JP2009035925A - 建物の防音システム - Google Patents

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博文 柿本
Shinya Shimada
伸也 島田
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欣吾 真鍋
Osamu Kiso
木曽  治
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Abstract

【課題】重量床衝撃の様な大きく激しい衝撃を受けても、LHで2ランク以上の改善量が確実に期待出来る防音システムを得る。
【解決手段】防音浮床構造と防音天井構造とを具える。防音浮床構造が、床版21、床版21上の複数の防音床部材23、防音床部材23上の床下地部材(パーチクルボード12等)及び床下地部材上の床仕上部材(カラーフロア24等)を備え、防音天井構造が防音浮床構造の床版21下面から下階室天井下面までの天井空間を構成し、防音天井構造が、建物構造部材(2F床躯体14等)、天井部材(石膏ボード25等)及び天井部材を固定する天井保持部材(天井パネル5等)を備え、天井部材が建物構造部材との間で隙間を有し、かつ天井部材が10〜40kg/m2の総面密度を有し、天井部材と建物構造部材との間の隙間に隙間介在部材(隙間塞ぎ部材20等)が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、建物の構造部材間相互の固定度が低い低固定度住宅に於ける防音システムに関する。防音システムは防音浮床構造と防音天井構造とを具える。
本発明にかかる防音浮床構造は浮床を構成し、住宅の上階の床において、床版上に、複数の防音床部材が各々離間して配置され、その上に、床下地部材及び床仕上部材が、好ましくは床外周の壁等の建物構造部材間との間に隙間を有して設けられる。防音天井構造は、防音浮床構造の床版下面から下階室天井下面までの天井空間を構成し、建物構造部材、天井部材及び天井保持部材、好ましくは天井内防音部材をも備える。天井部材は建物構造部材との間で隙間を有し、天井部材は10〜40kg/m2の総面密度を有し、天井部材と建物構造部材との間の隙間に隙間介在部材が設けられる。
さらに詳しくは、本発明は、上下階を有する建物全般に適用し、目的を達し得るが、就中、建築構造部材間の相互の固定度が低い、一般的に戸建住宅や低層アパートで多用される、木造、鉄骨造、枠組壁工法造等の住宅で、RC造等と比べると相対的に構造部材間の固定度が低い低固定度建物の防音システムに関する。具体的には、本発明は、この低固定度建物の上下階騒音をまず上階床に重量床衝撃音の低減に優れた防音浮床構造を構築し、更にその対策床の直下の階下室の天井構造に、天井部材を、天井保持部材と共に、その外周の建物構造部材間に隙間を有する様に設け、天井部材が10〜40kg/m2の総面密度を有し、上記隙間を隙間介在部材によって塞ぎ、好ましくは天井内防音部材をも設け、想定される如何なる厳しい条件下においても、確実に2ランク以上の重量床衝撃音の改善が期待出来る技術である。
従来より、住宅の防音技術は、壁、窓を始めとする開口部、配管及び設備機器関連、上下階騒音、階段等、様々な対策が実施されて来た。中でも、上下階騒音はクレームになり易く、それだけに、気になる音の代表とされ、古くより多くの研究が知られている。しかし、中でも唯一その対策に苦慮しているのが低固定度住宅に於る、重量床衝撃音の低減である。この低固定度住宅の重量床衝撃音に限っては、その対策の困難さもあって、文献も少ない。その様な中で、本発明者等も種々の床構造を提案している(例えば、特許文献1参照)。
ここで又、天井構造体の防音対策として従来行われて来た方法として、天井材の面密度を増す手段、吸音材を併用する手段、吊り天井や吊り天井の防振手段、独立天井等多くの提案がある。公知例としては、下階室の天井部の周辺部を該下階室の周辺部に支持すると共に、前記天井部の中間部の複数箇所を、上階室の床構造体に防振手段を介して支持し、前記下階室の周辺部に配置した複数の間柱の上部を相互に横材で連結し、該横材を、前記上階室の床構造体に接触させる事無く、その端部を前記下階室の周囲に配置した柱材に連結する例がある(例えば、特許文献2参照)。別の公知例としては、天井スラブに防振手段及び共鳴吸音手段を設ける旨が示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003-160992号公報 特開平11-324161号公報 特開平11-152845号公報
しかし、特許文献1とて万能ではなく、建物の条件、施工方法等の条件等々で本来の性能が発揮出来無い場合がある。そこで、本発明者等は、従来、大きな改善効果のある床構造には、特に天井構造として特別な防音対策をして来なかったが、どの様な条件下でも常に、従来方法と比べ2ランク以上の本来の床改善効果を持たせる手段として、一定の防音天井構造を併用する事により解決出来る事を確認し、本発明を完成した。
一方、特許文献2の様な公知例では、天井部の中間部は、天井の振動にとっては周辺部と比べ相対的に変位が大となる部位である。又上階室の床構造は、床衝撃を受けた場合は最も振動し易い部位である。又防振手段とは振動変位をある程度許容し、振動変位の過程で振動減衰を行うものであるから、元来、振動変位し易い天井中間部を振動し易い床構造に支持し、かつ、防振手段を伴う条件にすると、大きな衝撃を受ける事で却って増幅する場合が生じ、特に激しい衝撃を受ける場合には必ずしも適切な対処方法とは言い難い。
特許文献3も、特許文献2等と同様に、天井スラブ(床スラブ)より防振手段を介して天井を連結(吊る)する事が示されている。公知例のものは、RC造で、建築部材相互間の固定度の高い建築物であるが、通常の戸建や低層集合住宅の様な建築部材間固定度が低い建築物では、前記と同様に激しい衝撃を受けると、却って増幅するおそれがあり、適切な対処方法とは言い難く、別の手段である共鳴吸音手段も1つ当りに対処すべき周波数帯域幅は狭く、低周波に対応する為には、形状的に比較的大きくしなければならず、充分な機能を発揮する為には、通常の住宅の狭い天井空間には不向きである等の欠点がある。
本発明は、建築部材相互間の固定度が低い住宅に於て、重量床衝撃の様な大きく激しい衝撃を受けても、LHで2ランク以上の改善量が確実に期待出来る事、及びリフォームに適する様に、建物の構造体を変更する事無く施工出来る事を課題とした。
本発明は、建物の構造部材間相互の固定度が低い低固定度住宅における防音システムであって、防音浮床構造と防音天井構造とを具え、前記防音浮床構造が、床版、前記床版上の複数の防音床部材、前記防音床部材上の床下地部材及び前記床下地部材上の床仕上部材を備え、前記防音床部材が支持部材とバネ特性の異なる2種以上の複数の衝撃吸収部材とを有し、前記各防音床部材が各々離間して前記床版上に固定され、前記床下地部材が、複数の板部材による前記防音床部材上での積層によって形成され、前記床仕上げ材が前記床下地部材の最上部の板部材上に固定され、前記防音天井構造が前記防音浮床構造の床版下面から下階室天井下面までの天井空間を構成し、前記防音天井構造が、建物構造部材、天井部材及び前記天井部材を固定する天井保持部材を備え、前記天井部材が前記建物構造部材との間で隙間を有し、かつ前記天井部材が10〜40kg/m2の総面密度を有し、前記天井部材と前記建物構造部材との間の隙間に隙間介在部材が設けられることを特徴とする防音システムに係るものである。
本発明は、通常の戸建や低層集合住宅の様な建築部材相互間の固定度が低い建築物に於いて、2種の手段を併用する事に基づく。まず、床版上に直接衝撃力を作用させない様に、充分な衝撃吸収力を持つ2種類以上の複数の衝撃吸収材を支持材に一定の配列で配置してなる防音床材を複数で各々離間して固定し、その上に複数の板状材を積層した床下地材を設け、最上部に床仕上材を設けた防音浮床構造を形成し、重量床衝撃の様な大きく激しい衝撃力を広い面積に分散させ、1つの当りの衝撃吸収材が分担する衝撃力を弱め、床版への衝撃入力を床構造で出来る丈弱くしておく事が手段1である。
