JP6707490B2 - 防振遮音床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、防振遮音床構造に関し、特に、木造建築物において、上階と下階との間の床部に設けられる防振遮音床構造に関する。
例えば2階以上の複数階のフロアを有する木造建築物では、上階のフロアで生じる床衝撃音が下階のフロアに伝達されるのを軽減して、騒音等による弊害を回避できるようにするための種々の工夫がなされている。床衝撃音には、例えば子供が飛び跳ねたり走り回ったりした際や、重量物等が落下した際のドスンといった衝撃音である重量床衝撃音と、小物が落下したり、椅子や家具等を移動して設置し直したりした際のコツコツといった衝撃音である軽量床衝撃音とがあり、これらの衝撃音を軽減できるようにした、遮音床構造が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の遮音床構造では、例えば床下地板の上に合成ゴム等からなる緩衝材を敷設すると共に、緩衝材の上に質量15kg/m2以上の床下地材を敷設し、これらの床下地板、緩衝材及び床下地材を相互に接着固定したり、ネジ等を用いて貫通固定したりして形成した遮音床構造によって、遮音性能の向上が図られている。
一方、近年、例えば二世帯住宅用の木造住宅建築物等の木造建築物の床構造として、JIS A 1418−2:2000による重量床衝撃音遮断性能、JIS A 1418−1:2000による軽量床衝撃音遮断性能、及びJIS A 1417による室間音圧レベル差性能(遮音性能)について所定の性能を満たす、遮音性能の高い仕様の床構造を備える木造建築物が望まれており、またこのような遮音性能の高い仕様の床構造を、主として市販の材料を組み合わせて、簡易に且つコンパクトに形成できるようにした遮音床構造も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−141039号公報 特許第5258628号公報
特許文献2の遮音床構造では、遮音性能の高い仕様の床構造を簡易に且つコンパクトに形成することが可能であるが、木造建築物においても、例えば賃貸向けの建築物が構築されるようになってきたことから、高規格分譲マンション等と同様に、特に重量床衝撃音遮断性能について、LH−55といったさらに高い遮音性能を満たすようにすることが検討されており、重量床衝撃音遮断性能をより一層向上させることを可能にする、新たな技術の開発が望まれている。
本発明は、木造住宅建築物において、特に重量床衝撃音遮断性能をさらに向上させて、上階のフロアで生じる床衝撃音が下階のフロアに伝達されるのを、効果的に軽減することのできる防振遮音床構造を提供することを目的とする。
本発明は、木造建築物において、上階と下階との間の床部に設けられる防振遮音床構造であって、床支持部材によって支持されて、該床支持部材の上面に敷設された床下地材と、該床下地材の上面に重ねて面状に敷設されたシート状浮き床材と、該シート状浮き床材の上面に重ねて敷設された、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2の重量床パネル材とを含んで構成され、前記シート状浮き床材は、前記重量床パネル材からの荷重を弾性変形可能に支持して、前記重量床パネル材からの振動が前記床下地材に伝わるのを抑制する防振層を形成しており、前記重量床パネル材は、重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材を、前記シート状浮き床材の上面に、縦横に並べて敷設することによって形成されており、隣接する前記単位床パネル部材の間の目地部において、一方の前記単位床パネル部材の張出しリング部に、他方の前記単位床パネル部材の張出しリング部を重ね合わせ、重ね合わせた一対の張出しリング部に、ビス打込み孔が形成された樹脂製プラグを装着して、固定ビス、固定釘等の固定金具を前記ビス打込み孔に打ち込むことによって、複数の前記単位床パネル部材が、前記床下地材に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定されている防振遮音床構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の防振遮音床構造は、前記重量床パネル材が、30〜100mmの厚さを有していることが好ましい。
また、本発明の防振遮音床構造は、前記重量床パネル材が、成形モルタル板又は成形セメント板からなっていることが好ましい。
