JP7401377B2 - 木造建物の床パネル - Google Patents

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Description

この発明は、木造建物を施工する際に用いられる床パネルの技術分野に属する。
木造建物の施工方法の1つとして枠組壁工法(2×4工法)がある。この枠組壁工法は、主に2×4インチの断面寸法の規格木材を用いた枠組に構造用合板を釘打ちして製作された床材、壁材等の面材を適宜、木造用接合金具(帯金物やアンカーボルト)で接合して建物を構築するものであり、施工期間が短く、施工性もよいことから近年その需要も伸びている。
ところで、枠組壁工法の床パネルは、従来、枠組と根太で床組を形成し、その上に合板を張り付けることで製作していた。その高さ寸法(せい)は、一般的に床用のパネル材は2×10インチの部材を使うので235mm程度であった。
ちなみに、前記床パネルを含む床材は、枠組壁工法、木造軸組構法(在来工法)を問わず、施工性、耐火性、断熱性、又は遮音性(気密性)等を向上させるべく、その構成に工夫を施すことにより、下記するような実に様々な形態の床材が開発されている。
例えば、特許文献1には、断熱性に優れたランバーコア合板(図5参照)の間に角材を挟み込んだ複合構造体のパネルを使うことで、施工が容易で低コストに構築できる住宅等の建造物及びその施工方法が開示されている。
特許文献2には、合板の間に発泡合成樹脂の断熱材を挟み込んだパネルを使うことで、長期にわたり適正な断熱効果を維持でき、かつ耐火性にも優れ、また合板の板厚を大きくすることで柱と梁を不要とし、壁、床、屋根などの構成材として好適な構造用多機能パネルが開示されている。
特許文献3には、下階壁パネル上に床根太を固定して木質床板を下型枠として敷設し、鉄筋を組んだあとにコンクリートを流して鉄筋コンクリートスラブを形成し、その上に上階壁パネルを立設させることで、耐火性、遮音性に優れた建築方法が開示されている。
特許文献4には、デッキプレートの表面に鉄筋を取り付けてコンクリートを打設して形成したプレキャスト合成スラブ本体の長さ方向両端部及び幅方向両端部に接合用切欠部を設けており、接合用切欠部を介して梁上に設置されることで、施工性、耐火性、及び遮音性に優れたプレキャスト合成スラブが開示されている。
特開平7-243236号公報 実開平6-40105号公報 特開昭54-85505号公報 特開平7-207794号公報
前記特許文献1に係る建造物及びその施工方法は、面内剛性を確保するために合板を厚くしたり、面外剛性を確保するために隔離材(根太)を大きくしたりする必要があった。また、木材のみで構成されているので、耐火性や遮音性を確保するためにボード系の耐火材や遮音材などを取り付けるため、総じて床や天井が高く(厚く)なり、その分居住スペースが狭くなる等の問題があった。
前記特許文献2に係る構造用多機能パネルは、前記特許文献1と同様に、面内剛性を確保するためには合板を厚くする必要があり、床や天井が高く(厚く)なり、その分居住スペースが狭くなる等の問題があった。
前記特許文献3に係る建築方法は、耐火性、遮音性は確保できるものの、梁又は根太の上にコンクリートスラブを形成するため、床や天井が高くなり、その分居住スペースが狭くなる等の問題があった。その他、現場でコンクリートの打設作業を行うため、工期が長期化する問題もあった。
前記特許文献4に係るプレキャスト合成スラブも耐火性、遮音性は確保できるものの、梁又は根太の上にコンクリートスラブを形成するため、床や天井が高くなり、その分居住スペースが狭くなる等の問題があった。
纏めると、従来、施工性、耐火性、断熱性、又は遮音性(気密性)等を向上させる目的で開発された床材は、どれも一長一短があった。
具体的には、例えば枠組壁工法において、床パネルのパネル厚を、強度・剛性をそのままに前記一般的なパネル厚の235mmよりも薄く形成することができれば、居住スペースをより広く形成する等の柔軟で合理的な構造設計を実現でき、非常に有益であることは明らかであるところ、前記特許文献1~4に係る技術はパネル厚の抑制に寄与できず、改良の余地が残されている。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、効率よく構造物の強度・剛性を向上させることができ、軽量で取扱性にも優れたデッキプレートに着眼し、これを木質系の床パネルに組み込むことで床パネルの高さ寸法を効率よく抑制することを可能とした、木造建物の床パネルを提供することにある。
