JP2019094681A - 床構造及び当該床構造に用いる床部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化が図れるとともに、CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造等を提供する。【解決手段】本発明に係る床構造1は、CLTにより形成された上側CLT床2Aと、CLTにより形成された下側CLT床2Bと、上側CLT床と下側CLT床との間に設けられて当該上側CLT床と下側CLT床とに固定された木製リブ構造部3とを備え、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間6を備えたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、CLT(Cross Laminated Timber(直交集成板))により形成された床を備えた床構造等に関する。
大中規模の木造建築物において、木製梁間又は木製壁間にCLTにより形成されたCLT床を設置した床構造が知られている。
尚、大中規模の木造建築物とは、軸組構造又は壁組構造で構築された学校、ホテル、集合住宅、老人ホーム、役所などの比較的大型の木造建築のことである。
また、CLT床の下面に木質梁材(大梁、及び、小梁)を設けた床構造が知られている(特許文献1参照)。
尚、大中規模の木造建築物とは、軸組構造又は壁組構造で構築された学校、ホテル、集合住宅、老人ホーム、役所などの比較的大型の木造建築のことである。
また、CLT床の下面に木質梁材(大梁、及び、小梁)を設けた床構造が知られている(特許文献1参照)。
CLT床は、鉄筋コンクリート床と比較した場合、撓みや振動が大きい。この撓みや振動を抑制する方策として、CLT床の厚さを厚くすることが考えられるが、この場合、床が重くなるという問題がある。
また、特許文献1に開示された床構造であっても、大梁と小梁との間や、小梁と小梁との間において、CLT床が撓んだり振動しやすい構造となるため、重量床衝撃音に対する遮音性能が低い。
本発明は、軽量化が図れるとともに、CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造等を提供するものである。
また、特許文献1に開示された床構造であっても、大梁と小梁との間や、小梁と小梁との間において、CLT床が撓んだり振動しやすい構造となるため、重量床衝撃音に対する遮音性能が低い。
本発明は、軽量化が図れるとともに、CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造等を提供するものである。
本発明に係る床構造は、CLTにより形成された上側CLT床と、CLTにより形成された下側CLT床と、上側CLT床と下側CLT床との間に設けられて当該上側CLT床と下側CLT床とに固定された木製リブ構造部とを備え、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間を備えたことを特徴とするので、軽量化が図れるとともに、上側CLT床及び下側CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造となる。
また、木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブにより構成されたので、複数の一方向リブによって、上側CLT床及び下側CLT床の撓みや振動を抑制できる。
木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブと、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向と交差する他方向に延長するとともに、当該他方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の他方向リブとにより構成されたので、複数の一方向リブ及び複数の他方向リブによって、上側CLT床及び下側CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能をより向上できる。
リブが、上側CLT床の下面に沿った方向に貫通する貫通孔を備えたので、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間での共振現象を抑制できる。
また、上記床構造に使用される床部材は、CLTにより形成された上側CLT床の下面となる面とCLTにより形成された下側CLT床の上面となる面とが木製リブ構造部に連結され、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間が形成されたので、現場での施工手間を削減でき、床構造の構築にかかる施工期間を短縮できるようになる。
また、木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブにより構成されたので、複数の一方向リブによって、上側CLT床及び下側CLT床の撓みや振動を抑制できる。
