JP7090367B1 - 可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材 - Google Patents

可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材 Download PDF

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Abstract

【課題】重量を低減する可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材を提供する。【解決手段】可動式収容構造体1の収容構造体2は、底部10と、底部10に対向する部分である上部20と、底部10と上部20との間に延びる部分である壁部30とを備えている。壁部30の少なくとも一部には直交集成板であるCLT(Cross Laminated Timber)が用いられている。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用 株式会社SR建築工房は、令和3年7月20日に、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体を、千葉県野田市から静岡県熱海市までの経路を搬送中に公開した。 [刊行物等] 株式会社SR建築工房は、令和3年7月21日に、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体を、千葉県野田市から静岡県熱海市までの経路を搬送中に公開した。 [刊行物等] 株式会社SR建築工房は、令和3年7月27日に、WOODEN MOBILE HOUSE Trailer CLT Houseのパンフレットに、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。 [刊行物等] 株式会社SR建築工房は、令和3年7月27日に、WOODEN MOBILE HOUSE Trailer CLT House PREMIUM SPECのパンフレットに、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。[刊行物等] 株式会社SR建築工房は、令和3年7月27日にWOODEN MOBILE HOUSE CLT Sauna Houseのパンフレットに、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。 [刊行物等] 株式会社SR建築工房は、令和3年8月1日に株式会社SR建築工房のウェブサイト(https://sinraresort.com/,https://sinraresort.com/feature/,https://sinraresort.com/plan/room/,https://sinraresort.com/plan/sauna/,https://sinraresort.com/gotoatami/)にて、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。
特許法第30条第2項適用 [刊行物等] 菅野眞は、令和3年8月11日にウェブサイトに動画をアップロードし(https://www.youtube.com/watch?v=1QiaolmMeiE)、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。 [刊行物等] 菅野眞は、令和3年9月14日にウェブサイトに動画をアップロードし(https://www.youtube.com/watch?v=VaooODHVDoI)、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。[刊行物等] 株式会社クロコアートファクトリーは、令和3年10月13日にウェブサイトに動画をアップロードし(https://www.youtube.com/watch?v=iitNgjk7ZTk&t=47s)、中沢浩及び泉田健作が発明したCLTが用いられている可動式収容構造体の収容構造体及び可動式収容構造体について公開した。
本発明は、可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材に関する。
従来から、居室や特定の目的のための空間を形成する可動式収容構造体が存在する。例えば、従来から、可動式収容構造体として、トレーラーハウス等がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-59321号公報
上述のような従来のトレーラーハウス等の可動式収容構造体には、可動式収容構造体を可動にするための構造に工夫がなされているものはあるが、従来の可動式収容構造体は、居室等の収容空間を形成する収容構造体の重量が大きく、例えば、重量に関する移動性能の向上が求められている。このように、従来の収容構造体及び可動式収容構造体には、重量を低減することができる構成が求められている。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、重量を低減することができる可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る収容構造体は、可動式収容構造体の収容構造体であって、底部と、前記底部に対向する部分である上部と、前記底部と前記上部との間に延びる部分である壁部とを備え、前記壁部の少なくとも一部にはCLTが用いられていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る収容構造体において、前記壁部は、少なくとも1つの隅部を有しており、前記隅部は、一対の隅壁部材を有しており、一対の前記隅壁部材の各々は、互いに背向する一対の、前記上部と前記底部との間に延びる端部である高さ方向端部を有しており、一対の前記隅壁部材は、夫々の前記一対の高さ方向端部の一方において、互いに接続されており、一対の前記隅壁部材の各々の少なくとも一部にはCLTが用いられている。
本発明の一態様に係る収容構造体において、前記壁部は、CLTから形成されている。
本発明の一態様に係る収容構造体において、前記壁部は、CLTを用いた中空CLT層体から形成されており、前記中空CLT層体は、一対のCLTから成る層部材と、少なくとも1つの間隙形成部材とを有しており、前記中空CLT層体において、前記一対の層部材は互いに対向しており、前記間隙形成部材は、前記中空CLT層体において前記一対の層部材の間に空間を形成するように、前記一対の層部材の夫々に沿って延びる部材である。
本発明の一態様に係る収容構造体において、前記底部は、一対の面を形成する片底部材を少なくとも1つと、該片底部材を支持するフレーム部材とを有しており、前記片底部材は、CLTから形成されている。
本発明の一態様に係る収容構造体において、前記上部はCLTから形成されている。
本発明の一態様に係る収容構造体は、一対の梁部を更に備え、前記底部は、4つの隅を有しており、前記壁部は、前記隅部を4つ有しており、前記上部は、前記隅部の2つの間に延びる一方の上部体と、前記隅部の他の2つの間に延びる他方の上部体とを有しており、前記梁部の一方は、前記2つの前記隅部の一方における一方の前記隅壁部材と、前記他の2つの前記隅部の一方における一方の前記隅壁部材との間に延びており、前記梁部の他方は、前記2つの前記隅部の他方における一方の前記隅壁部材と、前記他の2つの前記隅部の他方における一方の前記隅壁部材との間に延びている。
