JP3359025B2 - 建築物の床構造 - Google Patents

建築物の床構造

Info

Publication number
JP3359025B2
JP3359025B2 JP2001032326A JP2001032326A JP3359025B2 JP 3359025 B2 JP3359025 B2 JP 3359025B2 JP 2001032326 A JP2001032326 A JP 2001032326A JP 2001032326 A JP2001032326 A JP 2001032326A JP 3359025 B2 JP3359025 B2 JP 3359025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
panel
high shielding
shielding panel
floor structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001032326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001303708A (ja
Inventor
浩俊 植田
拓文 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001032326A priority Critical patent/JP3359025B2/ja
Publication of JP2001303708A publication Critical patent/JP2001303708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3359025B2 publication Critical patent/JP3359025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築物の床構造に関
するものであり、特に住居系の2階以上の床に適した床
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の木質フローリング材仕上げ床の増
加や多世帯住宅の増加、また「住宅品質確保促進法」に
よる「住宅性能表示制」の導入により、集合住宅のみな
らず個人住宅においても階下への床騒音防止のニーズが
高まってきている。木質系の住宅においては、床仕上材
の下地である床下地面材として軽量気泡コンクリート
(以下、ALCパネルと称する)を用いることにより重
量衝撃音を緩和する床構造が知られている。
【0003】また特開平9−88324号公報に示され
るように、木製床の下側に面重量が5〜20kg/m2
の板状体を木製床に固定せずに配設する複合防音床も従
来技術として挙げられる。しかしながら、前述した床下
地面材としてALCパネルを用いる床構造単独では軽量
衝撃音について大きな効果は望めず、木質フローリング
材の下部に樹脂発泡体等を設けた緩衝性の高い床仕上材
を併用することが多い。この緩衝性の高い床仕上材はコ
ストが割高な上、クッションが効いているため歩行時に
著しい不快感を感じることがある。
【0004】また、前述の板状体を木製床に固定せずに
配設する複合防音床は、自然載置するだけで板状体を位
置決めするため、床衝撃を受けたときあるいは地震時に
不快音を発生したり板状体が本来の位置からずれる可能
性がある。また、遮音性能をより向上させるために板状
体と木製床の間隔を広げようとすると、水平軸組または
枠組に加わる水平せん断力を負担する目的の火打梁と位
置的に干渉し、板状体の設置が困難となるなどの問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水平
軸組に加わる水平せん断力を負担し、かつ床衝撃音の遮
断性に優れた住宅系の2階以上の床として適した床構造
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の床構造は、前述
の従来の多くの問題点を解決したもので、その床構造の
第1発明の要旨は、木造軸組からなる建築物の床梁によ
り組み付けられた水平軸組において、面材又はパネルか
らなる高遮パネルが、大引、根太、床下地面材、床仕上
材等の床構成材の下方で床構成材と接することなく該水
平軸組内に嵌め込み支持され、かつ、建築物の水平軸組
に加わる水平せん断力を負担できるように固定されてい
と共に、高遮パネルの上面に比重1.0以上、10.
0以下の シート状物を設けたことを特徴とする木造軸組
からなる建築物の床構造である。
【0007】ここで述べる高遮パネルとは、水平軸組に
加わる水平せん断力を負担することおよび床衝撃音を軽
減することを目的として、床構成材の下方に水平軸組内
に設ける面材またはパネルのことを指す。前述の床構造
の第1発明においては、高遮パネルが大引、根太、床下
