JP2020133283A - 床天井構造 - Google Patents

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透 河原塚
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【課題】CLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することのできる床天井構造を提供する。【解決手段】直交集成板12と、直交集成板12の上下にある耐火被覆板13とを有するCLT躯体10と、CLT躯体10の上方にある二重床40と、CLT躯体10の下方にある吊り天井50と、を有する床天井構造100である。【選択図】図1

Description

本発明は、床天井構造に関する。
クロス・ラミネイティド・ティンバー(Cross Laminated Timber:CLT)は、厚みが20mm乃至40mm程度の板状の木材を、それぞれの繊維方向が交互に直交するようにして接着剤にて張り合わせることにより、例えば90mm乃至300mm程度の厚みを有する態様で形成されている。CLTは、高い寸法安定性と、断熱性及び耐震性に優れた建築材料であり、大規模木造建築(大規模高層建築)を可能にする木質材料である。木材として例えば比重の軽いスギ等が適用されることにより、軽量化が一層促進されたCLTを形成することができる。
このように、CLTは軽量であるという利点を有する一方で、CLTが建物の床や天井に適用された場合に、上階における歩行者の歩行音(重量床衝撃音:LH(レベルヘビー))が大きいという欠点を有する。本発明者等によれば、CLT(厚み150mm、63kg/m)と、耐火性能を確保するための耐火被覆材(厚み21mmの石膏ボードを表裏にそれぞれ二枚ずつ(合計四枚)で、72kg/m)とを有するCLT躯体を製作し、その床衝撃音遮断性能を実験室で測定したところ、LH−65となることが特定されている。この衝撃音レベル:LH−65は、一般にLH−55の遮音等級が要求される住宅やホテル等の建築物の衝撃音レベルとしては課題の残るレベルである。
従来の床や天井の衝撃音対策としては、床等の重量を増加させる方法があり、例えば普通コンクリートをCLTの上に打設する方法や、CLTにALC板(Autoclaved Light weight Concrete:軽量気泡コンクリート)を積層する方法などが適用されているが、これらの方法を適用する場合、CLTの有する軽量であるという利点が損なわれてしまう。また、普通コンクリートを打設する方法では、湿式工事ゆえに養生期間が必要になり、工程面からも課題がある。
ここで、特許文献1には、耐火性を確保できる耐火CLTが提案されている。具体的には、複数の板状の木材を、配向方向を揃えつつ幅方向に並べて接着することによりラミナ層を構成し、ラミナ層の配向方向を互いに直交させながら三層以上重ねて接着したCLTにおいて、最表面に配された表面ラミナ層と最裏面に配された裏面ラミナ層との間に、少なくとも一層の軽量気泡コンクリートパネルが介在されている。
特許文献1に記載の耐火CLTによれば、軽量気泡コンクリートパネルが介在することにより耐火性が確保される。しかしながら、上記するALC板を積層する方法と同様に、CLTの有する軽量であるという利点が損なわれている。
特開2016−204958号公報
本発明は、CLT躯体を有する床天井構造に関し、CLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することのできる床天井構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による床天井構造の一態様は、
直交集成板と、該直交集成板の上下にある耐火被覆板とを有するCLT躯体と、
前記CLT躯体の上方にある二重床と、
前記CLT躯体の下方にある吊り天井と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、CLT躯体と、CLT躯体の上方にある二重床と、CLT躯体の下方にある吊り天井と、を有することにより、CLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することができる。
また、本発明による床天井構造の他の態様は、複数の板状の木材を配向方向を揃えて並設することにより形成される複数のラミナを、配向方向を相互に直交させながら三層以上重ねて接着することにより形成される前記直交集成板と、該直交集成板を挟む前記耐火被覆板と、を有する前記CLT躯体と、
前記CLT躯体の上方にある前記二重床と、
前記CLT躯体の下方にある前記吊り天井と、を有し、
前記二重床は、支持脚部材と、該支持脚部材に支持される床下地材と、該床下地材の上に敷設される中間敷設材と、該中間敷設材の上に敷設されて床の表面を形成する床仕上げ材と、を備え、