上記目的を達成するために、本発明に係る可動式収容構造体は、上述の可動式収容構造体の収容構造体と、前記収容構造体を移動可能にする可動構造体とを備え、前記収容構造体の底部が前記可動構造体に取り付け可能になっていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る木材は、少なくとも2つのCLTから成る層部材と、少なくとも1つの間隙形成部材群とを備え、前記層部材は互いに対向しており、前記間隙形成部材群は、互いに対向する前記層部材の間に空間を形成するように、互いに対向する前記層部材の間に設けられており、前記間隙形成部材群は、少なくとも1つの間隙形成部材を有しており、前記間隙形成部材は、互いに対向する前記層部材の夫々に沿って延びる部材であることを特徴とする。
本発明に係る可動式収容構造体の収容構造体、可動式収容構造体、及び木材によれば、重量を低減することができる。
本発明の実施の形態に係る可動式収容構造体の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す可動式収容構造体における本発明の第1の実施の形態に係る収容構造体の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す可動式収容構造体における可動構造体の概略構成を示す斜視図である。 図2に示す収容構造体の分解斜視図である。 図4に示す一対の隅壁部材の固定構造を示す図である。 隅壁部材に設けられた除湿構造を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る収容構造体に用いられる本発明の実施の形態に係る木材としての中空CLT層体の断面図である。 図5に示す中空CLT層体の分解斜視図である。
発明の実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る可動式収容構造体1の概略構成を示す斜視図であり、図2は、可動式収容構造体1の本発明の第1の実施の形態に係る収容構造体2の概略構成を示す斜視図であり、図3は、可動式収容構造体1の可動構造体3の概略構成を示す斜視図である。また、図4は、収容構造体2の分解斜視図である。なお、図2においては、後述する上部は透過して示されている。図1に示すように、可動式収容構造体1は、収容構造体2が形成する収容空間を、可動構造体3によって移動可能にするものであり、例えば、トレーラーハウスや、可動式のカラオケボックスやサウナ等の可動式の娯楽施設や、可動式のゴルフ練習場等の可動式の練習施設や、可動式の浴場やトイレ等の可動式の衛生施設等に用いられる。収容構造体2は、例えば、居室等の可動式収容構造体1の用途に応じた収容空間を形成するために用いられる。なお、可動式収容構造体1の用途は上述の用途に限られない。
図1,2,4に示すように、可動式収容構造体1の収容構造体2は、底部10と、底部10に対向する部分である上部20と、底部10と上部20との間に延びる部分である壁部30とを備えている。壁部30の少なくとも一部には直交集成板であるCLT(Cross Laminated Timber)が用いられている。以下、収容構造体2について具体的に説明する。
図1,2,4に示すように、収容構造体2は、居室を形成するための、または、種々の装置や設備等を収容するための、可動式収容構造体1の用途に応じた収容空間を形成するために用いられる。例えば、底部10は床として機能し、上部20は屋根として機能し、壁部30は外壁として機能する。底部10、上部20、及び壁部30は内部に空間を形成する。底部10は、可動構造体3に取り付け可能になっており、底部10が可動構造体3に取り付けられて、収容構造体2が可動構造体3に取り付けられる。
図2,4に示すように、底部10は、平面に沿って広がっており、収容構造体2において、一対の互いに対向する面である床面11及び接地面12を有している。床面11は、可動式収容構造体1において、上側に面する面であり、接地面12は、可動式収容構造体1において、可動式収容構造体1の接地面の側(下側)に面する面である。以下、説明の便宜上、収容構造体2において、底部10の床面11が面する側を上側とし、底部10の接地面12が面する側を下側とする。
図4に示すように、底部10は、例えば、フレーム13を有しており、また、片底部材としての床パネル14を少なくとも1つ有している。フレーム13は、床パネル14を支持可能に形成されている。底部10は、例えば、床パネル14を2つ有している。底部10が有する床パネル14の数は2つに限られず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、2つの床パネル14は、同一又は略同一の形態を有しているが、床パネル14は、互いに異なる形態を有していてもよい。
床パネル14は、一対の面である床片面14aと接地片面14bとを形成するようになっている。床片面14aと接地片面14bとは互いに背向しており、例えば、夫々、平面に沿って延びるようになっている。また、床パネル14は、床片面14aの縁と接地片面14bの縁との間に全周に渡って延びる面である縁面14cを有している。床パネル14は、例えば、四角形又は略四角形の板状になっており、床片面14a及び接地片面14bが四角形又は略四角形の平面又は略平面を形成しており、また、縁面14cは、4つの細長い面を形成するように延びている。
フレーム13は、底部10において、床パネル14の床片面14a及び接地片面14bが夫々床面11及び接地面12を形成するように、床パネル14を支持可能になっている。フレーム13は、例えば、図4に示すように、床パネル14を収容可能な収容空間13aを形成しており、収容空間13aを画成するフレーム13の縁面13bが、収容空間13aに収容された床パネル14の縁面14cに対向するようになっている。また、フレーム13は、収容空間13aに収容された床パネル14をフレーム13に固定可能にする固定部13cを有している。固定部13cは、例えば、フレーム13の縁面13bから突出するフランジである。固定部13cと床パネル14との固定には、ボルト等の固定機構が用いられてもよい。また、固定部13cは、ボルト等の他の固定機構であってもよい。
また、フレーム13は、可動構造体3に取り付け可能になっている。例えば、フレーム13の下側の面に凹部や孔等の図示しない係合部が設けられており、この係合部が、可動構造体3の対応する係合部と係合可能になっており、この係合部を介して、可動構造体3はフレーム13に固定可能になっている。係合部は、例えば公知の係合部であり、具体的には例えば、突出部とこの突出部を収容する凹部であり、または、ボルトとナット又はねじ穴である。
壁部30は、例えば、少なくとも1つの隅部31を有している。隅部31は、一対の隅壁部材32と隅壁部材33とを有している。隅壁部材32は、互いに背向する一対の、上部20と底部10との間に延びる端部である高さ方向(上下方向)端部としての側端部32a,32bを有しており、同様に、隅壁部材33は、互いに背向する一対の、上部20と底部10との間に延びる縁である高さ方向(上下方向)端部としての側端部33a,33bを有している。収容構造体2において、隅壁部材32と隅壁部材33とは、夫々の側端部32a,32b及び側端部33a,33bの一方において、互いに接続されている。図示の例では、側端部32bと側端部33aにおいて、隅壁部材32と隅壁部材33とは互いに接続されている。また、隅壁部材32,33の各々の少なくとも一部にはCLTが用いられている。