木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブと、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向と交差する他方向に延長するとともに、当該他方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の他方向リブとにより構成されたので、複数の一方向リブ及び複数の他方向リブによって、上側CLT床及び下側CLT床の撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能をより向上できる。
リブが、上側CLT床の下面に沿った方向に貫通する貫通孔を備えたので、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間での共振現象を抑制できる。
また、上記床構造に使用される床部材は、CLTにより形成された上側CLT床の下面となる面とCLTにより形成された下側CLT床の上面となる面とが木製リブ構造部に連結され、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間が形成されたので、現場での施工手間を削減でき、床構造の構築にかかる施工期間を短縮できるようになる。
実施形態1
図1に示すように、実施形態に係る床構造1は、CLTにより形成された上側CLT床2Aと、CLTにより形成された下側CLT床2Bと、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとの間に設けられて当該上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとに固定されて当該上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとを連結する木製リブ構造部3と、床下耐火構造部4と、床上耐火構造部5とを備え、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6を備えた構成である。
換言すれば、上側CLT床2Aの下面23となる面と下側CLT床2Bの上面24となる面とが木製リブ構造部3により連結され、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6が形成された床部材2を、同一平面上に複数並べて床部を構成し、当該床部材2を複数並べて形成された床部における下側CLT床2Bの下面21に床下耐火構造部4が設けられ、かつ、当該床部における上側CLT床2Aの上面22に床上耐火構造部5が設けられて構成された床構造1である。
図1に示すように、実施形態に係る床構造1は、CLTにより形成された上側CLT床2Aと、CLTにより形成された下側CLT床2Bと、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとの間に設けられて当該上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとに固定されて当該上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとを連結する木製リブ構造部3と、床下耐火構造部4と、床上耐火構造部5とを備え、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6を備えた構成である。
換言すれば、上側CLT床2Aの下面23となる面と下側CLT床2Bの上面24となる面とが木製リブ構造部3により連結され、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6が形成された床部材2を、同一平面上に複数並べて床部を構成し、当該床部材2を複数並べて形成された床部における下側CLT床2Bの下面21に床下耐火構造部4が設けられ、かつ、当該床部における上側CLT床2Aの上面22に床上耐火構造部5が設けられて構成された床構造1である。
即ち、床構造1は、軸組工法や壁式工法で形成される木造建築物の床であり、例えば、集成材により形成された図外の柱と集成材により形成された図外の梁とで構成されたラーメン構造の構造体において同一平面上に並べられる複数の床部材2,2…の端部が梁上に載置されて梁間に設置されて構成された床部、又は、CLTにより形成された図外の壁で構成された壁式構造体において同一平面上に並べられる複数の床部材2,2…の端部が壁上に載置されて壁間に設置されて構成された床部の下面21に床下耐火構造部4を備え、かつ、当該床部の上面22に床上耐火構造部5を備えて構成される。
尚、CLTとは、農林水産省告示第3079号に規定されたように、「ひき板又は小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた一般材」である。
即ち、CLTは、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
また、上述した集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向となるように複数の板を張り合わせて構成された木材である。
即ち、CLTは、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
