JP2017167243A - 画像形成装置 - Google Patents

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健太郎 村山
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Abstract

【課題】画像形成装置の大型化を抑えつつ、未定着状態の現像剤にユーザが触れるのを抑えることを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(レーザプリンタ1)は、定着液Lを記録シート(用紙P)上の現像剤像に供給することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置7と、定着装置7を収容する本体筐体2と、定着装置7から排出された記録シートを前記本体筐体の外側に排出する排出機構(排紙ローラR)と、制御部100を備える。制御部100は、記録シートの単位面積当たりの定着液Lの供給量の目標値である目標供給量を算出する第1処理と、目標供給量に基づいて、記録シートに対する現像剤の定着が完了するまでに要する時間である第1定着時間を算出する第2処理と、第1定着時間が第1閾値よりも大きい場合に、本体筐体2の外側に排出された記録シートについて定着が完了していないことを報知する第3処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着液を記録シート上の現像剤像に供給することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、転写されたトナー像を加熱によりトナーを溶融させ用紙にトナーを定着させる定着装置を備えたものが知られている。定着装置は、トナーを溶融するためにハロゲンヒータやセラミックヒータ等の発熱体を有する。溶融されたトナーは、用紙に対して加圧され用紙上に定着される。このような定着装置は、定着速度が速く、画像品質が良いことから広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置は、トナーを加熱することから多量の電力を消費するため画像形成装置の省電力には向かなかった。
上記のような課題に対し、トナーを溶解または膨潤させる定着液を用紙上のトナーに付与して、トナー像を用紙上に定着する定着装置を備えた画像形成装置がある。この定着装置は、熱定着方式のようなトナーを溶融させるための加熱処理が不要であり、消費電力が低く、省電力化に優れている。定着液をトナー像に塗布する方法としては、記録シート上の現像剤像に対して塗布ローラによって定着液を塗布することで、現像剤を軟化させて現像剤像を記録シートに定着させる画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。定着液の塗布による定着方法では、記録シートに未定着な状態の現像剤にユーザが触れてしまうと、画像乱れやユーザの手が汚れる等の問題が生じる。これに対し、前述の従来技術では、定着液の塗布後の記録シートを一時的にプリンタ内に待機させ、記録シートの乾燥後に排紙トレイに記録シートを排出する制御を行っている。
特開2012−093510号公報
しかしながら、従来技術では、記録シートを待機させるスペースをプリンタの本体筐体内に設けなければならず、プリンタが大型化するといった問題があった。
そこで、本発明は、画像形成装置の大型化を抑えつつ、未定着状態の現像剤にユーザが触れるのを抑えることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、定着液を記録シート上の現像剤像に供給することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置と、前記定着装置を収容する本体筐体と、前記定着装置から排出された記録シートを前記本体筐体の外側に排出する排出機構と、制御部と、を備える。
前記制御部は、記録シートの単位面積当たりの定着液の供給量の目標値である目標供給量を算出する第1処理と、前記目標供給量に基づいて、前記記録シートに対する現像剤の定着が完了するまでに要する時間である第1定着時間を算出する第2処理と、前記第1定着時間が第1閾値よりも大きい場合に、前記本体筐体の外側に排出された記録シートについて定着が完了していないことを報知する第3処理と、を実行する。
この構成によれば、第1定着時間が第1閾値よりも大きい場合、つまり定着が完了するのに長い時間がかかる場合には、定着が完了していないことをユーザに報知するので、未定着状態の現像剤にユーザが触れるのを抑えることができる。また、従来技術のように本体筐体内に記録シートを待機させるスペースが必要ないので、画像形成装置の大型化を抑えることができる。
また、前記した構成において、前記定着装置は、ノズルを有し、前記ノズルによって記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する定着ヘッドと、前記定着ヘッド内の定着液と、前記定着ヘッドから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、を備えていてもよい。
また、前記した構成において、前記制御部は、画像データの濃度に基づいて前記目標供給量を算出するように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記制御部は、記録シートの画像形成領域を少なくとも記録シートの幅方向に区画した複数の分割領域ごとに前記目標供給量を算出し、算出した複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量に基づいて、前記第1定着時間を算出するように構成されていてもよい。
これによれば、画像データ全体を平均した濃度に基づいて目標供給量を算出する方法と比べ、分割領域ごとに目標供給量を算出するので、例えば局所的に画像データの濃度が高い部分があっても、その高濃度の部分に対応した適切な目標供給量で定着液の供給を行うことができる。また、複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量で定着液が供給される部分は定着完了までに最も時間がかかる部分であるため、定着完了までの時間が最も長くなる最大の目標供給量に基づいて第1定着時間を算出することで、より確実に定着が完了していないことをユーザに報知することができる。
また、前記した構成において、前記定着ヘッドは、前記幅方向に複数設けられ、前記制御部は、前記定着ヘッドごとに前記目標供給量を算出するように構成されていてもよい。
これによれば、画像データの濃度が高い部分には、所定の定着ヘッドから多量の定着液を供給し、濃度が低い部分には、別の定着ヘッドから少量の定着液を供給することができる。
また、前記した構成において、前記分割領域の幅は、前記定着ヘッドの幅よりも小さくてもよい。
これによれば、分割領域の幅(面積)を小さく設定することで、最も濃度が高くなる部分をより高精度に特定することができるので、定着性能を向上させることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、定着液の温度が高いほど、前記第1定着時間を短くするように構成されていてもよい。
これによれば、定着液の温度に応じて適切に第1定着時間を設定することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記本体筐体の外部の温度が高いほど、前記第1定着時間を短くするように構成されていてもよい。
これによれば、外部の温度に応じて適切に第1定着時間を設定することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記第1定着時間が前記第1閾値以下であると判断した場合に、前記第3処理を実行しないように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記制御部は、印刷枚数が複数枚の1つの印刷ジョブを実行する場合に、前記目標供給量を少なくとも印刷枚数に応じて複数設定し、算出した複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量に基づいて、前記第1定着時間を算出するように構成されていてもよい。
