JP6710968B2 - 定着装置および静電噴霧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電噴霧によって液体を噴霧する静電噴霧装置と、用紙上にトナー像を定着させる定着装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、転写されたトナー像を加熱によりトナーを溶融させ用紙にトナーを定着させる定着装置を備えたものが知られている。定着装置は、トナーを溶融するためにハロゲンヒータやセラミックヒータ等の発熱体を有する。溶融されたトナーは、用紙に対して加圧され用紙上に定着される。このような定着装置は、定着速度が速く、画像品質が良いことから広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置は、トナーを加熱することから多量の電力を消費するため画像形成装置の省電力には向かなかった。
上記のような課題に対し、トナーを溶解または膨潤させる定着液を用紙上のトナーに付与して、トナー像を用紙上に定着する定着装置を備えた画像形成装置がある。この定着装置は、熱定着方式のようなトナーを溶融させるための加熱処理が不要であり、消費電力が低く、省電力化に優れている。定着液をトナー像に塗布する方法としては、定着液をローラ表面に塗布し、ローラ上の定着液をトナー像に接触させて塗布する方法や、噴霧器などによって非接触でトナー像に塗布する方法などが知られている(特許文献1参照)。
ローラによって定着液を塗布する定着装置は、ローラとトナー像とが接触する構造となっている。そのため、このような定着装置は、ローラとトナー像とが接触することで、未定着のトナー像がローラ側に移動する(オフセットする)という課題を有していることが知れている。一方、噴霧器による定着装置は、トナー像に対して非接触で定着液を塗布することが出来るので、オフセットが発生しない。
しかし、定着液は、温度により粘度が変化するため定着液の温度上昇とともに低粘度化する定着液では、温度上昇とともに定着液の供給量が増加して、定着液を無駄に消費してしまうという問題点があった。このように問題点に対し、特許文献1の定着装置は、定着液の温度を調節するためのヒータを設け、定着液の温度を一定に保つように制御されている。これにより、上記の問題点を解決していた。
特開2009−69256号公報
しかしながら、従来技術では、定着装置がヒータを備えているので、省電力化には向かなかった。
そこで、本発明は、電力消費を抑えつつ、外部環境に応じた良好な静電噴霧を行うことを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、静電噴霧により記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する定着装置であって、定着液を内部に収容可能な収容部と、前記収容部に連通し、記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する複数のノズルと、前記ノズル内の定着液と、前記ノズルから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、前記収容部内の定着液に圧力をかける圧力付与部と、温度を検出する温度センサと、制御部と、を備える。
前記制御部は、前記温度センサで検出した温度に基づいて前記定着液にかける圧力の値を決定する。
この構成によれば、温度に基づいて定着液にかける圧力の値を決定するので、温度に応じた適切な噴霧を行うことができる。また、従来技術のようなヒータを設ける必要がないので、電力消費を抑えることができる。
また、前記した構成において、温度に対応した圧力が設定された圧力テーブルが記憶される記憶部を備え、前記制御部は、前記圧力テーブルに基づいて圧力の値を決定するように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記圧力テーブルにおける圧力は、温度と定着液の目標噴霧量とに対応して設定されていてもよい。
また、前記した構成において、前記圧力テーブルの圧力は、温度が小さくなるにつれて前記収容部内に加える圧力が大きくなるように設定されていてもよい。
また、前記した構成において、前記圧力テーブルにおける圧力は、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第1圧力と、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力よりも低い圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第2圧力とを含んで構成されていてもよい。
これによれば、例えば目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力が圧力範囲よりも高い値である場合には、圧力を第2圧力とすることで、噴霧状態を正常に保つことができる。
また、前記した構成において、前記第2圧力は、前記複数のノズルの先端で定着液のテイラーコーンを維持することができる最大の圧力と等しくてもよい。
また、前記した構成において、前記圧力テーブルにおける圧力は、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第1圧力と、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力よりも高い圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第3圧力とを含んで構成されていてもよい。
これによれば、例えば目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力が圧力範囲よりも低い値である場合には、圧力を第3圧力とすることで、噴霧状態を正常に保つことができる。
また、前記した構成において、前記第3圧力は、前記複数のノズルの先端で定着液のテイラーコーンを形成するための最低の圧力と等しくてもよい。
また、前記した構成において、前記制御部は、圧力を前記第1圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を第1ノズル数とし、圧力を前記第2圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を前記第1ノズル数よりも多い第2ノズル数とするように構成されていてもよい。
これによれば、目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力に満たない第2圧力に圧力を設定した場合には、噴霧量が目標噴霧量に満たなくなるが、この場合にノズル数を増やすことで、噴霧量を目標噴霧量に近づけることができるので、良好な定着を行うことができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、圧力を前記第1圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を第1ノズル数とし、圧力を前記第3圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を前記第1ノズル数よりも少ない第3ノズル数とするように構成されていてもよい。
これによれば、目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力よりも高い第3圧力に圧力を設定した場合には、噴霧量が目標噴霧量よりも多くなるが、この場合にノズル数を減らすことで、噴霧量を目標噴霧量に近づけることができるので、良好な定着を行うことができる。
