JP2022170073A - 木造遮音床 - Google Patents

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祐 會田
Yu Aida
有二 高瀬
Yuji Takase
大祐 冨永
Daisuke Tominaga
充隆 岡▲崎▼
Mitsutaka Okazaki
徹 林
Toru Hayashi
祐亮 小林
Yusuke Kobayashi
浩三 吉田
Kozo Yoshida
裕希 室
Hiroki Muro
拓也 奥本
Takuya Okumoto
清輝 森
Kiyoteru Mori
年男 齋藤
Toshio Saito
泰伸 勝山
Yasunobu Katsuyama
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Abstract

【課題】直交集成板より比重が大きい材料を用いる場合より構造床全体の単位面積質量を小さくでき、かつ木材と比較して加工性の悪い材料を用いずに重量床衝撃音を低減することができる木造遮音床を提供する。【解決手段】木造遮音床100が、建築物の躯体1に固定され水平に延びる遮音構造床10と、遮音構造床の上面に支持され水平に延びる重量二重床20と、躯体から単独に吊下げられた吊天井30とを備える。遮音構造床10は、木材又は木質材料からなる。また、重量二重床20と遮音構造床10からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されている。遮音構造床10は、建築物の躯体に両端が固定され水平に延びる複数の小梁12と、小梁に直交して水平に延び両端が小梁に固定された複数の小梁補強材14とを有する。遮音構造床10の単位面積質量は、重量二重床20の2倍以上、2.5倍以下に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、二重床と吊天井を有し重量床衝撃音を低減する木造遮音床に関する。
近年、木造住宅建築物等の建築物の床構造として、JIS A 1418による重量床衝撃音遮断性能及び軽量床衝撃音遮断性能を満たす木造遮音床が要望されている。
「重量床衝撃音」は、子どもが飛び跳ねたり、椅子を動かしたときなどに、「ドスン」「ガタン」と大きく下の階に伝わる鈍くて低い音を意味する。また、「軽量床衝撃音」は、スプーンなどを床に落として「コツン」といったり、スリッパで歩いて「パタパタ」するように、比較的軽めで高音域の音を意味する。
このうち、軽量床衝撃音は床材表面の素材(例えばカーペット)により比較的容易に低減することができる。一方、重量床衝撃音は床材表面の素材のみでは低減が困難である。
そこで、重量床衝撃音を低減するために、例えば特許文献1が開示されている。
特許文献1の「床構造」は、CLT(直交集成板)により形成された床材(CLT床材)を複数並べて形成された床主体層と、床主体層の上に床材(CLT床材)の比重よりも大きい比重の板材を複数並べて形成された重量床衝撃音低減層と、を備えるものである。
「床材の比重よりも大きい比重の板材」は、例えばALC板(比重0.6ton/m)、鉄板(比重7.85ton/m)、プレキャストコンクリート板(比重2.85ton/m)である。
またこの床構造を用いた二重床は、重量床衝撃音低減層の上に合板による表面層を備え、その上に支持脚を配置して構築する。
特開2020-26660号公報
特許文献1の「床構造」は、二重床を支持する構造床(重量床衝撃音低減層)が、直交集成板を並べて形成された床主体層と、その上に直交集成板の比重よりも大きい比重の板材を並べて形成されている。
しかし、特許文献1の「床構造」には、以下の問題点があった。
(1)「直交集成板の比重よりも大きい比重の板材」は、例えばALC板(比重0.6ton/m)、鉄板(比重7.85ton/m)、プレキャストコンクリート板(比重2.85ton/m)であるため、単位面積質量が大きい。