前記吊り天井は、天井板と、該天井板の上方にある天井下地材と、前記CLT躯体から該天井下地材を吊持する吊り材と、該天井板の上面と該天井下地材の上面に配設されている天井制振体と、を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、CLT躯体と、CLT躯体の上方にある二重床と、CLT躯体の下方にある吊り天井と、を有する床天井構造において、吊り天井を構成する天井板の上面と天井下地材の上面に天井制振体が配設されていることにより、CLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することができる。
ここで、「天井下地材」としては、鋼材(軽鉄等)や木材等からなる野縁や野縁受けが含まれる。CLT躯体の重量(単位面積当たりの重量)は、例えば、CLT(厚み150mm、63kg/m)と、耐火性能を確保するための耐火被覆材(厚み21mmの石膏ボードを表裏にそれぞれ二枚ずつ(合計四枚)で72kg/m)にて135kg/mとなる。また、二重床の重量は、例えば、厚み12mmの仕上げフローリングと、厚み20mmのパーティクルボードと、厚み12.5mmの硬質石膏ボードと、厚み20mmのパーティクルボードにて52kg/mとなる。また、吊り天井の重量は、例えば、軽鉄の天井下地材と、厚み12.5mmの石膏ボードからなる天井板にて14kg/mとなる。さらに、天井制振体として、例えば、粒状袋体であるゼオライトが12kg/mとなり、これらの合計重量は213kg/mとなる。この重量は、密度2400kg/mで、厚み90mmの普通コンクリート板の重量相当となる。
そして、上記重量の床天井構造において、その床衝撃音レベルがLH−55であることが本発明者等により特定されている。
LH−55の遮音等級を満たす普通コンクリート板は、厚み180mm程度を必要とすることもまた本発明者等により特定されており、従って、上記する本態様の床天井構造によれば、普通コンクリート板の半分未満の重量にて住宅やホテル等の建築物に要求される衝撃音水準を満たすことが可能になる。また、このように床天井構造を軽量化できることにより、建物構造体を形成する基礎や柱等の構造躯体への負担が低減され、これら構造躯体のスリム化にも繋がる。
また、本発明による床天井構造の他の態様は、前記床仕上げ材の下方において、床上制振シートが配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、床仕上げ材の下方に床上制振シートが配設されていることにより、床衝撃音をより一層低減することができる。
また、本発明による床天井構造の他の態様は、前記直交集成板の上方にある前記耐火被覆板の上方において、錘体と該錘体を往復動させる変位体とを有するチューンドマスダンパーが該耐火被覆板に取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、直交集成板の上方にある耐火被覆板の上方にチューンドマスダンパー(Tuned Mass Damper:TMD)が取り付けられていることにより、床衝撃音をより一層低減することができる。ここで、チューンドマスダンパーとしては、鋼板等を錘体(マス)とし、耐火被覆板に取り付けられているポリエチレン製シート(もしくは、特殊袋)等の変位体の上に錘体が載置されてできる形態や、耐火被覆板に取り付けられているクッションゴムに錘体が取り付けられている形態などが挙げられる。また、上記する床上制振シートとチューンドマスダンパーの双方を備えている床天井構造であってもよい。
また、本発明による床天井構造の他の態様において、前記中間敷設材は、前記床下地材および前記床仕上げ材よりも、剛性が高く、かつ比重の大きい材料で形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、床下地材と床仕上げ材との間に配設される中間敷設材が、床下地材と床仕上げ材に比べて剛性が高く、かつ比重の大きい材料で形成されていることにより、支持脚部材に支持される床材を、可及的に薄厚としながらも高い剛性を有するものにでき、床天井構造の軽量化を図りながら床衝撃音の低減性能を高めることができる。
また、本発明による床天井構造の他の態様において、前記天井制振体は、粒状体と、該粒状体を収容する袋体と、を備え、
前記天井制振体は、前記天井板の上面に配設されている第一制振体と、前記天井下地材の上面に配設されている第二制振体と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、天井制振体が、粒状体とこれを収容する袋体とを有していることにより、伝搬した振動によって粒状体が袋体内にて振動し、粒状体の振動によって振動エネルギーが減衰されることにより、床衝撃音を効果的に低減することができる。また、天井板と天井下地材に対してそれぞれに固有の制振体を配設し、天井板の振動を第一制振体により吸収するようにし、天井下地材の振動を第二制振体により吸収するようにしたことにより、安定した床衝撃音の低減効果(制振効果)を得ることができる。さらに、粒状体が袋体に収容されていることから、粒状体の偏りが抑制され、粒状体が偏ることにより制振効果が低下するといった問題が抑制される。