さらに、本発明の防振遮音床構造は、前記シート状浮き床材が、厚さが1〜10mmのフェルトシート材からなっていることが好ましい。
さらにまた、本発明の防振遮音床構造は、前記樹脂製プラグには、頭部の中央部から、筒状挿入部の先端に至るまで軸方向に貫通して、前記ビス打込み孔が形成されていると共に、前記筒状挿入部には、軸方向に延設して、一対の切欠きスリットが、頭部側の基端部から先端部に至る長さで形成されていることが好ましい。
本発明の防振遮音床構造によれば、木造住宅建築物において、特に重量床衝撃音遮断性能をさらに向上させて、上階のフロアで生じる床衝撃音が下階のフロアに伝達されるのを、効果的に軽減することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る防振遮音床構造の構成を説明する断面図である。 複数の単位床パネル部材を用いて形成された重量床パネル材を説明する、(a)は部分平面図、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図である。 目地部において固定金具を打ち込むことにより単位床パネル部材を固定する状況を説明する、図2(a)のB部斜視断面図である。 (a)〜(c)は、目地部において固定金具を打ち込むことにより単位床パネル部材を固定する状況を説明する、図3のC−Cに沿った断面図である。 図1の防振遮音床構造について行った床衝撃音遮断性能の実験結果を示すチャートである。 図1の防振遮音床構造について行った室間音圧レベル差性能(遮音性能)の実験結果を示すチャートである。 図1の防振遮音床構造及び比較例1の遮音構造について行った重量床衝撃音遮断性能の比較実験結果を示すチャートである。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る防振遮音床構造10は、木造建築物として、例えば2階以上の複数階のフロアが設けられた、軸組工法や枠組壁工法による木造住宅建築物において、下階31の天井部でもある上階30と下階31との間の床部に、好ましくはJIS A 1418−2:2000による重量床衝撃音遮断性能がLH−55、JIS A 1418−1:2000による軽量床衝撃音遮断性能がLL−50、JIS A 1417による室間音圧レベル差性能(遮音性能)がD−50といった性能を満たす、高い遮音性能を発揮できる仕様の床構造として採用されたものである。また、本実施形態の防振遮音床構造10は、このような高い遮音性能を有する床部を、好ましくは各々の材料を作業員の手作業により敷設して、コンパクトに形成できるようにすると共に、特に重量床衝撃音遮断性能を向上させて、上階のフロアで生じる床衝撃音が下階のフロアに伝達されるのを、効果的に軽減できるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態の防振遮音床構造10は、木造建築物において、上階30と下階31との間の床部に設けられる床構造であって、床支持部材11a,11bによって支持されて、床支持部材11a,11bの上面に敷設された床下地材12と、床下地材12の上面に重ねて面状に敷設されたシート状浮き床材13と、シート状浮き床材13の上面に重ねて敷設された、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2の重量床パネル材14とを含んで構成され、シート状浮き床材13は、重量床パネル材14からの荷重を弾性変形可能に支持して、重量床パネル材14からの振動が床下地材12に伝わるのを抑制する防振層16を形成している。
また、本実施形態では、重量床パネル材14は、好ましくは成形モルタル板又は成形セメント板からなり、好ましくは30〜100mmの厚さを有している。シート状浮き床材13は、好ましくは厚さが1〜10mmのフェルトシート材からなっている。
さらに、本実施形態では、図2(a)、(b)にも示すように、重量床パネル材14は、重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材15を、シート状浮き床材13の上面に、縦横に並べて敷設することによって形成されている。
本実施形態では、防振遮音床構造10の床下地材12を支持する床支持部材11a,11bは、木造住宅建築物の床部分の骨組みを形成する公知の部材であって、図1に示すように、梁11a、床根太11b等によって構成されている。
床支持部材11a,11bの上面に敷設される床下地材12は、床下地材として市販されている公知の各種の板状部材を用いることができる。本実施形態では、床下地材12は、例えば杉材からなる、厚さが24mmの剛床パネルが用いられている。床下地材12は、通常の施工方法と同様にして、例えばビス、釘、ステープル等の打込み固定部材(図示せず)を用いて、床支持部材11a,11bに固定されている。