隅壁部材32は、例えば図4に示すように、一対の面である内側面32cと外側面32dを形成するようになっている。内側面32cと外側面32dとは互いに背向しており、例えば、夫々、平面に沿って延びるようになっている。側端部32a,32bは夫々、側縁32e,32fを含む、隅壁部材32の上下方向に直交する方向(以下、「幅方向」ともいう。)の側の端部である。なお、側縁32e,32fは、隅壁部材32の互いに背向する上下方向に延びる縁である。また、隅壁部材32は、上側の縁である上縁32g、及び下側の縁である下縁32hを有している。隅壁部材32は、例えば、四角形又は略四角形の板状になっており、内側面32c及び外側面32dが四角形又は略四角形の平面又は略平面を形成しており、また、側縁32e,32f、上縁32g、及び下縁32hは、細長い面を形成するように延びている。
また、隅壁部材32には、例えば図4に示すように、後述する梁部37を取り付けるための段部34が設けられている。段部34は、例えば、側縁32eと上縁32gとが接続する部分及びその近傍の部分に形成されており、側縁32eの一部が側縁32f側に凹み、上縁32gの一部が下縁32h側に凹んで形成される段差を形成する部分である。具体的には例えば、段部34は、側縁32eに交差する方向に延びる面である段差面34aと、上縁32gに交差する方向に延びる面である段差面34bとを有している。段差面34aは、一端において側縁32eに接続しており、他端において段差面34bに接続している。また、段差面34bは、一端において上縁32gに接続しており、他端において段差面34aに接続している。段差面34aは、例えば、上縁32gに平行又は略平行に延びており、また、段差面34bは、例えば、側縁32eに平行又は略平行に延びている。
また、図4に示すように、隅壁部材32は、下縁32h側の部分に貫通孔35aを2つ有している。貫通孔35aは、内側面32cと外側面32dとの間において隅壁部材32を貫通する孔である。また、隅壁部材32は、下縁32hから各貫通孔35aに貫通する貫通孔35bを2つ有している。貫通孔35bは、隅壁部材32を底部10に固定するためのボルト40が通される孔であり、貫通孔35aは、貫通孔35bを通って貫通孔35a内に飛び出したボルト40に締結させるナット43(図6参照)が収容される空間を形成する。ボルト40は、例えば、平面に沿って延びる支持部40aと、支持部40aから突出する2つのボルト部40bとを有している。支持部40aは底部10のフレーム13に固定可能になっている。2つのボルト部40bは、隅壁部材32の貫通孔35bに夫々挿入可能になっている。なお、貫通孔35a,35bの数は2つに限られず、1つでも3つ以上であってもよい。同様に、ボルト40のボルト部40bの数は、貫通孔35a,35bの数に応じた数となり、2つに限られない。
また、隅壁部材32の側端部32bには、側縁32fから内部に凹む穴である固定穴35cが形成されている。固定穴35cの数は、1つでも、複数でもよい。なお、図示の例では4つの固定穴35cが形成されている。固定穴35cには、後述するように、隅壁部材32と隅壁部材33とを互いに固定するための楔部材38が圧入される。
隅壁部材33は、隅壁部材32と同様の形状を有しているが、段部34を有していない。隅壁部材33の上下方向の長さは、隅壁部材32の上下方向の長さと同じ又は略同じとなっている。例えば図4に示すように、隅壁部材33は、一対の面である内側面33cと外側面33dとを形成するようになっている。内側面33cと外側面33dとは互いに背向しており、例えば、夫々、平面に沿って延びるようになっている。側端部33a,33bは夫々、側縁33e,33fを含む隅壁部材33の幅方向の側の端部である。なお、側縁33e,33fは、隅壁部材33の互いに背向する上下方向に延びる縁である。また、隅壁部材33は、上側の縁である上縁33g、及び下側の縁である下縁33hを有している。隅壁部材33は、例えば、四角形又は略四角形の板状になっており、内側面33c及び外側面33dが四角形又は略四角形の平面又は略平面を形成しており、また、側縁33e,33f、上縁33g、及び下縁33hは、細長い面を形成するように延びている。
また、図4に示すように、隅壁部材33は、下縁33h側の部分に貫通孔36aを1つ有している。貫通孔36aは、内側面33cと外側面33dとの間において隅角部材33を貫通する孔である。また、隅壁部材33は、下縁33hから貫通孔36aに貫通する貫通孔36bを1つ有している。貫通孔36bは、隅壁部材33を底部10に固定するためのボルト41が通される孔であり、貫通孔36aは、貫通孔36bを通って貫通孔36a内に飛び出したボルト41に締結させるナット44(図6参照)が収容される空間を形成する。ボルト41は、例えば、平面に沿って延びる支持部41aと、支持部41aから突出する1つのボルト部41bとを有している。支持部41aは底部10のフレーム13に固定可能になっている。ボルト部41bは、隅壁部材33の貫通孔36bに挿入可能になっている。なお、貫通孔36a,36bの数は1つに限られず、2つ以上であってもよい。同様に、ボルト41のボルト部41bの数は、貫通孔36a,36bの数に応じた数となり、1つに限られない。
また、隅壁部材33の側端部33aには、内側面33cと外側面33dとの間において隅角部材33を貫通する孔である固定孔36cが形成されている。固定孔36cは、収容構造体2において隅壁部材32の固定穴35cに連通するような位置に設けられている。固定孔36cの数は、1つでも、複数でもよく、隅壁部材32の固定穴35cに対応した数設けられている。図示の例では4つの固定孔36cが形成されている。固定孔36cには、後述するように、隅壁部材32と隅壁部材33とを互いに固定するための楔部材38が圧入される。
図5は、隅壁部材32と隅壁部材33とを互いに固定するための固定構造を示すための図である。収容構造体2において、隅壁部材32の側縁32fが隅壁部材33の側端部33aにおける内側面33cに接触し、楔部材38が隅壁部材33の固定孔36c及び隅壁部材32の固定穴35cに圧入されており、これにより、隅壁部材32と隅壁部材33とは固定されている。楔部材38は、例えば、先細になっている略柱状又は棒状の部材であり、例えば円錐状面又は略円錐状面を有する部材である。また、楔部材38は、例えば木製である。また、固定孔36c及び固定穴35cは、楔部材38が圧入されるような形状に形成されている。例えば、固定孔36c及び固定穴35cは、圧入された楔部材38の対応する部分の形状に対応した形状となっている。楔部材38の形状は上述の形状に限られない。また、収容構造体2において、隅壁部材33の側縁33eが隅壁部材32の側端部32bにおける内側面32cに接触し、同様に楔部材38が圧入されて、隅壁部材32と隅壁部材33とが固定されてもよい。この場合、隅壁部材32の貫通穴35cが、隅壁部材33の側縁33eに形成され、隅壁部材33の貫通孔36cが、隅壁部材32の側端部32bに形成される。
