後方向に略直線状に延びている。第一支持部82は、縦壁部81の前端部から右壁部51の外面側(左方)に屈曲して延び、正面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第一当接部83は、第一支持部82の前端部から前方に延び、右側面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第一当接部83は、ユニット本体部50の右壁部51の外面に当接する部位である。第二支持部84は、縦壁部81の後端部から右壁部51の外面側(左方)に屈曲して延び、背面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第二当接部85は、第一支持部82の後端部から後方に延び、右側面視上下方向に長い略矩形状に形成されている。第二当接部85も、ユニット本体部50の右壁部51の外面に当接する部位である。
上側固定部86は、縦壁部81の上端部811から左側方に延び、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている(図11参照)。上側固定部86の前側と後ろ側には、上下方向に貫通する平面視略矩形状の貫通孔861,862が設けられている。前側に位置する貫通孔861の内縁部のうち後ろ側の縁部には、下方に突出する差込片861A(図12参照)が設けられている。後ろ側に位置する貫通孔862の内縁部のうち前側の縁部には、下方に突出する差込片862A(図12参照)が設けられている。貫通孔861と862の間には、前後一対の円形状の固定孔863,864が設けられている。後ろ側に位置する固定孔864は、ダクト部80をユニット本体部50の右壁部51に取り付ける際に使用される。前側に位置する固定孔863は、ダクト部80をユニット本体部50の左壁部52に取り付ける際に使用される。即ち、上側固定部86は、長手方向において中央部を基準に対称形状になっている。それ故、本実施形態は、ダクト部80を右壁部51及び左壁部52の何れにも取り付けることができる。
図4を参照し、グリルフード60の構造を説明する。グリルフード60は、平面視略矩形の板状に形成されている。グリルフード60は、フード本体部61、右縁部62、左縁部63、上縁部64、排気筒66等を備える。フード本体部61は、平面視略矩形状に形成されている。フード本体部61には、グリルバーナ65が設けられている。グリルバーナ65は、スロート部651と燃焼部652(図2参照)を備える。
燃焼部652は、フード本体部61の下面に設けられ、下方に向けて火炎を形成する多数の炎孔を備える。スロート部651は、燃焼部652の後端部から右方向に延びる(図3参照)。スロート部651の右端部には、ガスを流入させる流入口653が設けられている。流入口653は、ガス配管28の下流側端部に設けられたノズル(図示略)と対向する。該ノズルは流入口653に向かってガスを噴出する。スロート部651は、ノズルから噴出されたガスと、ガスの噴出により引き込まれる筐体2内の空気を管内で混合し、燃焼部652に供給する。
右縁部62は、フード本体部61の右端部から右方に向かって略水平に延設され、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。右縁部62の前後方向の略中央部には、円形状の固定孔621が設けられている。その固定孔621の後方には、係止孔622が設けられている。左縁部63は、フード本体部61の左端部から左方に向かって略水平に延設され、平面視前後方向に延びる略帯状に形成されている。左縁部63前後方向の略中央部には、固定孔631が設けられている。その固定孔631の後方には、係止孔632が設けられている。
左縁部63の上面の後端側には、熱電対67と点火電極68が固定部材69によって固定されている。熱電対67は前側、点火電極68は後側に配置されている(図2参照)。熱電対67と点火電極68の夫々の先端部は、グリルバーナ65の燃焼部652に隣接する位置に突出するように配置されている(図2参照)。点火電極68は、ツマミ12の押し回し操作に基づいて点火スパークを発生させる。それ故、スロート部651から燃焼部652の各炎孔部に供給されたガスは、グリル庫500内で燃焼する。熱電対67は、燃焼部652における失火を検出する。
上縁部64は、フード本体部61の前端部から垂直上方に屈曲して設けられ、面方向が前後方向に向く正面視左右方向に延びる略矩形の板状に形成されている。上縁部64の右端側の上部には、左右方向に延びるスリット641が設けられている。上縁部64の左端側の上部にも、左右方向に延びるスリット642が設けられている。
