JP2009030250A - 天井構造 - Google Patents

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博文 柿本
Shinya Shimada
伸也 島田
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和幸 城本
Osamu Kiso
木曽  治
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Abstract

【課題】戸建や低層集合住宅の様な建築部材相互間の固定度が低い建築物に於いて、天井構造に騒音対策を施す事で、上階の床構造の改修を必要とせずに、上下階の騒音伝幡を抑制し、下階室のリフォームに適した天井構造を得る。
【解決手段】住宅の上階の床基版としての床版11の下面から下階の天井の下面までの天井空間を構成し、建物構造部材としての床躯体14、天井部材としての石膏ボード16及び天井部材を固定する天井保持部材としての天井パネル5を具える天井構造である。天井部材(石膏ボード16)が建物構造部材(床躯体14)との間で隙間18を有し、かつ天井部材(石膏ボード16)の総面密度が10kg/m2〜40kg/m2であり、天井部材(石膏ボード16)と建物構造部材(床躯体14)との間に隙間介在部材としての隙間塞ぎ材19が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、住宅の上階の床基版の下面から、下階の天井の下面迄の天井空間を含む天井構造に関する。更に詳細には、本発明は、住宅の上下階騒音を、上階の床構造に拘らず、天井構造によって抑制する技術に関する。
本発明は、建築物全般に適用し、目的を達成し得るが、中でも建築構造部材間の相互の固定度が低い低固定度建築物の上下階騒音を天井構造によって音・振動を防止し、抑制する技術分野に属する。
低固定度建築物は、在来木造、ツーバイフォー造、鉄骨造等の建物であり、戸建住宅やアパート等で多用されている。これ等の低固定度建物は、上下階騒音の中で最もその対策が困難とされる重量床衝撃音に対しては、その対策に苦慮しており、解決策が待たれている。これに対し、RC造等のマンションは、高固定度建物であり、重量床衝撃音対策には古くから、床版厚の増加で容易に解決し得る事が知られており、現在その手法が使われている。
本発明は、上階の床構造を改修する事なく、階下の天井構造を、建築当初から又は改修する事で、対策が非常に困難な重量床衝撃音を1ランク改善する防音技術に関する。本発明は対象室のみの防音対策が可能となるので、特にアパートや戸建住宅のリフォームに適しており、建築物改修技術でもある。
従来より、住宅の上下階騒音に対処する為に、天井材の面密度を増したり、吸音材を改善したり、吊り天井や吊り天井の防振等、多くの提案が行われてきた。
公知例としては、下階室の天井部の周辺部を、該下階室の周辺部に支持すると共に、前記天井部の中間部の複数箇所を、上階室の床構造体に防振手段を介して支持し、前記下階室の周辺部に配置した複数の間柱の上部を、相互に横材で連結し、該横材を前記上階室の床構造体に接触させることなく、その端部を前記下階室の周囲に配置した柱材に連結するものがある(例えば、特許文献1)。
別の公知例としては、天井スラブに防振手段及び共鳴吸音手段を設ける旨が示されている(例えば、特許文献2)。
特開平11-324161号公報 特開平11-152845号公報
ところが、特許文献1では、天井部の中間部は、天井の振動にとって、周辺部と比べ相対的に振動変位が大となる部位である。一方、上階室の床構造体は床衝撃を受けた場合は最も振動し易い部位である。又防振手段とは振動変位をある程度許容し、振動変位の過程で振動減衰を行うものであるから、元来、振動変位し易い天井中間部を振動し易い床構造に支持し、かつ振動手段を伴う条件にするのであるから、大きな衝撃を受けたときにかえって増幅する場合が生じ、特に激しい衝撃を受ける場合には必ずしも適切な対処方法とは言い難い。
特許文献2も、前公知例と同様に天井スラブ(床スラブ)より防振手段を介して天井を連結する(吊る)事が示され、公知例のようにRC造で建築部材相互間の固定度の高い建築物ではなく、通常の戸建や低層集合住宅の様な建築部材間固定度の低い建築物では、前記と同様に激しい衝撃を受けると、かえって増幅するおそれがあり、適切な対処方法とは言い難く、別の手段である共鳴吸音手段も1つ当りに対処すべき周波数帯域幅は狭く、低周波に対応する為には、形状的に比較的大きく充分な機能を発揮するようにする事が必要で、通常の住宅の狭い天井空間には不向きである等の欠点がある。
本発明は、通常の戸建や低層集合住宅の様な建築部材相互間の固定度が低い建築物に於いて、天井構造に騒音対策を施す事で、上階の床構造の改修を必要とせずに、上下階の騒音伝幡を抑制し、下階室のリフォームに適した天井構造を得る事を課題とした。
本発明は、住宅の上階の床基版の下面から下階の天井の下面までの天井空間を構成し、建物構造部材、天井部材及び天井部材を固定する天井保持部材を具える天井構造であって、天井部材が建物構造部材との間で隙間を有し、かつ前記天井部材の総面密度が10kg/m2〜40kg/m2であり、前記天井部材と前記建物構造部材との間に隙間介在部材が設けられることを特徴とする天井構造に係るものである。
前記課題を解決する為の手段は、上階の床基版の下面から、下階の天井の下面迄の天井空間を含む天井構造に於いて、天井保持材の外周及び天井材の外周と建築物構造材との間に隙間を設け、天井材の総面密度を10kg/m2〜40kg/m2とし、天井材保持材及び天井材と建物構造材との間で、隙間介在材が天井空間と階下室との通気を妨げることで気密性を高め、それによって優れた防音性能が発揮されるという知見に基づくものである。
本発明は、更には隙間介在部材が天井部材外周近傍部、主に天井部材外周部の表面、及び建物構造部材の天井部材側の表面を拘束する事、更には天井内防音部材により、吸音、遮音、制振、防振、及び音拡散等の各種機能等からなる群より選ばれる少なくとも1種の機能を付与する事、及び天井内防音部材と天井部材との間に背後空気層を設け、前記機能と併せて調音機能を発揮させる。