また、上述した集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向となるように複数の板を張り合わせて構成された木材である。
木製リブ構造部3は、例えば図2に示すように、上側CLT床2Aの下面23に沿った一方向Xに延長するとともに、当該一方向Xと直交する方向Yに所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブ31,31…により構成されている。
図1に示すように、一方向Xと直交する方向Yに所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブ31,31…の高さ方向の一端面(上面)と上側CLT床2Aの下面23とを面接触させた状態で、各一方向リブ31と上側CLT床2Aとが接合手段10を用いて接合されるとともに、複数の一方向リブ31,31…の高さ方向の他端面(下面)と下側CLT床2Bの上面24とを面接触させた状態で、各一方向リブ31と下側CLT床2Bとが接合手段10を用いて接合されることにより、床部材2が形成される。
尚、接合手段10は、例えば、スクリューねじ、又は、締付ボルト等である。例えば、接合手段10として、スクリューねじを用いる場合、スクリューねじを上側CLT床2Aの上面22側から、上側CLT床2A、一方向リブ31を貫通させて、下側CLT床2Bに到達するようにねじ込んだり、スクリューねじを下側CLT床2Bの下面21側から、下側CLT床2B、一方向リブ31を貫通させて、上側CLT床2Aに到達するようにねじ込む。この場合、ねじ込まれたスクリューねじの先端が、下側CLT床2Bや上側CLT床2Aの高さ寸法の1/2以上の位置まで到達するようにすることが好ましい。この場合、スクリューねじの設置間隔(取付ピッチ)は、例えば10cm〜50cm程度とすることが好ましい。
また、接合手段10として、締付ボルトを用いる場合、締付ボルトの頭部や先端部が位置する上側CLT床2Aの上面22側や下側CLT床2Bの下面21側に座繰り穴を予め設けておき、当該座繰り穴に締付ボルトの頭部や締付ボルトの先端部に締結される締結ナットが収容されるようにして、締付ボルトの端部や締結ナットが上側CLT床2Aの上面22や下側CLT床2Bの下面21から外側に露出しないようにする。この場合、締付ボルトの設置間隔(取付ピッチ)は、例えば10cm〜50cm程度とすることが好ましい。
また、接合手段10として、締付ボルトを用いる場合、締付ボルトの頭部や先端部が位置する上側CLT床2Aの上面22側や下側CLT床2Bの下面21側に座繰り穴を予め設けておき、当該座繰り穴に締付ボルトの頭部や締付ボルトの先端部に締結される締結ナットが収容されるようにして、締付ボルトの端部や締結ナットが上側CLT床2Aの上面22や下側CLT床2Bの下面21から外側に露出しないようにする。この場合、締付ボルトの設置間隔(取付ピッチ)は、例えば10cm〜50cm程度とすることが好ましい。
木製リブ構造部3を形成する複数の一方向リブ31,31…は、床部材2の変形防止のために、上側CLT床2Aの下面23を構成する平面より真下に突出するように上側CLT床2Aの下面23に取付けられるとともに、下側CLT床2Bの上面24を構成する平面より真上に突出するように下側CLT床2Bの上面24に取付けられた補強材であり、集成材又はCLTにより形成される。
このように、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6を備えたので、軽量化が図れる。
また、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとを連結する木製リブ構造部3が、複数の一方向リブ31,31…により構成されているので、複数の一方向リブ31,31…によって、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる。
また、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bと複数の一方向リブ31,31…とが接合手段10により強固に接合されたので、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bと木製リブ構造部3との一体化が図れ、木製リブ構造部3により、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる。
また、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとを連結する木製リブ構造部3が、複数の一方向リブ31,31…により構成されているので、複数の一方向リブ31,31…によって、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる。
また、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bと複数の一方向リブ31,31…とが接合手段10により強固に接合されたので、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bと木製リブ構造部3との一体化が図れ、木製リブ構造部3により、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる。