地面材、床仕上材等の床構成材と接することなく該水平
軸組内に嵌め込み支持されて固定されているため、床衝
撃音による固体伝播音が減少し、空気伝播音の吸音空間
も大きくなり軽量衝撃音に対する遮音性が向上し、かつ
重量衝撃音に対する遮音性も更に向上する。高遮パネル
の上面に、比重1.0以上、10.0以下のシート状物
を設けることにより、上部床材の床衝撃音による高遮パ
ネルの曲げ振動を抑制し、この曲げ振動が発生させる空
気伝播音を減少させるため、階下への床衝撃音が減少さ
れる。この場合のシート状物は、鉛シート、ゴムシー
ト、軟質ポリ塩化ビニルシート、アスファルトシート、
合成樹脂に高密度の粒状体を混合したシートなどが好適
である。また、該高遮パネルが建築物の水平軸組に加わ
る水平せん断力を負担できるように固定されているため
火打梁が省略でき、施工の簡略化を実現しうる。
【0008】特に、床仕上材の下地である床下地面材と
してALCパネルを用いる床構造単独では軽減しにくい
軽量衝撃音について、高遮パネルが大引、根太、床下地
面材、床仕上材等の床構成材と接することなく該水平軸
組内に嵌め込み支持されて固定されているため、床衝撃
音による固体伝播音が減少し、空気伝播音の吸音空間も
大きくなり軽量衝撃音に対する遮音性が向上し、かつ重
量衝撃音対する遮音性も更に向上する。
【0009】本発明の床構造の第2発明の要旨は、高遮
パネルが木質系のパネルであることを特徴とする前記第
1発明に記載の床構造である。ここで、木質系のパネル
とは、合板、パーティクルボード、構造用パネル、ファ
イバーボード、および草木類を主要構成物とする積層体
などである。この第2発明においては、釘、ビス施工に
より高遮パネルを床梁等に固定することができ、施工を
簡単かつ品質を安定させ強度を保つことができる。
【0010】本発明の床構造の第3発明の要旨は、高遮
パネルが窯業系パネルであることを特徴とする前記第1
発明に記載の床構造である。ここで、窯業系パネルと
は、ALCパネル、押し出し成形板、木質系セメント
板、窯業系サイディング、スレート、木毛セメント積層
板、繊維強化セメント板などである。この第3発明にお
いては、高遮パネルが窯業系パネルであることにより共
同住宅に要求される耐火性能を備えることができる。こ
れにより共同住宅やその他耐火、防火が要求される建物
に使用することが可能となる。
【0011】本発明の床構造の第4発明の要旨は、高遮
パネルが「不燃材料または準不燃材料の耐力面材」であ
ることを特徴とする前記第1発明に記載の床構造であ
る。これにより共同住宅やその他耐火、防火が要求され
る建物に使用することが可能となる。ここで、不燃材料
とは、施工令第108条の2および平成12年第140
0号に記される材料である。準不燃材料とは、平成12
年第1401号に記される材料である。耐力面材とは、
昭和56年告示第1100号に記される面材である。
「不燃材料または準不燃材料の耐力面材」の具体例とし
て、フレキシブルボード、石綿パーライト板、パルプセ
メント板、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層
板、せっこうボードなどがこれにあたる。
【0012】本発明の床構造の第発明の要旨は、高遮
パネルを重量層と軽量層の複数構造にすることを特徴と
する前記第1発明または第発明のいずれかに記載の床
構造である。
【0013】この第発明においては、高遮パネルの構
造を重量層と軽量層の複数構造にすることにより、上部
床材の床衝撃音による高遮パネルの曲げ振動を抑制し、
この曲げ振動が発生させる空気伝播音を減少させるた
め、階下への床衝撃音が減少される。また、高遮パネル
と床梁との間にモルタルやコンクリートを設けた場合、
建築物の水平軸組に加わる水平せん断力をより確実に高
遮パネルに伝えることができ、建物自身の水平剛性を上
げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の床構造の好ましい
実施形態について図を用いて説明する。まず図1は、木
造軸組工法の床梁に高遮パネル1を配した本発明の斜視
図(一部切欠斜視説明図)である。
【0015】本発明に使用される高遮パネル1は、釘、
ビス施工ができ加工性に優れる木質系のパネル(合板、
パーティクルボード、構造用パネル、ファイバーボー
ド、草木類を主要構成物とする積層体)が施工上好まし
い。また床構造の耐火性を向上させるためには、高遮パ
ネル1は、窯業系パネル(ALCパネル、押し出し成形
板、木質系セメント板、窯業系サイディング、スレー
ト、木毛セメント積層板、繊維強化セメント板)を使用
するのが好ましい。不燃材料または準不燃材料であるフ
レキシブルボード、石綿パーライト板、パルプセメント
板、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、せっ
こうボードなども好ましい。