排気筒66は、グリルフード60の後部に設けられている。排気筒66は筒状に形成され、下側から上側に向けて設けられている。排気筒66の上端部には、平面視左右方向に長い略矩形状の開口部661が設けられている。開口部661は、天板3の後部に設けられた排気口部9の直下に配置される。グリル庫500内の燃焼により生じた燃焼ガスは、後方に向かって流れ、排気筒66を上方に流れる(図2中二点鎖線の矢印参照)。排気筒66は、燃焼ガスを天板3の排気口部9に導く。
排気筒66の開口部661の内側には、フレームトラップ17(図2参照)が取り付けられる。フレームトラップ17は、略直方体の板状に構成された消炎部材であり、例えばステンレス等からなるラス網等の2枚の多孔板の両端を曲げ加工し、それを上下方向に向かい合わせて直方体の筒状に形成したものである。万が一、受皿4に溜まった油や被調理物から火炎が生じたとしても、その火炎は、排気筒66の筒上方上流側に位置する下側の多孔板に接触して冷却される。さらに、各多孔板間には、燃焼ガスや被調理物から生じた炭酸ガスが滞留して酸素濃度が希薄になるため、火炎への酸素供給が滞る。こうした冷却効果及び酸欠効果により、フレームトラップ17が排気筒66内の内側にまで延びる火炎を消炎するので、天板3の排気口部9(図1,図2参照)から火炎が溢れ出すのを防止できる。
排気筒66の上端部には、略枠状の還流防止部材90が固定されている。還流防止部材90は、開口部661の前側縁部、右側縁部、左側縁部に沿って配置され、開口部661と、グリルバーナ65のスロート部651の流入口655の間において、天板3の下面との間に生じる隙間を閉塞する。還流防止部材90は、排気筒66の開口部661から流れる燃焼ガスが、スロート部651付近に引き込まれて、グリルバーナ65及び排気筒66内を還流するのを防止する。
図4を参照し、遮熱板70の構造を説明する。遮熱板70は、金属板で構成され、平面視略矩形状、且つ正面視下側に開口する略コの字型に形成されている。遮熱板70は、上壁部71、右壁部72、左壁部73、右側固定部74、左側固定部75等を備え、グリルフード60を上方から覆うことができる程度の大きさを備える。
上壁部71は、平面部76、傾斜部77、周縁部78を備える。平面部76は、平面視略矩形状に形成され、前側の両角部はテーパ状に形成されている。傾斜部77は、平面部76の前縁部、右縁部、左縁部に沿って設けられ、平面視後ろ側に開口する略コの字型に形成されている。傾斜部77は、外方に向かって下り傾斜している。周縁部78は、傾斜部77の下端部(外端部)に沿って設けられ、平面視後ろ側に開口する略コの字型に形成されている。周縁部78は、傾斜部77の下端部から外方に向かって略水平に延びている。
平面部76は、ビード部761,762を備える。ビード部761は、平面部76の前後方向の略中央位置にて、左右方向に延びる略帯状に形成されている。ビード部761は、平面部76の左右の両端から傾斜部77まで延びている。ビード部762は、平面部76の後方位置にて、左右方向に延びる略帯状に形成されている。ビード部762は、平面部76から左側に突出し、傾斜部77まで延びている。ビード部761,762は、例えば平面部76を反対側からプレス加工することで形成される。ビード部761,762は、平面部76と傾斜部77の剛性を向上する。
平面部76の前側半分の領域には、中央側から右斜め前方、中央側から左斜め前方、中央側から右斜め後方、中央側から左斜め後方に夫々延びる4本のビード部764が設けられている。ビード部764も、例えば平面部76を反対側からプレス加工することで形成される。ビード部764は、平面部76の剛性を向上する。
周縁部78の右側部の上面には、位置決め部781が設けられている。位置決め部781には、前後一対の係止孔783が設けられている。周縁部78の左側部の上面にも、位置決め部782が設けられている。位置決め部782には、前後一対の係止孔784が設けられている。周縁部78の前端部には、ビード部763が設けられている。ビード部763は、左右方向に延びる略帯状に形成されている。ビード部763は、例えば周縁部78を反対側からプレス加工することで形成される。ビード部763は、周縁部78の前端側の剛性を向上する。
右側固定部74の長手方向略中央部には、上下方向に貫通する円形状の固定孔741が設けられている。その固定孔741の後方には、左側方に略矩形状に窪んだ切欠き部785が設けられている。その切欠き部785の内縁部には、下方に突出する係止爪786が設けられている。他方、左側固定部75の長手方向略中央部にも、上下方向に貫通する円形状の固定孔751(図16参照)が設けられている。その固定孔751の後方には、右側方に略矩形状に窪んだ切欠き部(図示略)が設けられている。その切欠き部の内縁部には、下方に突出する係止爪(図示略)が設けられている。
