JP4520607B2 - 制振天井構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振天井構造に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、住宅等における上階から下階への騒音伝達を防止する対策として、天井面に制振材が設置されることがある。
このような制振材を効果的に敷設するには、上階に与えられた衝撃に伴い発生する下階居室内での音圧レベルを把握する必要がある。ところが、以前から行われている方法は、この点を考慮していないため、不必要な部分にも制振材が敷設されている。
図8には上階床に衝撃を与えた場合における、下階居室内での音圧レベルの一次固有振動数分布計算値を示している。この図からわかるように、音圧レベルは天井の中央部に対応する居室部分では小さく(図中0レベル)、天井のコーナー部に対応する居室部分では大きくなる(図中1.0レベル)。
この点を考慮した改良法として、通常の住宅等でよく用いられる吊り天井において、振動の節となる中央部の制振材を省略し、周囲のみにロ字形状に制振材を敷設したものが報告されている(特開平7−34592号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図9は、前記公報記載の天井制振構造において、上階の床面で重量床衝撃音を発生させた際の、下階居室内の衝撃音レベル(dB)をオクターブバンド中心周波数(Hz)ごとに示したグラフである。図中の●で示した折れ線は、制振材を敷設しない天井における衝撃音レベルを示している。一方、図中の△で示した折れ線は、前記改良法の制振天井構造における衝撃音レベルを示している。この図からわかるように、前記改良法では、125Hz帯域以上の周波数に対しては十分な効果が認められるが、63Hz帯域におけるその効果は十分でなく、1(dB)程度の改善しか認められない。なお、使用した居室の寸法は、3560(mm)×3560(mm)であり、650(mm)幅のブチル系重量ゴムシート(面密度13Kg/m2)を天井裏(断熱材と天井石膏ボードの間)周縁に設置して測定を行った。
【0004】
ところで、通常の居室の広さ(4.5から15畳程度)では、上階床を加振した場合、低次の固有振動が63Hz帯域で生じ、この固有振動領域の音が下階居室内の共振により増幅される傾向がある。したがって、この帯域の周波数を効果的に抑制することでより高い制振効果が得られる。
図10及び図11には、上階床面で重量床衝撃音を発生させた場合における、下階居室内での63Hz帯域周波数における音圧分布の実測値が示されている。図10は、上階床面中央部(図中S3の位置)に衝撃を与えた場合の音圧分布を示している。一方、図11は、上階床面対角線上であって、上階床面中央とコーナー部のほぼ中間位置(図中S1の位置)に衝撃を与えた場合の音圧分布を示している。
各図からわかるように、音圧の高い部分は両者とも居室のコーナーの部分(計算値とほぼ同じ位置)であるが、その強さは、S1に衝撃を与えた場合の方がはるかに大きい。このため、この位置の衝撃に対して効果的な制振が可能な天井の開発が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、平面多角形状の天井において、低次の固有振動の効率的な制振が可能であり、かつ施工コストを低減できる制振天井構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記図10、図11の結果をふまえてなされたものであり、前述したS1の下に位置する天井部分に、制振材を重点的に敷設し、天井の振動を抑えるとともに固有振動数を変えることで、前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
具体的に、請求項1に記載の発明は、添付した図面を参照して説明すると、天井10の平面に制振材15を取り付けた制振天井構造であって、前記天井10は平面矩形状であり、かつ、天井面材と、この天井面材を取り付けるための格子状の取付材とを備え、前記制振材15は、前記天井面材に下面が接する平面矩形状のシート状であり、かつ、前記天井の平面の4カ所のコーナー部110からそれぞれ離れた位置を中心として、各コーナー部110に対応して一つずつ、かつ、互いに隙間を開けて取り付けられ、前記格子状の取付材で囲まれた部分に前記制振材が取り付けられ、前記制振材の上に合板を配置し、この合板を前記取付材に取り付けることを特徴とする制振天井構造である。
【0008】
この発明によれば、衝撃を受けた際に、下階により大きな重量衝撃音圧を発生させる部分を重点的に制振しているから、効率のよい制振が可能となる。また、天井の必要な部分のみに制振材を敷設すればよいから、制振材の使用量を削減できる。したがって、施工コストが削減でき、かつ、その施工作業も容易となる。また、天井全体の重量が低減するため、天井支持構造を簡易にできる。