本発明の天井構造によれば、建物の構造部材間の固定度が低く、通常の重量床衝撃音の改善が行い難い住宅でも、防音性能を1ランクは改善でき、新築はもとより、リフォームの天井構造としても最適である。
本発明に用いる構成材につき、以下、詳細な説明を行う。
天井空間は、住宅の上階の床基版の下面から下階の天井の下面まで構成する。本発明の目的とする天井構造は、建物構造部材、天井部材及び天井部材を固定する天井保持部材を具える。
建物構造部材は建築物の躯体である。特に制限されず、各種の構造躯体を用いることができる。例えば、壁、梁、胴差、根太等を挙げる事が出来る。本発明の天井構造は、以下に説明する天井部材と建物構造部材との間で隙間を有する。隙間は、概して、床、天井等、それら自体の動きや振動によって接触しない程度の距離を意味する。例えば、3〜10mm、4〜7mm程度であり、広すぎても、後述する隙間介在部材の必要量が増すので好ましくない。
天井部材は天井の本体を構成する部材である。特記する場合を除き、特に制限されることなく、通常の既知形状、材質のものを用いる事が出来る。通常、天井部材は1層以上の天井材の層からなり、好ましくは、最下層は面一性確保及び耐火上の観点から不燃性板状材である。好ましくは、天井部材は、遮音性、制振性を有する。本発明の目的達成の観点からは、天井部材を構成する部材は、10kg/m2〜40kg/m2の総面密度を有する。
好ましくは、天井部材は制振部材を含み、その天井部材はまた、低周波域共鳴透過防止用材料及び/又はコインシデンス効果回避用材料から構成される。例えば、低周波域共鳴透過及びコインシデンス効果解消の為の制振性を具備する。制振性を具備する方法としては、拘束型又は非拘束型の制振処理を有するか、又は二層天井構造とする方法が採用されたものかの少なくとも一方を有すれば良い。
前記総面密度に於いては、10kg/m2未満では、減少するにつれて総面密度が不足し、本発明にかかる他の構成要素と併用しても、本発明の目的を達成し得る音性能は得られ難くなる。逆に、天井部材の総面密度が40kg/m2を超えると、性能は期待できても経費に見合い難く、重量増の為の取付作業が悪化する。又何回にも分けて取付ける必要が生じ、作業性の悪化故の仕上りの悪化の虞も増し、好ましくない。更に重量増に帰因する天井のダレを避ける為に、天井保持材の補強の必要性が生じ、コスト増につながる虞も増す。前記総面密度のより一層好ましい範囲は15kg/m2〜40kg/m2であり、低周波域共鳴透過やコインシデンス効果を回避する為の制振材や二重構造天井による対策の適用上の制約も軽減し、効率の良い遮音・制振性を得易くなる。
このとき、制振部材はそれ自体の面密度を必ずしも大きくする必要はなく、天井部材や任意の材質のシート、フィルム、薄板、箔等の拘束部材と共に拘束型、非拘束型として用いる粘弾性体で、制振特性の良いものを選定する方が良い。天井に用いる制振部材は、特に高周波騒音を低減する上では効果が高く、聴感上も良好となる。又二層天井構造については、板材間に空洞を形成する為のスペーサーは、それ自身が制振特性を発揮する粘弾性体やスペーサーと天井部材間に粘弾性層を形成するものを介して二重天井構造とする方が効果が高く、内部空間には吸音部材を設けても良い。
天井部材は、耐火上、無機質系、金属系が望ましく、中でも石膏ボード(硬質や強化石膏ボードを含む)、ケイカル板、木毛セメント板、ALC板、各種金属板が例示される。又天井部材の一部として用いられる制振部材は、各種エラストマーをポリマー主成分として用いた粘弾性体が好ましく、前記無機質系や金属系のものに積層して、端部断面のみが空気に接触する様に用いる事で、酸素供給を遮断する構造で用いる事が、制振性、耐火上好ましい。特に、各種難燃剤を混入した難燃性の制振部材とする事で、その効果を大きく増大させ得る。
上記難燃剤は、公知の難燃剤を用いれば良いが、燃焼ガスや不純物として含まれ易い毒物(例えば、三酸化アンチモンに対するヒ素又はその化合物)や、リン系可塑剤の環境への悪化等々、最終的に人体への悪影響を出来るだけ少なくする配慮が望ましい。それらに適したもので効果的な物質は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムであり、それ等はエラストマーに対し同量程度含有させると、非常に効果が高くなり、更に熱膨張性黒鉛やホウ素化合物を併用する事で、添加量の軽減が可能となるだけでなく、熱膨張性黒鉛では炭化発泡膜の形成による制振部材の温度上昇防止に効果があり、ホウ素化合物による表面へのガラス質膜の形成で酸素遮断を効果的に行う処方を組む事が出来る。
ここで、天井部材のコインシデンス効果とは、遮音部材である板材がコインシデンス限界周波数近傍で振動し、音響放射パワーをその周波数域で生じる為、遮音性能が低下する現象を言い、コインシデンス限界周波数(fc)は次の式で示される。
Figure 2009030250
一方、音響放射パワー(W)は次式で示される。
Figure 2009030250
上式より放射音を小さくする条件はfcを数万Hzとする事で限りなく1/fc2が0に近づき音響放射パワー(W)を限りなく0に近づけることである。
ここで、fcを大きくするにはmを大きく、Bを小さくする事で目的が達成される事が判る。天井部材の施工上の観点からは天井部材外周は周囲の壁面と接触しない様、隙間が設けられる必要がある。つまり、上階床の振動伝幡が壁を経由して天井を振動させない為である。又最下層の天井材はその上層の天井材より更に外周の壁との隙間を大きくし、確実に気密性を確保するように、シール溝を形成しても良い。
隙間介在部材は前述の通り、天井空間の空気が下階空内に通じ、両空間が連通して音が伝播する事を防ぐ、即ち、気密性を高め、防音性を保持する作用効果がある。好ましくは、隙間介在部材は、天井部材及び天井部材外周の建物構造部材の表面上の重なり部分を有する。それは、隙間介在部材が天井部材及び建物構造部材を拘束し、それを設ける天井外周の補強によって天井の外周拘束による天井の振動抑制の作用効果といった隙間介在部材の2つ目の作用効果を持つ。