図4を参照し、バーナ取付台26,27の構造を説明する。バーナ取付台26は、左右方向に長い平面視略矩形状に形成され、例えば金属板のプレス加工によって形成される。バーナ取付台26は、本体部261、垂下部262、固定部263、水平延設部264等を備える。本体部261は、平面視左右方向に長い平面視略矩形状に形成されている。本体部261には、右コンロバーナ5のバーナ本体部151がネジ(図示略)で取り付けられる。本体部261の右端部には、上方に向けて凸状に形成された凸状部265が設けられている。凸状部265は例えばプレス加工で形成できる。その凸状部265には、上方に突出する一対の引掛爪266が設けられている。凸状部265は、本体部261の右端部の剛性を補強し、且つ引掛爪266を支持する。本体部261の前端部及び後端部の夫々の左端側には、下方に向けて屈曲する一対の係止爪267が設けられている。本体部261の前端部及び後端部の夫々の右端側には、下方に向かって突出する側面視略三角形状の一対の当接部268が設けられている。
垂下部262は、本体部261の前端部の前側部分を除く部分から垂下している。固定部263は、垂下部262の下端部に沿って設けられ、前方に水平に突出し、且つその前端側が上方に屈曲して形成されている。即ち、垂下部262及び固定部263は、本体部261の前端部に沿うようにして、側面視略コの字型に形成されているので、本体部261の剛性を向上できる。固定部263の左端側には、上下方向に貫通する固定孔269が設けられている。水平延設部264は、本体部261の左端部から上方に立ち上がり、さらに左方に略直角に屈曲して左方に延設されている。そのような水平延設部264の上部には、天板3の下面が配置される。
バーナ取付台27も、バーナ取付台26と同様に、本体部271、垂下部272、固定部273、水平延設部274等を備える。本体部271には、左コンロバーナ6のバーナ本体部161がネジ(図示略)で取り付けられる。本体部271の左端部には、凸状部275が設けられている。その凸状部275には、上方に突出する一対の引掛爪276が設けられている。本体部271の前端部及び後端部の夫々の右端側には、一対の係止爪277が設けられている。本体部271の前端部及び後端部の夫々の左端側には、一対の当接部278が設けられている。固定部273の右端側には、上下方向に貫通する固定孔279が設けられている。水平延設部274は、本体部271の右端部に設けられている。水平延設部274は、本体部271の右端部から上方に立ち上がり、さらに右方に略直角に屈曲して右方に延設されている。そのような水平延設部274の上部には、天板3の下面が配置される。
図4〜図18を参照し、コンロ1の組立工程の一例を説明する。なお、本実施形態では、コンロ1の組立工程において、筐体2の内側に、ユニット本体部50、ダクト部80、グリルフード60、遮熱板70、及びバーナ取付台26,27を下から順に積み上げ、最後にネジ91,92で共締め固定するまでを中心に説明し、それ以外の部品の取付工程、天板3の固定工程等については省略する。
−ユニット本体部50の筐体2内への取り付け−
図6に示すように、作業者は、先ず、前板部24が手前側になるように、筐体2を作業台(図示略)上に配置する。そして、図8に示すように、筐体2の内側に、ユニット本体部50を上方から落とし込み、ユニット本体部50の前端側を下げた状態で、前板部24の開口部25に対して後方から近づける。そして、ユニット本体部50の右側面部513に設けられたスリット513Aを、右側内壁部251の後端部に設けられた係止爪253(図5参照)に対し、上方から係止させる。他方、ユニット本体部50の左側面部523に設けられたスリット523Aを、左側内壁部252の後端部に設けられた係止爪254に対し、上方から係止させる。これにより、開口部25に対して、ユニット本体部50の前端側が位置決めされる。そして、係止爪253,254は上方に屈曲しているので、右側面部513及び左側面部523は、係止爪253,254から後方に抜けない。それ故、右側面部513及び左側面部523は、係止爪253,254(図5参照)に係止された状態となる。