また、前記圧力テーブルにおいて、温度が所定範囲内である場合には、前記目標噴霧量が第1噴霧量であるときの圧力が、前記目標噴霧量が前記第1噴霧量よりも多い第2噴霧量であるときの圧力よりも低い値に設定されていてもよい。
これによれば、温度が所定範囲内である場合に適切な噴霧量で定着を行うことができる。
また、前記圧力テーブルにおいて、温度が所定範囲外である場合には、前記目標噴霧量が第1噴霧量であるときの圧力が、前記目標噴霧量が前記第1噴霧量よりも多い第2噴霧量であるときの圧力よりも高い値に設定されていてもよい。
これによれば、温度が所定範囲外である場合に適切な噴霧量で定着を行うことができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、印刷指令を受ける前に、圧力の値を決定し、前記圧力付与部を制御して前記収容部内の前記定着液に圧力をかけるように構成されていてもよい。
これによれば、印刷指令を受ける前に仮決めした圧力を定着液にかけておくことで、印刷指令を受けた際に、印刷指令で指示されている噴霧量に関連したパラメータと温度とによって決定する圧力が、仮決めした値と同じとなる場合がある。この場合には、定着装置が噴霧可能な状態になるまでの時間を短くすることができ、ひいては印刷スピードを上げることができる。
また、本発明に係る定着装置は、帯電された定着液を静電噴霧により記録シート上の現像剤像に向けて噴霧することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置であって、前記定着液を内部に収容する収容部と、前記収容部に連通し、前記現像剤像に向けて前記定着液を噴霧する複数のノズルと、前記ノズル内の前記定着液と、前記ノズルから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、前記収容部内の前記定着液に圧力をかける圧力付与部と、温度を検出する温度センサと、湿度を検出する湿度センサと、制御部と、を備える。
前記制御部は、前記温度センサで検出した温度と、前記湿度センサで検出した湿度とに基づいて前記定着液に流す電流値を決定する。
これによれば、温度と湿度に基づいて電流値を決定するので、温度と湿度に応じた適切な噴霧を行うことができる。また、従来技術のようなヒータを設ける必要がないので、電力消費を抑えることができる。
また、前記した構成において、温度および湿度に対応した電流値が設定された電流値テーブルが記憶される記憶部を備え、前記制御部は、前記電流値テーブルに基づいて電流値を決定するように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記定着液に流れる電流を検出する電流センサを備え、前記制御部は、前記電流センサで検出した電流値が、決定した電流値となるように電圧を制御するように構成されていてもよい。
これによれば、噴霧量を一定にすることができる。
また、前記した構成において、前記記憶部は、定着液の目標噴霧量に応じた複数の前記電流値テーブルを記憶し、前記制御部は、前記目標噴霧量に基づいて前記電流値テーブルを選択するように構成されていてもよい。
これによれば、目標噴霧量に適した電流値を定着液に流すことができるので、定着液を適切に噴霧することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、画像の濃度に応じて目標噴霧量を決定するように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記温度センサは、定着装置の周囲の温度を検出可能であってもよい。
また、前記した構成において、前記温度センサは、定着液の温度を検出可能であってもよい。
また、前記した構成において、前記電界形成部は、前記収容部内の定着液と接触し、定着液に電圧を印可可能な第1電極と、前記ノズルと間隔を空けて配置され、前記ノズルの先端との間で電界を形成するための第2電極と、を有していてもよい。
また、本発明に係る静電噴霧装置は、静電噴霧によって液体を噴霧する静電噴霧装置であって、液体を内部に収容可能な収容部と、前記収容部に連通する複数のノズルと、前記容器内の液体と接触し、液体に所定の電圧を印可可能な電極と、前記収容部内の液体に圧力をかける圧力付与部と、温度を検出する温度センサと、制御部と、を備える
前記制御部は、前記温度センサで検出した温度に基づいて前記液体にかける圧力の値を決定する。
この構成でも、温度に基づいて液体にかける圧力の値を決定するので、温度に応じた適切な噴霧を行うことができる。また、従来技術のようなヒータを設ける必要がないので、電力消費を抑えることができる。
本発明によれば、電力消費を抑えつつ、外部環境に応じた良好な静電噴霧を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る定着装置を備えたレーザプリンタを示す図である。 定着ヘッドを、斜め上方から見た斜視図(a)と、斜め下方から見た斜視図(b)である。 定着ヘッドを、前方から見た正面図(a)と、下方から見た下面図(b)である。 第1電流値テーブルを示す図(a)と、第2電流値テーブルを示す図(b)である。 第1圧力テーブルを示す図(a)と、第2圧力テーブルを示す図(b)である。 第1圧力テーブルのうち目標圧力として選択される圧力を示す図(a)と、第2圧力テーブルのうち目標圧力として選択される圧力を示す図(b)である。 第1圧力テーブルと第2圧力テーブルを重ねて示す図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 テーブルPn2,Pmax2,Pmin2に基づいて圧力制御を行うときに利用する、ノズル数と温度との関係を示すテーブルである。 テーブルPn1,Pmax1,Pmin1に基づいて圧力制御を行うときに利用する、ノズル数と温度との関係を示すテーブルである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、レーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、筐体2と、記録シートの一例としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
フィーダ部3は、筐体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。
画像形成部4は、筐体2内に収容されており、主に、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、転写ローラTRと、静電噴霧装置の一例としての定着装置7とを備えている。
スキャナユニット5は、筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
プロセスカートリッジ6は、筐体2に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ6は、静電潜像が形成される感光ドラム61と、図示しない帯電器と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部62と、トナー収容部62内のトナーを感光ドラム61に供給する供給ローラ63および現像ローラ64を備えている。
このプロセスカートリッジ6では、図示せぬ帯電器が、回転する感光ドラム61の表面を一様に帯電する。スキャナユニット5は、感光ドラム61の表面にレーザビームを出射して、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
次いで、回転駆動される現像ローラ64が、感光ドラム61の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム61の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム61の表面上に担持されたトナー像は、用紙Pが感光ドラム61と転写ローラTRの間で搬送される際に、転写ローラTRに引き寄せられて用紙P上に転写する。