しかも、住居等において一般的に用いられる箱形形状の居室天井に適応することができる。そして、シート状の制振材を天井上面に敷設するだけでよいから、その敷設作業が簡易になる。本発明における制振シートは、例えばブチル系の重量ゴムシート等がある。さらに、制振材が野縁などの取付材を跨いで天井面材に取り付けられることがないので、制振材が天井面材に密着できるため、制振効果を高いものにできる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制振天井構造において、前記制振材の中心位置は前記天井の対角線上にあることを特徴とする制振天井構造である。
この発明によれば、上階が衝撃を受けた場合に、最も大きな音圧を下階に発生させる対角線上に必ず制振材が敷設されることになるから、効果的な制振が可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振天井構造において、前記制振材は各コーナー部に接することなく取り付けられていることを特徴とする制振天井構造である。
この場合、制振材を設置する位置は、例えば、天井の振動の腹を押さえるように、その中心がコーナー部110から対角線19の長さ寸法の4分の1または8分の1の部分であり、制振材の縁部がコーナー部110から所定寸法離れる。この発明によれば、制振材を天井のコーナー部に接して敷設しなくてよいから、制振材の施工作業が簡易となる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の制振天井構造において、前記シート状に形成された制振材の面密度が15kg/m2以上60kg/m2以下であることを特徴とする制振天井構造である。本発明において、シートの面密度が15kg/m2未満であると十分な制振効果が得られず、面密度が60kg/m2を越えると、天井にかかる負荷が大きくなるため、天井支持構造を強化する必要が生じ、施工コストが高くなる。制振効果および施工コストを考慮すると、好ましい面密度は30〜50kg/m2である。ただし、60kg/m2を越える面密度の制振材でも、施工することは可能である。この発明によれば、シートの面密度が比較的大きいため、少ない敷設面積で効果的な制振が可能となる。また、制振材が比較的小さくできるから、施工作業も容易となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、各実施形態並びに参考例中、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。図1から図3には、本発明の第1参考例に係る制振天井構造が示されている。
【0020】
図1に示されるように、第1参考例においては、複数、例えば4本の吊り木12に支持された平面矩形状の天井10の上面11に、制振材15が互いに隙間を開けて設置されている。この各制振材15は、その中心位置が各コーナー部110から所定間隔離されて、各コーナー部110に対応して一つずつ配置されている。
【0021】
図2及び図3を参照して天井10の構成を説明すると、天井10は、平行に複数配置された木製柱状の野縁13の下部に、石膏ボード製の板状の天井パネル18を貼り付けて形成されている。
天井10は、その周縁部が壁16に突き当てられ、図示しない固定部材を用いて固定されている。
野縁13上部の天井中央部付近には、木製柱状の野縁受け14が野縁13と直交して天井10の端から端まで架け渡され、この野縁受け14と野縁13との交差する部位に、前述の木製柱状の吊り木12の下端が、野縁13及び野縁受け14に直交するように取り付けられている。この吊り木12の上端は、図示しない吊り木受けを介して天井上部構造に固定されている。
【0022】
上面11の各コーナー部110を含んだ周辺には、可撓性を有するブチル系重量ゴム製の制振材15が設置されている。ここにおいて、制振材15は、平面矩形のシート状に形成され、その矩形状の二辺を壁16に接するように取り付けられている。シート状に形成された制振材15の面密度は、40Kg/cm2とされている。なお、シートの面密度の値は、15kg/m2以上60kg/m2以下が好ましい。これより軽いと制振効果が十分でなく、一方、これより重いと天井全体が重くなり、天井支持構造を強化する必要が生じるため、施工コストがかさむ。制振効果および施工コストを考慮すると、好ましい面密度は30〜50kg/m2である。
【0023】
また、各制振材15は、上面11の対角線19上におけるコーナー部110から対角線19の長さ寸法の8分の1の部分を中心位置とした正方形状に配置されているため、互いに隙間を開けた状態となっている。付言すると、制振材15の一辺の長さは上面11の一辺の16分の5長さになり、隣り合う制振材15同士の間隔は上面11の一辺の8分の3長さだけ開くことになる。
天井10の周縁部が壁16と接する部位の下側には、木製柱状の回り縁17がロ字形状に取り付けられている。
【0024】