例えば、直交集成板が厚さ210mm(単位面積質量94.5kg/m)、ALC板が厚さ100mm(単位面積質量60kg/m)、合板が厚さ12.5mm(単位面積質量7.5kg/m)の場合、構造床の単位面積質量は約162kg/mとなる。また、板材が鉄板又はプレキャストコンクリート板の場合、構造床の単位面積質量はさらに大きくなる。
(2)特許文献1の「床構造」は、例えば全体の厚さが310mmの平板となるが、広い部屋の床を構成する場合、中間に支持梁(例えば小梁)が必要になる。そのため、構造床全体の単位面積質量はさらに大きくなる。
(3)木材と比較して、ALC板、鉄板、プレキャストコンクリート板など加工性の悪い材料を用いるため、現場の寸法に合わせての加工が困難であり、作業効率が悪い。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、直交集成板より比重が大きい材料を用いる場合と比較して構造床全体の単位面積質量を小さくでき、かつ木材と比較して加工性の悪い材料を用いることなく重量床衝撃音を低減することができる木造遮音床を提供することにある。
本発明によれば、建築物の躯体に固定され水平に延びる遮音構造床と、
前記遮音構造床の上面に支持され水平に延びる重量二重床と、
前記躯体から単独に吊下げられ水平に延びる吊天井と、を備える木造遮音床であって、
前記遮音構造床は、木材又は木質材料からなり、
前記重量二重床と前記遮音構造床からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されている、木造遮音床が提供される。
上記本発明の構成によれば、遮音構造床が木材又は木質材料からなり、直交集成板より比重が大きい材料(ALC板、鉄板、プレキャストコンクリート板など)を用いないので、遮音構造床全体の単位面積質量を小さくできる。
また、重量二重床と遮音構造床からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されているので、木材と比較して加工性の悪い材料を用いることなく重量床衝撃音を低減することができる。
本発明の実施形態を示す木造遮音床の側面断面図である。 図1の遮音構造床の平面図である。 図2のA-A断面図とB-B断面図である。 比較例の比較遮音床の側面断面図である。 試験機関における重量床衝撃音遮断性能の試験結果を示す図である。 2質点系モデルとその解析結果を示す図である。 m2/m1が2.5の場合の、2質点系モデルの解析結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態を示す木造遮音床100の側面断面図である。
この図において、本発明による木造遮音床100は、遮音構造床10、重量二重床20、及び吊天井30を備える。
遮音構造床10は、建築物の躯体1(図2参照)に固定され水平に延びる。建築物は、木造建築物であることが好ましいが、コンクリート建築物であってもよい。躯体1は、木造建築物の水平梁(大梁)であることが好ましい。
重量二重床20は、遮音構造床10の上面に支持され水平に延びる。
吊天井30は、建築物の躯体1から単独に吊下げられ水平に延びる。
図2は、図1の遮音構造床10の平面図であり、図3は、図2のA-A断面図とB-B断面図である。なお、図2、図3では、重量二重床20、及び吊天井30は省略している。
また、図2は、実験室での試験用に構成した遮音構造床10である。
図2において、遮音構造床10は、幅3m、長さ4m、面積12mであるが、本発明はこの寸法又は面積に限定されないことは無論である。
本発明の遮音構造床10は、木材又は木質材料からなる。
「木材」とは、一本の原木から角材や板を直接必要な寸法に切り出した無垢材を意味する。また、「木質材料」とは、原料の木材を大小のエレメント(構成要素)に分解し、再構成した材料を意味する。集成材、構造用合板、パーティクルボード、などは木質材料である。
図1~図3において、本発明の遮音構造床10は、複数の小梁12と複数の小梁補強材14を有する。
図2において、小梁支持材11が建築物の躯体1(例えば大梁)に固定されている。
複数の小梁12は、小梁支持材11を介して建築物の躯体1に両端が固定され水平に延びる。なお、躯体1に隣接する小梁12を躯体1に固定してもよい。