定着装置7は、液体の一例としての、帯電された定着液Lを静電噴霧により用紙P上のトナー像に向けて噴霧することで、用紙P上にトナー像を定着させる装置である。なお、定着装置7の構成については、後で詳述する。
用紙Pの搬送方向において、定着装置7の下流側には、定着装置7から排出された用紙Pを下流側に搬送するための下流側搬送ローラ81が設けられている。下流側搬送ローラ81によって搬送された用紙Pは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に排出される。
次に、定着装置7の構成について詳細に説明する。
定着装置7は、定着液Lを噴霧するための定着ヘッド71と、定着ヘッド71の下で用紙Pを支持する第2電極72とを備えている。
定着液Lは、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたもの使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。つまり、本実施形態では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系として、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、脂肪族ジカルボン酸エステル系として、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、脂肪族トリカルボン酸エステル系として、oアセチルクエン酸トリエチル、oアセチルクエン酸トリブチル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系としてコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、炭酸エステル系として炭酸エチレン、炭酸プロピレンを使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。
また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えても良く、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類を使用することができる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を使用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル類を使用することができる。
定着ヘッド71は、第1ヘッド71Aと、第2ヘッド71Bと、第3ヘッド71Cとを有している。各ヘッド71A〜71Cは、用紙Pの搬送方向上流側から下流側に向けて、第1ヘッド71A、第2ヘッド71B、第3ヘッド71Cの順で並んで配置されている。
第1ヘッド71Aは、定着液Lを内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、トナー像に向けて定着液Lを噴霧する複数のノズルNと、収容部73内および各ノズルN内の定着液Lに電圧を印加する第1電極74と、を備えている。なお、第2ヘッド71Bおよび第3ヘッド71Cは、第1ヘッド71Aと略同様の構成となっているため、第2ヘッド71Bおよび第3ヘッド71Cを構成する部材には第1ヘッド71Aを構成する部材と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
第1電極74は、収容部73の上壁73Aを上から下に貫通するように設けられ、下端部が収容部73内の定着液L内に配置され、上端部が、制御部100によって制御される電圧印加部120に接続されている。第1電極74に印加される電圧は、1kV〜10kVであることが好ましい。各第1電極74と電圧印加部120との間には、各第1電極74に対応するように複数の電流センサSAが設けられており、各電流センサSAによって各第1電極74に流れる電流が検出されている。なお、各第1電極74に流れる電流の検出は、電圧印加部120によって行ってもよい。
各ヘッド71A〜71Cには、圧力付与部の一例としての加圧装置75が接続されている。加圧装置75は、各ヘッド71A〜71C内の定着液Lに圧力をかける装置であり、各ヘッド71A〜71C内に定着液Lを送り込むことで加圧するポンプと、各ヘッド71A〜71C内から定着液Lを逃がすことで減圧する減圧弁とを有している。また、各ヘッド71A〜71Cには、各ヘッド71A〜71C内の圧力を検出する圧力センサSP(1つのみを代表して図示)がそれぞれ設けられている。なお、本実施形態では、加圧装置75によって各ヘッド内の圧力を調整することとするが、ヘッド内部の定着液の水頭差によってヘッド内部の圧力を調整しても良い。
第2電極72は、用紙Pに接触して、ノズルN内の定着液Lと用紙Pとの間に電位差を形成するための電極であり、各ヘッド71A〜71Cの各ノズルNの先端から所定距離離れるように、各ヘッド71A〜71Cの下に配置されている。ここで、所定距離は、用紙Pの厚さよりも大きな距離であり、実験やシミュレーション等によって静電噴霧を好適に行うことが可能な距離に設定されている。
第2電極72は、接地されている。なお、第2電極72は、必ずしも接地させる必要はなく、例えば第1電極74に印加される電圧よりも小さな電圧を第2電極72に印加してもよい。第2電極72は、ノズルNの先端との間で電界を形成している。
第1電極74に電圧が印加されるとノズルNの先端付近の空間に電界が形成される。具体的には、収容部73内の定着液Lは、加圧装置75により圧力が加えられている。これにより、定着液Lは、ノズルNの先端に向けて供給される。このノズルNの先端の定着液Lと第2電極72との間に電界が形成される。すると、ノズルNの先端では、定着液Lが電界に引っ張られていわゆるテイラーコーンが形成される。このテイラーコーンの先端に電界が集中して、テイラーコーンの先端から定着液Lが引きちぎられることによって微細な液滴が生成される。
ノズルNから噴霧された液滴状の定着液Lは、正に帯電している。これに対し、用紙Pは実質的にゼロ電位状態になっている。このため、液滴状の定着液Lは、クーロン力によって用紙Pに向かって飛んでゆき、用紙P上やトナー像上に付着する。
電流センサSAは、第1電極74に流れる電流を検出することで、定着液Lに流れる電流を間接的に検出するセンサであり、ノズルNから用紙Pに定着液Lが噴霧された際に第1電極74に流れる電流を検出し、その検出値を制御部100に出力している。ここで、第1電極74に電圧が印加されても、ノズルNから定着液Lが噴霧されていないときには、第1電極74には電流が流れず、ノズルNから定着液Lが噴霧されること、つまり帯電された定着液LがノズルNから用紙Pに移動することによって、第1電極74に電流が流れるようになっている。
このように構成された第1電極74および第2電極72は、ノズルN内の定着液Lと、ノズルNから離れた位置で搬送される用紙Pとの間に電位差を形成するための電位差形成部となっている。
また、筐体2には、温度を検出する温度センサSTと、湿度を検出する湿度センサSHが設けられている。温度センサSTおよび湿度センサSHは、それぞれ検出した温度または湿度を制御部100に出力している。なお、本実施形態では、温度センサSTによって定着装置7の周囲の温度を検出することとするが、本発明はこれに限定されず、例えば温度センサによって定着液の温度を検出してもよい。