これによれば、定着完了までの時間が最も長くなる最大の目標供給量に基づいて第1定着時間を算出するので、より確実に定着が完了していないことをユーザに報知することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記1つの印刷ジョブにおける最初の記録シートが前記本体筐体の外側に排出される前に、前記第3処理を実行するように構成されていてもよい。
これによれば、1つの印刷ジョブにおける最初の記録シートが本体筐体の外側に排出される前に第3処理を実行してユーザに報知するので、現像剤が未定着な状態となっている最初の記録シートにユーザが触れてしまうのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記1つの印刷ジョブにおいて前記複数の目標供給量に基づいて各目標供給量に応じた複数の第1定着時間を算出し、各目標供給量の定着液を供給した時刻から各目標供給量に応じた各第1定着時間が経過した時刻である完了時刻をそれぞれ求め、複数の完了時刻のうち最も遅い時刻になったときに、定着が完了したことを報知するように構成されていてもよい。
これによれば、複数の完了時刻のうち最も遅い時刻になったときに定着の完了を報知するので、すべての現像剤の定着が完了したことを、ユーザに知らせることができる。
また、前記した構成において、前記定着ヘッドに対して前記記録シートの搬送方向下流側に配置され、前記定着ヘッドを通過した後の記録シートを挟持して搬送する一対の下流側搬送ローラを備え、前記制御部は、前記目標供給量に基づいて、前記記録シート上の現像剤像の前記下流側搬送ローラへの付着量が所定量以下となる程度に現像剤が定着するまでに要する時間である第2定着時間を算出し、前記第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合に、当該第2定着時間を短くするための補助処理を実行するように構成されていてもよい。
これによれば、第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合には、補助処理により第2定着時間が短くなるので、記録シートの現像剤像が下流側搬送ローラに到着する前に、現像剤をある程度定着させることができ、現像剤が下流側搬送ローラに付着するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記定着ヘッドと前記下流側搬送ローラとの間に、前記記録シートを加熱する熱源を備え、前記制御部は、前記補助処理において、前記熱源を稼働させるように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記補助処理を実行する場合に、前記第1定着時間を、前記補助処理の影響を考慮した短い時間に補正するように構成されていてもよい。
これによれば、補助処理を考慮して第1定着時間を精度良く算出することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記補助処理を実行する場合に、前記第2定着時間を、前記補助処理の影響を考慮した短い時間に補正し、補正した第2定着時間が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記記録シートの搬送速度を下げるように構成されていてもよい。
これによれば、補助処理を実行しても第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合には、記録シートの搬送速度を下げるので、定着ヘッドから排出された記録シートが下流側搬送ローラに到着するタイミングを遅らせることができ、現像剤が下流側搬送ローラに付着するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記第2閾値は、前記定着ヘッドから前記下流側搬送ローラまでの距離と、前記記録シートの搬送速度とに基づいて算出することができる。
また、前記した構成において、前記電位差形成部は、前記定着液と接触し、前記定着液に電圧を印加可能な第1電極と、前記ノズルと向かい合う第2電極と、を有していてもよい。
また、前記した構成において、前記定着ヘッドに対して前記記録シートの搬送方向下流側に配置され、前記定着ヘッドを通過した後の記録シートを挟持して搬送する一対の下流側搬送ローラを備え、前記制御部は、前記目標供給量に基づいて、前記記録シート上の現像剤像の前記下流側搬送ローラへの付着量が所定量以下となる程度に現像剤が定着するまでに要する時間である第2定着時間を算出し、前記第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合に、前記記録シートの搬送速度を下げる搬送速度変更処理を実行するように構成されていてもよい。
これによれば、第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合には、記録シートの搬送速度を下げるので、定着装置から排出された記録シートが下流側搬送ローラに到着するタイミングを遅らせることができ、現像剤が下流側搬送ローラに付着するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記搬送速度変更処理の後に、前記第2定着時間が前記第2閾値よりも大きい場合に、当該第2定着時間を短くするための補助処理を実行するように構成されていてもよい。
これによれば、搬送速度変更処理を実行しても第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合には、補助処理を実行することで第2定着時間が短くなるので、記録シートの現像剤像が下流側搬送ローラに到着する前に、現像剤をある程度定着させることができ、現像剤が下流側搬送ローラに付着するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、印刷制御を開始する前に、前記第3処理を実行するように構成されていてもよい。
これによれば、印刷制御を開始する前に第3処理を実行するので、現像剤が未定着な状態となっている最初の記録シートにユーザが触れてしまうのをより抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、所定量の現像剤に対して供給する定着液の量が第1の量である第1モードと、前記所定量の現像剤に対して供給する定着液の量が前記第1の量よりも多い第2の量である第2モードとを選択可能であり、前記第2モードを選択している場合には、前記第1モードを選択している場合よりも前記第1定着時間を長くするように構成されていてもよい。
これによれば、第2モードでは第1モードよりも定着液の供給量が多くなるので、これに対応して第1定着時間を長くすることで、第2モードにおいて定着が完了していないことをユーザに適切に報知することができる。
本発明によれば、画像形成装置の大型化を抑えつつ、未定着状態の現像剤にユーザが触れるのを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタを示す図である。 定着ヘッドを、斜め上方から見た斜視図(a)と、第1定着ヘッドを斜め下方から見た斜視図(b)である。 定着ヘッドを下方から見た下面図である。 定着ヘッドと用紙の画像形成領域との関係を示す図であり、複数の分割領域を示す図(a)と、複数の領域に設定された目標供給量を示す図(b)である。 画像濃度と目標供給量との関係を示すマップ(a)と、目標供給量と仮の第1定着時間との関係を示すマップ(b)である。 定着液の温度と第1係数との関係を示すマップ(a)と、外部温度と第2係数との関係を示すマップ(b)と、加熱ヒータに加える単位時間当たりの電力量と第3係数との関係を示すマップ(c)である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 調整処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2と、記録シートの一例としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4と、制御部100とを備えている。
