JP6269770B1 - 遮音床・天井構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量増加を抑制しながら、床衝撃音の遮断性能を向上できる遮音床・天井構造を提供すること。【解決手段】遮音床・天井構造40は、鉄骨梁11と、上記鉄骨梁11に支持される床構造10と、衝撃音低減用のダイナミックダンパー103を有し且つ上記鉄骨梁11に支持される天井構造100と、を有する。上記床構造10は、コンクリート製の床スラブ12と、床スラブ12上に配置された複数の弾性変形可能な床緩衝材14と、上記床緩衝材14に支持された複数の床支持材15と、上記床支持材15に支持された床下地材16と、上記床スラブ12の孔12a、上記床緩衝材14の第1貫通孔14a、及び上記床支持材15の第2貫通孔15aに挿通された軸部17a、並びに下方に脱落しないように上記床支持材15に支持された頭部17bを有する固定ピン17と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、遮音床・天井構造に関する。
従来、建物の上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬されるのを遮断するために、床構造及び天井構造の双方において、床衝撃音の遮断性能を向上させることが検討されている。床構造においては、床スラブの重量を大きくすることで、遮断性能を改善できる。天井構造においては、防振性能を備えた吊り具及びダイナミックダンパーを設けることで、天井における防振の対象周波数帯域での振動伝搬が小さくされている。このように床衝撃音の遮断性能を向上させた床・天井構造として、特許文献1に記載の床・天井構造が知られている。
特開2012−46938号公報
床スラブの重量増加と、天井構造内への防振材及びダイナミックダンパーの追加とによる対策では、床衝撃音の遮断性能の向上に限界があった。また、これらの対策は、床・天井構造の重量増加を招くが、住宅では床・天井構造の軽量化が求められている。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重量増加を抑制しながら、床衝撃音の遮断性能を向上できる遮音床・天井構造を提供することである。
(1) 本発明に係る遮音床・天井構造は、鉄骨梁と、上記鉄骨梁に支持される床構造と、衝撃音低減用のダイナミックダンパーを有し且つ上記鉄骨梁に支持される天井構造と、を有する遮音床・天井構造であって、上記床構造は、上記鉄骨梁に支持されており、上方に開口する複数の孔を有するコンクリート製の床スラブと、上下方向へ延びる第1貫通孔を有しており、当該第1貫通孔を上記床スラブの孔に連続させて上記床スラブ上に配置された複数の弾性変形可能な床緩衝材と、上下方向へ延びる第2貫通孔を有しており、当該第2貫通孔を上記床緩衝材の第1貫通孔と連続させて上記床緩衝材に支持された複数の床支持材と、上記床支持材に支持された床下地材と、上記床スラブの孔、上記第1貫通孔、及び上記第2貫通孔に挿通された軸部、並びに下方に脱落しないように上記床支持材に支持された頭部を有する固定ピンと、を備えており、上記軸部は、少なくとも上記床スラブの孔及び上記第2貫通孔に対して上下方向へスライド可能である。
上記構成によれば、軸部が、床スラブの孔、第1貫通孔、及び第2貫通孔に挿通されているので、緩衝材が支持材及び床スラブに対して水平方向に位置ずれしない。軸部が、少なくとも床スラブの孔及び第2貫通孔に対して上下方向へスライド可能であるので、床下地材及び支持材と緩衝材とが、床スラブに対して上下方向に移動可能である。床下地材及び支持材に加わった衝撃音は、緩衝材の弾性変形のみならず、支持材と緩衝材とが上下方向に独立して移動すること、緩衝材と床スラブとが上下方向に独立して移動することによって、床スラブへの伝達が抑制される。このように、床構造に設けられた床緩衝材により、床面から床スラブに伝搬する衝撃力が低減される。したがって、天井構造においてだけでなく床構造において、上層階から下層階に伝搬される衝撃力を低減できる。また、床スラブの重量増加を必要としないので、遮音床・天井構造の重量増加も抑制される。
(2) 好ましくは、上記床構造は、上記鉄骨梁に固定された取付部材を更に備えており、上記床スラブは、上記取付部材上に載置されており、上記取付部材に載置された上記床スラブの下面は、上記鉄骨梁の上面よりも下方に位置する。
上記構成によれば、床スラブの下面の位置が、鉄骨梁の上面の位置よりも下方なので、床構造が床緩衝材を備えることにより床面位置が上昇することが、抑制される。
(3) 好ましくは、上記天井構造は、吊り具と、上記鉄骨梁に上記吊り具を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受けと、上記複数の第1野縁受けに対して略直交するように、上記第1野縁受けの下側に取り付けられた複数の野縁と、上記複数の野縁の下側に取り付けられた天井板と、を備える。
(4) 好ましくは、上記天井構造は、上記吊り具によって吊り下げ支持されることなく、上記第1野縁受けに対して略平行に配された複数の調整用の第2野縁受けを備え、上記野縁は、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに対して略直交するように、建物内壁に固定された複数の際野縁と、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに対して略直交するように、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けの下側に取り付けられた複数の中間野縁と、を備え、上記天井板は、上記際野縁及び上記中間野縁の下側に取り付けられ、上記吊り具には、軽量床衝撃音低減用の防振材が、組み込まれており、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに、その両端部を除くようにして、上記ダイナミックダンパーが、組み込まれており、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けの上記ダイナミックダンパーが組み込まれていない両端部が、上記建物内壁に対して縁切りした状態で、上記際野縁上に天井床緩衝材を介して載置されている。
上記構成によれば、天井構造において、吊り具に組み込んだ防振材によって、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を重点的に低減することができる。また、第1野縁受け及び第2野縁受けに組み込んだダイナミックダンパーによって、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を重点的に低減することができる。したがって、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることできる。
(5) 好ましくは、上記天井構造は、上記鉄骨梁に上記吊り具によって吊り下げ支持されることなく、上記第1野縁受けに対して略平行に配された複数の調整用の第2野縁受けを備え、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けと上記野縁とが、格子状に組み付けられており、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けと上記野縁との各交差部付近において、上記第1野縁受け又は上記第2野縁受けに上記ダイナミックダンパーが装着されている。
上記構成によれば、天井構造に設けたダイナミックダンパーによって、上層階の床における歩行感の悪化を招くことなく、また床材や天井材の重量を上げるときのような建物構造体に対して多大なる重量付加を与えることなく、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を低減することができる。
(6) 好ましくは、上記吊り具は、鉄骨梁に支持される下側プレートと、該下側プレートと対向配置されている上側プレートと、該両プレートを連結している筒状のゴム体と、該ゴム体及び上記両プレートを貫通して第1野縁受けが吊り下げられる吊りボルトと、上記上側プレートの上面に配置されて該吊りボルトに螺合されているナットと、を備えており、上記下側プレート及び上記上側プレートには、上記吊りボルトよりも大径の吊りボルト挿通孔がそれぞれ形成されており、上記ナットは、ナット本体部と、上記上側プレートの吊りボルト挿通孔に嵌挿されるように該ナット本体部の下面から下方に延びた後、径方向外側に屈曲する断面略L字状のカシメ部と、を有しており、該カシメ部により上記上側プレートのボルト挿通孔周縁部をかしめることで上記上側プレートに回転可能に取り付けられており、上記ゴム体は、上記カシメ部の外径よりも大きな内径を有しており、上記吊りボルトと上記ゴム体との隙間に、上記カシメ部と非当接状態で挿入されている筒状のゴムブッシュをさらに備えている。