このように構成された天井10では、天井10の対角線19上に中心点を有する制振材15が、天井10の四つのコーナー部110を含んだ範囲のみに重点的に敷設されることとなる。したがって、その上部、すなわち、衝撃を受けた際に下階に高い重量衝撃音圧を発生させる対角線19の上部、が加振された場合に下階への重量衝撃音の伝達を減少させる。図4は、本参考例に係る天井制振構造において、上階の床面で重量床衝撃音を発生させた際の、下階居室内の衝撃音レベル(dB)をオクターブバンド中心周波数(Hz)ごとに示したグラフである。図中の●で示した折れ線は制振材15を敷設しない天井における衝撃音レベルを示している。一方、図中の△で示した折れ線は、本発明の制振天井構造における衝撃音レベルを示している。この図からわかるように、本発明の制振天井構造では、室内の共振により増幅される傾向がある63Hz帯域において、5(dB)程度の衝撃音レベルの低下が認められる。なお、測定に用いた居室の広さは図8の測定と同一である。
【0025】
上述のような第1参考例によれば、以下のような効果がある。
(1)衝撃を受けた際に、下階により大きな重量衝撃音圧を発生させる部分を重点的に制振しているから、効率のよい制振が可能となる。
(2)上階が衝撃を受けた場合に、最も大きな音圧を下階居室内で発生させる下部、すなわち、上面11の対角線19上を中心に制振材15が敷設されているから、効果的な制振が可能になる。
(3)上面11においてコーナー部110付近に制振材15を敷設すればよいから、制振材15の使用量を少なくできる。したがって、材料コスト及び施工コストが削減でき、かつ、施工作業も容易となる。また、天井10全体に制振材15を敷設した場合と比べ、天井10の重量が低減するため、天井支持構造を簡易にできる。
(4)特に、制振材15はコーナー部110に接して取り付けられたから、下階で最も大きな音圧レベルとなるコーナー部110に対応する位置にも制振材15が敷設されているから、より効率的な制振が可能となる。
【0026】
(5)天井10が矩形状であるから、住居等で広く用いられる箱形形状の天井に適用できる。
(6)下階居室内において最も大きな音圧レベルとなるコーナー部110にも制振材15を敷設しているから、より効率的な制振が可能となる。
【0027】
(7)制振材15をシート状としたことで、天井10上部の空間が広くなるため、居住設備の配管、配線等の収納スペースが確保できる。また、シート状の制振材を上面11に敷設するだけでよいから、その敷設作業が簡易になる。
(8)制振材15が矩形状であるから、上面11のコーナー部110に隙間無く取り付け可能である。
【0028】
(9)シートの面密度が比較的大きいため、少ない敷設面積で十分な制振効果が得られる。また、制振材15が比較的小さくできるから、施工作業も容易となる。
(10)シートが可撓性を有するブチル系重量ゴム製であるから、野縁13の上から制振材15を設置する場合でも、容易に変形するため、上面11へ密着させることができ、取り付けが容易であるとともに、効果的な制振が可能になる。
【0029】
次に、本発明の実施形態を図5および図6に基づいて説明する。実施形態は制振材15の取付構造が第1参考例と異なるもので、他の構成は第1参考例と同じである。
天井の平面を示す図5において、野縁13と野縁受け14とは、天井面材である天井パネル18を取り付ける取付材を構成するものであって、格子状に形成されている。第1参考例では、制振材15は、コーナー部110に接するように取り付けられているが、実施形態では、コーナー部110から所定間隔、例えば、野縁13と野縁受け14とから構成される1個の格子(四角形)の対角線の長さ分だけ離れた位置に取り付けられている。
【0030】
さらに、第1参考例では、制振材15は、野縁13を跨いで配置されたが、実施形態では、制振材15は、格子状の野縁13と野縁受け14で囲まれた正方形部分に取り付けられている。この制振材15は、天井10の対角線19上におけるコーナー部110から対角線19の長さ寸法の4分の1の部分を中心に4枚放射状に配置されている。この制振材15の取付構造が図6に示されている。図6において、互いに対向する野縁13には、それぞれ断面L形の取付金具31の一片がビス32で固定され、この取付金具31の他片には合板33がビス33で固定されている。この合板33と天井パネル18の上面との間に所定のスペースが形成され、このスペースに制振材15が配置されている。この制振材15は、ビス34で合板33に固定されており、その下面が天井パネル18の上面と接し、その側面が取付金具31、野縁13および野縁受け14に接するようにされている。
【0031】
この構成の制振材15を取り付けるには、まず、野縁13および野縁受け14を取り付けておき、その後、野縁13に取付金具31を取り付け、この取り付け金具31に合板33を取り付ける。その後、合板33の下面に制振材15を取り付け、最後に、天井パネル18を野縁13に取り付ける。
【0032】
上述のような実施形態によれば、第1参考例の(1)から(3)(5)から(10)と同様の作用効果を奏することができる他に、以下のような効果がある。
(11)コーナー部110から制振材15が所定間隔離れた位置に取り付けられているので、天井10の縁に制振材15の縁が一致するように位置決めする必要がないから、敷設作業が容易になる。