床下地材12の上面に敷設されるシート状浮き床材13は、例えばフェルトをシート状に形成して得られた、公知の各種のフェルト製のシート材料を用いることができる。シート状浮き床材13は、本実施形態では、上述のように、好ましくは厚さが1〜10mm(本実施形態では4mm)のフェルトシート材からなり、床下地材12の上面に重ねて面状に敷設される。シート状浮き床材13は、留め付けることなく、敷設しただけの状態で、或いは適宜仮留めした状態で、床下地材12の上面に敷設することができる。シート状浮き床材13は、重量床パネル材14からの荷重を弾性変形可能に支持して、重量床パネル材14からの振動が床下地材12に伝わるのを抑制する防振層16として機能する。
シート状浮き床材13の上面に重ねて敷設された重量床パネル材14は、上述のように、好ましくは成形モルタル板又は成形セメント板からなり、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2となっている。これによって、重量床パネル材14は、相当の重さを有することから、広い面積のものを、例えば作業員の手作業によって一度に敷設することは困難である。このため、本実施形態では、後述するように、重量床パネル材14は、好ましくは重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材15に分割して、これらの複数の単位床パネル部材15を、シート状浮き床材13の上面に縦横に並べて敷設することによって、形成されるようになっている(図2(a)、(b)参照)。また、敷設された複数の単位床パネル部材15における、隣接する単位床パネル部材15の間の目地部17において、固定ビス、固定釘等の固定金具18を打ち込んで、各々の単位床パネル部材15を、床下地材12に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定することによって、これらが一体となった重量床パネル材14を形成するようになっている。成形モルタル板又は成形セメント板(本実施形態では、遮音モルタル板)からなる重量床パネル材14は、上述のように、好ましくは30〜100mm(本実施形態では、35mm)の厚さを有している。
そして、本実施形態では、複数の単位床パネル部材15を縦横に並べて敷設して形成された、好ましくは遮音モルタル板からなる重量床パネル材14の上方には、さらに、上張浮き床フェルト材19aと、下張合板19bと、硬質石膏ボード19cと、制振シート19dと、上張合板19eと、床仕上げ材19fとが、重ね合わせされた状態で敷設されている。
上張浮き床フェルト材19aは、シート状浮き床材13と同様に、例えばフェルトをシート状に形成して得られた、公知の各種のフェルト製のシート材料を用いることができる。本実施形態では、上張浮き床フェルト材19aとして、好ましくは厚さ1〜10mm程度(本実施形態では4mm)のフェルトシート材を用いることができる。上張シート状浮き床材19aは、留め付けることなく、敷設しただけの状態で、或いは適宜仮留めした状態で、重量床パネル材14の上面に敷設することができる。
下張合板19bは、例えば構造用合板として市販されている、厚さが5〜24mm程度の公知の各種の合板を用いることができる。本実施形態では、例えば厚さ12mmの針葉樹合板を好ましく用いることができる。
硬質石膏ボード19cは、例えば建築用の石膏ボードとして市販されている厚さが9〜21mm程度の公知の各種の石膏ボードを用いることができる。本実施形態では、各々、例えば厚さ12.5mmの硬質石膏ボードを好ましく用いることができる。
制振シート19dは、例えばアスファルト系遮音材として知られる厚さが4〜12mm程度の公知の各種のアスファルト系制振材を用いることができる。本実施形態では、制振シート19dとして、例えば密度ρ=2.3〜3.0g/cm3の制振材をシート状に形成して得られた、厚さ8mm程度のアスファルト遮音シートを好ましく用いることができる。制振シート19dは、これの自重によって、重量床衝撃音の低減に寄与することができる。
上張合板19eは、下張合板19bと同様に、例えば構造用合板として市販されている、厚さが5〜24mm程度の公知の各種の合板を用いることができる。本実施形態では、例えば厚さ12mmの針葉樹合板を好ましく用いることができる。