フィーダ部3は、本体筐体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。
画像形成部4は、本体筐体2内に収容されており、主に、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、転写ローラTRと、定着装置7とを備えている。
スキャナユニット5は、本体筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
プロセスカートリッジ6は、本体筐体2に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ6は、静電潜像が形成される感光ドラム61と、図示しない帯電器と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部62と、トナー収容部62内のトナーを感光ドラム61に供給する供給ローラ63および現像ローラ64を備えている。
このプロセスカートリッジ6では、図示せぬ帯電器が、回転する感光ドラム61の表面を一様に帯電する。スキャナユニット5は、感光ドラム61の表面にレーザビームを出射して、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
次いで、回転駆動される現像ローラ64が、感光ドラム61の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム61の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム61の表面上に担持されたトナー像は、用紙Pが感光ドラム61と転写ローラTRの間で搬送される際に、転写ローラTRに引き寄せられて用紙P上に転写する。
定着装置7は、帯電された定着液Lを静電噴霧により用紙P上のトナー像に供給することで、用紙P上にトナー像を定着させる装置である。なお、定着装置7の構成については、後で詳述する。
用紙Pの搬送方向において、定着装置7の下流側には、熱源の一例としての加熱ヒータ82が設けられている。加熱ヒータ82は、定着液Lが供給された用紙Pを加熱して乾かすためのヒータであり、制御部100によって制御されている。
加熱ヒータ82の下流側には、加熱ヒータ82付近を通った後の用紙Pを挟持して下流側に搬送するための一対の下流側搬送ローラ81が設けられている。下流側搬送ローラ81によって搬送された用紙Pは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に排出される。つまり、排紙ローラRや図示せぬ用紙ガイド等によって、定着装置7から排出された用紙Pを本体筐体2の外側に排出する排出機構が構成されている。
次に、定着装置7の構成について詳細に説明する。
定着装置7は、用紙P上のトナー像に向けて定着液Lを噴霧するための定着ヘッド71と、定着ヘッド71の下で用紙Pを支持する第2電極72とを備えている。
定着液Lは、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたもの使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。つまり、本実施形態では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系として、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、脂肪族ジカルボン酸エステル系として、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、脂肪族トリカルボン酸エステル系として、oアセチルクエン酸トリエチル、oアセチルクエン酸トリブチル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系としてコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、炭酸エステル系として炭酸エチレン、炭酸プロピレンを使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。
また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えても良く、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類を使用することができる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を使用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル類を使用することができる。
定着ヘッド71は、図2(a)に示すように、第1定着ヘッド71Aと、第2定着ヘッド71Bと、第3定着ヘッド71Cとを有している。第1定着ヘッド71Aと第3定着ヘッド71Cは、前後方向、つまり用紙Pの搬送方向において略同じ位置に配置され、左右方向、つまり用紙Pの幅方向において間隔を空けて配置されている。第2定着ヘッド71Bは、搬送方向において第1定着ヘッド71Aおよび第3定着ヘッド71Cの下流側に配置され、幅方向において第1定着ヘッド71Aと第3定着ヘッド71Cとの間に配置されている。
第1定着ヘッド71Aは、定着液Lを内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、トナー像に向けて定着液Lを噴霧する複数のノズルNと、収容部73内および各ノズルN内の定着液Lに電圧を印加する第1電極74と、を備えている。なお、第2定着ヘッド71Bおよび第3定着ヘッド71Cは、第1定着ヘッド71Aと略同様の構成となっているため、第2定着ヘッド71Bおよび第3定着ヘッド71Cを構成する部材には第1定着ヘッド71Aを構成する部材と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
収容部73は、幅方向に長尺となる矩形の容器であり、上壁73A、前壁73B、後壁73C、左壁73D、右壁73Eおよび下壁73Fを有している。図2(b)に示すように、各定着ヘッド71A〜71Cにおける複数のノズルNは、それぞれ収容部73の下壁73Fから下方に向けて突出しており、下方に向かう程、徐々に縮径している。複数のノズルNは、幅方向に複数配列されるとともに、搬送方向に複数配列されている。
詳しくは、複数のノズルNは、搬送方向に並ぶ第1千鳥配列群U1および第2千鳥配列群U2を構成している。図3(a),(b)に示すように、第1千鳥配列群U1は、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第1ノズルN1と、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第2ノズルN2とからなり、幅方向の一方側から他方側に向けて、第1ノズルN1と第2ノズルN2とが搬送方向の一方側と他方側に交互に配置されている。
また、各第2ノズルN2は、幅方向において2つの第1ノズルN1の間に配置されている。そして、幅方向で隣り合う2つの第1ノズルN1と、これら2つの第1ノズルN1の間に配置される第2ノズルN2とを結んだ形状は、正三角形または二等辺三角形となっている。また、幅方向で隣り合う2つの第2ノズルN2と、これら2つの第2ノズルN2の間に配置される第1ノズルN1とを結んだ形状も、正三角形または二等辺三角形となっている。
第2千鳥配列群U2は、第1千鳥配列群U1と同じ構造となっている。本実施形態においてノズルピッチ(隣接するノズルの外径間の最短距離)は、1mm以上、14mm以下の範囲で設定すればよい。