尚、図1に示すように、上側CLT床2Aの高さ寸法H、下側CLT床2Bの高さ寸法Hは、90mm(ラミナ3層の厚さ寸法に相当)程度に形成されることが好ましい。
また、木製リブ構造部3の高さ寸法HC、即ち、各一方向リブ31,31…の高さ寸法HC(つまり、上側CLT床の2Aの下面23と下側CLT床2Bの上面24との間の間隔HC)は、例えば80mm以上300mm未満、好ましくは100mm程度に形成される。
また、図2に示すように、一方向リブ31,31…は、延長方向(一方向X)及び突出方向と直交する方向である幅方向の長さ(幅寸法)b1が、例えば60mm以上150mm未満に形成されることが好ましい。
また、互いに隣り合う各一方向リブ31,31の幅方向中心31C,31C間の間隔(一方向リブ31,31…の配置ピッチ)P1は、例えば300mm以上1500mm未満となるように設定されることが好ましい。
また、床部材2は、一方向Xの長さ寸法Wが、例えば8m〜12m程度、一方向Xと直交する方向Yの長さ寸法bが、例えば1.8m〜3m程度に形成されることが好ましい。
また、木製リブ構造部3の高さ寸法HC、即ち、各一方向リブ31,31…の高さ寸法HC(つまり、上側CLT床の2Aの下面23と下側CLT床2Bの上面24との間の間隔HC)は、例えば80mm以上300mm未満、好ましくは100mm程度に形成される。
また、図2に示すように、一方向リブ31,31…は、延長方向(一方向X)及び突出方向と直交する方向である幅方向の長さ(幅寸法)b1が、例えば60mm以上150mm未満に形成されることが好ましい。
また、互いに隣り合う各一方向リブ31,31の幅方向中心31C,31C間の間隔(一方向リブ31,31…の配置ピッチ)P1は、例えば300mm以上1500mm未満となるように設定されることが好ましい。
また、床部材2は、一方向Xの長さ寸法Wが、例えば8m〜12m程度、一方向Xと直交する方向Yの長さ寸法bが、例えば1.8m〜3m程度に形成されることが好ましい。
床下耐火構造部4は、例えば、木製リブ構造部3の下端面と耐火板としての例えばせっこうボードの板面とが対向するように、当該木製リブ構造部3の下端面と同一平面上に並ぶように配置された複数のせっこうボードが当該木製リブ構造部3の下端面に固定されて構成されている。
従って、軽量化が図れるとともに、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上でき、かつ、平面状態の耐火天井面を備えた床構造1を提供できるようになる。
従って、軽量化が図れるとともに、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上でき、かつ、平面状態の耐火天井面を備えた床構造1を提供できるようになる。
また、床上耐火構造部5は、例えば、CLT床2の上面22に並ぶように配置された耐火板としての複数のせっこうボードが当該CLT床2の上面22に固定されて形成された耐火層51と、当該耐火層51の上面に並ぶように配置された複数の合板が当該耐火層51の上面に固定されて形成された床面構成層52とを備えて構成される。
そして、床面構成層52の上に図外の床仕上げ層が設けられる。床仕上げ層は、フローリング床材、カーペット、タイル、絨毯、石板、畳等の床仕上げ材を設けることにより構成される。
実施形態1に係る床構造1によれば、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3と下側CLT床2Bとで囲まれた空間6を備えたので、軽量化が図れるとともに、木製リブ構造部3を備えたので、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造1となる。
木造建築物の床構造、特に、大中規模の木造建築物の床構造において実施形態1に係る床構造1を採用した場合、階下への重量床衝撃音の伝播が軽減される重量床衝撃音に対する遮音性能に優れた床構造1を提供できるようになる。
木造建築物の床構造、特に、大中規模の木造建築物の床構造において実施形態1に係る床構造1を採用した場合、階下への重量床衝撃音の伝播が軽減される重量床衝撃音に対する遮音性能に優れた床構造1を提供できるようになる。
尚、床面構成層52の上に所定の間隔を隔てて配置された図外の複数の支持脚と、複数の支持脚の上に形成された図外の床板構成部とを備えた、所謂、二重床(置き床)を設けた構成としてもよい。
この場合、床板構成部としては、例えば、複数の支持脚の上に設けられて支持脚に固定された基材層と、基材層の上に設けられて基材層に固定された剛性密度強化層と、剛性密度強化層の上に設けられた床仕上げ層とを備えた構成とすることで、さらに、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造となる。
この場合、床板構成部としては、例えば、複数の支持脚の上に設けられて支持脚に固定された基材層と、基材層の上に設けられて基材層に固定された剛性密度強化層と、剛性密度強化層の上に設けられた床仕上げ層とを備えた構成とすることで、さらに、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上できる床構造となる。