【0033】
(12)天井10は天井パネル18と、この天井パネル18を取り付けるための格子状に配置された野縁13および野縁受け14を備え、この格子状の野縁13および野縁受け14で囲まれた正方形部分に制振材15が取り付けられているので、制振材15が野縁13や野縁受け14を跨いで天井パネル18に取り付けられることがない。そのため、制振材15の大きな面で天井パネル18に密着できるため、制振効果を高いものにできる。
(13)制振材15を合板13で支持固定した構成としたので、制振材15の荷重が天井パネル18にかかることが少なくなり、制振材15が取り付けられた部分の天井パネル18がその重さで凹むことがない。そのため、外観を損なうことがない。
【0034】
次に、本発明の第2参考例を図7に基づいて説明する。第2参考例は制振材15が天井面材の下面に取り付けられている点並びに設備機器が天井に取り付けられている点が第1参考例と異なるもので、他の構成は第1参考例と同じである。図7において、天井面材である天井パネル18の下面には平面正方形の制振材15が配置され、この制振材15の下面並びに側面を覆う制振材用カバー材41がビス42で天井10に取り付けられている。ビス42は、制振材用カバー材41および制振材15を貫通し、その先端が野縁13に係止されている。この制振材用カバー材41は、幅寸法がhの平面正方形であり、高さ寸法dである板厚平板状の形状を有する。
【0035】
制振材用カバー材41に隣接して設備機器である空調装置43が天井10に設けられている。
この空調装置43は、隣り合う野縁13の間に形成された天井開口部10Aに配置された吹出部44と、この吹出部44の下面に設けられ天井10の下面から露出する設備機器用カバー材45とを備えて構成されている。
吹出部44は、取付金具46を介して隣り合う野縁13に固定されている。
設備機器用カバー材45は、制振材用カバー材41と同様に、幅寸法がhの平面正方形であり、高さ寸法dである板厚平板状の形状を有する。
【0036】
制振材用カバー材41と設備機器用カバー材45とは、木材、プラスチック、金属、その他の材質を用いることができ、室内に合わせて色彩も適宜採用することができる。また、制振材用カバー材41と設備機器用カバー材45との表面に、それぞれ吸音効果を有するグラスウールなどを必要に応じて設けてもよい。
ただし、外観を考慮して、制振材用カバー材41と設備機器用カバー材45とが同じ材質、同じ色であることが好ましい。
【0037】
上述のような第2参考例によれば、第1参考例の(1)から(10)と同様の作用効果を奏することができる他に、以下のような効果がある。
(14)制振材15が天井10の下面に取り付けられているので、建物を施工した後であっても、後付で制振材15を天井10に取り付けることができる。
(15)制振材15を下面から覆う制振材用カバー材41が天井10の下面に取り付けられ、この制振材用カバー材41は空調装置43の設備機器用カバー材45と同じ形状を有するから、制振材15が取り付けられた状態が目立たなくなり、制振材15の取り付けによって天井10の外観が損なわれることがない。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、天井10には、木製軸組工法の天井が示されているが、これに限ることなく、鉄骨構造等における天井でもよい。前記実施形態には示されていないが、上面11の上には、ロックウール等の断熱、吸音材が敷設されていてもよい。
【0039】
第1参考例では、制振材15の中心は、コーナー部110から対角線19の長さ寸法の8分の1離れた部分にあるが、この位置に限らず、面密度等で決定される制振材15の大きさを考慮して適宜に設定してよい。ただし、この場合でも各制振材15間に隙間が開くようにしなければならない。
【0040】
制振材15は、ブチル系重量ゴムが使用されているが、この材質に限ることはなく、制振効果を奏すれば、他の材質、例えば、合成樹脂あるいは金属等でもよく、その形状もシート状に限らず、例えば四角柱状等でもよい。ただし、可撓性を有するシート状である方が、第1実施形態のように野縁13の上から敷設する際に、上面11に容易に密着させることができ望ましい。また、シート状であることにより、ロール状に巻いて保管、運搬できる等、施工作業の上で有利である。
【0041】
前記各実施形態において、吊り木12、野縁13、野縁受け14は、木製柱状のものを用いていたが、これに限らず、例えば、鉄等の金属製棒状のものを用いる等でもよい。また、回り縁17についても、木製のものを用いていたが、これに限らず、例えば、アルミ製のものでもよい。
【0042】
前記各実施形態において、天井パネル18は、石膏ボードを用いていたが、これに限ることなく、例えば、木製天井パネル、合成樹脂製天井パネル等でもよく、天井パネル18の居室側表面に化粧シート等を貼ってもよい。
【0043】
前記各実施形態において、天井10は天井中央部の四本の吊り木12で支持されているが、この数に限ることなく、例えば一本の吊り木に支持されていてもよい。