図2(a)に示すように、第1ヘッド71Aの収容部73は、左右方向、つまり用紙Pの幅方向に長尺となる矩形の容器であり、上壁73A、前壁73B、後壁73C、左壁73D、右壁73Eおよび下壁73Fを有している。第2ヘッド71Bの収容部73は、左右方向において第1ヘッド71Aの収容部73と同じ大きさで、搬送方向において第1ヘッド71Aの収容部73よりも小さくなっている。第3ヘッド71Cの収容部73は、第2ヘッド71Bの収容部73と同じ大きさとなっている。
図2(b)に示すように、各ヘッド71A〜71Cにおける複数のノズルNは、それぞれ収容部73の下壁73Fから下方に向けて突出しており、下方に向かう程、徐々に縮径している。複数のノズルNは、用紙Pの幅方向、つまり左右方向に複数配列されるとともに、用紙Pの搬送方向、つまり前後方向に複数配列されている。各ノズルNの内径は、0.1mm〜1.0mmであることが好ましい。
詳しくは、第1ヘッド71Aにおける複数のノズルNは、搬送方向に並ぶ第1千鳥配列群U1および第2千鳥配列群U2を構成している。第2ヘッド71Bにおける複数のノズルNは、第3千鳥配列群U3を構成し、第3ヘッド71Cにおける複数のノズルNは、第4千鳥配列群U4を構成している。
図3(a),(b)に示すように、第1千鳥配列群U1は、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第1ノズルN1と、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第2ノズルN2とからなり、幅方向の一方側から他方側に向けて、第1ノズルN1と第2ノズルN2とが搬送方向の一方側と他方側に交互に配置されている。また、各第2ノズルN2は、幅方向において2つの第1ノズルN1の間に配置されている。そして、幅方向で隣り合う2つの第1ノズルN1と、これら2つの第1ノズルN1の間に配置される第2ノズルN2とを結んだ形状は、正三角形または二等辺三角形となっている。また、幅方向で隣り合う2つの第2ノズルN2と、これら2つの第2ノズルN2の間に配置される第1ノズルN1とを結んだ形状も、正三角形または二等辺三角形となっている。
第2千鳥配列群U2、第3千鳥配列群U3および第4千鳥配列群U4は、第1千鳥配列群U1と同じ構造となっている。本実施形態においてノズルピッチ(最短のノズルピッチ)は、1mm以上、14mm以下の範囲で設定すれば良い。
図1に示すように、制御部100は、RAMやROMなどからなる記憶部110、CPU、入出力回路などを備えており、外部から入力されてくる画像データや、圧力センサSP、電流センサSA、温度センサSTおよび湿度センサSHからの信号に基づいて、第1電極74に印加する電圧や加圧装置75を制御する機能を有している。
具体的に、制御部100は、印刷データの画像濃度に応じて、用紙Pの単位面積当たりに噴霧する定着液Lの目標値である目標噴霧量を決定する機能を有している。詳しくは、制御部100は、印刷データがテキストデータである場合には、目標噴霧量として所定の第1噴霧量ρ1を設定し、印刷データが画像データ、つまりテキストデータよりも画像濃度が高い場合には、目標噴霧量として第1噴霧量ρ1よりも大きな第2噴霧量ρ2を設定する。
また、制御部100は、温度センサSTで検出した温度と、湿度センサSHで検出した湿度とに基づいて定着液Lに流す電流値を決定する機能を有している。具体的には、記憶部110には、図4(a)に示す第1電流値テーブルと、図4(b)に示す第2電流値テーブルとが記憶されている。なお、本実施形態では、各電流値テーブルをグラフ(関数)として記憶部110に記憶させているが、本発明はこれに限定されず、各電流値テーブルを表形式で記憶部110に記憶させておいてもよい。
制御部100は、目標噴霧量を第1噴霧量ρ1に設定する場合には、第1電流値テーブルを選択し、目標噴霧量を第2噴霧量ρ2に設定する場合には、第2電流値テーブルを選択し、選択した電流値テーブルと温度および湿度とに基づいて電流値を決定する。
第1電流値テーブルは、第1噴霧量ρ1に対応した電流値と、温度と、湿度(相対湿度)との関係を示すテーブルであり、実験やシミュレーション等により適宜設定されている。第1電流値テーブルでは、電流値は、湿度が第1湿度H1から第2湿度H2までの範囲内である場合には、温度がどのような値であっても、略同じ値A1に設定されている。また、湿度が第2湿度H2よりも高い場合には、電流値は、湿度が高くなるほど大きく、かつ、温度が高くなるほど大きい値に設定されている。
なお、第1電流値テーブルは、温度や湿度が高くなるほど、電流が空気中に放電される現象を考慮して設定されている。また、電流値A1は、第1噴霧量ρ1を噴霧するのに必要な圧力(後述する必要圧力α)が定着液Lにかけられている状態において、第1噴霧量ρ1を噴霧するのに必要な電流値に設定されている。なお、後述する第2電流値テーブルおよび電流値A2も同様に設定されている。
第2電流値テーブルは、第2噴霧量ρ2に対応した電流値と、温度と、湿度(相対湿度)との関係を示すテーブルであり、実験やシミュレーション等により適宜設定されている。第2電流値テーブルでは、電流値は、湿度が第1湿度H1から第2湿度H2までの範囲内である場合には、温度がどのような値であっても、略同じ値A2に設定されている。ここで、A2は、A1よりも大きな値である。また、湿度が第2湿度H2よりも高い場合には、電流値は、湿度が高くなるほど大きく、かつ、温度が高くなるほど大きい値に設定されている。
また、制御部100は、電流値を決定した後、電流センサSAで検出した電流値が、決定した電流値となるように電圧を制御する機能を有している。なお、以下の説明では、決定した電流値を、目標電流値とも称する。
また、制御部100は、温度センサSTで検出した温度に基づいて定着液Lにかける圧力の値を決定する機能を有している。具体的には、記憶部110には、図5(a)に示す第1圧力テーブルと、図5(b)に示す第2圧力テーブルとが記憶されている。なお、本実施形態では、各圧力テーブルをグラフ(関数)として記憶部110に記憶させているが、本発明はこれに限定されず、各圧力テーブルを表形式で記憶部110に記憶させておいてもよい。
制御部100は、目標噴霧量を第1噴霧量ρ1に設定する場合には、第1圧力テーブルを選択し、目標噴霧量を第2噴霧量ρ2に設定する場合には、第2圧力テーブルを選択し、選択した圧力テーブルと温度とに基づいて圧力の値を決定する。なお、各圧力テーブルは、実験やシミュレーション等により適宜設定されている。
第1圧力テーブルは、第1必要圧力テーブルPn1と、第1上限圧力テーブルPmax1と、第1下限圧力テーブルPmin1とで構成されている。第1必要圧力テーブルPn1は、第1噴霧量ρ1を噴霧するのに必要な圧力と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、所定温度T1よりも大きな常温・高温領域よりも、圧力の変化量(温度の上昇量に対する圧力の下降量)が大きくなるように設定されている。これは、定着液の温度によって定着液の粘度が変化するためである。定着液は、温度が小さくなるほど粘度が高くなるので、所望の噴霧量を得るためには定着液に加える圧力の値を大きくする必要がある。また、定着液の温度が高いと定着液の粘度は小さくなるので、所望の噴霧量を得るためには、定着液に加える圧力を小さくする必要がある。この第1必要圧力テーブルPn1は、実験により求めることができる。
第1上限圧力テーブルPmax1は、第1噴霧量ρ1に対応した電圧が第1電極74に印加されている状態において定着液Lを正常に噴霧できる圧力の上限値と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、圧力が略一定の値P4に設定され、所定温度T1から温度が高くなるほど、圧力の変化量が徐々に大きくなっていき、ある程度高温になると、圧力の変化量が徐々に小さくなるように設定されている。