上記構成によれば、天井構造の吊り具において、ナットが回転可能となるようにカシメ部が上側プレートのボルト挿通孔周縁部をかしめているので、上側プレートからのナットの浮き上がりが抑制される。したがって、第1野縁受けを介して吊りボルトに上向きの力が加わるような作業における施工性を向上させるとともに、吊り具の取付後に第1野縁受けを介して吊りボルトに作用する下方からの力の影響を抑制することができる。
本発明によれば、遮音床・天井構造は、重量増加を抑制しながら、床衝撃音の遮断性能を向上できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る遮音床・天井構造40の一部の斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る床構造10の一部の分解斜視図である。 図3は、図1のIII−III切断線における床構造10の断面図である。 図4は、図1のIV−IV切断線における床構造10の断面図である。 図5は、図4の要部拡大図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る床スラブ12の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の部分斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の壁際部分の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の概略平面図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の吊り具113付近の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の吊り具113の部分縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100のダイナミックダンパー103の装着部分の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の際野縁147に載置する野縁受け105、106を下から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100の際野縁147付近の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造100における野縁受け105、106と中間野縁107との交差部付近の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る天井構造のランナー149付近の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造100の要部斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造100の概略平面図である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造100の壁際部分を示す概略平面図である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造100の第2野縁受け106の種類を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る吊り具113を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る吊り具113を示す正面図である。 本発明の第3実施形態に係る吊り具113の上面図である。 図23のIII−III線の矢視断面図である。 本発明の第3実施形態に係るゴム体211の形状を示す断面図であり、同図(a)は、防振装置201に第1野縁受け105を吊り下げていない状態を示す図であり、同図(b)は、防振装置201に第1野縁受け105を吊り下げた状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る上側プレート207に対するナット141の取付状態を説明する図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は、本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更できることは言うまでもない。
[第1実施形態]
本明細書では、遮音床・天井構造40に関する方向として、上下方向23、第1方向24、及び第2方向25が与えられている。第1方向24及び第2方向25は、共に、上下方向23に直交する横方向であって、相互に直交している。第1方向24は、床支持材15、第1野縁受け105、106の長手方向である。第2方向25は、野縁107の長手方向である。
図1に示されるように、遮音床・天井構造40は、鉄骨梁11と、鉄骨梁11に支持されている床構造10と、鉄骨梁11に支持されている天井構造100と、を備えている。鉄骨梁11は、第1方向24に沿って延びる第1鉄骨梁11Aと、第2方向25に沿って延びる第2鉄骨梁11Bと、を有する。第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11Bを区別する必要がない場合、鉄骨梁11は、第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11Bを総称する。第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11Bは、共にH型鋼であり、周知の連結構造により相互に連結されている。
[床構造10]
図1及び図2に示されるように、床構造10は、第2鉄骨梁(床スラブを支持する鉄骨梁の一例)11Bに支持された複数の床スラブ12と、床スラブ12上に配置された防湿シート13と、防湿シート13を介して床スラブ12上に配置された複数の床緩衝材14と、床緩衝材14上に配置された複数の床支持材15と、床支持材15上に支持された床下地材16と、複数の固定ピン17と、を備える。また、床構造10は、第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11B上に配置された床枠材18及び断熱材19と、床枠材18上に防湿シート13を介して配置された縁部床緩衝材20と、縁部床緩衝材20上に配置された縁部床支持材21とを備える。縁部床支持材21の上には、床下地材16を介して壁枠材22が配置されている。なお、図2においては、防湿シート13は、外形のみが二点鎖線で示されている。
図3に示されるように、第2鉄骨梁11Bには、ブラケット26が溶接されたアングル材(取付部材の一例)27がボルト28により固定されている。同図には現れていないが、複数のブラケット26が、第2方向25に沿って間隔を空けて配置され、それぞれが第2鉄骨梁11Bに固定されている。各ブラケット26は、第2鉄骨梁11Bから第1方向24へ離れるように延びており、その上面において1本のアングル材27と溶接されている。アングル材27は、L形綱であり、その長手方向が第2鉄骨梁11Bと平行に、すなわち第2方向25に沿って配置されている。アングル材27は、上下方向23に延びる縦板部27aと、縦板部27aの下端から第1方向24に沿って第2鉄骨梁11Bから離れるように延びる横板部27bと、を有する。アングル材27は、第2鉄骨梁11Bと直接には接触していない。横板部27bの上面は、第2鉄骨梁11Bの上面より低い位置にある。
図1から図4に示されるように、床スラブ12は、床下地材16に加わる荷重を受ける部材である。床スラブ12の材料は、コンクリートである。床スラブ12の形状は、第1方向24に沿った長さが第2方向25に沿った長さより長い平面視が長方形の平板形状である。床スラブ12は、第1方向24に沿って延びる複数の中空部29を有する。複数の中空部29は、第2方向25に沿って並んでいる。なお、図6に示されるように、中空部29には、充填材41が詰められていてもよい。
床スラブ12は、上下方向23に延びる複数の孔12aを有している。孔12aは、固定ピン17を挿通させるための孔である。孔12aは、上方に開口し且つ中空部29に連続している。複数の孔12aは、1つの中空部29が延びる方向、すなわち第1方向24に沿って一定間隔を空けて一列に配置されている。床スラブ12には、複数の中空部29が形成されているが、第2方向25において、一定の数の中空部29毎に、例えば4つの中空部29毎に、複数の孔12aが第1方向24において一定の位置に形成されている。その結果、複数の孔12aは、第2方向25に沿っても一定間隔で一列に配置されている。各床スラブ12に形成されている孔12aの数は、当該床スラブ12に配置されている床緩衝材14の数及び固定ピン17の数と同等である。