隙間介在部材は、液状タイプのコーキング材やシーリング材、定型粘弾性体、定型粘弾性体をフィルム、シート、薄板、箔等に積層したものが例示される。使用時に液状タイプのコーキング材やシーリング材や定型粘弾性体は、隙間防止による気密性も付与する効果は高いものの、天井部材外周の補強効果は乏しく、定型粘弾性体の積層タイプは、比較的天井外周を拘束し、全体として、天井部材自体の制振効果を発揮させ易くなる。このとき、天井部材は、天井保持部材に固定されるが故に、天井外周の拘束による天井部材全体としての振動抑制効果は、予想以上に大きく、その結果、騒音防止効果も非常に大きくなるという予期し得ない結果を得る事が出来る。
天井保持部材は、通常、天井を強固に固定し、天井の振動を抑制し、天井、特に天井下面を面一に保持するものである。天井保持部材の設置は、特に制限されることはないが、普通、壁、梁、胴差等の建物構造部材から直接又は各種治具を介して間接に支持固定される。建物構造部材に直接又は治具を介して固定される際、好ましくは、天井保持部材、建物構造部材及び治具からなる群より選ばれる少なくとも1種の接触面に振動絶縁部材を介する。さらに、好ましくは、天井保持部材は、線状又は点状の振動絶縁部材を介して天井部材を固定する。
天井保持部材を建物構造部材に固定する場合、用いる治具は特に制限されず、各種の形状、材質のものを用いる事が出来、例えば、専用治具、ライナー、吊り具等である。
本発明では、床衝撃を受けた時、必ず振動を伴う床基版からの支持固定は、たとえ振動絶縁部材を介しても、天井保持部材への振動伝幡は避け難く、振動伝幡を回避する為に振動絶縁部材として柔軟なゴムやゴム厚を増したものを使うと本発明にかかる特徴の1つである天井部材の総面密度の増大もあって、かえって振動絶縁部材自体の変位量が増し、振動が増幅し、音性能が悪化する知見を得たので、建物構造体の中でも、床基版からの支持固定は除外する。但し、根太や梁は、床基版の様な直接振動でない為、支持固定に用いても音性能の悪化の回避は、振動絶縁部材や天井部材の重量等の調節で問題なく、本発明に十分に適用出来る。
天井保持部材としては、軽量鋼製パネルや、天井根太や木桟が、本発明では適したものである。天井保持部材は、梁、胴差、根太からの吊り下げ固定では、天井保持部材の天井部材取付面と直交する面の天井部材の外周の壁等の建物構造部材との間に隙間を設ける事が必要である。つまり、吊り下げ固定方法の場合は、天井保持部材の天井部材取付面と直交する面を有する建物構造部材の振動を受けると音性能が悪化する事が経験上判っており、予め天井保持部材や天井部材と離間させておく事が音性能の悪化を防ぐ上で、施工上、コスト上、最良な方法である。この吊り下げ方法は軽量鋼製パネルが適している。
一方、天井根太や木桟の場合は、建物構造部材に固定するので建物構造部材との取り合い部には、振動絶縁部材を天井根太や木桟の端面に用いる事が多く、天井部材の載荷方向に用いる事は、天井部材荷重変位で振動振幅を増幅させる為に回避すべきである。天井部材の載荷方向に用いて、良い音性能が得られる方法には、天井部材取付部に線状又は点状に振動絶縁部材を介して天井部材を固定する場合であり、これは吊り下げ方式も同様である。このとき、線状、点状に設ける振動絶縁部材は硬度や貼付面積を加味しても、0.1mm厚〜3.0mm厚の範囲が好ましい範囲である。0.1mm厚未満では振動絶縁効果が少なくなり、逆に3.0mm厚を超えると硬度によっては振動変位が大きくなり易く、特に高周波音の改善度が悪化する傾向が生じ始める。この天井部材取付部に取付けるにはビス固定が良い。これは、締結圧によって振動絶縁部材の接触面積が増大し、厚みが薄くなる為であり、その結果、天井部材取付部に振動絶縁部材を介して取付けた場合は、特に1kHz〜4kHzの音性能が向上し、これにより、実際の聴感上も静かになったと感じられる。
天井保持部材が鋼製パイプ状の材質である場合は、強度、重量面では良好であるが、鋼材故の欠点がある。つまり、振動伝達効率が良いが故に、振動し易く、減衰し難く、振動伝達速度が早く、騒音が発生し易く、継続時間が長いという欠点がある。そこで、この様な材質を構成材中に含む場合は、その欠点が音性能悪化原因となるか否かを確認する必要があり、音性能悪化要因となる場合には、中空部への粘弾性体、発泡体、粉粒品の単体又は混合体、積層体を貼着、充填等する事で、悪化原因を解消する必要がある。又その部材の両端部等、特に建物構造部材と接する部位には振動絶縁処理が望ましい。こうする事により、パイプの両端にフタをする事となり、パイプ内発生音も、パイプ外に出難くなる。
天井保持部材は、それ自体天井部材の荷重を保持する為の剛性を有する必要性から材質のいかんを問わず必要な厚みを有する必要があり、限度のある天井空間内では重要な空気層として、特に背後空気層として利用することが、防音の観点からは見逃せない。その理由から、天井保持材を枠としてその上にゴムやポリマーからなるフィルムやシートを貼り合わせる事で、貼付フィルムやシートの張力と下部の背後空気層を利用した吸音調整層として利用出来る。この考えは後述の天井内防音部材との併用により調音層としての効果も大で、コストも少ない事から充分な活用が望ましい。
好ましくは、天井内防音部材は、天井保持部材の上部に直接又は任意間隔で離間配置された支持部材上に配置され、天井内防音部材下面と天井部材上面との間に背後空気層としての空間が形成される。
天井内防音部材は床基版が衝撃を受け、振動する事により天井空間内に空気の流れを生じさせる。充分な解明が出来てはいないが、特に重量床衝撃音の様な衝撃力が大きく、衝撃継続時間が長い衝撃では顕著に現れる現象であり、音源室直下では、室内中央よりも端の方がはるかに大きな音になるという状況は、定在波とその三次元空間のモードで説明されるが、天井内防音部材の設置により、定在波自体の変更に大きく影響を与え、前記現象を大きく改善出来る事が判った。その具体的手段には、吸音部材単体、吸音部材層間にフィルムやシートを積層した物、吸音部材と遮音部材との積層物、吸音部材と有孔遮音部材との積層物、天井空間の外周又は隅部に凹面を天井空間内に向けた音拡散板、その他平板に任意角度を持たせ複数天井空間内に配置した拡散板、吸音材上(積層吸音部材の内部も含む)に重りを散在させて、小さな動吸振を吸音部材に持たせたもの等が例示される。