具体的には、第1上限圧力テーブルPmax1は、ノズルNの先端でテイラーコーンを維持するために収容部73内に印加される圧力値の上限値を示す。一般にテイラーコーンは、特定の範囲の液体の流量(ノズルNの先端に供給される定着液量)および電界でのみ発生する。テイラーコーンを形成するための電界および流量を下回るか上回ると、安定したテイラーコーンは形成されない。そこで、収容部73内の圧力を調整することで、ノズルNの先端に供給される定着液Lの量を制御する必要がある。
静電噴霧においてノズルNから良好な噴霧を行うためには、ノズルNの先端にテイラーコーンを形成する必要がある。テイラーコーンは、ノズルNの先端における定着液Lの表面張力と電界による静電気力とが釣り合うときに形成される。この状態で、電界強度を上げると表面張力に対してテイラーコーン先端の静電気力による反発によって、微細な液滴が噴霧される。
ここでノズルNの先端まで定着液Lを供給するためには加圧装置75によって定着ヘッド71内部の定着液Lを加圧する必要がある。しかし、加圧装置75が定着液Lに印加する圧力が大きすぎると、テイラーコーンを維持するための表面張力と電界のつり合いを保つことができず、ノズルNの先端で良好なテイラーコーンを形成することが出来ない。つまり、形成される電界とノズル径が一定であればテイラーコーンを維持するための条件は、定着液Lの表面張力が支配的である。
つまり、第1上限圧力テーブルPmax1は、定着液Lの表面張力の関数として実験的に求めることができる。一般に液体の表面張力は、温度の減少関数であることが知られており、低温では上に凸の関数であり高温では下に凸の関数となる。
そこで、制御部100は、記憶部110に記憶された第1上限圧力テーブルPmax1に基づいて、収容部73内の定着液Lの圧力を第1上限圧力テーブルPmax1より大きくならないように加圧装置75を制御する。
第1下限圧力テーブルPmin1は、第1噴霧量ρ1に対応した電圧が第1電極74に印加されている状態において定着液Lを正常に噴霧できる圧力の下限値と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、圧力が略一定の値P2(P2<P4)に設定され、所定温度T1から温度が高くなるほど、圧力の変化量が徐々に大きくなっていき、ある程度高温になると、圧力の変化量が徐々に小さくなるように設定されている。
第1下限圧力テーブルPmin1は、ノズルNの先端にテイラーコーンを形成するために定着液Lに印加する圧力の下限値を示す。第1下限圧力テーブルPmin1より圧力が小さい場合は、定着液Lの表面張力で液の形状を保持しようとするので。テイラーコーンが形成されない。そこで、収容部75内の定着液Lに圧力を印加してテイラーコーンを形成しやすくする必要がある。第1下限圧力テーブルPmin1の値は、このときに収容部75内の定着液Lに印加される圧力であり、ノズル径が一定であれば定着液Lの表面張力の関数として実験的に求めることができる。
第2圧力テーブルは、第2必要圧力テーブルPn2と、第2上限圧力テーブルPmax2と、第2下限圧力テーブルPmin2とで構成されている。第2必要圧力テーブルPn2は、第2噴霧量ρ2を噴霧するのに必要な圧力と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、所定温度T1よりも大きな常温・高温領域よりも、圧力の変化量が大きくなるように設定されている。
第2上限圧力テーブルPmax2は、第2噴霧量ρ2に対応した電圧が第1電極74に印加されている状態において定着液Lを正常に噴霧できる圧力の上限値と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、圧力が略一定の値P3(P2<P3<P4)に設定され、所定温度T1から温度が高くなるほど、圧力の変化量が徐々に大きくなっていき、ある程度高温になると、圧力の変化量が徐々に小さくなるように設定されている。
第2下限圧力テーブルPmin2は、第2噴霧量ρ2に対応した電圧が第1電極74に印加されている状態において定着液Lを正常に噴霧できる圧力の下限値と温度との関係を示すテーブルであり、当該テーブルにおける圧力は、温度が高くなるほど小さな値に設定されている。詳しくは、温度が0から所定温度T1までの低温度領域では、圧力が略一定の値P1(P1<P2)に設定され、所定温度T1から温度が高くなるほど、圧力の変化量が徐々に大きくなっていき、ある程度高温になると、圧力の変化量が徐々に小さくなるように設定されている。
制御部100は、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1であり、温度センサSTで検出した温度が所定温度である場合に、第1必要圧力テーブルPn1、第1上限圧力テーブルPmax1および第1下限圧力テーブルPmin1から所定温度に対応した必要圧力α、上限値βおよび下限値γを取得する。そして、制御部100は、圧力の関係が、γ≦α≦βである場合には、定着液Lの目標圧力として必要圧力αを設定する。また、制御部100は、β<αである場合には、目標圧力として上限値βを設定し、α<γである場合には、目標圧力として下限値γを設定する。なお、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2である場合には、制御部100は、前述した方法と同じ方法で、第2必要圧力テーブルPn2、第2上限圧力テーブルPmax2および第2下限圧力テーブルPmin2から必要圧力α、上限値βおよび下限値γを取得し、これらの値の大きさを比べて、目標圧力を設定する。
つまり、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1である場合には、図6(a)に示すように、制御部100は、温度が0(℃)からT11の間では上限値βを選択し、T11からT12の間では、必要圧力αを選択し、T12からT13の間では、下限値γを選択し、T13より高い場合には、必要圧力αを選択する。ここで、温度がT11〜T12である場合またはT13より高い場合における必要圧力αは、第1圧力に相当し、温度が0〜T11である場合における上限値βは、第2圧力に相当し、温度がT12〜T13である場合における下限値γは、第3圧力に相当する。ここで、第2圧力は、複数のノズルNの先端で定着液Lのテイラーコーンを維持することができる最大の圧力と等しい値に設定することができる。また、第3圧力は、複数のノズルNの先端で定着液Lのテイラーコーンを形成するための最低の圧力と等しい値に設定することができる。
なお、前述した電流値A1は、温度がT11〜T12の間またはT13よりも高い状況において定着液Lに必要圧力αがかけられている場合における、第1噴霧量ρ1の噴霧に必要な電流値に設定されている。
また、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2である場合には、図6(b)に示すように、制御部100は、温度が0(℃)からT21の間では上限値βを選択し、T21からT22の間では、必要圧力αを選択し、T22より高い場合には、上限値βを選択する。ここで、温度がT21〜T22である場合における必要圧力αは、第1圧力に相当し、温度が0〜T21またはT22より高い場合における上限値βは、第2圧力に相当する。
なお、前述した電流値A2は、温度がT21〜T22の間である状況において定着液Lに必要圧力αがかけられている場合における、第1噴霧量ρ1の噴霧に必要な電流値に設定されている。
図7は、第1圧力テーブルと第2圧力テーブルを重ねた図を示している。図7に示すように、温度がT31〜T32の所定範囲内である場合には、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1であるときに選択される圧力(太い実線参照)が、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2であるときに選択される圧力(太い破線参照)よりも低い値に設定されている。また、温度が所定範囲外である場合には、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1であるときに選択される圧力が、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2であるときに選択される圧力よりも高い値に設定されている。