また、小梁12と小梁支持材11の接合部は、例えば「あり掛け」により強固に連結されている。なお接合部に接着材又は結合金具を用いてもよい。
この例で小梁12は、幅150mm、高さ330mmの木材である。また、複数の小梁12の芯間距離は、317~455mmに設定されている。
複数の小梁補強材14は、小梁12に直交して水平に延び、両端が小梁12に固定されている。この例で小梁補強材14は、幅105mm、高さ105mmの木材である。また、複数の小梁補強材14の芯間距離は、隣接する小梁12の芯間距離以下に設定されている。この例で、小梁補強材14の芯間距離は、307~455mmである。
また、1対の小梁12を連結する複数(この例で8本)の小梁補強材14の総断面積は、単一の小梁12の断面積(この例で495cm)の1.5倍以上、2.5倍以下(この例で1.78倍)に設定されている。
また、小梁補強材14と小梁12との接合部は、例えば「あり継ぎ」により強固に連結されている。なお接合部に接着材又は結合金具を用いてもよい。
図1において、遮音構造床10は、さらに、小梁12の上面に固定された上面構造床16を有する。
上面構造床16は、この例では、下層から順に構造用合板17a、硬質石膏ボード18a、18b、及び合板17bが積層されている。
また、硬質石膏ボード18a、18bの単位面積質量は、上面構造床16の半分以上に設定されている。なお、硬質石膏ボード18a、18bは強化石膏ボードであってもよい。
上述した構成により、重量二重床20で発生する軽量床衝撃音及び重量床衝撃音を低減することができる。
また、上面構造床16は、小梁12の上面に例えばビスにより強固に固定されている。
なお、構造用合板17a、硬質石膏ボード18a、18b、及び合板17bは、一体的に運動(振動)する限り単に積層しても、接合部を接着してもよい。
図1において、小梁補強材14の上面は上面構造床16の下面より低く、その間に隙間を有する。この隙間は、上面構造床16の振動が小梁補強材14に直接伝わらないように設定されている。隙間の大きさは、例えば5~10mmである。
この構成により、上面構造床16から小梁補強材14へ重量床衝撃音遮断性能の評価周波数に相当する63Hz帯域の振動の伝達を防止し、小梁補強材14の単独振動を防ぐことができる。
なお、この構成は必須ではなく、上面構造床16との隙間を小さくし、或いは小梁補強材14の上面高さを小梁12の上面高さと一致させて、小梁補強材14に「床受木」の機能を併用させてもよい。
図1において、重量二重床20は、遮音構造床10の上面(合板17b)に支持された複数の支持脚22を有する。支持脚22は、例えば、防振ゴム、金属ボルト、パネル受けの組合せからなる。
重量二重床20は、さらに、支持脚22の上面に下層から順に積層されたパーティクルボード24、アスファルト系制振材25a,25b、合板26、及び、フローリング27を有する。
なお、パーティクルボード24、アスファルト系制振材25a,25b、合板26、及び、フローリング27は、一体的に運動(振動)する限り単に積層しても接着してもよい。
上述した構成により、重量二重床20で発生する軽量床衝撃音及び重量床衝撃音を低減することができる。
また、本発明において、上述した重量二重床20と遮音構造床10からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されている。
重量床衝撃音遮断性能の評価周波数は、オクターブバンド63Hz帯域~500Hz帯域であり、具体的には45Hz~710Hzの範囲を意味する。
また、本発明において、重量二重床20は、アスファルト系制振材25a,25bを含み、その固有振動数が評価周波数(63Hz帯域)より低く設定されている。
図1において、吊天井30は、複数の吊用梁32、複数の吊金物34、天井板36、及びグラスウール38を有する。
複数の吊用梁32は、複数の小梁12の間において、建築物の躯体1に両端が固定され水平に延びる。吊用梁32は、建築物の躯体1(例えば大梁)に直接固定することが好ましいが、小梁支持材11を介して建築物の躯体1に固定してもよい。