そして、ユニット本体部50は、前端側よりも後端側が上方に浮いた状態であるので、係止爪253,254を支点として、後端側を下方に回動させる。すると、筐体2の後板部23の内面に設けられた支持片231,232(図4参照)の夫々の上面に対し、ユニット本体部50の右側張出部55及び左側張出部56の夫々の固定部551,561が載置される。このとき、固定部551に設けられた差込孔554に対し、支持片231に設けられた突起部231Bを挿入し、固定部561に設けられた差込孔564に対し、支持片232に設けられた突起部232Bを挿入する。これにより、支持片231,232に対し、固定部551,561が簡単且つ正確に位置決めされる。
この状態では、支持片231,232に設けられた固定孔231A,232Aと、固定部551,561に設けられた固定孔553,563が、上下方向に互いに重合して配置される。そして、図9に示すように、固定孔231Aと固定孔553に対し、ネジ94を上方から締結する。固定孔232Aと固定孔563に対し、ネジ95を上方から締結する。ユニット本体部50の後端部は、筐体2の後板部23に固定される。右側張出部55の当接部552の背面と、左側張出部56の当接部562の背面は、筐体2の後板部23の内面に沿って配置される。このようにして、ユニット本体部50の筐体2内への取付工程が完了する(図9参照)。
−ダクト部80の配置−
次いで、ユニット本体部50の左右両側に、ダクト部80を夫々配置する(図4参照)。先ず、右壁部51に取り付けるダクト部80について、上側固定部86を、右壁部51の上面部511のうち載置面512に載置する。このとき、上側固定部86に設けられた差込片861A,862Aを、載置面512に設けられた貫通孔512A,512Bに対して上方から差し込む。これにより、上側固定部86は、載置面512に位置決めされる。この状態では、載置面512の固定孔512Cに対し、上側固定部86の固定孔864が上方向に重合して配置される。ダクト部80の第一当接部83及び第二当接部85は、右壁部51の外面に当接させる。第一当接部83は前側、第二当接部85は後ろ側に配置する。
他方、左壁部52に取り付けるダクト部80については、右壁部51に取り付けたダクト部80に対して前後方向の向きを逆にする。ダクト部80の上側固定部86を、左壁部52の上面部521のうち載置面522に載置する。このとき、上側固定部86に設けられた差込片861A,862Aを、載置面522に設けられた貫通孔522A,522Bに対して上方から差し込む。これにより、上側固定部86は、載置面522に位置決めされる。この状態では、載置面522の固定孔522Cに対し、上側固定部86の固定孔863が上方向に重合して配置される。ダクト部80の第一当接部83及び第二当接部85は、左壁部52の外面に当接させる。右壁部51に配置されたダクト部80とは逆に、第一当接部83は後ろ側、第二当接部85は前側に配置する。このようにして、二つのダクト部80の配置が完了する。
−グリルフード60の配置−
次いで、ユニット本体部50の上部に、グリルフード60を配置する。先ず、グリルフード60の前端側を下げた状態で、前板部24の上枠部241(図6参照)に対して後方から近づける。そして、図13に示すように、グリルフード60の上縁部64に設けられたスリット641,642内に対し、上枠部241における前面部2411の下端部に設けられた上側引掛爪247,248を下方から差し込む。このとき、作業者は前板部24の前側に位置するが、上枠部241に設けられた窓部244,245を介して、上側引掛爪247,248の夫々の位置を上方から確認できる。これにより、上側引掛爪247,248に狙いを定めて、スリット641,642を迅速かつ正確に位置決めできる。上側引掛爪247,248は上方に屈曲しているので、グリルフード60の上縁部64は、上側引掛爪247,248から後方に抜けない。それ故、上縁部64は、上側引掛爪247,248に位置決めされた状態となる。
そして、グリルフード60は、前端側よりも後端側が浮いた状態であるので、上側引掛爪247,248を支点として、グリルフード60の後端側を下方に回動させる。すると、図14,図15に示すように、筐体2の右壁部51の上面部511に対し、右側のダクト部80の上側固定部86を介して、グリルフード60の右縁部62が簡単且つ正確に位置決めされる。そして、上側固定部86の固定孔864(図4参照)に対し、右縁部62の固定孔621が上方向に重合して配置される。他方、左壁部52の上面部521に対し、左側のダクト部80の上側固定部86を介して、グリルフード60の左縁部63が載置される。そして、上側固定部86の固定孔864(図4参照)に対し、左縁部63の固定孔631が上方向に重合して配置される。このようにして、グリルフード60の配置が完了する。
−遮熱板70の配置−