また、制御部100は、設定した目標圧力に応じて、作動させるノズルNの数を変更する機能を有している。具体的に、制御部100は、目標圧力を必要圧力αに設定した場合には、第1ヘッド71Aおよび第2ヘッド71Bのみを作動させ、第3ヘッド71Cは作動させないように各ヘッド71A〜71Cの各第1電極74に印加する電圧を制御する。詳しくは、制御部100は、第1ヘッド71Aおよび第2ヘッド71Bの各第1電極74に電圧を印加し、第3ヘッド71Cの第1電極74には電圧を印加しない。
また、制御部100は、目標圧力を上限値βに設定した場合には、3つのヘッド71A〜71Cをすべて作動させるように各ヘッド71A〜71Cの各第1電極74に印加する電圧を制御する。さらに、制御部100は、目標圧力を下限値γに設定した場合には、第1ヘッド71Aのみを作動させ、第2ヘッド71Bおよび第3ヘッド71Cは作動させないように各ヘッド71A〜71Cの各第1電極74に印加する電圧を制御する。
つまり、制御部100は、目標圧力を必要圧力αに設定した場合には、作動させるノズルNの数を第1ノズル数とし、目標圧力を上限値βに設定した場合には、作動させるノズルNの数を第1ノズル数よりも多い第2ノズル数とする。また、制御部100は、目標圧力を下限値γに設定した場合には、作動させるノズルNの数を第1ノズル数よりも少ない第3ノズル数とする。
また、制御部100は、印刷指令を受ける前に、目標圧力の値(以下、「仮目標圧力」ともいう。)を仮決めし、加圧装置75を制御して各ヘッド71A〜71Cの各収容部73内の定着液Lに圧力をかけるように構成されている。なお、本実施形態では、第1圧力テーブルを参照して仮目標圧力を設定することとするが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2圧力テーブルから仮目標圧力を設定してもよいし、ユーザの使用履歴から第1圧力テーブルの使用回数と第2圧力テーブルの使用回数を比較し、使用回数の多い方の圧力テーブルから仮目標圧力を設定してもよい。
次に、制御部100の動作を詳細に説明する。
図8に示すように、制御部100は、レーザプリンタ1の電源がONになった場合またはスリープ状態から復帰した場合には(START)、まず、温度センサSTによって温度を測定する(S1)。ステップS1の後、制御部100は、圧力センサSPによって各ヘッド71A〜71C内の圧力を測定する(S2)。
ステップS2の後、制御部100は、第1圧力テーブルと温度とに基づいて仮目標圧力を設定する(S3)。ステップS3の後、制御部100は、圧力センサSPで測定した圧力が仮目標圧力であるか否かを判断することで、圧力調整が不要であるか否かを判断する(S4)。なお、圧力が仮目標圧力であるかの判定は、圧力が、仮目標圧力と一致するか否かで行ってもよいし、仮目標圧力を含む所定の誤差範囲内に入っているか否かで行ってもよい。
ステップS4において圧力が仮目標圧力でない、つまり圧力調整が必要であると判断した場合には(No)、制御部100は、加圧装置75のポンプまたは減圧弁を駆動して各ヘッド71A〜71C内の定着液Lを加圧または減圧し(S5)、ステップS2の処理に戻る。ステップS4において圧力が仮目標圧力である、つまり圧力調整が不要であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、印刷データを受信したか否かを判断する(S6)。なお、圧力調整が不要と判断した場合には、制御部100は、加圧装置75のポンプまたは減圧弁の駆動を停止することで、各ヘッド71A〜71C内の液圧を仮目標圧力に保つ。
ステップS6において印刷データを受信していないと判断した場合には(No)、制御部100は、圧力調整が不要であると判断してから所定時間が経過したか否かを判断する(S7)。ステップS7において所定時間が経過していないと判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS6の処理に戻る。
ステップS7において所定時間が経過したと判断した場合には(Yes)、制御部100は、スリープモードに移行して(S8)、本制御を終了する。なお、スリープモードにおいては、各ヘッド71A〜71C内の圧力は、減圧弁を開放することで初期状態に戻してもよいし、そのままの圧力の値に維持してもよい。
ステップS6において印刷データを受信したと判断した場合には(Yes)、制御部100は、印刷データに基づいて目標噴霧量を設定する(S9)。具体的には、制御部100は、印刷データがテキストデータである場合には、目標噴霧量を第1噴霧量ρ1に設定し、印刷データが画像データである場合には、目標噴霧量を第2噴霧量ρ2に設定する。
ステップS9の後、制御部100は、設定した目標噴霧量に基づいて電流値テーブルと圧力テーブルを選択する(S10)。具体的には、制御部100は、目標噴霧量を第1噴霧量ρ1に設定した場合には、第1電流値テーブルと第1圧力テーブルを選択し、目標噴霧量を第2噴霧量ρ2に設定した場合には、第2電流値テーブルと第2圧力テーブルを選択する。
ステップS10の後、制御部100は、温度センサSTによって温度を測定するとともに、湿度センサSHによって湿度を測定する(S11)。ステップS11の後、制御部100は、ステップS10で選択した電流値テーブルと温度と湿度とに基づいて目標電流値を設定する(S12)。
ステップS12の後、制御部100は、ステップS10で選択した圧力テーブルから目標圧力を設定するとともに、設定した目標圧力に基づいて各第1ヘッド71A〜71Cの中から作動対象とするヘッドを選択する(S13)。ステップS13の後、制御部100は、圧力センサSPによって各ヘッド71A〜71C内の圧力を測定する(S14)。
ステップS14の後、制御部100は、圧力センサSPで測定した圧力が目標圧力であるか否かを判断することで、圧力調整が不要であるか否かを判断する(S15)。なお、圧力が目標圧力であるかの判定は、圧力が、目標圧力と一致するか否かで行ってもよいし、目標圧力を含む所定の誤差範囲内に入っているか否かで行ってもよい。
ステップS15において圧力が目標圧力でない、つまり圧力調整が必要であると判断した場合には(No)、制御部100は、加圧装置75のポンプまたは減圧弁を駆動して各ヘッド71A〜71C内の定着液Lを加圧または減圧し(S16)、ステップS14の処理に戻る。ステップS15において圧力が目標圧力である、つまり圧力調整が不要であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、加圧装置75のポンプまたは減圧弁の駆動を停止した後、定電流制御により静電噴霧を行って(S17)、本制御を終了する。具体的には、制御部100は、ステップS13で選択したヘッドの第1電極74のみへ電圧を印加し、電流センサSAで検出した電流が目標電流値となるように、電圧を制御する。また、ステップS17において、制御部100は、印刷指令で指定された枚数分の印刷を開始してから終了するまでの時間だけ定電流制御を行い、その後、電圧の印加を停止して本制御を終了する。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
温度に基づいて定着液Lにかける圧力の値を決定するので、温度に応じた適切な噴霧を行うことができる。また、従来技術のようなヒータを設ける必要がないので、電力消費を抑えることができる。
