JP2003096963A - 建築物の床構造 - Google Patents

建築物の床構造

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JP2003096963A
JP2003096963A JP2001285198A JP2001285198A JP2003096963A JP 2003096963 A JP2003096963 A JP 2003096963A JP 2001285198 A JP2001285198 A JP 2001285198A JP 2001285198 A JP2001285198 A JP 2001285198A JP 2003096963 A JP2003096963 A JP 2003096963A
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sound insulating
insulating structural
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Hirotoshi Ueda
浩俊 植田
Hirofumi Watanabe
拓文 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、床衝撃音の遮断性に優れた住宅系
の2階以上の床として好適な建築物の床構造を提供する
ことを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 建築物の床梁2aにより矩形状に組み付
けられた水平軸組に、遮音構造材1が根太6、床下地面
材4a、床仕上材5等の床構成材と接することなく支持
され、床構成材と遮音構造材1を同時に支持する床梁2
aの間に床構成材を支持し、且つ遮音構造材1を支持し
ない中間床梁2bを1本以上設けて構成したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の床構造に
係り、特に住居系の2階以上の床に適した床構造に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】近年の木質フローリング床の増加や多世
帯住宅の増加、また「住宅品質確保促進法」による「住
宅性能表示制」の導入により、集合住宅のみならず個人
住宅においても階下への床騒音防止のニーズが高まって
きている。 【0003】木質系の住宅構造において、軽量気泡コン
クリート(以下、「ALC」と称する)を床下地面材と
して用いることによる重量衝撃音を緩和する床構造が知
られている。 【0004】また特開平9-88324号公報に示されるよう
に、木製床の下側に面質量が5kg/m2〜20kg/
2の板状体を木製床に固定せずに配設する複合防音床
も従来技術として挙げられる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たALCを床下地面材に用いる床構造単独では軽量衝撃
音について大きな効果は望めない。これを補うため、フ
ローリング材下部に樹脂発泡体を設けた緩衝性の高い防
音床を併用することがあるが、この防音床はコストが割
高な上、クッションが効いているので歩行時に著しい不
快感を感じることがある。 【0006】また、前述の板状体を木製床に固定せずに
配設する複合防音床は、自然載置するだけで板状体を位
置決めするため、床衝撃を受けたとき或いは地震時に板
状体が本来の位置からずれる可能性がある。また、遮音
性能をより向上させようと板状体と木製床の間隔を広げ
ようとすると、設置した板状体が水平軸組に加わる水平
せん断力を負担する火打梁の設置に邪魔となる。 【0007】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、床衝撃音の遮断性に優れた住
宅系の2階以上の床として適した建築物の床構造を提供
することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る建築物の床構造は、建築物の床梁により
組み付けられた水平軸組に、遮音構造材が床構成材と接
することなく該水平軸組に支持されている建築物の床構
造であって、該床構成材と該遮音構造材を同時に支持す
る床梁の相互間には該床構成材を支持し、且つ該遮音構
造材を支持しない床梁(以下、「中間床梁」と称す)が