次いで、遮熱板70を、グリルフード60の上面を覆うようにして、上方から配置する。先ず、図4に示すように、遮熱板70の右側固定部74を、グリルフード60の右縁部62の上面に載置する。遮熱板70の左側固定部75を、グリルフード60の左縁部63の上面に載置する。このとき、遮熱板70の右側固定部74に設けられた係止爪786を、グリルフード60の右縁部62に設けられた係止孔622に上方から係止させる。遮熱板70の左側固定部75に設けられた係止爪(図示略)を、グリルフード60の左縁部63に設けられた係止孔632に上方から係止させる。これにより、図2,図4,図16に示すように、グリルフード60の上面に対して隙間を空けた状態で、遮熱板70が位置決めされる。この状態では、右縁部62の固定孔621と、右側固定部74の固定孔741が上下方向に重合して配置される。左縁部63の固定孔631と、左側固定部75の固定孔751が上下方向に重合して配置される。このようにして、遮熱板70の配置が完了する。
−バーナ取付台26,27の配置−
次いで、グリルユニット40の右側に、バーナ取付台26を配置する。先ず、図16に示すように、バーナ取付台26の右端側を下げ、その右端部に設けられた一対の引掛爪266を、筐体2の右側板部21に設けられた一対の引掛孔211に対し、筐体2の内側から挿入して引っ掛ける。一対の引掛爪266は、一対の引掛孔211から斜め上方に突出するので、バーナ取付台26の右端部は、右側板部21に対して係止された状態となる。これにより、一対の引掛爪266を支点として、バーナ取付台26の左端側を下方に回動させる。バーナ取付台26が略水平になると、バーナ取付台26の右端部に設けられた一対の当接部268が、右側板部21の内面に当接する。
この状態では、バーナ取付台26の左端側は、遮熱板70の右端側の位置決め部781に正確に配置される。バーナ取付台26の左端側に設けられた一対の係止爪267を、位置決め部781に設けられた一対の係止孔783に係止させる。これにより、バーナ取付台26は、右側板部21と、遮熱板70の位置決め部781との間を略水平に掛け渡される。そして、バーナ取付台26の固定部263の左端側は、遮熱板70の右側固定部74の上面に配置される。右側固定部74の固定孔741に対し、固定部263の左端側に設けられた固定孔269が上方向に重合して配置される。このようにして、バーナ取付台26の配置が完了する。
他方、バーナ取付台27も、バーナ取付台26と同様に配置する。先ず、バーナ取付台27の左端側を下げ、その左端部に設けられた一対の引掛爪276を、筐体2の左側板部22に設けられた一対の引掛孔221に対し、筐体2の内側から挿入して引っ掛ける。そして、一対の引掛爪276を支点として、バーナ取付台26の右端側を下方に回動させる。バーナ取付台27が略水平になると、引掛爪276は引掛孔221から左斜め上方に突出し、さらにバーナ取付台27の左端部に設けられた一対の当接部278が、左側板部22の内面に当接する。
この状態では、バーナ取付台27の右端側は、遮熱板70の左端側の位置決め部782に正確に配置される。バーナ取付台27の右端側に設けられた一対の係止爪277を、位置決め部782に設けられた一対の係止孔784に係止させる。これにより、バーナ取付台27は、左側板部22と、遮熱板70の位置決め部782との間を略水平に掛け渡される。そして、バーナ取付台27の固定部273の右端側は、遮熱板70の左側固定部75の上面に配置される。左側固定部75の固定孔751(図17参照)に対し、固定部273の左端側に設けられた固定孔279が上方向に重合して配置される。このようにして、バーナ取付台27の配置が完了する。
−ネジ91,92で共締め固定−
図4,図17に示すように、筐体2内において、ユニット本体部50、ダクト部80、グリルフード60、遮熱板70、及びバーナ取付台26,27(図17では、バーナ取付台27は図示略)が上積み方式で、下から順に配置されている。そして、ユニット本体部50の右壁部51の上面部511に対し、ダクト部80の上側固定部86、グリルフード60の右縁部62、遮熱板70の右側固定部74、及びバーナ取付台26の固定部263が順に積み重ねられている。さらに、ユニット本体部50の左壁部52の上面部521に対し、ダクト部80の上側固定部86、グリルフード60の左縁部63、遮熱板70の左側固定部75、及びバーナ取付台27の固定部273が順に積み重ねられている。