さらに、第3実施形態において、設備機器を空調装置43としたが、本発明では、天井下面から露出した部分がある構成であれば、他の装置、例えば、照明装置についても適用できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果がある。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、衝撃を受けた際に、下階により大きな重量衝撃音圧を発生させる部分を重点的に制振しているから、効率のよい制振が可能となる。また、天井の必要な部分のみに制振材を敷設すればよいから、制振材の使用量を削減できる。したがって、施工コストが削減でき、かつ、その施工作業も容易となる。また、天井全体の重量が低減するため、天井支持構造を簡易にできる。
【0045】
請求項2に記載の発明によれば、上階が衝撃を受けた場合に、最も大きな音圧を下階発生させる対角線上に必ず制振材が敷設されることになるから、効果的な制振が可能になる。
【0046】
請求項3に記載の発明によれば、住居等において一般的に用いられる箱形形状の居室天井に適応することができる。
【0047】
請求項4に記載の発明によれば、制振材を天井のコーナー部に接して敷設しなくてよいから、制振材の施工作業が簡易となる。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、下階で最も大きな音圧レベルとなるコーナー部に対応する位置にも制振材が敷設されているから、より効率的な制振が可能となる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、シート状の制振材を天井上面に敷設するだけでよいから、その敷設作業が簡易になる。
【0050】
請求項7に記載の発明によれば、シートの面密度が比較的大きいため、少ない敷設面積で効果的な制振が可能となる。また、制振材が比較的小さくできるから、施工作業も容易となる。
【0051】
請求項8に記載の発明によれば、制振材が野縁などの取付材を跨いで天井面材に取り付けられることがないので、制振材が天井面材に密着できるため、制振効果を高いものにできる。
【0052】
請求項9に記載の発明によれば、制振材を天井の下面から取り付ける構造としたので、施工された天井でも、後付で制振材を取り付けることができる。
【0053】
請求項10に記載の発明によれば、制振材用カバー材と設備機器用カバー材との形状が同じであるため、制振材が取り付けられた状態が目立たないので、制振材の取り付けによって天井の外観が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1参考例を示す上面模式図である。
【図2】本発明の第1参考例を示す部分上面図である。
【図3】図2の参考例におけるIII-III線に沿う断面図である。
【図4】第1参考例において上階床面で重量衝撃音を発生させた際の下階での衝撃音レベル(dB)オクターブバンドの中心周波数(Hz)ごとに示したグラフである。
【図5】本発明の実施形態を示す部分上面図である。
【図6】施形態の断面図である。
【図7】本発明の第2参考例を示す断面図である。
【図8】上階を加振した際の下階における音圧レベル分布の理論値を示す図である。
【図9】従来例における図4に相当するグラフである。
【図10】上階S3位置を加振した際の下階の音圧レベル分布の実測値を示す図である。
【図11】上階S1位置を加振した際の下階の音圧レベル分布の実測値を示す図である。
【符号の説明】
10 天井110コーナー部11 上面13 野縁(取付材)14 野縁受け(取付材)15 制振材19 対角線18 天井パネル(天井面材)41 制振材用カバー材43空調装置(空調装置)45 設備機器用カバー材

Claims (4)

  1. 天井の平面に制振材を取り付けた制振天井構造であって、前記天井は平面矩形状であり、かつ、天井面材と、この天井面材を取り付けるための格子状の取付材とを備え、
    前記制振材は、前記天井面材に下面が接する平面矩形状のシート状であり、かつ、前記天井の平面の4カ所のコーナー部からそれぞれ離れた位置を中心として、各コーナー部に対応して一つずつ、かつ、互いに隙間を開けて取り付けられ、前記格子状の取付材で囲まれた部分に前記制振材が取り付けられ、
    前記制振材の上に合板を配置し、この合板を前記取付材に取り付けることを特徴とする制振天井構造。
  2. 請求項1に記載の制振天井構造において、前記制振材の中心位置は前記天井の対角線上にあることを特徴とする制振天井構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の制振天井構造において、前記制振材は各コーナー部に接することなく取り付けられていることを特徴とする制振天井構造。
  4. 請求項1に記載の制振天井構造において、前記シート状に形成された制振材の面密度が15kg/m2以上60kg/m2以下であることを特徴とする制振天井構造。
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