1本以上設けられることを特徴とする。 【0009】ここで述べる遮音構造材とは、水平軸組に
加わる水平せん断力を負担すること及び床衝撃音を軽減
することを目的として、床構成材の下方に水平軸組に設
ける面材またはパネルのことを指す。 【0010】ここで述べる床構成材とは、下階に室を有
する床の積載荷重を当該階の床梁に伝える部材のことで
あり、例として大引、根太、床下地面材、床仕上材、コ
ンクリートスラブ、ALCスラブ、またはこれらを組み
合わせた床パネルが挙げられる。また、床の積載荷重を
当該階の床梁に伝えることの出来る部材であれば、上記
の例にとらわれる必要はない。 【0011】本発明は、上述の如く構成したので、遮音
構造材が床構成材と接することなく該水平軸組に支持さ
れている床構造において、該床構成材と該遮音構造材を
同時に支持する床梁間に遮音構造材を支持しない中間床
梁が1本以上設けられるため、該床構成材と該遮音構造
材のスパンが異なることとなり、床衝撃音による該床構
成材と該遮音構造材の振動の周期に差が生じ、床衝撃音
が減衰する。 【0012】また、中間床梁と該遮音構造材間に狭い隙
間が生じる構造となるため、その隙間が空気伝播音を減
衰するダンパーの役目を果たし、重量衝撃音及び軽量衝
撃音に対する遮音性が向上する。 【0013】 【発明の実施の形態】図により本発明に係る建築物の床
構造の一実施形態を具体的に説明する。本発明に適用出
来る建築物の構造種類は、木造と鉄骨造が一般的であ
る。図1は木造軸組工法の床梁に遮音構造材を配置した
本発明に係る一実施形態の斜視図であり、図2は鉄骨造
において遮音構造材を配置した本発明に係る一実施形態
の斜視図である。 【0014】図1において、木造軸組工法により組み付
けられた建築物の水平軸組となる床梁2aの下部側面に
は遮音構造材用下地となる角材3aがビス7により固定
されており、該角材3aの上部に遮音構造材1が載置さ
れてビス7により角材3aに固定され、該遮音構造材1
は根太6、床下地面材4a、床仕上材5からなる床構成
材と接することなく床梁2aに固定して支持されてい
る。 【0015】床梁2aの上面には根太6が載置されてビ
ス7により床梁2aに固定して接合され、根太6の上面
に床下地面材4aが載置されて釘8により根太6に固定
され、床下地面材4aの上部に床仕上材5が載置されて
ビス7により床下地面材4aに固定して接合されてい
る。 【0016】根太6、床下地面材4a、床仕上材5から
なる床構成材と遮音構造材1とを同時に支持する床梁2
aの相互間には、該根太6、床下地面材4a、床仕上材
5からなる床構成材を支持し、且つ遮音構造材1を支持
しない中間床梁2bがビス止め等により根太6に固定さ
れている。床梁2aの相互間に設ける中間床梁2bは1
本以上設ければ好ましい。 【0017】本発明に使用される遮音構造材1は、釘・
ビス施工が出来、加工性に優れる木質系のパネル(合板
・パーティクルボード・構造用パネル・ファイバーボー
ド・草木類を主要構成物とする積層体)が施工上好まし
い。 【0018】また、床構造の耐火性を向上させるために
は、窯業系パネル(ALC・押し出し成形板・木片セメ
ント板)や不燃材料または準不燃材料であるフレキシブ
ルボード、石綿パーライト板、パルプセメント板、ケイ
酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、石膏ボード等
も好ましい。 【0019】遮音構造材1は、建築物の水平軸組に加わ
る水平せん断力を負担出来るように、その面内剛性を高
くするのが好ましい。1例として昭和56年建設省告示
第1100号に記される耐力面材を使用するのが好まし
い。遮音構造材1が水平せん断力を負担することによ
り、火打梁を省略して施工性の向上を図ることが出来
る。 【0020】また、施工時に人が載ることを考慮する
と、遮音構造材1の厚みは「厚み/スパン」比が6/1
000以上となることが好ましい。または施工時に人が
載るときの荷重時(例えば積載荷重1765N/m
2時)、遮音構造材1の最大たわみがスパンの1/10
0以下となる曲げ剛性を有することが好ましい。 【0021】遮音構造材用下地となる角材3aの材質
は、耐久性に優れた金属や樹脂、セメント系、木質材が
好ましい。中でも、木造においては木ビスが使用出来る
木質材、鉄骨造においては溶接が可能な金属が好適であ
る。もちろん床梁2aへの接合が容易な材質であれば、