また、コンクリートの漏れを確実に防ぐことを可能とした木造建物の床パネルを提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る木造建物の床パネルは、山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレートを、受け部材を介して矩形状に枠組された木材の面内に配設されてなる木造建物の床パネルであって、
前記受け部材は、前記木材の長手方向に延び前記デッキプレートの端部の谷部を支持する下方水平面部と、前記木材の内側面に沿って起立する垂直面部とでL字状に形成され、さらに前記木材の上面に載る上方水平面部を備えた掛止部を前記垂直面部の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部の上方水平面部を前記木材の上面に掛け止めた状態で前記下方水平面部により前記デッキプレートが支持されてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した木造建物の床パネルにおいて、前記受け部材は、単一部材、又は前記下方水平面部及び垂直面部を一部材とし、前記掛止部を一部材とする組み合わせ構造であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した木造建物の床パネルにおいて、前記受け部材の掛止部は、前記木材の上面に載る水平な上方水平面部と、同木材の内側面に沿って垂下する垂直面部とで倒立L字状に形成され、前記掛止部の垂直面部が、前記受け部材の垂直面部に接続されてなることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載した木造建物の床パネルにおいて、前記受け部材の上方水平面部は、前記木材の短手方向に若干長く形成され、その垂直面部と前記木材と間に、面材を挟んだ状態で当該上方水平面部が木材の上面に載ることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載した木造建物の床パネルにおいて、前記受け部材の下方水平面部の上面に、前記デッキプレートの端部の谷部が支持され、前記デッキプレートの上面及び当該受け部材の上方水平面部を含む木材の上面にコンクリートが打設されて前記木材と一体化されることを特徴とする。
本発明に係る木造建物の床パネルによれば、以下の効果を奏する。
第1発明~第5発明の床パネルは、受け部材によってデッキプレートを木枠の上面よりも下方に落とし込んで設置することが可能になるので、従来の梁上に設置するよりも床パネルの厚さを(約6割程度に)薄くすることができる。
第1発明~第5発明の床パネルは、デッキプレートの単体での剛性が高いため、根太を省略でき、従来の合板よりも薄い合板を張り付けても面内剛性を保持できる。また、十分な剛性を保有するため、構造設計に応じて乾式(デッキプレート単体)、湿式(コンクリート打設)を使い分けることができる。
第1発明~第5発明の床パネルは、デッキプレートを木枠の上面よりも下方に落とし込むことで、組立時にコンクリートを打設する際、木枠が型枠代わりとなるので、型枠や脱型作業を省略できる。
とりわけ、デッキプレートを支持する下方垂直面部と垂直面部と掛止部が一体化されたコンパクト設計ながら、前記垂直面部がコンクリート打設の際に型枠代わりとなるため、コンクリート漏れが確実に防止される。
特に、第1発明の床パネルは、1個あたりのサイズがコンパクトな掛止部を複数点在した受け部材でデッキプレートを支持するため、木材の上面に壁パネルを設けることができる。
特に、第4発明の床パネルは、受け部材の上方水平面部が木材の短手方向に若干長く形成されているので、受け部材の垂直面部と木材に形成された隙間に挟んだ面材により、木材の側面と下面を耐火保護でき、隣接する部屋への床上衝撃音の伝達を低減する。
特に、第5発明の床パネルは、前記デッキプレートの上面に、打設されるコンクリートが前記枠組と一体化されているため、コンクリート漏れを未然に防止することができる。
本発明に係る木造建物の床パネルの組立状況を示した斜視図である。 図1の要部(受け部材)を抽出して示した断面図である。 本発明に係る木造建物の床パネルを示した斜視図である。 図3に示した木造建物の床パネルにコンクリートを打設した状態を示した断面図である。 本発明に係る木造建物の床パネルを上下の壁パネルの間に設置した状態を示した説明図である。 床パネルの受け部材を部分拡大して示した斜視図である。 図1の要部を示した斜視図である。 面材を使用した実施例を部分拡大して示した斜視図である。 図7の受け部材が単一部材である実施例を示した斜視図である。 図8の受け部材が単一部材である実施例を示した斜視図である。