床スラブ12は、対向する第2鉄骨梁11Bにそれぞれ固定された一対のアングル材27によって支持されている。床スラブ12の各端部は、アングル材27の横板部27b上に載置される。床スラブ12の各端部は、例えば金具などを用いて各アングル材27に固定されている。隣り合う床スラブ12の間には、断熱材30が配置されている(図4参照)。断熱材30は、例えばグラスウールである。なお、床スラブ12は、第2鉄骨梁11Bではなく、第1鉄骨梁11Aにアングル材27が固定され、そのアングル材27によって支持されてもよいし、第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11Bの双方にアングル材27を介して支持されてもよい。
図3に示されるように、アングル材27の横板部27bの上面は、第2鉄骨梁11Bの上面よりも低い位置にあるので、横板部27bに載置された床スラブ12の下面は、第2鉄骨梁11Bの上面よりも下方に位置している。これにより、床スラブ12の厚み(上下方向23に沿った長さ)を厚くしても、床スラブ12により区画される室内の高さが低くなることが抑制される。
図2から図4に示されるように、防湿シート13は、床スラブ12、床枠材18及び断熱材19の上面において湿気の通過を防止するための部材である。防湿シート13としては公知の素材のものが採用される。防湿シート13は、床スラブ12の上面、床枠材18の上面及び断熱材19の上面の全体を覆っている。防湿シート13は、例えば、粘着テープ又は接着剤により床スラブ12、床枠材18及び断熱材19に固定されている。
防湿シート13は、上下方向23に貫通された複数の孔13aを有している。孔13aは、固定ピン17を挿通させるための孔である。防湿シート13の孔13aは、床スラブ12の孔12aと同じ位置に配置されている。
図2から図5に示されるように、床緩衝材14は、床下地材16に加えられる衝撃による振動を低減するための部材である。床緩衝材14の材料は、弾性変形可能な材料、例えばゴムやエラストマーである。床緩衝材14は、平面視が長方形の平板形状である。床緩衝材14は、上下方向23(平板形状の厚み方向に相当する。)へ延びる第1貫通孔14aを有している。第1貫通孔14aは、固定ピン17を挿通させるための孔である。平面視における床緩衝材14の外形は、第1貫通孔14aの外径より十分に大きく、長辺が床支持材15の短手方向の長さと同程度である。複数の床緩衝材14が、第1貫通孔14aが床スラブ12の孔12a及び防湿シート13の孔13aに合致するように配置されている。
図2から図5に示されるように、床支持材15は、床下地材16を支持するための部材である。床支持材15の材料は、例えば木材である。床支持材15は、第1方向24に沿った長さが第2方向25に沿った長さより十分に長い細長な平板形状である。床支持材15の第1方向24に沿った長さは、床スラブ12の第1方向24に沿った長さに等しい。床支持材15の第2方向25に沿った長さは、床スラブ12の中空部29の第2方向25に沿った長さより若干長い。
床支持材15は、上下方向23へ延びる複数の第2貫通孔15aと、複数の凹部15bと、を有する。第2貫通孔15aは固定ピン17が挿通される貫通孔であり、凹部15bは、固定ピン17の頭部と係合する凹部である。第2貫通孔15a及び凹部15bは共に円形の孔であり、凹部15bを上方として同軸に配置されて連続し、床支持材15を貫通している。その結果、第2貫通孔15aは床支持材15の下面に開口し、凹部15bは床支持材15の上面に開口している。第2貫通孔15aの内径は、固定ピン17の軸部17aの外径より大きい。凹部15bの内径は、第2貫通孔15aの内径よりも大きく、且つ固定ピン17の頭部17bの外径より大きい。そのため、固定ピン17の頭部17bは、床支持材15に脱落不能に支持されている。複数の第2貫通孔15a及び凹部15bが、床支持材15の長手方向、すなわち第1方向24に沿って間隔を空けて一列に配置されている。各床支持材15に形成されている第2貫通孔15a及び凹部15bの数は、床スラブ12において第1方向24に一列に並ぶ孔12aの数に等しい。各孔12aに第1貫通孔14aが合致するように床緩衝材14が配置されているので、複数の床支持材15は、それぞれの第2貫通孔15aが床緩衝材14の第1貫通孔14aに合致するように配置されている。
図2から図5に示されるように、床下地材16は、床スラブ12により区画される室内に面する仕上げ材の下地となる部材である。床下地材16の材料は、例えば木材である。床下地材16は、平面視が長方形の平板形状である。床下地材16は、床支持材15及び縁部床支持材21の上に配置されている。複数の床下地材16は、床スラブ12の上面、床枠材18の上面及び断熱材19の上面の全体を覆っている。図2に示されるように、床下地材16は、上面からねじ込まれた固定ビス31(図2参照)により、床支持材15に固定されている。
図2から図5に示されるように、固定ピン17は、床緩衝材14及び床支持材15を床スラブ12に対して上下方向23に滑動可能に連結するための部材である。固定ピン17の材料は、例えばステンレス鋼である。固定ピン17は、上下方向23に延びる円柱状の軸部17aと、軸部17aの上端に固定された円板状の頭部17bと、を有する。頭部17bの外径は、軸部17aの外径よりも大きい。
図5に示されるように、軸部17aは、床スラブ12の孔12a、防湿シート13の孔13a、第1貫通孔14a及び第2貫通孔15aに挿通されている。軸部17aの下端は、中空部29内に位置している。頭部17bは、凹部15b内に配置されている。
頭部17bの外径は、第2貫通孔15aの内径よりも大きいので、頭部17bは、凹部15bの上面に支持され、これにより固定ピン17が凹部15bに係合されて下方へ脱落しない。頭部17bの上方には床下地材16が位置し、床下地材16は床支持材15に固定されているので、頭部17bは凹部15bの上方に移動できない。したがって、固定ピン17は、床支持材15及び床下地材16に脱落不能に支持されている。
軸部17aの外径は、孔12aの内径、孔13aの内径、第1貫通孔14aの内径及び第2貫通孔15aの内径よりも小さい。軸部17aは、床スラブ12の孔12a及び床緩衝材14の第1貫通孔14aに対して上下方向23にスライド可能である。第1突出長さ32は、床スラブ12の上面から軸部17aの下端までの長さである。例えば地震などによって固定ピン17が、床スラブ12の孔12aに対して上方へ滑動したときに、軸部17aの下端が孔12aから抜け出ないように、軸部17aの長さが設定されている。
第1貫通孔14aは、本実施形態では、床緩衝材14を電動ドリルを用いて穿孔することによって形成されているので、第1貫通孔14aの内面は滑らかな曲面ではなく凹凸面となっている。このような場合には、第1貫通孔14aの内径は一定ではなく、第1貫通孔14aの最小内径が軸部17aの外径よりも小さくなることがあり得る。すなわち、電動ドリルを用いた穿孔による削りカスなどが第1貫通孔14aの内面から突出して、部分的に内径を小さくなっている箇所が存在しうる。そのため、軸部17aが第1貫通孔14aにおいて内径が狭くなった箇所と接触することがあり得るが、このような接触は、床に加わった衝撃力や地震などによって、軸部17aが上下方向23に滑動することを概ね妨げない。
図2から図4に示されるように、床枠材18は、床スラブ12の縁に沿って配置されており、第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11B上に支持されている。床枠材18は、第1鉄骨梁11Aと平行に配置された第1角材18Aと、第2鉄骨梁11Bと平行に配置された第2角材18Bとを備える。床枠材18は、例えば、木製の角材である。床枠材18は、第1鉄骨梁11A及び第2鉄骨梁11Bに、例えば金具を用いて固定されている。
図2から図4に示されるように、断熱材19は、床スラブ12の縁に沿って配置されている。断熱材19は、床枠材18と床スラブ12との間に配置されている。断熱材19は、例えばグラスウールである。
図2から図4に示されるように、縁部床緩衝材20は、床緩衝材14と同様の部材である。複数の縁部床緩衝材20は、床スラブ12の縁において、第1方向24又は第2方向25において床緩衝材14と同じ間隔で配置されている。縁部床緩衝材20は、例えば粘着テープにより、防湿シート13に固定されている。第1鉄骨梁11Aの上方に位置する各縁部床緩衝材20は、第2方向25に沿って配置された床緩衝材14の列と一列をなす第2鉄骨梁11Bの上方に位置する各縁部床緩衝材20は、第1方向24に沿って配置された床緩衝材14の列と一列をなす。
