JP3118599B2 - 天井制振構造 - Google Patents

天井制振構造

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JP3118599B2 JP05179479A JP17947993A JP3118599B2 JP 3118599 B2 JP3118599 B2 JP 3118599B2 JP 05179479 A JP05179479 A JP 05179479A JP 17947993 A JP17947993 A JP 17947993A JP 3118599 B2 JP3118599 B2 JP 3118599B2
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功雄 石崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天井制振構造に関する
ものであり、より詳しくは、上階等からの床の衝撃音を
効果的に低減する天井制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から上階等からの床衝撃等により下
階の天井等に発生する固体伝播音対策としては、独立天
井全面を石膏ボードで二重貼りして重量化したり、支持
天井全面に制振シートの貼付をしたりしている。また支
持天井に於ける天井支持受材(吊木受等)の数カ所(振
動モードの腹の部分)に重錘を設置して、固体伝播の遮
音を含めた対処をしている場合もある(特開平2−18
8796号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
天井制振構造では、天井中央部が吊木により支持され、
この部分が天井全体の振動的な節となるため中央部での
重量化効果が余り見られなかった。また、このような構
造では、施工上固定されいる天井端部に対する曲げモー
メントを助長し、制振性を阻害するおそれもあった。ま
た、独立天井全面の重量化及び制振化においても、その
施工の負担がかかり、コストアップの要因となる一方、
充分な制振性が期待できない問題があった。従って、本
発明の目的は、天井面が受ける重量衝撃音や軽量衝撃音
に対して充分な遮音効果を発揮し、しかも施工面におい
ての簡素化とコストの低減化ができる天井制振構造を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、天井面に可撓
性を有する制振シートを敷設し、該制振シートは10Kg
/m2 以上で、且つ上記天井面のそれぞれの幅全体に対
して1/6〜1/4の幅で該天井面の周縁に沿って設け
られることを特徴とする天井制振構造を提供することに
より、上記目的を達成したものである。
【0005】
【作用】一般に天井中央部は吊木により支持され重量化
による制振作用は少ない。逆に、天井の中央部の重量化
は施工固定される天井端部に対する曲げモーメントを助
長し、制振作用を阻害する可能性がある。しかし、上記
天井構造における制振シートの敷設では吊木等で支持さ
れた部分、特に中央部に重量化した制振シートを敷設し
ていない。その一方で天井周端部の振動振幅が大となる
部分(特定された天井周縁部)に重量化した制振シート
を効果的に敷設している。これは、後述する図3及び図
4に示す如く重量床衝撃音及び軽量床衝撃音の遮音効果
が十分に見られる。また、制振シートは天井全面の固定
貼りとしない敷設であるため、施工が簡易となる。更に
天井中央部の負荷が削減され、支持部材の施工も軽減さ
れる。
【0006】
【実施例】以下、本発明に係る天井制振構造の実施例を
図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る天井制
振構造の一実施例の部分断面図である。図2は、図1の
天井制振構造の制振シートの敷設状態を示す上面図であ
る。図1及び図2に示す如く、本実施例に係る天井制振
構造1は、天井2面に制振シート9を敷設し、該制振シ
ート9は10Kg/m2 以上で、且つ天井2面のそれぞれ
の幅全体Wに対して1/6〜1/4の幅で天井2面の周
縁に沿って設けられる。
【0007】本実施例の天井制振構造1を更に説明する
と、図1及び図2に示す如く、矩形状の天井2は、上階
の床3の下方に施設される。上階の床3は梁4及び根太
5上に設けられ、合板6及びフロア材7から形成され
る。上階の床3の下方には天井2が配され、天井2はボ
ード8、制振シート9、及びロックウール10からな
る。ボード8は石膏板から成り、その中央部が吊木11
を介して吊木受12に支持される。
【0008】制振シート9は、少なくとも10Kg/m2
以上であり、好ましくは13〜15Kg/m2 である。ま
た、制振シート9は可撓性及び粘性があり、制振性を高
める上でまた施工上好ましい。このような具体的の制振
シート9としては、ブチル系の重量ゴムシートが望まし