本発明の床天井構造によれば、CLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することができる。
第1の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。 第2の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。 第3の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。 音の計測実験における、重量床衝撃音レベル測定結果を示す図である。 音の計測実験における、軽量床衝撃音レベル測定結果を示す図である。
以下、各実施形態に係る床天井構造ついて、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1の実施形態に係る床天井構造]
はじめに、図1を参照して、第1の実施形態に係る床天井構造について説明する。ここで、図1は、第1の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。床天井構造100は、CLT躯体10と、CLT躯体10の上方にある二重床40と、CLT躯体10の下方にある吊り天井50とを有する。
CLT躯体10は、直交集成板12と、直交集成板12を挟む上下の耐火被覆板13とを有する。直交集成板12は、例えば100mm乃至120mm×20mm乃至40mm程度の小断面の木材を、配向方向を揃えつつ幅方向に並べて貼り合わせることにより形成される複数のラミナ11を、配向方向を相互に直交させながら三層以上重ねて接着することにより形成される。直交集成板12は、複数のラミナ11がそれらの配向方向を相互に直交させながら積層していることにより、強度的に方向性が無く、大きなパネル状の建築部材を構成することができる。尚、CLTは、日本農林規格JAS(平成25年12月20日農林水産省告示第3079号)において規格化されている。
二重床40は、支持脚部材30と、支持脚部材30に支持される床材20とを有する。また、床材20は、床下地材24と、床下地材24の上に敷設される中間敷設材22,23と、中間敷設材22の上に敷設されて床の表面を形成する床仕上げ材21とを有する。CLT躯体10上に複数の支持脚部材30が載置され(図1においては二基の支持脚部材30を図示)、間隔を置いて配設されている支持脚部材30に連結部材25が係止されることにより略門型の支持構造が形成され、連結部材25に床下地材24が敷設されている。
連結部材25は平面視長方形の合板や木製角材等により形成されており、その下面には、支持脚部材30を形成する支柱32の頭部が嵌まり込む溝25aが開設されている。尚、図示を省略するが、図示例の二基の支持脚部材30が一組となり、例えば平面視矩形のCLT躯体10の短手方向及び長手方向において、二基で一組の支持脚部材30が複数組、それぞれ間隔を置いて配設されている。そして、各組の支持脚部材30にはそれぞれ連結部材25が係合され、複数の連結部材25により床下地材24が支持されている。ここで、床下地材24は、例えば木質系のパーティクルボードにより形成される。
中間敷設材22,23のうち、上方にある中間敷設材22は、例えば木質系のパーティクルボードにより形成されており、下方にある中間敷設材23は、床下地材24や他の中間敷設材22、床仕上げ材21に比べて剛性が高く、かつ比重の大きな材料で形成されている。床仕上げ材21は、例えば合板により形成され、中間敷設材23は、硬質石膏ボードにより形成される。
支持脚部材30は、防振材である脚部材33と、外周に螺子溝を有する支柱32と、支持ブラケット31とを有する。支柱32は、例えば樹脂系材料もしくは鋼製材料により形成され、その下端部32aが脚部材33の座ぐり溝33aに挿入され、固定されている。支持ブラケット31は、例えば樹脂系材料もしくは鋼製材料により形成され、その中央には螺子溝31aが開設されており、螺子溝31aに支柱32が螺合し、支柱32の頭部32bが支持ブラケット31の上方に突設している。脚部材33は、防振性を有するゴム系材料により形成され、例えば、図示するように外径が上方に向かって漸次段階的に小さくなるように形成されている。
連結部材25の有する溝25aに支柱32の頭部32bが嵌まり込んだ状態で、支持ブラケット31に対して連結部材25が支持される。支持ブラケット31を支柱32の軸周りに回転させることにより、支持ブラケット31を支柱32に対して上下方向に移動させて床仕上げ材21等の高さ調整を図ることができる。尚、図示を省略するが、床仕上げ材21から中間敷設材23に亘るようにビス等の固定手段が施工され、同様に、連結部材25から支持ブラケット31に亘るようにビス等の固定手段が施工されることにより、二重床40を形成する各構成部材が相互に固定される。