上記にとらわれる必要はない。 【0022】木造軸組工法において遮音構造材1の床梁
2aへの取り付けは、図5に示すように角材3aを遮音
構造材用下地とするものが代表的であるが、図6に示す
ように、板材3bを床梁2aの下面にビス7により固定
して遮音構造材用下地とし、該板材3bに遮音構造材1
をビス7により固定する方法や、図7に示すように、床
梁2aへの切り込み3cに遮音構造材1を挿入してビス
7により固定する方法や、図8に示すように、床梁2a
の側面に接合した遮音構造材用根太3dに遮音構造材1
をビス7により固定する方法もある。 【0023】遮音構造材1用の下地となる角材3a、板
材3b、遮音構造材用根太3dは床梁2に釘またはビス
止めを行うが、このとき一体性を高めるため接着材を併
用しても良い。同様の理由で遮音構造材1と角材3a、
板材3b、遮音構造材用根太3d等の遮音構造材用下地
も釘またはビス止めを行うが、接着材を併用しても良
い。 【0024】図9は図5の応用であり、遮音構造材用下
地となる角材3aが床梁2aの中間部側面にビス7によ
り固定され、遮音構造材1を角材3aの下方向にビス7
により固定したものである。これと同様に図6及び図8
についても遮音構造材1と遮音構造材用下地となる板材
3b或いは遮音構造材用根太3dの上下方向の位置が逆
になった構成でも構わない。 【0025】図2において、鉄骨造では、水平軸組とな
るH形鋼等の鉄骨床梁2cの下フランジ2c1の上面に遮
音構造材1を載置してビス7により固定し、床梁2cの
上フランジの上面に床スラブ4bが接合される。床構成
材となる床スラブ4bと遮音構造材1とを同時に支持す
る床梁2cの相互間には床構成材となる床スラブ4bを
支持し、且つ遮音構造材1を支持しない中間床梁2dが
1本以上設けられている。 【0026】鉄骨造において遮音構造材1の床梁2cへ
の取り付けは、前述のような遮音構造材用下地を使用せ
ず、図10に示すように、下フランジ2c1の上面である床
梁2cの懐へ遮音構造材1を直接、ビス7により固定す
るものが代表的であるが、図11に示すように、遮音構造
材用下地として板材3bを床梁2cの下フランジ2c1の
下面に接合して該板材3bに遮音構造材1をビス7によ
り固定する方法や、図12に示すように、遮音構造材用下
地としてアングル材3eを床梁2cの下フランジ2c1の
下面に接合し、更にアングル材3eに接合したアングル
材3fの水平片に遮音構造材1をビス7により固定する
方法や、図13に示すように、床梁2cの下フランジ2c1
の下面に遮音構造材用根太3dを接合し、該遮音構造材
用根太3dの上面に遮音構造材1を載置してビス7によ
り固定する方法もある。 【0027】遮音構造材1を取り付けるための遮音構造
材用下地となる図11に示す板材3b、図12に示すアング
ル材3e,3f、図13に示す遮音構造材用根太3dは床
梁2cにビス止めまたは溶接を行って固定する。 【0028】遮音構造材1とそれ等の遮音構造材用下地
も釘またはビス止めにより固定するが、一体性を高める
ために接着材を併用しても良い。また、図10〜図13にお
いて、遮音構造材1と各遮音構造材用下地の上下方向の
位置が逆になった構成でも構わない。 【0029】遮音構造材1の施工位置は、床梁2cが構
造的に逆T字梁と見なすことが出来、且つ床衝撃音に大
きな影響を与える駆動点インピーダンスを増大させて遮
音性の向上を促すことが出来るように床梁2cの上下方
向の高さの2分の1の位置よりも下方に配置することが
望ましい。また、床スラブ4b、或いは床下地面材、床
仕上材等の床構成材と遮音構造材1との間隔をより大き
く開けることにより空気伝播音の吸音空間が大きくなり
遮音性が向上する。 【0030】床梁2cの上下方向の高さの1/2の位置
よりも上方に遮音構造材1を設置することは、前述した
駆動点インピーダンスと吸音空間の減少を伴うため、大
きな遮音性の向上は望み難い。また、床スラブ4b等の
床構成材と遮音構造材1とに同時に水平軸組に加わる水
平せん断力を負担させるためには、夫々床梁2cの上下
に設置する方が構造上のバランス的にも好ましい。 【0031】遮音構造材1は床スラブ4b等の上部床材
の床衝撃音により曲げ振動を起こし、この曲げ振動が空
気伝播音を発生させ、階下へ床衝撃音を伝えることとな
る。遮音構造材1の曲げ振動を抑制するためには、遮音
構造材1の構造を重量層と軽量層の複層構造にすること
が効果的である。 【0032】具体的には、比重1.0以上、且つ10.