図1に戻って、第1電極74は、収容部73の上壁73Aを上から下に貫通するように設けられ、下端部が収容部73内の定着液L内に配置され、上端部が、図示せぬ電圧印加部を有する制御部100に接続されている。第1電極74に印加される電圧は、1kV〜10kVであることが好ましい。
各定着ヘッド71A〜71Cには、内部の定着液Lの温度を検出する第1温度センサST1(1つのみを代表して図示)がそれぞれ設けられている。
第2電極72は、用紙Pに接触して、ノズルN内の定着液Lと用紙Pとの間に電位差を形成するための電極であり、各定着ヘッド71A〜71Cの各ノズルNの先端から所定距離離れるように、各定着ヘッド71A〜71Cの下に配置されている。ここで、所定距離は、用紙Pの厚さよりも大きな距離であり、実験やシミュレーション等によって静電噴霧を好適に行うことが可能な距離に設定されている。
第2電極72は、電流センサSAを介して、接地されている。なお、第2電極72は、必ずしも接地させる必要はなく、例えば第1電極74に印加される電圧よりも小さな電圧を第2電極72に印加してもよい。
第1電極74に電圧が印加されるとノズルNの先端付近の空間に電界が形成される。具体的には、収容部73内の定着液Lは、図示せぬ加圧装置により圧力が印加されている。これにより、定着液Lは、ノズルNの先端に向けて供給され、ノズルNの先端の定着液Lと第2電極72との間に電界が形成される。すると、ノズルNの先端では、定着液Lが電界に引っ張られていわゆるテイラーコーンが形成される。このテイラーコーンの先端に電界が集中して、テイラーコーンの先端から定着液Lが引きちぎられることによって微細な液滴が生成される。
ノズルNから噴霧された液滴状の定着液Lは、正に帯電している。これに対し、用紙Pは実質的にゼロ電位状態になっている。このため、液滴状の定着液Lは、クーロン力によって用紙Pに向かって飛んでゆき、用紙P上やトナー像上に付着する。
電流センサSAは、第1電極74に流れる電流を検出することで、定着液Lに流れる電流を間接的に検出するセンサであり、各第1電極74に対応して設けられている。電流センサSAは、ノズルNから用紙Pに定着液Lが噴霧された際に第1電極74に流れる電流を検出し、その検出値を制御部100に出力している。ここで、第1電極74に電圧が印加されても、ノズルNから定着液Lが噴霧されていないときには、第1電極74には電流が流れず、ノズルNから定着液Lが噴霧されること、つまり帯電された定着液LがノズルNから用紙Pに移動することによって、第1電極74に電流が流れるようになっている。
このように構成された第1電極74および第2電極72は、ノズルN内の定着液Lと、ノズルNから離れた位置で搬送される用紙Pとの間に電位差を形成するための電位差形成部となっている。
また、本体筐体2には、本体筐体2の外部の温度を検出する第2温度センサST2が設けられている。第2温度センサST2は、検出した温度を制御部100に出力している。
図1に示すように、制御部100は、RAMやROMなどからなる記憶部110、CPU、入出力回路などを備えており、外部から入力されてくる画像データや、各センサST1,ST2,SAからの信号に基づいて、第1電極74に印加する電圧の制御や、用紙Pへのトナーの定着が完了していないことを報知する制御を実行する機能を有している。
具体的に、制御部100は、用紙Pの単位面積当たりの定着液Lの供給量の目標値である目標供給量を算出する第1処理と、目標供給量に基づいて、用紙Pに対するトナーの定着が完了するまでに要する時間である第1定着時間T1を算出する第2処理と、第1定着時間T1が第1閾値TH1よりも大きい場合に、本体筐体2の外側に排出された用紙Pについて定着が完了していないことを報知する第3処理と、を実行するように構成されている。制御部100は、第1定着時間T1が第1閾値TH1以下であると判断した場合には、第3処理を実行しないように構成されている。また、制御部100は、第1処理、第2処理および第3処理を、印刷制御を開始する前に実行するように構成されている。
なお、第3処理での未完了の報知の方法としては、例えば、本体筐体2の前面上部に設けられた表示画面に「用紙Pに触れないでください。」などの未完了のメッセージを表示する方法や、警告ランプの点灯によって報知する方法や、ブザーや音声などにより報知する方法などが挙げられる。また、第1閾値TH1は、実験やシミュレーション等により予め設定されている。
制御部100は、第1処理において、印刷モードや画像データの濃度に基づいて、定着ヘッド71A〜71Cごとに目標供給量を算出している。詳しくは、制御部100は、所定量のトナーに対して供給する定着液Lの量が第1の量である第1モード(通常モード)と、所定量のトナーに対して供給する定着液Lの量が第1の量よりも多い第2の量である第2モード(光沢モード)とを選択可能となっている。そして、制御部100は、第2モードを選択している場合には、第1モードを選択している場合よりも目標供給量を大きな量に設定する。制御部100は、第1電極74に印加する電圧や、電流センサSAに流れる電流値を制御することで、目標供給量を制御する。
また、各モードにおいて、制御部100は、画像データの濃度が高いほど、目標供給量を大きな量に設定する。詳しくは、図4(a),(b)を参照して、目標供給量の設定方法について説明する。
図4(a)に示すように、用紙Pの画像形成領域GA(画像が形成される領域)は、第1定着ヘッド71Aから定着液Lが噴霧される第1画像領域GA1と、第2定着ヘッド71Bから定着液Lが噴霧される第2画像領域GA2と、第3定着ヘッド71Cから定着液Lが噴霧される第3画像領域GA3とに区画されている。第1画像領域GA1は、さらに搬送方向において、複数の領域GA11,GA12,・・・(GA11,GA12を代表して図示)に区画されている。各領域GA11,GA12,・・・は、第1定着ヘッド71Aから所定の目標供給量で定着液Lが噴霧される領域であり、それぞれの領域GA11,GA12,・・・ごとに目標供給量が設定されている。なお、その他の画像領域GA2,GA3についても同様に、複数の領域(GA21,GA22,GA31,GA32参照)に区画され、それぞれ領域ごとに目標供給量が設定されている。また、制御部100は、印刷枚数が複数枚の1つの印刷ジョブを実行する場合には、複数枚の用紙Pの画像形成領域GAにおいて区画された各領域に対して、目標供給量を設定する。
さらに、各領域、例えば領域GA11は、幅方向において複数の分割領域A1〜A3に区画されている。各分割領域A1〜A18のそれぞれの幅は、各定着ヘッド71A〜71Cの幅よりも小さい。
制御部100は、複数の分割領域A1〜A18のそれぞれの画像濃度に基づいて、各分割領域A1〜A18に対する仮の目標供給量を算出する。ここで、図4(a)では、各分割領域A1〜A18に施すハッチングの線のピッチが密である程、画像濃度が高いことを示している。以下の説明では、便宜上、画像濃度のレベルを、高濃度、中濃度、低濃度の3段階で説明することとする。また、高濃度に対応した目標供給量を第1供給量とし、中濃度に対応した目標供給量を第1供給量よりも小さな第2供給量とし、低濃度に対応した目標供給量を第2供給量よりも小さな第3供給量として説明する。なお、図4(b)において、図4(a)の高濃度を示す高密度のハッチングと同じハッチングが施された部分は、第1供給量が設定される部分を示し、図4(a)の中濃度を示す中密度のハッチングと同じハッチングが施された部分は、第2供給量が設定される部分を示し、図4(a)の低濃度を示す低密度のハッチングと同じハッチングが施された部分は、第3供給量が設定される部分を示す。
制御部100は、印刷データに基づいて、例えば領域GA11について目標供給量を設定する場合には、分割領域A1,A2が高濃度であると認識して、各分割領域A1,A2に対する目標供給量を第1供給量に設定し、分割領域A3が低濃度であると認識して、分割領域A3に対する目標供給量を第3供給量に設定する。そして、制御部100は、3つの分割領域A1〜A3に対する各目標供給量のうち最も大きな目標供給量である第1供給量を、3つの分割領域A1〜A3で構成される領域GA11に対する目標供給量に設定する(図4(b)参照)。