また、吊用梁32は、小梁12及び小梁補強材14から離れて位置しており、小梁12及び小梁補強材14の振動が直接伝わらないように設定されている。
この例で吊用梁32は、幅38mm、高さ140mmの木材である。また、複数の吊用梁32の芯間距離は、小梁12の間で317~455mmに設定されている。
複数の吊金物34は、吊用梁32の長さ方向に沿って間隔を隔てて複数設置され、その上端が吊用梁32に固定され、下端が天井板36に固定されている。
天井板36は、その上面が吊金物34に固定され水平に延びる。天井板36は、この例では、積層された2枚の強化石膏ボード37からなる。なお本発明は、天井板36のこの構成に限定されない。
グラスウール38は、天井板36の上面と吊用梁32との間に隙間なく敷き詰められている。
上述した構成により、吊天井30は、遮音構造床10に直接連結せず、建築物の躯体1から独立して単独に吊下げられ水平に延びるので、上部で発生する軽量床衝撃音及び重量床衝撃音を遮断することができる。
表1は、上述した重量二重床20の厚さと単位面積質量を示す表である。また、表2は、上述した遮音構造床10の厚さと単位面積質量を示す表である。
なお、図2において、複数の小梁12の芯間距離は317~455mm、複数の小梁補強材14の芯間距離は307~455mmに設定されており、表2は芯間距離がそれぞれ455mmの部分を示している。
Figure 2022170073000002
Figure 2022170073000003
表1において、重量二重床20の単位面積質量は約65kg/mである。
また、重量二重床20のアスファルト系制振材25a,25bの単位面積質量は、約36kg/mであり、重量二重床20の半分以上(この例で約55%)に設定されている。
また、表2において、小梁12の単位面積質量は、約65kg/mであり、重量二重床20の等倍以上(この例で等倍)に設定されている。
また、表2において、硬質石膏ボード18a,18bの単位面積質量は、約36kg/mであり、上面構造床16(約58kg/m)の半分以上(この例で約62%)に設定されている。
さらに、表2において、遮音構造床10の単位面積質量は、約133kg/mであり、重量二重床20の約2.0倍である。
上述した構成により、後述するように重量床衝撃音に対するLH-45の基準を満たすことができる。
また、特許文献1の実施例では構造床の単位面積質量は約162kg/mであり、本発明では直交集成板より比重が大きい材料(ALC板、鉄板、プレキャストコンクリート板など)を用いないので、遮音構造床10の単位面積質量を小さくできる。
なお、図2の例において、小梁12の芯間距離を303mmに容易にできる。この場合、遮音構造床10の単位面積質量は、約163kg/mであり、重量二重床20の約2.51倍である。
この場合、後述するように重量床衝撃音に対するLH-45の基準をさらに満たすことができる。
また、上述したように、特許文献1の「床構造」は、広い部屋の床を構成する場合、中間に支持梁(例えば小梁)が必要になる。そのため、構造床全体の単位面積質量は特許文献1の実施例の約162kg/mよりも実際には大きくなる。
従って、遮音構造床10の単位面積質量が、重量二重床20の約2.5倍である場合でも、特許文献1と比較して遮音構造床10の単位面積質量を小さくできる。
従って、遮音構造床10の単位面積質量は、重量二重床20の2倍以上、2.5倍以下に設定するのがよい。
図4は、比較例の比較遮音床50の側面断面図である。
この図において、比較遮音床50は、比較構造床60、重量二重床20、及び吊天井30を備える。重量二重床20と吊天井30は、本発明の木造遮音床100(図1)と実質的に同一である。
比較構造床60は、複数の比較小梁62と複数の床受木64を有する。
複数の比較小梁62は、この例で、幅180mm、高さ200mmの木材である。また、複数の比較小梁62の芯間距離は、540mmに設定されている。
複数の床受木64は、この例で、幅45mm、高さ45mmの木材である。また、複数の床受木64の芯間距離は、910mmに設定されている。