0以下のシート状物を遮音構造材1の上面または下面の
少なくとも一方に設けることが好ましい。該シート状物
の例としては鉛シート、ゴムシート、軟質ポリ塩化ビニ
ルシート、アスファルトシート、合成樹脂に高密度の粒
状体を混合したシートが好適である。また、遮音構造材
1の上面にモルタルまたはコンクリートを打設すること
も曲げ振動を抑制するのに効果的である。 【0033】遮音構造材1と床梁2cの間に5mm〜5
0mmの間を設け、その隙間にモルタル、コンクリート
等の充填材を設けることは、建築物の水平軸組に加わる
水平せん断力をより確実に遮音構造材1に伝えることが
出来、建物自身の水平剛性を上げることに効果的であ
る。 【0034】図1及び図2に示すように、中間床梁2
b,2dは、根太6、床下地面材4a、床仕上材5、或
いは床スラブ4b等の床構成材と遮音構造材1とを同時
に支持する床梁2a,2cと略平行に配置しても良い
し、図3の鉄骨造の例で示すように床梁2cに対して中
間床梁2dを略直交に配置しても良い。 【0035】また、床梁2cと中間床梁2dの上下方向
の高さ(せい)が同じ場合は、図4の鉄骨造の例で示す
ように、床梁2cの下フランジ2c1の下面に接合した嵩
上げ材3gに遮音構造材1をビス7により固定して接合
しても良い。 【0036】尚、図3及び図4は鉄骨造の一実施形態に
ついて説明したものであるが、木造軸組でも同様の納ま
りが出来るのは言うまでもない。建築物の構造種類を問
わず、該床構成材の振動系と該遮音構造材1の振動系が
異なる周期を持つことが肝要である。 【0037】遮音構造材1の上部の床の例として、木造
の場合では、「根太床」と呼ばれる根太の上に床下地面
材4aとして合板や構造用パネル等を使用し、その上に
床仕上げを行う構成(遮音性向上のために重量材である
シンダーコンクリート、ALC、遮音シート等を床下地
面材4aと床仕上材5との間に付加する場合有り)や、
「ネタレス」と呼ばれる床下地面材4aとして厚物合板
や厚物ALCや床パネルを使い、根太を省略して、その
上に床仕上げを行う構成(遮音性向上のために重量材で
あるシンダーコンクリート、ALC、遮音シート等を床
下地面材4aと床仕上材5との間に付加する場合有り)
が挙げられる。 【0038】また、鉄骨造の場合は、鉄骨梁である床梁
2cの上に木製の「根太床」を構成する(構造上必要で
あれば床梁2cと根太の間に大引を流す)例や、床梁2
cの上に直接、床スラブ(例:コンクリートスラブ、A
LCスラブ)4bや床パネルを設けて床仕上げを行う例
が挙げられる。遮音構造材1をこれらの床を構成する部
材(床構成材)に接しないように設けるのはいうまでも
ない。 【0039】次に、本実施形態に係る木造軸組工法の床
構造と、他の床構造とにおける床衝撃音の実測結果につ
いて説明する。 【0040】<評価方法>衝撃音の測定システムとし
て、図14に示す長さ3.6m、幅2m、深さ1.4mの
コンクリートピット14の上部に図1に示したような木造
軸組工法による床組を組み、重量衝撃音と軽量衝撃音の
測定をするシステムを採用した。 【0041】コンクリートピット14の内周部には吸音材
10が配設され、床組の下方に天井9が施してある。コン
クリートピット14内には、該コンクリートピット14の外
部に設置された騒音計13に接続されたマイクロホン12が
配置されている。11は床組の床仕上材5上に配置された
衝撃音発生装置である。 【0042】そして、後述する実施例1と比較例1〜3
の床構造を「JIS A1418建築物の現場における
床衝撃音レベルの測定方法」に準じ測定した。尚、重量
衝撃音は最も不利側と思われる63HzのdB値で、軽
量衝撃音はA特性で評価を行った。 【0043】[実施例1]図1において床梁2aとして
幅120mm、高さ300mmの集成材を1800mm
の間隔でコンクリートピット14の上部に固定し、中間床
梁2bとして幅115mm、高さ180mmの赤松材を
床梁2a間の中央部に固定し、該床梁2aの下部側面に
は図5に準じて45mm角の角材3a(栂)をビス7に