また、楔部材38は、例えば図5に示すように、隣接する楔部材38に対して異なった角度で隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。具体的には例えば、一番上側の楔部材38は、隅壁部材33の外側面33d又は内側面33cに直交する方向に対して、または、隅壁部材32の側縁32fに直交する方向に対して、傾斜角度α1傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。より具体的には例えば、一番上側の楔部材38は、隅壁部材33の外側面33d又は内側面33cに直交する方向に対して、または、隅壁部材32の側縁32fに直交する方向に対して、幅方向及び上下方向に傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。また、一番上側の楔部材38の下側に位置する上から二番目の楔部材38は、一番上側の楔部材38とは異なる傾斜角度α2で、隅壁部材33の外側面33d又は内側面33cに直交する方向に対して、または、隅壁部材32の側縁32fに直交する方向に対して、傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。より具体的には例えば、上から二番目の楔部材38は、隅壁部材33の外側面33d又は内側面33cに直交する方向に対して、または、隅壁部材32の側縁32fに直交する方向に対して、幅方向及び上下方向に傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。このように各楔部材38が隅壁部材32,33に挿入されるように、対応して各固定穴35及び固定孔36cは夫々、外側面33d、内側面33c、又は側縁32fに直交する方向に対して傾いて延びている。
また、一番上側の楔部材38の幅方向における傾きは、上から二番目の楔部材38の幅方向における傾きとは反対側になっている。同様に、一番上側の楔部材38の上下方向における傾きは、上から二番目の楔部材38の上下方向における傾きとは反対側になっている。例えば、一番上側の楔部材38は、幅方向において側端部33b側に傾いており、上下方向において上側に傾いている。一方、上から二番目の楔部材38は、幅方向において側端部33a側に傾いており、上下方向において下側に傾いている。一番上側の楔部材38の傾きは、上から二番目の楔部材38の傾きに対して、幅方向及び上下方向のいずれか一方で反対側になっていてもよい。また、一番上側の楔部材38の傾きは、上から二番目の楔部材38の傾きに対して、幅方向及び上下方向のいずれか一方の傾きで異なっていてもよい。上から3番目の楔部材38も、上から2番目の楔部材38に対して、同様に、異なる傾斜角度で傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。例えば、上から3番目の楔部材38は、一番上側の楔部材38と同じ又は略同じように傾斜して隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。また、上から4番目の楔部材38も、上から3番目の楔部材38に対して、同様に、異なる傾斜角度で傾いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。例えば、上から4番目の楔部材38は、上から2番目の楔部材38と同じ又は略同じように傾斜して隅壁部材32,33に挿入されるようになっている。
上述のように、、楔部材38は、隣接する楔部材38に対して異なった角度で隅壁部材32,33に挿入されるようになっているため、楔部材38による隅壁部材32と隅壁部材33との接合は接合強度の高いにものになっている。なお、隣接する楔部材38は、互いに同じ又は略同じ方向に向いて隅壁部材32,33に挿入されるようになっていてもよい。また、楔部材38は、上述のように先細になっているものに限られない。例えば、楔部材38は、延び方向に一定又は略一定の太さになっていてもよい。
図2,4に示すように、収容構造体2は、例えば、隅部31を4つ有している。具体的には、床部10は4つの角部10a,10b,10c,10dを有しており、収容構造体2は、床部10の角部10a,10b,10c,10dに夫々対応する隅部31としての隅部31a,31b,31c,31dを有している。
床部10の角部10aには、図2に示すように、隅部31aが設置されており、隅部31aは、図4に示すように、上述の構成の隅壁部材32,33を有している。また、図2,4に示すように、床部10の角部10aの対角に位置する角部10cには、隅部31cが配置されている。隅部31cは、隅部31aと同じ構造となっている。収容構造体2において、隅部31cは、上下方向に延びる軸線について隅部31aに対して回転対称になっている。
床部10の角部10bには、図2に示すように、隅部31bが設置されており、隅部31bは、図2,4に示すように、上下方向に延びる平面について、隅壁部材32,33の配置が隅部31aに対して面対称になっている。例えば、隅部31bの隅壁部材32は、隅部31aの隅壁部材32とは反対に、内側面32cが収容構造体2の外側に面し、外側面32dが収容構造体2の内側に面するように取り付けられている。また、例えば、隅部31bの隅壁部材33は、隅部31aの隅壁部材33とは反対に、内側面33cが収容構造体2の外側に面し、外側面33dが収容構造体2の内側に面するように取り付けられている。但し、この場合、隅壁部材33の固定孔36cが先細となっている場合は、少なくとも固定孔36cは、隅部31aの隅壁部材33の固定孔36cとは先細になる向きを反対にする必要がある。また、例えば、隅部31bの隅壁部材32は、隅部31aの隅壁部材32に対して、側縁32e又は側縁32fに対向する平面について面対称となるように形成されていてもよい。同様に、例えば、隅部31bの隅壁部材33は、隅部31aの隅壁部材33に対して、側縁33e又は側縁33fに対向する平面について面対称となるように形成されていてもよい。本実施の形態に係る収容構造体2においては、隅部31bの隅壁部材32は、隅部31aの隅壁部材32に対して、側縁32e又は側縁32fに対向する平面について面対称となっており、同様に、隅部31bの隅壁部材33は、隅部31aの隅壁部材33に対して、側縁33e又は側縁33fに対向する平面について面対称となっているものとする。また、図2,4に示すように、床部10の角部10bの対角に位置する角部10dには、隅部31dが配置されている。隅部31dは、隅部31bと同じ構造となっている。収容構造体2において、隅部31dは、上下方向に延びる軸線について隅部31bに対して回転対称になっている。
上述のように、収容構造体2は、梁部37を2つ有している。梁部37の1つは、一方の対をなす隅部31a,31bの一方における隅壁部材32,33の一方と、他方の対をなす隅部31c,31dの一方における隅壁部材32,33の一方との間に延びている。また、梁部37の他の1つは、一方の対をなす隅部31a,31bの他方における隅壁部材32,33の一方と、他方の対をなす隅部31c,31dの他方における隅壁部材32,33の一方との間に延びている。なお、説明の便宜上、隅部31aと隅部31bとを対とし、隅部31cと隅部31dとを対とする。
具体的には、例えば図2,4に示すように、隅部31aの隅壁部材32と、隅部31dの隅壁部材32との間に梁部37は延びており、また、隅部31bの隅壁部材32と、隅部31cの隅壁部材32との間に梁部37は延びている。より具体的には、梁部37は、隅部31aの隅壁部材32の段部34と隅部31dの隅壁部材32の段部34との間に延びており、同様に、梁部37は、隅部31bの隅壁部材32の段部34と隅部31cの隅壁部材32の段部34との間に延びている。例えば、梁部37の各端部37aが、隅壁部材32の段部34の段差面34aに接地され、梁部37の各端部37aが段差面34a及び段差面34bに対して固定され、梁部37は隅壁部材32に固定される。梁部37は、例えば、収容構造体2において上縁37bが隅壁部材32の上縁32gと面一又は略面一となるようになっている。