その他の構成は、本発明の木造遮音床100(図1)と実質的に同一である。なお、実際は面材構成が多少違い、単位面積質量は約6kg/m軽量である。
上述した構成により、比較遮音床50の重量二重床20の単位面積質量は表1と同じ約65kg/mである。
また、比較構造床60の単位面積質量は、約92kg/mであり、重量二重床20の約1.4倍である。
図5は、試験機関における重量床衝撃音遮断性能の試験結果を示す図である。この試験は、JIS A 1418-2:2019に基づいて実施しており、衝撃源には衝撃力特性(1)を有するタイヤを用いた。
この図において、横軸はオクターブバンドの中心周波数、縦軸は重量床衝撃音レベルを示している。
また図中の5本の細線で示す曲線は、下から順に、L-35,L-40,L-45,L-50,L-55の基準曲線を示している。
さらに図中の○と太い実線は、上述した遮音構造床10の試験結果であり、図中の□と太い破線は、上述した比較構造床60の試験結果である。
図5の試験結果から、上述した遮音構造床10の重量床衝撃音レベルは、実質的にL-45の基準曲線を下回っており、重量床衝撃音に対するLH-45の基準を満たしていることがわかる。
また、図5において、上述した比較構造床60の重量床衝撃音レベルは、重量床衝撃音に対するLH-50の基準を満たしているが、LH-45の基準は満たしておらず、相対的に低い性能となっていることがわかる。
図6は、2質点系モデルとその解析結果を示す図である。
この図において、(A)は2質点系モデル、(B)は比較構造床60の解析結果、(C)は本発明の遮音構造床10の解析結果である。
図6(A)において、m1は二重床(重量二重床20)の単位面積質量、m2は構造床(遮音構造床10又は比較構造床60)の単位面積質量である。また、k1は二重床の単位面積あたりのバネ定数(支持脚によるバネと空気層によるバネの合成)、k2は構造床の等価バネ定数である。
単位面積質量m1は表1の65kg/mに設定し、m2/m1を、(B)では1.4、(C)では2.0とした。
バネ定数k1は、以下の(1)(2)式から、固有振動数f1が評価周波数より低い値(この例では32Hz)になるように設定した。
振動周期 T1=2π(m1/k1)0.5・・・(1)
固有振動数f1=1/T1 ・・・(2)
また構造床(単位面積質量m2)の固有振動数を2~30Hzの範囲で想定し、それぞれの固有振動数になるように等価バネ定数k2を設定した。
図6(B)(C)において、横軸は構造床の固有振動数、縦軸は2質点系の固有振動数である。
なお、構造床の固有振動数は、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数(63Hz帯域)より十分低く設定されている。この場合、構造床の固有振動数は、建築物の床構造(寸法と固定方法)によって変化するため、2~30Hzの範囲を想定し、図中で右上がりの破線Aで示している。
また、二重床(重量二重床20)の固有振動数も、評価周波数より低く設定されており、図中で水平な破線Bで示している。
図6(B)(C)において、実線Cは二重床と構造床からなる2質点系の1次固有振動数、実線Dは二重床と構造床からなる2質点系の2次固有振動数である。
図6(B)から、二重床の1.4倍の単位面積質量を有する構造床の場合、2質点系の2次固有振動数は、二重床単体時に対して大きく上昇し、評価周波数である63Hz帯域(45Hz以上)に入り込んでいる。
これに対し、二重床の2倍の単位面積質量を有する構造床の場合、2質点系の2次固有振動数の63Hz帯域への上昇は抑えられている。
従って、重量二重床20を木造床に設置する場合、木造床の単位面積質量の設定が重要であることがわかる。
図7は、m2/m1が2.5の場合の、2質点系モデルの解析結果を示す図である。
この図から、m2/m1=2.5の場合も、2質点系の2次固有振動数の63Hz帯域への上昇が抑えられていることがわかる。
上述した本発明の実施形態によれば、重量二重床20と遮音構造床10からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されている。