二重床40によれば、CLT躯体10上に立設された複数の支持脚部材30にて連結部材25が係止され、連結部材25を介して床材20が支持される。この構成により、床下地材24は、複数の支持脚部材30にてスポット状に支持されず、複数の連結部材25により線状もしくは面状に支持されることになる。そのため、床材20を強固に支持することができ、床仕上げ材21等の振動を可及的に抑制することができる。
また、一方の中間敷設材23は、床下地材24や他方の中間敷設材22、床仕上げ材21よりも、剛性が高く、かつ比重の大きな材料により形成されていることから、支持脚部材30により支持される床材20を、可及的に薄厚としながらも高い剛性を有するものにでき、床天井構造100の軽量化を図りながら床衝撃音の低減性能を高めることができる。
吊り天井50は、天井板55と、天井板55の上方にある天井下地材53と、CLT躯体10から天井下地材53を吊持する吊り材54と、天井板55の上面と天井下地材51(野縁)の上面にそれぞれ個別に配設されている天井制振体58とを有する。天井板55は、例えば強化石膏ボード等により形成されている。一方、天井下地材53は、野縁51と野縁受け52とを有し、天井板55の裏面において間隔を置いて配設されて天井板55に取り付けられている野縁51に対して、野縁51の長手方向に直交する方向に複数の野縁受け52が配設され、野縁51に取り付けられている。野縁51や野縁受け52は、軽量鉄骨等の鋼材の他、アルミニウム合金やステンレス鋼、木材等により形成される。そして、野縁受け52に対して、鋼製の吊りボルト等により形成される吊り材54の端部が固定される。
天井制振体58は、天井板55の上面に配設されている第一制振体56と、野縁51の上面に配設されている第二制振体57とを有する。第一制振体56は、袋体56bと、袋体56bに収容される粒状体56aとを有し、同様に、第二制振体57は、袋体57bと、袋体57bに収容される粒状体57aとを有する。
袋体56b、57bは、例えばクラフト紙からなる袋やガラスクロスからなる袋が適用されるが、その素材は特に限定されるものでなく、内部に収容される粒状体56a、57aの振動を阻害しない素材であって、不燃性(難燃性)で耐火性のある素材から形成されるのが望ましい。また、袋体56b、57bは、別々の袋として作成されてもよいし、一つの袋を縫って区分けすることにより、独立した袋を形成するようにしてもよい。
粒状体56a、57aは、例えばゼオライトや木炭等により形成されるが、その素材は特に限定されるものでなく、例えば、パーライト(ガラス質火山岩を加熱して得た発泡体)の一種である黒曜石系パーライトや真珠岩系パーライト、天然ガラス発泡体、砂、もしくは、これらのうちの少なくとも二種を混合した素材等であってもよい。
第一制振体56と第二制振体57はいずれも、野縁51の長手方向に沿って複数連設され、天井板55の上面(野縁51を含む)は、複数の第一制振体56と第二制振体57により例えば完全に覆われている。第一制振体56の下面や側面、及び第二制振体57の下面には、両面テープや接着剤等による接着部(図示せず)が形成されており、第二制振体57は接着部を介して野縁51の上面に接着固定され、第一制振体56は接着部を介して天井板55や野縁51の上面に配設されている第二制振体57に接着固定される。尚、このような接着固定以外にも、治具等により、第二制振体57と野縁51の固定や第一制振体56と天井板55の固定が図られてもよい。
吊り天井50によれば、天井板55と野縁51に対して、第一制振体56と第二制振体57がそれぞれ個別に載置されることにより、天井板55と野縁51に対して確実に制振体の荷重を作用させることができる。この構成により、天井板55や野縁51において生じ得る共振を抑制し、天井板55にて観測される振動を可及的に抑制することができる。すなわち、天井板55の振動は第一制振体56により吸収され、野縁51の振動は第二制振体57により吸収されることから、安定した制振効果を得ることができる。
粒状体56a、57aは、僅かな振動でも移動して振動エネルギーを吸収する。また、吊り天井50では、床衝撃音の最終的な放射面となる天井板55の上面において振動エネルギーを減衰させることにより、二重天井である吊り天井50が設置されることにより生じ得る床衝撃音の増幅を抑制することができ、吊り天井50を具備しない形態の天井と比較して大きな振動低減効果を得ることができる。
また、野縁51の上面に配設される粒状体57aは袋体57bに収容され、そこから移動しないことから、天井板55と野縁51の間に段差が存在していても、粒状体57aが一方に偏ることはなく、従って、粒状体が一方に偏る場合のように制振効果が低下する恐れはない。尚、第一制振体56と第二制振体57が相互に連結されたものを適用することにより、吊り天井50を効率的に施工することができる。