次に、本発明に係る木造建物の床パネルの実施例を、以下図面に基づいて説明する。
本実施例の木造建物の床パネルは、図2~図4に示したように、山部21と谷部22とが傾斜部23を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレート2が、受け部材1を介して、矩形状に枠組された木材(木枠)3の面内に配設されてなる木造建物の床パネルであり、前記受け部材1は、前記木材3の長手方向に延び前記デッキプレート2の端部の谷部22を支持する下方水平面部10と、前記木材3の内側面に沿って起立する垂直面部11とでL字状に形成され、さらに前記木材3の上面に載る上方水平面部12aを備えた掛止部12を前記垂直面部11の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部12の上方水平面部12aを前記木材3の上面に掛け止めた状態で前記下方水平面部10により前記デッキプレート2が支持されてなる構造である。
前記木材3は、本実施例では枠組壁工法に用いる木材3を想定している。図示例に係る木材は、一例として、2×6材(せいは140mm程度)を2枚合わせしたものを用い、面内寸法が、例えば、2500×2500mm程度に形成されている。
前記デッキプレート2は、山部21と谷部22とが傾斜部23を介して交互に連なり略台形の波形断面をなす鋼板で形成され、さらに谷部22に鍵溝を、傾斜部23に段部を備えた合成スラブ用デッキプレート2と称されるデッキプレートが採用されている。
このデッキプレート2の寸法は、一例として、幅が600mm程度(2山タイプ)、高さ(山高)が50mm程度、山部と谷部のトップ(平面部)の幅寸が115~125mm程度、板厚が1.0~1.6mm程度、全長(スパン長)が1.8~3.6m程度である。図3は、幅方向に4体のデッキプレート2を連結した状態を示している。
なお、前記デッキプレート2の形態(形状、寸法)は勿論この限りではなく、設置面積、支持梁の設置間隔、構造上必要な強度等の構造設計に応じて適宜設計変更される。
例えば、木材(木枠)3の面内寸法に応じて、幅が300mm程度の1山タイプの幅調整用のデッキプレート2を併用することは適宜行われるところである。その他、コンクリートを打設しない(乾式の)場合は前記鍵溝や段部がないタイプの通常のデッキプレートを採用することもできる。
ちなみに前記デッキプレート2は、その端部の谷部22における前記受け部材1の下方水平面部10との接合部位に貫通孔22a(図2参照)が穿設されている。
前記受け部材1は、金属製(鋼製)であり、前記下方水平面部10と前記垂直面部11とで断面L字状に形成されていると共に、前記垂直面部11につづく上方水平面部12aを備えた掛止部12とで側面方向にみると断面略Z字状に形成されている(図6参照)。
前記下方水平面部10と前記垂直面部11はアングル材で前記木材3の軸方向に延びる細長い長尺物でなり、本実施例では一例として、幅寸が50mm程度で、軸方向長さは使用するデッキプレート2の幅寸と同等寸法に形成されている(図3参照)。前記デッキプレート2へ取り付けるために用いるボルト7等の固定具7を挿通させるための貫通孔10aが形成されている(図2等参照)。この貫通孔10aは、バランスよく左右に2個穿設する実施形態が好適だが、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。もっとも、図6~図10に示したように、前記下方水平面部10と前記デッキプレート2とを溶接手段で一体化させる場合、前記貫通孔10aは不要である。
前記掛止部12は、前記木材3の上面に載る水平な上方水平面部12aと、同木材3の側面に沿って垂下する垂直面部12bとで倒立L字状に形成されており、本実施例ではこの掛止部12の垂直面部12bが、アングル材の前記垂直面部11に9個、所望位置に配設されて接合されている(図1)。
前記掛止部12の上方水平面部12aについて説明する。
この上方水平面部12aは、前記木材3へ取り付けるために用いるビス6、ボルト、ドリフトピン等の固定具6を挿通させるための貫通孔14が形成されている(図14参照)。図6と図7に示した貫通孔14は、バランスよく6個穿設されているが構造設計に応じて適宜設計変更可能である。また、前記ビス6は、一例として、上方水平面部12aと木材3を固定しているが、例えば、垂直面部12bに貫通孔を形成して固定するなど、受け部材1と木材3がずれないように固定されていればよく、固定具はビス6に限らないし、また固定位置に拘わらず、どのように固定されてもよい。
