JP2518961B2 - 床構造体 - Google Patents

床構造体

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JP2518961B2
JP2518961B2 JP2188796A JP18879690A JP2518961B2 JP 2518961 B2 JP2518961 B2 JP 2518961B2 JP 2188796 A JP2188796 A JP 2188796A JP 18879690 A JP18879690 A JP 18879690A JP 2518961 B2 JP2518961 B2 JP 2518961B2
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敏郎 武田
章二 長島
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、床衝撃音遮断性能の良好な床構造体に関す
る。
[従来の技術] 従来、木質系建物ユニット等を構成する床構造体とし
て、特開昭62−55358号公報に記載される如きものが用
いられている。
この床構造体は、複数の床大梁にて外枠を形成し、複
数の相互に並列配置される床小梁のそれぞれを相対する
床大梁のそれぞれに固定し、更に各床小梁の上部に床板
を固定して構成されている。
[発明が解決しようとする課題] 然しながら、上記の如くの床構造体を用いて構築され
る建物にあっては、上階室にて生ずる床衝撃音(重量床
衝撃音又は軽量床衝撃音)が下階室に伝わり、居住性を
損なうことがある。
本発明は、床構造体の床衝撃音遮断性能を向上するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、複数の床大梁にて外枠を形成し、複数の相
互に並列配置される床小梁のそれぞれを相対する床大梁
のそれぞれに固定し、更に各床小梁の上部に床板を固定
して構成される床構造体において、隣接する床小梁の長
手方向における略中央部で相対する側面に、それら床小
梁を相連結する連結材を取着するとともに、隣接する床
小梁間の連結材配設領域に天井吊木をそれら床小梁の全
長(スパンH)に沿う如くに平行配置し、天井吊木に相
対する床大梁のそれぞれと連結材とに固定され、該天井
吊木に交差して固定される野縁に下階天井板を吊下げ支
持するとともに、該天井吊木の連結材に固定された部分
から両側にそれぞれH/8〜3H/8離隔する部分に、重錘を
取着するようにしたものである。
[作用] 本発明によれば、下記(1)〜(3)の作用がある。
(1)本発明者により、従来の床構造体に生ずる重量床
衝撃音の低音部(63Hz帯域)の振動パターンを解析した
結果、第6図を得た。第6図において、a、b、c、d
は各床小梁の振動パターン(床小梁の床面に直交する上
下方向での変位)である。第6図によれば、隣接する床
小梁の振動パターンのうち、a、dの組とb、cの組と
は相互に完全に逆位相を呈していることが認められる。
そこで、本発明にあっては、この振動パターンの解析に
基づき、連結材を用いて隣接する床小梁を相互に連結
し、上述の振動パターンにおけるaとb、bとc、cと
dの各相対変位を抑制することにより、良好な制振効果
を確保できることを見出したものである。
然るに、従来の床構造体では、建物の床上にて例えば
子供が飛び跳ねたり走り回ると、主として小梁の励振に
より床全体が振動し、この床全体の振動が重量床衝撃音
のうちの低音部の原因となる。この時、本発明の床構造
体にあっては、上述の如くにより、床小梁の振動を効果
的に制振したから、結果として床全体の振動を減衰し、
低音の重量床衝撃音を低減し、居住性を向上できる。
(2)床衝撃音のうち、上階床板に生じる衝撃力の小さ
い足音等の軽量床衝撃音(500Hz以上の中高周波数)を
遮断するために、従来は天井板を短尺の天井吊木を用い
て複数箇所で床小梁に直接固定する吊天井構造をとって
いる。そこで、本発明では長尺の天井吊木を更に連結材
を介して床小梁に支持する吊天井構造を採用しているた
め、軽量床衝撃音は床小梁から連結材を介して長尺の天