そして、図4に示すように、上面部511に設けられた固定孔512C(図9参照)、上側固定部86に設けられた固定孔864、右縁部62に設けられた固定孔621、右側固定部74に設けられた固定孔741、及び固定部263に設けられた固定孔269が、上下方向に互いに重合して配置されている。さらに、上面部521に設けられた固定孔522C(図9参照)、上側固定部86に設けられた固定孔864、左縁部63に設けられた固定孔631、左側固定部75に設けられた固定孔751、及び固定部273に設けられた固定孔279が、上下方向に互いに重合して配置されている。
そこで、作業者は、互いに重合して配置された右側の固定孔512C,864,621,741,269に対し、ネジ91を上方から締結する。他方、互いに重合して配置された左側の固定孔522C,864,631,751,279に対し、ネジ92を上方から締結する。これにより、筐体2内に取り付けられたユニット本体部50に対し、ダクト部80、グリルフード60、遮熱板70、及びバーナ取付台26,27を一度に共締め固定できる。
このように、本実施形態は、筐体2に対して、ユニット本体部50、二つのダクト部80、グリルフード60、遮熱板70、及びバーナ取付台26,27の順に、上積み方式で重ねることで、固定孔512C,864,621,741,269が上下方向に互いに重合し、さらに固定孔522C,864,631,751,279が上下方向に互いに重合するので、最後に上方からネジ91,92を上方から差し込んで一度に共締めできる。これにより、コンロ1の組立工程を効率よく、短時間で行うことができるので、コンロ1の組立性能を向上できる。
また、ユニット本体部50、グリルフード60等の各部品を積み重ねる方向と、ネジ91,92を締結する方向とが互いに同一方向(上方から下方)であるので、各部品を積み重ねて最後にネジ91,92を締結するまでの間、作業者が途中で筐体2の位置を置き換えたり、筐体2の姿勢(向き)を変えたりする必要も無い。これにより、作業者にかかる作業負荷を大幅に低減できる。さらに、各部品を上方から順に積み重ねて、最後にネジ91,92を上方から締結するだけであるので、作業工程が単純である。それ故、作業者による部品の誤組み付けの可能性を低減できる。また、ネジ91,92で、ユニット本体部50、二つのダクト部80、グリルフード60、遮熱板70、及びバーナ取付台26,27を共締めできるので、ネジ止め工程、及び組み立てに必要なネジの本数を削減できる。それ故、作業工程を単純化でき、且つネジにかかる費用も低減できる。
以上説明において、図5に示す開口部25が本発明の「グリル用開口」の一例である。図4に示すユニット本体部50が本発明の「下ユニット」の一例である。グリルフード60が本発明の「上ユニット」の一例である。図5に示す係止爪253,254が本発明の「下側取付片」の一例である。スリット513A,523Aが本発明の「下側差込孔」の一例である。図6に示す上側引掛爪247,248が本発明の「上側取付片」の一例である。図4に示すスリット641,642が本発明の「上側差込孔」の一例である。ユニット本体部50の上面部511が本発明の「第一取付部」の一例であり、固定孔512Cが本発明の「第一固定孔」の一例である。グリルフード60の右縁部62及び左縁部63が本発明の「第二取付部」の一例であり、固定孔621,631が本発明の「第二固定孔」の一例である。
前板部24の上枠部241に設けられた窓部244,245が本発明の「開口部」の一例である。グリルフード60の係止孔622,632と、遮熱板70の係止爪786が、本発明の「第一位置決め部」の一例である。遮熱板70の右側固定部74及び左側固定部75が、本発明の「第三取付部」の一例であり、固定孔741,751が本発明の「第三固定孔」の一例である。
遮熱板70の係止孔783,784と、バーナ取付台26,27の係止爪267,277が本発明の「第二位置決め部」の一例である。バーナ取付台26,27の固定部263,273が本発明の「第四取付部」の一例であり、固定孔269,279が本発明の「第四固定孔」の一例である。筐体2の右側板部21に設けられた引掛孔211と、左側板部22に設けられた引掛孔221が、本発明の「筐体側差込孔」の一例である。バーナ取付台26の右端部に設けられた引掛爪266と、バーナ取付台27の左端部に設けられた引掛爪276が、本発明の「台側取付片」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は、筐体2内にグリルユニット40を備える。筐体2の前板部24には、開口部25が設けられている。開口部25は、グリルユニット40の前方に位置する。開口部25の上側には、上枠部241が設けられている。グリルユニット40は、ユニット本体部50とグリルフード60を備える。ユニット本体部50は、正面視上方に向けて開口するコの字型に形成され、内側に調理空間を形成する。グリルフード60は、グリルバーナ65を備え、ユニット本体部50の開放された上部に積み重ねて装着される。