また、当該上方水平面部12aは、図8と図10に示したように、木材3の短手方向(軸垂直方向)に、若干長く(例えば、20~50mm程度)形成する形態でも好適に実施される。これにより、垂直面部11(12b)と木材3との間にできた隙間に、耐火や吸音目的の面材9(本実施例では2枚だが枚数はこれに限定されない。)を挿入し、前記面材9を挟んだ状態で当該上方水平面部12aが木材3の上面に載せられ、耐火設計では木材3の両側面と下面を耐火材の面材9で保護することができる。また、床パネルと木材3の接触面が減ることで、隣接する部屋への床上衝撃音の伝達を低減する。さらに吸音板の面材9の挿入や界壁を梁上面まで伸ばすことで遮音性が一層向上する。その際、当該面材9が木材3側面の隙間を埋めるため、コンクリート5を打設した時に、コンクリート漏れが効果的に防止される。
なお、前記面材9は、例えば、壁材として下階の床まで伸びているもの(図示は省略)や、図示例のように木製横架材3の側面に接着剤等で固定する形態で好適に実施される。
前記受け部材1の寸法は、一例として、断面方向にみて(図2参照)、L字状アングル材の下方水平面部10の幅寸が64mm程度、垂直面部11の高さ寸法(全高)が121mm程度、板厚が6mm程度である。倒立L字状の掛止部12の上方水平面部12aの幅寸は57mm程度、その垂直面部12bの高さが121mm程度、板厚が6mm程度で、幅寸が110mm程度である。そして、前記垂直面部11の内側面に、前記掛止部12の垂直面部12bを溶接接合して一体化した組み合わせ構造とされている(図6~図8参照)。或いは、図9と図10に示したように、前記掛止部12の垂直面部12bと、下方水平面部10から起立する垂直面部11とが予め連続する単一部材としても好適に実施される。
なお、前記受け部材1の形態(形状、寸法)は勿論この限りではなく、前記デッキプレート2、木材3の形態等を勘案した構造設計に応じて適宜設計変更される。
次に、上記構成の木材3、デッキプレート2、及び受け部材1からなる木造建物の床パネルを実現するための手法(組立手順)について説明する。なお、以下に説明する手法はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
先ず、図1に示したように、所定の大きさの矩形状に枠組された木材(木枠)3を用意する。
そして、各木材3に対し、本実施例では前記9個の掛止部12が設けられた受け部材1の上方水平面部12aを前記木材3の上面に載置すると共に、垂直面部11を前記木材3の側面に当接させ、もって前記受け部材1を木材3に位置決めする。ここで、図8と図10に示したように木材3の側面に2枚の面材9を介して実施してもよい。
各辺の木材3にも同様の受け部材1の取り付け作業をそれぞれ行うことにより、各木材3の内側面で垂直面部11(12b)が型枠のように配設される。
しかる後、前記上方水平面部11aの前記貫通孔14にビス6を通して前記受け部材1を前記木材3に定着させる。
次に、前記デッキプレート2を所定の高さ吊り上げ、前記各受け部材1(下方水平面部10)に落とし込みつつ位置決めして架設する作業を行う。
具体的には、図2と図3に示したように、前記木材3で囲われた面内に隙間なく前記デッキプレート2を敷設するべく、前記デッキプレート2の長手方向の両端部の谷部22を前記受け部材1の対応する下方水平面部10の上面に載置し、前記谷部22の前記貫通孔22aと下方水平面部10の前記貫通孔10aとの芯を一致させ、ボルト7を通してナット8で締結する作業を受け部材1の数に応じて繰り返し行い、もって、デッキプレート2を、受け部材1を介して木材3に支持させてなる床パネルを実現する。
そして、例えば図5に示したように、下階の壁パネル30の上面に本発明に係る床パネルの木材(木枠)3を設置し、さらにその上に上階の壁パネル20を設置する等、従来の枠組壁工法と同様の施工を行う。
そして、前記床パネルは、図4に示した如く、前記上下の壁パネル20、30に組み込む前に、前記デッキプレート2の上面にコンクリート5を打設してプレキャスト合成スラブ化した床パネルとして用いることもできるし、前記上下の壁パネル20、30に組み込んだ後にコンクリート5を打設した床スラブ構造としてもよい。すなわち、コンクリート5を掛止部12(上方水平面部12a)を含む木製横架材3の上面まで打設して不陸が解消される。しかもその際、前記受け部材1の垂直面部11が木製横架材3の内側面を完全に覆う型枠の役目を果たすので、コンクリート5の漏れが効果的に防止される(図4参照)。
上記構成の木造建物の床パネルによれば、以下の効果を奏する。
(1)受け部材1によってデッキプレート2を木枠3の上面よりも下方に落とし込んで設置することが可能になるので、従来の梁上に設置するよりも床パネルの厚さを(約6割程度に)薄くすることができる。
(2)デッキプレート2の単体での剛性が高いため、根太を省略でき、従来の合板よりも薄い合板を張り付けても面内剛性を保持できる。また、十分な剛性を保有するため、構造設計に応じて乾式(デッキプレート2単体)、湿式(コンクリート5打設)を使い分けることができる。
(3)床パネルの外周部を構成する木枠3は、従来の枠組壁工法に用いる床パネルの木枠と何ら変わりはないので、上下階の壁パネル20、30との接合において従来の枠組壁工法と同様に施工できる。
(4)デッキプレート2を木枠3の上面よりも下方に落とし込むことで、組立時にコンクリート5を打設する際、木枠3が型枠代わりとなるので、型枠や脱型作業を省略できる。
とりわけ、デッキプレート2を支持する受け部材1の垂直面部11がコンクリート打設の際に型枠代わりとなるため、コンクリート漏れが確実に防止される。
(5)受け部材1の上方水平面部12aが木材3の短手方向に若干長く形成され、その垂直面部11と木材3に形成された隙間に面材9を挟むことで、耐火保護し、床上衝撃音の伝達を低減する。
(6)本実施例では、1個あたりのサイズがコンパクトな掛止部12を複数点在して設けた受け部材1によりデッキプレート2を支持する構造で実施しているので、木材3の上面に壁パネルを設けることができる等、柔軟な構造設計を実現できる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために申し添える。
例えば、上記実施例では、本発明に係る木造建物の床パネルを枠組壁工法に適用することを中心に説明しているがこれに限定されず、木造軸組工法(在来工法)にも適用可能である。また、床パネルの形態に関しては、複数の床パネルを接合して1枚の床パネルとしてもよく、形状についても正方形に限らず、長方形等の矩形のパネルであってもよい。さらに、複数の床パネルを並べて、床を形成してもよい。
1 受け部材
10 下方水平面部
11 垂直面部
12 掛止部
12a 上方水平面部
12b 垂直面部
2 デッキプレート(合成スラブ用デッキプレート)
21 山部
22 谷部
22a 貫通孔
23 傾斜部
3 木材(木枠)
5 コンクリート
6 固定具(ビス)
7 固定具(ボルト)
8 ナット
9 面材
20 上階の壁パネル
30 下階の壁パネル

Claims (5)

  1. 山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレートを、受け部材を介して矩形状に枠組された木材の面内に配設されてなる木造建物の床パネルであって、
    前記受け部材は、前記木材の長手方向に延び前記デッキプレートの端部の谷部を支持する下方水平面部と、前記木材の内側面に沿って起立する垂直面部とでL字状に形成され、さらに前記木材の上面に載る上方水平面部を備えた掛止部を前記垂直面部の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部の上方水平面部を前記木材の上面に掛け止めた状態で前記下方水平面部により前記デッキプレートが支持されてなることを特徴とする、木造建物の床パネル。
  2. 前記受け部材は、単一部材、又は前記下方水平面部及び垂直面部を一部材とし、前記掛止部を一部材とする組み合わせ構造であることを特徴とする、請求項1に記載した木造建物の木造建物の床パネル。
  3. 前記受け部材の掛止部は、前記木材の上面に載る水平な上方水平面部と、同木材の内側面に沿って垂下する垂直面部とで倒立L字状に形成され、前記掛止部の垂直面部が、前記受け部材の垂直面部に接続されてなることを特徴とする、請求項1又は2に記載した木造建物の床パネル。
  4. 前記受け部材の上方水平面部は、前記木材の短手方向に若干長く形成され、その垂直面部と前記木材と間に、面材を挟んだ状態で当該上方水平面部が木材の上面に載ることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載した木造建物の床パネル。
  5. 前記受け部材の下方水平面部の上面に、前記デッキプレートの端部の谷部が支持され、前記デッキプレートの上面及び当該受け部材の上方水平面部を含む木材の上面にコンクリートが打設されて前記木材と一体化されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した木造建物の床パネル。
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