次に、床版下面から下階室天井面までの天井構造内で、天井材、天井保持材、天井材外周の隙間、好ましくは天井内防音材をも有し、かつ天井材が総面密度10〜40kg/m2を有し、上記隙間での隙間介在部材を必須構成材とし、かかる防音天井構造を形成する事で、上階床で発生し防音浮床構造で抑制出来なかった重量衝撃音を更に低減する事が手段2である。
本発明は、上記手段1と手段2とを併用する事で極めて有利な騒音低減効果が得られる。具体的には、建築部材相互間の固定度が低い住宅に於いて、重量床衝撃の様な大きく激しい衝撃を受けても、LH等の音性能で見て、少なくとも2ランク以上の大きな改善量が確実に期待出来、及び建物の構造体を変更する事なく、リフォームにも適する様に施工出来る。
本発明に用いられる構成材につき、以下詳細な説明を行う。
床版は、ALC床版、PC床版、木製や鋼製の根太上に板材を固定した床パネル等を例示する事が出来る。工法によっては、施工現場で根太と板材とを施工して床版とする場合もあり、本発明では、この様な工法の床も床版という。
床版は、ALC床版、PC床版、予め形成してある床パネル等では、複数の床版を用い、これらを水平方向に敷設固定される。この様な個々独立した床版は、隣接した床版が床衝撃を受けると別々の位相で振動するので、これ等床版間をまたがる様に板材を敷設し、ビス等で固定する事で、1つの大きな連結一体化床版となり、床版自体が重くなり、剛性も増すので、振動し難くなり、騒音防止の観点では好ましい。
床版の重量増を考慮すると、石膏ボード等を使用するのも有効であるが、ビス固定強度が不足するので、必ず合板、パーチクルボード等の木質板部材との併用が望ましい。又施工工程上、屋根が形成される迄に、雨や雪により床版が吸水する事を防止する為に、1層目の板部材の下に防湿フィルムを入れ、濡れるのは1層目のみとしておけば、表層の乾燥は容易となる。
防音床部材は、支持部材と2種類以上のバネ特性の異なる衝撃吸収部材を複数で用いたものである。支持部材は、細長い板状部材が望ましく、衝撃吸収部材を所定の位置に固定出来るもので、多くの衝撃吸収部材を一度でまとめて施工部位にセット出来、上に設置される床下地部材の動きを防音床部材全体に伝え、各々の衝撃吸収部材で衝撃吸収する。支持部材は、衝撃吸収部材の下及び上の少なくとも一方又は双方に設ける事が出来る。
衝撃吸収部材の表面で、支持部材と反対の側の面、つまり床版に固定する側の面には、予め衝撃吸収部材に粘着接着用の粘弾性体を貼っておく事で施工性が良好となる。粘着接着用の粘弾性体は、衝撃吸収部材のうち、高さが低いものと高いものを意図的に設ける場合には、高さの高いものには粘弾性体を貼っておき、低い方へは粘弾性体を貼らない方が良い。つまり、衝撃吸収部材が弾性成分の強い粘弾性体やバネの場合は、他の粘性成分の強い粘弾性体より低く設定すると、衝撃反力を低減し、床下地部材の振動減衰を早くする上で非常に効果が高く、単に重量衝撃音の改善効果が高いだけでなく、歩行感や第三者歩行振動の低減が良好となる。
本発明にかかる防音床部材は、それ自体でも、単体で際根太としての効果が高く、重量床衝撃音の悪化要因にもならない。防音浮床構造は、本来、際根太を有する事が出来、際根太は床下地部材の外縁部に設ける事が出来る(出願時請求項2)。際根太は、防音床部材と同じか、又は同種の防音床部材から構成され、同種の防音床部材としては、複数の衝撃吸収部材及びコマを有するものを用いる事が出来る。コマは、±30%以内の圧縮応力(5mm圧縮時)の粘弾性体からなり、圧縮解除後1日で90%以上の復元性を有する事が出来る(出願時請求項2)。上記性能に関しては、JIS-K-6254により、5mmの圧縮変形をさせた時の圧縮応力が各々±30%であり、復元性はJIS-K-6262に準じ、復元率(%)=(常温1日5mm圧縮し圧縮解除1日後の厚み/元の厚み)×100(%)を求める。
防音床部材と同様なものを際根太として用いるとき、際根太は、通常の防音床部材としての床版への固定ピッチでも良く、床上に設置されるものが重いと想定される場合には、通常の防音床部材の固定ピッチより狭いピッチとして用い良好に対応出来る。その他に、際根太として使用する防音床部材にのみ、緩衝部材としての振動絶縁部材、例えば、前述のゴムの小片を、コマとして、防音床部材の衝撃吸収部材間に配置しても良い。
上記コマの様な振動絶縁ゴムは、低反撥弾性のゴムが適しており、反撥弾性率は20%以下が望ましい(JIS-K-6255)。ゴムは最適な厚さで使えば良く、高さ調整は板部材や木片で行う様に積層品であっても良い。又圧縮応力の観点から、コマは更に、防音床部材に使用している衝撃吸収部材のうちの何れかの衝撃吸収部材と同様なもので構成してよく、±30%以内の圧縮応力(5mm圧縮時)の粘弾性体で、圧縮解除後1日で90%以上の復元性を有するものが望ましい。コマは1つの目安として4個/m以下で用いれば重量床衝撃音を悪化させ難い。
防音床部材の支持部材は、ビス固定が行い易い木質板部材が望ましく、幅は50mm〜200mm、長さは、汎用板部材が3×6版、つまり910mm幅×1820mm長さが一般的なので、支持部材の長さも、汎用板部材の短辺、つまり910mmと長辺、つまり1820mmが施工性、在庫、運送面でも扱い易く、音性能面でも床下地部材の最下層板部材が複数の防音床部材で支持され、かつ隣接する最下層板部材も同じ防音床部材で支持され、床衝撃を広い面積で受ける観点からは合理的となる。
支持部材は、防音床部材の長辺に対し、床下地部材の最下層板部材の長辺を直交する方向に使う事でその目的は達せられ、防音床部材は、例えば、910mm長さと1820mm長さの2種を用意しておけば、防音床部材の使い始めに、交互に910mmと1820mmを配置すれば、防音床部材の長辺の継ぎ目は同一ライン上になく、常に1つ置きに継ぎ目があり、床下地部材の最下層板部材で、沈み易い部分と沈み難い部分は生じ無くなり、音性能も安定し、歩行感も均一になる。又床下地部材の板部材も最下層板部材の長辺と次の層の板部材の長辺とを直交する様に積層すれば、広い面積で床衝撃を受ける事が出来、防音性能も安定し、歩行感、第三者振動にも良好となる。
次に、施工上、特に好適なもので、気を付ける点としては、床の外周、具体的には浮床部材の外周と壁等の建物構造部材との間に床隙間を設ける点である(出願時請求項3)。浮床部材は床下地部材及び床仕上部材からなるものである。これは、床を周囲の構造部材と物理的に縁切りし、接触による床振動の伝幡を回避する事と、床を周囲の構造部材で拘束する事無く、防音床部材の衝撃吸収部材で衝撃吸収し、床の動きを拘束し無い為に、より一層広い面積で衝撃吸収し易くして有利に働かせる事が出来る。更にもう1つの利点としては、床下空間には防音床部材しか無く、床下では自由に空気移動可能であり、床外周の隙間も設けてあるので、床下空気は自由に床側室内に流入し、その通過抵抗はほとんど無い事である。
床下地部材、床仕上部材は、特に制限される事無く、各種の板状部材を用いる事が出来る。代表的には、パーチクルボード、カラーフロア等である。
隙間は、通過抵抗をほとんど無くす為には、隙間の間隔は、好ましくは3mm以上に設定する。したがって、施工時には、床下地部材と壁等、床周囲の構造部材間に、合板(5mm厚×100mm幅×300mm長さ)等のスペーサを1〜2m間隔で全周に入れておき、施工後抜き取れば、必然的にスペーサ厚の隙間が全周で形成出来、しかも空気の通過抵抗が無いので、予定通り、床下空気が床衝撃でタイコ現象を起こして防音上悪化するのを回避する事が出来る。
隙間に幅木を用いる事が出来る(出願時請求項3)。幅木は、各種材質、形状等のものを用いる事が出来る。好ましくは、床外周の隙間を塞が無い様に、ほぼ隙間断面積の60%以上を確保出来る様に、通気溝等の通気部分を持たせた幅木で、床側室内に通気させる事で、防音上良好な通気性を確保出来る。幅木は、裏面の所々にクッション性に優れた粘着テープ付発泡体等の固定部材で壁に取り付ければ、振動が壁に伝達する事を回避出来、床との接触部には、床接触部に丸みを付けた変形追従性の良いゴム状物を設ければ、美感上も問題なくなる。
幅木は隙間が室内に直接露出し無い様にする事が出来、隙間を見えなくする事が出来るので、隙間自体は機能性を重視すれば、美観が問題とされる事が無い。床下空間と床上室内との間の虫等の移動を防止する観点からは、隙間上に、幅木取付時に防虫ネットのテープ状物を挟み込んでおいても良い。
次に、防音床部材の衝撃吸収部材につき説明する。