図2から図4に示されるように、縁部床支持材21は、床下地材16の縁部を支持するための部材である。縁部床支持材21の材料は、例えば木材である。縁部床支持材21の形状は、平面視が長方形の平板形状である。縁部床支持材21の平面形状は、縁部床緩衝材20の平面形状と概ね同等である。各縁部床支持材21は、各縁部床緩衝材20の直上方に配置されている。各縁部床支持材21は、各縁部床緩衝材20の上面を覆っている。縁部床支持材21は、例えば粘着テープ又は接着剤により、縁部床緩衝材20に固定されている。
図2から図4に示されるように、壁枠材22は、内壁の枠組みとなる部材である。壁枠材22は、鉄骨梁11と平行に配置された木製の角材である。壁枠材22は、床下地材16に、例えば固定ビスを用いて固定されている。壁枠材22の直下方には、床下地材16を介して、複数の縁部床支持材21が位置している。つまり、縁部床支持材21の上方には、壁枠材22を元に内壁が構成される。
図1、図2を参照して、床構造10の構造がより詳しく説明される。
複数の床緩衝材14、本実施形態では64個の床緩衝材14は、第1方向24及び第2方向25にそれぞれ列をなして格子状に配置されている。第1鉄骨梁11A上に配置された複数の縁部床緩衝材20、本実施形態では8個の縁部床緩衝材20は、第1方向24に列をなしている。第2鉄骨梁11B上に配置された複数の縁部床緩衝材20、本実施形態では8個の縁部床緩衝材20は、第2方向25に列をなしている。全体として、複数の縁部床緩衝材20は、第1方向24及び第2方向25にそれぞれ列をなす複数の床緩衝材14と同列に配置されている。したがって、複数の床緩衝材14及び複数の縁部床緩衝材20の全体も、格子状に配置されている。
複数の床支持材15、本実施形態では8つの床支持材15は、当該床支持材15の長手方向(第1方向24)を互いに平行にして、短手方向(第2方向25)に間隔を空けて配置されている。各床支持材15の長手方向は、床スラブ12の長辺と平行であり、各床支持材15は、1つの床スラブ12上にのみ配置されている。つまり、各床支持材15は、複数の床スラブ12を跨がない。第1鉄骨梁11A上に配置された複数の縁部床支持材21、本実施形態では8つの縁部床支持材21は、第1方向24に列をなして配置されている。第2鉄骨梁11B上に配置された複数の縁部床支持材21、本実施形態では8つの縁部床支持材21は、第2方向25に列をなして配置されている。
第1方向24に沿って、複数の床下地材16、本実施形態では2つの床下地材16が並んで配置されている。これらの2つの床下地材16は、同一の床支持材15に固定されている。各床下地材16は、第2方向25に沿って、複数の床支持材15に跨がっている。また、同一の床下地材16には、複数の床支持材15が固定されている。例えば、最も大きな床下地材16には、8つの床支持材15が固定されており、最も小さな床下地材16には、2つの床支持材15が固定されている。
床構造10では、複数の床下地材16が同一の床支持材15に固定されているので、複数の床下地材16と、当該複数の床下地材16に固定された床支持材15とによって床支持材15毎に一体化部分が構成されている。また、一の床下地材16に複数の床支持材15が固定されているので、この一体化部分は、複数の床支持材15にわたって構成されている。このように、床構造10では、床下地材16及び床支持材15の一体化が実現され、一体化された部分の全体がその下方に配置された床緩衝材14の全体によって支持されている。
[天井構造100]
図7乃至図9に示すように、天井構造100は、上層階のH形鋼からなる鉄骨梁11に複数の吊り具113を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受け105と、吊り具113によって吊り下げ支持されることなく、第1野縁受け105に対して略平行に配された複数の調整用の第2野縁受け106と、これら第1及び第2野縁受け105、106に対して略直交するように、互いに対向する建物内壁104、104に固定された一対の際野縁147、147と、第1及び第2野縁受け105、106に対して略直交するように、第1及び第2野縁受け105、106の下側に取り付けられた複数の中間野縁107と、これら際野縁147、147及び中間野縁107の下側に取り付けられた石膏ボード等からなる天井板145とを備えている。
図10及び図11に示すように、吊り具113は、鉄骨梁11に取り付けられる梁取付部材129と、第1野縁受け105を支持する吊りボルト130とを備え、軽量床衝撃音を低減するための防振材としての圧縮型の防振ゴム131が一体に組み込まれている。
梁取付部材129は、鋼板を折曲形成してなり、鉄骨梁11に係合する梁係合部132と、防振ゴム131を装着するゴム装着部133とを備えている。梁係合部132は、略水平に配された上面片134と、この上面片134の相対する端部から垂下して互いに平行に配された一対の側面片135、135とによって、開放部分が下向きとなったコ字状に形成されている。そして、側面片135、135には、嵌合溝136が横向きに夫々形成されており、これら嵌合溝136、136に鉄骨梁11のフランジ114を嵌め込むようにして、梁係合部132が鉄骨梁11に係合するようになっている。ゴム装着部133は、梁係合部132の上面片134を鉄骨梁11から離間する方向に略水平に延出してなり、その略中央には、防振ゴム131を取り付けるための取付孔137が形成されている。
防振ゴム131は、略中央部を括れさせた略円柱形に形成されており、その軸方向の略中央部にはボルト挿通孔138が上下方向に貫通して形成されている。また、防振ゴム131の下面中央には、ボルト挿通孔138を囲むようにして円環状の係止部139が形成されている。そして、この防振ゴム131の係止部139をゴム装着部133の取付孔137に上方から嵌め込んで、係止部139をゴム装着部133に嵌合させることで、防振ゴム131が梁取付部材129に対して上方へ張り出すように取り付けられている。これにより、鉄骨梁11の下側のスペースが狭い場合においても、このスペースに関係なく防振ゴム131を確実に組み込むことができ、施工性の向上を図ることができる。
吊りボルト130は、その上下端部に螺子部140、143が形成されている。なお、吊りボルト130の上端部には、螺子部140を設ける代わりにボルト頭を形成しても良い。そして、この吊りボルト130は、その上側の螺子部140にナット141及び座金142が取り付けられた後、防振ゴム131のボルト挿通孔138に上方から挿入されて、ナット141及び座金142が防振ゴム131に引っ掛かることで、防振ゴム131を上下方向に貫通した状態で、防振ゴム131を介して梁取付部材129に取り付けられている。また、このようにして梁取付部材129から垂下した吊りボルト130の下側の螺子部143が、後述する第1野縁受け105のフランジ108のボルト挿通用孔111を貫通して、このフランジ108を挟むようにして螺子部143に螺合したナット144、144を締め付けることで、吊りボルト130の下端部に第1野縁受け105が取り付けられている。なお、吊り具113の形状は、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
第1野縁受け105は、図12に示すように、開口部分を側方へ向けるように配置された溝形鋼からなり、上下一対のフランジ108、108と、それらフランジ108、108の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ110とを備えている。そして、フランジ108及びウエブ110には、その長手方向に間隔をあけて複数のボルト挿通用孔111、112が形成されている。また、第2野縁受け106は、第1野縁受け105と同様の構造であるが、フランジ108のボルト挿通用孔111は形成しなくても良い。なお、第1及び第2野縁受け105、106の形状は、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
そして、これら第1及び第2野縁受け105、106には、その両端部を除くようにして長手方向に適宜間隔をあけながら、重量床衝撃音を低減するための複数のダイナミックダンパー103が予め一体に組み込まれている。
ダイナミックダンパー103は、図12に示すように、例えば略直方体状に形成された質量体122と、この質量体122よりも一回り小さな略直方体状に形成された弾性体123とを備えている。そして、弾性体123における質量体122側とは反対側の側面には、一対のボルト挿通用孔124、124を有する装着板125が取り付けられている。