上部20は、例えば図2,4に示すように、天井又は屋根として機能し、上部体21と上部体22とを有している。上部体21は、例えば図2,4に示すように、一対の面である内側面21aと外側面21bとを形成するようになっている。内側面21aと外側面21bとは互いに背向しており、例えば、夫々、平面に沿って延びるようになっている。また、上部体21は、内側面21aの縁と外側面21bの縁との間に全周に渡って延びる面である縁面21cを形成している。上部体21は、例えば、四角形又は略四角形の板状になっており、内側面21a及び外側面21bが四角形又は略四角形の平面又は略平面を形成しており、また、縁面21cは、4つの細長い面を形成するように延びている。
上部体22は、例えば図2,4に示すように、一対の面である内側面22aと外側面22bとを形成するようになっている。内側面22aと外側面22bとは互いに背向しており、例えば、夫々、平面に沿って延びるようになっている。また、上部体22は、内側面22aの縁と外側面22bの縁との間に全周に渡って延びる面である縁面22cを形成している。上部体22は、例えば、四角形又は略四角形の板状になっており、内側面22a及び外側面22bが四角形又は略四角形の平面又は略平面を形成しており、また、縁面22cは、4つの細長い面を形成するように延びている。上部体21と上部体22とは同じ部材であってもよく、互いに異なる部材であってもよく、互いに面対称となるような部材であってもよい。例えば、上部体22は、上部体21の縁面21cの1つの面に対向する面について、上部体21に対して面対称となっている。
また、上部体21は、収容構造体2において、対となる隅部31aと隅部31bとの間に延びるようになっており、上部体22は、収容構造体2において、対となる隅部31cと隅部31dとの間に延びるようになっている。また、例えば、収容構造体2において、外側に面する上部体21の縁面21cは、隅部31aの隅壁部材32の外側面32d、隅部31aの隅壁部材33の外側面33d、隅部31bの隅壁部材32の外側面32d、及び隅部31bの隅壁部材33の外側面33dに面一又は略面一となるようになっている。同様に、例えば、収容構造体2において、外側に面する上部体22の縁面22cは、隅部31cの隅壁部材32の外側面32d、隅部31cの隅壁部材33の外側面33d、隅部31dの隅壁部材32の外側面32d、及び隅部31dの隅壁部材33の外側面33dに面一又は略面一となるようになっている。
上部体21は、隅部31aの隅壁部材32の上縁32g、隅部31aの隅壁部材33の上縁33g、隅部31bの隅壁部材32の上縁32g、及び隅部31bの隅壁部材33の上縁33gに接触させられて、隅部31aの隅壁部材32及び隅壁部材33、並びに隅部31bの隅壁部材32及び隅壁部材33に取り付けられるようになっている。また、上部体22は、隅部31cの隅壁部材32の上縁32g、隅部31cの隅壁部材33の上縁33g、隅部31dの隅壁部材32の上縁32g、及び隅部31dの隅壁部材33の上縁33gに接触させられて、隅部31cの隅壁部材32及び隅壁部材33、並びに隅部31dの隅壁部材32及び隅壁部材33に取り付けられるようになっている。上部体21は、上述の楔部材38による固定方法と同様に、隅部31a,31bに固定されてもよく、他の方法で固定されてもよい。同様に、上部体22は、上述の楔部材38による固定方法と同様に、隅部31c,31dに固定されてもよく、他の方法で固定されてもよい。
上述のように、壁部30の少なくとも一部は、CLTから形成されている。収容構造体2においては、例えば、隅部31の隅壁部材32,33がCLTから形成されている。具体的には例えば、隅壁部材32及び隅壁部材33は、所定の大きさのCLTのパネルに隅壁部材32及び隅壁部材33の形態に対応した切断等の加工がなされて夫々形成されている。また、床部10の床パネル14は例えばCLTから形成されている。具体的には例えば、床パネル14は、所定の大きさのCLTのパネルに床パネル14の形態に対応した切断等の加工がなされて形成されている。また、上部20の上部体21,22は例えばCLTから形成されている。具体的には例えば、上部体21,22は、所定の大きさのCLTのパネルに上部体21,22夫々の形態に対応した切断等の加工がなされて夫々形成されている。また、同様に、梁部37はCLTから形成されていてもよい。なお、床部10の床パネル14はCLTから形成されていなくてもよい。また、上部20の上部体21,22はCLTから形成されていなくてもよい。
図6は、隅壁部材32,33に設けられた除湿構造39を示す図である。収容構造体2は、収容空間を除湿し、収容空間を快適にし、また、収容構造体2の腐敗等の損傷の防止を図るために、除湿構造39が設けられている。除湿構造39は、収容空間と収容構造体2の外部とを連通する空間であり、具体的には例えば、収容構造体2を貫通する貫通孔である。例えば、図6に示すように、隅壁部材32,33を固定するボルト40,41のボルト部40b,41bが夫々通る貫通孔35b,36bと、ボルト部40b,41b夫々との間に空間が形成されるようにして、この空間を除湿構造39とすることができる。貫通孔35b,36bとボルト部40b,41bとの夫々の間の空間を介して、収容空間と収容構造体2の外部とを連通させることができる。
上述の構成を有する各部材が組み立てられて、収容構造体2が形成される。具体的には、フレーム13の収容空間13aに床パネル14が収容され、フレーム13に床パネル14が固定され、底部10が形成される。また、楔部材38を用いて隅壁部材32と隅壁部材33とが固定され隅部31が形成され、底部10の各角部10a~10dに隅部31がボルト40,41及びナット43,44を用いて固定される。また、梁部37が、隅部31aの隅壁部材32の段部34と隅部31dの隅壁部材32の段部34との間に取り付けられ、また、隅部31bの隅壁部材32の段部34と隅部31cの隅壁部材32の段部34との間に取り付けられる。これにより壁部30が形成される。また、上部体21が、隅部31aの隅壁部材32,33夫々の上縁32g,33g、及び隅部31bの隅壁部材32,33夫々の上縁32g,33gに固定され、また、上部体22が、隅部31cの隅壁部材32,33夫々の上縁32g,33g、及び隅部31dの隅壁部材32,33夫々の上縁32g,33gに固定される。これにより上部20が形成される。このように各部が組み立てられ、収容構造体2が組み立てられる。収容構造体2の各部の固定には、上述の楔部材38による固定方法と同様の固定方法が用いられてもよく、他の方法が用いられてもよい。
上述のように、収容構造体2には、金属に対して比重が軽いCLTが用いられている。このため、収容構造体2の重量を、金属製の従来の収容構造体に対して低減することができる。これにより、可動式収容構造体1の可動性能を向上させることができ、可動式収容構造体1の移動に必要なエネルギーを低減することができる。また、可動構造体3に加わる負荷を低減でき、可動構造体3の故障等の防止を図ることができる。
また、収容構造体2においては、壁部30が隅部31を有しており、隅部31は、CLTから作られた隅壁部材32,33を有し、隅壁部材32と隅壁部材33とが、側端部32bと側端部33aとにおいて接続されるようになっている。このように、隅部31は、CLTから作られた隅壁部材32,33が底部10に立てられ、また、隅壁部材32,33が幅方向において互いに交差するように固定されて形成されている。そして、この隅部31(31a~31d)が、床部10の角部10a~10dに夫々設けられている。このため、壁部30の強度を高めることができ、収容構造体2の強度を従来の収容構造体の強度よりも向上させることができる。