衝撃吸収部材は、本発明の中で非常に重要な部分である。衝撃吸収部材はバネ特性の異なるものから構成するのが良く、衝撃吸収部材を2種類以上のバネ特性を示す様に用いる事が重要で、かつ複数で用いる事が良い。バネ特性は、あくまでも、防音床部材が供用されるときの変位量の範囲近傍において異なるものが対象である。
衝撃吸収部材は支持部材の上下少なくとも1方に固定されるが、細長い支持部材に固定されたものが良く、それは、必然的に細長い防音床部材を構成するものとなる。細長い防音床部材は、複数の防音床部材で、複数の衝撃吸収部材が床下地部材を支持し、均一な支持力が必要となる。したがって、細長い防音床部材が均一な支持力が得られる様に、衝撃吸収部材を配置する事が重要となる。
衝撃吸収部材は、粘弾性体やバネからなり、2種類以上の異なるバネ特性を有するものの組合せである。中には、感温性の激しいものや、衝撃反力の高いもの等を用いる事が出来、必ずしも防音床部材の構成要素として望ましい特性のものだけで構成するのが良い訳では無い。この様な特性を理解した上で、総合的に最大限、望ましい特性を発揮し易く、望ましくない特性を発現し難くする工夫が必要となる。その方法として、衝撃反力の高いものは高さを低くして、床から僅かに離したり、感温性の激しいものは使用数を減じたり、形状により最適な物性となる様に工夫する必要がある。又他材質のものを近接して用いる手段も有効である。
以上が防音床構造の説明である。
次に、防音天井構造について説明する。
防音天井構造の高性能化に必要な部材として、天井内防音部材がある。天井内防音部材は、天井構造内の天井空間内で用い、吸音、遮音、制振、防振、音拡散の機能のうち少なくとも1種の機能を備え、天井空間内に配設して、優れた防音天井構造を形成する(出願時請求項7)。
この代表例は、吸音部材であり、ロックウール、グラスウール、不織布、連泡発泡体等が知られているが、本発明では、住宅であり、特に耐火上、無機質繊維系のものを用いるのが望ましい。ロックウール、グラスウールは比較的低コストであって、しかも吸音特性も良い点で、多くの住宅で、天井、壁に使用されている。本発明でも、吸音性能の良さに着目し使用する事が出来る。状況に応じ、ロックウールやグラスウールは、それ単体で用いても良く、又遮音部材との併用や、動吸振のバネ部材も兼ねる事も出来る。又音拡散板との併用もある。
又制振部材と遮音部材と吸音部材の組合せを、天井内防音部材として用いても良い。
天井保持部材は天井部材を固定し、天井の振動を抑制し、天井を面一に保持するものである。天井保持部材は、壁、梁、頭つなぎ部材、胴差等の建物構造部材から直接又は各種治具(専用治具、ライナ、吊り具等)を介して間接に支持固定する事が出来る(出願時請求項5)。
本発明では、防音浮床構造を具え、それにより音性能は改善されてはいるが、床衝撃を受けると、床版への振動入力が行われ、床版が振動するので、床版から天井保持部材を吊る事は避けるべきである。但し、根太や梁、胴差等は床版の様な直接振動で無い為、支持固定に使用しても、音性能に悪化は見られ無い。
天井保持部材は、軽量鋼製パネルや天井根太や木桟が、本発明に適している。天井保持部材は、梁、胴差、根太等からの吊り下げ固定では、天井保持部材の天井部材取付面と直交する面の天井部材外周の壁等の建物構造部材との間に隙間を設ける事が必要である。つまり、吊り下げ固定方法の場合は、天井保持部材の天井部材取付面と直交する面を有する建物構造部材の振動を受けると、音性能が悪化する事が経験上判って、予め、天井保持部材や天井部材と建物構造部材とを離間させておく事が、音性能の悪化を防ぐ上で、施工上、コスト上、ベストな方法である。この吊り下げ方法は、軽量鋼製パネルが適している。
天井部材、天井保持部材は、建物構造部材に固定するので、特に、天井根太や木桟の場合は、天井部材、天井保持部材、建物構造部材、治具等の取り合い部、接触面には、これらに振動絶縁部材を介するのが良い(出願時請求項5)。振動絶縁部材は、天井根太や木桟の端面に用いる事が良く、天井部材の載荷方向に用いる事は、天井部材の荷重変位で振動振幅を増幅させる為に、回避すべきである。
天井部材の載荷方向に用いて、良好な音性能が得られる方法は、天井部材取付部に、線状又は点状に振動絶縁部材を、好ましくは線状又は点状の振動絶縁部材を介して、天井部材を固定する場合であり、これは吊り下げ方式でも同様である(出願時請求項6)。
線状又は点状に設ける振動絶縁部材又は線状又は点状の振動絶縁部材は、硬度や貼付面積を加味しても、0.1mm厚〜3.0mm厚の範囲が好ましい。0.1mm厚未満では振動絶縁効果が少なくなり、逆に3.0mm厚を超えると硬度によっては振動変位が大きくなり易く、特に高周波音の改善度が悪化する傾向が生じ始める。
振動絶縁部材は、天井部材取付部に取付けるにはビス固定が良い。これは、締結圧によって振動絶縁部材の接触面積が増大し、厚みが薄くなる為であり、その結果、天井部材取付部に振動絶縁部材を介して取付けた場合は、特に1kHz〜4kHzの音性能が向上し、これにより、実際の聴感上も静かになったと感じる。
天井保持部材が鋼製パイプ状の材質である場合は、強度、重量面では良好であるが、鋼製材故の欠点がある。つまり、振動伝達効率が良い故に、振動し易く、減衰し難い。振動伝達速度が速く、騒音が発生し易く、継続時間が長いという欠点である。そこで、この様な材質を構成材中に含む場合は、その欠点が音性能悪化要因となるか否かを確認する必要があり、音性能悪化要因となる場合には、中空部への粘弾性体、発泡体、粉粒体の単位又は混合体、積層体を貼着、充填等する事で、悪化要因を解消する事が出来る。
天井保持部材の両端部等、特に建物構造部材と接する部位には、振動絶縁部材での処理が望ましい。こうする事により、特にパイプ等の場合、その両端にフタをする事となり、パイプ内発生音もパイプ外に出難くなる。
天井保持部材は、それ自体が天井部材の荷重を保持する為の剛性を有する必要性から、材質の如何を問わず、必要な厚みを有するべきであり、限度のある天井空間内では重要な空気層として、特に背後空気層として利用する事が防音の観点からは見逃せ無い。その理由から、天井保持部材を枠として、その上にゴムやポリマからなるフィルムやシートを貼り合せる事で、貼付フィルムやシートの張力と下部の背後空気層とを利用した吸音調整層や、張力を有するフィルムやシートの上に部分荷重を設けた動吸振層として利用出来る。この考え方は、天井内防音材との併用により、調音層として効果も大で、コストも少ない事から、十分な活用が望ましい。
ここで、本発明で用い得る振動絶縁部材について説明する。一般には、振動絶縁部材は振動伝達防止性能の高い物質と考えるべきである。しかし、通常は防振ゴム等との差は設けられてはい無いが、本発明では、常温で反撥弾性率が、25%以下の低反撥ゴム(JIS-K-6255)で、硬度がJIS A型で30〜60の比較的低硬度のもの(JIS-K-6253)が適している。更に望ましい条件は、常温で圧縮永久歪が少ないもの(JIS-K-6262)であり、常温×7日で30%以下のものである。つまり、低反撥ゴムは振動増幅を起こし難い特徴があり、更に低硬度という条件が加わると固定時に圧縮締結され、振動絶縁保持力が優れ、更に常温での圧縮永久歪が少ないと長期に亘って振動絶縁出来る為である。
ここで、反撥弾性は25%を超えても30%位までとは振動増幅し難いが、それ以上になると徐々に増幅し易くなって好ましくない。本発明では、25%以下は安全性を見た値である。硬度は30未満では徐々に圧縮締結時の圧縮変位が増し、振動絶縁保持性が悪くなり、逆に60を超えても圧縮締結し難くなり、同様に振動絶縁保持性が悪化するので好ましくない。常温での圧縮永久歪は30%以下であれば長期に亘って振動絶縁保持性が確保出来るが、30%を超えると振動絶縁の長期安定性が保てなくなるので好ましくない。
天井部材は1層以上の層からなり、最下層は、好ましくは面一性確保及び耐火上の観点から、不燃性板状部材である。天井部材は、遮音性、制振性を有する事が重要な条件であり、本発明の目的達成の観点からは、天井部材は、10kg/m2〜40kg/m2の総面密度を有し、好ましくは、低周波域共鳴透過防止、及びコインシデンス効果回避(解消)の材料、又はそれらの為の制振性を具備する(出願時請求項4)。