同様にして、制御部100は、他の領域GA12,GA21,GA22,GA31,GA32について目標供給量を設定する。つまり、領域GA12については、すべての分割領域A10〜A12が高濃度であるため、目標供給量が第1供給量に設定される。領域GA21については、高濃度である分割領域A6が最も高い濃度であるため、目標供給量が第1供給量に設定される。
領域GA22については、中濃度である分割領域A13,A14が最も高い濃度であるため、目標供給量が第2供給量に設定される。領域GA31については、高濃度である分割領域A7,A8が最も高い濃度であるため、目標供給量が第1供給量に設定される。領域GA32については、すべての分割領域A16〜A18が低濃度であるため、目標供給量が第3供給量に設定される。
より詳しくは、制御部100は、図5(a)に示すマップに基づいて目標供給量を設定している。図5(a)に示すマップは、画像濃度と目標供給量との関係を示すマップであり、画像濃度が高くなるほど、目標供給量が大きくなるように設定されている。詳しくは、画像濃度が0(詳しくは0よりも若干高い濃度)から所定濃度C1までの低濃度領域では、目標供給量は0よりも大きな供給量Q1に設定され、画像濃度が所定濃度C1以上の場合には、画像濃度が高くなるほど、目標供給量が大きな値に設定されている。ここで、低濃度領域において目標供給量をある程度大きな値Q1に設定する理由は、微小な目標供給量を設定した場合には、噴霧制御を安定して行うことができないからである。なお、画像濃度が0の場合には、目標供給量は0に設定されている。
また、制御部100は、前述した印刷ジョブで指定されている印刷枚数分の複数の領域(例えばGA11)に対して設定した複数の目標供給量に基づいて、各領域に対応した複数の第1定着時間T1を算出するように構成されている。具体的に、制御部100は、目標供給量から仮の第1定着時間Taを設定し、仮の第1定着時間Taに、第1係数k1、第2係数k2および第3係数k3を乗算することで、第1定着時間T1を算出する。
制御部100は、図5(b)に示すマップに基づいて、仮の第1定着時間Taを設定している。図5(b)に示すマップは、目標供給量と仮の第1定着時間Taとの関係を示すマップであり、目標供給量が大きくなるほど、仮の第1定着時間Taが長くなるように設定されている。ここで、目標供給量は、前述したように最小の値がQ1であるため、仮の第1定着時間Taの最も小さな値は、Q1に対応したTa1となっている。
制御部100は、図6(a)に示すマップに基づいて、第1係数k1を設定している。図6(a)に示すマップは、定着液Lの温度と第1係数k1との関係を示すマップであり、温度が高くなるほど、第1係数k1が小さくなるように設定されている。また、定着液Lの温度が常温α(例えば20℃)である場合に、第1係数k1が1となるように設定されている。
制御部100は、図6(b)に示すマップに基づいて、第2係数k2を設定している。図6(b)に示すマップは、本体筐体2の外部温度と第2係数k2との関係を示すマップであり、外部温度が高くなるほど、第2係数k2が小さくなるように設定されている。また、外部温度が常温α(例えば20℃)である場合に、第2係数k2が1となるように設定されている。
制御部100は、図6(c)に示すマップに基づいて、第3係数k3を設定している。図6(c)に示すマップは、後述する補助処理で使用する加熱ヒータ82に加える単位時間当たりの電力量と第3係数k3との関係を示すマップであり、電力量が大きくなるほど、第3係数k3が小さくなるように設定されている。また、電力量が0である場合に、第3係数k3が1となるように設定されている。
以上のような各マップに基づいて第1定着時間T1を設定することで、制御部100は、定着液Lの温度が高いほど、第1定着時間T1を短い値に設定し、本体筐体2の外部温度が高いほど、第1定着時間T1を短い値に設定し、加熱ヒータ82への電力量が大きいほど、第1定着時間T1を短い値に設定している。制御部100は、複数の領域(例えばGA11)に対して第1定着時間T1を設定すると、各目標供給量の定着液Lを各領域に供給した時刻から各目標供給量に応じた各第1定着時間T1が経過した時刻である完了時刻をそれぞれ求める。
そして、制御部100は、複数の完了時刻のうち最も遅い時刻になったときに、定着が完了したことを報知するように構成されている。なお、定着完了の報知の方法としては、例えば、本体筐体2の前面上部に設けられた表示画面に「用紙Pの乾燥が終了しました。」などの完了のメッセージを表示する方法や、未完了の報知の際に点灯させた警告ランプを消灯させる方法や、ブザーや音声などにより報知する方法などが挙げられる。
また、制御部100は、各目標供給量に基づいて、用紙P上のトナー像の下流側搬送ローラ81への付着量が所定量以下となる程度にトナーが定着するまでに要する時間である第2定着時間T2を複数算出する。つまり、制御部100は、印刷ジョブで指定されている印刷枚数分の複数の領域(例えばGA11)に対して第2定着時間T2をそれぞれ設定する。ここで、各第2定着時間T2は、各第1定着時間T1よりも短い時間であり、例えば第1定着時間T1から所定時間を減算したり、第1定着時間T1に1未満の係数を乗算することで算出されている。第2定着時間T2は、各第1定着時間T1毎に特定される。
そして、制御部100は、複数の第2定着時間T2の中から最大の第2定着時間T2を特定し、この最大の第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きいか否かを判断する機能を有している。
また、第2閾値TH2は、定着ヘッド71から下流側搬送ローラ81までの距離と、用紙Pの搬送速度とに基づいて算出することができる。詳しくは、各定着ヘッド71A〜71Cのうち最も下流側にある第2定着ヘッド71Bの下流端から下流側搬送ローラ81のニップ部までの距離に対して、搬送速度を除算することで、第2閾値TH2が算出されている。
制御部100は、最大の第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きい場合には、印刷モードに応じて、最大の第2定着時間T2を短くするための補助処理、または、用紙Pの搬送速度を下げる搬送速度変更処理を、選択的に実行するように構成されている。制御部100は、補助処理において、最大の第2定着時間T2に基づいて加熱ヒータ82に加える単位時間当たりの電力量を決定し、当該電力量で加熱ヒータ82を稼働させる。詳しくは、制御部100は、最大の第2定着時間T2が長いほど、電力量を大きな値に設定している。
また、制御部100は、搬送速度変更処理において、最大の第2定着時間T2に基づいて、搬送速度の下げ幅を決定している。詳しくは、制御部100は、最大の第2定着時間T2が長いほど、搬送速度の下げ幅を大きくしている。
制御部100は、印刷モードが、電力消費を抑えるための省エネモードであるか否かを判断し、省エネモードである場合に、搬送速度変更処理を先に実行し、変更した搬送速度に基づいて第2閾値TH2を再設定する機能を有している。制御部100は、第2閾値TH2の再設定後においてもT2≦TH2とならない場合には、補助処理を実行する。制御部100は、補助処理を実行した場合には、各第1定着時間T1および最大の第2定着時間T2を、補助処理の影響を考慮した短い時間に補正する。詳しくは、制御部100は、補助処理で設定した電力量が大きいほど、各第1定着時間T1および最大の第2定着時間T2を短い時間に補正する。
また、制御部100は、印刷モードが省エネモードでない場合には、補助処理を先に実行して、最大の第2定着時間T2等を補正する。制御部100は、最大の第2定着時間T2を補正してもT2≦TH2とならない場合には、搬送速度変更処理を実行する。
次に、制御部100の動作について詳細に説明する。
図7に示すように、制御部100は、印刷指令を受けると(START)、まず、印刷データ(印刷モードを示すデータや画像データ)に基づいて複数の目標供給量を定着ヘッド71A〜71Cごとに算出する(S1)。詳しくは、制御部100は、1つの印刷ジョブ中に印刷枚数が複数枚設定されている場合には、各用紙1枚に対応する画像データ毎に各定着ヘッド71A〜71Cの目標供給量を算出する。