このようにして構成されたダイナミックダンパー103は、その装着板125を第1野縁受け105のウエブ110や第2野縁受け106のウエブ110にそれらのボルト挿通用孔112、124が互いに一致するように当接させて、それらボルト挿通用孔112、124に挿通したボルト127、127にナット128、128を螺合して締め付けることにより、弾性体123によって質量体122を弾性支持するようにして、剛性の高い第1野縁受け105のウエブ110や第2野縁受け106のウエブ110に水平方向に張り出した状態で装着されている。これにより、床下空間における配管や断熱材等の施工に際して、ダイナミックダンパー103が邪魔にならないようにすることができる。なお、ダイナミックダンパー103の取り付けに際しては、上記のようにボルト127、127及びナット128、128によって固定するだけでなく、固定ピン等を使用してカシメ固定するようにしても良い。
際野縁147は、図13及び図14に示すように、断面略ロ字状の鋼製筒材からなり、その側面片115、115にはその長手方向に沿って係止溝116が各々形成されている。なお、際野縁147の形状は、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。この際野縁147は、側面片115、115を貫通する複数のビス148によって建物内壁104に固定されている。そして、互いに対向する建物内壁104、104に固定された際野縁147、147の上面間に跨るようにして、上記の第1及び第2野縁受け105、106が載置されている。具体的には、第1及び第2野縁受け105、106の両端部のフランジ108に、例えば発泡樹脂又はゴム製等の平板状の天井緩衝材146、146が接着剤等で予め貼り付けられていて、それら第1及び第2野縁受け105、106の両端部を、建物内壁104、104に対して僅かな隙間を設けて縁切りした状態で、際野縁147、147の上面に天井緩衝材146、146を介在させながら載置している。
中間野縁107は、際野縁147と同様の構造の鋼製筒材からなる。なお、中間野縁107の形状は、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。この中間野縁107は、第1及び第2野縁受け105、106に取り付けられた複数の野縁支持具117によって支持されている。野縁支持具117は、図15及び図16に示すように、上面部118と、この上面部118の側縁から延出した一対の側面部119、119とによって下向きの略コ字状に形成されている。この野縁支持具117の上面部118には、一対の係合片120、120が形成されており、側面部119、119には、一対の係止爪121、121が各々形成されている。
そして、野縁支持具117の係合片120、120を、第1野縁受け105や第2野縁受け106のフランジ108に係合させることで、野縁支持具117が第1野縁受け105や第2野縁受け106のフランジ108に取り付けられて、この野縁支持具117の側面部119、119間に中間野縁107の上部を差し入れて、野縁支持具117の係止爪121、121を中間野縁107の係止溝116、116に係合させることで、中間野縁107が野縁支持具117に支持されるようになっている。
なお、中間野縁107及び際野縁147の両端部は、図8及び図16に示すように、中間野縁107及び際野縁147に対して略直交するように、互いに対向する建物内壁104、104にビス50止めされた断面コ字状の溝形鋼からなるランナー149、149に固定されている。具体的には、ランナー149、149の室内側に開放する溝部に、中間野縁107及び際野縁147の端部が差し込まれた状態で、ランナー149、149に中間野縁107及び際野縁147の両端部がビス151によりビス止めされている。
天井構造100においては、第1及び第2野縁受け105、106と中間野縁107及び際野縁147とが格子状に組み付けられて、天井板145の下地部分を構成している。この下地部分では、吊り具113によって吊り下げ支持される第1野縁受け105とは別に、吊り具113によって吊り下げ支持されることなく、第1野縁受け105に対して略平行に配された第2野縁受け106が追加的に設けられて、剛性が高められていることから、天井板145の撓みを抑えることができ、吊り具113に防振ゴム131を組み込んで軽量床衝撃音対策を講じているにもかかわらず、防振ゴム131のクリープ変形に起因する天井板145の部分的な垂れ下がりを防止して、良好な施工状態を長期に亘って維持することができるようになっている。
また、第1及び第2野縁受け105、106と中間野縁107との各交差部付近に、第1及び第2野縁受け105、106に組み込まれたダイナミックダンパー103が配置されている。各交差部付近は、剛性が高くしかも天井全体に亘って分配配置されており、このような各交差部付近にダイナミックダンパー103を配置することで、ダイナミックダンパー103による重量床衝撃音の低減効果を天井全体に亘って効果的に利かすことができ、遮音性能を向上している。
また、ダイナミックダンパー103は、例えば63Hz帯域の振動を抑えるようにチューニングされており、これらダイナミックダンパー103の配置個数、すなわち第1及び第2野縁受け105、106の本数によって重量床衝撃音に対する遮音性能が設定されるが、鉄骨梁11に吊り下げ支持されていない施工自由度の高い第2野縁受け106の本数を適宜調整することで、ダイナミックダンパー103の設置個数を増減させて遮音性能を簡単に調整することができるようになっている。
天井構造100によれば、吊り具113に予め組み込まれた防振ゴム131によって、上層階から下層階へ伝搬する振動を伴った軽量床衝撃音を重点的に低減することができ、第1及び第2野縁受け105、106に組み込んだダイナミックダンパー103によって、上層階から下層階へ伝搬する振動を伴った重量床衝撃音を重点的に低減することができることから、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることができる。
しかも、第1及び第2野縁受け105、106におけるダイナミックダンパー103が組み込まれていない両端部を、建物内壁104、104に対して縁切りした状態で、建物内壁104、104に固定した際野縁147、147上に天井緩衝材146、146を介して載置していることから、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動するダイナミックダンパー103が建物内壁104、104に干渉することによって生じる衝突音、振動する第1及び第2野縁受け105、106が建物内壁104、104に干渉することによって生じる衝突音、さらには振動する第1及び第2野縁受け105、106が建物内壁104、104に固定した際野縁147、147と擦れ合うことによる擦れ音等の異音の発生を防止することができ、床衝撃音対策だけでなく、異音対策にも十分に配慮することができる。
図7に示されるように、天井構造100は、上層階の鉄骨梁11に取り付けられる天井板145に、質量体122と弾性体123とを組み合わせてなるダイナミックダンパー103を、その弾性体123によって質量体122を弾性支持するようにして装着している。
天井板145は、鉄骨梁11に吊り下げ支持された第1野縁受け105と、鉄骨梁11に吊り下げ支持されることのない第2野縁受け106と、これら互いに平行に配された複数の第1野縁受け105及び第2野縁受け106に対して直交するように配された複数の野縁107、147とを格子状に組み付けてなり、複数の第1野縁受け105と複数の野縁107、147との各交差部付近において、複数の第1野縁受け105にダイナミックダンパー103を装着している。
また、野縁受け105、106は、上下一対のフランジ108、108と、それらフランジ108、108の長手方向に沿った一端部同士を連結するウエブ110とを備え、その野縁受け105、106のウエブ110に、ダイナミックダンパー103を水平方向へ張り出させた状態で装着している。さらに、野縁受け105、106に、ダイナミックダンパー103を予め一体に装着している。
さらにまた、複数の第1野縁受け105間の間隔及び複数の野縁107、147間の間隔を、300〜500mmとしている。
図7に示されるように、遮音床・天井構造40は、建物上層階の鉄骨梁11上に上層階の床スラブ12を敷設するとともに、鉄骨梁11に下層階の天井板145を吊り下げ支持したものである。天井板145に、重量床衝撃音低減用の複数のダイナミックダンパー103が分散配置されている。床スラブ12の面密度は、100〜120kg/平方mであり、天井板145の1平方m当たりにおけるダイナミックダンパー103の重量は2〜4kgである。