制振性を具備させる方法としては、拘束型又は非拘束型の制振処理手段を用いるか、又は二重天井構造とする方法の少なくとも一方を用いれば良い。前記総面密度に於いては10kg/m2未満では、減少するにつれて総面密度が不足し、本発明で用いる他の構成要素と併用しても、本発明の目的を達成し得る音性能は得られ無い。逆に総面密度が40kg/m2を超えると、重量増の為の取付作業が悪化する。又何回にも分けて取付ける必要が生じ、作業性の悪化故の仕上がりの悪化のおそれも増して好ましくない。更に、重量増に起因する天井のダレを避ける為に、天井保持部材の補強の必要性が生じ、コスト増につながるおそれも増して好ましくない。
前記総面密度のより好ましい範囲は15kg/m2〜40kg/m2であり、低波域共鳴透過やコインシデンス効果を回避する為の制振部材や二重構造天井による対策の適用上の制約も軽減し、効率の良い遮音性・制振性を得易くなる。このとき、制振部材は、それ自体の面密度を必ずしも大きくする必要はなく、天井部材や任意の材質のシート、フィルム、薄板、箔等の拘束部材と共に、拘束型、非拘束型として用いる粘弾性体で、制振特性の良いものを選定する方が良い。天井に用いる制振部材は、特に高周波騒音を低減する上では効果が高く、聴感上も良好となる。又二層天井構造については、板部材間に空洞を形成する為のスペーサは、それ自体が制振特性を発揮する粘弾性体や、スペーサと天井部材間に粘弾性層を形成するものを介して、二重天井構造とする方が効果が高く、内部空間には吸音部材を設けても良い。
天井部材は、耐火上、無機質系、金属系のものが望ましく、中でも石膏ボード(硬質や強化石膏ボードを含む)、ケイカル板、木毛セメント板、ALC板、各種金属板が例示される。又天井部材の一部として用いられる制振部材は、各種エラストマをポリマ主成分として用いた粘弾性体が好ましく、前記無機質系や金属系の天井部材と積層して、端部断面のみが空気に接触する様に用い、酸素供給を遮断する構造で用いる事が、制振性能上、耐火上、特に好ましい。
又特に、制振部材は、各種の難燃剤を混入させる事により、その効果を大きく増大させ得る。前記難燃剤は、公知の難燃剤を用いれば良いが、燃焼ガスや不純物として含まれ易い毒物(例は、三酸化アンチモンに対するヒ素又はその化合物)やリン系可塑剤の環境への悪化等々、最終的に人体への悪影響を出来るだけ少なくする配慮が必要である。それらに適したもので、効果的な物質は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムであり、それ等はエラストマに対して同量程度含有させると、非常に効果が高くなり、更に熱膨張性黒鉛やホウ素化合物を併用する事で、添加量の軽減が可能となるだけでなく、熱膨張性黒鉛では、炭化発泡膜の形成による制振部材の温度上昇防止に効果があり、ホウ素化合物では、それによる表面へのガラス質膜の形成で、酸素遮断を効果的に行う処方を組む事が出来る。
ここで、天井部材のコインシデンス効果とは、遮音部材である板部材が、コインシデンス限界周波数近傍で板部材が振動し、音響放射パワーをその周波数域で生じる為、遮音性能が低下する現象を言い、コインシデンス限界周波数(fc)は、以下の式で示される。
Figure 2009035925
一方、音響放射パワー(W)は次式で示される。
Figure 2009035925
上式により放射音を小さくする条件は、fcを数万Hzとする事で限りなく1/fc2が0に近づき、音響放射パワー(W)を限りなく0に近づける事である。
ここで、fcを大きくするには、mを大きく、Bを小さくする事で、目的が達成される事が判る。本発明では、又天井部材の施工上の観点からも、天井部材の外周は、周囲の壁面と接触し無い様に、隙間が設けられる必要がある。つまり、上階床の振動伝幡が壁を経由して天井を振動させ無い為である。又最下層の天井部材は、その上層の天井部材より更に外周の壁との隙間を大きくし、確実に気密性を確保するシール溝を形成しても良い。
隙間介在部材は、前述の通り、天井空間内の空気が下階室内に連通する事を防ぐ、即ち気密性を確保出来る作用効果を本質的に備える。又隙間介在部材は、天井部材及び天井部材外周の建物構造部材の表面上での重なり部分を有する事が出来、隙間介在部材は天井部材及び建物構造部材に固定され、互いを拘束するか、又はそれらの剛性を高める(出願時請求項8)。この意味で、隙間介在部材は、それを設ける天井外周の補強によって天井の外周拘束による天井の振動抑制の作用効果の2つ目の作用効果がある。つまり、天井外周の隙間塞ぎ部材等は、天井部材と天井部材外周の建物構造部材の隙間を塞ぎ、かつ天井外周近傍の天井部材の拘束度又は剛性を上げる事により、隙間塞ぎと振動抑制の2つの効果を有する防音天井構造を提供する。
隙間介在部材は、又積極的に隙間を設け無い場合に生じる隙間を防ぐ意味で、隙間防止材とも言える。この様なものは、液状タイプのコーキング部材やシーリング部材、定型粘弾性体、定型粘弾性体をフィルム、シート、薄板、箔等に積層したものが例示される。使用時に液状タイプのコーキング部材や、定型粘弾性体は、隙間防止による気密性を付与する効果は高いものの、天井部材外周の補強効果には乏しく、定型粘弾性体の積層タイプは、天井外周を拘束する働きが比較的強く、全体として、天井部材自体の制振効果を発揮させ易くなる。このとき、天井部材は、天井保持部材に固定されるが故に、天井部材外周の拘束による天井全体としての振動抑制効果は予想以上に大きく、その結果、騒音防止効果も非常に大きくなるという予期し得無い結果を得る事が出来る。
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。符号は、同様の部材について同じ数字を充てるが、形状、大きさ、材質等が異なる場合も含み、符号が同じでも、まったく同一のものを示しているのではない。
図1は1例の床版設置用鉄骨梁及び天井取付用鋼製天井パネルの平面図である。図2は図1のA−A´線で見る1例の防音システムの断面図である。図3は図1のA−A´線で見る他の例の防音システムの断面図である。図4は図1のA−A´線で見る更に他の例の防音システムの断面図である。図5は図1のA−A´線で見る更に他の例の防音システムの断面図である。図6は更に他の例の防音システムの断面図である。図7は更に他の例の防音システムの断面図である。図8は更に他の例の防音システムの断面図である。図9は更に他の例の防音システムの断面図である。図10は鋼製天井根太端部の振動絶縁部材の1使用例を示す図である。
図1は以下に示す実施例において1例として用いた床版設置用鉄骨梁と天井取付用鋼製天井パネルの取付状況を示す平面図である。鉄骨梁は鋼板(1)を床コンクリートにボルト固定し、鉄骨梁両端はボルト固定用の穴明鋼板が溶接してあり、梁が交差する部位は、前記穴明鋼板と固定する為のジョイントボックス(2)が四隅の床コンクリート上の鋼板(1)に固定され、両方の長辺を大梁(3)、片側短辺を大梁(3)の中央の短辺と、残る片側短辺を小梁(4)とし、“日”の字状に床開口部上に梁組した。鋼製天井パネル(5)を、梁組より吊り金具(6)を下し、取付けた。床開口部両短辺には、予めアルミ箔付粘弾性体を取付けた野縁ライナ受金具(7)を床開口部にビス固定し、鋼製天井パネル(5)を嵌合している。
図2は1例の防音システムであり、防音浮床構造断面と防音天井構造断面の図である(例1)。防音浮床構造断面は例1〜4及び比較例1において共通である為、図3〜5では説明を省略するが、ほぼ同様な部材を示す。図1で説明した梁組(3,4)の上に防振ゴム(図では省略した)を介して、ALC(11)を敷き並べ、固定治具(図では省略)で梁に固定し、その上に、防湿シート(10)、硬質石膏ボード(13)、パーチクルボード(12)が積層固定され、一体化した床版(21)が形成される。その上には、3種のバネ特性の異なる衝撃吸収部材(22)の上側を、合板(支持部材16)に固定した防音床部材(23)が配置されている。防音床部材(23)の上に、下から、パーチクルボード(12)、遮音マット(17)、パーチクルボード(12)、カラーフロア(24)が積層され、固定され、防音浮床構造が形成されている。糊付遮音シート(9)は2mm厚のものである。