又天井内防音部材は天井部材上又は天井保持部材上に離間設置された支持部材上に設置される時、支持部材を弾性体とし、天井内防音部材を弾性支持し、天井空間内での空気流れの圧力により変位し、天井部材に直接空気圧がかからない様に又、背後空気厚を増す事により、防音性能を高める事が出来る。このとき、天井内防音部材に動吸振を組み込む事で、250〜500Hzの改善が大きくなる。
又本発明で用いる振動絶縁部材は、常温で反撥弾性率が25%以下の低反撥ゴムで、硬度がJISA型で30〜60といった比較的低硬度のものが適する。更に望ましい条件は、常温での圧縮永久歪が少ないものであり、例えば、常温×7日で30%以下のものである。つまり、低反撥ゴムは、振動増幅を起こし難い特徴があり、25%以下なら充分に目的を達成し得る。逆に反撥弾性が25%を超えても30%位までは振動増幅し難いが徐々に高くなるにつれ増幅し易くなる。更に低硬度という条件が加わると、固定時に圧縮締結され振動絶縁保持力が優れ、このとき硬度が30未満であると圧縮締結の変位量が大き過ぎるようになり、振動絶縁保持性が悪化する。60を超えても、圧縮締結し難くなり、同様に振動絶縁保持力が劣ってくるので好ましくない。更に常温での圧縮永久歪が30%以下であれば長期にわたって振動絶縁保持性が確保できる。逆に30%を超えると徐々に振動絶縁保持性が悪くなり好ましくない。
以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明する。符号は同様の部材について同じ数字を充てるが、形状、大きさ、材質等が異なる場合も含み、まったく同一のものであることを意味するものではない。
図1は1例の鉄骨梁と鋼製天井パネルの取付状況の平面図である。図2は図1の例のA-A´断面図である。図3は他の例の天井構造の断面図である。図4は更に他の例の天井構造の断面図である。図5は更に他の例の天井構造の断面図である。図6は更に他の例の天井構造の1部分の断面図である。図7は更に他の例の天井構造の1部分の断面図である。図8は更に他の例の天井構造の1部分の断面図である。図9は更に他の例の天井構造の1部分の断面図である。図10は1例の鋼製天井根太端部の振動絶縁部材の使用状態の図である。
図1は、実施例1〜4、比較例1に用いた鉄骨梁と鋼製天井パネルの取付状況を示す平面図である。鉄骨梁は鋼板1を床コンクリートにボルト固定し、鉄骨梁両端はボルト固定用の穴明鋼板が熔接してあり、梁が交差する部位は前記穴明鋼板と固定する為のジョイントボックス2が四隅の前記床コンクリートの鋼板1に固定され、両方の長辺を大梁3、片側短辺を大梁3、中央の短辺と残る片側短辺を小梁4とし、“日”の字状で床開口部上に梁組した。梁組より吊り金具6を下し、鋼製天井パネル5を取付けた。床開口部両短辺には予めアルミ箔付き粘弾性体を貼り付けた野縁ライナー受金具7を床開口部にビス固定し、鋼製天井パネル5を嵌合している。
図2は、実施例1の天井構造の断面図である。住宅の上階の床基版としての床版11の下面から下階の天井の下面(天井部材としての石膏ボード16の下面)までの天井空間を構成し、建物構造部材としての床躯体14、天井部材としての石膏ボード16及び天井部材を固定する天井保持部材としての天井パネル5を具える天井構造である。天井部材(石膏ボード16)が建物構造部材(床躯体14)との間で隙間18を有し、かつ天井部材(石膏ボード16)の総面密度が10kg/m2〜40kg/m2であり、天井部材(石膏ボード16)と建物構造部材(床躯体14)との間に隙間介在部材としての隙間塞ぎ材19が設けられる。
さらに詳しくは、通常、上階の床基版は、床版11、パーチクルボード12、カラーフロアー13から構成され、床版11とパーチクルボード12の間に防湿シート10が設けられる。天井構造は、鋼製天井パネル5の上に天井内防音部材(吸音部材)としてのロックウール15が置かれ、鋼製天井パネル5に天井材としての12.5mm厚石膏ボード16の2枚が、中央に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体からなる制振材17を積層して取付けられている。床躯体14、床開口部の受け部14′で構成される、床開口部8の内周と石膏ボード16との間には隙間18が設けられ、床振動が出来る丈、天井に影響を与えない様にされている。隙間18は隙間塞ぎ材19により塞がれ音漏れを防止している。
図3は実施例2の天井構造の断面図である。鋼製天井パネル5の上に2mm厚糊付き遮音シート9を上側に貼ったロックウール15(40K、50mm厚)を置き、天井材として15mm厚石膏ボード16の2枚の間に、0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)からなる拘束型制振材17を貼り付けて、天井材とその外周の床開口部との隙間18下部に隙間塞ぎ材19としてシリコンコーキングを使用している。
図4は実施例3の天井構造の断面図である。鋼製天井パネル5の上にロックウール15を置き天井材として石膏ボード12.5mm厚16の2枚の間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体からなる拘束型制振材17を天井面積の70%となる様に貼り付け、鋼製天井パネル5に固定している。この例も、天井材外周と床開口部との隙間18を有し、下部でシリコンコーキングを隙間塞ぎ材19としている。
図5は実施例4の天井構造の断面図である。鋼製パネル5の上にロックウール15を敷き詰め、天井材として15mm厚石膏ボード16の2枚を用い、鋼製パネル5にビス固定している。天井材と床開口部との隙間18は全周で5mmとし、天井外周の隙間18の下部に0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体からなる隙間塞ぎ材19を配置し、隙間を塞いだ。