床スラブ12は、中空部29に充填材41を微動可能に充填してなり、その厚みを100mmとしている。床スラブ12の面密度は120kg/平方mであり、天井板145の1平方m当たりにおけるダイナミックダンパー103の重量は3kgである。
さらに、天井板145は、鉄骨梁11に軽量床衝撃音低減用の複数の吊り具113を介して吊り下げ支持した複数の第1野縁受け105と、鉄骨梁11に吊り下げ支持することなく、第1野縁受け105に対して略平行に配設した複数の第2野縁受け106と、第1及び第2野縁受け105、106に対して略直交するように、第1及び第2野縁受け105、106の下側に取り付けた複数の野縁107、147とからなる。ダイナミックダンパー103は、第2野縁受け106のみに装着されている。
さらにまた、第2野縁受け106に装着されたダイナミックダンパー103は、第2野縁受け106と野縁107、147との交差部付近に配置されている。
また、第2野縁受け106の本数を調整して、ダイナミックダンパー103の個数を増減させることで、重量床衝撃音に対する遮断性能が調整可能である。
さらに、ダイナミックダンパー103は、質量体122と弾性体123とを組み合わせてなる。ダイナミックダンパー103は、その弾性体123によって質量体122を弾性支持するようにして、第2野縁受け106にその高さ寸法内に収まるように水平方向に張り出した状態で装着されている。
[第1実施形態の作用効果]
第1実施形態に係る床構造10によれば、軸部17aが、床スラブ12の孔12a、第1貫通孔14a、及び第2貫通孔15aに挿通されているので、床緩衝材14が床支持材15及び床スラブ12に対して水平方向に位置ずれしない。軸部17aが、少なくとも床スラブ12の孔12a及び第2貫通孔15aに対して上下方向23へスライド可能であるので、床下地材16及び床支持材15と床緩衝材14とが、床スラブ12に対して上下方向23に移動可能である。床下地材16及び床支持材15に加わった衝撃音は、床緩衝材14の弾性変形のみならず、床支持材15と床緩衝材14とが上下方向23に独立して移動すること、床緩衝材14と床スラブ12とが上下方向23に独立して移動することによって、床スラブ12への伝達が抑制される。このように、床構造10に設けられた床緩衝材14により、床面から床スラブ12に伝搬する衝撃力が低減される。したがって、天井構造100においてだけでなく床構造10において、上層階から下層階に伝搬される衝撃力を低減できる。また、床スラブ12の重量増加を必要としないので、遮音床・天井構造40の重量増加も抑制される。
また、床スラブ12の下面の位置が、鉄骨梁11の上面の位置よりも下方なので、床構造10が床緩衝材14を備えることにより床面位置が上昇することが、抑制される。
また、天井構造100において、吊り具113に組み込んだ防振材(131)によって、上層階から下層階へ伝搬する軽量床衝撃音を重点的に低減することができる。また、第1野縁受け105及び第2野縁受け106に組み込んだダイナミックダンパー103によって、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を重点的に低減することができる。したがって、軽量床衝撃音及び重量床衝撃音の双方を効果的に抑えることできる。
また、天井構造100に設けたダイナミックダンパー103によって、上層階の床における歩行感の悪化を招くことなく、また床材や天井材の重量を上げるときのような建物構造体に対して多大なる重量付加を与えることなく、上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を低減することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る遮音床・天井構造40が説明される。第2実施形態に係る天井構造100は、第2野縁受け106の長さ及び配置において、第1実施形態に係る天井構造100とは異なる。それ以外の点では、第2実施形態は、第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と共通の部材には同一の符号が付されており、これらの部材についての説明は省略されている。
図17から図19に示されるように、天井構造100には、ダイナミックダンパー103付きの第2野縁受け106として、長さの異なる数種類のものが設けられている。具体的には、図20に示すように、6個〜12個のダイナミックダンパー103を夫々組み込んだ7種類のものが予め用意され、それらの各長さは、短いものから順に例えば約1870mm、約2200mm、約2530mm、約2870mm、約3200mm、約3530mm、約3870mmとされている。なお、すべての種類の第2野縁受け106において、ダイナミックダンパー103は長手方向に野縁の割付間隔となる約333mmの間隔をあけて装着されており、両端部分に位置するダイナミックダンパー103から野縁受け両端面までの距離がいずれも約100mmとされている。
そして、このような長さの異なる数種類(具体的には7種類)の第2野縁受け106を、天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置している。これにより、第2野縁受け106に対する現場での加工(カット調整)を極力なくすようにして、高価で再生困難なダイナミックダンパー103を廃棄せずに済むようにしている。
この組み合わせ配置に際しては、特に天井面の幅寸法(対向する建物内壁104間の距離)が、図20(g)に示す第2野縁受け106(最も長い第2野縁受け)の長さを大幅に上回っている場合には、図17及び図18に示すように、複数の第2野縁受け106、106を横一列に並べることで、天井面の幅寸法に見合った長さに調整している。例えば、天井面の幅寸法が約6250mmのときには、図20(c)に示す第2野縁受け106と図20(e)に示す第2野縁受け106を横一列に並べたり、図20(d)に示す第2野縁受け106を2本使用してこれらを横一列に並べるようにしている。
そして、このように複数の第2野縁受け106、106を横一列に並べるにあたって、第2野縁受け106、106の端部間には隙間S1を確保している。これにより、第2野縁受け106、106の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け106、106を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け106、106の端部同士の干渉をなくして、これら端部同士が擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
また、第2野縁受け106、106を横一列に並べてなる複数の第2野縁受け列106Aは、図17及び図18に示すように、第1野縁受け105に対して略直交する方向に略等間隔をあけて互いに略平行に配置されるが、この場合、各第2野縁受け列106Aの中間部分において、隙間S1すなわち強度的に弱い欠損部分が生じることになる。そこで、これら第2野縁受け列106Aにおける隙間S1を、第1野縁受け105に対して略直交する直線(図18の一点鎖線で示す線)上に揃わないように千鳥状に配置して、強度的に弱い欠損部分を分散させることで、天井板145に撓みを生じさせるような剛性低下を招くことがないようにしている。なお、間仕切り壁の直上位置近傍において隙間S1を千鳥状に配置させるようにすれば、剛性低下を確実に抑えることができる。
さらに、第2野縁受け106は、鉄骨梁11に吊り下げ支持されておらず、構造上支障をきたすことなく、比較的容易に増設したり、取り除いたりすることができることから、このような施工自由度の高い第2野縁受け106の本数を適宜調整することで、ダイナミックダンパー103の設置個数を増減させて、重量床衝撃音に対する遮音性能を簡単に調整可能としている。
なお、第1及び第2野縁受け105、106のうち第2野縁受け106のみに、重量床衝撃音低減用のダイナミックダンパー103が予め組み込んであって、第1野縁受け105には組み込まないようにしたのは、以下の理由による。すなわち、鉄骨梁11に吊り下げ支持されて、天井荷重を支える第1野縁受け105は、天井面の端から端まで1本で連続していることが良好な剛性を確保する上で好ましい。このため、第1野縁受け105の施工に際しては、比較的長尺なものを用意して、天井面の形状や大きさに応じて加工(カット調整)することが一般的になされている。従って、このような現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受け105に対しては、ダイナミックダンパー103をあえて組み込まないようにして、加工(カット調整)に伴うダイナミックダンパー103の廃棄をなくすようにしている。なお、このように第1野縁受け105に対してダイナミックダンパー103を組み込まなくても、第1野縁受け105は第2野縁受け106に比べて本数が極端に少ないことから、重量床衝撃音に対する遮音性能に支障をきたすことはない。