ステップS1の後、各目標供給量、定着液Lの温度、外部温度、加熱ヒータ82に加える電力量、各マップ等に基づいて複数の第1定着時間T1と複数の第2定着時間T2を算出する(S2)。そして、制御部100は、複数の第2定着時間T2の中から、最も大きい値である第2定着時間T2を特定する。なお、ステップS2において、加熱ヒータ82はOFF状態なので、ステップS2における第3係数k3は常に1となっている。
ステップS2の後、制御部100は、定着ヘッド71から下流側搬送ローラ81までの距離と、用紙Pの搬送速度とに基づいて、第2閾値TH2を算出する(S3)。ステップS3の後、制御部100は、最大の第2定着時間T2が第2閾値TH2以下であるか否かを判断する(S4)。ステップS4において最大の第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きいと判断した場合には(No)、制御部100は、調整処理を実行する(S5)。
図8に示すように、制御部100は、調整処理において、まず、印刷モードが省エネモードか否かを判断する(S21)。ステップS21において省エネモードではないと判断すると(No)、制御部100は、最大の第2定着時間T2に基づいて、加熱ヒータ82に加える電力量を設定する(S22)。ステップS22では、制御部100は、最大の第2定着時間T2を第2閾値TH2以下の値にすべく、最大の第2定着時間T2の長さに応じて電力量を大きくするが、電力量には上限値があるので、電力量が上限値となった場合には、電力量を上限値に設定する。
ステップS22の後、制御部100は、設定した電力量に基づいて、複数の第1定着時間T1および最大の第2定着時間T2を再算出する(S23)。詳しくは、ステップS23において、制御部100は、設定した電力量と図6(c)に示すマップから第3係数k3を再設定することで、複数の第1定着時間T1を再算出し、再算出した複数の第1定着時間T1の最大値に基づいて最大の第2定着時間T2を再算出する。
ステップS23の後、制御部100は、再算出した最大の第2定着時間T2が第2閾値TH2以下であるか否かを判断する(S24)。ステップS24においてT2≦TH2であると判断した場合には(Yes)、制御部100は調整処理を終了する。
ステップS24においてT2>TH2であると判断した場合には(No)、制御部100は、最大の第2定着時間T2に基づいて搬送速度を現在の値よりも小さな値に設定する(S25)。ステップS25では、制御部100は、最大の第2定着時間T2を第2閾値TH2以下の値にすべく、最大の第2定着時間T2の長さに応じて搬送速度を小さくするが、搬送速度には下限値(例えば0m/s)があるので、搬送速度が下限値となった場合には、搬送速度を下限値に設定する。
ステップS25の後、制御部100は、定着ヘッド71から下流側搬送ローラ81までの距離と、変更した搬送速度とに基づいて第2閾値TH2を再算出する(S26)。ステップS26の後、制御部100は、最大の第2定着時間T2が、再算出した第2閾値TH2以下であるか否かを判断する(S27)。
ステップS27において、制御部100は、T2≦TH2であると判断すると(Yes)、調整処理を終了し、T2>TH2であると判断すると(No)、環境が変わらない限り定着処理が実行できないこと、つまり印刷を行うことができないことをユーザに報知する(S28)。
ステップS21において省エネモードであると判断した場合には(Yes)、制御部100は、最大の第2定着時間T2に基づいて搬送速度を設定する(S29)。つまり、ステップS29において、制御部100は、ステップS25と同様の処理を実行する。
ステップS29の後、制御部100は、ステップS26と同様の方法で、第2閾値TH2を再算出する(S30)。ステップS30の後、制御部100は、最大の第2定着時間T2が、再算出した第2閾値TH2以下であるか否かを判断し(S31)、第2閾値TH2以下である場合には(Yes)、調整処理を終了する。
ステップS31においてT2>TH2であると判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS22と同様の方法で、電力量を設定する(S32)。ステップS32の後、制御部100は、ステップS23と同じ方法で、複数の第1定着時間T1および最大の第2定着時間T2を再算出して(S33)、前述したステップS27の処理に移行する。
図7に戻って、調整処理(S5)の終了後や、ステップS4でYesと判断した場合には、制御部100は、各第1定着時間T1が第1閾値TH1以下であるか否かを判断する(S6)。ステップS6においてT1≦TH1であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、印刷制御を実行する(S7)。
ここで、印刷制御は、1つの印刷ジョブに対応した印刷制御であり、1つの印刷ジョブにおいて印刷枚数が複数枚に設定されている場合には、複数枚のうち最初の用紙Pの給紙を開始してから、最後の用紙Pが排紙トレイ21に排紙されるまで実行される。また、ステップS22,S29等で電力量や搬送速度が設定された場合には、印刷制御中において、設定された電力量で加熱ヒータ82が稼働し、設定された搬送速度で用紙Pが搬送される。さらに、ステップS7において印刷制御を行う際に、前回の印刷ジョブによる印刷制御が終了していない場合には、制御部100は、前回の印刷制御の終了後に、今回の印刷制御を行う。これにより、前回の印刷制御の搬送速度と、今回の印刷制御の搬送速度が異なる場合であっても、印刷制御の際中に搬送速度が切り替わることが抑えられている。
ステップS6においてT1>TH1であると判断した場合には(No)、制御部100は、印刷モードが排紙時定着完了モードであるか否かを判断する(S8)。ここで、排紙時定着完了モードとは、用紙P上に完全にトナー像が定着された後、つまりトナー像がユーザの手に付かない程度に用紙Pが乾燥した後に排紙されるモードをいい、ユーザによって適宜選択される。なお、ユーザが排紙時定着完了を選択しない場合には、用紙Pは完全に乾く前に排紙トレイ21に排紙される。第1閾値TH1は、画像の各領域GAが定着ヘッド71A〜71Cを通過してから用紙Pが排紙トレイ21上に排紙されるまでの時間である。TH1とT1とを比較することで排紙トレイ21に排紙された用紙P上のトナー像が定着完了しているか否かを判断することがきる。
ステップS8において印刷モードが排紙時定着完了モードであると判断した場合には(Yes)、制御部100は、用紙Pを乾燥させた状態で排紙することができないと判断し、環境が変わらない限り定着処理が実行できないこと、つまり印刷を行うことができないことをユーザに報知する(S9)。ステップS8において印刷モードが排紙時定着完了モードでないと判断した場合には(No)、制御部100は、排紙された用紙Pへの接触を禁止することをユーザに報知する(S10)。つまり、ステップS10において、制御部100は、ユーザに、用紙Pへのトナー像の定着が未完了であることを報知している。
ステップS10の後、制御部100は、各領域(例えばGA11)に対して各目標供給量の定着液Lを供給する各時刻と、各領域に対応した各第1定着時間T1とに基づいて、複数の完了時刻を算出し、複数の完了時刻の中から最も遅い完了時刻t1を算出する(S11)。ステップS11の後、制御部100は、ステップS7と同様の方法で、印刷制御を実行する(S12)。
ステップS12の後、制御部100は、内部に備える時計で随時カウントしている時刻tが、完了時刻t1以上の時刻になったか否かを判断する(S13)。ステップS13において時刻tが完了時刻t1以上になったと判断した場合には(Yes)、制御部100は、排紙された用紙Pへの接触を容認することをユーザに報知する(S14)。つまり、ステップS14において、制御部100は、ユーザに、用紙Pへのトナー像の定着が完了したことを報知している。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
第1定着時間T1が第1閾値TH1よりも大きい場合、つまり定着が完了するのに長い時間がかかる場合には、定着が完了していないことをユーザに報知するので、未定着状態のトナーにユーザが触れるのを抑えることができる。また、従来技術のように本体筐体内に用紙を待機させるスペースが必要ないので、レーザプリンタ1の大型化を抑えることができる。