図6の床は実施例5〜8に用いる枠組壁工法の床を、試験室2F床開口部に設置し、床面合板20の上に遮音板21、合板20、カラーフロアー13の順に積層したもので、図6〜9迄共通である。又鋼製天井根太22も実施例5〜8に共通して用いた。(鋼製天井根太は図10で説明する。)
図6は実施例5の天井構造の面図である。鋼製天井根太22上にロックウール15を置き、天井材としての12.5mm厚石膏ボード16の2枚の間に、0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を積層し、石膏ボード外周の頭つなぎ材25との間の隙間18を確保し、その下部に隙間塞ぎ材19として0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)を用いて隙間を塞いだ。
図7は実施例6の天井構造の断面図である。鋼製天井根太22の上にロックウール15(24K、25mm厚)の2枚の間に、木枠内(図では省略)に張力をかけたポリエステルフィルム28を張ったものを挟み、ロックウール15の下面に2mm厚遮音シート9を貼ったものを設置した。
鋼製天井根太22の天井面側に振動絶縁材24を帯状に貼り、天井材の12.5mm厚石膏ボード16と15mm厚石膏ボード16との間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を積層して、各々ビス固定した。各石膏ボードと外周の頭つなぎ材25との間は5mmの隙間18を設け、これには隙間塞ぎ材19として0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体を貼り付けた。
図8は実施例7の天井構造の断面図である。鋼製天井根太22の上に30mm厚×38mm幅×50mm長さのスポンジ片を支持材30として380mmピッチで貼り付け、遮音シート9を上に貼ったロックウール15を支持している。鋼製天井根太22の下面の帯状振動絶縁材24を介して天井材の12.5mm厚石膏ボード16の2枚の間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体からなる制振材17を積層し、ビス固定した。天井材外周と頭つなぎ材の隙間18を確保し、その下部に、隙間塞ぎ材19として0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)を貼った。
図9は実施例8の天井構造の断面図である。床材下面に止め木29に支持された天井材の2枚の12.5mm厚石膏ボード16上にロックウール15を設置し、更に鋼製天井根太に固定した天井との二重天井構造である。鋼製天井根太に固定する天井材は12.5mm厚石膏ボード16の2枚の間に0.2mm厚鉄板付粘弾性体からなる制振材17を積層したものからなり、その天井材外周と頭つなぎ材25との間は隙間18が確保され、隙間下部には0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)が隙間塞ぎ材19として貼付けられている。
図10は実施例5〜8に用いた鋼製天井根太の端部と鋼製天井根太下面の振動絶縁を示す図である。鋼製天井根太端部固定材32は釘31で、胴差26に固定され、鋼製天井根太端部固定材32内部には、振動絶縁材24が配置され、胴差26と鋼製天井根太22とが直接接触しない様になっている。又端固定材32の外の下面には振動絶縁材24が帯状で設けられ、直接天井を支持しない様になっている。
以下、実施例1〜8及び比較例1〜2に基づいて、図面を参照しつつ、本発明を説明する。
実施例1〜4、比較例1に於いて、実験は以下の様にして行った。
上階開口部で、その四隅をRC造実験室の床にボルト固定した鋼板に、ボルト固定したジョイントボックスを設置し、大梁長辺2本と短辺1本と小梁2本をボルト固定して梁組を作り、短辺梁上に両端1列、中央2列の防振ゴムを(図では省略した)を貼り付け、その上にALC床基版(100mm厚×606mm幅×1820mm長さ)を片側3枚すつ載せ、計6枚をALC固定穴に固定治具を通し、梁と固定した。
次に、防湿PEフィルム70μm×1000mm幅を継目ラップ約100mmで敷き、その上にパーチクルボード(15mm厚×910mm幅×1820mm長さ)をALC基版6枚の床の長辺中央(ALC基版の長辺端部6枚分の集まる床中央小梁の上部)にパーチクルボード長辺の中央が重なる様に設置し、DACビスにてALC基版に縦横300mmピッチで固定し、その両側にパーチクルボードの長辺を中央に固定したパーチクルボードの長辺が平行になる様に隙間なく並べて、DACビスにて同ピッチで固定した。床基版長辺の両端にパーチクルボード(15mm厚×455mm幅×1820mm長さ)を敷き並べDACビスにて同ピッチでALC基版に固定して、連結一体床基版とした。次に、カラーフロア(12mm厚×303mm幅×1818mm長さ)をフロアーネイルで下地パーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で固定し、ALC基板の約1/2の厚みから2F床面に糊付き遮音シート3mm厚を一周させて上階床とした。この床は実施例1〜4、比較例1で共通して用いた。
実施例1〜4、比較例1の相違は、天井断面構造の相違のみである。
(実施例1)
図1及び図2に示す様な天井構造を施工した。図1は梁組及び天井パネルの平面状況を示す図であり、実施例1〜4、比較例1で共通である。図2は実施例1の天井断面構造である。床基版(ALC床版)下の床開口部の短辺両端に、床開口部側と接する部分に、アルミ箔0.1mm厚付き粘弾性体(総厚1.1mm)を貼り付けた野縁ライナー受金具をビス固定し、軽量鉄骨製天井パネル(47mm厚×90mm幅×1350mm長さ)4枚を野縁ライナー受金具と梁から吊った吊り金具で固定すると共に、吊り金具の高さ調整ネジで天井パネルの面一を調整し、天井パネルを天井保持材とした。天井保持材上に、天井内防音材として、ロックウール40K、50mm厚を敷き詰めた。