また、収容構造体2には、金属に対して強度が高く、また、耐熱性及び断熱性の高いCLTが用いられている。このため、収容構造体2の強度を金属製の従来の収容構造体の強度よりも向上させることができる。また、収容構造体2の耐熱性及び断熱性を金属製の従来の収容構造体の耐熱性及び断熱性よりも夫々向上させることができる。
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る収容構造体2によれば、収容構造体2の重量を従来の収容構造体の重量よりも低減することができる。
上述したように、収容構造体2は、居室等の可動式収容構造体1の用途に応じた収容空間を形成するために用いられる。可動式収容構造体1の用途に応じて、収容構造体2に種々の装置や部材等が設けられて、収容構造体2に、可動式収容構造体1の用途に対応した収容空間が形成される。例えば、可動式収容構造体1の用途がトレーラーハウスであった場合、底部10に床を形成するための装置や部材が取り付けられ、上部20に屋根を形成するための装置や部材が取り付けられ、また、壁部30に壁、窓、入口等を形成するための装置や部材が取り付けられる。また、床部10、上部20、及び壁部30の囲む収容空間内に、居室を形成するための装置や部材が取り付けられる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る収容構造体4について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る収容構造体4は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る収容構造体2に対して、CLTから形成された部材の構造が異なる。具体的には、収容構造体2においては、壁部30の隅部31の隅壁部材32,33は、CLTから形成されているが、収容構造体4においては、隅壁部材32,33は、本発明の実施の形態に係る木材としてのCLTを用いた中空CLT層体50から形成されている。以下、収容構造体4について具体的に説明する。なお、収容構造体2と同じ又は同様の機能を有する収容構造体4の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、中空CLT層体50の断面図であり、図8は、中空CLT層体50の分解斜視図である。中空CLT層体50は、図7,8に示すように、一対のCLTから成る層部材である層部材51と層部材52と、少なくとも1つの間隙形成部材54を有する間隙形成部材群53とを有している。なお、本実施の形態に係る中空CLT層体50においては、複数の間隙形成部材54が設けられている。中空CLT層体50において、層部材51と層部材52とは互いに対向している。間隙形成部材群53の間隙形成部材54は、中空CLT体層50において、層部材51と層部材52との間に空間Sを形成するように、層部材51及び層部材52の夫々に沿って延びる部材である。以下、中空CLT層体50について具体的に説明する。
層部材51は、CLTであり、所定の大きさのCLTパネルである。層部材51は、CLTの長さ方向及び幅方向に延びる一対の互いに背向する面である面51aと面51bとを有している。面51aと面51bとは、夫々、平面に沿って延びており、例えば平面又は略平面となっている。また、層部材51の厚さ、つまり層部材51を形成するCLTの厚さは厚さT1となっている。
層部材52は、層部材51と同一又は略同一形状のCLTであり、所定の大きさのCLTパネルである。層部材52は、CLTの長さ方向及び幅方向に延びる一対の互いに背向する面である面52aと面52bとを有している。面52aと面52bとは、夫々、平面に沿って延びており、例えば平面又は略平面となっている。また、層部材52の厚さ、つまり層部材52を形成するCLTの厚さは厚さT2となっている。
間隙形成部材54は、CLTの繊維方向に沿って延びるように形成された例えば角柱状の部材であり、一対の互いに背向する面54a,54bを有している。面54aと面54bとは、夫々、平面に沿って延びており、例えば平面又は略平面となっている。面54aは、例えば、層部材51の面51a又は面51bに接触するようになっており、面54bは、例えば、層部材52の面52a又は面52bに接触するようになっている。
中空CLT体層50の間隙形成部材群53は、具体的には例えば、複数種類の間隙形成部材54を有しており、例えば図8に示すように、間隙形成部材54として3種類の間隙形成部材55,56,57を有している。間隙形成部材55は、層部材51,52の上下方向の端に、CLTの弱軸方向に沿って延びるように取り付けられる。つまり、中空CLT体層50は、2つの間隙形成部材55を有しており、中間CLT体層50からなる隅壁部材32,33において、1つの間隙形成部材55は上縁32g,33gに沿って延び、1つの間隙形成部材55は下縁32h,33hに沿って延びている。間隙形成部材55の延び方向の長さである長さL3は、層部材51の幅W1と同一又は略同一であり、また、層部材52の幅W2と同一又は略同一である。なお、図8に示すように、層部材51の長さL1は、層部材51のCLTの長さ(強軸方向の寸法)であり、同様に、層部材52の長さL2は、層部材52のCLTの長さである。また、図8に示すように、層部材51の幅W1は、層部材51のCLTの幅(弱軸方向の寸法)であり、同様に、層部材52の幅W2は、層部材52のCLTの幅である。
間隙形成部材56は、層部材51,52の幅方向の端及びこの幅方向の中間又は略中間に、CLTの強軸方向に沿って延びるように取り付けられる。つまり、中空CLT体層50は、3つの間隙形成部材56を有しており、中間CLT体層50からなる隅壁部材32,33において、1つの間隙形成部材56は側縁32e,33eに沿って延び、1つの間隙形成部材56は側縁32f,33fに沿って延び、1つの間隙形成部材56は側縁32e,33eと側縁32f,33fとの夫々の中間又は略中間に沿って延びている。間隙形成部材56は、両端において間隙形成部材55に接触又は微小な空間を空けて対向しており、間隙形成部材56の延び方向の長さである長さL4は、層部材51の長さL1よりも小さく、また、層部材52の長さL2よりも小さくなっている。
間隙形成部材57は、間隙形成部材55に平行に又は略平行に延びており、互いに隣接する2つの間隙形成部材56の間に延びている。例えば図8に示すように、中空CLT体層50は、8つの間隙形成部材57を有しており、側縁32e,33eに沿って延びる間隙形成部材56とこれに近接する間隙形成部材56との間に4つの間隙形成部材57が強軸方向に等間隔又は略等間隔に並べられており、また、側縁32f,33fに沿って延びる間隙形成部材56とこれに近接する間隙形成部材56との間に4つの間隙形成部材57が強軸方向に等間隔又は略等間隔に並べられている。間隙形成部材57は、両端において間隙形成部材56に接触又は微小な空間を空けて対向している。
図7,8に示すように、中空CLT層体50において、層部材51と層部材52とは互いに対向しており、面51a,51bのいずれかの面が面52a,52bのいずれかの面に対向している。図示の例では、面51bと面52bとが対向している。また、中空CLT層体50において、対向する面51bと面52bとの間に、間隙形成部材54(55,56,57)が並んで設けられている。また、各間隙形成部材54(55,56,57)の面54a,54bは、層部材51,52の対向する面に接触しており、図示の例では、面54aが層部材51の面51bに接触しており、面54bが層部材52の面52bに接触している。このように、層部材51と層部材52との間には、間隙形成部材54(55,56,57)の厚さT3の空間Sが形成されている。