い。図2に示す如く、制振シート9は、天井2面のそれ
ぞれの幅全体に対して1/6〜1/4の幅で天井2面の
周縁に沿って設けられる。即ち、矩形状の天井の各幅W
1 及びW2 の両側端からW1 /6〜W1 /4及びW2
6〜W2 /4の範囲に制振シート9が敷設される。
【0009】このような構成の天井制振構造1おいて
は、天井2の中央部2Aが吊木11により支持され、制
振シート9が敷設されていない。このため、天井中央部
2Aでの重量負担が軽減され、吊木11等の負担が少な
く施工が容易となる。また、制振シート9を全体に敷設
しないため施工全体が容易である。更に制振シート9に
可撓性及び粘性があればボート8との密着性も良く、ボ
ード8に生じる振動を効率良く吸収し制振性が高まる。
また、天井2の周端部と吊木11の支持部との間の振動
振幅が大となる部分に重量化した制振シート9が敷設さ
れ、天井2に生じる振動に対して効果的に作用する。か
かる効果は以下の衝撃音の遮音効果によっても見られ
る。
【0010】即ち、図3は、上階の床面での重量床衝撃
音を発生させた時の下階の天井下での衝撃音レベル(d
B)をオクターブ帯域の中心周波数(Hz)毎に示した
グラフであり、図中、○は従来の支持天井構造の床衝撃
音レベルであり、◎は従来の独立遮音天井構造の床衝撃
音レベルであり、●は実施例に係る天井制振構造の床衝
撃音レベルである。図3に示す如く、上記実施例の天井
制振構造1は、従来の支持天井構造に比べて6〜10d
B程度の遮音効果がある。また従来の独立遮音天井構造
(独立天井全面に二重貼重量物により制振したもの)に
比べて2dB程度の改善が見られ、これは住宅の重量床
衝撃音に対して高い性能を示すものである。また、図4
に示す如く、物の落下、椅子の引きずり等によって生じ
る音を擬似した軽量床衝撃音についても、上記実施例の
天井制振構造1は、重量床衝撃音の遮音効果より小さい
ものの充分な遮音効果が見られる。図中、△は従来の支
持天井構造の床衝撃音レベルであり、×は従来の独立遮
音天井構造の床衝撃音レベルであり、▲は実施例に係る
天井制振構造の床衝撃音レベルである。
【0011】尚、上記実施例においては、木造軸組工法
での確認に基づいて実施したが、これに限るものではな
い。例えば、鉄骨、RC構造等の工法による天井制振構
造であっても良い。また、上記実施例の天井制振構造1
では、矩形状の天井について説明した。しかし、このよ
うな天井の形状に限定されず、多角形や円形の天井面で
あっても良い。この場合の天井面の幅Wは直径と解する
ことができる。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る天井制振構造は、天井面が
受ける重量衝撃音や軽量衝撃音に対して充分な遮音効果
を発揮し、しかも施工面においての簡素化とコストの低
減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天井制振構造の一実施例の部分断
面図である。
【図2】図1の天井制振構造の制振シートの敷設状態を
示す上面図である。
【図3】上階の床面での重量床衝撃音を発生させた時の
下階の天井下での衝撃音レベル(dB)をオクターブ帯
域の中心周波数(Hz)毎に示したグラフである。
【図4】上階の床面での軽量床衝撃音を発生させた時の
下階の天井下での衝撃音レベル(dB)をオクターブ帯
域の中心周波数(Hz)毎に示したグラフである。
【符号の説明】 1 天井制振構造 2 天井 3 上階の床 4 梁 5 根太 6 合板 7 フロア板 8 ボード 9 制振シート 10 ロックウール 11 吊木 12 吊木受
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 5/52 E04B 5/43

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井面に可撓性を有する制振シートを敷
    設し、該制振シートは10Kg/m2 以上で、且つ上記天
    井面のそれぞれの幅全体に対して1/6〜1/4の幅で
    該天井面の周縁に沿って設けられることを特徴とする天
    井制振構造。
  2. 【請求項2】 上記制振シートは重量ゴムシートである
    請求項1記載の天井制振構造。
JP05179479A 1993-07-20 1993-07-20 天井制振構造 Expired - Lifetime JP3118599B2 (ja)

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JP2002213042A (ja) * 2001-01-17 2002-07-31 Daiwa House Ind Co Ltd 制振天井の施工方法
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