画像形成領域GA全体の画像濃度を平均した濃度に基づいて目標供給量を算出する方法と比べ、分割領域A1,A2,・・・ごとに目標供給量を算出するので、例えば局所的に画像濃度が高い部分があっても、その高濃度の部分に対応した適切な目標供給量で定着液Lの供給を行うことができる。また、複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量で定着液Lが供給される部分は定着完了までに最も時間がかかる部分であるため、定着完了までの時間が最も長くなる最大の目標供給量に基づいて第1定着時間T1を算出することで、より確実に定着が完了していないことをユーザに報知することができる。
定着ヘッド71A〜71Cごとに目標供給量を算出するので、画像濃度が高い部分には、所定の定着ヘッドから多量の定着液Lを供給し、画像濃度が低い部分には、別の定着ヘッドから少量の定着液Lを供給することができる。
分割領域A1,A2,・・・の幅(面積)を各定着ヘッド71A〜71Cの幅よりも小さく設定することで、最も濃度が高くなる部分をより高精度に特定することができるので、定着性能を向上させることができる。
定着液Lの温度が高いほど、第1定着時間T1を短い時間に設定するので、定着液Lの温度に応じて適切に第1定着時間T1を設定することができる。
本体筐体2の外部の温度が高いほど、第1定着時間T1を短い時間に設定するので、外部の温度に応じて適切に第1定着時間T1を設定することができる。
定着完了までの時間が最も長くなる最大の目標供給量に基づいて第1定着時間T1を算出するので、より確実に定着が完了していないことをユーザに報知することができる。
複数の第1定着時間T1から求める複数の完了時刻のうち最も遅い時刻になったときに定着の完了を報知するので、すべての領域(例えば、GA11)の定着が完了したことを、ユーザに知らせることができる。
第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きく、かつ、省エネモードでない場合には(S4:No→S21:No)、補助処理により第2定着時間T2が短くなるので、用紙Pのトナー像が下流側搬送ローラ81に到着する前に、トナーをある程度定着させることができ、トナーが下流側搬送ローラ81に付着するのを抑えることができる。
補助処理を実行した場合には、第1定着時間T1が補助処理の影響を考慮した短い時間に補正されるので、補助処理を考慮して第1定着時間T1を精度良く算出することができる。
印刷モードが省エネモードでない場合において、補助処理を実行しても第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きい場合には(S24:No)、用紙Pの搬送速度を下げるので、定着ヘッド71から排出された用紙Pが下流側搬送ローラ81に到着するタイミングを遅らせることができる。つまり、搬送速度を下げた分、定着ヘッド71から下流側搬送ローラ81までの間において、用紙Pを乾かす時間を稼ぐことができるので、トナーが下流側搬送ローラ81に付着するのを抑えることができる。
第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きく、かつ、省エネモードである場合には(S4:No→S21:Yes)、用紙Pの搬送速度を下げるので、定着装置7から排出された用紙Pが下流側搬送ローラ81に到着するタイミングを遅らせることができ、トナーが下流側搬送ローラ81に付着するのを抑えることができる。
印刷モードが省エネモードである場合において、搬送速度変更処理を実行しても第2定着時間T2が第2閾値TH2よりも大きい場合には、補助処理を実行することで第2定着時間T2が短くなるので、用紙Pのトナー像が下流側搬送ローラ81に到着する前に、トナーをある程度定着させることができ、トナーが下流側搬送ローラ81に付着するのを抑えることができる。
印刷制御(S12)を開始する前に、第3処理(S10)を実行するので、トナーが未定着な状態となっている最初の用紙Pにユーザが触れてしまうのをより抑えることができる。
第1モードよりも定着液Lの供給量が多くなる第2モードでは、第1モードのときよりも第1定着時間T1を長くするので、第2モードにおいて定着が完了していないことをユーザに適切に報知することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、用紙Pの画像形成領域GAを各定着ヘッド71A〜71Cの大きさに対応するように区画した複数の領域(例えば、GA11)に対してそれぞれ目標供給量を設定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成領域GA全体の画像濃度に基づいて目標供給量を設定してもよい。つまり、用紙Pごとに1つの目標供給量を設定してもよい。そして、印刷枚数が複数枚の場合には、用紙Pごとに設定した複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量に基づいて第1定着時間を算出してもよい。
前記実施形態では、印刷制御を開始する前に第3処理を実行したが、本発明はこれに限定されず、制御部は、1つの印刷ジョブにおける最初の用紙が本体筐体の外側に排出される前に、第3処理を実行するように構成されていてもよい。つまり、印刷制御の開始後であっても、最初の用紙が本体筐体の外側に排出される前であれば、どのタイミングで第3処理を実行してもよい。
これによれば、1つの印刷ジョブにおける最初の用紙が本体筐体の外側に排出される前に第3処理を実行してユーザに報知するので、トナーが未定着な状態となっている最初の用紙にユーザが触れてしまうのを抑えることができる。
前記実施形態では、静電噴霧により定着液Lを用紙Pに供給したが、本発明はこれに限定されず、例えば塗布ローラで定着液を用紙に塗布してもよい。
前記実施形態では、定着ヘッド71A〜71Cの内部の定着液Lの圧力を調整する装置を設けていないが、本発明はこれに限定されず、圧力調整装置を設けてもよい。
前記実施形態では、補助処理において、加熱ヒータ82を稼働させたが、本発明はこれに限定されず、例えば用紙Pに対して送風を行う送風機を稼働させてもよい。この場合にも、送風機に加える単位時間当たりの電力量は、第2定着時間に基づいて決定すればよい。なお、電力量は、目標供給量に基づいて決定してもよい。つまり、目標供給量が大きくなるほど、電力量を大きな値に設定してもよい。
前記実施形態では、熱源の一例として加熱ヒータ82を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば発熱抵抗体やIH熱源などであってもよい。ここで、IH熱源は、それ自体は発熱しないが、ローラや金属ベルトを電磁誘導加熱方式により発熱させるものをいう。
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、目標供給量に基づいて第1定着時間T1および第2定着時間T2を決定したが、本発明はこれに限定されず、制御部は、画像の濃度に基づいて、第1電極に印加する電圧値や、電流センサに流れる電流値を決定し、決定された電圧値や電流値に基づいて第1定着時間や第2定着時間を決定してもよい。
前記実施形態では、図5に示すように目標供給量から第1定着時間T1を求める構成としたが、画像濃度から第1定着時間を求める構成としてもよい。
前記実施形態では、用紙接触禁止の報知(S10)を、印刷制御(S12)の前に行ったが、本発明はこれに限定されず、報知のタイミングは、印刷ジョブにおける最初の用紙が排紙トレイから排出される前のタイミングであればいつでもよく、例えば印刷制御の開始後に報知を行ってもよい。
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
7 定着装置
100 制御部
L 定着液
P 用紙
R 排紙ローラ

Claims (22)

  1. 定着液を記録シート上の現像剤像に供給することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置と、