一方、防音天井構造は以下の様になっている。床版(21)下の床開口部の短辺長端で、床開口部側と接する部分に、アルミ箔0.1mm厚付粘弾性体(総厚1.1mm)を貼り付けた(図では省略)野縁ライナ受金具(7)をビス固定し、軽量鉄骨製天井パネル(5)4枚を野縁ライナ受金具(7)に嵌合し、梁から吊った吊り金具(6)で固定すると共に、吊り金具(6)の高さ調節ネジで、天井パネル(5)の面を調整し、天井パネル(5)を天井保持部材とした。この天井保持部材は、例1〜4、比較例1は共通である。
天井保持部材上に、天井内防音部材として、ロックウール防音部材(26)40K、50mm厚を敷き詰めた。次に、石膏ボード12.5mm厚(25)を外周全周の床開口部との隙間を5mmとして天井パネル(5)(天井保持部材)に固定した。次に、12.5mm厚の石膏ボード(25)の全面に、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(18)(総厚1.4mm)からなる拘束型制振部材を貼り付け、その上に二層目の天井部材として石膏ボード(25)を固定した。このとき、外周全周に隙間(19)を設けた。前記隙間(19)は隙間塞ぎ部材(20)として、アルミ箔0.1mm厚付粘弾性体(総厚1.1mm)で塞いで、防音天井構造を形成した。
図2に従い、本発明の基本的な構成を説明すると、1例の防音システムは、建物の構造部材間相互の固定度が低い低固定度住宅に於けるものであって、防音浮床構造と防音天井構造とを具え、防音浮床構造が、床版(21)、床版(21)上の複数の防音床部材(23)、防音床部材(23)上の床下地部材(パーチクルボード12等)及び床下地部材(パーチクルボード12等)上の床仕上部材(カラーフロア24等)を備え、防音床部材(23)は支持部材(合板16等)とバネ特性の異なる2種以上の複数の衝撃吸収部材(22)とを有し、各防音床部材(23)が各々離間して床版(21)上に固定され、床下地部材(パーチクルボード12等)が、複数の板部材(パーチクルボード12等)による防音床部材(23)上での積層によって形成され、床仕上げ材(カラーフロア24等)が床下地部材(パーチクルボード12等)の最上部の板部材(パーチクルボード12等)上に固定され、防音天井構造が防音浮床構造の床版(21)下面から下階室天井下面までの天井空間を構成し、防音天井構造が、建物構造部材(2F床躯体14等)、天井部材(石膏ボード25等)及び天井部材(石膏ボード25等)を固定する天井保持部材(天井パネル5等)を備え、天井部材(石膏ボード25等)が建物構造部材(2F床躯体14等)との間で隙間を有し、かつ天井部材(石膏ボード25等)が10〜40kg/m2の総面密度を有し、天井部材(石膏ボード25等)と建物構造部材(2F床躯体14等)との間の隙間に隙間介在部材(隙間塞ぎ部材20等)が設けられる事を特徴とする。
図3は他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例2)。防音浮床構造と天井保持部材である天井パネル(5)の説明は、図2で説明したものと共通するので省略する。天井パネル(5)の上に、ロックウール吸音部材(26)40K、50mm厚の上に、2mm厚糊付遮音シート(図示していないが遮音シート(9)と同様なもの)を貼り付けて、天井内防音部材(27)とし、全面に敷き詰めた。床開口部と天井部材との隙間(19)が全周にわたり5mmとなる様に、15mm厚石膏ボード(25)を天井パネル(5)に取り付け、更に同様にして、全面に0.2mm厚鉄板付粘弾性体(18)(総厚1.4mm)を15mm厚石膏ボード(25)に貼り付けたものを天井パネルに取付ける。
床開口部と天井部材の隙間はシリコンコーキングを用いた隙間塞ぎ材とした。
図4は更に他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例3)。防音浮床構造と、天井保持部材である天井パネル(5)の説明は、図2のものと共通であるので省略する。天井パネル(5)の上に、ロックウール40K、50mmを敷き詰めて、天井内防音部材(27)とし、天井部材として12.5mm厚石膏ボード(25)を隙間なくビス止めし、外周の床開口部との間には隙間(19)を設けた。同様にして、12.5mm厚石膏ボード(25)に、ボード面積の70%となる様に、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(18)(総厚1.4mm)を貼り付け、天井パネル(5)にビス止めした。床開口部と石膏ボード(25)の隙間を5mmとし、その隙間はシリコンコーキングで塞いだ。
図5は更に他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例4)。防音浮床構造と天井パネル(5)は、図2で説明したものと共通であるので省略する。天井パネル(5)の上にロックウール(26)を敷き詰め、天井内防音部材(27)とした。天井部材には、15mm厚石膏ボード(25)を2層用い、その間には上記0.2mm厚鉄板付粘弾性体(18)等の制振部材は用いていない。床開口部と天井部材の間は隙間(19)が全周にあり、その隙間(19)は0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)を隙間塞ぎ材(20)として塞いだ。
図6は更に他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例5)。防音浮床構造は例5〜8及び比較例2と共通に用いる。防音浮床構造は、枠組壁工法の床版を用い、試験室2階の床開口部の受け部(15)に、ゴム(31)を介して載置した。床版(21)上に防音床部材(23)を配置し、その上に20mm厚パーチクルボード(12)、8mm厚遮音マット(17)、15mm厚パーチクルボード(12)、カラーフロア(24)の順に、下から上へ積層して防音浮床構造を形成した。この防音浮床構造は上述の様に例5〜8及び比較例2に共通している。
次に、天井保持部材としては、角パイプからなる鋼製天井根太(29)を、両端において鋼製天井根太端部受材(35)で胴差(33)に釘固定している(図6では記載なし、以下の図10に詳細に示す)。このとき、例5〜8は鋼製天井根太(29)と端部受材(35)との間に振動絶縁部材(30)を介在させている(図では記載なし)。尚、鋼製天井根太(29)の下部の天井固定部は、端部受材(35)の受け部以外の全面を、線状で3mm厚の振動絶縁ゴム(30)を貼り付けた。天井保持部材である鋼製天井根太は、芯々ピッチを455mmとし、例5〜8は共通とした。天井保持部材上に、ロックウール24K、50mm厚を置き、枠組壁工法の床版下部の頭つなぎ部材(32)内周と天井部材(25)外周との隙間(19)が5mmとなる様に、12.5mm厚石膏ボード(25)、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)(18)、12.5mm厚石膏ボード(25)を、鋼製天井根太(29)にビス止めした。
次に、天井周囲の隙間(19)を、0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚11mm)を隙間塞ぎ材(20)として塞いだ。
図7は更に他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例6)。防音浮床構造は、例5の図6と共通であるので、ここでは説明を省略する。又鋼製天井根太(29)及び両端の端部受材(35)も図6と共通であるので、ここでは省略する。鋼製根太(29)上の天井内防音部材(27)は、下から遮音シート(9)、吸音部材(26)、張力を掛けたフィルム(34)、吸音部材(26)の順に積層したものを使用した。天井部材は、12.5mm厚石膏ボード(25)、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)(18)、15mm厚石膏ボード(25)をビス固定している。外周の隙間(19)は0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)を隙間塞ぎ材(20)として使用した。