井吊木に伝わるので、従来の吊天井構造よりも固体伝播
経路が長くなり、且つ伝わる接触箇所が連結材によって
少なくなり、固体伝播音が減少し、吊天井構造の一般的
効果である軽量床衝撃音遮断性能をより向上できる。
(3)更に、本発明者は、重量床衝撃音の低音部の低減
を図るべく、天井吊木の長手方向の各部に重錘を取着
し、衝撃発生時における天井面振動のモードを解析した
結果、第7図の結果を得た。第7図によれば、天井吊木
の連結材に固定された部分から両側のそれぞれにおいて
重錘が取着された部分までの距離をLとする時、天井面
に対する制振効果は、天井面振動の振幅が大なるL=H/
8〜3H/8(Hは天井吊木のスパン)において良く、L=9
00mmにおいて最適となることが認められる。
即ち、天井吊木の連結材に固定された部分から両側に
それぞれH/8〜3H/8離隔する部分に、重錘を取着するこ
とにより、低音の重量床衝撃音を低減できる。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例に係る床構造体を示す断面
図、第2図は床構造体を模式的に示す平面図、第3図は
第2図の要部斜視図、第4図は壁式建物ユニットを示す
模式図、第5図はユニット建物を示す図、第6図は従来
の床構造体の振動パターンを示す模式図、第7図は天井
面振動モードの解析結果を示す線図、第8図は本発明の
他の実施例に係る床構造体を模式的に示す平面図であ
る。
第5図に示すユニット建物10は、基礎11の上部に複数
の下階建物ユニット12を隣接配置し、それら下階建物ユ
ニット12の上部に複数の上階建物ユニット13を隣接配置
し、更にそれら上階建物ユニット13の上部に複数の屋根
ユニット14を搭載している。
ここで、建物ユニット12、13は、第4図に示す如く、
壁式からなり、床構造体(床パネル)21と、床構造体21
の側縁部に立設される壁パネル22とからなっている。
床構造体21は、第1図〜第4図に示す如く、4本の木
製床大梁23(側根太及び端根太)を互いに釘打ちするこ
とにて外枠を形成し、複数の相互に並列配置される木製
床小梁24(根太)のそれぞれを相対する床大梁23、23の
間に掛け渡し、各床小梁24の両端部を上記相対する床大
梁23のそれぞれに釘打ちすることにて固定している。更
に、床構造体21は、各床小梁24の上部に直接的に床板25
を接着剤若しくは釘打ちにて固定している。
又、床構造体21は、隣接する床小梁24の長手方向にお
ける略中央部で相対する側面に、それら床小梁24を相連
結し、それら床小梁24の床面に直交する上下方向での相
対変位を抑制する連結材31を、接着剤もしくは釘打ちに
て固定している。
又、床構造体21にあっては、隣接する床小梁24間の連
結材31配設領域に天井吊木32をそれら床小梁24の全長
(スパンH)に沿う如くに平行配置し、天井吊木32は相
対する床大梁23のそれぞれと連結材31とに接着剤もしく
は釘打ちにて固定されている。
そして、天井吊木32の下面には、該天井吊木32に直交
して設けられる野縁41が接着剤もしくは釘打ちにて固定
され、各野縁41の下面には石膏ボード等の下階天井板42
が接着剤もしくは釘打ちにて固定される。
この時、各天井吊木32の連結材31に固定された部分か
ら両側にそれぞれL=H/8〜3H/8(最適にはL=900mm)
離隔する部分に、重錘43を取着した。重錘43の重量W
は、今回の床構造体21について低減すべき重量床衝撃音
周波数帯域に応じて実験的に選定され、例えば500g〜5k
gである。
尚、重錘43は床構造体21に設けられる全ての天井吊木
32に取着しても良いが、床構造体21の幅方向に例えば5
の天井吊木32を設けてある場合、中央と両外側の3本天
井吊木32を除く、中間の2本の天井吊木32に重錘43を取
着するのが良い。
又、床構造体21にあっては、第8図に示す如く、天井
吊木32Aを、隣接する床小梁24の間で一方の床小梁24の
側に偏倚して配設することもできる。この時、重錘43
は、全ての天井吊木32Aに取着しても良いが、両外側の
2本の天井吊木32Aのみに取着しても良い。
次に、上記実施例の作用について説明する。