床天井構造100によれば、床や天井の衝撃音対策として、普通コンクリートをCLTの上に打設したり、ALC板を積層する等によって重量を増加させるものでなく、CLT躯体10の上方にある二重床40の構成、及びCLT躯体10の下方にある吊り天井50の構成により、衝撃音を低減することができる。そのため、CLT躯体10を構成するCLTの有する軽量であるという利点を確保しながら、衝撃音を低減することが可能になる。
[第2の実施形態に係る床天井構造]
次に、図2を参照して、第2の実施形態に係る床天井構造について説明する。ここで、図2は、第2の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。図示する床天井構造100Aは、図1に示す床天井構造100に対して、床仕上げ材21の下方に床上制振シート60が配設された構造である。床上制振シート60には、例えばアスファルト系制振シートが適用される。
床天井構造100Aによれば、二重床40による床衝撃音を、既述する二重床40の構成と床上制振シート60の双方により低減することができるため、より一層高い床衝撃音低減効果を得ることができる。
[第3の実施形態に係る床天井構造]
次に、図3を参照して、第3の実施形態に係る床天井構造について説明する。ここで、図3は、第3の実施形態に係る床天井構造の縦断面図である。図示する床天井構造100Bは、図1に示す床天井構造100に対して、直交集成板12の上方にある耐火被覆板13の上方において、複数のチューンドマスダンパー70が取り付けられている構造である。
チューンドマスダンパー70は、耐火被覆板13に取り付けられているポリエチレン製シート72(変位体一例)の上に、鋼板71(錘体の一例、マス)が載置されることにより形成されている。例えば、63Hz帯域にチューニングされた複数のチューンドマスダンパー70を、図3に示すように、CLT躯体10と二重床40の間の空間に分散して配置するのがよい。尚、チューンドマスダンパー70は、図示例以外にも、株式会社UFG社製の床制振ダンパである、B−FLOOR DX等を適用し、耐火被覆板13の上方に取り付けてもよい。
床天井構造100Bによれば、二重床40による床衝撃音を、既述する二重床40の構成とチューンドマスダンパー70の双方により低減することができるため、より一層高い床衝撃音低減効果を得ることができる。
[音の計測実験]
次に、音の計測実験について説明する。本発明者等は、以下の表1に示す5ケースの試験体を製作し、一般財団法人建材試験センターの残響室において、音の計測実験を実施し、重量床衝撃音レベル測定結果と軽量床衝撃音レベル測定結果を求めた。
Figure 2020133283
表1において、各ケースは、〇で示した構成を有している。CLT躯体は、厚み150mmのCLT(直交集成板)を、1時間耐火仕様の強化石膏ボードGB−F21mmにて挟んだ構成を有している。吊り天井は、軽鉄製の天井下地材と、厚み12.5mmの石膏ボードからなる天井材と、ゼオライトからなる粒状体が袋体に収容された天井制振体を有している。二重床は、合板からなる床仕上げ材、硬質石膏ボードからなる中間敷設材、パーティクルボードからなる床下地材が、複数の支持脚部材と連結部材からなる門型支持体により支持された構成を有している。TMDは、マスである鋼板と変位体であるポリエチレン製シートとにより構成され、63Hz帯域にチューニングされており、重量比10%である。さらに、制振シートは、アスファルト系制振シートである。
本実験は、重量床衝撃音レベルを測定する実験と、軽量床衝撃音レベル測定する実験の二種類の実験である。重量床衝撃音レベルを測定する実験は、JIS A 1418−2:2000「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法−第2部:標準重量衝撃源による方法」に規定される衝撃力特性(1)の標準重量衝撃源(タイヤ衝撃源)による重量床衝撃音レベルをケース毎に実施した。計測結果を図4に示す。尚、図4においては、JIS A 1419−2:2000「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能」の付属書1(規定)「建築物の床衝撃音遮断性能の等級曲線による評価」を用いて、床衝撃音遮音性能に関する等級を更に求め、グラフ中に示した。例えば、図4において、比較例1はLH−60の床衝撃音レベル等級であり、実際の衝撃音は、括弧内の62(dB)であったことを示している。
図4より、CLT躯体と吊り天井、二重床の基本構成のいずれかの構成が充足されていない比較例1,2はいずれも、LH−60の床衝撃音レベル等級である。
一方、比較例1,2に対して、CLT躯体と吊り天井、二重床の基本構成を有する実施例1はLH−55の床衝撃音レベル等級(実測値は54dB)となっており、一般にLH−55の遮音等級が要求される住宅やホテル等の建築物の衝撃音レベルを充足することが実証されている。
さらに、制振シートを有する実施例2、TMDを有する実施例3では、実施例1に比べて実測値がさらに低減され(53dB)、LH−55の床衝撃音レベル等級となっている。