筐体2の前板部24に設けられた開口部25の左右両側には、右側内壁部251及び左側内壁部252が設けられている。右側内壁部251及び左側内壁部252の夫々の後端部には、係止爪253,254が設けられている。上枠部241の前面部2411の下端部には、上側引掛爪247,248が後方に突出して設けられている。ユニット本体部50の右壁部51及び左壁部52の夫々の前端部には、右側面部513及び左側面部523が設けられている。右側面部513にはスリット513Aが設けられ、左側面部523にはスリット523Aが設けられている。ユニット本体部50の右壁部51及び左壁部52の夫々の前端部には、上面部511,521が設けられている。上面部511,521には、固定孔512C,522Cが設けられている。グリルフード60の前端部に設けられた上縁部64には、スリット641,642が設けられている。グリルフード60の右縁部62には、固定孔621が設けられ、左縁部63には、固定孔631が設けられている。
上記構成のコンロ1の組立工程では、ユニット本体部50の前端側を下げた状態で筐体2内に挿入し、右側面部513及び左側面部523に設けられたスリット513A,523Aに対し、開口部25の右側内壁部251及び左側内壁部252に設けられた係止爪253,254を差し込む。これによって、ユニット本体部50の前端部が、係止爪253,254によって位置決めされる。次いで、ユニット本体部50と同様に、グリルフード60の前端側を下げた状態で、筐体2内に挿入し、上縁部64に設けられたスリット641,642に対し、上枠部241に設けられた上側引掛爪247,248を差し込む。これによって、グリルフード60の前端部が上側引掛爪247,248によって位置決めされる。この状態で、グリルフード60の後端側を下ろし、ユニット本体部50に対して上方から積み重ねる。このとき、ユニット本体部50の上面部511,521に設けられた固定孔512C,522Cと、グリルフード60の右縁部62及び左縁部63に設けられた固定孔621,631とが上下方向に互いに重合するので、上方からネジ91,92を差し込んで共締めできる。これにより、コンロ1の組立性能が向上し、ネジ止め工程、及び組み立てに必要なネジの本数を削減できる。また、これらの部品の位置決めの為の専用の固定部品が不要となり、部品点数の削減を図ることができる。さらにネジ止め箇所が少ないので、作業効率も向上できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のコンロ1はグリル付きテーブルコンロであるが、ビルトインタイプのコンロであってもよい。また、コンロ1は、右コンロバーナ5と左コンロバーナ6の2つのコンロバーナを備えるが、コンロバーナの数は2つに限らず、1つでもよく、3つ以上であってもよい。例えば、左コンロバーナ6を備えないコンロの場合、バーナ取付台27を省略してもよい。
また、上記実施形態のコンロ1は、グリルフード60の上に、遮熱板70を設けているが、遮熱板70を省略してもよい。また、上記実施形態では、グリルフード60の右縁部62及び左縁部63の夫々の上面に対し、遮熱板70の右側固定部74及び左側固定部75を当接することによって、遮熱板70を支持しているが、遮熱板70の支持構造は、これ以外の構造でもよい。それ故、例えば、グリルフード60の右縁部62及び左縁部63に対して、遮熱板70の左右両端部が必ずしも当接していなくてもよい。このような変形例の場合、バーナ取付台26の左端側を、グリルフード60の右縁部62の上面に当接させ、固定部263に設けられた固定孔269を、右縁部62に設けられた固定孔621に直接重合させてもよい。バーナ取付台27の右端側についても同様に、グリルフード60の左縁部63の上面に当接させ、固定部273に設けられた固定孔279を、左縁部63に設けられた固定孔631に直接重合させてもよい。
また、上記実施形態の上枠部241に設けられた上側引掛爪247,248、グリルフード60の上縁部64のスリット641,642は、夫々左右一対設けられているが、数は自由に変更であり、一つでもよく、三つ以上でもよい。
また、上記実施形態の上枠部241に設けられた窓部244,245は、略矩形状の開口部であるが、切欠き状に形成された開口部であってもよい。
また、上記実施形態では、グリルフード60にグリルバーナ65を設けているが、ユニット本体部50側にグリルバーナを設けてもよい。