【0016】高遮パネル1は、建築物の水平軸組に加わ
る水平せん断力を負担する役目を負っており、その剛性
は高いものが好ましい。1例として、昭和56年告示第
1100号に記される面材である。施工時に人が載るこ
とを考慮すると、高遮パネル1の厚みは「厚み/スパ
ン」比が6/1000以上となることが好ましい。また
は施工時に人が載るときの荷重時(例えば積載荷重17
65N/m2時)、高遮パネル1の最大たわみがスパン
の1/100以下となる曲げ剛性を有することが好まし
い。
【0017】木造軸組工法における高遮パネル1の床梁
への取り付け方法としては、図2のように、角材3aを
高遮パネル用下地とする方法が代表的なものであるが、
図3(板材3bを高遮パネル用下地とする方法)、図4
(床梁2への切り込み3cに高遮パネル1をビス留めす
る方法)、および図5(高遮パネル用根太に高遮パネル
1をビス留めするの方法)などの方法もある。図6のよ
うに角材3aの下に高遮パネルをビス止めしても良い。
【0018】高遮パネル1の下地となる角材3a、板材
3b、高遮パネル用根太3dは床梁2に釘またはビス留
めを行う。このとき一体性を高めるため接着材を併用す
るのが望ましい。同様の理由で高遮パネル1とその下地
も釘またはビス留めを行うが、接着材を併用するのが望
ましい。また、角材3a、板材3b、高遮パネル用根太
3dの材質として、耐久性に優れた金属や樹脂、セメン
ト系、木等が好ましい。中でもビス止めや加工性に優れ
た木がより好適である。
【0019】高遮パネル1の施工位置は、床梁2が構造
的に逆T字梁と見なすことができかつ床衝撃音に大きな
影響を与える駆動点インピーダンスを増大させて遮音性
の向上を促すことができる、床梁上下方向2分の1の位
置より下方が望ましい。また、床下地面材、床仕上材等
の床構成材と高遮パネル1の間隔をより大きく開けるこ
とにより空気伝播音の吸音空間が大きくなり遮音性が向
上する。また、大引、根太、床下地面材、床仕上材等の
床構成材と高遮パネル1が同時に水平軸組に加わる水平
せん断力を負担できる構造であるので、それぞれ床梁の
上下に設置する方が構造上のバランス的にも好ましい。
【0020】該床梁の上下方向1/2の位置より上方に
高遮パネル1を設置することは、前述駆動点インピーダ
ンスと吸音空間の減少を伴うため、床梁上下方向2分の
1の位置より下方に設置した場合ほどの遮音性向上は望
めない。しかしながら、大引、根太、床下地面材、床仕
上材等の床構成材と高遮パネル1が接しないかぎり遮音
性向上を期待することはできる。また、高遮パネル1を
床梁上方に設置することにより天井懐を小さくできる。
これは、建築物の階高を低くできるまたは下階の部屋の
天井高を高くとれるメリットがあることを意味する。
【0021】高遮パネル1の位置は、遮音性向上の度合
いと階高、階下の部屋の天井高との兼ね合いで決定すべ
きである。高遮パネル1は、上部床材の床衝撃音により
曲げ振動を起こし、この曲げ振動が空気伝播音を発生さ
せ、階下へ床衝撃音を伝えることとなる。高遮パネル1
の曲げ振動を抑制するためには比重1.0以上、10.
0以下のシート状物を高遮パネル1上面に設ける。この
場合のシート状物は、鉛シート、ゴムシート、軟質ポリ
塩化ビニルシート、アスファルトシート、合成樹脂に高
密度の粒状体を混合したシートなどが好適である。
【0022】また、高遮パネル1上面にモルタルまたは
コンクリートを打設することも曲げ振動を抑制するのに
効果的である。また、<木質ボードと窯業系パネル>,
<木質ボードと「不燃材料または準不燃材料の耐力面
材」>,<窯業系パネルと「不燃材料または準不燃材料
の耐力面材」>を複数枚重ねて配置することも重量層と
軽量層の複層構造となるため、曲げ振動を抑制するのに
効果的である。高遮パネル1と床梁の間に5〜50mm
の間を設け、その隙間にモルタル等を充填することは、
建築物の水平軸組に加わる水平せん断力をより確実に高
遮パネル1に伝えることができ、建物自身の水平剛性を
上げることに効果的である。
【0023】次に、本実施例に係る木造軸組工法の床構
造と、他の床構造とにおける床衝撃音の実測結果につい
て説明する。 <評価方法> 衝撃音の測定システムとして、図7に示す長さ3.6m
幅2m深さ1.4mのコンクリート製ピット14上部に
木造軸組工法による床組を組み、重量衝撃音と軽量衝撃
音の測定をするシステムを採用した。
【0024】該コンクリート製ピットの内周部には吸音
材10が配設され、該床組の下方に天井9が施してあ
る。該ピット内には、該ピット外部の騒音計13に接続
されたマイクロホン12が配置されている。後記の実施
例と比較例の床構造を「JIS A1418建築物の現
場における床衝撃音レベルの測定方法」に準じ測定し
た。なお、重量衝撃音は、最も不利な結果が出ると思わ
れる63HzのdB値で、軽量衝撃音はA特性で評価を
行った。
【0025】