床仕上げ材19fは、例えば弾性フローリング、突板フロア等の、床用の仕上げ材として市販されている公知の各種の板状部材を用いることがでる。本実施形態では、例えば厚さが12mmの突板フロアを用いることができる。突板フロアは、好ましくは専用の接着剤を用いて、上張合板19eの上面に取り付けることができる。
本実施形態では、防振遮音床構造10を構成する重量床パネル材14の上方に、上張浮き床フェルト材19a、下張合板19b、硬質石膏ボード19c、制振シート19d、上張合板19e、及び床仕上げ材19fが、重ね合わせされた状態で敷設されていることにより、軽量床衝撃音遮断性能をさらに向上させることが可能になると共に、歩行時における適度な床のやわらかさを実現することが可能になる。
また、本実施形態では、図1に示すように、床支持部材11a,11bの下方に、吊り天井20が取り付けられており、この吊り天井20の天井材21の上方に積層されて、制振シート22と、1層以上(本第1実施形態で2層)の繊維系吸音材23とが設けられている。
本実施形態では、吊り天井20は、床下地材12の下方の天井空間に配置された吊木受部材24から下方に延設する吊木部材25によって支持された、鋼製野縁26の下面に、例えば床下地材12との間に430mm程度の間隔をおいて、天井材21を取り付けることによって形成されている。天井材21の上方には、鋼製野縁26の上面側に敷設された制振シート22と、2層の繊維系吸音材23とが積層されている。
天井材21は、天井用の下地材或いは仕上げ材として市販されている公知の各種の板状部材を用いることができる。本実施形態では、例えば厚さが12.5mmの強化石膏ボードを2枚重ねした状態で用いられている。天井材21は、通常の施工方法と同様にして、例えば接着剤や、ビス、ステープル等を用いて鋼製野縁26に固定される。
鋼製野縁26の上面側に敷き込まれる制振シート22は、上述の制振シート19dと同様に、例えばアスファルト系遮音材として知られる厚さが2〜12mm程度の公知の各種のアスファルト系制振材を用いることができる。本実施形態では、制振シート22として、例えば密度ρ=2.3〜3.0g/cm3の制振材をシート状に形成して得られた、厚さ4mm程度のアスファルト遮音シートを好ましく用いることができる。
制振シート22の上面に敷設される1層以上の繊維系吸音材23は、建築用の吸音材として市販されている公知の各種のグラスウール又はロックウールを用いることができる。1層以上の繊維系吸音材23は、合計の厚さが50〜200mmのとなるようにすることが好ましい。本実施形態では、2層の繊維系吸音材23として、各々、例えば厚さ100mmのグラスウールを好ましく用いることができる。
天井材21の上方に制振シート22が敷設されていることにより、天井内空間の音圧変動を原因として発生する、天井材21の振動エネルギーを効果的に低減することが可能になる。また、天井材21の上方に1層以上の繊維系吸音材23が合計の厚さが50〜200mmとなるように敷設されていることにより、天井内空間で発生する音圧変動のピークを効果的に低減することが可能になる。特に、厚さ100mmのグラスウールによる繊維系吸音材23が2層敷設されていることにより、63Hzのオクターブバンド帯域(44〜88Hz)における音圧変動のピークを効果的に低減することが可能になる。
そして、本実施形態では、上述のように、防振遮音床構造10を構成する重量床パネル材14は、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2の、好ましくは遮音モルタル板となっており、広い面積のものを、例えば作業員の手作業によって一度に敷設することは困難であることから、図2(a)、(b)に示すように、重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材15を、シート状浮き床材13の上面に、縦横に並べて敷設することによって形成されている。本実施形態では、単位床パネル部材15は、例えば453×453mmの正方形の平面形状を備えると共に、35mmの厚さを備えており、且つ好ましくは15kgf/枚の重さを有する遮音モルタル板となっている。これによって、単位床パネル部材15は、作業員の手作業によって、容易に持ち運んだり敷設したりすることが可能な大きさを備えることになる。