必要圧力αが上限値βよりも大きい場合には、上限値βを目標圧力とするので、噴霧状態を正常に保つことができる。ここで、定着液Lの噴霧量は、定着液Lに流れる電流が大きくなるほど多くなり、定着液Lにかかる圧力が高くなるほど多くなる傾向にある。そのため、必要圧力αよりも小さい上限値βに目標圧力を設定した場合には、噴霧量が目標噴霧量に満たなくなるが、この場合にノズル数を増やす、詳しくはヘッドの数を2から3に増やすことで、噴霧量を目標噴霧量に近づけることができるので、良好な定着を行うことができる。
必要圧力αが下限値γよりも小さい場合には、下限値γを目標圧力とするので、噴霧状態を正常に保つことができる。なお、必要圧力αよりも大きい下限値γに目標圧力を設定した場合には、噴霧量が目標噴霧量よりも多くなるが、この場合にノズル数を減らす、詳しくはヘッドの数を2から1に減らすことで、噴霧量を目標噴霧量に近づけることができるので、良好な定着を行うことができる。
図7に示すように、温度がT31〜T32の所定範囲内である場合には、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1であるときの圧力が、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2であるときの圧力よりも低い値に設定されているので、温度がT31〜T32の所定範囲内である場合に適切な噴霧量で定着を行うことができる。
温度が所定範囲外である場合には、目標噴霧量が第1噴霧量ρ1であるときの圧力が、目標噴霧量が第2噴霧量ρ2であるときの圧力よりも高い値に設定されているので、温度が所定範囲外である場合に適切な噴霧量で定着を行うことができる。
印刷データを受ける前に仮決めした仮目標圧力を定着液Lにかけておくことで(S5)、印刷データを受けた際に(S6:Yes)、印刷データで指示されているデータの種類(テキストまたは画像)と温度とによって決定する目標圧力が、仮目標圧力と同じとなる場合がある。この場合には、定着装置7が噴霧可能な状態になるまでの時間を短くすることができ、ひいては印刷スピードを上げることができる。
温度と湿度に基づいて電流値を決定するので、温度と湿度に応じた適切な噴霧を行うことができる。
電流センサSAで検出した電流値が、決定した目標電流値となるように電圧を制御するので、噴霧量を一定にすることができる。
目標噴霧量に基づいて電流値テーブルを選択するので、目標噴霧量に適した電流値を定着液Lに流すことができ、定着液Lを適切に噴霧することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、第1圧力テーブルを、図5(a)に示すような、3つのテーブルPn1,Pmax1,Pmin1で構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば図6(a)に太線で示すテーブルで構成してもよい。つまり、3つのテーブルPn1,Pmax1,Pmin1のうち目標圧力として選択される圧力のみが設定されたテーブルのみを記憶部に記憶させてもよい。なお、第2圧力テーブルも同様に、図6(b)に太線で示すテーブルで構成してもよい。
ここで、圧力テーブルは、使用する定着液の種類によって傾向が異なるため、使用する定着液の種類に応じて実験やシミュレーション等を行うことで適宜決定すればよい。なお、電流値テーブルの基準となる電流値(例えば図4(a)に示す電流値A1)も、使用する定着液の種類に応じて実験やシミュレーション等を行うことで適宜決定すればよい。
前記実施形態では、必要圧力αが上限値βよりも高い場合には、目標圧力を上限値βに設定したが、本発明はこれに限定されず、例えば必要圧力αが上限値βを超えた場合に、目標圧力を、上限値βと下限値γとの間の範囲内にある圧力に設定してもよい。また、必要圧力αが下限値γよりも低い場合にも、同様に、目標圧力を、上限値βと下限値γとの間の範囲内にある圧力に設定してもよい。
前記実施形態では、圧力付与部として、ポンプや減圧弁を有する加圧装置75を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各ヘッド内の空気を加圧または減圧するシリンダなどであってもよい。
前記実施形態では、目標噴霧量として、テキストデータに対応した第1噴霧量ρ1と、画像データに対応した第2噴霧量ρ2とを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、画像の濃度(0%、20%、40%、・・・)に応じた3種類以上の目標噴霧量を設定してもよい。
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、第1電極74を収容部73の内部に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えばノズルおよび収容部を金属等の導電性部材で形成して、ノズルまたは収容部に対して電圧を印加してもよい。なお、この場合には、電圧が印加されるノズルまたは収容部が、第1電極として機能する。また、収容部を樹脂等の非導電性の部材で形成し、ノズルを金属等の導電性の部材で形成し、ノズルに電圧を印加するようにしてもよい。なお、この場合には、ノズルが第1電極として機能する。
また、第2電極72は、必ずしもノズルNと対向する必要は無く、用紙の搬送方向上流側や下流側にずれて配置されていてもよい。
前記実施形態では、各定着ヘッド71A〜71Cに対してノズルNを千鳥状に配置したが、本発明はこれに限定されず、左右方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を1列だけ有する定着ヘッドを搬送方向に複数設けてもよい。この場合、各ノズル列を1列ずつ噴霧のオンオフ制御を行うようにしてもよい。この場合、例えば図6(b)に示す各テーブルPn2,Pmax2,Pmin2に基づいて圧力制御を行うとき、記憶部は、T21以下の温度では温度が低下するにつれて徐々に噴霧するノズル列の列数を増やしていくような温度とノズル列数の関係を示すテーブル(図9参照)を記憶していてもよい。同様に、記憶部は、例えば図6(b)に示す各テーブルPn2,Pmax2,Pmin2に基づいて圧力制御を行うとき、T22以上の温度では温度が上昇するにつれて徐々に噴霧するノズル列数を増やしていくような温度とノズル列数の関係を示すテーブル(図9参照)を記憶していてもよい。また、ノズル1本ずつ噴霧のオンオフ制御が可能な場合(例えば、1本のノズルのみを有する定着ヘッドを複数有する場合)は、記憶部は、同様に温度とノズル数の関係を示すテーブルを記憶していてもよい。
このように、T21以下の温度では、温度が小さくなるほど定着液の粘度が高くなる一方で圧力は一定に保たれているので、噴霧量は温度の低下とともに少なくなっていく。しかし、所望の噴霧量に対する不足を補うように噴霧するノズル数を増加させていくことで、より正確に噴霧量を制御することができる。
また、例えば図6(a)に示す各テーブルPn1,Pmax1,Pmin1に基づいて圧力制御を行うとき、制御部は、T12からT13まので間の温度において、テーブルPn1とテーブルPmin1との圧力差に基づく所望噴霧量からの増加分を減少させるように各ノズル列を制御してもよい。具体的には、制御部は、図10に示すように、T12から温度が増加するにつれてノズル列の列数を基準列数NB(テーブルPnで圧力制御を行うときの列数)から徐々に減らしていく。ノズル列の基準列数NBからの減少量は、テーブルPn1とテーブルPmin1の圧力差が最大となる温度(例えばT14:図6(a)参照)で、最大となる。制御部は、温度T14からT13の間では、温度が増加するにつれて徐々にノズル列の列数を基準列数NBに向けて増やしていく。記憶部は、上記のような温度とノズル数の関係を示す図10のテーブルを記憶していてもよい。これにより、温度に対する噴霧量の制御をより正確に行うことができる。