次に、石膏ボード12.5mm厚を外周の床開口部全周で各々石膏ボードとの隙間が5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間がない様にして、天井パネルに縦横303mmピッチでビス固定した。次に、12.5mm厚の石膏ボード全面に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体からなる拘束型制振材を貼り付け、二層目の天井材として天井パネルに縦横303mmピッチでビス固定した。この二層目の石膏ボードも床開口部との隙間が5mmとなる様にし、石膏ボード間の隙間をない様に固定した。次に、アルミ箔0.1mm厚付き粘弾性体(計1.4mm厚)からなる拘束型制振材を60mm幅×1m長さを天井及び隙間方向に、40mm幅、床開口部に20mm幅となる様に直角に折り曲げて隙間塞ぎ材として、天井外周に貼り付け固定した。隙間塞き材間のラップは2cmとした。次に、重量床衝撃音を、63Hz〜4kHzまで測定し、結果を表1に示した。尚、衝撃源はバングマシンであり、JIS-A-1418-2:2000に規定する衝撃力特性(1)を持つ重量衝撃源である。
(実施例2)
実施例1と同じ床構造と天井パネルを用い、図3に示す天井断面構造を施工した。天井パネル上に、天井内防音材として、ロックウール40K、50mm厚の上に2mm厚糊付き遮音シートを貼り付けたものを敷き詰めた。次に、15mm厚石膏ボードを床開口部との隙間が全周で5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間が生じない様にして、天井パネルに縦横303mmピッチで固定し、全面に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を15mm厚石膏ボードに貼り付けたものを前記15mm厚石膏ボードと同様にしてビス固定し、天井外周と床開口部の隙間はシリコンコーキングで隙間を塞ぎ、硬化と隙間塞ぎモレ等の確認をして、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、表1に結果を示した。
(実施例3)
実施例1と同じ床構造と天井パネルを用い、図4に示す天井断面構造で施工した。
天井パネル上にロックウール40K、50mm厚を敷き詰めて天井内防音材とした。12.5mm厚石膏ボードを床開口部と天井材との隙間が全周で5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間は無い様にして、縦横303mmピッチで、天井パネルにビス固定した。12.5mm厚石膏ボードに0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を石膏ボード面積の70%の面積となる様に貼り付け、前記12.5mm厚石膏ボードと同様に天井パネルにビス固定した。天井外周と床開口部の隙間はシリコンコーキングで塞ぎ、硬化と隙間塞ぎのモレ等の確認をして、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定して、表1に結果を示した。
(実施例4)
実施例1と同じ床構造と天井パネルと用い、図5に示す天井断面構造を施工した。天井パネル上にロックウール40K、50mm厚を敷き詰め、天井内防音材とした。15mm厚石膏ボードを床開口部と天井材との隙間が全周で5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間は無い様にして、縦横303mmピッチで天井パネルにビス固定した。さらに15mm厚石膏ボードを1層目の15mm厚石膏ボードと同様に、天井パネルにビス固定した。天井外周の隙間を0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)、幅50mm、1m長さを幅中央で直角に折り曲げ、天井及び床開口部に貼り付けて、実施例1と同様に重量床衝撃音の測定を行い、表1に結果を示した。
(実施例5)
図2に示す床開口部の受け部で固定出来る様に受け部上の全周にゴムを置き、その上に枠組壁工法の床(365mm高さ×1810mm幅×2730mm長さ)をセットし、その上に比重3のアスファルト系遮音板8mm厚を全面に敷き詰め、その上に5.5mm厚合板を全面に敷き縦横303mmピッチで枠組壁工法の床の合板に固定し、その上にカラーフロアー12mm厚をフロアーネイルで固定した。この床は実施例5〜8及び比較例2で共通で用いた。
次に、天井保持材として、角パイプからなる鋼製天井根太を鋼製天井根太端部受材に両端に振動絶縁ゴム8mm厚を当てて固定した。尚、鋼製天井根太の天井固定部は受材の受け部以外の全面を線状で3mm厚振動絶縁ゴムを貼り付けておいた。鋼製天井根太の芯々ピッチは455mmである。天井保持材は実施例5〜8は共通とした。図6に示す天井構造を施工した。
天井保持材上に、ロックウール24K、50mm厚を置き、枠組壁工法の床下部の頭つなぎ材内周と天井材との隙間が5mmとなる様に石膏ボード12.5mm厚を鋼製天井根太にビス固定した。固定ピッチは鋼製天井根太長手方向は303mmピッチ、鋼製天井根太間は455mmピッチである。次に、0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を12.5mm厚石膏ボード全面に貼ったものを前記12.5mm厚石膏ボードと同様にビス固定し、天井材外周と頭つなぎ材との隙間を0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)、50mm幅、1m長さを用いて塞いだ。
実施例1と同様に重量床衝撃音の測定を行い、結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例5と同じ床構造と鋼製天井根太を用い、図7に示す天井構造を施工した。ロックウール24K、50mmの2枚の間に木枠内に張力をかけて100μ(ミクロン、μm)ポリエチレンフィルムを張ったものを挟み、ロックウール下面に2mm厚遮音シートを貼って鋼製根太上に置いた。
次に、12.5mm厚石膏ボードを外周の頭つなぎ材との隙間が5mmとなり、石膏ボード間の隙間が無い様に、ビス固定した。0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)を15mm厚石膏ボード全面に貼り、前記12.5mm厚石膏ボードと同様にビス固定した。尚、固定ピッチは実施例5と同様である。天井材外周の隙間は0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)、50mm幅、1mの長さで塞ぎ、実施例1と同様に重量床衝撃音を側定した。その結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例5と同じ床構造と鋼製天井根太を用い、図8に示す天井構造を施工した。
上部に遮音シート2mm厚を貼ったロックウール24K、50mm厚を鋼製天井根太上に300mmピッチで固定した30mm厚スポンジからなる支持材上に置き、12.5mm厚石膏ボードと0.2mm厚鉄板付き粘弾性体(総厚1.4mm)とを全面に貼った12.5mm厚石膏ボードを順に鋼製天井根太にビス固定した。実施例5と同様に頭つなぎと各天井材との間の隙間は全周5mmとし、石膏ボード間の隙間は無い。ビス固定ピッチも実施例5と同じである。0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体で前記隙間を塞ぎ、実施例1と同様に重量衝撃音を測定し、結果を表1に示した。
(実施例8)
実施例5と同じ床構造と鋼製天井根太を用い、図9に示す天井構造を施工した。
床下面近くに12.5mm厚石膏ボード2層とその上のロックウール24K、50mm厚を止め木で止め、二層天井の第一層とした。鋼製天井根太上に12.5mm厚石膏ボードと12.5mm厚石膏ボード全面に0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を貼り、順にビス固定して第二層の天井とした。天井材外周の頭つなぎ材との隙間は5mm、石膏ボード間の隙間はなしとし、固ピッチも実施例5と同様である。天井材外周の隙間は0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体を用いて塞いだ。実施例1と同様に重量衝撃音の測定を行い、結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1で用いた床と鋼製天井パネルを用いた。鋼製天井パネルにロックウール40K、50mm厚を敷き詰め、石膏ボード12.5mm厚を縦横303mmピッチでビス固定した。床開口部全周で石膏ボードとの隙間が5mmとなる様にし、石膏ボード間の隙間は無い様に固定した。回縁を両面テープで床開口部に取り付けて、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例5で用いた床を用い、天井取付面及び両端には振動絶縁材を用いずに、鋼製天井根太を、端部固定材を用いて胴差に固定した。鋼製天井根太上に、ロックウール24K、50mm厚を直置し、石膏ボード12.5mm厚を2枚鋼製天井根太にビス固定した。石膏ボード外周の頭つなぎ材との隙間は5mmとし、石膏ボード間の隙間はなしとした。隙間を、回縁を両面テープで頭つなぎ材に取り付け、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2009030250
以下、実施例、比較例の結果、表1に基づき、本発明の効果を説明する。
実施例1は比較例1に比べ天井外周の隙間を回縁から0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)を天井材に35mm幅で固定し、床開口部20mm幅で固定し、確実に隙間塞ぎを行ない、0.2mm厚鉄板付き粘弾性体を貼った石膏ボード12.5mm厚を増貼りしたものである。その結果、63Hz〜1kHzで5〜6dB低減し、2kHz:9dB、4kHz:16dB低減し、LHで1ランク低減している。この効果は大きく、特に2kHz、4kHzでの高周波音の低減が大きく、聴感上の差は大きい。
実施例2は比較例1に比べ、隙間塞ぎ材としてシリコンコーキングを使用し、天井を12.5mm厚石膏ボードから、15mm厚石膏ボードと0.2mm厚鉄板付粘弾性体を貼った15mm厚石膏ボードに増厚ものである。その結果63Hz:6dB、125Hz:7dB、250Hz:8dB、500Hz:7dB、1kHz:6dB、2kHz:8dB、4kHz:13dB低減し、LHで1ランク改善している。これも改善効果は大きい。
実施例3は比較例1に比べ、隙間塞ぎ材としてシリコンコーキングを使用し、0.2mm厚鉄板付粘弾性体を石膏ボードの70%の面積に貼った12.5mm厚石膏ボードを増貼りしたものである。その結果、63Hz:6dB、125Hz:5dB、250Hz:6dB、500Hz:5dB、1kHz:4dB、2kHz:7dB、4kHz:12dB、LHで1ランクと大きな改善があり、石膏ボード面積の7割の制振材処理でも充分な改善が出来る事が判る。
実施例4は比較例1に比べ、天井外周の隙間を回縁から0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)で確実に隙間塞ぎを行ない、石膏ボード12.5mm厚1枚から15mm厚2枚に変えたものである。その結果、63Hz:5dB、125Hz:7dB、250Hz:6dB、500Hz:6dB、1kHz:3dB、2kHz:5dB、4kHz:9dB、LHで1ランク改善しており天井材の層間に制振材は使用しない場合でも、面密度を増す事で改善できる事が判る。
実施例5は比較例2と比べ、鋼製天井根太の両端と下面の天井との取り合い部に振動絶縁処理を行い、隙間塞ぎ材に0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mmを)用い、石膏ボード間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体を積層した例である。その結果、63Hz:5dB、125Hz:6dB、250Hz:5dB、500Hz:5dB、1kHz:5dB、2kHz:5dB、4kHz:6dB、LHで1ランク改善し、その改善効果は大きい。
実施例6は比較例2と比べ、天井内防音材のロックウール間に張力を与えたポリエチレンフィルムを挟み、下側に2mm厚遮音シートを設け、両端と下面に振動絶縁処理をした鋼製天井根太を用い、石膏ボード12.5mm厚2枚から石膏ボード12.5mm厚と15mm厚の0.2mm厚鉄板付き粘弾性体を積層し、天井外周の隙間を0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)で確実に塞いだものとした例である。その結果、63Hz:6dB、125Hz:6dB、250Hz:6dB、500Hz:5dB、1kHz:6dB、2kHz:6dB、4kHz:9dB、LHで1ランク改善した。
実施例7は比較例2と比べ、天井内防音材のロックウール上に2mm厚遮音シートを設け、鋼製天井根太に振動絶縁処理を両端と下面に施し、石膏ボード12.5mm厚2枚の間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体を積層し、天井外周の隙間を0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体(総厚1.1mm)で確実に塞いだ例である。その結果、63Hz:5dB、125Hz:5dB、250Hz:6dB、500Hz:5dB、1kHz:4dB、2kHz:5dB、4kHz:10dB、LHで1ランク改善できている。
実施例8は根太間の床板下に石膏ボード12.5mm厚2枚の第一層の天井とロックウールを設け、両端と下面を振動絶縁した鋼製天井根太とし、石膏ボード12.5mm厚2枚の間に0.2mm厚鉄板付き粘弾性体を積層し、天井外周と頭つなぎ材の隙間を0.1mm厚アルミ箔付き粘弾性体で確実に塞いだ二層天井構造の例である。その結果、63Hz:8dB、125Hz:9dB、250Hz:7dB、500Hz6dB、1kHz:6dB、2kHz:7dB、4kHz:10dB、LHで8dB(2ランク近い)改善できた。
以上より、構造部材間の固定度が低く、重量床衝撃音の改善が行い難い住宅でも、本発明の天井構造により、1ランクは改善できる事が判った。
天井構造に騒音対策を施す事で、上階の床構造の改修を必要とせずに、上下階の騒音伝幡を抑制するので、新築はもとより、下階室のリフォームにも適する。
1例の鉄骨梁と鋼製天井パネルの取付状況を示す平面図である。 図1の天井構造のA-A´断面図である。 他の例の天井構造の断面図である。 さらに他の例の天井構造の断面図である。 さらに他の例の天井構造の断面図である。 さらに他の例の天井構造の部分断面図である。 さらに他の例の天井構造の部分断面図である。 さらに他の例の天井構造の部分断面図である。 さらに他の例の天井構造の部分断面図である。 1例の鋼製天井根太端部の振動絶縁部材の使用状態の図である。
符号の説明
1 鋼板
2 ジョイントボックス
3 大梁
4 小梁
5 天井パネル(天井保持部材)
6 吊り具
7 野縁ライナー
8 2F床開口部
9 遮音シート
10 防湿シート
11 床版
12 パーチクルボード
13 カラーフロアー
14 2F床躯体(建物構造部材)
14´ 2F床開口部の受け部
15 吸音材(ロックウール、天井内防音部材)
16 石膏ボード(天井部材)
17 制振材
18 隙間
19 隙間塞ぎ材(隙間介在部材)
20 合板
21 遮音板
22 鋼製天井根太(天井保持部材)
23 根太
24 振動絶縁材
25 頭つなぎ材(建物構造部材)
26 胴差
27 天井構造
28 張力をかけたフィルム
29 止め木
30 支持材
31 釘
32 鋼製天井根太端部固定材

Claims (8)

  1. 住宅の上階の床基版の下面から下階の天井の下面までの天井空間を構成し、建物構造部材、天井部材及び天井部材を固定する天井保持部材を具える天井構造であって、天井部材が建物構造部材との間で隙間を有し、かつ前記天井部材の総面密度が10kg/m2〜40kg/m2であり、前記天井部材と前記建物構造部材との間に隙間介在部材が設けられることを特徴とする天井構造。
  2. 前記天井空間内に、天井内防音部材を具え、前記天井内防音部材が、吸音、遮音、制振、防振、及び音拡散からなる群より選ばれる少なくとも1種の機能を備えることを特徴とする請求項1記載の天井構造。
  3. 前記天井部材が制振部材を含み、前記天井部材が低周波域共鳴透過防止用材料で、かつコインシデンス効果回避用材料から構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の天井構造。
  4. 前記制振部材が難燃性であることを特徴とする請求項3記載の天井構造。
  5. 前記隙間介在部材が天井部材及び天井部材外周の建物構造部材の表面上の重なり部分を有し、前記隙間介在部材が前記天井部材及び前記建物構造部材を拘束することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の天井構造。
  6. 前記天井保持部材が、建物構造部材に直接又は治具を介して固定される際、前記天井保持部材、前記建物構造部材及び前記治具からなる群より選ばれる少なくとも1種の接触面に振動絶縁部材を介して固定されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載の天井構造。
  7. 前記天井保持部材が、線状又は点状の振動絶縁部材を介して天井部材を固定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載の天井構造。
  8. 前記天井内防音部材が、天井保持部材の上部に直接又は任意間隔で離間配置された支持部材上に配置され、前記天井内防音部材下面と天井部材上面との間に背後空気層としての空間が形成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項記載の天井構造。
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