また、遮音構造床10の単位面積質量は、重量二重床20の2倍以上、2.5倍以下に設定されている。
本発明のこの構成により、軸組工法床の要因により重量二重床20の2質点系の2次固有振動数が上昇することを抑え、遮音構造床10による重量床衝撃音の低減効果を一層確実にすることができる。
また、小梁間のデッドスペースに小梁直交根太(小梁補強材14)を多数配置することで、木造軸組床の総厚を抑え、さらに錘等の特殊部材に頼らずに、同床の単位面積質量を所定の水準まで確保することができる。
従って、本発明の構成によれば、遮音構造床10が木材又は木質材料からなり、直交集成板より比重が大きい材料(ALC板、鉄板、プレキャストコンクリート板など)を用いないので、遮音構造床10の単位面積質量を小さくできる。
また、重量二重床20と遮音構造床10からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されているので、木材と比較して加工性の悪い材料)を用いることなく重量床衝撃音を低減することができる。
なお、本発明の範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 躯体、10 遮音構造床、11 小梁支持材、12 小梁、
14 小梁補強材、16 上面構造床、17a 構造用合板、17b 合板、
18a,18b 硬質石膏ボード、20 重量二重床、22 支持脚、
24 パーティクルボード、25a,25b アスファルト系制振材、
26 合板、27 フローリング、30 吊天井、32 吊用梁、
34 吊金物、36 天井板、37 強化石膏ボード、38 グラスウール、
50 比較遮音床、60 比較構造床、62 比較小梁、64 床受木、
100 木造遮音床

Claims (9)

  1. 建築物の躯体に固定され水平に延びる遮音構造床と、
    前記遮音構造床の上面に支持され水平に延びる重量二重床と、
    前記躯体から単独に吊下げられ水平に延びる吊天井と、を備える木造遮音床であって、
    前記遮音構造床は、木材又は木質材料からなり、
    前記重量二重床と前記遮音構造床からなる2質点系の2次固有振動数が、重量床衝撃音遮断性能の評価周波数より低く設定されている、木造遮音床。
  2. 重量床衝撃音遮断性能の前記評価周波数は、63Hz帯域である、請求項1に記載の木造遮音床。
  3. 前記重量二重床は、アスファルト系制振材を含み、その固有振動数が前記評価周波数より低く設定されている、請求項1に記載の木造遮音床。
  4. 前記アスファルト系制振材の単位面積質量は、前記重量二重床の半分以上に設定されている、請求項3に記載の木造遮音床。
  5. 前記遮音構造床は、建築物の前記躯体に両端が固定され水平に延びる複数の小梁と、
    前記小梁に直交して水平に延び、両端が前記小梁に固定された複数の小梁補強材と、を有し、
    前記小梁の単位面積質量は、前記重量二重床の等倍以上に設定され、
    前記遮音構造床の単位面積質量は、前記重量二重床の2倍以上、2.5倍以下に設定されている、請求項3に記載の木造遮音床。
  6. 前記遮音構造床は、さらに、前記小梁の上面に固定され水平に延びる上面構造床を有し、
    前記小梁補強材の上面は前記上面構造床の下面より低く、その間に隙間を有する、請求項5に記載の木造遮音床。
  7. 隣接する前記小梁補強材の芯間距離は、隣接する前記小梁の芯間距離以下に設定され、
    1対の前記小梁を連結する複数の前記小梁補強材の総断面積は、単一の前記小梁の断面積の1.5倍以上、2.5倍以下に設定されている、請求項5に記載の木造遮音床。
  8. 前記上面構造床は、石膏ボードを含み、
    前記石膏ボードの単位面積質量は、前記上面構造床の半分以上に設定されている、請求項6に記載の木造遮音床。
  9. 前記吊天井は、前記小梁及び前記小梁補強材から離れて位置しており、これらの振動が直接伝わらないように設定されている、請求項5に記載の木造遮音床。

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