【実施例1】床梁2として幅120mm、高さ240m
mの集成材を900mmの間隔でコンクリート製ピット
14上部に固定し、該床梁下部には図2に準じて45m
m角の角材3aをビスにて固定し、該角材上部に高遮パ
ネル1(本実施例ではコーリャン茎を並列して形成した
シート状物(厚さ10mm、比重0.15)にイソシア
ネート系樹脂からなる接着剤を50〜250g/m2
布し、該シート状物を7〜11枚積層して形成された植
物茎積層体の表面に表面材として両面に厚さ1〜2mm
の面材を重ね、熱板プレス機に送り込み120〜170
℃、8〜10×105Paで10〜20分間プレスして
植物茎積層体と表面材とが一体化した厚さ30〜40m
mの積層体を使用)をビス留めして配置した。高遮パネ
ル上に厚さ8mmの高密度粉体をアスファルトに混入し
シート化した市販の床用制振、遮音材を両面テープにて
接着施工した。
【0026】該床梁上部には、根太6として幅45m
m、高さ105mmの栂材を300mm間隔で配置し、
床下地面材4として厚さ12mmの普通合板を該根太に
ビス留めし、床仕上材5として該下地材の上へ日本農林
規格「フローリング」に規定する「複合フローリング」
を載置した。また、天井9として該床梁の下方に厚さ
9.5mmの石膏ボードを該床梁に接しないよう配置
し、木造軸組工法における床構造を作製した。
【0027】
【比較例1】前記実施例1において、床梁2として幅1
20mm、高さ300mmの集成材を1800mmの間
隔でコンクリート製ピット上部に固定したことと、高遮
パネルを配置しなかったこと以外は、全て実施例1と同
様にして床構造を作製した。本例は在来の木造床構造に
おいて最も一般的な構造を想定している。
【0028】
【比較例2】前記比較例1において、床仕上材5として
主にRC造に使用されている軽量衝撃音LL−45仕様
の遮音フローリング材を載置したこと以外は、全て比較
例1と同様にして床構造を作製した。本例は在来の木造
床構造において軽量衝撃音対策を行った構造を想定して
いる。
【0029】
【比較例3】前記比較例1において、床梁2として幅1
20mm、高さ240mmの集成材を900mmの間隔
でコンクリート製ピット10上部に固定したこと、床下
地面材4として厚さ12mmの構造用合板を該根太にビ
ス留めし該構造用合板に厚さ37mmの薄形ALCパネ
ルをビス留めし該薄形ALCパネルに厚さ9mmの普通
合板をビス留めしたこと以外は、全て比較例1と同様に
して床構造を作製した。本例は在来の木造床構造におい
て重量衝撃音対策を行った構造を想定している。前記実
施例および比較例の評価結果を表1に示す。
【0030】
【比較例4】上記実施例1において高遮パネル上に厚さ
8mmの高密度粉体をアスファルトに混入しシート化し
た市販の床用制振、遮音材を両面テープにて接着施工し
ないこと以外は、全て実施例1と同様にして床構造を作
製した。
【0031】
【表1】
【0032】この評価結果によれば、本実施例に係る高
遮パネルが床梁の下部に嵌め込み支持される構法によ
り、重量衝撃音及び軽量衝撃音双方が効果的に低減して
いることがわかる。前記各例を比較検討すると、実施例
1と比較例1の比較により、高遮パネルの施工によって
重量衝撃音及び軽量衝撃音の双方共低減していることが
わかる。また実施例と比較例3の比較により、重量衝
撃音に対する低減効果は現在床下地面材としてALCパ
ネルを使用することによって行われている重量衝撃音対
策と同レベル以上であることがわかる。
【0033】また比較例4と実施例の比較により、高
遮パネル上に重質の遮音シートを載置することが更に床
衝撃音(重量、軽量両方)を低減させていることがわか
る。また実施例と比較例2の比較により、高遮パネル
上に重質の遮音シートを載置したときの軽量衝撃音に対
する低減効果は現在遮音フローリング材を使用すること
によって行われている軽量衝撃音対策より効果的である
ことがわかる。従って、本発明の床構造は、床衝撃音
(重量、軽量両方)の低減に対してきわめて有効である
ことが明らかである。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の床構造は、前述
のごとき構造と作用を有するので、次のような多大な効
果を有している。高遮パネルが大引、根太、床下地面
材、床仕上材等の床構成材と接することなく水平軸組内
に嵌め込み支持され、固定されているため、床衝撃音に
よる固体伝播音が減少し、空気伝播音の吸音空間も大き
くなり重量衝撃音及び軽量衝撃音に対する遮音性を向上
させ、高遮パネルの上面に、比重1.0以上、10.0
以下のシート状物を設けることにより、上部床材の床衝
撃音による高遮パネルの曲げ振動を抑制し、この曲げ振
動が発生させる空気伝播音を減少させるため、階下への
床衝撃音が減少され、かつ、該高遮パネルが建築物の水
平軸組に加わる水平せん断力を負担できるように固定さ
れているため火打梁が省略でき、施工の簡略化を実現し