なお、図10のテーブルにおいて、T11以下の温度では、温度が低下するにつれて徐々に噴霧するノズル列の列数を増やしていく。この理由は、図9のテーブルのT21以下の温度においてノズル列の列数を設定した理由と同じである。
7 定着装置
71 定着ヘッド
72 第2電極
74 第1電極
75 加圧装置
100 制御部
L 定着液
N ノズル
P 用紙
ST 温度センサ

Claims (21)

  1. 静電噴霧により記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する定着装置であって、
    定着液を内部に収容可能な収容部と、
    前記収容部に連通し、記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する複数のノズルと、
    前記ノズル内の定着液と、前記ノズルから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、
    前記収容部内の定着液に圧力をかける圧力付与部と、
    温度を検出する温度センサと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記温度センサで検出した温度に基づいて前記定着液にかける圧力の値を決定することを特徴とする定着装置。
  2. 温度に対応した圧力が設定された圧力テーブルが記憶される記憶部を備え、
    前記制御部は、前記圧力テーブルに基づいて圧力の値を決定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記圧力テーブルにおける圧力は、温度と定着液の目標噴霧量とに対応して設定されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記圧力テーブルの圧力は、温度が小さくなるにつれて前記収容部内に加える圧力が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記圧力テーブルにおける圧力は、
    第1温度範囲内において、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第1圧力と、
    前記第1温度範囲とは異なる第2温度範囲内において、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力よりも低い圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第2圧力とを含んで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記第2圧力は、前記複数のノズルの先端で定着液のテイラーコーンを維持することができる最大の圧力と等しいことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記圧力テーブルにおける圧力は、
    前記第1温度範囲および前記第2温度範囲とは異なる第3温度範囲内において、前記目標噴霧量を噴霧するのに必要な圧力よりも高い圧力であり、かつ、噴霧状態が正常となる圧力範囲内である第3圧力含んで構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記第3圧力は、前記複数のノズルの先端で定着液のテイラーコーンを形成するための最低の圧力と等しいことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記制御部は、
    圧力を前記第1圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を第1ノズル数とし、
    圧力を前記第2圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を前記第1ノズル数よりも多い第2ノズル数とすることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記制御部は、
    圧力を前記第1圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を第1ノズル数とし、
    圧力を前記第3圧力に設定した場合には、作動させる前記ノズルの数を前記第1ノズル数よりも少ない第3ノズル数とすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記圧力テーブルにおいて、温度が所定範囲内である場合には、前記目標噴霧量が第1噴霧量であるときの圧力が、前記目標噴霧量が前記第1噴霧量よりも多い第2噴霧量であるときの圧力よりも低い値に設定されていることを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記圧力テーブルにおいて、温度が所定範囲外である場合には、前記目標噴霧量が第1噴霧量であるときの圧力が、前記目標噴霧量が前記第1噴霧量よりも多い第2噴霧量であるときの圧力よりも高い値に設定されていることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記制御部は、印刷指令を受ける前に、圧力の値を決定し、前記圧力付与部を制御して前記収容部内の前記定着液に圧力をかけることを特徴とする請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 湿度を検出する湿度センサを備え、
    前記制御部は、前記温度センサで検出した温度と、前記湿度センサで検出した湿度とに基づいて前記定着液に流す電流値を決定することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 温度および湿度に対応した電流値が設定された電流値テーブルが記憶される記憶部を備え、
    前記制御部は、前記電流値テーブルに基づいて電流値を決定することを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
  16. 前記定着液に流れる電流を検出する電流センサを備え、
    前記制御部は、前記電流センサで検出した電流値が、決定した電流値となるように電圧を制御することを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  17. 前記記憶部は、定着液の目標噴霧量に応じた複数の前記電流値テーブルを記憶し、
    前記制御部は、前記目標噴霧量に基づいて前記電流値テーブルを選択することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の定着装置。
  18. 前記制御部は、画像の濃度に応じて目標噴霧量を決定することを特徴とする請求項17に記載の定着装置。
  19. 前記温度センサは、定着装置の周囲の温度を検出可能であることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の定着装置。
  20. 前記温度センサは、定着液の温度を検出可能であることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の定着装置。
  21. 前記電位差形成部は、
    前記収容部内の定着液と接触し、定着液に電圧を印可可能な第1電極と、
    前記ノズルと間隔を空けて配置され、前記ノズルの先端との間で電界を形成するための第2電極と、を有することを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の定着装置。
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