本実施形態では、複数の単位床パネル部材15を縦横に敷き並べて、これらが一体となった重量床パネル材14を形成するには、図2(a)、(b)に示すように、床下地材12の上面に敷設されたシート状浮き床材13の上に重ねて、正方形の平面形状を有する単位床パネル部材15を、例えば2mm程度の幅の隙間が保持された格子状の目地部17が形成されるように、縦横に敷き並べて配置する。また、縦横に敷き並べて配置された複数の単位床パネル部材15を、各隣接する一対の単位床パネル部材15の間の目地部17において、固定ビス、固定釘等の固定金具18を打ち込むことによって、床下地材12に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定する。
すなわち、本実施形態では、図3にも示すように、各々の単位床パネル部材15には、正方形の平面形状の4辺の各辺縁部の中央部分に、例えば略半円形状の切欠き部15aが形成されており、これらの切欠き部15aにおいて、単位床パネル部材15から外側に張り出して、張出しリング部15bが取り付けられている。
張出しリング部15bは、金属製の留め金具であって、埋設支持部15cとリング本体部15dとが一体となって形成されている。張出しリング部15bは、遮音モルタル板からなる単位床パネル部材15を製造する際に、埋設支持部15cを、単位床パネル部材15に埋め込むことによって、リング本体部15dの先端側の略半分の部分を、切欠き15aが形成された辺縁部よりも外側にさらに突出させた状態で、単位床パネル部材15に取り付けられている。また、張出しリング部15bのリング本体部15dは、各隣接する一対の単位床パネル部材15の間の目地部17において、両側のリング本体部15dが、高さ方向の位置をずらせて張り出すように、一方を上方に、他方を下方に傾けた状態で取り付けられている(図4(a)参照)。これによって、複数の単位床パネル部材15を、格子状の目地部17が形成されるように縦横に敷き並べて配置した際に、各隣接する一対の単位床パネル部材15の間の目地部17において、一方の単位床パネル部材15の張出しリング部15bのリング本体部15dを、他方の単位床パネル部材15の張出しリング部15bのリング本体部15dに、重ね合わせて配置することが可能になる。重ね合わせた一対の張出しリング部15bのリング本体部15dに挿通させて、固定金具18として、好ましくはスリムビスを、好ましくは樹脂製プラグ27を介在させた状態で、シート状浮き床材13を貫通させて床下地材12に向けて打ち込むことによって(図4(c)参照)、各々の単位床パネル部材15が、床下地材12に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定されることになる。
ここで、固定金具18として、図3に示すように、例えば頭部の直径が5.85mm、ねじ部の直径が3.3mm、長さが50mmのスリムビスを用いることができる。樹脂製プラグ27として、例えば頭部27aの直径が15.9mm、筒状挿入部27bの直径が、単位床パネル部材15に取り付けられた張出しリング部15bのリング本体部15dの内径よりも若干小さな7mm、長さが19.5mmとなっている樹脂製のプラグ部材を用いることができる。樹脂製プラグ27には、頭部27aの中央部から、筒状挿入部27bの先端に至るまで軸方向に貫通して、ビス打込み孔27cが形成されている。筒状挿入部27bには、これの外周面に、ネジ山状の凹凸部が形成されていると共に、径方向に対向する位置に、一対の切欠きスリット27dが、筒状挿入部27bの軸方向に延設して、頭部27a側の基端部から先端部に至る長さで形成されている。
本実施形態では、各隣接する一対の単位床パネル部材15の間の目地部17において、固定金具18を打ち込むことによって、各々の単位床パネル部材15を床下地材12に固定する際に、図4(a)、(b)に示すように、重ね合わせた一対の張出しリング部15bのリング本体部15dに筒状挿入部27bを挿通させて、樹脂製プラグ27を装着する。しかる後に、目地部17の上方から、固定金具18を、装着した樹脂製プラグ27のビス打込み孔27cを貫通させることで、重ね合わせた一対の張出しリング部15bのリング本体部15dに挿通させ状態で、図4(c)に示すように、シート状浮き床材13を貫通させて床下地材12に向けて打ち込む。これによって、縦横に敷き並べて配置された複数の単位床パネル部材15の各々が、床下地材12に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定されて、これらが一体となった重量床パネル材14が形成されることになる。