て固定し、該角材3aの上部に遮音構造材1を中間床梁
2bに接しないようにビス7により角材3aに固定して
配置した。 【0044】本実施形態では、遮音構造材1として、コ
ーリャン茎を並列して形成したシート状物(厚さ10m
m、比重0.15)にイソシアネート系樹脂からなる接
着剤を50g/m2〜250g/m2塗布し、該シート状
物を7枚〜11枚積層して形成された植物茎積層体の表
面に表面材として両面に厚さ2mmの面材を重ね、熱板
プレス機に送り込み120℃〜170℃、8×105
a〜10×105Paで10分〜20分間プレスして植
物茎積層体と表面材とが一体化した厚さ30mm〜40
mmの積層体を使用した。 【0045】本実施形態の場合、遮音構造材1の「厚み
/スパン」比は1/20〜1/26に設定した。また、
積載荷重1765N/m2時の遮音構造材1の最大たわ
みは、スパンの約1/100に設定した。 【0046】また、遮音構造材1上に厚さ8mmの高密
度粉体をアスファルトに混入しシート化した市販の床用
制振・遮音材を両面テープにて接着施工した。 【0047】床梁2a及び中間床梁2bの上部には、根
太6として幅45mm、高さ105mmの栂材を300
mm間隔で配置し、床下地面材4aとして厚さ12mm
の普通合板を該根太6に釘8により固定し、床仕上材5
として該床下地面材4aの上へ日本農林規格「フローリ
ング」に規定する「複合フローリング」を載置した。 【0048】また、天井9として床梁2aの下方に厚さ
9.5mmの石膏ボードを該床梁2aに接しないよう配
置し、木造軸組工法における床構造を作製した。 【0049】[比較例1]比較例1は、前記実施例1に
おいて、中間床梁2bと遮音構造材1と市販の床用制振
・遮音材を配置しなかったこと以外は、全て前記実施例
1と同様にして床構造を作製した。本比較例1は在来の
木造床構造において最も一般的な構造を想定している。 【0050】[比較例2]比較例2は、前記比較例1に
おいて、床仕上材5として主にRC造に使用されている
軽量衝撃音LL−45仕様の遮音フローリング材を載置
したこと以外は、全て前記比較例1と同様にして床構造
を作製した。本比較例2は在来の木造床構造において軽
量衝撃音対策を行った構造を想定している。 【0051】[比較例3]比較例3は、前記比較例1に
おいて、床梁2aとして幅120mm、高さ240mm
の集成材を900mmの間隔でコンクリートピット14の
上部に固定したことと、床下地面材4aとして厚さ12
mmの構造用合板を根太6に釘8により固定し、該構造
用合板に厚さ37mmの薄形ALCパネルをビス止め
し、該薄形ALCパネルに厚さ9mmの普通合板をビス
止めしたこと以外は、全て前記比較例1と同様にして床
構造を作製した。本比較例3は在来の木造床構造におい
て重量衝撃音対策を行った構造を想定している。 【0052】前記実施例1及び比較例1〜3の評価結果
を以下の表1に示す。 【0053】 【表1】 【0054】上記表1に示す評価結果によれば、実施例
1の遮音構造材1が中間床梁2bと接することなく床梁
2aの下部に支持される構法により、重量衝撃音及び軽
量衝撃音双方が効果的に低減していることが分かる。従
って、本発明の床構造は、床衝撃音(重量・軽量両方)
の低減に対して極めて有効であることが明らかである。 【0055】 【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、遮音構造材が床構成材と接することなく水平
軸組に支持されている構造において、該床構成材と該遮
音構造材を同時に支持する床梁間に遮音構造材を支持し
ない中間床梁が1本以上設けられるため、床構成材と遮
音構造材のスパンが異なることとなり、床衝撃音による
床構成材と遮音構造材の振動の周期に差が生じ、床衝撃
音が減衰する。 【0056】また、中間床梁と遮音構造材間に狭い隙間
が生じる構造となるため、その隙間が空気伝播音を減衰
するダンパーの役目を果たし、重量衝撃音及び軽量衝撃
音に対する遮音性が向上する。
【図面の簡単な説明】 【図1】木造軸組工法において、本発明に係る建築物の