尚、基材層は、一層のパーティクルボード層又は一層の合板層により構成される。
また、剛性密度強化層は、高密度層と、高密度層を上下から挟み込む挟持層とを備えて構成される。
また、剛性密度強化層は、基材層の上に長方形の板面を有した複数の合板の板面が並ぶように設置されて構成された挟持層の下側層と、当該下側層の上に長方形の板面を有した複数のアスファルトシートの板面が並ぶように設置されて構成された一層以上の高密度層と、当該高密度層の上に長方形の板面を有した複数の合板の板面が並ぶように設置されて構成された挟持層の上側層とで構成される。
以上の構成により、剛性及び密度の大きい剛性密度強化層を構築できて、重量床衝撃音に対する遮音効果の高い、木造建築物のCLT床を対象とした二重床構造を提供できる。
また、剛性密度強化層は、高密度層と、高密度層を上下から挟み込む挟持層とを備えて構成される。
また、剛性密度強化層は、基材層の上に長方形の板面を有した複数の合板の板面が並ぶように設置されて構成された挟持層の下側層と、当該下側層の上に長方形の板面を有した複数のアスファルトシートの板面が並ぶように設置されて構成された一層以上の高密度層と、当該高密度層の上に長方形の板面を有した複数の合板の板面が並ぶように設置されて構成された挟持層の上側層とで構成される。
以上の構成により、剛性及び密度の大きい剛性密度強化層を構築できて、重量床衝撃音に対する遮音効果の高い、木造建築物のCLT床を対象とした二重床構造を提供できる。
実施形態2
木製リブ構造部3として、図3に示すように、上側CLT床の2Aの下面23に沿った一方向Xに延長するとともに、当該一方向Xと直交する方向Yに所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブ31,31…と、一方向Xと交差する他方向Yに延長するとともに、当該他方向Yと直交する方向Xに所定の間隔を隔てて設けられた複数の他方向リブ32,32…とにより構成された木製リブ構造部3を用いてもよい。
例えば、木製リブ構造部3は、図3に示すように、複数の一方向リブ31,31…と複数の他方向リブ32,32…とが互いに直交する方向に延長するように構成されている。つまり、当該木製リブ構造部3は、複数の一方向リブ31,31…と複数の他方向リブ32,32…とにより格子状のリブとなるように構成されている。
各他方向リブ32,32…は、例えば、延長方向Y(他方向)及び突出方向と直交する方向である幅方向(X方向)の長さ(幅寸法)b2が、例えば60mm以上150mm未満に形成されることが好ましい。
また、互いに隣り合う各他方向リブ32,32の幅方向中心32C,32C間の間隔(他方向リブ32,32…の配置ピッチ)P2は、例えば300mm以上1500mm未満となるように設定されることが好ましい。
木製リブ構造部3として、図3に示すように、上側CLT床の2Aの下面23に沿った一方向Xに延長するとともに、当該一方向Xと直交する方向Yに所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブ31,31…と、一方向Xと交差する他方向Yに延長するとともに、当該他方向Yと直交する方向Xに所定の間隔を隔てて設けられた複数の他方向リブ32,32…とにより構成された木製リブ構造部3を用いてもよい。
例えば、木製リブ構造部3は、図3に示すように、複数の一方向リブ31,31…と複数の他方向リブ32,32…とが互いに直交する方向に延長するように構成されている。つまり、当該木製リブ構造部3は、複数の一方向リブ31,31…と複数の他方向リブ32,32…とにより格子状のリブとなるように構成されている。
各他方向リブ32,32…は、例えば、延長方向Y(他方向)及び突出方向と直交する方向である幅方向(X方向)の長さ(幅寸法)b2が、例えば60mm以上150mm未満に形成されることが好ましい。
また、互いに隣り合う各他方向リブ32,32の幅方向中心32C,32C間の間隔(他方向リブ32,32…の配置ピッチ)P2は、例えば300mm以上1500mm未満となるように設定されることが好ましい。
このように、CLT床2の下面21に格子状の木製リブ構造部3を備えたことで、上側CLT床2A及び下側CLT床2Bの互いに直交するX方向及びY方向(一方向及び他方向)において、均等に、撓みや振動を抑制できて、重量床衝撃音に対する遮音性能をさらに向上できる床構造1となる。
尚、互いに隣り合う一方向リブ31と一方向リブ31との間に設けられた複数の他方向リブ32,32…が、一方向リブ31と同様に、接合手段10によって、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bとに接合される。
また、互いに隣り合う一方向リブ31と一方向リブ31との間に設けられた他方向リブ32の両方の端部を、ねじ等の固定手段を用いてそれぞれ一方向リブ31,31に固定する。
ねじ等とは、例えば、スクリューねじ(ビス)、タッカー針、スクリュー釘、釘などである。例えば、固定手段としてのスクリューねじを他方向リブ32と一方向リブ31とに対して斜めにねじ込んで他方向リブ32と一方向リブ31とを接合する。