中空CLT層体50において、間隙形成部材54(55,56,57)は、層部材51及び層部材52に固定されている。例えば、層部材51の面51b及び層部材52の面52bに、間隙形成部材54(55,56,57)の面54a,54bが夫々接着されて、間隙形成部材54(55,56,57)は、層部材51及び層部材52に固定されている。間隙形成部材54(55,56,57)の接着には、例えば、水性高分子イソシアネート系樹脂接着剤が用いられる。なお、間隙形成部材54(55,56,57)の接着に用いられる接着剤は、水性高分子イソシアネート系樹脂接着剤に限られない。間隙形成部材54(55,56,57)は、他の固定手段によって、層部材51及び層部材52に固定されていてもよい。
間隙形成部材54(55,56,57)は、上述のように層部材51,52の間に配置されているが、間隙形成部材54(55,56,57)は、上述の配置とは異なるように配置されていてもよい。例えば、間隙形成部材55が側縁32e,33e及び側縁32f,33fに沿って夫々延びており、間隙形成部材56が上縁32g,33g、下縁32h,33h、及び上縁32g,33gと下縁32h,33hとの夫々の中間又は略中間に沿って夫々延びていてもよい。また、中空CLT層体50において、間隙形成部材54(55,56,57)は、CLTの繊維方向に斜めに延びるように配置されていてもよい。また、隅壁部材32,33において各端に沿って間隙形成部材54が形成されるようになっていてもよい。例えば、隅壁部材32の段部34の段差面34a,34bに沿って間隙形成部材54が設けられるようになっていてもよい。
上述のように、隅部31の隅壁部材32,33は中空CLT層体50から形成されている。具体的には、隅壁部材32及び隅壁部材33は、所定の大きさの中空CLT層体50のパネルに隅壁部材32及び隅壁部材33の形態に対応した切断等の加工がなされて夫々形成されている。また、所定の大きさのCLTのパネルに隅壁部材32及び隅壁部材33の形態に対応した切断等の加工をして、隅壁部材32及び隅壁部材33夫々に対応した層部材51を作り、同様に、所定の大きさのCLTのパネルに隅壁部材32及び隅壁部材33の形態に対応した切断等の加工をして、隅壁部材32及び隅壁部材33夫々に対応した層部材52を作り、また、隅壁部材32及び隅壁部材33夫々に対応した間隙形成部材54(55,56,57)を作り、これらを組み合わせて、隅壁部材32及び隅壁部材33各々の形態に対応した中空CLT層体50を形成してもよい。中空CLT層体50の面51a,52aの一方が隅壁部材32の内側面32cになり、面51a,52aの他方が隅壁部材32の外側面32dになる。同様に、中空CLT層体50の面51a,52aの一方が隅壁部材33の内側面33cになり、面51a,52aの他方が隅壁部材33の外側面33dになる。
収容構造体2においては、中空CLT層体50から形成された隅壁部材32の貫通孔35a,35b及び固定穴35cを、中空CLT層体50の層部材51及び層部材52のいずれか一方に設けてもよく、両方に設けてもよい。貫通孔35a,35b及び固定穴35cを、中空CLT層体50の層部材51及び層部材52の両方に設ける場合、例えば、隅部31において、対応して、ボルト40及ナット43は2組用いられる。2つのボルト40はフレーム13に固定されるようになっていてもよく、一方が床パネル14に固定されるようになっていてもよい。
同様に、収容構造体2においては、中空CLT層体50から形成された隅壁部材33の貫通孔36a,36b及び固定孔36cを、中空CLT層体50の層部材51及び層部材52のいずれか一方に設けてもよく、両方に設けてもよい。貫通孔36a,36b及び固定孔36cを、中空CLT層体50の層部材51及び層部材52の両方に設ける場合、例えば、隅部31において、対応して、ボルト41及ナットは2組用いられる。2つのボルト41はフレーム13に固定されるようになっていてもよく、一方が床パネル14に固定されるようになっていてもよい。
中空CLT層体50は、CLTが層となっており、中空CLT層体50から形成された隅壁部材32,33は、強度を更に向上させることができる。また、中空CLT層体50は、CLTが空間Sを介在した層となっており、中空CLT層体50から形成された隅壁部材32,33は、断熱性及び耐熱性を更に向上させることができる。また、中空CLT層体50は、CLTが空間Sを介在した層となっており、遮音性能や防音性能が高い。
また、収容構造体4の隅壁部材32,33は、CLTが層となっているが、CLTは金属に対して比重が軽く、中空CLT層体50から形成された隅壁部材32,33を有する収容構造体4も、その重量を、金属製の従来の収容構造体に対して低減することができる。
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る収容構造体4によれば、収容構造体2と同様に、収容構造体4の重量を従来の収容構造体の重量よりも低減することができ、また、収容構造体4の強度を更に向上させることができ、また、断熱性及び耐熱性を更に向上させることができる。また、本発明の実施の形態に係る中空CLT層体50(木材)によれば、木材の重量を低減することができ
可動式収容構造体1の可動構造体3は、従来公知のシャシであり、例えば図3に示すように、収容構造体2,4が載置及び固定可能なフレーム61と、フレーム61に取り付けられた車輪62と、フレーム61に取り付けられた可動構造体3を牽引可能にする牽引部63とを有している。
図1に示すように、可動式収容構造体1は、収容構造体2又は収容構造体4と、可動構造体3とを有しており、収容構造体2又は収容構造体4が、可動構造体3に取り付けられて、収容構造体2又は収容構造体4は移動可能になる。
上述のように、収容構造体2又は収容構造体4は重量の低減が図られている。このため、可動式収容構造体1の可動性能を向上させることができ、可動式収容構造体1の移動に必要なエネルギーを低減することができる。また、可動構造体3に加わる負荷を低減でき、可動構造体3の故障等の防止の抑制を図ることができる。、
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る可動式収容構造体1、収容構造体2,4、可動構造体3、及び中空CLT層体50に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、隅部31a,31bの隅壁部材32,33と、隅部31c,31dの隅壁部材32,33とは、上下方向の寸法が異なっていてもよい。例えば、隅部31a,31bの隅壁部材32,33の方が、隅部31c,31dの隅壁部材32,33よりも、上下方向の寸法が長くなっていてもよい。この場合、例えば、隅部31a,31bの隅壁部材32の上縁32gが隅部31c,31dの隅壁部材32の上縁32gよりも上側になるように、隅部31a,31bの隅壁部材32の上縁32gはなっており、隅部31a,31bの隅壁部材33の上縁33gが隅部31c,31dの隅壁部材33の上縁33よりも上側になるように、隅部31a,31bの隅壁部材33はなっている。また、この場合、上部体21は、上部体22よりも上側に位置する。