また、図19に示されるように、建物内壁104に対向する第2野縁受け106の端部は、際野縁147に対して離間した状態で配置されて、第2野縁受け106の端部と際野縁147との間には隙間S2が確保されている。これにより、第2野縁受け106の配置に際して融通が利くようになり、多少の寸法誤差や施工誤差が生じていても、第2野縁受け106を支障なく配設することができる。しかも、上層階から下層階へ床衝撃音が伝搬するときに、振動する第2野縁受け106が建物内壁104に干渉することによって生じる衝突音、さらには振動する第2野縁受け106が建物内壁104に固定した際野縁147と擦れ合うことによる擦れ音の発生を防止することができる。
[第2実施形態の作用効果]
上記構成によれば、現場での加工(カット調整)を余儀なくされる第1野縁受け105には、ダイナミックダンパー103をあえて組み込まないようにして、第2野縁受け106のみにダイナミックダンパー103を予め組み込むようにしている。これら第2野縁受け106については、長さの異なる数種類のものを天井面の形状や大きさに応じて選択的に組み合わせながら配置することで、現場での加工(カット調整)を極力なくすようにしている。したがって、高価で再生困難なダイナミックダンパー103を廃棄せずに済み、施工費や材料費の削減を図ることができるとともに、環境面にも配慮することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る遮音床・天井構造40が説明される。第3実施形態に係る天井構造100は、吊り具313の構成において、第1実施形態に係る天井構造100とは異なる。それ以外の点では、第3実施形態は、第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と共通の部材には同一の符号が付されており、これらの部材についての説明は省略されている。
図21に示されるように、吊り具313は、防振装置201と、鋼製の梁取付部材231と、を備えている。
図22に示されるように、防振装置201は、梁取付部材231を介して鉄骨梁11に支持される下側プレート205と、該下側プレート205と対向配置されている上側プレート207と、該両プレート205、207を連結している筒状のゴム体211と、該ゴム体211及び上記両プレート205、207を貫通して第1野縁受け105が吊り下げられる吊りボルト130と、上記上側プレート207の上面に配置されて該吊りボルト130に螺合されているナット141とを備えている。
下側プレート205は、図23及び図24に示すように、略正方形状の鋼製プレートであり、その中央部に上記吊りボルト130よりも大径の下側吊りボルト挿通孔(吊りボルト挿通孔)205aが形成されている一方、その四隅部には該下側吊りボルト挿通孔205aよりも小径の4つのリベット孔205b、205bが形成されている。この下側プレート205は、鉄骨梁11(図21参照)に、直接又はブラケット部材等を介して取付支持される。なお、下側吊りボルト挿通孔205aの周縁部は下方に折り曲げられて僅かに下方に突起する環状突起部205cを構成している。なお、図24中の符号Zは防振装置201の上下方向に延びる中心軸を示している。
上側プレート207は鋼製であり、中央部に上側吊りボルト挿通孔(吊りボルト挿通孔)207aが形成された環状の頂板部207cと、該頂板部207cの外周端から径方向外側に行くほど下方に延びる傾斜部207dと、該傾斜部207dの下端から径方向外側に延びる環状の鍔部207eを有していて、逆皿状をなしている。上側吊りボルト挿通孔207aは、上記吊りボルト130よりも大径に形成されており、図26に示すように、頂板部207cの厚さ中央より下側の部分が段差部207bを介して拡径している(厚さ中央より上側の部分よりも大径に形成されている)。
上記筒状のゴム体211は、下側プレート205及び上側プレート207と一体に加硫成形されてなるものであり、下側プレート205の上面と上側プレート207の下面とを連結している。このゴム体211は、後述するナット141のカシメ部229の外径よりも大きな内径を有しており、吊りボルト130を上昇又は下降させるためにナット141を回転させる際に該カシメ部229に接触しないようになっている。
上記ゴム体211の内周面211dの下側部分には、径方向内側に突起する凸条部215が全周に亘って形成されている。この凸条部215は、断面矩形状に形成されており、後述するゴムブッシュ213の凹溝部217に係合するようになっている。なお、ゴム体211の内周面211dは、凸条部215以外の部分が略ストレート形状をなしている。
これに対し、上記ゴム体211の外周面は、第1野縁受け105を吊り下げていない状態では、図25(a)に示すように、軸方向中央部211bが両端部211a、211cよりも径方向内側に凹んだ形状をなしている一方、第1野縁受け105を吊り下げた状態では、図25(b)に示すように、略ストレート形状をなすようになっている。より具体的には、ゴム体211の外周面は、第1野縁受け105が吊り下げられると、該ゴム体211が上下に縮み、その軸方向中央部211bが径方向外側に膨らむことによって略ストレート形状をなすように構成されている。このように、ゴム体211の外周面を、軸方向中央部211bが両端部211a、211cよりも径方向内側に凹んだ形状(くびれた形状)にするのは、第1野縁受け105を吊り下げた状態(負荷状態)において、外周面を凹凸の無い略ストレート形状とすることで、応力集中が発生するのを抑制するためである。
上記吊りボルト130は、上記ナット141に螺合されており、該ゴム体211及び下側プレート205及び上側プレート207と接触することなく、これらを貫通して下方に延びている。この吊りボルト130によって第1野縁受け105を吊り下げる際には、図21に示すように、第1野縁受け105に形成された貫通孔に吊りボルト130の下端部を挿入し、該下端部に螺合された2つのナット144、144で第1野縁受け105を上下に締め付けることで第1野縁受け105を固定する。
上記ナット141は、上記吊りボルト130が螺合するナット本体部219と、上記上側吊りボルト挿通孔207aに嵌挿されるように該ナット本体部219の下面から下方に延びた後、径方向外側に屈曲する断面略L字状のカシメ部229とを有している。換言すると、図26に示すように、カシメ部229は、ナット本体部219の下面から下方に延びて上側吊りボルト挿通孔207aの上側部分に嵌挿されているリング部229aと、該リング部229aの下端から上側吊りボルト挿通孔207aの段差部207bを下側から覆うように径方向外側に延びているリングプレート部229bとを有している。
上記ナット141は、カシメ部229により上側プレート207の上側吊りボルト挿通孔207a周縁部をかしめることで該上側プレート207に回転可能に取り付けられている。より具体的には、ナット141は、リング部229aが上側吊りボルト挿通孔207aの上側部分に嵌挿されるとともに、リングプレート部229bの上面が上側吊りボルト挿通孔207aの段差部207bに面するように、ナット本体部219の下面とリングプレート部229bの上面とで上側吊りボルト挿通孔207aの上側部分の周縁部を挟み込むことにより、上側プレート207に回転可能に取り付けられている。これにより、簡単な構造でナット141の上方への移動が規制される。なお、上述のように、上記ゴム体211はカシメ部229の外径よりも大きな内径を有しているので、ナット141が上側プレート207に対して回転する際に、ゴム体211が支障となることはない。
この防振装置201は、図24に示すように、上記吊りボルト130と上記ゴム体211との隙間に、上記カシメ部229と非当接状態で(干渉しないように)挿入されている筒状のゴムブッシュ213をさらに備えている。
上記ゴムブッシュ213は、その外周面が略ストレート形状の筒体であり、上端部が切頭円錐状をなしている。このゴムブッシュ213は、その径方向の厚さが、吊りボルト130とゴム体211との隙間と略同じ長さになるように形成されている。このような厚さを有するゴムブッシュ213をゴム体211に下方から挿入することにより、吊りボルト130とゴム体211との隙間が埋められて、吊りボルト130がZ軸に対して傾くのが抑えられる。