また、本実施形態では、上述のように、重ね合わせた一対の張出しリング部15bに装着された樹脂製プラグ27を介在させた状態で、固定金具18を、張出しリング部15bに挿通させて打ち込むようになっている。樹脂製プラグ27は、これのビス打込み孔27cを介して固定金具18が貫通することによって、頭部27aよりも下方の部分で、径方向に対向する一対の切欠きスリット27dを押し広げるようにして、筒状挿入部27bが拡径した状態に変形するようになっている(図4(c)参照)。これによって、樹脂製プラグ27の筒状挿入部27bの外周面が、重ね合わせた一対の張出しリング部15bのリング本体部15dの内周面に密着し易くなると共に、リング本体部15dよりも下方の部分で、筒状挿入部27bがリング本体部15dの内径よりも大きく拡径することになるので、樹脂製プラグ27がリング本体部15dから脱落するのを防止することが可能になる。またこれによって、各々の単位床パネル部材15を、床下地材12に、上下方向に変位可能で、且つ左右方向に位置ずれしないように、より安定した状態で固定することが可能になる。
縦横に敷き並べて配置された複数の単位床パネル部材15の各々を、目地部17において固定して、これらが一体となった重量床パネル材14を、シート状浮き床材13の上面に重ねて敷設したら、上述のように、敷設された重量床パネル材14の上方に、さらに、上張浮き床フェルト材19aと、下張合板19bと、硬質石膏ボード19cと、制振シート19dと、上張合板19eと、床仕上げ材19fとを、重ね合わせた状態で敷設することによって、床下地材12の上面に敷設されたシート状浮き床材13と重量床パネル材14とを含んで構成される、本実施形態の防振遮音床構造10が形成される。
そして、上述の構成を備える本実施形態の防振遮音床構造10によれば、木造住宅建築物において、特に重量床衝撃音遮断性能をさらに向上させて、上階のフロア30で生じる床衝撃音が下階のフロア31に伝達されるのを、効果的に軽減することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、防振遮音床構造10は、床支持部材11a,11bによって支持されて、床支持部材11a,11bの上面に敷設された床下地材12と、床下地材12の上面に重ねて面状に敷設されたシート状浮き床材13と、シート状浮き床材13の上面に重ねて敷設された、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2の重量床パネル材14とを含んで構成されており、シート状浮き床材13は、重量床パネル材14からの荷重を弾性変形可能に支持して、重量床パネル材14からの振動が床下地材12に伝わるのを抑制する防振層16を形成しているので、相当の重量を備える重量床パネル材14による振動や衝撃を緩和する作用と、シート状浮き床材13による、防振層16としての振動や衝撃が伝達されるのを防止する作用との相乗効果によって、例えば子供が飛び跳ねたり走り回ったりした際や、重量物等が落下した際のドスンといった衝撃音である重量床衝撃音が、上階のフロアから下階のフロアに伝達されるのを効果的に軽減して、好ましくはJIS A 1418−2:2000による重量床衝撃音遮断性能がLH−55、JIS A 1418−1:2000による軽量床衝撃音遮断性能がLL−50、JIS A 1417による室間音圧レベル差性能(遮音性能)がD−50といった性能を満たす、遮音性能の高い仕様の床構造を備える住宅建築物を形成することが可能になる。
また、本実施形態によれば、重量床パネル材14は、重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材15を、シート状浮き床材13の上面に、縦横に並べて敷設することによって形成されているので、作業員の手作業によって重量床パネル材14を敷設することが可能になると共に、シート状浮き床材13を面的に敷設することにより敷設する作業を簡便にして、施工性を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、複数の単位床パネル部材15は、隣接する単位床パネル部材15の間の目地部17において固定金具18を打ち込むことによって、床下地材12に固定されて重量床パネル材14を形成しているので、各々の単位床パネル部材15を、容易に且つ安定した状態で、床下地材12に、上下方向に変位可能で、且つ左右方向に位置ずれしないように固定することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、重量床パネル材は、成形モルタル板又は成形セメント板からなるものである必要は必ずしも無く、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2のその他の種々の床パネル材