図8は更に他の例の防音床構造と防音天井構造の断面図である(例7)。防音床構造は、例5の図6と共通であり、省略する。鋼製天井根太(29)及び両端の端部受材(35)も図6と共通故、省略する。鋼製天井根太(29)上に300ピッチで設けた30mm厚スポンジの振動絶縁部材(30)上に、遮音シート(9)を貼った吸音部材(26)を天井内防音部材(27)として設けた。天井部材は、12.5mm厚石膏ボード(25)と、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)(18)を全面に貼った12.5mm厚石膏ボード(25)とをビス固定した。天井部材外周の隙間(19)は0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)を隙間塞ぎ材(20)として全周に設けた。
図9は更に他の例の防音浮床構造と防音天井構造の断面図である(例8)。防音浮床構造は例5の図6と共通故、省略した。鋼製天井根太(29)及び両端の端部受材(35)も図6と共通故、省略した。構成は、床版直下の胴差(33)/床根太(28)又は床根太(28)/床根太(28)の間に、12.5mm厚石膏ボード2層(25)とその上の吸音部材(27)とした。
天井部材は、12.5mm厚石膏ボード(25)と12.5mm厚石膏ボード(25)の間全面に0.2mm圧鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を貼り、積層して、鋼製天井根太(29)に固定した。天井部材外周と頭つなぎ部材(32)内周の間の隙間(19)は0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体を隙間塞ぎ材(20)として貼付固定した。
図10は、例5〜8の鋼製天井根太(29)の端部での振動絶縁部材の使用例を示す要部断面図である。両端は胴差(33)に釘で固定されている。両端は端部受材(35)に差し込まれ、鋼製天井根太(29)と端部受材(35)の間には振動絶縁部材(30)が介在している。又鋼製天井根太(29)の下面は端部受材(35)の部分以外に振動絶縁部材(30)を介して天井部材を固定する様になっている。
[実施例]
以下、図面を参照し、本発明を実施例及び比較例に基づき説明する。
(共通の構成(実施例1〜4、比較例1))
実施例1〜4、比較例1に於て、実験は以下の様にして行った。
上階開口部で、その四隅をRC造実験室の床にボルト固定した鋼板に、ボルト固定したジョイントボックスを設置し、大梁長辺2本と短辺1本と小梁短辺2本をボルト固定して梁組を作り、短辺梁上に両端1列、中央2列の防振ゴム(図では省略した)を貼り付け、その上にALC床基版(100mm厚×606mm幅×1820mm長さ)を片側3枚ずつ載せ、計6枚をALC固定穴に固定治具を通し、梁と固定した。次に、防湿フィルム70μ(ミクロン、μm)×1000mm幅を継目ラップ約100mmで全面に敷き、その上に、硬質石膏ボード(9.5mm厚×910mm幅×1820mm長さ)とパーチクルボード(12mm厚×910mm幅×1820mm長さ)を重ねて、ALC床基版6枚の短辺が集まる床中央小梁の上部に硬質石膏ボードとパーチクルボードの長辺中央が重なる様に設置し、DACビスにてALC床基版に縦横300mmピッチで固定し、その両側に中央と同様に、硬質石膏ボードとパーチクルボードを重ねて、ALC床基版の長辺と長辺が直交する方向で、DACビスにてALC床基版に固定した。それらの両側に、硬質石膏ボードとパーチクルボードの各々455mm幅×1820mm長さを重ねて、DACビスで固定し、水平な一体化床版とした。
その上に、9mm厚×100mm幅×1818mm長さの合板の片面に10倍発泡ポリエチレン(PE)1mm厚を貼り付け、残る片面に、衝撃吸収部材A、B、C(A、B、Cはバネ特性が各々異なる3種である。)を、1つの防音床部材当りに、Aを4個、Bを8個、Cを2個固定した。A、Bは予め1mm厚の粘接着材が設けてあり、表面は保護フィルム付である。防音床部材により、床外周口の字伏に囲み、内部に、芯々で約300mmピッチで、防音床部材を床版に固定した。
次に、パーチクルボード20mm厚×606mm幅×1818mm長さを、防音床部材の長辺に直交して敷き並べ、防音床部材の支持部材に、ビス固定した。固定ピッチは縦横約300mmである。次に、4mm厚×455mm幅×910mm長さの遮音マットを全面に敷き並べ、その上に、パーチクルボード15mm厚×910mm幅×1820mm長さを、下層のパーチクルボードと継目が重なら無い様に、下層パーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で敷き並べ、縦横約300mmピッチで、最下層のパーチクルボードにビス固定した。次に、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのカラーフロアを下層パーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で全面にフロアーネイルで固定して、防音浮床構造を完成させた。尚、ALC床基版の側面は、その約1/2の厚みから2F床面に糊付遮音シート3mm厚を全周に亘り固定した。
上記防音床構造は、以下の実施例1〜4及び比較例1では共通とし、それらの相違は天井構造のみである。
図1及び図2に示す天井構造を施工した。図1は針組及び天井パネルの平面状況を示す図であり、実施例1〜4及び比較例1で共通である。図2は実施例1の防音システムを示すものである。床版(ALC床版)下の床開口部の短辺両端に、床開口部側と接する部分に、アルミ箔0.1mm厚付粘弾性体(総厚1.1mm)を貼り付けた野縁ライナ受金具をビス固定し、軽量鉄骨製天井パネル(47mm厚×900mm幅×1350mm長さ)4枚を野縁ライナ受金具と梁から吊った吊り金具で固定すると共に、吊り金具の高さ調整ネジで、天井パネルの面一を調整し、天井パネルを天井保持部材とした。天井保持部材上の天井空間に、天井内防音部材としてロックウール40K、50mm厚を敷き詰めた。
次に、石膏ボード12.5mm厚を、外周の床開口部全周で、各々石膏ボードとの隙間が5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間が無い様にして、天井パネルに縦横約300mmピッチでビス固定した。次に、12.5mm厚の石膏ボード全面に0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)からなる拘束型制振部材を貼り付け、これを二層目の天井部材として天井パネルに縦横約300mmピッチでビス固定した。二層目の石膏ボードも、天井周囲の床開口部との隙間が5mmとなる様にし、石膏ボード間の隙間が無い様に固定した。次に、アルミ箔0.1mm厚付粘弾性体(総厚1.1mm)からなる拘束型制振部材を、60mm幅×1mm長さで、天井及び隙間方向に40mm幅、床開口部に20mm幅となる様に、直角に折り曲げて、隙間塞ぎ材として天井外周に貼り付け固定した。尚、隙間塞ぎ材間のラップは2cmとし、防音天井構造とした。
次に、重量床衝撃音を63Hz〜4kHzまで測定し、結果を表1に示した。衝撃源はバングマシンとした。JIS-A-1418-2:2000に規定する衝撃力特性(1)を持つ重量衝撃源である。
実施例1と同じ床構造と天井パネルとを用い、図3に示す天井断面構造を施工した。天井パネル上にロックウール40K、50mm厚の上に、2mm厚糊付遮音シートを貼付けて、天井内防音部材とし、全面に敷き詰めた。次に、15mm厚石膏ボードを、天井外周の床開口部との隙間が全周で5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間が生じ無い様にして、天井パネルに、縦横約300mmピッチでビス固定し、全面に0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を15mm厚石膏ボードに貼り付けたものを、前記15mm厚石膏ボードと同様にして、ビス固定し、天井外周と床開口部の隙間は、シリコンコーキングで塞ぎ、硬化と隙間塞ぎのモレ等の確認をして、実施例1と同様に、重量床衝撃音を測定し、表1に結果を示した。