また、例えば、隅部31a,31dの隅壁部材32,33と、隅部31b,31cの隅壁部材32,33とは、上下方向の寸法が異なっていてもよい。また、隅部31aの隅壁部材32,33と、隅部31bの隅壁部材32,33と、隅部31cの隅壁部材32,33と、隅部31dの隅壁部材32,33とは、夫々上下方向の寸法が異なっていてもよく、少なくともいずれか2つが互いに同じとなっていてもよい。
また、上述の本発明の実施の形態に係る木材としての中空CLT層体50は、2つの層部材51,52と、この2つの層部材51,52の間に設けられた間隙形成部材群53とを有しているとしたが、本発明に係る木材としての中空CLT層体は、3つ以上の層部材と、2つ以上の間隙形成部材群とを有しているものであってもよい。なお、この場合も、各間隙形成部材群は、互いに対向する層部材の間に設けられる。例えば、中空CLT層体50は、層部材52の面52a側に他の層部材51が対向しており、層部材52と他の層部材51の間に間隙形成部材群53が固定された3層構造であってもよく、同様に4層以上の構造であってもよい。
本発明の実施の形態に係る収容構造体2,4は、シャシ等の牽引可能な可動構造体3に取り付け可能になっているとしたが、本発明の収容構造体は、牽引可能な可動構造体3に取り付け可能になっているものに限られない。例えば、本発明の収容構造体は、トラックの荷台に取り付け可能になっていてもよく、車両に取り付け可能になっていてもよい。例えば、本発明の実施の形態に係る収容構造体2,4おいて、フレーム13は、トラックの荷台に取り付け可能になっていてもよく、車両に取り付け可能になっていてもよい。
1…可動式収容構造体、2,4…収容構造体、3…可動構造体、10…底部、10a,10b,10c,10d…角部、11…床面、12…接地面、13…フレーム、13a…収容空間、13b…縁面、13c…固定部、14…床パネル(片底部材)、14a…床片面、14b…接地片面、14c…縁面、20…上部、21,22…上部体、21a,22a…内側面、21b,22b…外側面、21c,22c…縁面、30…壁部、31,31a,31b,31c,31d…隅部、32,33…隅壁部材、32a,32b,33a,33b…側端部(高さ方向端部)、32c,33c…内側面、32d,33d…外側面、32e,32f,33e,33f…側縁、32g,33g…上縁、32h,33h…下縁、34…段部、34a,34b…段差面、35a,35b,36a,36b…貫通孔、35c…固定穴、36c…固定孔、37…梁部、37a…端部、37b…上縁、38…楔部材、39…除湿構造、40,41…ボルト、40a,41a…支持部、40b,41b…ボルト部、43,44…ナット、50…中空CLT層体(木材)、51,52…層部材、51a,51b,52a,52b…面、53…間隙形成部材群、54,55,56,57…間隙形成部材、54a,54b…面、61…フレーム、62…車輪、63…牽引部、L1,L2,L3,L4…長さ、S…空間、T1,T2,T3…厚さ、W1,W2…幅、α1,α2…傾斜角度

Claims (9)

  1. 可動式収容構造体の収容構造体であって、
    底部と、
    前記底部に対向する部分である上部と、
    前記底部と前記上部との間に延びる部分である壁部とを備え、
    前記底部は、4つの隅を有しており、
    前記壁部は、前記底部の前記4つの隅に夫々対応する4つの隅部を有しており、
    前記隅部の各々は、一対の隅壁部材を有しており、
    一対の前記隅壁部材の各々は、互いに背向する一対の、前記上部と前記底部との間に延びる端部である高さ方向端部を有しており、
    一対の前記隅壁部材は、夫々の前記一対の高さ方向端部の一方の側において、互いに固定されており、
    一対の前記隅壁部材は夫々、前記高さ方向端部の延び方向において背向する一対の端面の一方である下端面を介して前記底部に固定されており、
    前記隅部の各々は、一対の前記隅壁部材の夫々の前記下端面を介する前記底部への固定の他で、前記底部に支持されておらず、
    前記一対の隅壁部材の前記隅壁部材の各々の少なくとも一部にはCLTが用いられていることを特徴とする可動式収容構造体の収容構造体。
  2. 一対の前記隅壁部材の互いの前記固定のための、複数の楔部材を更に備えており、
    前記楔部材の各々は、一対の端を有し、該一対の端の間に延びる部材であり、
    一対の前記隅壁部材の各々は、前記複数の楔部材が夫々圧入される複数の凹部を有しており、
    一対の前記隅壁部材の各々において、前記複数の凹部は、1つの前記楔部材の延び方向が該1つの楔部材に隣接する他の前記楔部材の延び方向とは異なった方向となるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  3. 前記隅壁部材の各々において、前記複数の凹部は、前記1つの楔部材の延び方向が前記隣接する他の楔部材の延び方向に対して前記高さ方向端部の延び方向において反対側に傾くようになっていることを特徴とする請求項2に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  4. 前記隅壁部材の各々において、前記複数の凹部は、前記1つの楔部材の延び方向が前記隣接する他の楔部材の延び方向に対して前記高さ方向端部の延び方向に直交する方向において反対側に傾くようになっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  5. 前記楔部材は先細に延びていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  6. 前記一対の隅壁部材の前記隅壁部材の各々は、CLTから形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  7. 前記一対の隅壁部材の前記隅壁部材の各々は、CLTを用いた中空CLT層体から形成されており、
    前記中空CLT層体は、一対のCLTから成る層部材と、少なくとも1つの間隙形成部材を有する間隙形成部材群とを有しており、
    前記中空CLT層体において、前記一対の層部材は互いに対向しており、
    前記間隙形成部材は、前記中空CLT層体において前記一対の層部材の間に空間を形成するように、前記一対の層部材の夫々に沿って延びる部材であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  8. 前記底部は、一対の面を形成する片底部材を少なくとも1つと、該片底部材を支持するフレーム部材とを有しており、
    前記隅部の各々は、前記フレーム部材に固定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
  9. 一対の梁部を更に備え、
    前記上部は、前記隅部の2つの間に延びる一方の上部体と、前記隅部の他の2つの間に延びる他方の上部体とを有しており、
    前記梁部の一方は、前記2つの前記隅部の一方における一方の前記隅壁部材と、前記他の2つの前記隅部の一方における一方の前記隅壁部材との間に延びており、
    前記梁部の他方は、前記2つの前記隅部の他方における一方の前記隅壁部材と、前記他の2つの前記隅部の他方における一方の前記隅壁部材との間に延びていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の可動式収容構造体の収容構造体。
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