    前記定着装置を収容する本体筐体と、
    前記定着装置から排出された記録シートを前記本体筐体の外側に排出する排出機構と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    記録シートの単位面積当たりの定着液の供給量の目標値である目標供給量を算出する第1処理と、
    前記目標供給量に基づいて、前記記録シートに対する現像剤の定着が完了するまでに要する時間である第1定着時間を算出する第2処理と、
    前記第1定着時間が第1閾値よりも大きい場合に、前記本体筐体の外側に排出された記録シートについて定着が完了していないことを報知する第3処理と、を実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着装置は、
    ノズルを有し、前記ノズルによって記録シート上の現像剤像に向けて定着液を噴霧する定着ヘッドと、
    前記定着ヘッド内の定着液と、前記定着ヘッドから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、画像データの濃度に基づいて前記目標供給量を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、
    記録シートの画像形成領域を少なくとも記録シートの幅方向に区画した複数の分割領域ごとに前記目標供給量を算出し、
    算出した複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量に基づいて、前記第1定着時間を算出することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着ヘッドは、前記幅方向に複数設けられ、
    前記制御部は、前記定着ヘッドごとに前記目標供給量を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記分割領域の幅は、前記定着ヘッドの幅よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、定着液の温度が高いほど、前記第1定着時間を短くすることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記本体筐体の外部の温度が高いほど、前記第1定着時間を短くすることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記第1定着時間が前記第1閾値以下であると判断した場合に、前記第3処理を実行しないことを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、印刷枚数が複数枚の1つの印刷ジョブを実行する場合に、前記目標供給量を少なくとも印刷枚数に応じて複数設定し、算出した複数の目標供給量のうち最も大きな目標供給量に基づいて、前記第1定着時間を算出することを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記1つの印刷ジョブにおける最初の記録シートが前記本体筐体の外側に排出される前に、前記第3処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御部は、前記1つの印刷ジョブにおいて前記複数の目標供給量に基づいて各目標供給量に応じた複数の第1定着時間を算出し、各目標供給量の定着液を供給した時刻から各目標供給量に応じた各第1定着時間が経過した時刻である完了時刻をそれぞれ求め、複数の完了時刻のうち最も遅い時刻になったときに、定着が完了したことを報知することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記定着ヘッドに対して前記記録シートの搬送方向下流側に配置され、前記定着ヘッドを通過した後の記録シートを挟持して搬送する一対の下流側搬送ローラを備え、
    前記制御部は、
    前記目標供給量に基づいて、前記記録シート上の現像剤像の前記下流側搬送ローラへの付着量が所定量以下となる程度に現像剤が定着するまでに要する時間である第2定着時間を算出し、
    前記第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合に、当該第2定着時間を短くするための補助処理を実行することを特徴とする請求項2から請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記定着ヘッドと前記下流側搬送ローラとの間に、前記記録シートを加熱する熱源を備え、
    前記制御部は、前記補助処理において、前記熱源を稼働させることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記制御部は、前記補助処理を実行する場合に、前記第1定着時間を、前記補助処理の影響を考慮した短い時間に補正することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記制御部は、
    前記補助処理を実行する場合に、前記第2定着時間を、前記補助処理の影響を考慮した短い時間に補正し、
    補正した第2定着時間が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記記録シートの搬送速度を下げることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記第2閾値は、前記定着ヘッドから前記下流側搬送ローラまでの距離と、前記記録シートの搬送速度とに基づいて算出されることを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記電位差形成部は、
    前記定着液と接触し、前記定着液に電圧を印加可能な第1電極と、
    前記ノズルと向かい合う第2電極と、を有することを特徴とする請求項2から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記定着ヘッドに対して前記記録シートの搬送方向下流側に配置され、前記定着ヘッドを通過した後の記録シートを挟持して搬送する一対の下流側搬送ローラを備え、
    前記制御部は、
    前記目標供給量に基づいて、前記記録シート上の現像剤像の前記下流側搬送ローラへの付着量が所定量以下となる程度に現像剤が定着するまでに要する時間である第2定着時間を算出し、
    前記第2定着時間が第2閾値よりも大きい場合に、前記記録シートの搬送速度を下げる搬送速度変更処理を実行することを特徴とする請求項2から請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記制御部は、前記搬送速度変更処理の後に、前記第2定着時間が前記第2閾値よりも大きい場合に、当該第2定着時間を短くするための補助処理を実行することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 前記制御部は、印刷制御を開始する前に、前記第3処理を実行することを特徴とする請求項2から請求項19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  22. 前記制御部は、
    所定量の現像剤に対して供給する定着液の量が第1の量である第1モードと、前記所定量の現像剤に対して供給する定着液の量が前記第1の量よりも多い第2の量である第2モードとを選択可能であり、
    前記第2モードを選択している場合には、前記第1モードを選択している場合よりも前記第1定着時間を長くすることを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021215297A1 (ja) * 2020-04-24 2021-10-28 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

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