実施例1と同じ床構造と天井パネルを用い、図4に示す天井断面構造を施工した。天井パネル上にロックウール40K、50mm厚を敷き詰めて、天井内防音部材とした。12.5mm厚石膏ボードを、床開口部と天井部材との隙間が全周で5mmとなる様、又石膏ボードの隙間が無い様に、縦横約300mmピッチで、天井パネルにビス固定した。12.5mm厚石膏ボードに、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を、石膏ボード面積の70%となる様に貼り付け、前記12.5mm厚石膏ボードと同様に、天井パネルにビス固定した。天井外周と床開口部の隙間は、シリコンコーキングで塞ぎ、硬化と隙間塞ぎのモレ等の確認をして、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、表1に結果を示した。
実施例1と同じ床構造と天井パネルを用い、図5に示す天井断面構造を施工した。天井パネル上に、ロックウール40K、50mm厚を敷き詰め、天井内防音部材とした。15mm厚石膏ボードを、床開口部と天井部材との隙間が全周で5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間が無い様に、縦横約300mmピッチで天井パネルにビス固定した。さらに、15mm厚石膏ボードを、1層目の15mm厚石膏ボードと同様に、天井パネルにビス固定した。天井外周の隙間を、0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)により、幅50mm、1m長さを幅中央で直角に折り曲げ、天井部材及び床開口部に貼り付けて、実施例1と同様に重量床衝撃音の測定を行い、結果を表1に示した。
図2に示す床開口部の受け部で固定出来る様に、受け部上の全周にゴムを置き、その上に、枠組壁工法の床版(365mm高さ×1810mm幅×2730mm長さ)をセットし、その上に、実施例1〜4、比較例1に共通して用いた防音床部材を用いて、同様に床版外周に口の字状に防音床部材を配置し、内側に約300mmピッチで、床版に固定した。次に、防音床部材上に、パーチクルボード20mm厚×606mm幅×1818mm長さを、防音床材長辺と長辺を直交する方向で、縦横約300mmピッチで、防音床部材の支持部材にビス固定した。次に、8mm厚455mm幅×910mm長さ、比重3の遮音マットを全面に敷き並べ、その上に、パーチクルボード15mm厚×910mm幅×1820mm長さを浮床最下層のパーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で敷き並べ、縦横約300mmピッチで最下層のパーチクルボードにビス固定した。次に、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのカラーフロアを下層のパーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向でフロアーネイルにて固定した。
この防音浮床構造は実施例5〜8、比較例2に共通して用いた。
次に、天井保持部材として、角パイプからなる鋼製天井根太を鋼製天井根太端部受材に両端に振動絶縁ゴム8mm厚を当てて固定した。尚、鋼製天井根太の天井固定部は、受材の受け部以外の全面を線状で3mm厚振動絶縁ゴムを貼り付けた。鋼製天井根太の芯々ピッチは455mmである。
天井保持部材は実施例5〜8で共通とした。図6に示す天井構造を施工した。
天井保持部材上に、ロックウール24K、50mm厚を置き、枠組壁工法の床下部の頭つなぎ部材内周と天井部材外周との隙間が5mmとなる様に、石膏ボード12.5mm厚を鋼製天井根太にビス固定した。固定ピッチは天井根太長手方向では、約300mmとした。鋼製天井根太間は455mmである。次に、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を12.5mm厚石膏ボード全面に貼ったものを、前記12.5mm厚石膏ボードと同様にビス固定し、天井部材外周と頭つなぎ部材との隙間を、0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)、50mm幅、1m長さを用いて塞いだ。尚、隙間塞ぎ材のラップ代は2cmとした。
実施例1と同様に重量床衝撃音の測定を行い、結果を表2に示した。
実施例5と同じ防音浮床構造と鋼製天井根太を用い、図7に示す天井構造を施工した。ロックウール24K、25mm厚2枚の間に、枠内に張力をかけて100μポリエチレンフィルムを張ったものを挟み、ロックウール下面に2mm厚遮音シートを貼って、鋼製根太上に置いた。次に、12.5mm厚石膏ボードを、外周の頭つなぎ部材との隙間が5mmとなり、石膏ボード間の隙間が無い様に、ビス固定した。0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を15mm厚石膏ボード全面に貼り、前記12.5mm厚石膏ボードと同様にビス固定した。尚、固定ピッチは実施例5と同様である。天井部材外周の隙間を、0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体(総厚1.1mm)、50mm幅、1m長さで、ラップを2cmとして塞いだ。実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表2に示した。
実施例5と同じ防音浮床構造と鋼製天井根太を用い、図8に示す天井構造を施工した。上部に遮音シート2mm厚を貼ったロックウール24K、50mm厚を、鋼製天井根太上に300mmピッチで固定した30mm厚スポンジからなる振動絶縁部材上に置き、12.5mm厚石膏ボードと、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を全面に貼った12.5mm厚石膏ボードを、順に鋼製天井根太にビス固定した。実施例5と同様に、頭つなぎ部材と各天井部材の隙間は全周5mmとし、石膏ボード間の隙間は無い。ビス固定ピッチも実施例5と同様である。0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体で前記隙間を塞ぎ、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表2に示す。
実施例5と同じ防音浮床構造と鋼製天井根太を用い、図9に示す天井構造を施工した。床下面近くに12.5mm厚石膏ボード2層と、その上のロックウール24K、50mm厚を止め木で止め、二重天井とした。鋼製天井根太に、12.5mm厚石膏ボードと、12.5mm厚石膏ボード全面に、0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)を貼り、順にビス固定した。天井部材外周の頭つなぎ部材との隙間は5mmとし、石膏ボード間は無しとし、固定ピッチも実施例5と同様である。天井部材外周の隙間は0.1mm厚アルミ箔付粘弾性体を用いて塞いだ。実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1で用いた防音浮床構造と鋼製天井パネルを用いた。鋼製天井パネル上にロックウール40K、50mm厚を敷き詰め、石膏ボード12.5mm厚を縦横約300mmピッチでビス固定した。床開口部全周で石膏ボードとの隙間が5mmとなる様に、石膏ボード間の隙間は無い様に、固定した。回り縁を両面テープで床開口部に取り付けて、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例5で用いた防音浮床構造を用い、天井取付面及び両端には振動絶縁部材を用いずに、鋼製天井根太を端部固定材を用いて胴差に固定した。鋼製天井根太上にロックウール24K、50mm厚を直置し、石膏ボード12.5mm厚を2枚、鋼製天井根太にビス固定した。石膏ボード外周の頭つなぎ部材の隙間は5mmとし、石膏ボード間の隙間は無しとした。隙間は、回り縁を両面テープで頭つなぎ部材に取り付けて処理し、実施例1と同様に重量床衝撃音を測定し、結果を表2に示す。
Figure 2009035925
Figure 2009035925
以下、表1及び表2に示す実施例及び比較例の結果に基づき、本発明の具体的な効果について説明する。
実施例1は防音浮床構造に加えて防音天井構造を設けた例で、天井部材の12.5mm厚石膏ボード2層の間に、0.2mm厚鉄板付粘弾性体があり、拘束型制振部材として有効に作用し、防音床部材を設け、通常床より2ランク改善された比較例1よりも、更にLHが3改善された。少なくとも2ランクを改善する上で、効果は十分である。