うる。
【0035】該高遮パネルに木質系のパネル(合板、パ
ーティクルボード、構造用パネル、ファイバーボード、
草木類を主要構成物とする積層体)を使用した場合は、
釘、ビス施工により高遮パネルを床梁等に固定すること
ができ、施工を簡単かつ品質を安定させ強度を保つこと
ができる。また、該高遮パネルに窯業系パネル(ALC
パネル、押し出し成形板、木質系セメント板、窯業系サ
イディング、スレート、木毛セメント積層板、繊維強化
セメント板)を使用した場合は、共同住宅等に要求され
る耐火、防火性能を備えることができる。
【0036】また、該高遮パネルに不燃材料または準不
燃材料の耐力面材を使用した場合は、共同住宅等に要求
される耐火、防火性能を備えることができる。
【0037】また、該高遮パネルの上にモルタルまたは
コンクリートを打設した場合は、上部床材の床衝撃音に
よる高遮パネルの曲げ振動を抑制し、この曲げ振動が空
気伝播音を発生させる階下への床衝撃音を減少させる。
かつ、高遮パネルと床梁との間にモルタルやコンクリー
トを設ける、建築物の水平軸組に加わる水平せん断力
をより確実に高遮パネルに伝えることができ、建物自身
の水平剛性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木造軸組工法における本発明の実施例を説明す
るための床構造の一部切欠斜視説明図である。
【図2】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
高遮パネル1を角材3aにビス留めしたときの図であ
る。
【図3】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
高遮パネル1を板材3bにビス留めしたときの図であ
る。
【図4】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
高遮パネル1を切り欠き3cにビス留めしたときの図で
ある。
【図5】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
高遮パネル1を高遮パネル用根太3dにビス留めしたと
きの図である。
【図6】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
高遮パネル1を角材3aの下方にビス留めしたときの図
である。
【図7】実施例の衝撃音測定に使用した測定システムの
模式図である。
【符号の説明】
1 高遮パネル 2 床梁 3 高遮パネル用下地 3a 角材 3b 板材 3c 切り込み 3d 高遮パネル用根太 4 床下地面材 5 床仕上材 6 根太 6a 床根太 7 ビス 8 釘 9 天井 10 吸音材 11 衝撃音発生装置 12 マイクロホン 13 騒音計 14 コンクリート製ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−128469(JP,A) 特開 昭55−116943(JP,A) 特開 平5−171708(JP,A) 特開2001−20407(JP,A) 特開 昭61−237730(JP,A) 特開2000−336795(JP,A) 実開 昭61−206037(JP,U) 実開 平7−17540(JP,U) 実開 平1−1438144(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造軸組からなる建築物の床梁により組
    み付けられた水平軸組において、面材又はパネルからな
    る高遮パネルが、大引、根太、床下地面材、床仕上材等
    の床構成材の下方で床構成材と接することなく該水平軸
    組内に嵌め込み支持され、かつ建築物の水平軸組に加わ
    る水平せん断力を負担できるように固定されていると共
    に、高遮パネルの上面に比重1.0以上、10.0以下
    のシート状物を設けたことを特徴とする木造軸組からな
    る建築物の床構造。
  2. 【請求項2】 高遮パネルが木質系のパネルであること
    を特徴とする請求項1記載の床構造。
  3. 【請求項3】 高遮パネルが窯業系パネルであることを
    特徴とする請求項1記載の床構造。
  4. 【請求項4】 高遮パネルが不燃材料または準不燃材料
    の耐力面材であることを特徴とする請求項1記載の床構
    造。
  5. 【請求項5】 高遮パネルの構造を重量層と軽量層の複
    数構造にすることを特徴とする請求項1から請求項
    いずれかに記載の床構造。
JP2001032326A 2000-02-18 2001-02-08 建築物の床構造 Expired - Fee Related JP3359025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001032326A JP3359025B2 (ja) 2000-02-18 2001-02-08 建築物の床構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-40977 2000-02-18