床構造の一部切欠斜視説明図である。 【図2】鉄骨造において、本発明に係る建築物の床構造
の一部切欠斜視説明図である。 【図3】鉄骨造において、本発明に係る建築物の床構造
の他の構成を示す一部切欠斜視説明図である。 【図4】鉄骨造において、本発明に係る建築物の床構造
の他の構成を示す縦断面図である。 【図5】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した角材にビス止めしたときの
図である。 【図6】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した板材にビス止めしたときの
図である。 【図7】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に形成した切り欠きにビス止めしたと
きの図である。 【図8】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した遮音構造材用根太にビス止
めしたときの図である。 【図9】図1の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した角材の下方にビス止めした
ときの図である。 【図10】図2の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に直接ビス止めしたときの図である。 【図11】図2の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した板材にビス止めしたときの
図である。 【図12】図2の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合したアングル材にビス止めした
ときの図である。 【図13】図2の床構造の要部の縦断面拡大図であって、
遮音構造材を床梁に接合した遮音構造材用根太にビス止
めしたときの図である。 【図14】本発明に係る建築物の床構造の衝撃音測定に使
用される測定システムの模式図である。 【符号の説明】 1…遮音構造材 2a…床梁 2b…中間床梁 2c…床梁 2c1…下フランジ 2d…中間床梁 3a…角材 3b…板材 3c…切り込み 3d…遮音構造材用根太 3e,3f…アングル材 3g…嵩上げ材 4a…床下地面材 4b…床スラブ 5…床仕上材 6…根太 7…ビス 8…釘 9…天井 10…吸音材 11…衝撃音発生装置 12…マイクロホン 13…騒音計 14…コンクリートピット
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DE01 DF02 EA05 EA08 FA11 GA03 GA24 GA63 HA01 HA02 HA03 HA04 HA21 HB06 HC02 HC04 HC11 HD11 HD13 HE01 HE03 JA06 JA12 JC01 JC02 LA01 LA12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 建築物の床梁により組み付けられた水平
    軸組に、遮音構造材が床構成材と接することなく該水平
    軸組に支持されている建築物の床構造であって、該床構
    成材と該遮音構造材を同時に支持する床梁の相互間には
    該床構成材を支持し、且つ該遮音構造材を支持しない床
    梁が1本以上設けられることを特徴とする建築物の床構
    造。
JP2001285198A 2001-09-19 2001-09-19 建築物の床構造 Pending JP2003096963A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010270478A (ja) * 2009-05-20 2010-12-02 Takenaka Komuten Co Ltd 鉄骨造建物の床構造システム

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