実施例2は天井部材の面密度を25.1kg/m2に上げ、天井内防音部材に遮音シートを設けた例である。比較例1よりも更に1ランク(5dB)改善されており、少なくとも2ランクを改善する上で、十分な効果がある。
実施例3は、実施例1と天井外周の隙間塞ぎ材を、実施例1のアルミ箔0.1mm厚付粘弾性体(総厚1.1mm)からシリコンコーキングに代えた例である。実施例1と同様な結果で、LH値はLH53であるが、実施例1の方が天井外周をアルミ箔0.1mm厚付粘弾性体を拘束型制振部材として用いた分、1kHz以上で若干改善効果が高くなっている事が判る。しかし、実施例3も比較例1よりLH値で3改善出来ており、常に2ランク以上改善する上での効果は十分にある。
実施例4は、天井部材を面密度21.0kg/m2となる様に、石膏ボード厚15mmの2層貼りで層間に0.2mm厚鉄板付粘弾性体(総厚1.4mm)は設けていない例である。これも実施例1及び3と面密度はほぼ同じであるが、低周波〜中周波側では、約1dB、63〜500Hzで良くなっているが、1kHz〜4kHzの高周波側では、2〜3dB程度悪化している。これは、粘弾性体が制振部材として高周波音を防止していると考えられる。比較例1と比べ、LH値で4改善出来、十分な効果がある。
実施例5は、枠組壁工法の床に重量音対策床を設け、元の建物から2ランク改善した防音浮床(比較例2)とし、更に防音天井を設けた例である。防音天井とする事で、比較例1よりLH値で3改善され、比較例2の通常床から2ランク改善したものを更に、常に2ランク以上の改善量が得られる様に、防音天井とする効果は十分に得られている。
実施例6は、実施例5の天井より更に、2層目の石膏ボードを12.5mmから15mmに増し、かつ天井内防音部材の中央に張力をかけたフィルムを設けた例である。実施例5より、63Hzで1dB、500Hzで1dB、1kHzで3dB、2kHz〜4kHzで5dBの改善が出来、聴感で静かであるとすぐ判る。比較例2よりLH値で4改善している。この効果は常に通常床より2ランク改善する上で効果が大と言える。
実施例7は、天井内防音材に遮音シートを設け、かつスポンジで30mm上に持ち上げ、背後空気層を厚くした例である。高周波側が良く改善され、比較例2のLH値の改善が3であるにも拘らず、聴感が良好となっている。この効果も十分である。
実施例8は、天井内防音部材にロックウール24K、50mm厚と、石膏ボード12.5mm厚2枚を用い、二重天井とした例であり、比較例2と比べ、更に1ランク以上(6dB)改善出来、通常床からの2ランク以上の改善の確保は十分に出来る効果がある。
以上の如く、実施例1〜8では、防音浮床で重量衝撃音の改善が2ランク(比較例1及び2)出来るものを、更に防音天井とする事で、更に3〜6dB改善出来、2ランク以上の改善を確保する目的が十分に達成出来る事が判るだけでなく、高周波音を改善し、聴感上も優れる事が判る。
重量床衝撃の様な大きく激しい衝撃を受けても、LHで2ランク以上の様な音性能改善量が確実に期待出来る防音システムであり、及び建物の構造体を変更する事なく、リフォーム等に適する様に施工出来る。
1例の床版設置用鉄骨梁及び天井取付用鋼製天井パネルの平面図である。 図1のA−A´線で見る1例の防音システムの断面図である。 図1のA−A´線で見る他の例の防音システムの断面図である。 図1のA−A´線で見る更に他の例の防音システムの断面図である。 図1のA−A´線で見る更に他の例の防音システムの断面図である。 更に他の例の防音システムの断面図である。 更に他の例の防音システムの断面図である。 更に他の例の防音システムの断面図である。 更に他の例の防音システムの断面図である。 鋼製天井根太端部の振動絶縁部材の1使用例を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 ジョイントボックス
3 大梁
4 小梁
5 天井パネル(天井保持部材)
6 吊り金具
7 野縁ライナ受金具
8 2F床閉口部
9 遮音シート
10 防湿シート
11 ALC
12 パーチクルボード(床下地部材、板部材)
13 硬質石膏ボード
14 2F床躯体(建物構造部材)
15 2F床閉口部の受け部
16 合板(支持部材)
17 遮音部材
18 制振部材
19 隙間
20 隙間塞ぎ部材
21 床版
22 衝撃吸収部材
23 防音床部材
24 カラーフロア(床仕上部材)
25 石膏ボード(天井部材)
26 吸音部材
27 天井内防音部材
28 床根太
29 鋼製天井根太
30 振動絶縁部材
31 ゴム
32 頭つなぎ部材(建物構造部材)
33 胴差
34 張力をかけたフィルム
35 鋼製天井根太端部受材
36 釘
37 止め木

Claims (8)

  1. 建物の構造部材間相互の固定度が低い低固定度住宅における防音システムであって、防音浮床構造と防音天井構造とを具え、前記防音浮床構造が、床版、前記床版上の複数の防音床部材、前記防音床部材上の床下地部材及び前記床下地部材上の床仕上部材を備え、前記防音床部材が支持部材とバネ特性の異なる2種以上の複数の衝撃吸収部材とを有し、前記各防音床部材が各々離間して前記床版上に固定され、前記床下地部材が、複数の板部材による前記防音床部材上での積層によって形成され、前記床仕上げ材が前記床下地部材の最上部の板部材上に固定され、前記防音天井構造が前記防音浮床構造の床版下面から下階室天井下面までの天井空間を構成し、前記防音天井構造が、建物構造部材、天井部材及び前記天井部材を固定する天井保持部材を備え、前記天井部材が前記建物構造部材との間で隙間を有し、かつ前記天井部材が10〜40kg/m2の総面密度を有し、前記天井部材と前記建物構造部材との間の隙間に隙間介在部材が設けられることを特徴とする防音システム。
  2. 前記防音浮床構造が際根太を有し、前記際根太が前記床下地部材の外縁部に設けられており、前記際根太が、防音床部材と同じか、又は同種の防音床部材から構成され、前記同種の防音床部材が複数の衝撃吸収部材及びコマを有し、前記コマが、±30%以内の圧縮応力(5mm圧縮時)の粘弾性体からなり、圧縮解除後1日で90%以上の復元性を有し、前記コマが防音床部材の長さ1m当り4個以内で用いられることを特徴とする請求項1記載の防音システム。
  3. 前記防音浮床構造が、床下地部材及び床仕上部材からなる浮床部材の外周と建物構造部材の壁との間に隙間を有し、かつ前記隙間が幅木によって室内に直接露出しないようにされており、前記幅木が通気部分を有し、前記通気部分によって通気抵抗が生じない様に床下空間と床上室内とを連通させることを特徴とする請求項1又は2記載の防音システム。
  4. 前記天井部材が制振部材を含み、前記天井部材が低周波域共鳴透過防止用材料で、かつコインシデンス効果回避用材料から構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の防音システム。
  5. 前記天井保持部材が、建物構造部材に直接又は治具を介して固定される際、前記天井保持部材、前記建物構造部材及び前記治具からなる群より選ばれる少なくとも1種の接触面に振動絶縁部材を介して固定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の防音システム。
  6. 前記天井保持部材が、線状又は点状の振動絶縁部材を介して天井部材を固定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の防音システム。
  7. 前記天井空間内に、天井内防音部材を具え、前記天井内防音部材が、吸音、遮音、制振、防振、及び音拡散からなる群より選ばれる少なくとも1種の機能を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の防音システム。
  8. 前記隙間介在部材が天井部材及び天井部材外周の建物構造部材の表面上の重なり部分を有し、前記隙間介在部材が前記天井部材及び前記建物構造部材に固定されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の防音システム。
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