この実験結果より、実施例1乃至実施例3はいずれも、一般にLH−55の遮音等級が要求される住宅やホテル等の建築物の衝撃音レベルを充足することが実証されており、制振シートやTMDを配設することにより、床衝撃音をより一層低減できることが実証されている。
一方、軽量床衝撃音レベル測定する実験は、JIS A 1418−2:2000「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法−第1部:標準軽量衝撃源による方法」に規定される標準軽量衝撃源(タッピングマシン衝撃源)による重量床衝撃音レベルをケース毎に実施した。計測結果を図5に示す。尚、測定結果をJIS A 1419−2:2000「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能」の付属書1(規定)「建築物の床衝撃音遮断性能の等級曲線による評価」を用いて、床衝撃音遮音性能に関する等級をさらに求め、グラフ中に示した。例えば、図5において、比較例1はLL−65(LL:レベルライト)の床衝撃音レベル等級であり、実際の衝撃音は、括弧内の67(dB)であったことを示している。
図5より、CLT躯体と吊り天井、二重床の基本構成のいずれかの構成が充足されていない比較例1,2はいずれもLL−65の床衝撃音レベル等級である。
一方、比較例1,2に対して、CLT躯体と吊り天井、二重床の基本構成を有する実施例1はLL−50の床衝撃音レベル等級となっており、その実測値(49dB)は比較例1に比べて18dBも床衝撃音を低減できることが実証されている。
さらに、TMDを有する実施例3では、実施例1に比べて実測値がさらに低減され(47dB)、LL−45の床衝撃音レベル等級となっている。
以上、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10:CLT躯体、11:ラミナ、12:直交集成板、13:耐火被覆板、20:床材、21:床仕上げ材、22:中間敷設材(パーティクルボード)、23:中間敷設材(硬質石膏ボード)、24:床下地材(パーティクルボード)、25:連結部材、30:支持脚部材、31:支持ブラケット、32:支柱、33:脚部材、40:二重床、50:吊り天井、51:野縁(天井下地材)、52:野縁受け(天井下地材)、53:天井下地材、54:吊り材、55:天井板、56:第一制振体、56a:袋体、56b:粒状体、57:第二制振体、57a:袋体、57b:粒状体、58:天井制振体、60:床上制振シート、70:チューンドマスダンパー、71:鋼板(錘体)、72:ポリエチレン製シート(変位体)、100,100A,100B:床天井構造

Claims (6)

  1. 直交集成板と、該直交集成板の上下にある耐火被覆板とを有するCLT躯体と、
    前記CLT躯体の上方にある二重床と、
    前記CLT躯体の下方にある吊り天井と、を有することを特徴とする、床天井構造。
  2. 複数の板状の木材を配向方向を揃えて並設することにより形成される複数のラミナを、配向方向を相互に直交させながら三層以上重ねて接着することにより形成される前記直交集成板と、該直交集成板を挟む前記耐火被覆板と、を有する前記CLT躯体と、
    前記CLT躯体の上方にある前記二重床と、
    前記CLT躯体の下方にある前記吊り天井と、を有し、
    前記二重床は、支持脚部材と、該支持脚部材に支持される床下地材と、該床下地材の上に敷設される中間敷設材と、該中間敷設材の上に敷設されて床の表面を形成する床仕上げ材と、を備え、
    前記吊り天井は、天井板と、該天井板の上方にある天井下地材と、前記CLT躯体から該天井下地材を吊持する吊り材と、該天井板の上面と該天井下地材の上面に配設されている天井制振体と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の床天井構造。
  3. 前記床仕上げ材の下方において、床上制振シートが配設されていることを特徴とする、請求項2に記載の床天井構造。
  4. 前記直交集成板の上方にある前記耐火被覆板の上方において、錘体と該錘体を往復動させる変位体とを有するチューンドマスダンパーが該耐火被覆板に取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の床天井構造。
  5. 前記中間敷設材は、前記床下地材および前記床仕上げ材よりも、剛性が高く、かつ比重の大きい材料で形成されていることを特徴とする、請求項2、3、請求項2又は3に従属する請求項4のいずれか一項に記載の床天井構造。
  6. 前記天井制振体は、粒状体と、該粒状体を収容する袋体と、を備え、
    前記天井制振体は、前記天井板の上面に配設されている第一制振体と、前記天井下地材の上面に配設されている第二制振体と、を有することを特徴とする、請求項2、3、請求項2又は3に従属する請求項4、請求項5のいずれか一項に記載の床天井構造。
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