また、ゴムブッシュ213の外周面には、上記ゴム体211の凸条部215と対応する部分に該凸条部215と係合する凹溝部217が全周に亘って形成されている。この凹溝部217は、断面矩形状をなすように径方向内側に凹んでおり、この凹溝部217に上記凸条部215を係合させることで、ゴムブッシュ213がゴム体211に取り付けられている。
上記ゴムブッシュ213は、その上端が上記カシメ部229のリングプレート部229bに干渉しない程度に近接する一方、その下端が下側プレート205と略同じ高さ位置となるようにZ軸方向に延びている。このように、ゴムブッシュ213の軸方向長さを長くするのは、吊りボルト130が繰り返し上下に動いた場合にも、ゴムブッシュ213の上方に空間が形成されないようにすることで、ゴムブッシュ213が上方にずれるのを抑えるためであり、また、ゴムブッシュ213の下端を下側プレート205と略同じ高さ位置とするのは、万が一ゴムブッシュ213が下方にずれたときに、その下端が下側プレート205の下側吊りボルト挿通孔205a(環状突起部205c)から下方に飛び出さないようにするためである。
図21に示されるように、防振装置201は、鋼製の梁取付部材231を介して鉄骨梁11に取り付けられている。この梁取付部材231は、鋼製プレートを折り曲げ加工することで形成されており、長方形状の底壁部232と、該底壁部232の側縁端から上方に延びる2つの側壁部235、235とを備えている。
上記底壁部232には、その前端部(図21の右側の端部)に上記下側プレート205の環状突起部205cの外径と略同じ大きさの嵌合孔233aが形成されている一方、その後端部(図21の左側の端部)に、該梁取付部材231を鉄骨梁11に固定するための固定ボルト237が設けられている。
上記各側壁部235、235には、その後端部の上下方向中央部を矩形状の切り欠いた切欠き部235bが形成されている。
上記防振装置201をこの梁取付部材231に取り付ける際には、防振装置201の下側プレート205の環状突起部205cを梁取付部材231の嵌合孔233aに嵌めた状態で、防振装置201を下側プレート205にリベット239、239で締結する。
防振装置201が取り付けられた梁取付部材231を鉄骨梁11に取り付ける際には、図21に示すように、切欠き部235bの上縁部と固定ボルト237によって万力のように鉄骨梁11のフランジ114を挟む。これにより、防振装置201が梁取付部材231を介して鉄骨梁11に取り付けられる。
次に、吊りボルト130の下端部に螺合された2つのナット144、144で第1野縁受け105を上下に締め付けることで第1野縁受け105を固定する。
[第3実施形態の作用効果]
上記構成によれば、天井構造100の吊り具313において、ナット141が回転可能となるようにカシメ部229が上側プレート207のボルト挿通孔207a周縁部をかしめているので、上側プレート207からのナット141の浮き上がりが抑制される。したがって、第1野縁受け105を介して吊りボルト130に上向きの力が加わるような作業における施工性を向上させるとともに、吊り具313の取付後に第1野縁受け105を介して吊りボルト130に作用する下方からの力の影響を抑制することができる。
10・・・床構造
11・・・鉄骨梁
12・・・床スラブ
14・・・床緩衝材
15・・・床支持材
16・・・床下地材
17・・・固定ピン
27・・・アングル材(取付部材の一例)
40・・・遮音床・天井構造
100・・・天井構造
103・・・ダイナミックダンパー
105・・・第1野縁受け
106・・・第2野縁受け
107・・・中間野縁
108・・・フランジ
110・・・ウエブ
113、313・・・吊り具
122・・・質量体
123・・・弾性体
141・・・ナット
145・・・天井板
146・・・天井緩衝材
147・・・際野縁
201・・・防振装置

Claims (6)

  1. 鉄骨梁と、上記鉄骨梁に支持される床構造と、衝撃音低減用のダイナミックダンパーを有し且つ上記鉄骨梁に支持される天井構造と、を有する遮音床・天井構造であって、
    上記床構造は、
    上記鉄骨梁に支持されており、上方に開口する複数の孔を有するコンクリート製の床スラブと、
    上下方向へ延びる第1貫通孔を有しており、当該第1貫通孔を上記床スラブの孔に連続させて上記床スラブ上に配置された複数の弾性変形可能な床緩衝材と、
    上下方向へ延びる第2貫通孔を有しており、当該第2貫通孔を上記床緩衝材の第1貫通孔と連続させて上記床緩衝材に支持された複数の床支持材と、
    上記床支持材に支持された床下地材と、
    上記床スラブの孔、上記第1貫通孔、及び上記第2貫通孔に挿通された軸部、並びに下方に脱落しないように上記床支持材に支持された頭部を有する固定ピンと、を備えており、
    上記軸部は、少なくとも上記床スラブの孔及び上記第2貫通孔に対して上下方向へスライド可能である遮音床・天井構造。
  2. 上記床構造は、上記鉄骨梁に固定された取付部材を更に備えており、
    上記床スラブは、上記取付部材上に載置されており、
    上記取付部材に載置された上記床スラブの下面は、上記鉄骨梁の上面よりも下方に位置する請求項1に記載の遮音床・天井構造。
  3. 上記天井構造は、
    吊り具と、
    上記鉄骨梁に上記吊り具を介して吊り下げ支持されて、互いに略平行に配された複数の第1野縁受けと、
    上記複数の第1野縁受けに対して略直交するように、上記第1野縁受けの下側に取り付けられた複数の野縁と、
    上記複数の野縁の下側に取り付けられた天井板と、を備える請求項1又は2に記載の遮音床・天井構造。
  4. 上記天井構造は、
    上記吊り具によって吊り下げ支持されることなく、上記第1野縁受けに対して略平行に配された複数の調整用の第2野縁受けを備え、
    上記野縁は、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに対して略直交するように、建物内壁に固定された複数の際野縁と、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに対して略直交するように、上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けの下側に取り付けられた複数の中間野縁と、を備え、
    上記天井板は、上記際野縁及び上記中間野縁の下側に取り付けられ、
    上記吊り具には、軽量床衝撃音低減用の防振材が、組み込まれており、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けに、その両端部を除くようにして、上記ダイナミックダンパーが、組み込まれており、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けの上記ダイナミックダンパーが組み込まれていない両端部が、上記建物内壁に対して縁切りした状態で、上記際野縁上に天井床緩衝材を介して載置されている請求項3に記載の遮音床・天井構造。
  5. 上記天井構造は、
    上記鉄骨梁に上記吊り具によって吊り下げ支持されることなく、上記第1野縁受けに対して略平行に配された複数の調整用の第2野縁受けを備え、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けと上記野縁とが、格子状に組み付けられており、
    上記第1野縁受け及び上記第2野縁受けと上記野縁との各交差部付近において、上記第1野縁受け又は上記第2野縁受けに上記ダイナミックダンパーが装着されている請求項3に記載の遮音床・天井構造。
  6. 上記吊り具は、
    鉄骨梁に支持される下側プレートと、
    該下側プレートと対向配置されている上側プレートと、
    該両プレートを連結している筒状のゴム体と、
    該ゴム体及び上記両プレートを貫通して第1野縁受けが吊り下げられる吊りボルトと、
    上記上側プレートの上面に配置されて該吊りボルトに螺合されているナットと、を備えており、
    上記下側プレート及び上記上側プレートには、上記吊りボルトよりも大径の吊りボルト挿通孔がそれぞれ形成されており、
    上記ナットは、ナット本体部と、上記上側プレートの吊りボルト挿通孔に嵌挿されるように該ナット本体部の下面から下方に延びた後、径方向外側に屈曲する断面略L字状のカシメ部と、を有しており、該カシメ部により上記上側プレートのボルト挿通孔周縁部をかしめることで上記上側プレートに回転可能に取り付けられており、
    上記ゴム体は、上記カシメ部の外径よりも大きな内径を有しており、
    上記吊りボルトと上記ゴム体との隙間に、上記カシメ部と非当接状態で挿入されている筒状のゴムブッシュをさらに備えている請求項3から請求項5のいずれかに記載の遮音床・天井構造。

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