であっても良い。また、シート状浮き床材は、フェルトシート材からなるものである必要は必ずしも無く、重量床パネル材からの荷重を弾性変形可能に支持して、重量床パネル材からの振動が床下地材に伝わるのを抑制する防振層を形成することが可能な、その他の種々のシート状の部材であっても良い。
以下、実施例により、本発明の防振遮音床構造についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に示す上記実施形態の防振遮音床構造10と同様の構成を備える遮音構造を、実施例1の防振遮音構造とした。実施例1の防振遮音構造に対して、JIS A 1418に従って、重量床衝撃音遮断性能及び軽量床衝撃音遮断性能について実験すると共に、JIS A 1417(建築物の空気音遮断性能の測定方法)に従って、上階の空間と下階に空間との間の室間音圧レベル差性能(遮音性能)について実験した。実験結果を図5及び図6に示す。なお、音源室は上階の8畳間、受音室は下階の8畳間とした。
厚さが35mmの成形モルタル板と厚さが24mmの剛床パネルとの間に、シート状浮き床材が設けられていないこと以外は、実施例1の防振遮音構造と同様の構成を備える遮音構造を、比較例1の遮音構造とした。実施例1の防振遮音構造及び比較例1の遮音構造に対して、JIS A 1418に従って、重量床衝撃音遮断性能について実験した。実験結果を図7に示す。なお、音源室は上階の8畳間、受音室は下階の8畳間とした。
図5〜図7に示す実験結果によれば、本発明に係る実施例1の防振遮音構造は、比較例1の遮音構造と比較して、特に重量床衝撃音遮断性能について、高い遮音性能を備えていることが判明する。
10 防振遮音床構造
11a 床支持部材(梁)
11b 床支持部材(床根太)
12 床下地材
13 シート状浮き床材
14 重量床パネル材
15 単位床パネル部材
15a 切欠き部
15b 張出しリング部
15c 埋設支持部
15d リング本体部
16 防振層
17 目地部
18 固定金具
19a 上張浮き床フェルト材
19b 下張合板
19c 硬質石膏ボード
19d 制振シート
19e 上張合板
19f 床仕上げ材
20 吊り天井
21 天井材
22 制振シート
23 繊維系吸音材
24 吊木受部材
25 吊木部材
26 鋼製野縁
27 樹脂製プラグ
27a 頭部
27b 筒状挿入部
27c ビス打込み孔
27d ネジ山状の凹凸部
27d 切欠きスリット
30 上階
31 下階

Claims (5)

  1. 木造建築物において、上階と下階との間の床部に設けられる防振遮音床構造であって、
    床支持部材によって支持されて、該床支持部材の上面に敷設された床下地材と、該床下地材の上面に重ねて面状に敷設されたシート状浮き床材と、該シート状浮き床材の上面に重ねて敷設された、単位面積当たりの重量が50〜100kgf/m2の重量床パネル材とを含んで構成され、
    前記シート状浮き床材は、前記重量床パネル材からの荷重を弾性変形可能に支持して、前記重量床パネル材からの振動が前記床下地材に伝わるのを抑制する防振層を形成しており、
    前記重量床パネル材は、重さが10〜20kgの複数の単位床パネル部材を、前記シート状浮き床材の上面に、縦横に並べて敷設することによって形成されており、
    隣接する前記単位床パネル部材の間の目地部において、一方の前記単位床パネル部材の張出しリング部に、他方の前記単位床パネル部材の張出しリング部を重ね合わせ、重ね合わせた一対の張出しリング部に、ビス打込み孔が形成された樹脂製プラグを装着して、固定ビス、固定釘等の固定金具を前記ビス打込み孔に打ち込むことによって、複数の前記単位床パネル部材が、前記床下地材に、上下方向に変位可能な状態で、且つ左右方向に位置ずれしない状態で固定されている防振遮音床構造。
  2. 前記樹脂製プラグには、頭部の中央部から、筒状挿入部の先端に至るまで軸方向に貫通して、前記ビス打込み孔が形成されていると共に、前記筒状挿入部には、軸方向に延設して、一対の切欠きスリットが、頭部側の基端部から先端部に至る長さで形成されている請求項1記載の防振遮音床構造。
  3. 前記重量床パネル材は、30〜100mmの厚さを有している請求項1又は2記載の防振遮音床構造。
  4. 前記重量床パネル材は、成形モルタル板又は成形セメント板からなる請求項1〜3のいずれか1項記載の防振遮音床構造。
  5. 前記シート状浮き床材は、厚さが1〜10mmのフェルトシート材からなる請求項1〜4のいずれか1項記載の防振遮音床構造。
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