また、互いに隣り合う一方向リブ31と一方向リブ31との間に設けられた他方向リブ32の両方の端部を、ねじ等の固定手段を用いてそれぞれ一方向リブ31,31に固定する。
ねじ等とは、例えば、スクリューねじ(ビス)、タッカー針、スクリュー釘、釘などである。例えば、固定手段としてのスクリューねじを他方向リブ32と一方向リブ31とに対して斜めにねじ込んで他方向リブ32と一方向リブ31とを接合する。
実施形態3
実施形態2において、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bと他方向リブ32と一方向リブ31とで囲まれた空間6が、小さい直方体状の密閉空間になる場合、共振現象を生じる可能性があるため、木製リブ構造部3に、上側CLT床2Aの下面23に沿った方向に貫通する貫通孔35を形成した構成とする。例えば、図4に示すように、一方向リブ31に貫通孔35を設けた構成とすることで、空間6での共振現象を抑制できる。
尚、貫通孔35は、他方向リブ32に設けても良いし、あるいは、一方向リブ31と他方向リブ32の両方に設けるようにしてもよい。
実施形態2において、上側CLT床2Aと下側CLT床2Bと他方向リブ32と一方向リブ31とで囲まれた空間6が、小さい直方体状の密閉空間になる場合、共振現象を生じる可能性があるため、木製リブ構造部3に、上側CLT床2Aの下面23に沿った方向に貫通する貫通孔35を形成した構成とする。例えば、図4に示すように、一方向リブ31に貫通孔35を設けた構成とすることで、空間6での共振現象を抑制できる。
尚、貫通孔35は、他方向リブ32に設けても良いし、あるいは、一方向リブ31と他方向リブ32の両方に設けるようにしてもよい。
尚、空間6に、グラスウールなどの吸音材を設置することにより、軽量床衝撃音に対する遮音性能も向上させることができる床構造となる。
また、床施工現場にて、上側CLT床2Aと木製リブ構造部3とCLT床2とを接合して床部材2を作製してもよいが、予め、工場にて、床部材2を必要な数だけ製造し、これら必要な数の床部材2,2…を現場に搬入することにより、床構造1を構築するようにしてもよい。
つまり、複数の床部材2,2…を工場で製作した後に現場に搬入して、現場に搬入した複数の床部材2,2…を、梁間又は壁間の同一平面上に並べて床構造1を構築することにより、現場での施工手間を削減でき、床構造1の構築にかかる施工期間を短縮できるようになる。
つまり、複数の床部材2,2…を工場で製作した後に現場に搬入して、現場に搬入した複数の床部材2,2…を、梁間又は壁間の同一平面上に並べて床構造1を構築することにより、現場での施工手間を削減でき、床構造1の構築にかかる施工期間を短縮できるようになる。
1 床構造、2 床部材、2A 上側CLT床、2B 下側CLT床、
3 木製リブ構造部、6 空間、31 一方向リブ、32 他方向リブ、35 貫通孔。
3 木製リブ構造部、6 空間、31 一方向リブ、32 他方向リブ、35 貫通孔。
Claims (5)
- CLTにより形成された上側CLT床と、CLTにより形成された下側CLT床と、上側CLT床と下側CLT床との間に設けられて当該上側CLT床と下側CLT床とに固定された木製リブ構造部とを備え、
上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間を備えたことを特徴とする床構造。 - 木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の床構造。
- 木製リブ構造部は、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向に延長するとともに、当該一方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の一方向リブと、上側CLT床の下面及び下側CLT床の上面に沿った一方向と交差する他方向に延長するとともに、当該他方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の他方向リブとにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の床構造。
- リブが、上側CLT床の下面に沿った方向に貫通する貫通孔を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床構造。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の床構造に使用される床部材であって、
CLTにより形成された上側CLT床の下面となる面とCLTにより形成された下側CLT床の上面となる面とが木製リブ構造部に連結され、上側CLT床と木製リブ構造部と下側CLT床とで囲まれた空間が形成されたことを特徴とする床部材。
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-
2017
- 2017-11-22 JP JP2017224918A patent/JP2019094681A/ja active Pending
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