JP2000040977 2000-02-18
JP2001032326A JP3359025B2 (ja) 2000-02-18 2001-02-08 建築物の床構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001303708A JP2001303708A (ja) 2001-10-31
JP3359025B2 true JP3359025B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=26585648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001032326A Expired - Fee Related JP3359025B2 (ja) 2000-02-18 2001-02-08 建築物の床構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3359025B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001303708A (ja) 2001-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7921965B1 (en) Soundproof assembly and methods for manufacturing same
EP0795070A1 (en) Soundproof wall
TW201938888A (zh) 隔間壁構造及其施工方法
US9567742B2 (en) Acoustic damping building material
JP2017101402A (ja)
SK6079Y1 (sk) External bearing wall of low-energy building
US20090288360A1 (en) Sound proofing system and method
JP3359025B2 (ja) 建築物の床構造
JP4976821B2 (ja) 建築物の外内装パネルシステム及びその工法
JPH10292610A (ja) 遮音性を有する床構造
JP3227330B2 (ja) 防音二重床の設置方法
JP2009035925A (ja) 建物の防音システム
JPH073935A (ja) 耐火遮音構造天井板
JP2021046754A (ja) 制振天井構造
JP2002309708A (ja) 床の遮音構造
JP2003096962A (ja) 建築物の床構造
JP2003096963A (ja) 建築物の床構造
JPH0613946Y2 (ja) 複合遮音床材
JP2003096961A (ja) 建築物の床構造
JP4261459B2 (ja) 天井の防音防火構造
JP3206054B2 (ja) 防音床と天井パネルとを一体に備えた構造材
JP2807130B2 (ja) 床構造
JP2003056170A (ja) 建築物の床構造
JP2002047755A (ja) 建築物の床構造
JP2005090090A (ja) 遮音床板

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020212

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081011

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081011

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091011

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091011

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111011

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111011

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121011

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121011

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131011

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees