JP2010032858A - 定着方法及び定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー像に定着剤を吐出してもトナー像が乱れない定着方法を提供する。
【解決手段】記録媒体Pの両面のうちトナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、トナー像を構成する複数のトナー粒子Tとは反対の極性の電圧が印加されてトナー像を記録媒体Pに吸着させておきながら、複数のトナー粒子Tと同じ極性であって、その絶対値がトナー粒子Tのそれよりも小さい定着剤Dがトナー像に吐出されてトナー像を覆う。裏面電圧印加器60による帯電電荷の絶対値を大きくすることにより、定着剤Dをトナー粒子Tに速やかに滴下できるので高速化に対応できる。定着剤Dの帯電量の絶対値がトナー粒子Tの帯電量よりも小さくなるように定着剤Dを帯電させて吐出するので、定着剤Dがトナー粒子T上に滴下した場合でもトナー粒子Tが弾き飛ばされず、画像乱れを発生することがない
【選択図】図6
【解決手段】記録媒体Pの両面のうちトナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、トナー像を構成する複数のトナー粒子Tとは反対の極性の電圧が印加されてトナー像を記録媒体Pに吸着させておきながら、複数のトナー粒子Tと同じ極性であって、その絶対値がトナー粒子Tのそれよりも小さい定着剤Dがトナー像に吐出されてトナー像を覆う。裏面電圧印加器60による帯電電荷の絶対値を大きくすることにより、定着剤Dをトナー粒子Tに速やかに滴下できるので高速化に対応できる。定着剤Dの帯電量の絶対値がトナー粒子Tの帯電量よりも小さくなるように定着剤Dを帯電させて吐出するので、定着剤Dがトナー粒子T上に滴下した場合でもトナー粒子Tが弾き飛ばされず、画像乱れを発生することがない
【選択図】図6
Description
本発明は、記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、この定着剤を固化することによりトナー像を記録媒体に定着させる定着方法及び定着装置に関する。
コンピュータやワークステーションの出力装置として、粉体の現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、例えば、画像情報を担持する光(例えばレーザ)を感光ドラム(感光体)などの像担持体に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラを用いてトナー(電荷を帯びた多数の粒子)を供給して現像像を形成し、転写ローラなどを使用してこの現像像を記録媒体に転写して転写像(現像像、トナー像)を形成する。転写像が形成された記録媒体は定着器に搬送され、定着器では転写像が記録媒体に定着される。定着器には、通常、ヒータなどの加熱体が内蔵された定着ローラ(加熱ローラ)とこの定着ローラに圧接する加圧ローラとが備えられている。転写像を記録媒体に定着する際は、定着ローラと加圧ローラとで記録媒体を挟持して搬送しながら転写像を所定の定着温度で加熱すると同時に加圧する。この加熱と加圧で転写像が記録媒体に定着される。転写像が定着された記録媒体は排紙ローラなどに挟持されながら排出される。
上記した定着器では熱を利用してトナー像(転写像)を記録媒体に定着させているが、省エネルギーなどの観点から、熱を使用しない定着技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この定着技術によれば、記録媒体に転写されたトナー像に、紫外線硬化樹脂を主成分とした定着剤(結着剤)を吐出してトナー像を定着剤で覆い、この定着剤を固化することによりトナー像を記録媒体に定着させる。トナー像を覆っている定着剤は、トナー像を構成している複数のトナー粒子同士やこれらトナー粒子と記録媒体を結着する。この結着の後、この定着剤に紫外線ランプによって紫外線が照射されることにより定着剤の硬化(固化)が速められ、トナー像が記録媒体に定着される。
特開2001−188426号公報
上記した熱を使用しない定着技術では、記録媒体上の未定着トナー(トナー像)に定着剤を吐出した際、定着剤が記憶媒体に滴下する際に生じる衝撃でトナー粒子の一部が飛び散り、トナー像を乱すという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、トナー像に定着剤を吐出してもトナー像が乱れない定着方法及び定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の定着方法は、記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
(1)前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を吐出して前記トナー像を覆うことを特徴とするものである。
(1)前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を吐出して前記トナー像を覆うことを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明の他の定着方法は、記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
(2)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、前記トナー像に前記定着剤を吐出して該トナー像を覆うことを特徴とするものである。
(2)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、前記トナー像に前記定着剤を吐出して該トナー像を覆うことを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明のさらに他の定着方法は、記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
(3)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、
(4)前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を前記トナー像に吐出して該トナー像を覆うことを特徴とするものである。
(3)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、
(4)前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を前記トナー像に吐出して該トナー像を覆うことを特徴とするものである。
ここで、
(5)前記トナー像を前記定着剤で覆った後、該定着剤の固化を促進させてもよい。
(5)前記トナー像を前記定着剤で覆った後、該定着剤の固化を促進させてもよい。
さらに、
(6)紫外線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、前記トナー像を覆った該定着剤に紫外線光を照射して該定着剤を固化してもよい。
(6)紫外線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、前記トナー像を覆った該定着剤に紫外線光を照射して該定着剤を固化してもよい。
さらにまた、
(7)電子線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、前記トナー像を覆った該定着剤に電子線を照射して該定着剤を固化してもよい。
(7)電子線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、前記トナー像を覆った該定着剤に電子線を照射して該定着剤を固化してもよい。
さらにまた、
(8)エポキシ樹脂が含有された定着剤を用いてもよい。
(8)エポキシ樹脂が含有された定着剤を用いてもよい。
さらにまた、
(9)水を含有する結着樹脂からなる定着剤を用いてもよい。
(9)水を含有する結着樹脂からなる定着剤を用いてもよい。
上記目的を達成するための本発明の定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
(10)前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段を備えたことを特徴とするものである。
(10)前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段を備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(11)前記定着剤帯電手段は、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さくなるように前記定着剤を帯電するものである。
(11)前記定着剤帯電手段は、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さくなるように前記定着剤を帯電するものである。
上記目的を達成するための本発明の他の定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
(12)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段を備えたことを特徴とするものである。
(12)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段を備えたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明のさらに他の定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
(13)前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段と、
(14)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段とを備えたことを特徴とするものである。
(13)前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段と、
(14)記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(15)吐出ヘッドは、紫外線硬化樹脂が含有された定着剤、電子線硬化樹脂が含有された定着剤、エポキシ樹脂が含有された定着剤、及び水を含有する結着樹脂からなる定着剤のうちのいずれかの定着剤を吐出するものであってもよい。
(15)吐出ヘッドは、紫外線硬化樹脂が含有された定着剤、電子線硬化樹脂が含有された定着剤、エポキシ樹脂が含有された定着剤、及び水を含有する結着樹脂からなる定着剤のうちのいずれかの定着剤を吐出するものであってもよい。
本発明によれば、定着剤を吐出してトナー像を覆う際、定着剤はトナー粒子と同じ帯電極性であるが、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さいので、定着剤によってトナー粒子が弾き飛ばされず、従って、画像が乱れることはない。
本発明は、電子写真方式を用いたレーザビームプリンタに実現された。
図1を参照して、本発明の定着装置及び定着方法が採用されたレーザビームプリンタを説明する。図1は、本発明の定着装置及び定着方法が採用されたレーザビームプリンタを模式的に示す側面図である。
レーザビームプリンタ(カラー画像形成装置)10は、色毎に分類された4つの作像ステーションY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)を備えており、これらは記録媒体Pの搬送方向(矢印A方向)上流側からこの順に並んでいる。従って、記録媒体Pには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順でトナー像が形成される(転写される)。ここでは、第1の作像ステーションであるY(1)について説明する。他の作像ステーションについても色が異なるだけで他の点は同じである。
作像ステーションYには、静電潜像が形成される像担持体12が配置されており、この像担持体12は矢印方向(図1では反時計回り)に回転する。像担持体12が矢印方向に回転することにより、帯電ローラ14などの帯電部材14によって像担持体12の表面が一様に帯電される。このようにして一様に帯電された表面には、光信号発生装置16で変調されたレーザビーム光束18が照射されて(光像露光されて)静電潜像が形成される。
像担持体12の回転に伴って静電潜像は、現像器20の現像スリーブ22上に形成された磁気ブラシを通過する。この通過の際にトナーTによって静電潜像が顕像化されてトナー像が形成される。一方、トナー像の形成タイミングに合わせて、記録媒体Pが給紙ローラ24と搬送ベルト26によって矢印A方向に搬送されている。この記録媒体Pには、転写ローラ28などの転写部材によってトナー像が転写される。トナー像が転写された記録媒体Pは搬送ベルト26で搬送されて次の作像ステーション(ここでは、M)に到達し、上記と同様の動作が繰り返される。なお、作像ステーションYには、転写ローラ28に転写電圧を印加するバイアス印加手段(図示せず)、搬送ベルト26を駆動する駆動部材(図示せず)などが備えられている。また、転写を終了した像担持体10の表面には未転写トナーが残留しており、この未転写トナーはクリーニングブレード12で掻き取られて、クリーニング装置32に収納される。
上記の動作が作像ステーションY、M、C、Kでも実行されて、全ての作像ステーションY、M、C、Kを通過した記録媒体Pには最大4色のトナー像が転写されることとなる。トナー像が転写された記録媒体Pは、トナー像を定着する定着装置38に搬送ベルト26で搬送される。定着装置38には、定着剤を吐出する定着剤吐出器(吐出ヘッド)40が備えられている。この定着剤吐出器40の構造は、周知のインクジェット方式画像形成装置の記録ヘッド(印字ヘッド)と同じ構造である。記録媒体Pが定着剤吐出器40の下方を通過する際に、記録媒体Pの表面のうちトナー像が転写されている部分のみに定着剤が吐出されて、これらトナー像が定着剤で覆われる。なお、定着剤吐出器40の真下であって、搬送ベルト26を挟んで定着剤吐出器40とは反対側には、搬送ベルト26に接触して搬送ローラ41が配置されている。
定着剤吐出器40を通過した記録媒体Pはトナー濃度検出センサ42を通過して定着剤固化器44に到達する。定着剤固化器44では定着剤に応じた光を照射し、これにより定着剤が固化される。その後、定着剤固化器44を通過した記録媒体Pは搬送ローラ46で搬送されて収容箱48に収容される。定着剤として、紫外線硬化樹脂が主に含有された(主成分が紫外線硬化樹脂の)定着剤を用いた場合は、この定着剤に紫外線光を照射することにより定着剤の固化が促進される。また、定着剤として、電子線硬化樹脂が主に含有された定着剤を用いた場合は、この定着剤に電子線を照射することにより定着剤の固化が促進される。このように定着剤の固化を促進した場合は、レーザビームプリンタ10の高速化(プロセススピードの高速化)に対応できる。
なお、トナー濃度検出センサ42とは、カラー機に多く用いられるもので、センサーヘッドは発光部と受光部で構成されている。一例として鏡面反射型センサーについて説明する。鏡面反射型センサは、何も描かれていない中間転写ベルト上の鏡面反射光量(a)と、濃度検出パッチが形成された中間転写ベルトの反射光量(b)の差分によってトナー濃度を検出するものである。反射光は、カラートナーの場合、拡散光になるためトナー量が多いほど低くなる。ブラックトナーの場合、拡散光は発生しないが正反射光が減衰するのでやはりトナー量が多いほど低くなる。トナー濃度検出パッチは常に同じ条件で形成されるので、(a)と(b)の差が大きいほどトナー量が多いことになる。
定着剤としては、エポキシ樹脂が主に含有された定着剤を用いることもできる。この場合は、定着剤固化器44は不要である。また、定着剤としては、水を主に含有する結着樹脂からなる定着剤を用いることもできる。この場合は、水を素早く蒸発させることのできる定着剤固化器44であればよい。
上記の定着剤吐出器40には、ここから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電器50(本発明にいう、定着剤帯電手段の一例である。)が備えられている。この定着剤帯電器50について、図2と図3を参照して説明する。図2は、定着剤帯電器とその作用の一例を模式的に示す側面図である。図3は、図2の定着剤帯電器の一部を拡大して示す説明図である。図2と図3では、図1に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
定着剤吐出器40は、定着剤Dを吐出するための複数の吐出口40aが形成されている。定着剤吐出器40の内部には、複数の吐出口40aにつながるノズル40bが形成されている。このような構造は、インクジェット方式画像形成装置の印字ヘッドと同じ構造である。複数の吐出口40a(又はノズル40b)は定着剤帯電器50に電気的に接続されており、吐出口40aから吐出される定着剤Dを帯電させる。定着剤Dは、記録媒体Pに転写されたトナー像を構成する複数のトナー粒子Tと同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子Tのそれよりも小さくなるように帯電される。トナー粒子Tは予め帯電されているのが一般的であり、本実施例の定着方法では、トナー粒子Tの帯電極性をマイナス(−)としたので、定着剤Dはマイナスの電荷を帯びるように帯電される。しかも、定着剤Dの帯電量はトナーTの帯電量の絶対値よりも小さくなるように制御される。
上記のように定着剤Dの帯電極性は記録媒体P上のトナー粒子Tと同極性であるが、帯電量の絶対値がトナー粒子Tの帯電量よりも小さくなるように定着剤Dを帯電させて吐出するので、定着剤Dがトナー粒子T上に滴下した場合でもトナー粒子Tが弾き飛ばされず、画像乱れを発生することがない。
なお、定着剤Dの帯電量は、使用するトナー粒子によって適宜に変更される。例えば2成分トナーを使用した場合、この2成分トナーの帯電量が20〜45μC/gのときは、定着剤Dの帯電量は、この値よりも小さくする必要がある。
ここで、吐出口40aの周辺部分の構造を説明する。図3に示すように、吐出口40aを囲うように磁性を有する素材で構成された磁性部51が配置されている。吐出口40aから吐出された定着剤Dは、磁性部51の孔51aを通過するように構成されている。磁性部51の素材としては、例えばSUS板金を用いると良いが、定着剤である染料や顔料系のインクとの接触により腐食、酸化をしない処理を表面にする必要がある。定着剤帯電器50の本体(電荷付与用電極)に磁性部51を接続して磁性部51を正負いずれかに帯電しておき、吐出口40aから吐出された定着剤Dを磁性部51の孔51aを通過させる際に帯電する。これにより、トナー粒子Tを覆う定着剤Dは適宜に帯電されることとなる。
図4と図5を参照して、本発明の実施例2を説明する。図4は、本発明の裏面電圧印加手段の一例を模式的に示す側面図である。図5(a)は、図4に示す裏面電圧印加手段を使用しなかったときの画像を示し、(b)は、図4に示す裏面電圧印加手段を使用したときの画像を示す。図4では、図1及び図2に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
上述したように、定着剤吐出器40の真下であって、搬送ベルト26を挟んで定着剤吐出器40とは反対側には、搬送ベルト26に接触して搬送ローラ41が配置されている。実施例2の特徴は、この搬送ローラ41に電荷を付与する裏面電圧印加器60を備えている点にある。
裏面電圧印加器60は、記録媒体Pの両面のうちトナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、トナー像を構成する複数のトナー粒子Tとは反対の極性の電圧を印加するものである。本実施例の定着方法では、トナー粒子Tの帯電極性をマイナス(−)としたので、裏面電圧印加器60によって搬送ローラ41はプラス(+)に帯電される。この帯電によって、トナー像(複数のトナー粒子T)が記録媒体Pに強く吸着される(引き付けられる)。このようにトナー像(複数のトナー粒子T)を記録媒体Pに強く吸着させておきながら、定着剤吐出器40からトナー像に定着剤Dを吐出してトナー像を覆う。トナーTが記録媒体P上に引き付けられることにより、定着剤Dが記憶媒体Pに滴下する際に生じる衝撃で未定着トナーTが飛び散りにくく、図5(a)に比較して、(b)に示すようにトナー像が乱れることはほとんどない。
裏面電圧印加器60に電力を供給する電源は、他の部材・部品とは独立して単独で配置してもよいが、転写ローラ28に電力を供給する電源から裏面電圧印加器60に電力を供給してもよい。このように電源を共通させることにより、裏面電圧印加器60に電力を供給する電源を新たに設けなくて済む。
図6から図8までを参照して、本発明の実施例3を説明する。図6は、本発明の実施例3を模式的に示す側面図である。図7(a)は、本発明によるトナー粒子と定着剤との位置関係を示し、(b)は、従来技術によるトナー粒子と定着剤との位置関係を示す。図8は、本発明によるトナー粒子と定着剤との位置関係(位置のずれ)を従来例と比較して示すグラフであり、横軸は、プロセススピードを表し、縦軸は、トナー像と定着剤とのずれ幅gを表す。図6では、図1及び図2に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図6に示すように、実施例3では定着装置38に、実施例1の定着剤帯電器50と、実施例2の裏面電圧印加器60とを備えた。従って、定着装置38では、記録媒体Pの両面のうちトナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、トナー像を構成する複数のトナー粒子Tとは反対の極性の電圧が印加されてトナー像を記録媒体Pに吸着させておきながら、複数のトナー粒子Tと同じ極性であって、その絶対値がトナー粒子Tのそれよりも小さい定着剤Dがトナー像に吐出されてトナー像を覆う。
定着剤Dには、裏面電圧印加器60による帯電極性とは反対の極性の電荷が付与されているので、レーザビームプリンタ10のプロセススピードが高速になっても、裏面電圧印加器60による帯電電荷の絶対値(裏面バイアスの逆極性の絶対値)を大きくすることにより、定着剤Dをトナー粒子Tに速やかに滴下できるので高速化に対応できる。さらに、定着剤Dの帯電極性は記録媒体P上のトナー粒子Tと同極性であるが、帯電量の絶対値がトナー粒子Tの帯電量よりも小さくなるように定着剤Dを帯電させて吐出するので、定着剤Dがトナー粒子T上に滴下した場合でもトナー粒子Tが弾き飛ばされず、画像乱れを発生することがない
図7(a)と図8に示すように、定着剤帯電器50と裏面電圧印加器60とを備えた定着装置38を使用した場合、複数のトナー粒子Tから構成されるトナー像と定着剤Dとのズレ幅gは、プロセススピードが速くなってもほぼゼロである。即ち、定着剤Dはトナー像の真上から正確に滴下してトナー像を覆っている。
これに対し、定着剤帯電器50と裏面電圧印加器60を備えていない定着装置では、図7(b)と図8に示すように、定着剤Dはトナー像よりも搬送方向(矢印A方向)の上流側(後側)に滴下している。この理由は、定着剤Dの滴下速度が用紙搬送速度に追従できていないからである。この結果、トナー像の先端部に定着剤Dが付与されない箇所(斜線部の覆われていないトナー像)が発生しており、定着不良が発生している。
図8に示すように、定着剤帯電器50と裏面電圧印加器60を備えていない定着装置では、プロセススピードが高速化するに伴って、記録媒体に滴下される定着剤Dの滴下速度が追従できず、トナー像と定着剤のズレ幅(g)が広がっているのに対して、実施例3の定着装置38では、プロセススピードが高速化してもトナー像と定着剤Dのズレ幅にほとんど変化は見られなかった。
上述した各実施例は、タンデム方式カラープリンタに本発明を適用したものであるが、デジタル複写機やファクシミリなど、単色の画像形成装置に対しても同様に適用できる。
10 レーザビームプリンタ(カラー画像形成装置)
50 定着剤帯電器
60 裏面電圧印加器
D 定着剤
T トナー粒子
50 定着剤帯電器
60 裏面電圧印加器
D 定着剤
T トナー粒子
Claims (13)
- 記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を吐出して前記トナー像を覆うことを特徴とする定着方法。 - 記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、前記トナー像に前記定着剤を吐出して該トナー像を覆うことを特徴とする定着方法。 - 記録媒体に転写されたトナー像を定着剤で覆って、該定着剤を固化することにより前記トナー像を記録媒体に定着させる定着方法において、
記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させておきながら、
前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さい定着剤を前記トナー像に吐出して該トナー像を覆うことを特徴とする定着方法。 - 前記トナー像を前記定着剤で覆った後、該定着剤の固化を促進させることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の定着方法。
- 紫外線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、
前記トナー像を覆った該定着剤に紫外線光を照射して該定着剤を固化することを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の定着方法。 - 電子線硬化樹脂が含有された定着剤を用い、
前記トナー像を覆った該定着剤に電子線を照射して該定着剤を固化することを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の定着方法。 - エポキシ樹脂が含有された定着剤を用いることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか一項に記載の定着方法。
- 水を含有する結着樹脂からなる定着剤を用いることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか一項に記載の定着方法。
- 記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記定着剤帯電手段は、
前記トナー像を構成する複数のトナー粒子と同じ帯電極性であって、その絶対値がトナー粒子のそれよりも小さくなるように前記定着剤を帯電するものであることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。 - 記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段を備えたことを特徴とする定着装置。 - 記録媒体に転写されたトナー像に定着剤を吐出する吐出ヘッドを備え、該吐出ヘッドから吐出した定着剤で前記トナー像を覆って該定着剤を固化することにより該トナー像を記録媒体に定着させる定着装置において、
前記吐出ヘッドから吐出される定着剤を帯電させる定着剤帯電手段と、
記録媒体の両面のうち前記トナー像が転写された表面とは反対側の裏面から、前記トナー像を構成する複数のトナー粒子とは反対の極性の電圧を印加して前記トナー像を記録媒体に吸着させる裏面電圧印加手段とを備えたことを特徴とする定着装置。 - 吐出ヘッドは、
紫外線硬化樹脂が含有された定着剤、電子線硬化樹脂が含有された定着剤、エポキシ樹脂が含有された定着剤、及び水を含有する結着樹脂からなる定着剤のうちのいずれかの定着剤を吐出するものであることを特徴とする請求項9から12までのうちのいずれか一項に記載の定着装置。
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