(1)連結材31を用いて隣接する床小梁24を相互に連結
し、それら床小梁24の相対変位を抑制することにより、
床構造体21に良好な制振効果を確保できる。
然るに、従来の床構造体では、建物10の床上にて例え
ば子供が飛び跳ねたり走り回ると、主として床小梁24の
励振により床全体が振動し、この床全体が振動が重量床
衝撃音のうちの低音部の原因となる。この時、上記床構
造体21にあっては、前述の如くにより、床小梁24の振動
を効果的に制振したから、結果として床全体の振動を減
衰し、低温の重量床音衝撃音を低減し、居住性を向上で
きる。
(2)従来一般の天井板の短尺の天井吊木を用いて複数
箇所で床小梁に直接固定する吊天井構造に比して、長尺
の天井吊木32を連結材31を介して床小梁24に支持する吊
天井構造を採用しているため、軽量床衝撃音は床小梁か
ら連結材を介して長尺の天井吊木に伝わるので、従来の
吊天井構造よりも固体伝播経路が長くなり、且つ伝わる
接触箇所が連結材との間しかなくて少ないので、固体伝
播音が減少し、吊天井構造の一般的効果である軽量床衝
撃音遮断性能をより向上できる。
(3)天井吊木32の連結材31に固定された部分から両側
にそれぞれH/8〜3H/8離隔する部分に、重錘43を取着す
ることにより、前述の第7図に示した振動モードの解析
結果にて認められる如く、低音の重量床衝撃音を低減で
きる。
尚、本発明において、床小梁24と野縁41との固定
は、上述の如く連結材31の近傍である局部に限られてお
り、下階天井板42は床全体的には吊天井構造にて支持さ
れる。然も、連結材31の近傍における床振動の振幅は
他の部分に比して小さい。従って、床小梁24と野縁41と
が上述の如くに互いに直接的に連結されて固体伝播経路
を形成することとなるものの、上記、の理由によ
り、吊天井構造を用いることによる上記(2)の軽量床
衝撃音遮断性能の向上効果を実質的に損なうことはな
い。
尚、本発明の床構造体は、通常の床厚みの範囲内に上
述の連結材を納めるものであるから、床衝撃音の低減に
際し、床厚みを増して天井高を低くする等の不都合を伴
うこともない。
又、本発明の実施において、天井吊木の連結材に対す
る固定位置は、連結材の下面に限らず、連結材の側面で
あっても良い。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、床構造体の床衝撃音遮
断性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る床構造体を示す断面
図、第2図は床構造体を模式的に示す平面図、第3図は
第2図の要部斜視図、第4図は壁式建物ユニットを示す
模式図、第5図はユニット建物を示す模式図、第6図は
従来の床構造体の振動パターンを示す模式図、第7図は
天井面振動モードの解析結果を示す線図、第8図は本発
明の他の実施例に係る床構造体を模式的に示す平面図で
ある。 21……床構造体、 23……床大梁、 24……床小梁、 25……床板、 31……連結材、 32、32A……天井吊木、 41……野縁、 42……下階天井板、 43……重錘。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の床大梁にて外枠を形成し、複数の相
    互に並列配置される床小梁のそれぞれを相対する床大梁
    のそれぞれに固定し、更に各床小梁の上部に床板を固定
    して構成される床構造体において、隣接する床小梁の長
    手方向における略中央部で相対する側面に、それら床小
    梁を相連結する連結材を取着するとともに、隣接する床
    小梁間の連結材配設領域に天井吊木をそれら床小梁の全
    長Hに沿う如くに平行配置し、天井吊木に相対する床大
    梁のそれぞれと連結材とに固定され、該天井吊木に交差
    して固定される野縁に下階天井板を吊下げ支持するとと
    もに、該天井吊木の連結材に固定された部分から両側に
    それぞれH/8〜3H/8離隔する部分に、重錘を取着するこ
    とを特徴とする床構造体。
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